特許第5872687号(P5872687)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5872687アナログデータ処理ユニットを備えるアセンブリ及び当該アセンブリを使用する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872687
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】アナログデータ処理ユニットを備えるアセンブリ及び当該アセンブリを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   H03G 3/30 20060101AFI20160216BHJP
   H03G 3/20 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   H03G3/30 B
   H03G3/20 B
   H03G3/20 E
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-513057(P2014-513057)
(86)(22)【出願日】2011年6月1日
(65)【公表番号】特表2014-523663(P2014-523663A)
(43)【公表日】2014年9月11日
(86)【国際出願番号】EP2011059098
(87)【国際公開番号】WO2012163424
(87)【国際公開日】20121206
【審査請求日】2014年1月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】510263560
【氏名又は名称】エプコス アーゲー
【氏名又は名称原語表記】EPCOS AG
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100161148
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100192924
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】アーミン ショーバー
(72)【発明者】
【氏名】ギノ ロッカ
(72)【発明者】
【氏名】トロールズ アンデルセン
【審査官】 緒方 寿彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−320196(JP,A)
【文献】 特開2006−203740(JP,A)
【文献】 特開2001−251152(JP,A)
【文献】 特開2000−091864(JP,A)
【文献】 特表2009−514691(JP,A)
【文献】 特開昭54−021240(JP,A)
【文献】 特開2009−111519(JP,A)
【文献】 特開2006−270949(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03G 1/00 − 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログ信号処理ユニット(SPU)を有するアセンブリであって、
アナログ信号入力端(IN)及びアナログ信号出力端(OUT)と、
前記信号入力端と前記信号出力端との間に結合された第1の信号経路(SL)と、
前記第1の信号経路内で前記アナログ信号入力端に結合された第1の増幅器(LNA)と、
前記第1の信号経路に結合されておりレベル比較器を備え、且つ前記第1の信号経路における信号振幅に応じて前記増幅器の利得を制御し、低振幅信号に用いられる第1の利得設定と、高振幅信号に用いられる第2の利得設定と、を含む複数の利得設定の間で前記利得を切り替える第1の自動利得制御ユニット(AGC)と、
前記信号処理ユニットと外部回路との間のインタフェースへ現在の利得についての利得情報を伝達する利得情報出力端(DGI)と、
少なくとも1つの第2の信号経路(SL)と、当該第2の信号経路及び前記第1の信号経路のインタフェースの利得情報出力端(DGI)に結合された第2の増幅器(LNA)と、
を備え、
前記利得情報は、前記アナログ信号出力端における信号振幅が最大利得の結果なのか前記最大利得に比べて減少した利得の結果なのかを示す情報、即ち前記信号処理ユニットの感度についての情報を含んでおり、前記外部回路における出力信号の更なる処理のためのパラメータとして用いられ、
前記第1及び第2の信号経路(SL)は同一のコンポーネントを有し、第2の自動利得制御ユニット(AGC)は前記第1の自動利得制御ユニットによって制御され、
2つの音響電気MEMSトランスデューサ(ST)は前記第1及び第2の信号経路(SL)のそれぞれのアナログ信号入力端(IN)に結合され、前記トランスデューサは当該トランスデューサのそれぞれによって検出又は測定される物理パラメータに応じて前記第1及び第2の信号経路にアナログ入力信号を伝達し、
前記利得情報出力端(DGI)を介して受信された前記信号によって、前記第1の増幅器と同じ利得で前記第2の信号経路の増幅器は駆動される、
ことを特徴とするアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記第1及び第2の信号経路(SL)の各々は、別個のケーシング(CS)内に配置され、前記ケーシングはそれぞれのインタフェースを介して結合されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアセンブリであって、
アナログデータ出力端(OUT)はアナログ−デジタルコンバータ(ADC)に結合されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項4】
請求項1又は3に記載のアセンブリであって、
アナログ−デジタルコンバータ(ADC)はΣΔ変調器であることを特徴とするアセンブリ。
【請求項5】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記第1及び第2の自動利得制御ユニット(AGC)の各々は、前記それぞれの自動利得制御ユニットに、マスター及びスレーブから選択される状態を割り当てるために前記インタフェースに別個の端子を有し、両状態は異なることを特徴とするアセンブリ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のアセンブリであって、
前記第1の自動利得制御ユニットはマスターに設定され、前記第2の自動利得制御ユニットはスレーブに設定されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の2つの音響電気MEMSトランスデューサ及び2つの信号経路(SL)を備えるMEMSマイクロフォンのダイナミックレンジを広げる方法であって、
前記MEMSトランスデューサに影響を与える音圧を検知するステップと、
前記音圧に対応するアナログ信号を、前記信号経路(SL)の前記アナログ信号入力端(IN)へ結合させるステップと、
前記増幅器(LNA)によって前記アナログ信号を増幅するステップと、
前記信号経路内の前記信号の振幅を検出するステップと、
前記検出された振幅に応じて前記増幅器の前記利得を制御するステップと、
前記増幅器の現在の利得についてのデジタル情報を前記利得情報出力端(DGI)へ提出するステップと、
前記利得情報出力端(DGI)を介して受信された前記信号によって、前記第1の増幅器と同じ利得で第2の信号経路の増幅器を駆動するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は増幅器を有するアナログデータ処理ユニットに関する。特に、本発明は、出力端に新規なインタフェースを有するマイクロフォンアセンブリのようなセンサアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
センサアセンブリは、例えば、物理的なパラメータを測定又は検出し、増幅器にアナログセンサ信号を提供するセンサを備えている。通常、センサアセンブリは、線形増幅が保証されるダイナミックレンジを有する。このレンジを超える値を有するアナログセンサ信号は、増幅器の飽和によって歪んでしまう。
【0003】
信号振幅のより広いレンジ内のパラメータを測定するために、センサの感度又は増幅器の利得は、信号対雑音比が低減した値となるまで下げる必要がある。
【0004】
WO2009/143434A2により、異なるダイナミックレンジを有する2つのマイクロフォンを備えるマイクロフォンアセンブリは公知である。2つのマイクロフォンによって増幅された信号から、外部セレクタは、入って来る信号レベル、すなわち入って来る音圧レベルに最もマッチする方のマイクロフォンを選んで切り替える。
【0005】
このアセンブリの欠点は、第2のマイクロフォンが二重の回路を必要として、従って、二重の手間を必要とすることである。
【0006】
US6,628,795B1より、補聴器がクリッピング又は痛覚閾値より低い所望のレンジ内で作動するように、検出された音量レベルに応じて補聴器の利得を変化させる自動利得制御を備える補聴器は公知である。マルチチャネル補聴器では、独立した利得制御ユニットが各チャネルに用いられる。しかし、マルチチャネル補聴器の多くの信号を用いるANC(=アクティブノイズキャンセリング)方法でノイズをアクティブにキャンセルしようとするときに、問題が起こる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、マイクロフォンのようなセンサアセンブリにおいて用いられ、より広いダイナミックレンジを提供することにより公知のマイクロフォンアセンブリの手間を減らし又はANCを可能にする信号処理ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的及び他の目的は、請求項1による信号処理ユニットによって達成される。MEMSマイクロフォンのダイナミックレンジを広げる有利な実施形態及び方法は、他の請求項によって提供される。
【0009】
本発明は、高度な機能性を有する自動利得制御ユニットを有するアナログ信号処理ユニットを備えるアセンブリを提供する。このアセンブリは、アナログ信号入力端及びアナログ信号出力端のほかに、これらの信号入力端と信号出力端との間に結合された信号経路を備える。所望される信号が、アナログ信号入力端からアナログ信号出力端へ電気信号として信号経路に沿って伝搬し又は伝搬される。信号経路内の第1の増幅器は、アナログ信号入力端に結合される。自動利得制御ユニットは信号経路に結合され、信号経路内の信号振幅に関して増幅器の利得を制御する。増幅器の現在の利得に関する情報は、信号処理ユニットと外部回路との間のインタフェースにて利得情報出力端へ、デジタル又はアナログ利得情報として伝達される。
【0010】
信号処理ユニット内で用いられる自動利得制御ユニットは、従来公知で、参考までに本明細書に組み込まれる例えばUS6,628,795B1に記載されているような方法で解釈することができる。しかし本発明は、信号処理ユニットを有する既知のアセンブリに更に、利得情報出力によって新しい機能性を提供する。それ故、利得制御ユニットは、閉ループを提供するだけでなく、利得情報出力を更なる信号処理のためのパラメータとして取り出すことができるインタフェースにおける利得情報出力端へ伝達されるデジタル信号を生成する。処理ユニットがケーシング内の閉システムである限り、利得情報出力端はこのシステムの更なる端子である。
【0011】
通常、信号処理ユニットの全てのコンポーネントは、集積化することができ、集積回路によって実現できる。それ故、利得情報出力のない既知の処理ユニットと比較して利得情報出力のための僅か一つの端子を必要とするだけである。
【0012】
一実施形態において、少なくとも1つの第2の信号経路及びこの第2の信号経路と第1の信号経路のインタフェースにおける利得情報出力端に結合される第2の増幅器は、第1及び第2の増幅器が同じ利得によって制御されるように提供される。
【0013】
第2の信号経路は、それ固有の自動利得制御ユニットを備えることができる。有利な点として、2つの同一の処理ユニットを用いることができ、これらの処理ユニットをそれらのそれぞれの利得情報出力端によって互いに結合させることができる。この場合、自動利得制御のうちの一方は、それぞれの自動利得制御ユニットの状態を“スレーブ”に設定することによって機能を停止させるのに対して、第1の利得制御ユニットの状態を“マスター”に設定しなければならない。
【0014】
更なる実施形態では、自動利得制御を備えないことによって、第2の信号経路を第1の信号経路とは相違させる。この場合、第2の信号経路の増幅器は、第1の信号経路の利得情報出力端から取得される利得情報によって直接制御される。これは2つの異なる処理ユニットを必要とするが、第1の実施形態に比べて複雑さが減った解決策を提供する。
【0015】
好適な実施形態において、センサのトランスデューサは、第1及び第2の信号経路の少なくとも一方のアナログ信号入力端に結合される。トランスデューサは、物理的なパラメータを検出及び測定し、パラメータの検出値に比例するアナログ信号を生成し、この信号を入力としてアナログ信号経路に伝達する。
【0016】
この構成において、アナログトランスデューサ信号は、自動利得制御を用いて処理ユニット内で増幅される。これは、増幅器のクリッピングによるか又は外部回路内の所与の振幅制限による所与の閾値が、処理ユニットによって維持されることを保証する。トランスデューサ自体は、信号経路の加算されたダイナミックレンジをカバー又は拡張するレンジを有する。利得情報出力端から取得されるデジタル又はアナログ利得情報は、信号経路のアナログ信号出力端にて取り出されるアナログ信号に割り当てられる。従って、信号振幅が最大利得の結果なのか、最大利得に比べて減少した利得の結果なのかを、常に検出できる。これは、この検出された物理的なパラメータの値についての正確な情報を得ようとするときに有利である。更に、利得情報は、2つの信号経路の2つの信号出力を、そこから任意の指向情報を検索するために組み合わせなければならない場合に、第2のセンサの利得を制御するために用いることができる。
【0017】
一実施形態において、第1、第2及びことによっては更なる信号経路の各々は、個別のケーシング内に配置される。異なるケーシングは、それぞれのインタフェースを介して結合される。本実施形態においては、各ケーシングのインタフェースにおける利得情報出力端は、共通のアセンブリに所定の数の異なるセンサユニットを結合させることができるので、それ故、更なるデータ処理を、処理ユニット内又は外部回路内において後の段階で正確なデータ(正確な信号振幅)に基づいて行うことができる異なる信号経路における各増幅器の利得を同期させることができる。
【0018】
ケーシングは、信号処理ユニットに電磁気シールドを提供することができる。この目的で、ケーシングは、容量性又は磁気性のシールディングのための少なくとも1つの金属層を備える。その場合、センサのトランスデューサはアナログデータ入力端に結合されるが、これには通常トランスデューサが物理的なパラメータを検出するための環境に触れ合うようにケーシングに開口部を設ける必要がある。センサのトランスデューサは一般に、電気的相互接続を短くし、トランスデューサによって生成される通常弱い信号の電気的な損失をなくすために信号処理ユニットのケーシング内に配置される。
【0019】
トランスデューサ信号はアナログ信号である。好適な実施形態において、アナログ増幅信号は、アナログデータ出力をアナログ−デジタルコンバータ(例えば、ΣΔ変調器)に結合することによって、デジタル信号に変換される。この種のコンバータは、簡易で、集積回路内に実現するのが容易である。
【0020】
従って、ASICとして実現される1つの共通の集積回路内に低雑音増幅器、自動利得制御ユニット、クロック生成器及び前記アナログ−デジタルコンバータを集積することが可能である。クロックは、ΣΔ変調器にとって、そして2つ以上の信号処理ユニットがある全ての場合にとって必要である。クロックは、これらの異なる信号経路を同期させて、ΣΔ変調器をトリガするのに用いられる。
【0021】
センサアセンブリにおけるアナログ信号ストリームの好適なソースは、MEMSトランスデューサである。トランスデューサはコンデンサとして作動し、入って来る音波のようなものの圧力差又は変化する圧力を検出するために固定電極と隔膜との間のキャパシタンスを用いることができる。
【0022】
更なる実施形態において、トランスデューサは、エレクトレットマイクロフォンであってもよい。センサは、所与の位置からずれている任意の回転位置を検出し測定することができるジャイロセンサとすることができる。センサは、方向及び加速度の値を測定する慣性センサであってもよい。センサは、張力若しくはねじれ荷重を測定する力探出器又は環境内の成分の濃度を連続的に検出する化学センサであってもよい。
【0023】
それぞれのセンサトランスデューサに結合される、多くの同一の信号処理ユニットを備えるアセンブリでは、第1の増幅器の自動利得制御によって第2及び更なる増幅器の利得を制御するようにする。その1つのやり方は、各信号処理ユニットへ結合される更なる端子を設け、この端子によってそれぞれの信号処理ユニットの状態についての情報を提供するか、”マスター”又は”スレーブ”に設定する。多数の同一の信号処理ユニットのうちの1つだけがマスターとして作用し、他はスレーブとして作用する。
【0024】
本発明の一実施形態において、MEMSマイクロフォンのダイナミックレンジを広げる方法が提供される。ダイナミックレンジは、音波(音圧レベル)を検知するために用いられるトランスデューサが、このトランスデューサに結合される後続する信号処理ユニットより幅広いレンジを有する全ての場合において拡張しなければならない。
【0025】
本発明による方法は、次のステップを備えている:
−MEMSトランスデューサに影響を与える音圧を検知するステップ;
−前記音圧に対応するアナログ信号を、信号経路のアナログ信号入力端へ結合させるステップ;
−前記信号経路に結合された増幅器によって前記アナログ信号を増幅するステップ;
−前記信号経路内の前記信号の振幅を検出するステップ;
−所与の閾値と比較し前記検出された振幅に応じて前記増幅器の前記利得を制御するステップ;
−前記増幅器の現在の利得についてのデジタル情報を利得情報出力端へ提出するステップ;
−前記利得情報出力端を介して受信された前記信号によって、前記第1の増幅器と同じ利得で第2の信号経路の増幅器を駆動するステップ。
【0026】
この方法では、増幅器の現在の利得についての利得情報出力を、信号処理ユニットと、この場合少なくとも一つの更なる信号処理ユニットである外部回路との間のインタフェースに伝達する、上述したような信号処理ユニットを用いる。
【0027】
以下において、本発明は、実施形態及びそれぞれの図面を参照して更に詳細に説明される。図は概略的にのみ描かれており、アセンブリの全ての詳細を示しているわけではない。更に、図は、原寸に比例して描かれているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明のアセンブリ内で用いられる信号処理ユニットを示す図である。
図2】センサトランスデューサに結合され、ケーシング内に配置される信号処理ユニットを備えるアセンブリを示す図である。
図3】アナログ−デジタルコンバータを更に備えている図2による実施形態を示す図である。
図4】利得情報出力端によって互いに結合された2つのマイクロフォンを備えるアセンブリを示す図である。
図5】2つのマイクロフォンがステレオ構成で互いに結合されたアセンブリの配置を示す図である。
図6】マイクロフォンのうちの1つが”マスター”として作用するように設定した、2つ結合させたマイクロフォンのアセンブリを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1の簡単で概略的な図面では、本発明によるアセンブリにおいて用いられるような第1の信号処理ユニットを示している。信号経路SLは、アナログ信号入力端INからアナログ信号出力端OUTへと信号を導く。信号経路SL内には、アナログ信号入力端へ供給される有用なアナログ信号を増幅し、増幅された信号をアナログ出力端へ導く増幅器LNAが配置される。増幅器の利得を制御する自動利得制御ユニットAGCが、信号経路及び増幅器LNAに結合されている。現在の利得についての利得情報は、自動利得制御によって、利得情報出力端DGIへ伝達されるデジタル又はアナログ信号として提供される。従って、信号処理ユニットSPUは、アナログ信号出力端OUT及び更には利得情報出力端DGIを備えている。出力された信号は、通常の方法で処理することができるが、利得情報出力端からの信号は更なる情報として利得情報設定を行うことができる。この情報は、信号処理ユニットの感度についての情報を必要とするアナログ信号を更に処理するのに役立つ。自動利得制御ユニットAGCは、増幅器LNAの近くのノードで信号経路SLに接続されていて、好適には増幅器とアナログ信号出力端との間のノードに結合される。
【0030】
自動利得制御ユニットAGCは、この自動利得制御ユニットAGCが信号経路SLに接続される位置で検出された信号レベルを所与のレベルと比較し、この情報を増幅器LNAにフィードバックさせて、比較の結果に対して利得を制御するレベル比較器を備える。信号レベルが所与のレベルを越える場合、増幅器LNAの利得は低減する。自動利得制御ユニットAGCは、少なくとも1つのそのようなレベルも有することができ、それぞれの異なる数の利得設定値間での利得をデジタル的に切り替えることができる。高感度及び低振幅信号用に用いられる第1の利得設定は、高振幅信号用に用いられる第2の利得設定とは−20dBだけ異なってもよい。それ故、小さい振幅信号は、高振幅を有する信号より高い増幅利得を受ける。これは、広いダイナミックレンジ内での信号処理を可能とする。低利得の場合、線形信号増幅は、例えば最高140dBSPLまで可能である。これは、携帯電話を騒々しい環境でも使用できるようにするという、携帯電話におけるマイクロフォンにとっての将来の要件にマッチする。
【0031】
図2は、信号処理ユニットSPUの実際の用途を示している。センサトランスデューサSTは、信号処理ユニットSPUのアナログ信号入力端INに結合される。センサトランスデューサSTは、入って来る音が衝撃を与える隔膜の変位によってキャパシタンスが変化する可変コンデンサとして動作するMEMSマイクロフォンとすることができる。センサトランスデューサST及び信号処理ユニットSPUは、アセンブリを封止し電磁気干渉に対してシールディングを提供するケーシングCS内に配置される。
【0032】
マイクロフォンとして具体化する際には、センサトランスデューサ入力の近くの音流入開口部SOをケーシングCS内に残す。全ての信号処理は単一のICチップ内の信号処理ユニット内で行われ、処理された信号及び情報はケーシングCS上に配置した端子に供給される。本発明によれば、端末のうちの1つは増幅信号を伝達するアナログ信号出力端であるに対し、他の端子は利得情報出力端DGIである。
【0033】
更なる端子は、アセンブリが例えば、ステレオ用途において又は第2の若しくは更なるマイクロフォンにアクティブノイズキャンセリングを提供するアセンブリにおいて、少なくとも2つの信号処理ユニットSPUを備える場合に、グランド接続、供給電圧、クロック信号及び左/右情報用に提供される。
【0034】
図3は、図2に類似したアセンブリを示し、増幅器LNAとデジタル信号出力端OUTとの間の信号経路SLに結合されたアナログ−デジタルコンバータADCを更に備えている。センサトランスデューサSTはマイクロフォンとして作用するために隔膜を備えており、そして、図示されたアセンブリはデジタルマイクロフォンの好適な実施形態によるケーシングCS内に配置される。アナログ−デジタルコンバータADCは、パルス密度変調データストリームを提供するΣΔ変調器として具体化することができる。この種の変調器は、密度がアナログ信号の大きさに依存している一連の信号を伝達する。本実施形態において、アナログ信号出力端用の端子は、アセンブリのインタフェースにおけるデジタル信号出力端用の端子と置き換えられる。
【0035】
クロックCLはアナログ−デジタルコンバータADCに伝達されるクロック信号を生成し、左/右情報L/Rの入力端がADCに接続される。
【0036】
図4は、本発明による2つのデジタルマイクロフォンが、第1のマイクロフォンの利得情報出力端DGIを用いて互いに結合されたアセンブリを示す。第2のケーシングCS2内に配置された第2のマイクロフォンは、第2の信号経路SL2を介して第2の増幅器LNA2に結合された第2のセンサトランスデューサST2を備える。双方の信号経路における増幅されたアナログ信号は、それぞれのアナログ−デジタルコンバータADCによってデジタル信号に変換され、デジタル信号出力端OUTD1、OUTD2に供給される。第1のケーシングCS1内に配置される第1のマイクロフォンは、前述したような図3に示されるマイクロフォンのようなものと理解されてもよい。このアセンブリでは、第1のマイクロフォンの自動利得制御ユニットAGCは、第1のマイクロフォンの利得を制御し、利得情報出力端DGIに利得情報を提供し、この情報を第2の信号処理ユニットSPU2の利得情報入力端INに結合させて同じ利得によって駆動すべき第2の増幅器LNA2の利得を直接制御する。ところで、2つのマイクロフォンは、両方の増幅器が同じ自動利得制御ユニットAGCによって制御されるので、同じ利得で作動する。
【0037】
アセンブリは、第2のマイクロフォンのように具体化され、利得情報入力端INを介して第1のマイクロフォンの利得情報出力端DGIに接続される第3又は更なるマイクロフォンを備えてもよい。クロック信号及び左/右情報L/Rは、各アナログ−デジタルコンバータADCに伝達することができる。
【0038】
図5は、本発明による2つのマイクロフォンをステレオ用途で使用し得る例を示している。各マイクロフォン及びアナログ−デジタルコンバータADCを含むそれぞれの信号処理ユニットは、別々のケーシングCS内に配置される。図には、インタフェースの更なる端末及び周辺のコンポーネントも図示され、クロックCL、左/右情報L/R用の端子、デジタル信号出力端OUT及び第1と第2の自動利得制御ユニットからの利得情報を組み合わせるためのICが示されている。デジタル信号出力端OUTに伝達される、増幅されデジタル化された信号データは、複合デジタル出力端OUTDCにおいて組み合わせることができる。アセンブリは、第3又はそれ以上のマイクロフォンを備えてもよく、そのデジタル信号出力端OUTは複合デジタル出力端OUTDCに結合させることができる。同様に、利得情報出力端DGIから取得される利得情報は、その利得情報を組み合わせて制御するロジックを提供する外部集積回路ICに導くことができる。利得情報は、異なるマイクロフォンのデジタル出力データを更に処理するために用いてもよく又はこの情報をそれぞれのマイクロフォンの自動利得制御ユニットにフィードバックするように用いられてもよい。
【0039】
図5に示されるステレオ用途において、クロックCLによって生成されるクロック信号は、第1及び第2のマイクロフォン(左/右)から受信されるデータを区切り、クロック信号の2つのエッジ間で規定される1クロック期間中に1種類のデータソースだけを有効にするために用いられる。第1のマイクロフォンでは左/右情報端子はグランド端子に接続されるも、第2のマイクロフォンでは左/右情報端子は供給電圧に接続される。本発明に係るアセンブリでは利得情報を組み合わせるためのロジックを含んでいる外部集積回路ICにてこの利得情報出力を組み合わせることを除いて、この種のアセンブリは公知のステレオアセンブリと非常に似ている。
【0040】
図6は、本発明による2つの同一のマイクロフォンが導体線路を介して利得情報出力端子を互いに結合することによって組み合わされる実施例を示す。本実施形態において、2つのマイクロフォンのうちどちらがマスターとして作用するか、そして、マイクロフォンのうちどちらがスレーブとして作用するかの情報を設定するのに、各マイクロフォンにつき更なる端子が必要である。この設定は、追加の端子を、(スレーブマイクロフォンに対しては)大地に接続するか又はマスター設定を表す例では所与の電位VDDに接続するかによって行うことができる。
【0041】
あるいは各マイクロフォンがマスター又はスレーブとして作用するどうかの各マイクロフォンの設定を、マイクロフォンハウジング内又はASIC内に位置するスイッチによって行う場合には、マイクロフォンごとの追加の端子を省くことができる。
【0042】
3以上のマイクロフォンを互いに結合させるアセンブリでは、1つのマイクロフォンだけをマスターに設定し、他のマイクロフォンはスレーブに設定することができる。これは、マスターマイクロフォンからの利得情報だけがスレーブマイクロフォンの利得を設定するために用いられることを意味する。
【0043】
このアセンブリは、単一のマイクロフォンをこのアセンブリで使用でき、異なる種類のマイクロフォンの差別化が必要ではないという点を有する。2つの設定間の切り替えは、集積ロジックによって行うことができる。このロジックは、マイクロフォンの外部にある集積回路によって実現することができる。各マイクロフォンは、種々の機能が統合される集積回路が提供される。各マイクロフォン又は信号処理ユニットごとの単一のASICは、その上に増幅器、自動利得制御及びアナログ−デジタルコンバータを実現するために用いられる。この回路には、他の機能、例えば他のマイクロフォンにおける他の自動利得制御ユニットと情報を交換するために用いられる他の機能を実装することもできる。
【0044】
本発明は、所与の図面に関して説明されたが、例示された実施形態に限定されない。本発明から逸脱することなく、例えば、フィルタのような更なるコンポーネントが、所与の信号処理ユニットを備えるアセンブリに存在してもよい。アセンブリの用途は、圧力センサのようなセンサ、慣性センサ又はマイクロフォンに限定されないものとするが、弱くても増幅する必要のある任意の種類のアナログ信号ソースまでに拡大適用することができる。信号処理は全体的にアナログ法で行うことができるが、アナログデータ出力端をアナログ−デジタルコンバータに結合するときに、デジタルデータストリームに変換することができる。
【符号の説明】
【0045】
参照符号の表
OUT (アナログ)信号出力端
DGI 利得情報出力端
OUT (デジタル)信号出力端
LNA 増幅器
IN アナログ信号入力端
ADC アナログ−デジタルコンバータ
AGC 自動利得制御ユニット
CS ケーシング
CL クロック
IN 利得情報入力端
SPU 信号処理ユニット
SO 音取入開口部
VDD 電位
GND グランド
L/R 左/右情報
IC 集積回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6