(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872688
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】缶ボディ製造機におけるドーム形成具の自動位置決め
(51)【国際特許分類】
B21D 51/26 20060101AFI20160216BHJP
【FI】
B21D51/26 R
【請求項の数】20
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-513531(P2014-513531)
(86)(22)【出願日】2012年5月14日
(65)【公表番号】特表2014-516797(P2014-516797A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】US2012037692
(87)【国際公開番号】WO2012166331
(87)【国際公開日】20121206
【審査請求日】2015年2月26日
(31)【優先権主張番号】13/118,895
(32)【優先日】2011年5月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505257497
【氏名又は名称】ストール マシーナリ カンパニー,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Stolle Machinery Company,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フレイシャー,カール スコット
(72)【発明者】
【氏名】フォウラー,トレイシー ジェイ
【審査官】
水野 治彦
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−540254(JP,A)
【文献】
米国特許第3735629(US,A)
【文献】
米国特許第7007535(US,B2)
【文献】
米国特許第7305861(US,B2)
【文献】
米国特許第5016462(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 51/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶形成機械において、ドーム形成具をポンチに対して動的に位置決めするためのドーム形成具位置決めシステムであって、
前記ポンチは、ラムの遠位端に配置された細長い円柱形の物体であり、前記ラムは、長手軸及び遠位端を持つラム本体を有しており、前記ラム本体は、引っ込み位置と延伸位置との間を往復するように構成されており、前記ポンチは、ダイアセンブリを通ってほぼ水平方向に延伸運動し、前記ダイアセンブリは、開口を有する少なくとも1つのダイを有しており、前記ドーム形成具は、ドームを定めるキャビティを備える本体を有しており、前記キャビティは、中心を有しており、
前記ポンチの運動中の位置を測定し、さらに、前記ポンチの運動中の位置を表わすデータを含むポンチの運動位置信号をもたらすように構成されたポンチ位置センサアセンブリと、
前記ポンチの運動位置信号を受け取って、前記ラム本体が前記延伸位置にあるときの前記ポンチの位置を計算して、前記ドーム形成具のターゲット位置を表すデータを含んでいるドーム形成具ターゲット位置信号をもたらすように構成された制御システムと、
前記ドーム形成具本体を支持し、前記ドーム形成具ターゲット位置信号を受け取って、前記ラム本体の長手軸に対してほぼ垂直に広がる平面において、前記ドーム形成具本体を平行移動させて、前記ターゲット位置に配置するように構成されたドーム形成具位置決めアセンブリと、
を備えているドーム形成具位置決めシステム。
【請求項2】
前記ドーム形成具位置決めアセンブリは、固定されたマウントと、可動の装着アセンブリと、駆動アセンブリとを備えており、
前記可動の装着アセンブリは、前記キャビティを前記ポンチに向けて前記ドーム形成具本体を支持するように構成され、
前記駆動アセンブリは、前記可動の装着アセンブリを動かすように構成されている、請求項1に記載のドーム形成具位置決めシステム。
【請求項3】
前記可動の装着アセンブリは、第1の表面及び第2の表面を有するマウントアセンブリを含んでおり、前記第1及び第2の表面は、係合面であり、
前記駆動アセンブリは、第1のモータと、第2のモータと、第1の係合装置と、第2の係合装置とを備えており、各モータは、回転する出力シャフトを有しており、各係合装置は、対応するモータの出力シャフトに結合されると共に、対応する係合面に係合するように構成されており、
前記制御システムは、位置追跡アセンブリを備え、前記位置追跡アセンブリは、前記可動の装着アセンブリが動くと、前記ドーム形成具本体の位置を追跡し、前記ドーム形成具本体の位置を表わすデータを含むドーム形成具位置信号をもたらすように構成されており、
前記駆動アセンブリは、前記ドーム形成具位置信号を受け取り、前記ドーム形成具本体が前記ターゲット位置に配置されると前記駆動アセンブリを停止するように構成されている、請求項2に記載のドーム形成具位置決めシステム。
【請求項4】
前記マウントアセンブリは、少なくとも2つの表面を有する平板部材を備え、前記平板部材の少なくとも2つの表面は、前記第1及び第2の表面であり、
前記第1のモータの駆動シャフトは、ねじ付きの遠位端を有し、
前記第2のモータの駆動シャフトは、ねじ付きの遠位端を有し、
前記第1及び第2の係合装置の各々は、前記第1又は第2の駆動シャフトの一方と係合するように構成されたねじ穴と、前記第1又は第2の表面の一方に繋がるように構成された遠位端とを有するジャッキねじであり、
前記第1のジャッキねじは、前記ねじ穴によって前記第1のモータの駆動シャフトに螺合し、
前記第2のジャッキねじは、前記ねじ穴によって前記第2のモータの駆動シャフトに螺合し、
前記第1のジャッキねじの遠位端は、前記平板部材の第1の表面と繋がり、
前記第2のジャッキねじの遠位端は、前記平板部材の第2の表面と繋がり、
第1のモータの動作により、前記第1のジャッキねじの遠位端が前記第1の駆動シャフトに対して進退することで、前記平板部材の第1の軸に沿った運動が生じ、
第2のモータの動作により、前記第2のジャッキねじの遠位端が前記第2の駆動シャフトに対して進退することで、前記平板部材の第2の軸に沿った運動が生じる、請求項3に記載のドーム形成具位置決めシステム。
【請求項5】
前記マウントアセンブリは、第1の平板部材及び第2の平板部材を備え、
前記第1の表面は、前記第1の平板部材に位置し、
前記第2の表面は、前記第2の平板部材に位置し、
前記第1及び第2の表面は、ほぼ平坦で、互いに垂直であり、
前記第1の平板部材は、前記固定されたマウントに可動に結合され、第1の軸に渡って平行移動するように構成され、
前記第2の平板部材は、前記第1の平板部材に可動に結合され、第2の軸に渡って平行移動するように構成され、前記第2の平板部材の第2の軸は、前記第1の平板部材の第1の軸にほぼ垂直であって、前記第1の平板部材によって定められる平面にほぼ平行であり、
前記可動の装着アセンブリの平板部材の係合面の各々は、歯付きのラックであり、
前記駆動アセンブリの第1の係合装置は、前記第1の平板部材の歯付きのラックに係合するように配置されたウォームギアであり、
前記駆動アセンブリの第2の係合装置は、前記第2の平板部材の歯付きのラックに係合するように配置されたウォームギアであり、
前記第2の平板部材は、前記キャビティを前記ポンチに向けて、前記ドーム形成具本体を支持するように構成されている、請求項3に記載のドーム形成具位置決めシステム。
【請求項6】
前記固定されたマウントは、回転軸を有する回転空間を定めているハウジングを備えており、
前記可動の装着アセンブリは、ほぼ円状の第1の円状部材とほぼ円状の第2の円状部材とを有するマウントアセンブリを備えており、
前記第1の円状部材は、前記回転空間に回転可能に配置され、前記第1の円状部材の中心は、前記回転空間の軸上にほぼ位置しており、前記第1の円状部材は、前記回転空間の回転軸について回転するように構成されており、
前記第2の円状部材は、前記第1の円状部材に回転可能に結合され、前記第2の円状部材の中心は、前記第1の円状部材の中心から径方向にオフセットしており、
前記駆動アセンブリは、第1のモータ及び第2のモータを有し、各モータは、回転する出力シャフトを有しており、各出力シャフトは、前記第1又は第2の円状部材の一方に係合してその円状部材を回転させるように構成されている、請求項2に記載のドーム形成具位置決めシステム。
【請求項7】
前記制御システムは、位置追跡アセンブリを備え、前記位置追跡アセンブリは、前記マウントアセンブリが動くと、前記ドーム形成具本体の位置を追跡して、前記ドーム形成具本体の位置を表すデータを含むドーム形成具位置信号をもたらすように構成されており、
前記制御システムは、前記ドーム形成具位置信号を受け取り、前記ドーム形成具本体が前記ターゲット位置に位置すると、前記駆動アセンブリを停止するように構成されている、請求項6に記載のドーム形成具位置決めシステム。
【請求項8】
前記第1の円状部材は、第1の係合面を有し、
前記第2の円状部材は、第2の係合面を有し、
前記駆動アセンブリは、第1の係合装置及び第2の係合装置を備え、各係合装置は、対応するモータの出力シャフト上に配置されて、対応する係合面に係合するように構成されており、
前記第1のモータからの運動は、前記第1の係合装置と前記第1の係合面との係合によって前記第1の円状部材へと伝えられ、
前記第2のモータからの運動は、前記第2の係合装置と前記第2の係合面との係合によって前記第2の円状部材へと伝えられる、請求項7に記載のドーム形成具位置決めシステム。
【請求項9】
前記第1の係合面は、前記第1の円状部材に位置する外周面であり、前記第1の係合面は、歯付きのラックであり、
前記第2の係合面は、前記第2の円状部材に位置する外周面であり、前記第2の係合面は、歯付きのラックであり、
前記第1の係合装置は、ウォームギアであり、
前記第2の係合装置は、ウォームギアである、請求項8に記載のドーム形成具位置決めシステム。
【請求項10】
前記第1の円状部材は、ほぼ円形の開口を備え、前記第1の円状部材の開口の中心は、前記第1の円状部材の中心からオフセットしており、
前記第2の円状部材は、前記第1の円状部材の開口に回転可能に嵌るようなサイズを有しており、
前記第2の円状部材は、前記第1の円状部材の開口に回転可能に配置されている、請求項6に記載のドーム形成具位置決めシステム。
【請求項11】
第1の引っ込み位置と第2の延伸位置との間でラム本体を往復運動させるように構成された動作機構と、
長手軸と遠位端とを有する細長い物体であるラム本体と、
前記ラム本体の遠位端に配置されたポンチと、
開口を備える少なくとも1つのダイと、長手軸とを有しているダイアセンブリと、
を備えており、
前記ポンチは、前記ラム本体の長手軸と前記ダイアセンブリの長手軸とをほぼ一直線にして、前記ダイの開口をほぼ水平方向に通って移動するように配置されている缶形成機械であって、
ドームを定めるキャビティを備えている本体を有しており、前記キャビティは中心を有し、前記本体は、前記キャビティを前記ポンチに向けて配置され、前記ラム本体の長手軸とほぼ一直線にされているドーム形成具と、
ポンチ位置センサアセンブリと、制御システムと、ドーム形成具位置決めアセンブリとを備えており、前記ドーム形成具を前記ポンチに対して動的に位置決めするドーム形成具位置決めシステムと、
をさらに備えており、
前記ポンチ位置センサアセンブリは、前記ポンチの運動中の位置を測定するように構成され、さらに、前記ポンチの運動中の位置を表すデータを含むポンチの運動位置信号をもたらすように構成されており、
前記制御システムは、前記ポンチの運動位置信号を受け取り、前記ラム本体は前記延伸位置にあると、前記ポンチの遠位端の位置を計算し、前記ドーム形成具のターゲット位置を表すデータを含んでいるドーム形成具ターゲット位置信号をもたらすように構成されており、
前記ドーム形成具位置決めアセンブリは、前記ドーム形成具本体を支持しており、前記ドーム形成具ターゲット位置信号を受け取って、前記ラム本体の長手軸に対してほぼ垂直に広がる平面において、前記ドーム形成具本体を平行移動させて、前記ターゲット位置に配置するように構成されている缶形成機械。
【請求項12】
前記ドーム形成具位置決めアセンブリは、固定されたマウントと、可動の装着アセンブリと、駆動アセンブリとを備えており、
前記可動の装着アセンブリは、前記キャビティを前記ポンチに向けて、前記ドーム形成具本体を支持するように構成され、
前記駆動アセンブリは、前記可動の装着アセンブリを動かすように構成されている、請求項11に記載の缶形成機械。
【請求項13】
前記可動の装着アセンブリは、第1の表面及び第2の表面を有するマウントアセンブリを含んでおり、前記第1及び第2の表面は、係合面であり、
前記駆動アセンブリは、第1のモータと、第2のモータと、第1の係合装置と、第2の係合装置とを備え、各モータは、回転する出力シャフトを有しており、各係合装置は、対応するモータの出力シャフトと結合され、対応する係合面に係合するように構成されており、
前記制御システムは、位置追跡アセンブリを備え、前記位置追跡アセンブリは、前記可動の装着アセンブリが動くと、前記ドーム形成具本体の位置を追跡し、前記ドーム形成具本体の位置を表すデータを含むドーム形成具位置信号をもたらすように構成されており、
前記駆動アセンブリは、前記ドーム形成具位置信号を受け取って、前記ドーム形成具本体が前記ターゲット位置に配置されると、前記駆動アセンブリを停止するように構成されている、請求項12に記載の缶形成機械。
【請求項14】
前記マウントアセンブリは、少なくとも2つの表面を有する平板部材を備え、前記平板部材の少なくとも2つの表面は、前記第1及び第2の表面であり、
前記第1のモータの駆動シャフトは、ねじ付の遠位端を有し、
前記第2のモータの駆動シャフトは、ねじ付の遠位端を有し、
前記第1及び第2の係合装置の各々は、前記第1又は第2の駆動シャフトの一方と係合するように構成されたねじ穴と、前記第1又は第2の表面の一方に繋がるように構成された遠位端とを有するジャッキねじであり、
前記第1のジャッキねじは、前記ねじ穴によって前記第1のモータの駆動シャフトと螺合し、
前記第2のジャッキねじは、前記ねじ穴によって前記第2のモータの駆動シャフトと螺合し、
前記第1のジャッキねじの遠位端は、前記平板部材の第1の表面と繋がり、
前記第2のジャッキねじの遠位端は、前記平板部材の第2の表面と繋がり、
第1のモータの動作により、前記第1のジャッキねじの遠位端が前記第1の駆動シャフトに対して進退することで、前記平板部材の第1の軸に沿った運動が生じ、
第2のモータの動作により、前記第2のジャッキねじの遠位端が前記第2の駆動シャフトに対して進退することで、前記平板部材の第2の軸に沿った運動が生じる、請求項13に記載の缶形成機械。
【請求項15】
前記マウントアセンブリは、第1の平板部材及び第2の平板部材を備え、
前記第1の表面は、前記第1の平板部材に位置し、
前記第2の表面は、前記第2の平板部材に位置し、
前記第1及び第2の表面は、ほぼ平坦で、互いに垂直であり、
前記第1の平板部材は、前記固定されたマウントに可動に結合されて、第1の軸に渡って平行移動するように構成され、
前記第2の平板部材は、前記第1の平板部材に可動に結合されて、第2の軸に渡って平行移動するように構成され、前記第2の平板部材の第2の軸は、前記第1の平板部材の第1の軸にほぼ垂直であり、前記第1の平板部材によって定められる平面にほぼ平行であり、
前記可動の装着アセンブリの平板部材の係合面の各々は、歯付きのラックであり、
前記駆動アセンブリの第1の係合装置は、前記第1の平板部材の歯付きのラックに係合するように配置されたウォームギアであり、
前記駆動アセンブリの第2の係合装置は、前記第2の平板部材の歯付きのラックに係合するように配置されたウォームギアであり、
前記第2の平板部材は、前記キャビティを前記ポンチに向けて、前記ドーム形成具本体を支持するように構成されている、請求項13に記載の缶形成機械。
【請求項16】
前記固定されたマウントは、回転軸を有する回転空間を定めているハウジングを備えており、
前記可動の装着アセンブリは、ほぼ円状の第1の円状部材とほぼ円状の第2の円状部材とを有するマウントアセンブリを備えており、
前記第1の円状部材は、前記回転空間に回転可能に配置され、前記第1の円状部材の中心は、前記回転空間の軸上にほぼ位置しており、前記第1の円状部材は、前記回転空間の回転軸について回転するように構成されており、
前記第2の円状部材は、前記第1の円状部材に回転可能に結合され、前記第2の円状部材の中心は、前記第1の円状部材の中心から径方向にオフセットしており、
前記駆動アセンブリは、第1のモータ及び第2のモータを有し、各モータは、回転する出力シャフトを有しており、各出力シャフトは、前記第1又は第2の円状部材の一方に係合してその円状部材を回転させるように構成されている、請求項12に記載の缶形成機械。
【請求項17】
前記制御システムは、位置追跡アセンブリを備え、前記位置追跡アセンブリは、前記マウントアセンブリが動くと、前記ドーム形成具本体の位置を追跡して、前記ドーム形成具本体の位置を表すデータを含むドーム形成具位置信号をもたらすように構成されており、
前記制御システムは、前記ドーム形成具位置信号を受け取り、前記ドーム形成具本体が前記ターゲット位置に配置されると、前記駆動アセンブリを停止するように構成されている、請求項16に記載の缶形成機械。
【請求項18】
前記第1の円状部材は、第1の係合面を有し、
前記第2の円状部材は、第2の係合面を有し、
前記駆動アセンブリは、第1の係合装置及び第2の係合装置を備え、各係合装置は、対応するモータの出力シャフト上に配置されて、対応する係合面に係合するように構成されており、
前記第1のモータからの運動は、前記第1の係合装置と前記第1の係合面との係合によって前記第1の円状部材へと伝えられ、
前記第2のモータからの運動は、前記第2の係合装置と前記第2の係合面との係合によって前記第2の円状部材へと伝えられる、請求項17に記載の缶形成機械。
【請求項19】
前記第1の係合面は、前記第1の円状部材に位置する外周面であり、前記第1の係合面は、歯付きのラックであり、
前記第2の係合面は、前記第2の円状部材に位置する外周面であり、前記第2の係合面は、歯付きのラックであり、
前記第1の係合装置は、ウォームギアであり、
前記第2の係合装置は、ウォームギアである、請求項18に記載の缶形成機械。
【請求項20】
前記第1の円状部材は、ほぼ円形の開口を備え、前記第1の円状部材の開口の中心は、前記第1の円状部材の中心からオフセットしており、
前記第2の円状部材は、前記第1の円状部材の開口に回転可能に嵌るようなサイズを有しており、
前記第2の円状部材は、前記第1の円状部材の開口に回転可能に配置されている、請求項16に記載の缶形成機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、ラムの戻りの行程中にて、往復運動するラムをダイパック(die pack)にほぼ同心に位置決めさせるべく、ドーム形成具(domer)アセンブリを位置決めするように構成されたシステムに関し、より詳しくは、往復運動の中のラムの位置を検出して、ドーム形成具アセンブリを動的に移動させるように構成された位置決めシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、アルミニウム缶は、アルミニウムの薄板として始まって、アルミニウムの薄板から円形のブランクが切り出される。ブランクは、底部と、底部から延びる側壁とを有する「カップ」へと形成される。カップは缶ボディ製造機へと送られて、さらに、カップを薄く引き延ばす円形ダイに通される。即ち、カップは、細長いラムに取り付けられたポンチの前方に配置される。ラムが往復運動を行い、カップの(再)引き延ばしとしごき(iron)をもたらす円形ダイにカップを通す。即ち、ラムの前方への行程ごとに、カップが円形ダイに通されて、さらに缶ボディへと形成される。戻りの行程において、今や引き延ばされた缶ボディがラムから取り外され、新たなカップが配置される。トリミング、洗浄、印刷、などの更なる仕上げ作業の後で、缶ボディは、缶を製品で満たす充てん装置へと送られる。次いで、蓋が缶ボディと結合されて、缶ボディに封止されることで、缶が完成する。
【0003】
より具体的には、缶ボディ製造機のダイパックは、間隔を空けて位置する複数のダイを有しており、各々のダイは、ほぼ円形の開口を有している。各々のダイの開口は、隣接する上流のダイよりもわずかに小さい。従って、ポンチが第1のダイ、即ち再絞りダイにおいてカップを引き延ばすと、アルミニウム製のカップは、ほぼ円柱形のポンチを覆うように変形する。ダイパックにおける次のダイの開口は、より小さい内径を有しており、即ち開口がより小さいため、ラムがダイパックの残りのダイを通ってアルミニウムを移動させるにつれて、アルミニウム製のカップは薄くなる。ポンチと絞りダイとの間のすき間は、典型的には約0.010インチ未満であり、最後のしごきダイにおいては約0.004インチ未満である。最後のダイを通って缶が移動した後、カップの底部及び側壁は、所望の厚さを有しており、必要となる他の変形は、内側へと突き出すドームへと、カップの底部を成形することだけである。
【0004】
即ち、ポンチの遠位端は、凹状にされている。ラムが最大限に伸びたところに、「ドーム形成具」が存在する。ドーム形成具は、略凸状のドームと、成形された外周とを有している。ラムが最大の伸びへと達すると、缶ボディの底部は、ドーム形成具に当接してドームへと変形させられ、缶ボディの底部の外周が、所望のとおりに成形される。典型的には、内側へと斜めにされて、缶ボディの強度を高め、得られた缶の積み重ねを可能にする。ラムが引き戻される際に、ラムの中央へと空気を吹き込むことによって、缶ボディは、ポンチの端部から外される。空気がポンチの端部から出て、缶ボディをポンチから解放する。典型的には、機械式の取外し具も存在しており、ツールパックを通って引っ込むポンチに缶ボディが留まることがないようにする。ラムがダイパックを通って引き戻され、新たなカップがポンチに配置されて、サイクルが繰り返される。
【0005】
ラム及びダイパックは、通常、概ね水平方向に向けられている。しかしながら、この向きは、ポンチの摩耗及び破れを生じ得る。即ち、ダイパックのダイは、カップが適切に変形するような間隔で配置されなくてはならない。これは、ダイパック全体に渡って、つまり、18〜30インチのどこかとであろう距離に渡って、ラムを水平に伸ばさなければならないことを意味する。これは、缶ボディ製造機の行程長でもある。これは、ラムが基本的に片持ちのアームであることを意味する。周知の通り、極めて堅固な部材でも、片持ち梁として支持されると、遠位端が垂れ下がる。この垂れ下がりは、一般に、静止部材においては問題でないが、ポンチとダイとの間の約0.004インチ未満の径方向のすき間にてダイを通過する往復ラムにおいては問題である。通常、ドーム形成具は、垂れ下がりを補償するようにポンチに静的に位置決められるが、この位置決めは、機械におけるラムの動力学に関連して正確でないことがあり得る。また、ポンチの運動を機械の中心線に対して同心でないようにし得る他の因子も存在する。このように、垂れ下がり及び他の理由で、円形ダイに対してラムが同心でなくなる可能性があり、即ちダイの下部にラムが近づき、又は、接触する可能性がある。時間が経つと、ポンチとダイとの間の接触により、両者の何れかに損傷が生じる。これが生じると、損傷した部品を交換しなければならない。さらに、これは時間のかかる作業であって、典型的な缶形成機械は、1時間に15,000個を超える缶を生産するため、ラムの位置のずれは不利である。即ち、ラムにずれが生じると、如何なる缶も製造できなくなる可能性が高い。ラムは、(水平方向及び垂直方向について)機械の中心線に整列させなければならない。
【0006】
また、ラムの位置は、ドーム形成具の位置によっても影響される。即ち、ラムはドーム形成具に係合するが、ドーム形成具が適切に配置されていないと、ラムに振動が生じ、さもなくばダイパックに対して位置ずれをする。ポンチとダイとの間のすき間が狭いので、僅かな整列のずれ、又は僅かな振動でも、ポンチがダイに接触する可能性がある。一般に、ドーム形成具は、調節可能なアセンブリに装着される。缶形成機械の使用に先立って、定期的な保守の一部として、ドーム形成具は、手作業でラムに位置決めされる。即ち、ラムが最大限に伸ばされた位置又はその付近に配置されて、ドーム形成具はポンチに位置決めされる。しかしながら、この方法は、ダイとの接触に起因するポンチの異常な摩耗という問題を解決しない。即ち、静止時のラム/ポンチの位置は、運動時のラム/ポンチの位置と同じでない可能性があるからである。従って、ダイアセンブリにポンチを位置決めする公知のシステム及び方法における上述の問題は、公知のシステム及び方法が、運動時のポンチの位置を検出していない点にある。
【発明の概要】
【0007】
開示及び請求される装置は、往復運動しているラム上のツールパックへと引き戻される際にポンチの位置を測定して、ドーム形成具の位置を自動的に調節することを可能にするシステムを提供する。このシステムは、ポンチ位置センサアセンブリと、制御システムと、ドーム形成具位置決めアセンブリとを備える。ポンチ位置センサアセンブリは、好ましくは最後のダイのドーム形成具の側において、ラムの周囲に配置される。この位置において、ポンチ位置センサアセンブリは、戻りの行程においてツールパックへと進入するときのポンチの位置を測定できる。制御システムは、ポンチ位置センサアセンブリからのデータを受信し、ポンチが、戻りの行程においてツールパックにほぼ同心に配置されていない場合に、ドーム形成具の位置を調節するようにドーム形成具位置決めアセンブリへと信号を送信する。このプロセスは、戻りの行程においてツールパックとほぼ一直線にされた経路に沿って、ポンチが移動するまで繰り返されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
好ましい実施の形態についての以下の説明を添付の図面と併せて読むことによって、本発明の充分な理解を得ることができる。
【
図3】ドーム形成具位置決めシステムの一実施の形態の概略の正面図である。
【
図4】ドーム形成具位置決めシステムの別の実施の形態の概略の正面図である。
【
図5】ドーム形成具位置決めシステムの別の実施の形態の側面断面図である。
【
図6A】
図5に示したドーム形成具位置決めシステムの種々の状態を示す概略図である。
【
図6B】
図5に示したドーム形成具位置決めシステムの種々の状態を示す概略図である。
【
図6C】
図5に示したドーム形成具位置決めシステムの種々の状態を示す概略図である。
【
図6D】
図5に示したドーム形成具位置決めシステムの種々の状態を示す概略図である。
【
図6E】
図5に示したドーム形成具位置決めシステムの種々の状態を示す概略図である。
【
図6F】
図5に示したドーム形成具位置決めシステムの種々の状態を示す概略図である。
【
図6G】
図5に示したドーム形成具位置決めシステムの種々の状態を示す概略図である。
【
図6H】
図5に示したドーム形成具位置決めシステムの種々の状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において使用されているように、「ターゲット位置」は、ポンチについて選択された、ドーム形成具本体の中心の位置である。この位置は、戻りの行程においてポンチがツールパックと同心になるように選択される。この位置は、ラムの軸又はツールパックの軸と一直線上にあっても、なくてもよい。
【0010】
本明細書において使用されているように、「動的位置決め」は、ポンチが運動しているときに行われる測定に基づいて、ドーム形成具をポンチに対して配置することを意味する。これは、ポンチが動いている場合に測定が行われる限りにおいて、ポンチの運動中にドーム形成具を調節すること、及び、ポンチが運動していない場合にドーム形成具を調節することを含むと考えられる。
【0011】
本明細書において使用されているように、「積極的な位置決め(actively positioning)」は、ポンチが動いている場合にドーム形成具をポンチに対して位置決めすることを意味する。
【0012】
本明細書において使用されているように、「接続」は、2つ以上の要素の間の接続を意味し、接続が生じる限りにおいて、直接的であっても、間接的であってもよい。物体が他の物体に載せられ、重力のみによってその場に保持されている場合、上方の物体は、ほぼその場に維持されているのでない限り、下方の物体に「接続」されていない。即ち、例えばテーブルの上の本は、テーブルに接続されていないが、テーブルに接着された本は、テーブルに接続されている。
【0013】
本明細書において使用されているように、「直接的に結合」は、2つの要素が互いに直接接触していることを意味する。
【0014】
本明細書において使用されているように、「固定的に結合」または「固定」は、2つの構成要素が互いに対して一定の配置を維持しながら一体として運動するように結合されていることを意味する。「固定」された構成要素は、直接的に結合されていても、されていなくてもよい。
【0015】
本明細書において使用されているように、用語「単一」は、或る構成要素が単独のピース又はユニットとして生成されていることを意味する。従って、別々に生成され、後にユニットとして互いに結合されたピースを含む構成要素は、「単一」の構成要素または物体ではない。
【0016】
本明細書において使用されているように、「関連した」は、該当の構成要素が互いに関連付けられ、互いに接触し、及び/又は、互いに相互作用することを意味する。例えば、自動車は、4つのタイヤ及び4つのハブを有し、各々のハブがそれぞれのタイヤに「関連して」いる。
【0017】
本明細書において使用されているように、「係合」は、歯車または歯を有する他の構成要素を指して使用される場合に、歯車の歯が互いに相互作用し、一方の歯車の回転によって他方の歯車の回転も生じることを意味する。
【0018】
図1に概略的に示されるように、缶ボディ製造機、即ち缶形成機械10は、周期的運動及び/又は往復運動をもたらすように構成された動作機構12と、ラム14と、ダイアセンブリ16と、ドーム形成具アセンブリ18とを備えている。ラム14は、近位端22と、遠位端24と、長手軸26とを有しており、細長いほぼ円形の本体19を有している。ポンチ20は、ラム本体の遠位端24に配置され、又は、ラム本体の遠位端24を覆って配置されている。ポンチ20は、凹状の遠位端を有するほぼ円柱形の物体であって、後述されるドーム形成具アセンブリのキャビティ44に一致するように形作られてよい。ラム本体の近位端22が、動作機構12へと接続されている。動作機構12は、ラム本体19に往復運動をもたらし、ラム本体19、従ってポンチ20を、長手軸26に沿って前後に運動させる。即ち、ポンチ20は、引っ込んだ位置と突き出した位置との間を往復するように構成されており、ダイアセンブリ16を通ってほぼ水平方向に延伸運動する。
【0019】
ダイアセンブリ16は、少なくとも1つ(図示では3つ)のダイ30を備えており、(各々の)ダイは、開口32を有している。第1のダイ30A(動作機構12に最も近いダイ30)の開口32は、第2のダイ30B(図示では中央)の開口32よりも僅かに大きい。第2のダイ30Bの開口32は、第3のダイ30C(動作機構12から最も遠い)の開口32よりも僅かに大きい。即ち、第1のダイ30Aの開口32は、ポンチ20の半径よりも約0.010インチ大きい半径を有し、第2のダイ30Bの開口32は、ポンチ20の半径よりも約0.007インチ大きい半径を有し、第3のダイ30Cの開口32は、ポンチ20の半径よりも約0.004インチ大きい半径を有している。ダイアセンブリの開口32は、共通の軸34に沿って配置されている。ダイアセンブリの軸34は、ラム本体の長手軸26とほぼ一直線上にある。
【0020】
この構成において、缶形成機械10は、缶ボディへとカップを変換するように構成されており、缶ボディは、蓋を追加することによって缶を形成し得る。通常、ポンチ20が引っ込んだ位置にある場合に、カップは、ポンチ20を覆って配置される。ポンチ20が、そのアルミニウム製の円板をダイアセンブリ16を通して押すと、カップは、所望の長さ及び壁厚へと薄く引き延ばされる。引き延ばされたカップが、缶ボディである。
【0021】
ドーム形成具アセンブリ18は、ラム本体19の行程の終わりに配置されている。ドーム形成具アセンブリ18は、ドーム形成ダイ40と、可動な装着アセンブリ62(後述)とを備えている。ドーム形成ダイ40は、ドーム46を規定するキャビティ44を備える物体42である。ドーム形成具本体のキャビティ44は、カップの底部を成形するように構成された他の機能も備えてもよい。ドーム46の中心は、ラム本体の長手軸26とほぼ一直線上にある。この構成では、ラム本体19が最大限に伸ばされた位置にあると、カップの底部(ポンチ20を覆って延びている部位)は、ポンチ20がドーム形成具本体のキャビティ44に進入することで成形される。即ち、カップの底部が、上方へと突き出すドーム46になる。ドーム46が形成された後、ラム本体19は、行程のうちの後退部分を開始する。缶取外し具(図示されていない)が、第3のダイ30Cの外表面に配置される。缶取外し具は、缶ボディをポンチ20から取り外す。このようにして、ポンチ20は、ポンチ20とダイ30A、30B、30Cとの間にカップまたは他の材料がない状態で後方へと移動する。
【0022】
この構成において、ポンチ20がダイ30A、30B、30Cに接触して、ポンチ20及び/又はダイ30A、30B、30Cに損傷が生じる可能性がある。この損傷を防止または軽減するために、ラム本体の長手軸26とダイの軸34とをほぼ一直線にするのが好ましい。即ち、ポンチ20が振動したり、垂れ下がったりしてはならない。ラム本体の遠位端24に配置されたポンチ20は、片持ちの物体であるが故に、垂れ下がりやすい。さらに、ドーム46がラム本体の長手軸26に揃えられていない場合、ドーム形成具のキャビティ44への進入時に、ポンチ20は、ダイの軸34からずれるように押され、その後にドーム形成具のキャビティ44から出る際に揃った状態へと急激に復帰し、即ち跳ね戻る。この作用が、ポンチ20の振動を生じさせ得る。垂れ下がりの程度及び振動によって引き起こされる位置ずれは、何れも小さいが、ポンチ20とダイの開口32との間の差は非常に小さくて、如何なる垂れ下がり又は振動でもポンチ20とダイの開口32との間の接触を生じ得る。
【0023】
ドーム形成具位置決めシステム50は、ポンチ20とダイアセンブリ16との間の接触量を減らすように構成されている。ドーム形成具位置決めシステム50は、ポンチ位置センサアセンブリ52と、制御システム54と、ドーム形成具位置決めアセンブリ56とを備えている。ポンチ位置センサアセンブリ52は、ポンチ20の移動中の状態を測定するように構成されている。即ち、移動中のラム本体19と、それに配置されたポンチ20とは、静止しているラム本体19と同じ様相では垂れ下がらず、及び/又は、移動中のラム本体19が、振動している可能性がある。従って、ポンチ位置センサアセンブリ52は、ラム本体19の戻りの行程においてダイアセンブリ16へと進入する際に、ポンチ20の移動中の状態を測定するように構成される。故に、ポンチ位置センサアセンブリ52は、好ましくは第3のダイ30Cに配置され、より好ましくは複数のセンサ59を備えている。それらのセンサ59は、好ましくは誘導式近接センサ(inductive proximity sensor)であって、
図2に示されるように第3のダイ30Cの開口32の外の周囲に配置されて、センサ59からのポンチ20の距離に比例した出力信号をもたらすように構成されている。センサ59が、ポンチ20の戻りの行程の際にポンチ20の位置を測定し、より好ましくはラム本体の遠位端24の位置を測定する。ポンチ位置センサアセンブリ52は、測定値を「ポンチ移動状態信号」としてもたらされる電子データへと変換するように構成されている。即ち、ポンチ移動状態信号は、ポンチ20の移動の状態を表すデータを含む。
【0024】
図1及び
図3に模式的に示されている制御システム54は、プログラマブル論理回路(PLC)と格納されたアルゴリズムを利用して、ポンチ移動状態信号を分析して、ドーム形成具ターゲット位置信号を与える。即ち、制御システム54は、それをプログラミングすることで、移動しているポンチ20の位置をドーム形成具本体42の特定の位置に関連付けるように構成されている。戻りの行程中のポンチ20の位置に基づいて、制御システム54は、ドーム形成具本体42の位置を定めることができる。さらに、制御システム54は、ドーム形成具本体42のターゲット位置を決定して、戻りの行程において特定の位置にポンチ20を配置するように構成されている。ポンチ20の特定の位置は、好ましくは、ほぼ同心状にダイアセンブリ16に進入しており、即ち、ラム本体の長手軸26とダイアセンブリの軸34とがほぼ一直線になっている。このように、制御システム54は、ポンチ移動状態信号に基づいてドーム形成具本体42の現在の位置を決定するように構成されており、さらには、ドーム形成具本体42のターゲット位置を計算して、ダイの開口32に対してほぼ同心状にポンチ20を配置するように構成されている。ドーム形成具本体42のターゲット位置を表すデータは、「ドーム形成具ターゲット位置信号」に組み込まれている。
【0025】
ドーム形成具ターゲット位置信号は、ドーム形成具位置決めアセンブリ56に与えられる。ドーム形成具位置決めアセンブリ56は、ドーム形成具本体42を支持するように構成されている。さらに、ドーム形成具位置決めアセンブリ56は、ラム本体の長手軸26に対してほぼ垂直に広がる平面上にてドーム形成具本体42を平行移動させるように、即ち、ドーム形成具本体42の向きを保ちつつ移動させるように構成されている。ドーム形成具位置決めアセンブリ56は、固定されたマウント60と、可動の装着アセンブリ62と、駆動アセンブリ64とを備えている。固定されたマウント60は、ダイアセンブリ16に対して、自身の位置を保つように構成されており、図示のようにダイアセンブリ16と結合されてもよい。可動の装着アセンブリ62は、キャビティ44をポンチ20に向けた状態で、ドーム形成具本体42を支持するように構成されている。さらに、可動の装着アセンブリ62は、第1の表面70及び第2の表面72を有する装着アセンブリであり、第1及び第2の表面70、72は係合面である。即ち、第1及び第2の表面70、72は、駆動アセンブリ64が係合するように構成されている。後述するように、係合面はカップリングであってよく、又は、好ましい実施の形態では、係合面は歯付きの面であってもよい。駆動アセンブリ64は、第1のモータ80と、第2のモータ82と、第1の係合装置84と、第2の係合装置86とを備えている。各々のモータ80、82は、回転する出力シャフト81、83を有しており、各々の係合装置84、86は、対応するモータ出力シャフト81、83と結合すると共に、対応する係合面70、72と係合するように構成されている。駆動アセンブリ64は、モータ80、82を制御するように構成されたPLC又は同様の装置を備えてよい。或いは、モータ80、82は、信号によって制御システム54から直接指令を受け取るように構成されてもうよい。
【0026】
制御システム54は、位置追跡アセンブリ90をさらに備えている。位置追跡アセンブリ90は、可動の装着アセンブリ62が運動している時におけるドーム形成具本体42の位置を追跡するように構成されている。追跡は、固定されたマウント60と可動の装着アセンブリ62との間に配置された位置センサ(図示せず)によって、モータ出力シャフト81、83の位置を追跡するセンサ59によって、又は、任意の他の公知の装置や対応する方法によって、光学的に行うことができる。位置追跡アセンブリ90は、ドーム形成具本体42の現在位置を表すデータを含んでいるドーム形成具位置信号をもたらす。ドーム形成具位置信号は、制御システム54へと伝えられる。制御システム54はさらに、ドーム形成具ターゲット位置信号とドーム形成具位置信号とを比較するように構成されており、即ち、制御システム54は、ドーム形成具本体42の実際の位置をドーム形成具本体42のターゲット位置と比較して、ドーム形成具本体42がターゲット位置に位置するまで駆動アセンブリ64の駆動を続けるように構成されている。即ち、制御システム54は、ドーム形成具位置信号を受信して、ドーム形成具本体42がターゲット位置に配置されている場合には、駆動アセンブリ64を停止するように構成されている。
【0027】
ある実施の形態では、ドーム形成具位置決めアセンブリ56は、ラムの長手軸26に対してほぼ垂直な平面に広がったプレートであって、その平面内を平行移動するように構成されている。即ち、ドーム形成具位置決めアセンブリ56は、少なくとも2つの表面102、104を有する1又は複数(図示では2つ)の平板部材100A、100Bを備えており、これら部材の少なくとも2つの表面102、104が、第1及び第2の表面70、72となっている。互いに可動に結合された2つの平板部材100が存在するのが好ましい。例えば、固定されたマウント60に最も近い内側の平板部材100Aが、ほぼ垂直な溝(図示されていない)を備えてよく、外側の平板部材100Bは、当該溝に対応する凸条(図示されていない)を有えてよい。
【0028】
平板部材の少なくとも2つの表面102、104は、これに限られるわけではないが矩形のプレートの2つの側面のような、2つの垂直な表面であるのが好ましい。第1及び第2のモータ駆動出力シャフト81、83の各々には、ねじ山付きの遠位端106、108がある。第1及び第2の係合装置84、86の各々は、ジャッキねじ110、112であって、ジャッキねじ110、112の各々は、第1又は第2の駆動出力シャフト81、83の一方に係合するように構成されたねじ穴114、115を有しており、遠位端106、108は、第1又は第2の表面102、104の一方と繋がるように構成されている。即ち、ジャッキねじ110、112は、平板部材100に接続されるように構成されたブラケット120、122又は同様の装置を有してよい。第1のジャッキねじ110は、そのねじ穴114によって第1のモータ駆動シャフト81と螺合している。第2のジャッキねじ112は、そのねじ穴116によって第2のモータ駆動シャフト83と螺合している。第1のジャッキねじ用ブラケット120が、平板部材の第1の表面102に接続されている。第2のジャッキねじ用ブラケット122が、平板部材の第2の表面104に接続されている。この構成においては、第1のモータ80の動作によって、第1のジャッキねじ110が第1の駆動シャフト81に対して伸び、或いは引っ込むことで、内側の平板部材100Aが第1の軸に沿って移動する。さらに、第2のモータ82の動作によって、第2のジャッキねじ112が第2の駆動シャフト83に対して伸び、或いは引っ込むことで、外側の平板部材100Bが第2の軸に沿って移動する。即ち、2つのモータ駆動シャフト81、83の軸は、好ましくは平行でなく、より好ましくは互いにほぼ垂直である一方で、平板部材100A、100Bによって定められる平面にほぼ一致する平面に配置され、或いは平板部材100A、100Bによって定められる平面にほぼ平行な平面に配置される。平板部材100A、100Bは、フレーム130又は同様の配置装置の背後に配置されてよく、当該フレームは、ラムの長手軸26にほぼ垂直な平面内を延びる各々の平板部材100A、100Bを維持するように構成される。
【0029】
別の実施の形態においては、ドーム形成具位置決めアセンブリ56は、2枚のプレート、即ち、例えば垂直である一方の軸に沿って移動するように構成された第1のプレートと、例えば水平である他方の軸に沿って移動するように構成された第2のプレートとを備えている。これらのプレートは上述のとおりのジャッキねじを使用して移動されてよいが、より上位の制御が、後述のウォームギアによって与えられてよい。この実施の形態では、ドーム形成具位置決めアセンブリ56は、第1の平板部材140及び第2の平板部材142を備える。第1の表面70は、第1の平板部材140に位置し、第2の表面72は、第2の平板部材142に位置する。第1及び第2の表面70、72は、好ましくはほぼ平坦であり、且つ、互いに垂直である。可動な装着アセンブリの平板部材の各々の係合面、即ち第1及び第2の表面70、72は、歯付きのラック146、148であるのが好ましい。
【0030】
第1の平板部材140は、固定されたマウント60に可動に結合されており、第1の軸上を平行移動するように構成されている。例えば、固定されたマウント60は、ほぼ垂直な溝(図示されていない)を備えてよく、第1の平板部材140は、その溝に対応する凸条(図示されていない)を有してよい。同様にして、第2の平板部材142は、第1の平板部材140に可動に結合されており、第2の軸上を平行移動するように構成されている。第2の平板部材142の移動の軸は、第1の平板部材140の移動の軸にほぼ垂直であって、第1の平板部材140によって定められる平面にほぼ平行であるのが好ましい。第1のモータ80は、固定されたマウント60に取り付けられ、第2のモータ82は、第1の平板部材140に取り付けられる。駆動アセンブリの第1の係合装置84は、ウォームギア150であり、第1の平板部材の歯付きのラック146に係合するように配置されている。駆動アセンブリの第2の係合装置86は、ウォームギア152であり、第2の平板部材の歯付きのラック148に係合するように配置されている。第2の平板部材142は、キャビティ44をポンチ20に向けてドーム形成具本体42を支持するように構成されている。
【0031】
ラム本体19は、片持ちの物体であるため、支持端を中心にして径方向に曲がりやすい。即ち、ラム本体の遠位端24の変位が、通常、円形のパターンのどこかに起こる。故に、ドーム形成具位置決めアセンブリ56の好ましい実施の形態は、ドーム形成具本体42を円形の領域に渡って移動させるように構成されている。ドーム形成具位置決めアセンブリ56は、ハウジング160を備えている。ハウジング160は、固定されたマウント60に位置して、回転軸164を有する回転空間162を定めてよい。可動の装着アセンブリ62は、第1のほぼ円状の部材172と第2のほぼ円状の部材174とを有する装着アセンブリ170を備える。回転空間162は、矩形の空間においてローラ(図示されていない)又は同様の装置によって定められてよいが、装着アセンブリ170の円柱状のキャビティ166によって定められるのが好ましい。第1の円状部材172は、回転空間162に回転可能に配置されており、第1の円状部材172の中心は、ハウジングの回転空間の軸164上にほぼ位置している。第1の円状部材172は、回転空間の回転軸164を中心にして回転するように構成されている。第2の円状部材174が、第1の円状部材172に回転可能に結合されているが、第2の円状部材174の中心は、第1の円状部材172の中心から径方向にオフセットしている。上述のように、駆動アセンブリ64は、第1のモータ80及び第2のモータ82を有している。各々のモータ80、82は、回転する出力シャフト81、83を有しており、各々のモータの出力シャフト81、83が、第1又は第2の円状部材172、174の一方に係合して回転させるように構成されている。
【0032】
より具体的には、第1の円状部材172は、第1の係合面70を備え、第2の円形部材が、第2の係合面72を備えている。第1及び第2の係合面70、72は、好ましくは歯付きのラック176、178であり、それらラック176、178は、第1及び第2の円状部材172、174の外周面の付近に配置され、好ましくは第1及び第2の円状部材172、174の外周面に配置される。既に述べたように、駆動アセンブリのモータ80、82は、第1の係合装置84及び第2の係合装置86をそれぞれ備える。この実施の形態における係合装置84、86は、第1及び第2のウォームギア180、182であり、それぞれ対応するモータ出力シャフト81、83に配置されており、対応する係合面70、72に係合するように構成されている。即ち、第1のウォームギア180は、第1の円状部材の歯付きのラック176に係合するように構成され、第2のウォームギア182は、第2の円状部材の歯付きのラック178に係合するように構成されている。
【0033】
ドーム形成具本体42が1つの円状部材172、174に装着されたが、回転軸上には位置していない場合、ドーム形成具本体42を、回転軸を中心とする円にて移動させることができる。互いに対して運動する(即ち、軸がオフセットされている)2つの円状部材172、174を設けて、ドーム形成具本体42の中心、即ちドーム46の中心を、第2の円状部材174の中心からずらすことによって、2つの円状部材172、174の最大の半径によって定められる円の範囲内の任意の場所にドーム形成具本体42を配置することができる。しかしながら、これは、第1の円状部材172が回転する、第2の円状部材174の中心が、円運動するという問題を引き起こす。これは、結果的に、第2の円状部材の歯付きのラック178が位置する第2の円状部材174の外周も運動することを意味する。
これは、第2のウォームギア182が、第1の円状部材172の中心の周りの第2の円状部材の歯付きのラック178の運動に適応しなければならないことを意味する。1つの解決策は、第2のモータ82を第1の円状部材172上に取り付けることによって、第2のウォームギア182と第2の円状部材の歯付きのラック178とを一定の関係に保つことであると考えられる。
【0034】
しかしながら、好ましい実施の形態においては、第1及び第2のモータ80、82が、固定されたマウント60に装着されており、2つの円状部材172、174が、ほぼ同じ直径を有する。第2のウォームギア182は、延ばされた歯を有することによって第2の円状部材の歯付きのラック178との係合を保つ。即ち、上述のように、ポンチ20とダイの開口32との間のすき間は、極めて小さい。同様に、ドーム形成具本体42について必要な調節の量も、極めて小さい。これは、第1及び第2の部材172、174の回転軸の間のオフセットの量も、極めて小さいことを意味する。ウォームギアのラックの半径がウォームギアの半径よりも大幅に大きい場合、ラックがウォームギアから遠ざかるように僅かに動いても、ウォームギアの側面が依然としてラックの歯の側方に係合する。従って、この構成は、第2の円状部材174が第2のウォームギア182に対して動いても、2つの円状部材172、174の位置の精密な制御を依然として可能にする。
【0035】
この構成では、第1のモータ80からの運動は、第1の係合装置84の第1の係合面70との係合を介して、第1の円状部材172に伝えられる。第2のモータ82からの運動は、第2の係合装置86の第2の係合面72との係合を介して第2の円状部材174へと伝えられる。
【0036】
第2の円状部材174は、第1の円状部材172から伸びる軸(図示されていない)に装着されてよいが、好ましい実施の形態においては、第1の円状部材172は、円形の開口190を有している。第1の円状部材の開口190の中心は、第1の円状部材172の中心からずらされている。第2の円状部材174は、円筒部分192と、その一端にあるフランジ184とを有している。第2の円状部材の円筒部分192は、第1の円状部材の開口190にぴったりと、しかしながら回転可能に嵌るように寸法付けられている。第2の円状部材のフランジ184は、好ましくは第1の円状部材172の半径とほぼ同じ半径を有している。この構成では、第2の円状部材の円筒部分192を、第1の円状部材の開口190に配置できる一方で、第1の円状部材172から長手方向にオフセットされた第2の円状部材のフランジ184に、固定されたマウント60に接続されたモータ82上のウォームギア182を係合されてよい。さらに、第2の円状部材174も、オフセットされたほぼ円形の開口194を有している。ドーム形成具本体42は、第2の円状部材の円形の開口194に配置される。以下で説明及び図示されるとおり、2つの円形部材172、174を種々の向きに配置することによって、ドーム形成具本体42をターゲット位置に置くことができる。
【0037】
第1の円状部材172の中心と第1の円状部材の円形の開口190の中心との間のオフセットは、約0.005〜0.020インチの間であり、より好ましくは約0.015インチである。第2の円状部材174の中心とドーム形成具本体42の中心との間のオフセットは、約0.005〜0.020インチの間であり、より好ましくは約0.015インチである。第1の円状部材の回転軸に対するドーム形成具本体42の中心の位置は、デカルト座標において、以下の式で表すことができる。その結果としてのドーム形成具本体42の中心のX位置は、
xi
,j:=e1・sin(α
i・deg)+e2・sin(β
j・deg)
であり、ドーム形成具本体42の中心のY位置は、
y
i,j:=e1・cos(α
i・deg)−e2・cos(β
j・deg)
である。ここで、
e1:=第1の円状部材172の偏心、好ましくは0.015インチ
e2:=第2の円状部材174の偏心、好ましくは0.015インチ
i:=度を単位とする角度変位の範囲(0,1,・・・,359)
j:=度を単位とする角度変位の範囲(0,1,・・・,359)
α
i:=iの第1の円状部材172の角度変位
β
j:=jの第2の円状部材174の角度変位
である。
【0038】
図6A〜
図6Hでは、2つの円状部材172、174の種々の向きと、第2の円状部材の円形の開口194の位置とが示されている。例えば、2つの円状部材172、174の各々は、しるし196、198による各々の円状部材172、174の向きの表示を含んでよい。
図6Aにおいては、2つの円状部材172、174が、「0°」として特定される向きに位置している。ドーム形成具本体42の中心の位置と同じである第2の円状部材の円形の開口194の中心のオフセットは、回転空間の回転軸164の中心から上方にオフセットされている。
図6Bにおいては、しるし196、198によって示されるように、第1の円状部材172が一方向に120°回転させられ、第2の円状部材174が、反対の方向に75°回転させられている。この場合、第2の円状部材の円形の開口194の中心のオフセットは、回転空間の回転軸164の中心から下方かつ右方である。2つの円状部材172、174の他の配置が、
図6C〜
図6Hに各々に示すように、図示されている。
【0039】
ドーム形成具位置決めアセンブリ56は、クランプ装置200をさらに備えてよい。クランプ装置200は、可動の装着アセンブリ62と固定されたマウント60との間の運動を停止するように構成されている。典型的には、ドーム形成具位置決めシステム50は、缶形成機械10を稼働させる前に使用されて、ダイの開口32に対するポンチ20の位置を較正する。これは、ポンチ20にカップを配置した状態で実、或いはポンチ20にカップを配置せずに実行されてよい。典型的には、これは、移動中のポンチ20のダイの開口32に対する位置を割り出すために動作機構12の1サイクルを実行し、次いでドーム形成具本体42の位置を調節し、動作機構12のさらに1サイクルを実行することによって行われると考えられる。ドーム形成具本体42のこの形式の位置決めは、プロセスの最中にポンチ20が運動していることから、ドーム形成具本体42の動的な位置決めと称される。しかしながら、ドーム形成具位置決めシステム50を常に動作させることも可能であり、即ち動作機構12を常に使用し、ポンチ20が絶えず動いているときにドーム形成具本体42の位置を調節することも可能である。この形式の位置決めは、ドーム形成具本体42の積極的な位置決めと称される。
【0040】
本発明の具体的な実施の形態を詳しく説明したが、それらの詳細について、種々の変更及び代案を、本明細書における開示の全体的な教示に照らして開発できることを、当業者であれば理解できるであろう。従って、開示された個々の構成は、あくまでも例示を目的とするものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、本発明の技術的範囲には、添付の請求項及びその任意且つ全ての均等物による範囲の全体が与えられるべきである。