特許第5872667号(P5872667)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5872667
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20160216BHJP
【FI】
   A63F7/02 326Z
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-234803(P2014-234803)
(22)【出願日】2014年11月19日
【審査請求日】2014年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】110001645
【氏名又は名称】特許業務法人谷藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢次 譲
【審査官】 武田 知晋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−125779(JP,A)
【文献】 特開2012−075593(JP,A)
【文献】 特開2014−193258(JP,A)
【文献】 特開平04−215321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1データとそれに対応する第2データとを1又は複数組備えたテーブルに基づいて所定判定を行うことが可能な
遊技機において、
前記第1データのデータ長を固定、前記第2データのデータ長を可変とし、
前記第1データの一部を構成する1又は複数ビットよりなる識別値を、該第1データに対応する前記第2データのデータ長に応じた値とした
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
所定記憶領域に前記第1データと前記第2データとを交互に連続的に記憶させた
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1データとそれに対応する前記第2データとを前記所定記憶領域から取得するデータ取得処理を取得終了条件が成立するまで繰り返し実行するように構成し、
前記データ取得処理では、取得した前記第1データにおける前記識別値に応じて、該第1データに続く領域から前記第2データを取得するように構成した
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第2データのデータ長を所定の単位データ長の倍数とし、
前記データ取得処理では、取得した前記第1データに続く領域から、前記単位データ長分の読み出しを前記識別値に応じて1又は複数回行うことにより前記第2データを取得するように構成した
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記データ取得処理では、前記識別値に応じて読み出した1又は複数の前記単位データ長のデータを、前記識別値に拘わらず共通のデータサイズにしたものを前記第2データとする
ことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記データ取得処理では、前記識別値に応じて読み出した1又は複数の前記単位データ長のデータを、前記第2データの最大データ長に対応する特定記憶領域に下位詰めで格納すると共に上位側に未格納領域が生じた場合にはその領域をクリアするように構成し、
前記特定記憶領域全体から得られるデータを前記第2データとする
ことを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記データ取得処理毎に得られる前記第2データと所定乱数値とに基づく演算結果が所定条件を満たす場合に前記取得終了条件が成立したものとして前記データ取得処理を終了し、
最後に得られた前記第1データのうち、前記識別値以外の部分を構成する所定データに基づいて前記所定判定を行う
ことを特徴とする請求項3〜6の何れかに記載の遊技機。
【請求項8】
前記テーブルは図柄の変動態様を決定するための判定テーブルであり、
前記第1データは前記変動態様の種別を示すデータである
ことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、スロットマシン等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばパチンコ機等の遊技機では、乱数値と予め定められたテーブルとに基づいて、変動パターン等の演出態様の選択、その他の所定判定を行うように構成されている(特許文献1参照)。
【0003】
例えば、変動パターン乱数値と変動パターン振分テーブルとに基づいて変動パターンを判定(選択)する遊技機の場合、その変動パターン振分テーブルには、例えば所定の変動パターンを示す変動パターン対応データ(第1データ)とそれに対応する判定値(第2データ)とが所定順序で複数組設定されている。そして、所定のタイミングで取得した変動パターン乱数値から変動パターン振分テーブルの判定値を順次減算し、減算後の値が0以下となったときに、最後に減算した判定値に対応する変動パターン対応データ(第1データ)に応じて変動パターンを判定(選択)するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−244372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の遊技機では、第2データのサイズは必ずしも一定でないにも拘わらず、その記憶領域は第2データの最大サイズに対応した固定長となっているため、データ記憶量が無駄に大きくなって限りある記憶容量が圧迫されるという問題があった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、データ記憶量を削減して限りある記憶容量を有効利用することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1データとそれに対応する第2データとを1又は複数組備えたテーブルに基づいて所定判定を行うことが可能な遊技機において、前記第1データのデータ長を固定、前記第2データのデータ長を可変とし、前記第1データの一部を構成する1又は複数ビットよりなる識別値を、該第1データに対応する前記第2データのデータ長に応じた値としたものである。
【0008】
また、所定記憶領域Aに前記第1データと前記第2データとを交互に連続的に記憶させてもよい。この場合、前記第1データとそれに対応する前記第2データとを前記所定記憶領域Aから取得するデータ取得処理を取得終了条件が成立するまで繰り返し実行するように構成し、前記データ取得処理では、取得した前記第1データにおける前記識別値に応じて、該第1データに続く領域から前記第2データを取得するように構成してもよい。
【0009】
また、前記第2データのデータ長を所定の単位データ長の倍数とし、前記データ取得処理では、取得した前記第1データに続く領域から、前記単位データ長分の読み出しを前記識別値に応じて1又は複数回行うことにより前記第2データを取得するように構成してもよい。
【0010】
前記データ取得処理では、前記識別値に応じて読み出した1又は複数の前記単位データ長のデータを、前記識別値に拘わらず共通のデータサイズにしたものを前記第2データとしてもよい。また、前記データ取得処理では、前記識別値に応じて読み出した1又は複数の前記単位データ長のデータを、前記第2データの最大データ長に対応する特定記憶領域Bに下位詰めで格納すると共に上位側に未格納領域が生じた場合にはその領域をクリアするように構成し、前記特定記憶領域B全体から得られるデータを前記第2データとしてもよい。
【0011】
また、前記データ取得処理毎に得られる前記第2データと所定乱数値とに基づく演算結果が所定条件を満たす場合に前記取得終了条件が成立したものとして前記データ取得処理を終了し、最後に得られた前記第1データのうち、前記識別値以外の部分を構成する所定データに基づいて前記所定判定を行うように構成してもよい。
【0012】
また、前記テーブルを図柄の変動態様を決定するための判定テーブルとし、前記第1データを前記変動態様の種別を示すデータとしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、データ記憶量を削減して限りある記憶容量を有効利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態を示すパチンコ機における全体正面図である。
図2】同パチンコ機における制御系のブロック図である。
図3】同パチンコ機における変動パターン選択処理のフローチャートである。
図4】同パチンコ機における変動パターン振分テーブル選択テーブルの一例を示す図である。
図5】同パチンコ機における外れに対応する変動パターン振分テーブルの一例を示す図である。
図6】同パチンコ機における変動パターン振分テーブルのデータ構成の説明図である。
図7】本発明の第2の実施形態を示すパチンコ機における変動パターン選択処理のフローチャートである。
図8】同パチンコ機における変動パターン振分テーブルのデータ構成の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1図6は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、ガラス扉5と前面板6とが上下に配置され、夫々ヒンジ3と同じ側のヒンジ7により前枠4に開閉自在に枢支されている。
【0016】
前面板6の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段(図示省略)に供給する上皿8が上部側に配置され、またその上皿8の下側には、例えば上皿8が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿9が左端側に、発射手段を作動させるための発射ハンドル10が右端側に夫々設けられている。
【0017】
前枠4には、ガラス扉5の後側に対応して遊技盤11が着脱自在に装着されている。遊技盤11の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール12が環状に装着されると共に、そのガイドレール12の内側の遊技領域13に、センターケース14、普通図柄始動手段15、特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が配置されている。また、センターケース14には、液晶式等の画像表示手段19の他、可動体20、普通図柄表示手段21、特別図柄表示手段22、普通保留個数表示手段23等が設けられている。画像表示手段19は、演出図柄表示手段24、特別保留個数表示手段25等を構成している。
【0018】
普通図柄始動手段15は、普通図柄表示手段21による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成され、例えばセンターケース14の左側に配置されており、遊技球の通過を検出可能な遊技球検出手段(図示省略)を備えている。
【0019】
普通図柄表示手段21は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)によって構成されており、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することに基づいてそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段15による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
【0020】
なお、普通図柄始動手段15による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値等の普通乱数情報は、予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶され、普通図柄表示手段21による図柄変動が開始される毎に順次消化される。普通乱数情報の記憶個数(以下、普通保留個数)は普通保留個数表示手段23によって遊技者に報知される。
【0021】
特別図柄始動手段16は、特別図柄表示手段22による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口16a,16bと、下特別始動口16bを開閉する開閉手段26と、特別始動口16a,16bに入賞した遊技球を夫々検出する遊技球検出手段(図示省略)とを備え、例えばセンターケース14の下側に配置されている。上特別始動口16aは、開閉手段等を有しない非開閉式入賞口である。下特別始動口16bは、開閉手段26により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに切り換え可能な開閉式入賞口で、普通図柄表示手段21の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合に発生する普通利益状態において、開閉手段26が所定時間閉状態から開状態に変化するように構成されている。
【0022】
特別図柄表示手段22は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口16a,16bの何れかに遊技球が入賞することに基づいて特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口16a,16bへの入賞時に取得された特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
【0023】
特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。本実施形態では、第1〜第3の3種類の大当たり態様と、第1〜第3の3種類の外れ態様とが設けられている(図4)。それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
【0024】
なお、特別図柄始動手段16への入賞時に取得された特別乱数情報は、予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶され、特別図柄表示手段22による図柄変動が開始される毎に順次消化される。特別乱数情報の記憶個数(以下、特別保留個数)は、特別保留個数表示手段25によって遊技者に報知される。
【0025】
演出図柄表示手段24は、例えば特別図柄表示手段22による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段19の表示画面19aに変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口16a,16bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
【0026】
特別保留個数表示手段25は、特別保留個数分(例えば最大4個分)の保留個数報知画像X1〜X4の表示個数により特別保留個数を表示するもので、表示画面19a上の所定部分、例えば下部に特別保留個数分の保留個数報知画像X1〜を表示するようになっている。
【0027】
大入賞手段17は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板27を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段22の変動後の特別図柄が大当たり態様(特定態様)となった場合に発生する特別利益状態において、開閉板27が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。特別利益状態における大入賞手段17の開放パターンは例えば複数種類設けられており、大当たり態様の種類に応じてそれらの何れかが選択されるようになっている。
【0028】
図2は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図2において、31は主制御基板、32は演出制御基板で、これら各制御基板31,32は、遊技盤11に装着されたセンターケース14、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤11を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
【0029】
主制御基板31は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段41、普通始動口チェック処理手段42、普通乱数記憶手段43、普通図柄処理手段44、普通図柄表示制御手段45、普通保留個数表示制御手段46、普通利益状態発生手段47、特別乱数作成処理手段51、特別始動口チェック処理手段52、特別乱数記憶手段53、特別図柄処理手段54、特別図柄表示制御手段55、特別利益状態発生手段56、特別遊技状態発生手段57、制御コマンド送信手段58等を備えている。
【0030】
普通乱数作成処理手段41は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段42は、普通図柄始動手段15による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段41で作成された当たり判定乱数値等の普通乱数情報を1個取得し、その普通乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段43に記憶させるように構成されている。
【0031】
普通図柄処理手段44は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、当たり判定手段44a、普通停止図柄選択手段44b、変動時間選択手段44c等を備えている。当たり判定手段44aは、普通図柄の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否かの判定を行うもので、普通図柄表示手段21が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段43に記憶されている普通乱数情報の待ち行列からその先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行うように構成されている。
【0032】
普通停止図柄選択手段44bは、普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択するものである。本実施形態では、当たり態様と外れ態様に対応するのは各1種類の図柄のみであるため、当たり判定機能による当たり/外れの判定結果に基づいて、当たり判定の場合には「○」が、外れ判定の場合には「×」が画一的に選択される。また、変動時間選択手段44cは普通図柄の変動時間を選択するものである。
【0033】
普通図柄表示制御手段45は、普通図柄処理手段44による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段21の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段21が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段21による普通図柄の変動を開始させ、変動時間選択手段44cで選択された変動時間が経過することに基づいて、普通停止図柄選択手段44bで選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
【0034】
普通保留個数表示制御手段46は、普通保留個数表示手段23の表示制御を行うもので、普通図柄始動手段15による遊技球の検出、及び普通図柄表示手段21による普通図柄の変動に基づいて、例えば普通保留個数表示手段23によるLEDの発光数により普通保留個数情報を表示するようになっている。
【0035】
普通利益状態発生手段47は、当たり判定手段44aによる判定結果が当たり判定となることに基づいて普通図柄表示手段21の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合に、特別図柄始動手段16を構成する下特別始動口16bの開閉手段26を例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。
【0036】
特別乱数作成処理手段51は、大当たり/外れの判定に用いる大当たり判定乱数、特別図柄の変動後の停止図柄等の選択に用いる図柄判定乱数、変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
【0037】
特別始動口チェック処理手段52は、特別図柄始動手段16による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、先読み判定手段52a等を備え、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち特別始動口16a,16bに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段51で作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等の特別乱数情報を取得して、その特別乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の特別乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
【0038】
また先読み判定手段52aは、特別図柄始動手段16が遊技球を検出したときに取得される特別乱数情報の判定を、後述する大当たり判定手段54a等による判定よりも前の所定時点、例えば特別乱数情報を取得した時点で行うもので、例えば大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致するか否か、大当たり図柄乱数値が高確率判定値と一致するか否か等を判定し、例えば大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致しない「外れ保留記憶」、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が高確率判定値と一致しない「通常大当たり保留記憶」、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が高確率判定値と一致する「高確率大当たり保留記憶」の何れであるかを決定することが可能となっている。なお、先読み判定手段52aによる先読み判定は、例えば先読みを行うか否かの抽選に当選した場合や予め定められた先読み禁止中でない場合等、所定の先読み実行条件を満たす場合にのみ行うようにしてもよい。
【0039】
特別図柄処理手段54は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、大当たり判定手段54a、特別停止図柄選択手段54b、変動パターン選択手段54c等を備えている。大当たり判定手段54aは、乱数抽選により大当たり/外れの判定、即ち特別利益状態を発生させるか否かの判定を行うもので、特別図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段53に1以上の特別乱数情報が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段53に記憶されている特別乱数情報の待ち行列からその先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行うように構成されている。
【0040】
特別停止図柄選択手段54bは、特別図柄の変動後の停止図柄態様を選択するもので、例えば大当たり判定手段54aによる判定結果が大当たりであった場合には、特別乱数記憶手段53に記憶されている特別乱数情報に含まれる大当たり図柄乱数値に基づいて例えば複数種類の大当たり態様の何れかを選択し、大当たり判定手段54aによる判定結果が外れであった場合には例えば新たに取得された外れ図柄乱数値に基づいて複数種類の外れ態様の何れかを選択するように構成されている。
【0041】
変動パターン選択手段54cは、演出図柄表示手段24による演出図柄の変動パターンを選択するもので、例えば図3に示す変動パターン選択処理を実行することによって変動パターンを選択するように構成されている。
【0042】
図3に示す変動パターン選択処理では、まず変動パターンの選択に用いる変動パターン振分テーブルを決定する(S1)。変動パターン振分テーブルは、各変動パターンの振分率を規定するもので、本実施形態では、図4に示すように大当たり態様となる場合に使用する2種類の変動パターン振分テーブルFB1,FB2と、外れ態様となる場合に使用する6種類の変動パターン振分テーブルFH1〜FH6とが設けられている。
【0043】
また、変動パターン振分テーブルの決定は、例えば大当たり/外れ態様の種類、特別保留個数等の各種のパラメータと、図4に示すような変動パターン振分テーブル選択テーブルとに基づいて行う。図4に示す変動パターン振分テーブル選択テーブルによれば、例えば第2大当たり態様の場合には変動パターン振分テーブルFB2が、第1外れ態様で且つ減算後の特別保留個数が3個の場合には変動パターン振分テーブルFH4が、第3外れ態様の場合には特別保留個数に拘わらず変動パターン振分テーブルFH6が夫々選択される。
【0044】
各変動パターン振分テーブルは、例えば図5に示すように各変動パターンに対応するコマンドデータと判定値との対応関係を規定している。図5に示す変動パターン振分テーブルFH1〜FH6では、判定値の合計が夫々10000となっており、その判定値の合計に対する各判定値の割合が各変動パターンの振分率となる。なお、各変動パターン振分テーブルにおける判定値の合計(ここでは10000)は変動パターン乱数の数と一致しており、本実施形態の変動パターン乱数は例えば0〜9999の範囲で生成される。
【0045】
このように、各変動パターン振分テーブルは、判定値とそれに対応するコマンドデータとを1又は複数組(例えば図5に示す変動パターン振分テーブルFH6では10組)備えており、図6に示す変動パターン振分テーブルFH6の例のように、所定記憶領域Aに、例えばコマンドデータに対応する第1データと、判定値よりなる第2データとがその順序で交互に連続的に記憶されている。
【0046】
判定値よりなる第2データは可変長で、例えば判定値が1バイトで表現可能な値(255以下)であれば1バイト、それより大(256以上)であれば2バイトの領域が割り当てられている。図6の変動パターン振分テーブルFH6の例では、第1,第2,第4,第5,第7組目の第2データのデータ長が2バイト、それ以外の第2データのデータ長が1バイトとなっている。ここで、1バイトが単位データ長の一例である。なお、第2データのデータ長が2バイトの場合、前後各1バイトの領域のうち、例えば前半1バイトに判定値の下位バイトが、後半1バイトに判定値の上位バイトが夫々格納されている。
【0047】
また第1データは1バイトの固定長で、例えばコマンドデータに識別用加算値を加算した値で構成されている。識別用加算値は、第2データのデータ長に対応するもので、例えば第2データのデータ長が1バイトであれば“80H”(即ち“1000000B”)、2バイトであれば“00H”(即ち“00000000B”)となっている。従って、コマンドデータが“07H”(即ち“00000111B”)である場合の第1データは、対応する第2データのデータ長が1バイトであれば“10000111B”、2バイトであれば“00000111B”となる。このように、コマンドデータに00Hを加算しても値は変化しないため、第2データのデータ長が2バイトの場合の第1データはコマンドデータに等しい。
【0048】
以上のように第1データは、1バイトのうちの最上位ビットが第2データのデータ長に応じた識別値、残りの下位7ビットがコマンドデータを夫々示しており、第2データのデータ長が1バイトの場合は識別値は“1”、第2データのデータ長が2バイトの場合は識別値が“0”となる(図6参照)。なお、第1データでは1バイトのコマンドデータを7ビットで表現する必要があるため、コマンドデータには00H〜7FHの範囲しか使用できない点は注意が必要である。
【0049】
変動パターン振分テーブルが決定されると(S1)、その決定した変動パターン振分テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(S2)。そして、以下のS3〜S11のデータ取得処理を、S12における判断がYesとなるまで(取得終了条件が成立するまで)、変動パターン振分テーブルを構成する第1,第2データの組毎に繰り返し実行する。
【0050】
即ち、ポインタの示すアドレスから第1データ(1バイト)を取得する(S3)と共に、ポインタをインクリメントする(S4)。これにより、図6の第1組については第1データとして“00000111B”が取得される。また、例えば図6の第8組については第1データとして“10001110B”が取得される。そして、ポインタの示すアドレスから第2データのうちの1バイト分を取得し、2バイトの特定記憶領域B(レジスタ)に下位詰めで格納し(S5)、ポインタをインクリメントする(S6)。これにより、例えば図6の第1組については判定値の下位バイトである“10111000B”が、図6の第8組については判定値である“11011100B”が、夫々特定記憶領域Bの下位バイトに格納される。
【0051】
続いて、S3で取得した第1データの最上位ビットの値、即ち識別値を判定し(S7)、識別値が1でなければ(S7:No)、即ち第2データのデータ長が2バイトであれば、ポインタの示すアドレスから第2データのうちの1バイト分を取得し、2バイトの特定記憶領域Bの残り領域(上位バイト)に格納し(S8)、ポインタをインクリメントする(S9)。例えば図6の第1組については、識別値が“0”であるため、判定値の上位バイトである“00001011B”が特定記憶領域Bの上位バイトに格納される。
【0052】
一方、識別値が1であれば(S7:Yes)、即ち第2データのデータ長が1バイトであれば、2バイトの特定記憶領域Bの残り領域(上位バイト)をクリアする(S10)。例えば図6の第8組については、識別値が“1”であるため、特定記憶領域Bの上位バイトがクリアされる。
【0053】
そして、例えば新たに取得した変動パターン乱数値から特定記憶領域Bの値(2バイト)を減算し、減算後の値を次の判定用として変動パターン乱数値に格納する(S11)と共に、減算後の値が0より大(S12:No)であればS3以降の処理を繰り返し、減算後の値が0以下(S12:Yes)であれば(取得終了条件の成立の一例)、S3で取得した第1データの下位7ビットから得られるコマンドデータを、変動パターンコマンドの下位データとしてセットし(S13)、変動パターン選択処理を終了する。なお、変動パターンコマンドの上位データは、例えば大当たり判定結果に応じて、外れの場合は“A0H”が、大当たりの場合は“A1H”がセットされる。
【0054】
以上のように、本実施形態の変動パターン振分テーブルは、判定値を示す第2データを可変長とし、第1データの一部を構成する識別値を、第2データのデータ長に応じた値としているため、判定値の記憶領域を判定値の最大サイズに対応した固定長とする場合と比べて記憶領域を小さくできる。また、第2データのデータ長が1バイトの場合も2バイトの場合も同じ2バイトの特定記憶領域Bに格納しているため、第2データのデータ長に拘わらず共通の特定領域から判定値を取得して変動パターン乱数値との演算を行うことができる。
【0055】
特別図柄表示制御手段55は、特別図柄表示手段22の表示制御を行うもので、特別図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段53に1以上の特別乱数情報が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別図柄表示手段22による特別図柄の変動を開始させ、変動パターン選択手段54cにより選択された演出図柄の変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、特別停止図柄選択手段54bによって選択された停止図柄態様で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
【0056】
特別利益状態発生手段56は、大入賞手段17が所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態を発生させるもので、大当たり判定手段54aによる判定結果が大当たりとなり、特別図柄表示手段22による特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様(特定態様)となった場合に特別利益状態を発生させるようになっている。特別利益状態における大入賞手段17の開放パターンは例えば複数種類設けられており、大当たり態様の種類に応じてそれらの何れかが選択されるようになっている。
【0057】
特別遊技状態発生手段57は、特別利益状態発生後に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるもので、例えば特別乱数記憶手段53に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に基づいて、その大当たり図柄乱数値が所定の確変判定値と一致しない場合には時短状態を、一致する場合には確変状態を夫々発生させるように構成されている。
【0058】
時短状態中は、特別図柄に関して特別図柄表示手段22の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、下特別始動口16bの開閉手段26の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は例えばその開始後における特別図柄表示手段22の変動回数が所定回数(例えば50回)に達するか、それまでに次の特別利益状態が発生した時点で終了する。
【0059】
確変状態中は、例えば時短状態と同様の各切り換えに加えて、大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられるようになっている。なお、確変状態は特別利益状態が終了した時点で開始し、例えば次の特別利益状態が発生した時点で終了する。
【0060】
制御コマンド送信手段58は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板32等のサブ制御基板に送信して制御指令を与えるためのもので、例えば演出制御基板32に対しては、特別保留個数の増加時に、増加後の特別保留個数等を指定する保留増加コマンドを送信し、また特別図柄の変動時には、まず変動開始時に、減少後の特別保留個数等を指定する保留減算コマンド、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、特別図柄の停止図柄を指定する図柄指定コマンドを例えばこの順序で送信し、変動終了時に、演出図柄の変動停止を指示する変動停止コマンドを送信する等、所定のタイミングで各種制御コマンドを送信するようになっている。
【0061】
ここで、保留増加コマンドは、例えば先読み判定結果が「外れ保留記憶」の場合には“B*00H”、「通常大当たり保留記憶」の場合には“B*01H”、「高確率大当たり保留記憶」の場合には“B*02H”(何れも“*”は増加後の特別保留個数に対応する値)のように、例えば先読み判定手段52aによる先読み判定結果と増加後の特別保留個数とに対応して設けられている。
【0062】
演出制御基板32は、画像表示手段19、スピーカ等の音声出力手段61、LED等の電飾手段62、可動体20等の各種演出手段を制御するためのもので、演出制御手段63、特別保留個数表示制御手段64、図柄変動演出制御手段65等を備えている。
【0063】
演出制御手段63は、各演出手段を制御するもので、画像表示手段19による画像表示を制御する画像表示制御手段63a、音声出力手段61による音声出力を制御する音声制御手段63b、電飾手段62の発光を制御する発光制御手段63c、可動体20の駆動を制御する可動体制御手段63d等を備えている。
【0064】
特別保留個数表示制御手段64は、演出制御手段63を介して特別保留個数表示手段25による特別保留個数の表示制御を行うもので、特別図柄始動手段16に遊技球が入賞し、主制御基板31から保留増加コマンドを受信したときに、その保留増加コマンドが第何番目の保留記憶に対応するものであるかに基づいて、画像表示手段19上に保留個数報知画像X1〜を1個追加的に表示し、また特別図柄の変動開始時に主制御基板31から保留減算コマンドを受信したときに、第1番目の保留に対応する保留個数報知画像X1を消去すると共に第2番目以降の保留に対応する保留個数報知画像X2〜を前側にシフトさせるようになっている。
【0065】
また、特別保留個数表示制御手段64は先読み演出制御手段64aを備えており、例えば保留増加コマンドより得られた先読み判定結果に基づいて保留個数報知画像X1〜の表示態様を異ならせる先読み報知演出を実行可能となっている。
【0066】
図柄変動演出制御手段65は、演出制御手段63を介して図柄変動演出を制御するもので、主制御基板31から変動パターンコマンドを受信し、その後所定時間内に図柄指定コマンドを受信した場合に、演出図柄の変動後の停止図柄を抽選により決定すると共に、変動パターンコマンドの下位バイトの値に基づいて変動パターンを判定し(図5参照)、その変動パターンに対応する変動パターンシナリオに基づいて、演出図柄表示手段24による演出図柄の変動及びそれに伴う音声出力手段61による音声演出、電飾手段62による発光演出、可動体20による可動演出を実行し、変動停止コマンドを受信したときに、抽選により決定された停止図柄で演出図柄の変動を停止させるようになっている。
【0067】
なお、変動パターンコマンドの下位バイトの値に基づいて変動パターンを判定する処理が、第1,第2データを1又は複数組備えたテーブルに基づいて行う所定判定の一例である。
【0068】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、第1データのデータ長を固定、第2データのデータ長を可変とし、第1データの一部を構成する1ビットよりなる識別値を、その第1データに対応する第2データのデータ長に応じた値としているため、第2データの記憶量を削減して限りある記憶容量を有効利用することが可能である。
【0069】
図7及び図8は本発明の第2の実施形態を例示し、変動パターン振分テーブルにおける第2データのデータ長が2バイトの場合に、前後各1バイトの領域のうち、例えば前半1バイトに判定値の上位バイトを、後半1バイトに判定値の下位バイトを夫々格納した例を示している。
【0070】
なお、図8が第1の実施形態における図6と異なるのは、第2データのデータ長が2バイトの場合の前後各1バイトの領域のデータが入れ替わっている点のみである。また、図7は本実施形態の変動パターン選択処理のフローチャートであり、第1の実施形態における図3と異なるのはS5a〜S10aの処理のみである。
【0071】
図7に示す変動パターン選択処理では、第1データ(1バイト)を取得してポインタをインクリメントした後(S3,S4)、S3で取得した第1データの最上位ビットの値、即ち識別値を判定し(S5a)、識別値が1でなければ(S5a:No)、即ち第2データのデータ長が2バイトであれば、ポインタの示すアドレスから第2データのうちの1バイト分を取得し、2バイトの特定記憶領域Bの上位バイトに格納し(S6a)、ポインタをインクリメントする(S7a)。例えば図8の第1組については、識別値が“0”であるため、判定値の上位バイトである“00001011B”が特定記憶領域Bの上位バイトに格納される。
【0072】
一方、識別値が1であれば(S5a:Yes)、即ち第2データのデータ長が1バイトであれば、2バイトの特定記憶領域Bの上位バイトをクリアする(S8a)。例えば図8の第8組については、識別値が“1”であるため、特定記憶領域Bの上位バイトがクリアされる。
【0073】
続いて、ポインタの示すアドレスから第2データのうちの1バイト分を取得し、2バイトの特定記憶領域Bの下位バイトに格納し(S9a)、ポインタをインクリメントする(S10a)。これにより、例えば図8の第1組については判定値の下位バイトである“10111000B”が、図8の第8組については判定値である“11011100B” が、夫々特定記憶領域Bの下位バイトに格納される。
【0074】
そして、第1の実施形態と同様、例えば新たに取得した変動パターン乱数値から特定記憶領域Bの値(2バイト)を減算し、減算後の値を次の判定用として変動パターン乱数値に格納する(S11)と共に、減算後の値が0より大(S12:No)であればS3以降の処理を繰り返し、減算後の値が0以下(S12:Yes)であれば、S3で取得した第1データの下位7ビットから得られるコマンドデータを、変動パターンコマンドの下位データとしてセットし(S13)、変動パターン選択処理を終了する。
【0075】
このように、変動パターン振分テーブルにおける第2データのデータ長が2バイトの場合に、前後各1バイトの領域のうち、例えば前半1バイトに判定値の上位バイトを、後半1バイトに判定値の下位バイトを夫々格納してもよい。
【0076】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では第1データの最上位ビットに識別値を割り当てたが、第1データの最下位ビットに識別値を割り当ててもよい。また、第2データのデータ長が3種類以上存在する場合には、第1データの最上位側又は最下位側の複数ビットに識別値を割り当ててもよい。また、第1データの最上位ビット及び最下位ビットを除く中間の1又は複数ビットに識別値を割り当ててもよい。
【0077】
実施形態では、1バイトを単位データ長として、第2データのデータ長をその倍数としたが、単位データ長は1バイト以外でもよい。
【0078】
実施形態では、乱数値から判定値を順次減算して、減算結果が0以下となった場合に所定条件を満たしたと判定する(図7のS11,S12)ように構成したが、判定値を順次加算して、加算結果が乱数値に達した場合に所定条件を満たしたと判定するようにしてもよい。
【0079】
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機、スロットマシン等の各種遊技機において同様に実施することが可能である。
【符号の説明】
【0080】
A 所定記憶領域
B 特定記憶領域
【要約】
【課題】データ記憶量を削減して限りある記憶容量を有効利用することが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】第1データとそれに対応する第2データとを1又は複数組備えたテーブルに基づいて所定判定を行うことが可能な遊技機で、第1データのデータ長を固定、第2データのデータ長を可変とし、第1データの一部を構成する1又は複数ビットよりなる識別値を、第1データに対応する第2データのデータ長に応じた値とする。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8