特許第5872703号(P5872703)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872703
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】改善された渦流式燃焼混合気トーチ
(51)【国際特許分類】
   F23D 14/38 20060101AFI20160216BHJP
   F23D 14/64 20060101ALI20160216BHJP
   B23K 7/10 20060101ALI20160216BHJP
   B23K 20/00 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   F23D14/38 A
   F23D14/64 C
   B23K7/10 S
   B23K7/10 T
   B23K20/00 330C
【請求項の数】20
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-534002(P2014-534002)
(86)(22)【出願日】2012年9月24日
(65)【公表番号】特表2014-534404(P2014-534404A)
(43)【公表日】2014年12月18日
(86)【国際出願番号】IB2012001867
(87)【国際公開番号】WO2013050847
(87)【国際公開日】20130411
【審査請求日】2015年9月18日
(31)【優先権主張番号】13/267,678
(32)【優先日】2011年10月6日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510202156
【氏名又は名称】リンカーン グローバル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ノラン,トッド,アール
【審査官】 黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第3768962(US,A)
【文献】 米国特許第3574506(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第0583941(EP,A1)
【文献】 米国特許第4881894(US,A)
【文献】 実開昭56−85146(JP,U)
【文献】 特開昭48−74447(JP,A)
【文献】 仏国特許発明第350342(FR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23D 14/38
F23D 14/64
B23K 7/10
B23K 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流キャビティ、
該上流キャビティの下流に配置されるチャネル、
該チャネルを第1のチャネル及び第2のチャネルに分ける混合キャビティであり、前記第1のチャネルは前記上流キャビティからの流れを受けるように配置され、当該混合キャビティは、当該混合キャビティの側壁を通る複数の円錐形の穴を有して、当該混合キャビティ内への空気の流れを可能にする、混合キャビティ、並びに
前記第2のチャネルの下流にある管接続部分であり、穴を有して、前記第2のチャネルからの流れを受け、且つ、前記第2のチャネルからの前記流れを当該管接続部分の出口へと方向づける、管接続部分、
を有するトーチ本体と
前記上流キャビティ内に挿入される先端のオリフィス構造体であり、その中心を通る穴を有し、前記穴が、第1の直径を有し、さらに、前記第1のチャネルを介して燃料を前記混合キャビティへと方向づける、先端のオリフィス構造体と、
前記管接続部分に連結される管であり、前記管接続部分からの前記流れを受け、さらに、内径を有し、前記管接続部分からの前記流れを当該管の出口にある炎まで送る、管と、
を含むトーチであって、
前記第2のチャネルの直径が、前記第1のチャネルの直径よりも大きく、
前記管の前記内径に対する前記第1の直径の比が5から7%の範囲にあり
記燃料がアセチレンであさらに、
前記管接続部分内の前記穴が、該管接続部分内の穴の下流部分において広がりキャビティを有する、トーチ。
【請求項2】
前記比が5.4から6.6%の範囲にある、請求項1に記載のトーチ。
【請求項3】
前記広がりキャビティが、3から30度の範囲にある角度を有する傾斜面を含む、請求項1に記載のトーチ。
【請求項4】
前記炎の近くの前記管内に置かれる渦流式のインサートをさらに含む、請求項1に記載のトーチ。
【請求項5】
前記第1のチャネルの前記直径は、前記第1の直径に等しい、請求項1に記載のトーチ。
【請求項6】
前記第1のチャネルの前記直径は、前記第1の直径よりも大きい、請求項1に記載のトーチ。
【請求項7】
前記第1の直径が、0.01から0.04インチ(0.0254から0.1016cm)の範囲にあり、さらに、前記管の前記内径が、0.2から0.7インチ(0.508から1.778cm)の範囲にある、請求項1に記載のトーチ。
【請求項8】
前記複数の円錐形の穴の数が3から5の範囲にある、請求項1に記載のトーチ。
【請求項9】
14PSIのアセチレン燃料圧力にて2から30SCFHの流速を提供することができる、請求項1に記載のトーチ。
【請求項10】
上流キャビティ、
該上流キャビティの下流に配置されるチャネル、
該チャネルを第1のチャネル及び第2のチャネルに分ける混合キャビティであり、前記第1のチャネルは前記上流キャビティからの流れを受けるように配置され、当該混合キャビティは、当該混合キャビティの側壁を通る複数の円錐形の穴を有して、当該混合キャビティ内への空気の流れを可能にする、混合キャビティ、並びに
前記第2のチャネルの下流にある管接続部分であり、穴を有して、前記第2のチャネルからの流れを受け、且つ、前記第2のチャネルからの前記流れを当該管接続部分の出口へと方向づける、管接続部分、
を有するトーチ本体と
前記上流キャビティ内に挿入される先端のオリフィス構造体であり、その中心を通る穴を有し、前記穴が、第1の直径を有し、さらに、前記第1のチャネルを介して燃料を前記混合キャビティへと方向づける、先端のオリフィス構造体と、
前記管接続部分に連結される管であり、前記管接続部分からの前記流れを受け、さらに、内径を有し、前記管接続部分からの前記流れを当該管の出口にある炎まで送る、管と、
を含むトーチであって、
前記第2のチャネルの直径が、前記第1のチャネルの直径よりも大きく、
前記管の前記内径に対する前記第1の直径の比が2から3%の範囲にあり
記燃料がプロパン又はプロピレンであさらに、
前記管接続部分内の前記穴が、該管接続部分内の穴の下流部分において広がりキャビティを有する、トーチ。
【請求項11】
前記比が2.5から3%の範囲にある、請求項10に記載のトーチ。
【請求項12】
前記広がりキャビティが、3から30度の範囲にある角度を有する傾斜面を含む、請求項10に記載のトーチ。
【請求項13】
前記炎の近くの前記管内に置かれ渦流式のインサートをさらに含む、請求項10に記載のトーチ。
【請求項14】
前記第1のチャネルの前記直径は、前記第1の直径に等しい、請求項10に記載のトーチ。
【請求項15】
前記第1のチャネルの前記直径は、前記第1の直径よりも大きい、請求項10に記載のトーチ。
【請求項16】
前記第1の直径が、0.007から0.02インチ(0.01778から0.0508cm)の範囲にあり、さらに、前記管の前記内径が、0.2から0.7インチ(0.508から1.778cm)の範囲にある、請求項10に記載のトーチ。
【請求項17】
前記複数の円錐形の穴の数が、3から5の範囲にある、請求項10に記載のトーチ。
【請求項18】
28PSIの燃料圧力にて2から12SCFHの流速を提供することができる、請求項10に記載のトーチ。
【請求項19】
上流キャビティ、
該上流キャビティの下流に配置されるチャネル、
該チャネルを第1のチャネル及び第2のチャネルに分ける混合キャビティであり、前記第1のチャネルは前記上流キャビティからの流れを受けるように配置され、当該混合キャビティは、当該混合キャビティの側壁を通る複数の円錐形の穴を有して、当該混合キャビティ内への空気の流れを可能にする、混合キャビティ、並びに、
前記第2のチャネルの下流にある管接続部分であり、穴を有して、前記第2のチャネルからの流れを受け、且つ、前記第2のチャネルからの前記流れを当該管接続部分の出口へと方向づける、管接続部分、
を有するトーチ本体と、
前記上流キャビティ内に挿入される先端のオリフィス構造体であり、その中心を通る穴を有し、前記穴が、第1の直径を有し、さらに、前記第1のチャネルを介して燃料を前記混合キャビティへと方向づける、先端のオリフィス構造体と、
前記管接続部分に連結される管であり、前記管接続部分からの前記流れを受け、さらに、内径を有し、前記管接続部分からの前記流れを当該管の出口にある炎まで送る、管と、
を含むトーチであって、
前記第2のチャネルの直径が、前記第1のチャネルの直径よりも大きく、
前記管の前記内径に対する前記第1の直径の比が5から7%の範囲にあり、
前記燃料がアセチレンであり、さらに、
前記第1のチャネルの前記直径は、前記第1の直径に等しい、トーチ。
【請求項20】
上流キャビティ、
該上流キャビティの下流に配置されるチャネル、
該チャネルを第1のチャネル及び第2のチャネルに分ける混合キャビティであり、前記第1のチャネルは前記上流キャビティからの流れを受けるように配置され、当該混合キャビティは、当該混合キャビティの側壁を通る複数の円錐形の穴を有して、当該混合キャビティ内への空気の流れを可能にする、混合キャビティ、並びに、
前記第2のチャネルの下流にある管接続部分であり、穴を有して、前記第2のチャネルからの流れを受け、且つ、前記第2のチャネルからの前記流れを当該管接続部分の出口へと方向づける、管接続部分、
を有するトーチ本体と、
前記上流キャビティ内に挿入される先端のオリフィス構造体であり、その中心を通る穴を有し、前記穴が、第1の直径を有し、さらに、前記第1のチャネルを介して燃料を前記混合キャビティへと方向づける、先端のオリフィス構造体と、
前記管接続部分に連結される管であり、前記管接続部分からの前記流れを受け、さらに、内径を有し、前記管接続部分からの前記流れを当該管の出口にある炎まで送る、管と、
を含むトーチであって、
前記第2のチャネルの直径が、前記第1のチャネルの直径よりも大きく、
前記管の前記内径に対する前記第1の直径の比が2から1%の範囲にあり、
前記燃料がプロパン又はプロピレンであり、さらに、
前記第1のチャネルの前記直径は、前記第1の直径に等しい、トーチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の請求項1及び6と一致する装置、システム及び方法はトーチに関し、特に、改善された渦流式燃焼混合気トーチに関する。
【背景技術】
【0002】
ガストーチは、可燃性燃料と空気とを組み合わせるために使用される。当該トーチは、燃料と空気とを組み合わせ適切な混合比を生じて、加熱炎又は切断炎を提供するよう試み、加熱炎又は切断炎は、次に、金属等の材料を加熱又は切断するために使用される。しかし、異なる燃料タイプ及び密度、流速等の種々の要因のため、燃料/空気の混合を最適化して安定且つ最適な炎を提供するトーチを提供することは困難であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この背景に対して、上記の問題を克服することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願による問題は、請求項1及び6に記載のトーチによって解決される。本発明のさらなる実施形態は、従属クレームの発明特定事項である。本発明の例証的な実施形態は、トーチ本体を有するトーチであり、トーチ本体は、上流キャビティ、混合キャビティ、及び、混合キャビティの下流にある管接続部分を有する。混合キャビティは、混合キャビティの側壁を通る複数の円錐形の穴を有して、混合キャビティ内への空気の流れを可能にし、さらに、管接続部分は、穴を有して、混合キャビティからの流れを受け、且つ、その流れを前記管接続部分の出口へと方向づける。先端のオリフィス構造体が、上流キャビティ内に挿入され、さらに、先端のオリフィス構造体は、その中心を通る穴を有する。穴は、第1の直径を有し、さらに、穴は、燃料を混合キャビティへと方向づける。管接続部分からの流れを受ける管が、管接続部分に連結され、さらに、その管は内径を有する。管は、その流れを炎まで送り、さらに、管の内径に対する第1の直径の比が、アセチレントーチに対して5から7%の範囲にあり、さらに、プロパン及びプロピレントーチに対して2から3%の範囲にある。
【0005】
本発明の上記及び/又は他の態様が、付随の図面を参考にして本発明の例証的な実施形態を詳細に記載することによってより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】本発明の例証的な実施形態に従ってトーチを描写した概略図である。
図1B】本発明の例証的な実施形態に従って先端のオリフィスを描写した概略図である。
図2】本発明の例証的な実施形態に従ってトーチ本体を描写した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、本発明の例証的な実施形態が、付随の図を参考にして以下に記載される。記載される例証的な実施形態は、本発明の理解に寄与するように意図され、さらに、いかなる方法においても本発明の範囲を限定するとして意図されない。類似の参照番号は始終、類似の要素を意味する。
【0008】
図1A/1Bは、本発明の例証的な実施形態に従ってトーチ100を描写した概略図である。トーチ100は、多くの構成要素から作製され、主として、先端の管101、トーチ本体103、先端のオリフィス107及び渦流式の先端のインサート112を含む。これらの構成要素のそれぞれが次に論議される。
【0009】
先端のオリフィス107は、トーチ本体103におけるキャビティ110内に挿入されることになる真鍮のインサートである。オリフィス107は、真鍮等の金属材料から作製することができる。先端のオリフィス107は、本体103内にオリフィス107がしっかりと挿入されるのを可能にするねじやまを切った部分108も有し得る。先端のオリフィス107の中心線を通って、注入穴109が提供される。穴109は、その長手方向に沿って一定の直径及び円筒形を有する。トーチ100に対する適用に基づき、穴は、異なる直径を有し得る。すなわち、一部の施行に対して、より小さな穴109が必要とされる一方、他の施行に対して、より大きな穴109が必要とされる。穴は、穴109を通る滑らかなガスの流れを確実にするように、可能な限り滑らかに作製するべきである。例証的な実施形態において、穴は、0.007から0.04インチ(0.01778から0.1016cm)の範囲の直径を有し得る。
【0010】
本体103も、真鍮から作製することができ、さらに、先端のオリフィス107の適切な収容を可能にするキャビティ110を有し得る。この収容は、ガスが接続部分から漏れることができないようにあるべきである。オーリングを使用して、十分な密閉が提供されることを確実にすることができる。本体103の中心線に沿って、先端のオリフィス107からのガスの流れが、本体103における内部キャビティ113まで、さらに、管101の中まで本体103を通り抜けるのを可能にする穴114がある。穴114は、キャビティ113によって分けられる上流部分114A及び下流部分114Bから構成される。本発明の例証的な実施形態において、上流部分114Aは第1の直径を有し、さらに、下流部分114Bは、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する。例証的な実施形態において、上流部分114Aは、先端のオリフィス内の穴109の直径と同じ直径を有する。さらなる例証的な実施形態において、上流部分114Aは、穴109の直径よりもわずかに大きい直径を有する。しかし、直径の差は、穴109からキャビティ113の中へのガスの流れに対して悪影響を及ぼすほど大きくあるべきではない。
【0011】
アセチレン燃料と共に使用される本発明の例証的な実施形態において、穴109は、0.01から0.04インチ(0.0254から0.1016cm)の範囲の一定の直径を有する。プロパン又はプロピレン燃料と共に使用される本発明の例証的な実施形態において、穴109は、0.007から0.02インチ(0.01778から0.0508cm)の範囲の一定の直径を有する。
【0012】
別の例証的な実施形態において、キャビティ113は、先端のオリフィス107の穴109がキャビティ113まで燃料を直接送るように大きさが決められ、そこには、穴114の上流部分114Aは存在しない。それどころか、キャビティ110及び113は、先端のオリフィス107の中でも下流の先端がキャビティ113に直接接触するように大きさが決められる。
【0013】
本体103は、ガス供給ライン(図示せず)に接続する第1の接続末端106を有し、ガス供給ラインは、典型的に、ガス供給源(同様に図示せず)に接続される。第1の接続106は、本体103がガス供給ラインに適切に固定されるのを可能にするいかなる既知のタイプの接続でもあり得る。本発明の例証的な実施形態において、接続106は、本体の迅速な放出及び接続を可能にする「クイックタイプ」の接続末端である。そのような接続は、末端106が供給ライン内に挿入される場合に気密封止が提供されてガスがそのジョイントを介して流れ出るのを防ぐように、滑らせることができる軸つば及び圧力フィッティングを使用する。そのような接続タイプは、一般的には既知であり、本明細書において詳細に記載する必要はない。本体103の側面には、少なくとも4つの円錐形の穴104があり、それらは全て、本体103の外表面から内部のキャビティ113まで延びる。4つの穴104がある実施形態において、穴104はそれぞれ、互いから90度で放射状に置かれる。この内部のキャビティ113は、穴114の上流及び下流部分114A/114Bと、本体103の側面上の円錐形の穴104とを連結する。
【0014】
図2は、本発明の例証的な実施形態に従った本体103の断面図を描写している。示されている実施形態において、(先に論議した)穴114の上流部分114Aはないが、キャビティ110は、キャビティ113に直接連結される。この実施形態において同様に示されているのは、管接続部分102の出口にて設けられた広がり領域116である。本体103から管101までの移動が、渦流等と共に流れにおいて重大な混乱を生じないように、広がり領域116は、混合物が管101に近づくのに従って徐々に広がるのを可能にする。広がり領域116は、円錐形の出口を生じるように下流部分114Bの内表面をある角度に方向転換することによって形成される。本発明の例証的な実施形態において、円錐部分の角度Aは、3から30°の範囲にある。上記の範囲にある角度は、本体103から管101までの移動において最適な性能を提供するということが発見されてきた。
【0015】
トーチ100の使用中、燃料ガスは、ホースを介して供給源から本体103まで提供される。ガスは、次に、先端のオリフィス107内の穴109を通って、本体103における穴114の上流部分114Aの中に流れる。次にガスは、穴114の下流部分114Bに向かってキャビティ113内に流れるに従い、円錐形の穴104にてベンチュリ効果を生じ、円錐形の穴を介して且つキャビティ113内に大気を引き込む原因となる。このように、キャビティ113において、燃料と大気との混合物が生じる。この混合物は、次に、穴114の下流部分114Bを下に向かって且つ管101内に通過する。本体103は、本体103と管101との接続を可能にする管接続部分102を有する。この接続は、フリクションフィット又はねじ式接続等を含めたいかなる数の方法でも作製することができる。しかし、その接続は、燃料と大気との混合物が接続ポイントから流出しないように気密であるべきでもある。下流部分114Bは、混合物の流れを制限することなく大気と燃料との組み合わされた容量を送るのに十分な直径を有するべきである。本体における穴及びキャビティの全てが、燃料と大気が流れるのに滑らかな表面を提供するように可能な限り滑らかになる。
【0016】
管101は、ステンレス鋼材料だけでなく、高温に耐える能力を持つ他の金属からも作製することができる。管101は、適切な操作に対して選択される内径IDを有する。すなわち、より速い混合物の流速には、より大きな直径IDが要求される。内径IDは、管101の長手方向に沿って一定であるようになり、さらに、最適な流れを定めるために滑らかな表面であるべきである。直径IDは、0.2から0.7インチ(0.508から1.778cm)の範囲にあり得る。
【0017】
図1Aにおいて示されているように、管101は曲がった管であり得る。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されず、まっすぐな構造も有し得る。管101が曲がったものである範囲で、その曲がりは、管101を通る混合物の流れに悪影響を及ぼすか又は管101の直径IDにかなり影響を与えるまでには劇的であるべきではない。管101内の末端115近くで、渦流式のインサート112が提供される。渦流式のインサート112は、真鍮、ステンレス鋼又は類似の材料から作製することができ、さらに、その中に一連のらせん形のチャネル又はみぞ(図示せず)を有し、ガスと大気との混合物が先端115を出る前にその混合物に渦を巻かせる。本発明の例証的な実施形態において、チャネル/溝の数は、3から5の範囲にあり得る。チャネル/溝は、管101を通る混合物の流れのいかなる測定可能な閉塞も生じないように大きさが決定されるべきである。さらに、溝のらせんパターンは、燃料及び大気が、混合物が先端115を出た後の最適な燃焼のために十分に混ぜ合わされるようにあるべきである。インサート112は、管101内にプレスばめ又はフリクションフィットされるのを可能にする外径を有し得る。インサート112を固定する他の手段を利用することもできる。
【0018】
管101の内径IDに対する先端のオリフィス107内の穴109の直径の比は、トーチ100の最適な操作に対して重要であるということが意外にも発見されてきた。この比はこれまで正しく認識又は理解されてきていない。さらに、この比は、操作に対して利用されている燃料のタイプ次第であるということが発見されてきた。例えば、この比は、使用される燃料がアセチレン又はプロパン及びプロピレンであるかどうかに依存する。これは、以下においてより完全に説明される。
【0019】
本発明の例証的な実施形態において、トーチ100がアセチレン燃料と共に使用されることになる場合に、管の内径に対する穴109直径の比は、5から7%の範囲にあるべきであるということが発見されてきた。アセチレンと共に使用されることになるさらなる例証的な実施形態において、前記比は5.4から6.6%の範囲にあるべきであるということが発見されてきた。しかし、プロパン又はプロピレン燃料と共に使用されることになるトーチに対して、例証的な実施形態は2から3%の範囲の比を有することになる。プロパン又はプロピレンを使用するさらなる例証的な実施形態において、前記比は、2.5から3%の範囲にある。これらの比は、適切な燃料に対して、驚くほどに改善された性能を提供するということが発見されてきた。前記比は、上記のように、使用される燃料のタイプ次第であるということも発見されてきた。
【0020】
例えば、例証的なトーチ100がアセチレン燃料と共に使用されることになり、さらに、管101の内径IDが1/4’’である場合、先端のオリフィス内の穴109の直径は、0.0125’’から0.0175’’(5から7%)の範囲にあるべきである。しかし、例証的なトーチがプロパン又はプロピレンと共に使用されることになる場合、穴109の直径は、0.005’’から0.0075’’(2から3%)の範囲にあることになる。これらのそれぞれの比を維持することによって、最適な性能をトーチのために得ることができる。
【0021】
これらの比を用いて、アセチレンと共に使用されるトーチ100の例証的な実施形態は、最適な炎を依然として提供しながら、14PSIの燃料圧力にて2から30SCFH(標準立方フィート/時)という範囲の全体的な混合物の流速を提供することができる。同様に、プロパン又はプロピレンと共に使用される例証的な実施形態において、最適な炎を依然として提供しながら、2から12SCFHという範囲の流速を28PSIの燃料圧力にて得ることができる。当然ながら、より大きな直径の管101及び穴109を使用することによって、より速い流速が得られるということが理解される。先に論議された比は、最適な炎を得るために、最適な流れ及び最適な燃料と大気(例えば空気)の混合を可能にする。
【0022】
本発明は、その例証的な実施形態を参考にして特に示され且つ記載されてきたけれども、本発明は、これらの実施形態に限定されない。形状及び詳細における種々の変化が、以下の請求項によって規定される本発明の真意及び範囲から逸脱することなく生じてもよいということが、当業者によって理解されることになる。
【0023】
参照番号
100 トーチ
101 管
102 管接続部分
103 トーチ本体
104 穴
106 接続
107 先端のオリフィス
108 ねじやまを切った部分
109 穴
110 キャビティ
112 渦流式の先端のインサート
113 内部キャビティ
114 穴
114A 上流部分
114B 下流部分
115 末端
116 広がり領域

A 角度
iD 内径
図1A
図1B
図2