(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記メディアはテレビ放送であり、前記接触データは前記対象ユーザが視聴した放送時間帯及びテレビ局を含む視聴データであり、前記所定の情報は所定の番組であり、前記接触度合は視聴率である場合、
前記分類部は、
前記対象ユーザの視聴傾向ごとにグループ化されるように分類し、
前記特定部は、
前記所定の番組の視聴率が閾値より高いグループを特定し、
前記分析部は、
前記所定の番組を視聴していない対象ユーザの、前記所定の番組を放送するテレビ局の視聴傾向を分析する、請求項1記載の情報処理装置。
前記メディアはラジオ放送であり、前記接触データは前記対象ユーザが聴取した放送時間帯及びラジオ局を含む聴取データであり、前記所定の情報は所定の番組であり、前記接触度合は聴取率である場合、
前記分類部は、
前記対象ユーザの聴取傾向ごとにグループ化されるように分類し、
前記特定部は、
前記所定の番組の聴取率が閾値より高いグループを特定し、
前記分析部は、
前記所定の番組を聴取していない対象ユーザの、前記所定の番組を放送するラジオ局の聴取傾向を分析する、請求項1記載の情報処理装置。
前記メディアはインターネットであり、前記接触データは前記対象ユーザが閲覧したウェブページ及び閲覧回数を含む閲覧データであり、前記所定の情報は所定のウェブページであり、前記接触度合は閲覧回数である場合、
前記分類部は、
前記ウェブページの前記対象ユーザのサイト閲覧傾向ごとにグループ化されるように分類し、
前記特定部は、
前記所定のウェブページの閲覧回数が閾値より多いグループを特定し、
前記分析部は、
前記所定のウェブページを閲覧していない対象ユーザが、どのウェブページを閲覧しているかを分析する、請求項1記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0020】
[実施形態]
<システム構成>
図1は、実施形態における調査システム1の概略構成の一例を示す図である。
図1に示す調査システム1において、例えば、各調査対象世帯Hは、アンテナ又はネットワーク等に接続された接触調査装置10と、メディア出力装置20と、ユーザ設定装置60とを備える。
【0021】
また、各調査対象世帯Hに設置された各装置のうち、少なくとも接触調査装置10とメディア出力装置20とは、ブロードバンド回線等の有線又は無線ネットワークNを介して、集約センター40及び契約会社50に接続されている。また、ユーザ設定装置60は、ブロードバンド回線等の有線又は無線ネットワークNに接続されてもよい。
【0022】
メディア出力装置20は、例えば映像画面を表示する機能を有するモニター装置の役割を果たす機器や、ラジオ局の番組を出力するラジオや、インターネットによるウェブサイトを表示するPC(Personal Computer)などである。なお、メディア出力装置20は、テレビと録画装置とが一体化されているものや、テレビに外付けハードディスクユニットが接続されたもの等を含む。
【0023】
接触調査装置10は、メディア出力装置20と、又はそれに接続された録画装置(不図示)からデータを入力し、接触データを作成して、内蔵するメモリーに一時保存する。接触データとは、例えば、情報を提供するメディアに各対象ユーザが接触したことを示すデータである。ユーザ設定装置60は、接触者を識別するためのユーザIDを設定する。
【0024】
接触データは、接触調査装置10から、定時的にネットワークNを通じて、集計センター40に回収される。集計センター40内の情報処理装置は、取得した接触データを分析し、接触状況の報告書等を作成する。作成された報告書等は、集約センター40内の情報処理装置により契約会社50に送信されたり、集約センター40内の従業員により契約会社50に郵送されたりして提供される。
【0025】
契約会社50は、集約センター40から提供された報告書等に基づいて、例えば自身が提供する所定の情報に対する宣伝を効果的に行うようにする。
【0026】
<ハードウェア構成>
次に、集約センター40に設置される、接触データの分析等を行う情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
図2は、実施形態における情報処理装置100のハードウェアの概略構成の一例を示すブロック図である。
【0027】
図2に示すように、情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)102と、RAM(Random Access Memory)104と、ROM(Read Only Memory)106と、ドライブ装置108と、ネットワークI/F(Interface)110と、入力装置112と、及び表示装置114とを有する。これら各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続されている。
【0028】
CPU102は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行う制御部である。また、CPU102は、RAM104又はROM106に記憶された分析処理のプログラムを実行する演算装置である。CPU102は、入力装置112やネットワークI/F110などから形状データを受け取り、演算、加工した上で、演算結果を表示装置114や記憶装置などに出力する。
【0029】
RAM104は、例えば主記憶部などである。RAM104は、CPU102が実行する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0030】
ROM106は、例えばアプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0031】
ドライブ装置108は、記録媒体116、例えばCD−ROMやSDカードなどからプログラムを読み出し、記憶装置にインストールする。
【0032】
また、記録媒体116は、所定のプログラムを格納し、この記録媒体116に格納されたプログラムは、ドライブ装置108を介して情報処理装置100にインストールされる。インストールされた所定のプログラムは、情報処理装置100により実行可能となる。
【0033】
ネットワークI/F110は、通信機能を有する周辺機器と情報処理装置100とのインターフェースである。また、ネットワークI/F110は、例えば、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続される。
【0034】
入力装置112は、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキーボード、表示装置114の表示画面上でキーの選択等を行うためのマウスやスライドパッド等を有する。また、入力装置112は、ユーザがCPU102に操作指示を与えたり、データを入力したりするためのユーザインターフェースである。
【0035】
表示装置114は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU102から入力される表示データに応じた表示が行われる。なお、入力装置112や表示装置114は、情報処理装置100の外部に設けられてもよい。
【0036】
<機能構成>
次に、情報処理装置100の機能構成について説明する。
図3は、実施形態における情報処理装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示す情報処理装置100は、取得部202と、記憶部204と、分類部206と、特定部208と、分析部210と、出力部212とを備える。
【0037】
取得部202は、例えばCPU102、ネットワークI/F部110等により実現され、記憶部204は、例えばRAM104やROM106等により実現される。分類部206、特定部208及び分析部210は、例えばCPU102やRAM104等により実現される。出力部212は、例えばCPU102、ネットワークI/F部110等により実現される。CPU102は、接触データ分析処理のプログラムを実行することで、各部の機能を実行することができる。
【0038】
取得部202は、各調査対象世帯Hに設定された接触調査装置10から、ネットワークNを介して、情報を提供するメディアに各対象ユーザが接触したことを示す接触データを取得する。ここでは、メディアとは、例えば、特定の発信者から不特定多数の受け手に対して情報伝達を行うマスメディアとする。取得部202は、取得した接触データを記憶部204に記録する。
【0039】
記憶部204は、接触データを記憶する。また、記憶部204は、接触データに対して分析が行われた分析結果のデータ等を記憶する。
【0040】
分類部206は、記憶部204に記憶された接触データに基づき、対象ユーザを所定の分類手法を用いて複数のグループに分類する。所定の分類手法は、例えばk−means法や自己組織化マップなどの一般的なクラスタリング手法である。分類部206は、接触データに基づいて、対象ユーザの接触傾向ごとに対象ユーザをグルーピングできればよいため、分類手法については特に問わない。分類部206は、分類結果を特定部208に出力する。
【0041】
特定部208は、分類部206により分類された各グループに対し、グループに含まれる対象ユーザによる所定の情報への接触に関するパラメータ(接触度合)が閾値よりも高いグループを特定する。例えば、特定部208は、分類されたグループごとに、所定の情報に接触した対象ユーザの割合が閾値よりも高い場合に、そのグループを特定する。特定部208は、特定結果を分析部210に出力する。
【0042】
分析部210は、特定部208により特定されたグループに含まれる対象ユーザのうち、所定の情報に接触していない対象ユーザのメディアへの接触データに基づき、この対象ユーザのメディア接触傾向を分析する。例えば、分析部210は、所定の情報に接触していない対象ユーザが、頻繁に接触している或る情報があるか否か等の接触傾向を分析する。分析部210は、例えば、分析された接触傾向を報告書として出力部212に出力する。
【0043】
出力部212は、分析部210により分析された接触状況を含む報告書等を出力する。出力部212による出力方法は、契約会社50のPCに送信することでもよいし、印刷することでもよい。出力部212により出力された報告書等は、契約会社50に取得される。
【0044】
これにより、情報処理装置100は、情報を提供するメディアの接触データに対し、効果的な宣伝を行うための適切な分析を行うことができる。
【0045】
ここで、所定の情報に接触していない対象ユーザであり、所定の情報に頻繁に接触している対象ユーザと同様の接触傾向を有している対象ユーザを、潜在接触ユーザと称す。潜在接触ユーザは、所定の情報に頻繁に接触している対象ユーザと同様の接触傾向を有しているため、この潜在接触ユーザに対して効果的に宣伝を行えば、潜在接触ユーザは、所定の情報に接触する可能性が高くなる。
【0046】
出力部212により出力される報告書は、この潜在接触ユーザの接触状況を示すものである。したがって、契約会社50は、この報告書に基づいて、例えば、潜在接触ユーザが頻繁に接触している情報に対し、所定の情報の宣伝を行うことで、効果的な宣伝を行うことができるようになる。
【0047】
以下、本実施形態におけるメディアの種類が、テレビ放送、ラジオ放送、インターネットの場合の各実施例について説明する。
【0048】
[実施例1]
実施例1では、メディアをテレビ放送とし、接触データを対象ユーザが視聴した放送時間帯及びテレビ局を含む視聴データとし、所定の情報を所定の番組とし、パラメータを視聴率とする。
【0049】
<各部の具体的な処理>
次に、実施例1における情報処理装置100の各部の処理について、具体例を用いて説明する。
【0050】
≪取得部≫
取得部202は、各調査対象世帯Hの接触調査装置10から視聴データを取得する。視聴データは、例えば視聴率を調査するためのデータであり、ピープルメータ(PM)というシステムや、オンラインメータというシステムや、日記式のアンケートなどを用いて得られるデータである。
【0051】
図4は、実施例1における視聴データの一例を示す図である。
図4に示す視聴データでは、対象ユーザのユーザID、テレビ局ID、視聴開始時刻、視聴終了時刻などが含まれる。
図4に示す視聴データは、あくまでも一例であり、ユーザに関する性別、年齢、職業、番組に関するメタデータ(ジャンル、出演者など)などを含むようにしてもよい。
【0052】
例えば、
図4に示す視聴データによれば、ユーザID「001」の対象ユーザは、2014年4月12日17時11分00秒から2014年4月12日18時12分34秒まで、テレビ局ID「501」のテレビ局の番組を視聴していたことになる。なお、視聴データの時刻の単位は、秒単位でもよいし、分単位などでもよい。
【0053】
≪分類部≫
分類部206は、記憶部204に記憶された視聴データに含まれる対象ユーザに対し、例えばk−means法などを用いることで、対象ユーザの視聴傾向ごとにグループ化されるように分類する。分類部206は、例えば、一人の対象ユーザが、一つのテレビ局ごとに5時から28時までの各時間帯の視聴状況データ(視聴分数など)を有するとし、これらの視聴分数などを入力パラメータとしてk−means法などを用いることで、所定のテレビ局をよく視聴するグループ、各テレビ局を万遍なく視聴するグループ、いずれのテレビ局もあまり見ないグループなどに分類する。
【0054】
図5は、実施例1における分類結果の一例を示す図である。
図5に示す縦軸は、視聴分数であり、横軸は、各テレビ局A〜Fに対する5時〜28時までの視聴時間である。
図5に示す分類結果では、各対象ユーザがグループ1〜9に分類される。例えば、グループ3は、テレビ局Fをよく視聴するユーザのグループであり、グループ1は、テレビ局Aをよく視聴するユーザのグループである。分類部206は、グループ1〜9を分類結果として特定部208に出力する。
【0055】
≪特定部≫
特定部208は、グループごとに所定の番組の視聴率を求め、この視聴率が閾値より高いグループを特定する。ここで、閾値は、例えば所定の番組の平均視聴率とするが、予め設定された値などでもよい。所定の番組は、例えばドラマやニュース、バラエティ番組、情報番組などである。
【0056】
図6は、実施例1におけるグループ特定を説明するための図である。
図6に示す例では、特定部208は、テレビ局Aの番組Bについて、各グループの視聴率を求める。例えば、グループ1では、6.6%の対象ユーザが番組Bを見ており、93.4%の対象ユーザが番組Bを見ていない。
【0057】
また、グループ8では、53.4%の対象ユーザが番組Bを見ており、46.6%の対象ユーザが番組Bを見ていない。番組Bの全体の視聴率は、18.8%とする。このとき、閾値は、例えば18.8%に設定される。
【0058】
特定部208は、番組Bの全体の視聴率18.8%よりも高いグループ4〜9(以下、グループG1と称す。)を特定する。特定部208は、グループG1を特定結果として分析部210に出力する。
【0059】
≪分析部≫
分析部210は、所定の番組(テレビ局Aの番組B)を視聴していない対象ユーザの、番組Bを放送するテレビ局Aの視聴傾向を分析する。これにより、分析部210は、潜在視聴者に対して分析を行うので、番組Bの宣伝(番宣)を効果的に行うための分析を適切に行うことができる。
【0060】
まず、分析部210は、番組Bに対する潜在視聴者を特定する。例えば、分析部210は、所定の番組をよく視聴するグループに含まれる対象ユーザのうち、所定の番組を視聴していない対象ユーザを潜在視聴者とする。
【0061】
図7は、実施例1における潜在視聴者の特定を説明するための図である。
図7に示すように、分析部210は、グループG1に含まれる対象ユーザのうち、番組Bを見ていない対象ユーザを潜在視聴者P1とする。
【0062】
次に、分析部210は、潜在視聴者P1(番組Bを視聴していない対象ユーザ)の、テレビ局Aに対する各曜日の放送時間帯ごとの視聴率を求める。これにより、潜在視聴者の各曜日の放送時間帯ごとの視聴傾向を把握することができるようになる。
【0063】
次に、分析部210は、各曜日の放送時間帯ごとの視聴率に基づいて、所定の番組の宣伝を効果的に行うための放送時間帯を抽出する。例えば、分析部210は、各放送時間帯を、視聴率が高い順に4つのサブグループに分類し、分類された各サブグループを視認化できるようにする。これにより、分析結果を取得する会社は、番組Bの宣伝をどの放送時間帯に行ったらよいかを一目で把握することができるようになる。
【0064】
図8は、実施例1における分析結果の一例を示す図である。
図8に示す例では、各曜日の放送時間帯ごとに、潜在視聴者の視聴率が求められている。サブグループS1は、潜在視聴者の視聴率が第1閾値よりも高い放送時間帯である。サブグループS2は、潜在視聴者の視聴率が第1閾値以下で、第2閾値よりも高い放送時間帯である。サブグループS3は、潜在視聴者の視聴率が第2閾値以下で、第3閾値よりも高い放送時間帯である。その他の放送時間帯は、潜在視聴者の視聴率が第3閾値以下の放送時間帯である。
【0065】
なお、分析部210は、サブグループを4つに分ける例について説明したが、4つに限る必要はない。また、分析部210は、最も視聴率が高い放送時間帯だけを抽出してもよいし、視聴率が高い順に所定個の放送時間帯を抽出するようにしてもよい。
【0066】
図8に示す例では、サブグループS1に示される放送時間帯に番組Bの宣伝を行えば、最も効果的な宣伝となり、サブグループS2に示される放送時間帯に宣伝を行えば、次に効果的な宣伝となる。この宣伝が効果的となる理由として、次のことが言える。潜在視聴者は、分析結果により番組Bの宣伝を行う放送時間帯をよく視聴していることが分かっており、この潜在視聴者は、番組Bを視聴しているユーザが多く所属するグループに属することから、番組Bの視聴ユーザと同様の視聴傾向を持つ可能性が高いため、潜在視聴者が番組Bに興味を持つ可能性が高くなるからである。
【0067】
≪出力部≫
出力部212は、分析部210により分析された、潜在視聴者の視聴傾向をデータ化して、そのデータを契約会社50に送信したり、潜在視聴者の視聴傾向を印刷したりして出力する。ここで、契約会社50は、例えばテレビ局である。
【0068】
これにより、テレビ局である契約会社50は、視聴率を上げたい番組に対し、潜在視聴者がよく見ている放送時間帯に番組の宣伝を行うことで、効果的に宣伝をすることができるようになる。
【0069】
<動作>
次に、情報処理装置100の動作について説明する。
図9は、実施例1における情報処理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
図9に示すステップS102で、取得部202で、各調査対象世帯Hに設定された接触調査装置10から、ネットワークNを介して、情報を提供するメディア(テレビ放送)に各対象ユーザ(視聴ユーザ)が接触したことを示す接触データ(視聴データ)を取得する。取得部202は、取得した接触データを記憶部204に記録する。
【0070】
ステップS104で、分類部206は、記憶部204に記憶された接触データに基づき、対象ユーザを所定の分類手法を用いて複数のグループに分類する。所定の分類手法は、例えばk−means法や自己組織化マップなどの一般的なクラスタリング手法である。分類部206は、分類結果を特定部208に出力する。
【0071】
ステップS106で、特定部208は、分類部206により分類された各グループに対し、グループに含まれる対象ユーザによる所定の情報への接触に関するパラメータ(視聴率)が、閾値よりも高いグループを特定する。特定部208は、特定結果を分析部210に出力する。特定処理については
図10を用いて後述する。
【0072】
ステップS108で、分析部210は、特定部208により特定されたグループに含まれる対象ユーザのうち、所定の情報に接触していない対象ユーザ(潜在視聴者)のメディアへの接触データに基づき、潜在視聴者の接触傾向を分析する。分析部210は、例えば、分析された接触傾向を報告書として出力部212に出力する。分析処理については、
図11を用いて後述する。
【0073】
ステップS110で、出力部212は、分析部210により分析された接触状況を含む報告書等を出力する。出力部212により出力された報告書等は、契約会社50に取得される。
【0074】
これにより、情報処理装置100は、情報を提供するメディア(テレビ放送)の接触データ(視聴データ)に対し、効果的な宣伝を行うための適切な分析を行うことができる。なお、
図9に示す処理は、定期的に行われ、例えば番組の編成が変わる時期に合わせて行うようにすればよい。また、例えば一週間に一度の頻度で上述した分析処理を行えば、潜在視聴者の直近の視聴傾向を分析することができ、さらに効果的な番組の宣伝を行うことができるようになる。
【0075】
図10は、実施例1における特定処理の一例を示すフローチャートである。ステップS202で、特定部208は、分類部206により分類された複数のグループのうち、未処理の1つのグループを選択する。
【0076】
ステップS204で、特定部208は、選択した1つのグループに含まれる視聴ユーザによる所定の番組(例えば番組B)への視聴に関するパラメータを算出する。ここでのパラメータは、視聴率である。つまり、特定部208は、選択したグループ内での番組Bの視聴率を求める。
【0077】
ステップS206で、特定部208は、求めたパラメータ(視聴率)が閾値より大きいか否かを判定する。閾値は、例えば複数のグループ全てを含む世帯全体の番組Bの平均視聴率である。パラメータが閾値より大きければ(ステップS206−YES)ステップS208に進み、パラメータが閾値以下であれば(ステップS206−NO)ステップS210に進む。
【0078】
ステップS208で、特定部208は、パラメータが閾値より大きいグループを抽出し、特定する。
【0079】
ステップS210で、特定部208は、全てのグループを処理したか否かを判定する。ステップS210で、全てのグループが処理されていれば(ステップS210−YES)特定処理を終了し、全てのグループが処理されていなければ(ステップS210−NO)ステップS202に戻る。
【0080】
以上、特定処理が実行されることにより、同様の視聴傾向を持つグループごとに、所定の情報に接触している対象ユーザの割合を求め、所定の情報に頻繁に接触しているグループを特定することができるようになる。
【0081】
図11は、実施例1における分析処理の一例を示すフローチャートである。
図11に示すステップS302で、分析部210は、潜在視聴者を特定する。潜在視聴者とは、例えば、所定の番組をよく視聴するグループに含まれる対象ユーザのうち、所定の番組を見ていない対象ユーザのことをいう。分析部210は、特定部208により特定されたグループに含まれる視聴ユーザのうち、所定の番組(番組B)を視聴していない視聴ユーザを潜在視聴者とする。
【0082】
ステップS304で、分析部210は、潜在視聴者の接触傾向(例えば視聴傾向)を分析する。例えば、分析部210は、番組Bの潜在視聴者の、番組Bを放送するテレビ局(例えばテレビ局A)に対する視聴傾向を分析する。より具体的には、分析部210は、番組Bの潜在視聴者の、番組Bを放送するテレビ局Aの、各曜日の放送時間帯ごとの視聴率を求める。
【0083】
ステップS306で、分析部210は、各曜日の放送時間帯ごとの視聴率に基づいて、効果的な宣伝を可能にするデータ(放送時間帯)を抽出する。例えば、分析部210は、テレビ局Aに対し、潜在視聴者の視聴率が高い放送時間帯を抽出する(例えば
図8参照)。
【0084】
以上、分析処理が実行されることにより、所定の番組に対する効果的な宣伝を行うための分析を適切に行うことができる。この分析結果を取得した契約会社は、所定の番組に対する宣伝を効果的に行うことができる。
【0085】
[実施例2]
実施例2では、メディアをラジオ放送とし、接触データを対象ユーザが聴取した放送時間帯及びラジオ局を含む聴取データとし、所定の情報を所定の番組とし、パラメータを聴取率とする。
【0086】
<各部の具体的な処理>
次に、実施例2における情報処理装置100の各部の処理について説明する。実施例2における情報処理装置100の各部は、実施例1と同様の処理を行うため、テレビ放送をラジオ放送、テレビ局をラジオ局、視聴データを聴取データ、視聴ユーザを聴取ユーザ、パラメータを聴取率に置き換えればよい。
【0087】
これにより、情報処理装置100は、情報を提供するメディア(ラジオ放送)への接触データ(聴取データ)に対し、効果的な宣伝を行うための適切な分析を行うことができる。なお、分析処理は、定期的に行われ、例えば番組の編成が変わる時期に合わせて行うようにすればよい。また、例えば一週間に一度の頻度で上述した分析処理を行えば、潜在聴取者の直近の聴取傾向を分析することができ、さらに効果的な番組の宣伝を行うことができるようになる。
【0088】
[実施例3]
実施例3では、メディアをインターネットとし、接触データを対象ユーザが閲覧したウェブページ及び閲覧回数を含む閲覧データとし、所定の情報を所定のウェブページとし、パラメータを閲覧回数とする。
【0089】
<各部の具体的な処理>
次に、実施例3における情報処理装置100の各部の処理について説明する。実施例3における情報処理装置100の各部は、実施例1と同様の処理を行うため、テレビ放送をインターネット、テレビ局をインターネットのサイト運営者、視聴データを閲覧データ、視聴ユーザを閲覧ユーザ、パラメータを閲覧回数に置き換えればよい。ただし、実施例3では、実施例1や実施例2のように、放送時間帯のような時間的な概念は必ずしも必要ではない。
【0090】
これにより、情報処理装置100は、情報を提供するメディア(インターネット)への接触データ(閲覧回数)に対し、効果的な宣伝を行うための適切な分析を行うことができる。例えば、所定のウェブページAをよく閲覧する閲覧ユーザと同様の閲覧傾向を有する潜在閲覧ユーザに対し、この潜在閲覧ユーザがよく閲覧するウェブページに、ウェブページAの広告を出稿することが可能になる。
【0091】
[変形例]
次に、上記各実施例の変形例について説明する。接触データとして、ACR(Audience and Consumer Report)というデータがある。このACRは、様々なメディアへの接触データを含み、例えばテレビ放送やラジオ放送の接触状況、新聞閲読者率、交通機関利用率、インターネット利用率などを含む。
【0092】
取得部202は、ACRを取得することで、接触データとして、テレビの接触状況、ラジオの接触状況、又はインターネット利用率などを取得するようにしてもよい。
【0093】
また、分析部210は、所定のメディアの所定の情報に対する潜在接触者の分析を行う際、この潜在接触者の他のメディアに対する分析を行うようにしてもよい。例えば、電車内の広告をメディアと考えた場合、分析部210は、所定のテレビ局の所定の情報に対する潜在視聴者に対し、交通機関の接触状況(乗車状況)を分析する。これにより、所定の情報に対する潜在視聴者が、よく乗車する電車などを把握することができるようになる。
【0094】
この場合、契約会社50は、潜在視聴者がよく乗車する電車に対し、所定の情報に対する宣伝を中吊り広告として出すことができるようになる。
【0095】
なお、上記の情報処理装置100で実行される接触データの分析を行うプログラムについて、CPU102がROM106からこのプログラムを読み出して実行することにより、上記各部のうち1又は複数の各部がRAM104上にロードされ、1又は複数の各部がRAM104上に生成されるようになっている。
【0096】
このように、上述した実施形態で説明した接触データの分析処理は、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。このプログラムをサーバ等からインストールしてコンピュータに実行させることで、前述した接触データの分析処理を実現することができる。
【0097】
また、このプログラムを記録媒体116に記録し、このプログラムが記録された記録媒体116をコンピュータに読み取らせて、前述した接触データの分析処理を実現させることも可能である。
【0098】
なお、記録媒体116は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的,電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリー等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
【0099】
以上、各実施例について詳述したが、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、上記実施例以外にも種々の変形及び変更が可能である。