特許第5872653号(P5872653)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5872653
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】搬入用台車
(51)【国際特許分類】
   B62B 5/00 20060101AFI20160216BHJP
【FI】
   B62B5/00 F
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-182336(P2014-182336)
(22)【出願日】2014年9月8日
【審査請求日】2014年9月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 秀一
【審査官】 林 政道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−086651(JP,A)
【文献】 特開2010−137690(JP,A)
【文献】 実開平06−000706(JP,U)
【文献】 特開2006−298343(JP,A)
【文献】 特開2004−026459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 1/00− 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転自在な車輪を有する台車本体と、前記台車本体の上面に設けられる直線状の少なくとも二つのりん木と、前記台車本体の長手方向及び幅方向の中央に設けられかつ前記りん木の長手方向に対して交差する方向に延びた一本の可動孔と、前記可動孔を通って少なくとも二つの前記りん木の前記台車本体の上面での間隔を変更自在に固定する少なくとも二つの固定部材と、を有する変更手段と、を備えることを特徴とする搬入用台車。
【請求項2】
前記変更手段は、前記りん木を前記台車本体の上面に着脱自在とすることを特徴とする請求項1記載の搬入用台車。
【請求項3】
前記複数のりん木は、互いに平行に前記上面に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の搬入用台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、搬入用台車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータは、昇降路内を昇降体としての乗りかごが移動することにより、乗りかごを任意の階床に移動させる。このようなエレベータでは、メンテナンスの際などに、りん木を有する搬入用台車などにより交換用の部品を運搬していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭59−149230号公報
【特許文献2】実用新案登録第3010413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来技術においては、りん木を適切な位置に設置するのに手間がかかっていた。
【0005】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、りん木を適切な位置に配置するのにかかる手間を抑制できる搬入用台車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の搬入用台車は、台車本体と、少なくとも二つのりん木と、変更手段と、を備える。台車本体は、回転自在な車輪設けられる。りん木は、台車本体の上面に設けられて直線状である。変更手段は、台車本体の長手方向及び幅方向の中央に設けられかつりん木の長手方向に対して交差する方向に延びた一本の可動孔と、この可動孔を通って少なくとも二つのりん木の台車本体の上面での間隔を変更自在に固定する少なくとも二つの固定部材と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る搬入用台車を上方からみた斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る搬入用台車を下方からみた斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る搬入用台車の要部の断面を示す斜視図である。
図4図4は、実施形態に係る搬入用台車が用いられるエレベータの全体の構成を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態]
本発明の実施形態に係る搬入用台車を図面に基いて説明する。図1は、実施形態に係る搬入用台車を上方からみた斜視図、図2は、実施形態に係る搬入用台車を下方からみた斜視図、図3は、実施形態に係る搬入用台車の要部の断面を示す斜視図、図4は、実施形態に係る搬入用台車が用いられるエレベータの全体の構成を模式的に示す説明図である。
【0009】
実施形態に係る搬入用台車1は、例えば、図4に示すエレベータ101のメンテナンス作業時に各種の部品を運搬するためなどに用いられる。エレベータ101は、建造物の図示しない昇降路内に設置されて、乗りかご102内の行先階登録装置(図示せず)の操作による行先階登録及び各階床に設けられた呼び登録装置(図示せず)の操作による呼び登録に基いて乗客などを建造物の所望の階床に運搬する。
【0010】
エレベータ101は、図4に示すように、乗りかご102と、カウンタウェイト103と、駆動機構104などを備えている。
【0011】
乗りかご102は、図示しないかご用ガイドレールにより、鉛直方向に昇降自在に支持されている。乗りかご102は、乗客を収容するかご室102aを備えている。かご室102aは、箱状に形成されて、内側に乗客などを収容可能である。かご室102aには、かご室102aの出入口102bを開閉するかご側ドア102cが一以上設けられている。
【0012】
カウンタウェイト103は、図示しないウェイト用ガイドレールにより、鉛直方向に昇降自在に支持されている。また、乗りかご102には、メインロープ105の一端部が取り付けられ、カウンタウェイト103には、メインロープ105の他端部が取り付けられている。メインロープ105は、駆動機構104の駆動シーブ104aに掛け渡されて、乗りかご102とカウンタウェイト103とが互いに上下反対方向に昇降するように設けられている。即ち、エレベータ101は、所謂、釣瓶式のエレベータとなっている。このように、メインロープ105は、駆動機構104の巻き上げ機により移動されることで、乗りかご102とカウンタウェイト103とを釣瓶式に昇降させる。
【0013】
駆動機構104は、図4に示すように、例えば、昇降路の上部に設けられた機械室又は昇降路内の上部などに設けられ、周知の巻き上げ機と、メインロープ105が掛け渡されて巻き上げ機により回転駆動される駆動シーブ104aなどを備えている。駆動機構104は、巻き上げ機が駆動シーブ104aを回転駆動することにより、メインロープ105を昇降路内で移動させて、乗りかご102とカウンタウェイト103を昇降させる。
【0014】
搬入用台車1は、エレベータ101の各種の交換部品などを運搬するためなどに用いられる。搬入用台車1は、図1及び図2に示すように、回転自在な車輪11を設ける台車本体10と、台車本体10の上面12b上に設けられる複数のりん木20と、変更手段30とを備える。
【0015】
台車本体10は、厚手の平板状に形成された台部12と、台部12に回転自在に設けられた複数の車輪11などを有している。台部12の平面形状は、矩形状に形成されている。車輪11は、台部12の下面12aの各隅に軸受部により回転自在に支持されて、全部で四つ設けられている。車輪11は、床面上を転動することで、台車本体10即ち搬入用台車1を移動自在とする。また、台車本体10の台部12の上面12bの四隅には、上方に延在して作業者が把持することが可能な把持部(図示せず)を取り付け可能な取付穴13が設けられている。なお、台部12の上面12bは、平坦に形成され、台車本体10の上面をなしている。また、台車本体10の台部12は、例えば、幅が600mm、長さが900mmに形成される。
【0016】
りん木20は、直線状の四角柱状に形成されている。実施形態では、りん木20は、二つ設けられ、台車本体10の上面12b上に互いに間隔をあけて平行に配置される。りん木20の長手方向は、台車本体10の台部12の幅方向と平行に上面12b上に配置される。実施形態では、りん木20は、アルミニウム合金で構成されている。りん木20は、例えば、断面形状が50mm×50mmの正方形で、長さが600mmに形成される。
【0017】
変更手段30は、りん木20の台車本体10の台部12の上面12bに対する位置を変更自在とするとともに、りん木20を台車本体10の台部12の上面12bに着脱自在とするものである。変更手段30は、図3に示すように、台車本体10の台部12に設けられた可動孔31と、りん木20に設けられたナット32と、締め付け用ちょうねじ33(固定部材に相当する)とを備える。
【0018】
可動孔31は、上面12bから下面12aとに亘って台部12を貫通して、台車本体10に設けられている。可動孔31は、台部12の長手方向及び幅方向の中央に設けられているとともに、台部12の長手方向(即ち、りん木20の長手方向に対して交差する方向)に直線状に延びて形成されている。可動孔31は、例えば、幅が15mmでかつ長さが800mmに形成される。ナット32は、りん木20の長手方向の中央に設けられている。ナット32は、りん木20が台部12の上面12b上に配置されると、そのねじ孔が可動孔31と連通する位置に配置されている。ナット32は、台部12の上面12bに重なるりん木20の表面と面一に配置されている。本実施形態では、ナット32は、りん木20に溶接などにより固定されている。
【0019】
締め付け用ちょうねじ33は、ねじ部33aが可動孔31内を通って、ナット32のねじ孔に螺合することで、ねじ部33aが台車本体10に固定される。締め付け用ちょうねじ33は、頭部33bとりん木20との間に台車本体10の台部12を挟み込んで、りん木20を台車本体10の台部12の上面12bに固定する。締め付け用ちょうねじ33は、例えば、M12のものが用いられる。変更手段30は、締め付け用ちょうねじ33がナット32に螺合したり、ナット32への螺合が外れることで、りん木20を台車本体10の上面12bに着脱自在とする。また、変更手段30は、締め付け用ちょうねじ33のねじ部33aの可動孔31内を通る位置を変更することで、りん木20の長手方向に直交(交差)する方向にりん木20の台車本体10の上面12bに対する位置を変更自在とする。
【0020】
前述した構成の搬入用台車1は、ナット32に締め付け用ちょうねじ33を締め付けて、りん木20を台車本体10の上面12bに固定して用いられる。搬入用台車1は、運搬する部品などの長さに応じて、運搬する部品がりん木20上に位置して台車本体10の台部12の上面12bから間隔をあけるように、りん木20の台車本体10の上面12bに対する位置を調整する。調整する際には、締め付け用ちょうねじ33をナット32に螺合したまま緩めることで、りん木20を可動孔31に沿ってスライドさせる。そして、りん木20が適切な位置に位置付けられると、ナット32に螺合したまま緩められた締め付け用ちょうねじ33を締め付けて、りん木20を台車本体10の上面12bに固定する。また、搬入用台車1は、りん木20が台車本体10の台部12の幅方向と平行となるのが望ましい。
【0021】
さらに、搬入用台車1は、りん木20が不要な場合には、締め付け用ちょうねじ33をナット32から外して、りん木20を締め付け用ちょうねじ33とともに台車本体10から取り外す。そして、搬入用台車1は、平坦な台車本体10の上面12b上に載置された部品などを運搬するためなどに用いられる。
【0022】
実施形態に係る搬入用台車1によれば、台車本体10の上面12bに設けられたりん木20の上面12bに対する位置を変更自在とする変更手段30を備えているので、変更手段30によりりん木20の位置を容易に変更することができる。したがって、りん木20を適切な位置に配置する手間を抑制することができる。
【0023】
また、搬入用台車1は、変更手段30がりん木20を台車本体10の台部12の上面12bに着脱自在とするので、りん木20を取り外した状態で部品などを運搬することができる。このように、搬入用台車1は、りん木20を取り外して通常の台車としても用いることができる。また、搬入用台車1は、変更手段30によりりん木20を台車本体10に取り付けておくことができるので、部品などを運搬する際に、台車本体10と別体のりん木20を容易する必要が生じない。
【0024】
さらに、搬入用台車1は、りん木20を互いに平行に配置するので、りん木20で支えた部品などをフォークリフトなどにより台車本体10の上面12bから容易に持ち上げることができる。
【0025】
また、搬入用台車1は、変更手段30がりん木20の長手方向に対して交差する方向にりん木20の位置を変更自在とするので、りん木20間の間隔を容易に変更でき、運搬する部品などの大きさに応じて、りん木20間の間隔を適切な間隔にすることができる。
【0026】
搬入用台車1は、変更手段30が台車本体10を貫通した可動孔31と、可動孔31内を通ってりん木20に取り付けられたナット32に螺合する締め付け用ちょうねじ33を備えているので、締め付け用ちょうねじ33をナット32に螺合したまま緩めることで、りん木20を容易に可動孔31に沿ってスライドさせることができる。したがって、りん木20の台車本体10の上面12bに対する位置を容易に変更することができる。また、搬入用台車1は、ナット32に螺合したまま緩められた締め付け用ちょうねじ33を締め付けることで、容易にりん木20を台車本体10の上面12bに固定することができる。搬入用台車1は、りん木20がアルミニウム合金で構成されているので、りん木20の軽量化を図ることができ、りん木20の位置を容易に変更することができる。
【0027】
前述した実施形態では、搬入用台車1がりん木20を二つ備えていたが、本発明では、これに限定されることなく、りん木20を三つ以上備えてもよい。また、実施形態では、搬入用台車1は、エレベータ101の交換部品などを運搬するために用いられる旨を記載した。しかしながら、本発明では、搬入用台車1は、踏み台チェーンを介して複数の踏み段を循環走行させることにより乗客を運搬する乗客コンベア(エスカレータともいう)等の種々の機械を構成する部品などを運搬するために用いられてもよい。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0029】
1 搬入用台車
10 台車本体
11 車輪
12a 下面
20 りん木
30 変更手段
【要約】
【課題】りん木を適切な位置に配置するのにかかる手間を抑制できる搬入用台車を提供する。
【解決手段】実施形態の搬入用台車1は、台車本体10と、複数のりん木20と、変更手段30と、を備える。台車本体10は、回転自在な車輪11を設ける。りん木20は、台車本体10の上面12bに設けられる。変更手段30は、りん木20の台車本体10の上面12bに対する位置を変更自在とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4