特許第5872657号(P5872657)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 5872657-機能性粘着テープ 図000002
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  • 5872657-機能性粘着テープ 図000004
  • 5872657-機能性粘着テープ 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5872657
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】機能性粘着テープ
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/04 20060101AFI20160216BHJP
   A63B 71/08 20060101ALI20160216BHJP
   A61F 13/06 20060101ALI20160216BHJP
   A61F 13/02 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   C09J7/04
   A63B71/08 A
   A61F13/06 Z
   A61F13/02 310Z
【請求項の数】8
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-198331(P2014-198331)
(22)【出願日】2014年9月29日
【審査請求日】2014年10月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514246668
【氏名又は名称】シーベル産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】100176566
【弁理士】
【氏名又は名称】渡耒 巧
(74)【代理人】
【識別番号】100180253
【弁理士】
【氏名又は名称】大田黒 隆
(72)【発明者】
【氏名】稲川 久孝
【審査官】 中野 孝一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−102774(JP,A)
【文献】 特開2002−238944(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 7/04
A61F 13/02
A61F 13/06
A63B 71/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮可能な布よりなる基材と、該基材の一方の面に形成された粘着剤層と、該基材の他方の面に選択的に形成され該基材の伸縮を部分的に規制する伸縮調整材とを備え、
該伸縮調整材が、印刷により形成されていることを特徴とする機能性粘着テープ。
【請求項2】
前記伸縮調整材が硬質樹脂である請求項1記載の機能性粘着テープ。
【請求項3】
前記伸縮調整材がアクリル樹脂である請求項1又は2記載の機能性粘着テープ。
【請求項4】
前記伸縮調整材が着色してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の機能性粘着テープ。
【請求項5】
前記伸縮調整材を該粘着テープの長手方向に沿って波形に形成した請求項1〜4のいずれか1項に記載の機能性粘着テープ。
【請求項6】
前記伸縮調整材が延性の異なる複数の樹脂よりなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の機能性粘着テープ。
【請求項7】
前記粘着剤層が、前記基材の一方の面の全面に形成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の機能性粘着テープ。
【請求項8】
外反母趾用である請求項1〜のいずれか1項に記載の機能性粘着テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能性粘着テープ、特にスポーツ用の機能性粘着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツ用の粘着テープには、多種多様な機能と使用方法がある。近年、キネシオテープと呼ばれる、患部の治癒を助けるテーピング用のテープがある。キネシオテープは、筋肉と同じくらいの伸びを有していることに特徴がある。このキネシオテープは患部を固定するためのものではなく、筋肉の延伸方向に沿って貼る。このことにより、体内に隙間ができてリンパ液の流れがよくなり、このことで新陳代謝がよくなり、自然治癒力が高まる。したがって、けがや手術後の内出血を早く改善することができる。また、リンパ液だけでなく、血液の流れもよくなるため、疲労回復に役立つ。更に、スポーツの障害発生予防やリハビリに役立つとされている。
キネシオテープに関して、基材と粘着剤層とを備え、基材が、伸縮糸及び通常繊維を撚糸した径糸と、通常糸の緯糸からなる織布であり、粘着剤層が所定間隔を空けて並列した複条よりなる帯条であり、各条がテープの長手方向において左右にうねった形状を有するものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−33741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のテープは、粘着剤層が帯条であり、テープの長手方向において左右にうねった形状を有することから、筋肉の動きにあったテープの伸縮ができる。しかし、テープの伸縮についての機能性を付与するものではなかった。
【0005】
本発明は、上記の問題を有利に解決するものであり、スポーツ等に用いられる粘着テープについて、テープの伸縮についての機能性を付与し、また、その機能性付与のため工程が容易であり、機能性の調整が容易な粘着テープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の機能性粘着テープは、伸縮可能な布よりなる基材と、該基材の一方の面に形成された粘着剤層と、該基材の他方の面に選択的に形成され該基材の伸縮を部分的に規制する伸縮調整材とを備え、該伸縮調整材が、印刷により形成されていることを特徴とする。
本発明の機能性粘着テープは、該基材の他方の面に伸縮調整材が選択的に形成され、これにより基材の伸縮を部分的に規制する。このことにより、粘着テープの機能性を付与することができる。伸縮調整材は、具体的には硬質樹脂よりなり、この硬質樹脂の選択的な形成は、印刷により行うので、印刷パターンの変更により、機能性の調整を容易にすることができる。
【0007】
また、本発明の機能性粘着テープは、前記伸縮調整材が硬質樹脂である態様、前記伸縮調整材がアクリル樹脂である態様、前記伸縮調整材が着色してなる態様、前記伸縮調整材を該粘着テープの長手方向に沿って波状に形成した態様、更に前記伸縮調整材が延性の異なる複数の樹脂よりなる態様、前記粘着剤層が、前記基材の一方の面の全面に形成されている態様、外反母趾用である態様とすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の機能性粘着テープによれば、伸縮可能な布よりなる基材に選択的に形成された硬質樹脂がテープの伸縮についての機能性を付与する。硬質樹脂は印刷により形成できるので、その機能性付与のため工程が容易であり、機能性の調整が容易である粘着テープを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態の機能性粘着テープの平面図である。
図2】本発明の実施形態の機能性粘着テープの平面図である。
図3】本発明の実施形態の機能性粘着テープの平面図である。
図4】本発明の実施形態の機能性粘着テープの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の実施の形態について、詳述する。
図1は、本発明の一実施形態の機能性粘着テープの例の平面図である。
【0011】
図1(a)の機能性粘着テープ1は、布よりなる基材2を備えている。この基材2の裏面(図には表れない)には、粘着剤層3が基材2の全面にわたって形成されている。なお、図示しないが粘着剤層3を保護する剥離テープが粘着剤層3に密着して設けられている。
基材2の表面上に伸縮調整材4が、選択的に形成されている。伸縮調整材4は、具体的には硬質樹脂であり、図1(a)に示した例では、伸縮調整材4は条状であり、機能性粘着テープ1の長手方向に沿って波形に形成されている。
【0012】
基材2は粘着剤層を支持する基材であって、スポーツ用粘着テープに用いられている基材を用いることができる。基材2は伸縮可能な布よりなる。これにより、身体の屈曲部や皮膚の伸縮に追従することができる。後述する伸縮調整材による基材の伸縮の調整の結果として機能性粘着テープ1の伸びが筋肉と同じくらいの伸びを有していることが好ましい。
【0013】
基材2はスポーツ用粘着テープに用いられている材料の繊維からなる。例えば、ポリエステル、綿、レーヨン、ポリプロピレン、ポリエチレン、セルロース、ポリウレタン、ナイロン等の有機繊維の1種又は2種以上を用いることができる。これらの繊維の太さや、繊維を用いた織布又は編布の撚り、編み方についてはスポーツ用粘着テープに用いられているものを用いればよい。
【0014】
粘着剤層3を構成する粘着剤の材料、粘着力は、スポーツ用粘着テープに用いられている材料を用いることができる。例えば、天然ゴム、合成ゴム、アクリル等の樹脂を用いることができる。粘着力が強すぎると皮膚に刺激を与えて、かぶれる恐れがあり、粘着力が弱すぎると機能性粘着テープとしての効果に乏しい。
【0015】
粘着剤は、基材2に全面的に形成することができる。部分的に形成してもよいが形成工程が煩雑になる。本発明では、伸縮調整材4により機能性粘着テープ1の伸縮を調整しているので、粘着剤の選択的な形成により機能性粘着テープ1の伸縮を調整する必要がない。
【0016】
伸縮調整材4は、硬質樹脂、具体的にはアクリル樹脂を用いることができる。アクリル樹脂等の硬質樹脂は、印刷によって基材2の表面に選択的に形成することができる。印刷は、伸縮調整材4を基材2の表面に選択的に形成する方法として、作業工程が容易であり、また、印刷パターンの変更により基材2の伸縮を容易に調整することができるので好ましい方法である。
【0017】
図1(a)に示した機能性粘着テープ1は、伸縮調整材4が長手方向に沿って波形に形成されている。機能性粘着テープ1の長手方向の伸びが大きく規制され、短手方向の伸びは、それほど規制されない。このようにして伸縮調整材4は基材の伸びを調整することにより機能性粘着テープ1の伸縮を調整することができる。
【0018】
また、図1(a)に示した機能性粘着テープ1は、機能性粘着テープ1の長手方向において、波形の伸縮調整材4が直線状に伸びようとする過程で、伸縮調整材4の弾性変形による伸びが生じる。この伸縮調整材4の弾性変形による伸びは、基材2自体の伸びとは異なる。このようにしての伸縮調整材4は、伸縮調整材4の基材2上でのパターニングにより機能性粘着テープ1の伸縮を調整することができる。すなわち、本発明は、伸縮調整材4のデザインそのものが機能を有する粘着テープを提供することができる。
【0019】
上述した伸縮調整材4により機能性粘着テープ1の伸縮を調整する本実施形態の機能性粘着テープ1を身体に貼付することにより、機序は必ずしも明確ではないが、皮膚を持ち上げ、また皮膚に刺激を与えることができ、よってリンパ液の流れや血液の流れが良くなるものと考えられる。
【0020】
伸縮調整材4は、着色することができる。着色することにより、意匠性に優れた機能性粘着テープ1とすることができる。着色は単色に限られない。複数色でもよいし、グラデーションにより色が徐々に変化するものであってもよい。
【0021】
伸縮調整材4は、延性の異なる複数の樹脂により構成することできる。例えば一つの樹脂を硬質で伸びが小さいアクリル樹脂として、もう一つの樹脂を、アクリル樹脂よりも伸びが大きい、例えばシリコーン樹脂とすることができる。このような構成の伸縮調整材4は、樹脂ごとに印刷を繰り返することにより基材2上に形成することができる。
伸縮調整材4を、延性の異なる複数の樹脂により構成することにより、これらの樹脂の伸びの相違によっても機能性粘着テープ1の伸縮を調整することができる。延性の異なる複数の樹脂を用いる場合、3種以上の樹脂を用いてもよい。
【0022】
伸縮調整材4の基材2上でのパターニング、換言すればデザインは、図1(a)に示したものに限られない。例えば、図1(b)に示すパターニング、図2(a)、(b)に示すパターニング、図3(a)〜(c)に示すパターニング、図4に示すパターニングとすることができる。
【0023】
図1(b)に示す機能性粘着テープ1Aは、伸縮調整材4のパターニングが、機能性粘着テープ1の長手方向に沿った条状の波形であり、隣り合う波形が逆位相になるものである。
図2(a)に示す機能性粘着テープ1Bは、伸縮調整材4のパターニングが、機能性粘着テープ1の長手方向に直線状に伸びる複数の条状である。
図2(b)に示す機能性粘着テープ1Cは、伸縮調整材4のパターニングが、機能性粘着テープ1の長手方向の端部近傍に設けられた、長手方向に直線状に伸びる複数の太い条状である。伸縮調整材4を機能性粘着テープ1の長手方向の端部近傍のみに設けることにより、機能性粘着テープの長手方向中央部と端部とで伸びを異ならせることができる。
図3(a)に示す機能性粘着テープ1Dは、伸縮調整材4のパターニングが、線条により格子状に形成されたものである。格子は正四角形のものに限られず菱形であってもよい。菱形である場合には、伸縮調整材4を機能性粘着テープ1の長手方向と短手方向とで伸びが異なるので、かかる菱形の形状の伸びを調整することができる。
図3(b)に示す機能性粘着テープ1Eは、伸縮調整材4のパターニングが、線条により亀甲状に形成されたものである。
図3(c)に示す機能性粘着テープ1Fは、伸縮調整材4のパターニングが、六角形により機能性粘着テープ1の長手方向に複数個配列されたものである。
図4に示す機能性粘着テープ1Gは、伸縮調整材4のパターニングが長方形であり、機能性粘着テープ1の幅方向中央部に、長手方向の全長にわたって形成されたものである。この機能性粘着テープ1Gは、外反母趾の予防や改善に役立てることができる。具体的に説明すると、機能性粘着テープ1Gの伸縮調整材4は、伸縮が規制されている領域であるため、伸縮調整材4の長手方向を足の親指の骨に沿わせて機能性粘着テープ1Gを親指の先端から足の甲にかけて貼ることにより、外反母趾による親指の変形に対する抗力を生じさせることができ、併せてサポーター機能を兼ね備えさせる事が可能となり、ひいては外反母趾の予防や改善に役立てることができる。
【0024】
機能性粘着テープの平面形状は図1図4に示した形状に限られず、テープを貼る場所、目的、用途に応じた形状とすることができる。例えば図4に示した機能性粘着テープ1Gでは、足の親指の周りに貼ることができるような形状とすることができる。
図1(b)に示すパターニング、図2(a)、(b)に示すパターニング、図3(a)〜(c)に示すパターニングの伸縮調整材4を備える機能性粘着テープ1A〜1Fは、図1(a)の機能性粘着テープ1と同様に、伸縮調整材4を、着色することができる。また、伸縮調整材4を、延性の異なる複数の樹脂により構成することできる。
【0025】
以上、本発明の機能性粘着テープの実施形態を、図面を用いて説明したが、本発明の機能性粘着テープは、図面及び明細書に記載されているものに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で幾多の変形が可能であるは言うまでもない。
【符号の説明】
【0026】
1、1A〜1F 機能性粘着テープ
2 基材
3 粘着剤層
4 伸縮調整材
【要約】
【課題】スポーツ等に用いられる粘着テープについて、テープの伸縮についての機能性を付与し、また、その機能性付与のため工程が容易であり、機能性の調整が容易な粘着テープを提供する。
【解決手段】機能性粘着テープ1は、伸縮可能な布よりなる基材2と、該基材の一方の面に形成された粘着剤層3と、該基材の他方の面に選択的に形成され該基材の伸縮を部分的に規制する伸縮調整材4とを備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4