【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的及び他の目的は、請求項1による信号処理ユニットによって達成される。MEMSマイクロフォンのダイナミックレンジを広げる有利な実施形態及び方法は、他の請求項によって提供される。
【0009】
本発明は、高度な機能性を有する自動利得制御ユニットを有するアナログ信号処理ユニットを備えるアセンブリを提供する。このアセンブリは、アナログ信号入力端及びアナログ信号出力端のほかに、これらの信号入力端と信号出力端との間に結合された信号経路を備える。所望される信号が、アナログ信号入力端からアナログ信号出力端へ電気信号として信号経路に沿って伝搬し又は伝搬される。信号経路内の第1の増幅器は、アナログ信号入力端に結合される。自動利得制御ユニットは信号経路に結合され、信号経路内の信号振幅に関して増幅器の利得を制御する。増幅器の現在の利得に関する情報は、信号処理ユニットと外部回路との間のインタフェースにて利得情報出力端へ、デジタル又はアナログ利得情報として伝達される。
【0010】
信号処理ユニット内で用いられる自動利得制御ユニットは、従来公知で、参考までに本明細書に組み込まれる例えばUS6,628,795B1に記載されているような方法で解釈することができる。しかし本発明は、信号処理ユニットを有する既知のアセンブリに更に、利得情報出力によって新しい機能性を提供する。それ故、利得制御ユニットは、閉ループを提供するだけでなく、利得情報出力を更なる信号処理のためのパラメータとして取り出すことができるインタフェースにおける利得情報出力端へ伝達されるデジタル信号を生成する。処理ユニットがケーシング内の閉システムである限り、利得情報出力端はこのシステムの更なる端子である。
【0011】
通常、信号処理ユニットの全てのコンポーネントは、集積化することができ、集積回路によって実現できる。それ故、利得情報出力のない既知の処理ユニットと比較して利得情報出力のための僅か一つの端子を必要とするだけである。
【0012】
一実施形態において、少なくとも1つの第2の信号経路及びこの第2の信号経路と第1の信号経路のインタフェースにおける利得情報出力端に結合される第2の増幅器は、第1及び第2の増幅器が同じ利得によって制御されるように提供される。
【0013】
第2の信号経路は、それ固有の自動利得制御ユニットを備えることができる。有利な点として、2つの同一の処理ユニットを用いることができ、これらの処理ユニットをそれらのそれぞれの利得情報出力端によって互いに結合させることができる。この場合、自動利得制御のうちの一方は、それぞれの自動利得制御ユニットの状態を“スレーブ”に設定することによって機能を停止させるのに対して、第1の利得制御ユニットの状態を“マスター”に設定しなければならない。
【0014】
更なる実施形態では、自動利得制御を備えないことによって、第2の信号経路を第1の信号経路とは相違させる。この場合、第2の信号経路の増幅器は、第1の信号経路の利得情報出力端から取得される利得情報によって直接制御される。これは2つの異なる処理ユニットを必要とするが、第1の実施形態に比べて複雑さが減った解決策を提供する。
【0015】
好適な実施形態において、センサのトランスデューサは、第1及び第2の信号経路の少なくとも一方のアナログ信号入力端に結合される。トランスデューサは、物理的なパラメータを検出及び測定し、パラメータの検出値に比例するアナログ信号を生成し、この信号を入力としてアナログ信号経路に伝達する。
【0016】
この構成において、アナログトランスデューサ信号は、自動利得制御を用いて処理ユニット内で増幅される。これは、増幅器のクリッピングによるか又は外部回路内の所与の振幅制限による所与の閾値が、処理ユニットによって維持されることを保証する。トランスデューサ自体は、信号経路の加算されたダイナミックレンジをカバー又は拡張するレンジを有する。利得情報出力端から取得されるデジタル又はアナログ利得情報は、信号経路のアナログ信号出力端にて取り出されるアナログ信号に割り当てられる。従って、信号振幅が最大利得の結果なのか、最大利得に比べて減少した利得の結果なのかを、常に検出できる。これは、この検出された物理的なパラメータの値についての正確な情報を得ようとするときに有利である。更に、利得情報は、2つの信号経路の2つの信号出力を、そこから任意の指向情報を検索するために組み合わせなければならない場合に、第2のセンサの利得を制御するために用いることができる。
【0017】
一実施形態において、第1、第2及びことによっては更なる信号経路の各々は、個別のケーシング内に配置される。異なるケーシングは、それぞれのインタフェースを介して結合される。本実施形態においては、各ケーシングのインタフェースにおける利得情報出力端は、共通のアセンブリに所定の数の異なるセンサユニットを結合させることができるので、それ故、更なるデータ処理を、処理ユニット内又は外部回路内において後の段階で正確なデータ(正確な信号振幅)に基づいて行うことができる異なる信号経路における各増幅器の利得を同期させることができる。
【0018】
ケーシングは、信号処理ユニットに電磁気シールドを提供することができる。この目的で、ケーシングは、容量性又は磁気性のシールディングのための少なくとも1つの金属層を備える。その場合、センサのトランスデューサはアナログデータ入力端に結合されるが、これには通常トランスデューサが物理的なパラメータを検出するための環境に触れ合うようにケーシングに開口部を設ける必要がある。センサのトランスデューサは一般に、電気的相互接続を短くし、トランスデューサによって生成される通常弱い信号の電気的な損失をなくすために信号処理ユニットのケーシング内に配置される。
【0019】
トランスデューサ信号はアナログ信号である。好適な実施形態において、アナログ増幅信号は、アナログデータ出力をアナログ−デジタルコンバータ(例えば、ΣΔ変調器)に結合することによって、デジタル信号に変換される。この種のコンバータは、簡易で、集積回路内に実現するのが容易である。
【0020】
従って、ASICとして実現される1つの共通の集積回路内に低雑音増幅器、自動利得制御ユニット、クロック生成器及び前記アナログ−デジタルコンバータを集積することが可能である。クロックは、ΣΔ変調器にとって、そして2つ以上の信号処理ユニットがある全ての場合にとって必要である。クロックは、これらの異なる信号経路を同期させて、ΣΔ変調器をトリガするのに用いられる。
【0021】
センサアセンブリにおけるアナログ信号ストリームの好適なソースは、MEMSトランスデューサである。トランスデューサはコンデンサとして作動し、入って来る音波のようなものの圧力差又は変化する圧力を検出するために固定電極と隔膜との間のキャパシタンスを用いることができる。
【0022】
更なる実施形態において、トランスデューサは、エレクトレットマイクロフォンであってもよい。センサは、所与の位置からずれている任意の回転位置を検出し測定することができるジャイロセンサとすることができる。センサは、方向及び加速度の値を測定する慣性センサであってもよい。センサは、張力若しくはねじれ荷重を測定する力探出器又は環境内の成分の濃度を連続的に検出する化学センサであってもよい。
【0023】
それぞれのセンサトランスデューサに結合される、多くの同一の信号処理ユニットを備えるアセンブリでは、第1の増幅器の自動利得制御によって第2及び更なる増幅器の利得を制御するようにする。その1つのやり方は、各信号処理ユニットへ結合される更なる端子を設け、この端子によってそれぞれの信号処理ユニットの状態についての情報を提供するか、”マスター”又は”スレーブ”に設定する。多数の同一の信号処理ユニットのうちの1つだけがマスターとして作用し、他はスレーブとして作用する。
【0024】
本発明の一実施形態において、MEMSマイクロフォンのダイナミックレンジを広げる方法が提供される。ダイナミックレンジは、音波(音圧レベル)を検知するために用いられるトランスデューサが、このトランスデューサに結合される後続する信号処理ユニットより幅広いレンジを有する全ての場合において拡張しなければならない。
【0025】
本発明による方法は、次のステップを備えている:
−MEMSトランスデューサに影響を与える音圧を検知するステップ;
−前記音圧に対応するアナログ信号を、信号経路のアナログ信号入力端へ結合させるステップ;
−前記信号経路に結合された増幅器によって前記アナログ信号を増幅するステップ;
−前記信号経路内の前記信号の振幅を検出するステップ;
−所与の閾値と比較し前記検出された振幅に応じて前記増幅器の前記利得を制御するステップ;
−前記増幅器の現在の利得についてのデジタル情報を利得情報出力端へ提出するステップ;
−前記利得情報出力端を介して受信された前記信号によって、前記第1の増幅器と同じ利得で第2の信号経路の増幅器を駆動するステップ。
【0026】
この方法では、増幅器の現在の利得についての利得情報出力を、信号処理ユニットと、この場合少なくとも一つの更なる信号処理ユニットである外部回路との間のインタフェースに伝達する、上述したような信号処理ユニットを用いる。
【0027】
以下において、本発明は、実施形態及びそれぞれの図面を参照して更に詳細に説明される。図は概略的にのみ描かれており、アセンブリの全ての詳細を示しているわけではない。更に、図は、原寸に比例して描かれているわけではない。