【課題を解決するための手段】
【0011】
医薬品有効成分(API)、本明細書において「溶媒(vehicle)」或いは「揮発性溶媒」として参照される溶剤、溶媒と同じ化合物或いは異なる化合物である湿潤剤、及び限定水混和性を有する非揮発性溶剤を含有する薬学的組成物は、無傷の爪へ及び爪を通じた、APIの増強された浸透を提供することが意外にも発見された。好ましくは、本発明の組成物は、フィルム形成性ポリマー化合物を含まない。そのような組成物は、爪及び/若しくは基礎にある爪床に関連する病状を治療するために、APIを運搬するために使用されることが考えられる。
【0012】
1実施形態において、本発明は、爪或いは爪床の疾患を治療するための薬学的組成物である。本発明の薬学的組成物は、揮発性及び/若しくは浸透性溶媒、溶媒内に溶解、懸濁、分散或いは乳化された非揮発性溶剤、非揮発性溶剤及び/若しくは溶媒及び非揮発性溶剤の混合物中に可溶性で、任意に前記溶媒に可溶性なAPI、及び溶媒自体である若しくはそうではない湿潤剤を含有する。
【0013】
別の実施形態において、本発明は、爪或いは爪床へ、この領域の疾患を治療するためにAPIを運搬するための薬学的処方である。この実施形態に従うと、前記処方は、揮発性及び/若しくは浸透性溶媒、前記溶媒内に溶解、懸濁、分散或いは乳化された非揮発性溶剤、及び溶媒自体である若しくはそうではない湿潤剤を含有する。本発明の処方に使用されたAPIは、非揮発性溶剤及び/若しくは溶媒及び前記非揮発性溶剤の混合物に可溶性で、溶媒単体に任意に可溶性であるものである。
【0014】
別の実施形態において、本発明は、爪或いは爪床の疾患を治療するための方法である。本発明のこの実施例に従うと、揮発性及び/若しくは浸透性溶媒、前記溶媒内に溶解、懸濁、分散或いは乳化された非揮発性溶剤、前記非揮発性溶剤及び/若しくは前記溶媒及び非揮発性溶剤の混合物に可溶性で、前記溶媒単体に任意で可溶性であるAPI、溶媒自体である若しくはそうではない湿潤剤を含有する薬学的組成物は、前記疾患の症状を回復するのに十分な量と時間で、疾患を患った爪の表面へ局所的に適用される。
【0015】
本明細書で用いられ、溶媒を参照する場合、「揮発性」という用語は、塗布した時に前記溶媒が爪の表面から蒸発する化合物であることを意味している。揮発性溶媒は、測定可能な蒸気圧を有した化合物であり、好ましくは室温で100Pa以上の蒸気圧を有する化合物である。揮発性溶媒の例としては:アセトン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブタノール、シクロメチコン(cyclomethicone)−4、シクロメチコン−5、シクロメチコン−6、エタノール、酢酸エチル、n−ヘプタン、イソブタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、及び2−プロパノールが含まれる。
【0016】
本明細書で用いられ、溶媒を参照する場合、「浸透性」という用語は、爪の表面へ塗布したときに、爪の表面へ前記溶媒の薄層を適用した10分後に適用量のわずか10%が前記爪表面に残るような、前記溶媒が爪へ素早く浸透することを意味している。従って、「浸透性」という用語は、揮発性及び非揮発性溶媒の両者を含む。
【0017】
本発明の方法において使用される薬学的組成物の例は、Pitreによる米国出願第11/432,410号;及びMallardによる米国出願第11/315,259号に開示されており、これら出願はこの参照によってその全体が本明細書に組込まれるものである。本発明に従うと、本発明に従った爪の病状を治療するために使用されるPitre及びMallardの薬学的組成物はAPIとして、Pitreに開示されたようにビタミンD、或いはMallardに開示されたようにクロベタゾールを含有する、若しくは本明細書に開示されたように、これらのAPIの代わりに、或いはこれらAPIに加えて他のAPIを含有するものである。
【0018】
本発明の組成物のAPIは、爪或いは爪床の疾患の治療に有用なものである。APIは前記組成物の溶剤において、及び/若しくは前記組成物の溶剤及び溶媒の組み合わせにおいて可溶性である。適切なAPIの例としては、抗炎症剤、抗菌剤及び抗真菌剤などの抗細菌剤、麻酔薬、ステロイド剤、ビタミン群及びそれらの誘導体、抗乾癬薬、及び鎮痛剤が含まれる。
【0019】
好ましい実施形態において、本発明の組成物のAPIは、抗真菌化合物、特に爪真菌症の治療に有効な化合物である。適切な抗真菌剤の例としては、ナタマイシン、リモシジン(rimocidin)、フィリピン、ニスタチン、及びアムホテリシンBなどのポリエン抗真菌剤;ミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、ビホナゾール、ブトコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スコナゾール、及びチオコナゾールなどのイミダゾール化合物;フルコナゾール、イトラコナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、(2R,3R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−(4−メチレンピペリジン−1−イル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オール(本明細書では「KP−103」として言及される)、及びテルコナゾールなどのトリアゾール化合物;テルビナフィン、アモロルフィン、ナフチフィン、及びブテナフィンなどのアリルアミン化合物;アニデュラファンギン、カスポファンギン、及びミカファンギンなどのエキノキャンディン化合物;及びシクロピロクス、フルシトシン、グリセオフルビン、ゲンチアナバイオレット、ハロピロジン、トルナフタート、及びウンデシレン酸などの他の抗真菌剤が含まれる。ヒト或いは動物における薬学的使用に適切なあらゆる抗真菌化合物、及び特にカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、紅色白癬菌(Trichophyton rubrum)、毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)に対してin vitroで活性な化合物は、本発明のAPIとして適切である。特に好ましい抗真菌APIsは、KP−103のようなトリアゾール化合物などの、ケラチンに比較的低結合性のものである。
【0020】
本発明の組成物に適切な他のAPIsは、爪真菌症以外の爪の疾病及び疾患、特に爪の内部、爪床に隣接する深部爪表面、及び爪床などの、爪の外表面の深部の組織に影響を及ぼす疾病及び疾患を治療するのに有効なものが含まれる。そのような疾病及び疾患には、爪炎、巻き爪、爪ジストロフィー、爪鉤弯症、爪甲離床症(onycholysis)、爪甲脱落症(onychomadesis)、onychophosis、爪甲脱落症(onychoptosis)、爪周囲炎、匙状爪、爪下血腫、及び蹄葉炎が含まれる。
【0021】
本発明の組成物の溶媒は、本発明の組成物の成分が溶解、懸濁、分散或いは乳化され得る、薬学的に許容可能な溶媒である。前記組成物の成分は、溶媒中の単相内に全て存在する。例えば、API、湿潤剤、及び非揮発性相は、溶媒中に溶解される。或いは、前記成分は、前記溶媒内に分離相を占める。例えば、前記APIは溶媒中に溶解され、他の成分は溶剤中に懸濁、分散或いは乳化される。他の例として、前記APIは溶媒中に懸濁、分散或いは乳化される溶剤中に溶解され、残存する成分は溶媒或いは溶剤中に溶解される。好ましくは、しかし必須ではないが、前記API、湿潤剤、及び非揮発性相は前記溶媒中で全て混和性である。
【0022】
適切な溶媒の例としては、1若しくはそれ以上の水、アルコール、ポリオール、エーテル、エステル、アルデヒド、ケトン、脂肪酸、脂肪アルコール、及び脂肪エステルが含まれる。適切な溶媒の特異的な例には、エタノール;3−プロパンジオール;1,2−ブタンジオル;1,2,3−プロパントリオール;1,3−ブタンジオール;1,4−ブタンジオール;イソプロピルアルコール;及び2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールが含まれる。好ましい実施形態において、前記溶媒はアルコールであり、最も好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール或いはイソプロパノールなどの、直鎖状或いは分岐脂肪族低級アルコールである。
【0023】
本発明の組成物の湿潤剤は、液体組成物の表面張力を減少させ、粘度を高めない化合物である。前記湿潤剤は、陰イオン性、陽イオン性、或いは非イオン性の界面活性剤である。
【0024】
好ましくは、前記湿潤剤は揮発性シリコンである。そのような揮発性シリコンには、化学式[R1SiOR
2]の直鎖状或いは環状ポリ有機シロキサン化合物が含まれ、式中、n=6若しくはそれ以下であり、R
1及びR
2は同じ或いは異なるアルキル基であり、これは外界条件下で測定可能な蒸気圧を有している化合物である。好ましくは、n=3から6であり、最も好ましくはn=4或いは5である。好ましくは、R
1及びR
2=メチルである。
【0025】
環状揮発性シリコンの例としては、一般的にはシクロメチコンとして知られているポリジメチルシクロシロキサンが含まれる。環状揮発性シリコンの特定の実施例には、シクロペンタシロキサン、シクロテトラシロキサン、デシルメチルシクロペンタシロキサン、及びオクチルメチルシクロテトラシロキサンが含まれる。直鎖状揮発性シリコンの例としては、直鎖状ポリシロキサンが含まれる。直鎖状揮発性シリコンの特定の実施例には、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、及びジメチコンが含まれる。
【0026】
本発明の1つの特定の実施形態において、単一化合物は、前記組成物の溶媒及び湿潤剤を形成する。例えば、前記溶媒は揮発性シリコンである。この状況において、前記揮発性シリコンはさらに、前記組成物の湿潤剤でもある。前記湿潤剤が溶媒としても働く場合において、前記組成物における前記湿潤剤の濃度は、前記組成物の他の全化合物が溶解、懸濁、分散或いは乳化されている溶媒として機能するのに十分高いものである。
【0027】
前記組成物の非揮発性溶剤は、前記組成物の溶媒において可溶性或いは混和性である若しくはそうではない、非水性溶剤である。前記組成物のAPIは、好ましくは、必須ではないが、非揮発性溶剤に可溶性である。APIが親水性である好ましい実施形態において、前記非揮発性溶剤は、極性或いは半極性である。APIが疎水性である別の好ましい実施形態において、前記非揮発性溶剤は非極性である。
【0028】
疎水性薬剤に対して適切な非揮発性溶剤は、Pitreによる米国出願第11/432,410号のパラグラフ0069から0082に開示されており、このパラグラフはこの参照によって本明細書に組込まれるものである。例えば、非揮発性溶剤は、化学式RCO−OR'のエステルであり、ここにおいてR及びR'は同一或いは異なるものであり、R及びR'のそれぞれは、1から25の炭素原子、好ましくは4から20の炭素原子を有する、アルキル、アルケニル、アルコキシカルボニルアルキル、或いはアルコシキカルボニルオイシアルキルラジカルの直鎖或いは分岐鎖を示す。前記非揮発性溶剤は、天然脂肪酸の脂肪酸エステル、若しくは動物或いは植物由来のトリグリセリドなどの脂肪酸のグリセリルエステルである。前記非揮発性溶剤は、油或いは脂質である脂肪酸モノ−、ジ−、或いはトリグリセリドなどの合成或いは準合成グリセリルエステルを含む、脂肪酸グリセリドである。前記非揮発性溶剤は、パラフィン、イソパラフィン及び鉱油などの、非揮発性炭水化物である。前記非揮発性溶剤は、ゲルベ(guerbet)エステルである。前記非揮発性溶剤は、前記組成物における前記非揮発性シリコンの存在によって爪の上への前記組成物の適用で硬いポリマーフィルムを形成しないという条件で、非揮発性シリコンである。化学式[R1SiOR
2]を有するポリ有機シロキサン化合物は、そのような非フィルム形成性シリコン内に含まれ、ここにおいてn>6であり、R
1及びR
2は同じ或いは異なるアルキル基であり、前記化合物は外界条件下で測定可能な蒸気圧を有する或いは有さないものである。
【0029】
Pitreによって開示されたものに加えて、疎水性薬剤に対して適切な非揮発性溶剤の他の例には、スクアラン、ジブチルセバシン酸、ラウリル酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、オレイン酸、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、混合C12−15乳酸アルキル、アジピン酸ジイソプロピル、オクチルドエカノール、カプロン酸、カプリン酸、安息香酸ラウリル、安息香酸ミリスチル、混合C12−15安息香酸アルキル、安息香酸ベンジル、ネオペンタン酸トリデシル、鯨ロウ、ペトロラタム、及びアルファテルピネオールが含まれる。疎水性薬剤に対して適切な非揮発性溶剤の例としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、n−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、乳酸エチル、ヘキシレングリコール、グリセロール、ベンジルアルコール、及びグリセロールトリアセテートが含まれる。
【0030】
本発明の組成物は、湿潤剤、保存剤、安定剤、潤滑剤、保湿剤、湿気調節剤、発泡剤、結合剤、pH調節剤、浸透圧調整剤、乳化剤、抗酸化剤、着色料、香料、或いは消臭剤などの付加的な任意の成分を含有する。必要に応じて、前記組成物はさらに、尿素、プロピレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びグリコール酸などの付加的な爪調整剤或いは浸透増強剤も含有する。
【0031】
前記組成物は、爪への適用後液体で或いは半固形状態で残っていることを目的としており、マニキュア、殻或いはフィルムを形成する固形残留物を残す揮発性溶剤の蒸発後の溶剤が固まる工程で生じる、適用後爪の上に硬いマニキュア、殻或いはフィルムを形成しない。従って、前記組成物の成分は前記組成物において混和性であり、さらに前記揮発性溶剤が蒸発或いは爪に浸透した後に残る「二次性」組成物においても混和性であることが好ましい。さらに、非揮発性溶剤などの二次性組成物において懸濁可能、分散可能或いは乳化可能であることも、溶剤以外の前記組成物の成分に対して適している。
【0032】
本発明の組成物は、軟膏、クリーム、乳液、軟膏(salves)、液体、スプレー、泡、懸濁液、ローション、或いはパッチなどの様々な形態で調合される。前記組成物は、前記組成物からの即効型或いは徐放型のAPI放出を提供するように処方される。
【0033】
本発明の組成物の様々な必須及び任意成分の濃度は、前記組成物に含有された特定の成分、前記組成物の形態、前記組成物で治療される特定の疾病或いは状態、及び前記処方が即効型或いは徐放型かに依存して変わる。
【0034】
前記組成物のAPIは、爪或いは爪床の障害或いは疾患を治療するのに有効な濃度である。一般的に、APIの濃度は組成物の重量に対して0.0001から30%の間或いはそれ以上である。
【0035】
前記組成物における湿潤剤の濃度は、湿潤剤の同一性、及び湿潤剤が前記組成物の溶剤でもあるかどうかを含む、いくつかの因子に依存して変わるであろう。一般的に、揮発性シリコンなどの前記湿潤剤の濃度は、前記組成物の重量に対して0.001%から95%の間であってもよい。好ましくは、前記湿潤剤の濃度は、前記組成物の5%から80%の間であり、より好ましくは7%から60%の間であり、最も好ましくは10%から40w/w%である。特に好ましい実施形態において、前記組成物における前記湿潤剤の濃度は、10%から15w/w%の間である。前記湿潤剤が前記組成物の溶剤として機能しない場合において、前記組成物における湿潤剤の濃度は一般的に、0.001%から10%の間など、上記濃度の範囲の低い方の値と同じである。
【0036】
前記非揮発性溶剤の濃度は、前記組成物の5から90w/w%の間であっても良い。一般的に、前記組成物の低粘度形態では、非揮発性相はより低い濃度で存在し、より高い粘度形態では、より高い濃度の前記非揮発性相が使用される。さらに、軟膏及び他の油ベース組成物は、スプレー、ゲル及びローションなどの組成物と比較してより高い濃度の非揮発性相或いは成分を持つ傾向があり、より高い濃度の非揮発性溶剤を有する。非揮発性溶剤の一般的な濃度は10から80%の間であり、好ましい濃度は12から60%の間であり、最も好ましい濃度は15から50w/w%の間である。
【0037】
前記溶媒の濃度は、前記組成物の他の成分を溶解、懸濁、分散或いは乳化するのに十分なものである。全ての場合ではなく多くの場合において、前記溶媒の濃度は前記組成物のあらゆる他の成分と比べてより高い。いくつかの場合において、前記溶媒の濃度は、前記溶媒の濃度は、前記組成物の他の成分の組み合わせた濃度よりも高い。前記溶媒がアルコールである好ましい実施形態において、前記組成物は、少なくとも10%アルコールを含有し、より一般的には少なくとも15%アルコール、最も一般的には少なくとも25%アルコールを含有するであろう。前記組成物におけるアルコールの濃度は、80%或いはそれ以上である。1つの好ましい実施形態において、アルコールの濃度は前記組成物の少なくとも50w/w%である。
【0038】
本発明の特定の好ましい実施形態において、本発明の組成物は揮発性シリコンを含有するアルコール性組成物である。第一の好ましい実施形態において、前記組成物w/w%における揮発性シリコンに対するアルコールの割合は、少なくとも2:3、好ましくは少なくとも1:1、より好ましくは少なくとも2:1、最も好ましくは少なくとも3:1である。第二の好ましい実施形態において、前記組成物における前記揮発性シリコンの濃度は25w/w%未満である。第三の好ましい実施形態において、前記組成物における前記アルコールの濃度は、少なくとも40%、より好ましくは少なくとも45%、最も好ましくは少なくとも50w/w%である。本発明のこの実施形態に従った本発明の組成物は、上記の実施形態の1、2或いは3つ全てを含むように製造される。爪の表面へ適用した場合、揮発性シリコンを含有する本発明のアルコール性組成物は、そこに含有されたAPIの爪への高い浸透度を提供することが決定された。
【0039】
本発明の組成物は皮膚或いは粘膜の様々な疾患及び障害を治療するために使用されるが、それらは手或いは足の爪に関わる症状を治療するために最も有利に使用される。本発明の組成物及び方法によって、爪へ及び爪を通じた、及び爪床への、前記組成物におけるAPIの増加した浸透性が提供される。本発明の組成物は、ヒト、或いはネコ、イヌ、馬、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ及びトリなどの他の動物における疾患及び障害を治療するために有効的に使用される。ヒト及び動物患者において、本発明の組成物は、治療される特定の動物に依存して、爪、蹄、角或いはくちばしに関連した症状を使用するために使用される。
【0040】
本発明の組成物は、爪真菌症、及び爪及び爪床の他の障害の治療に特によく適している。前記組成物は、前記組成物が適用されるあらゆる手段によって、爪及び周囲の組織の表面へ局所的に塗布される。塗布方法は、組成物の物理的条件、液体、半固形或いは固形形態かどうか、及び液体の場合前記組成物の粘度に依存して変わるであろう。従って、例えば、前記組成物は、患部爪及び周囲の組織へ刷り込まれる、塗る、軽く塗る、落とす、スプレーする、軽くこする、広げる或いは注ぐ、若しくは浸水液として利用される。治療の頻度及び治療の期間は、治療される症状、前記組成物におけるAPIの同一性及び濃度、及びAPI以外の組成物の成分を含む、いくつかの因子に依存して変わるであろう。一般的に、治療の頻度は、1日2回から1週間に1回であり、好ましくは1日1回である。