(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872707
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】ガスボルト加熱装置
(51)【国際特許分類】
F23D 14/38 20060101AFI20160216BHJP
F23D 14/78 20060101ALI20160216BHJP
B23P 19/06 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
F23D14/38 A
F23D14/78 B
B23P19/06 Z
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-537435(P2014-537435)
(86)(22)【出願日】2012年2月13日
(65)【公表番号】特表2015-501411(P2015-501411A)
(43)【公表日】2015年1月15日
(86)【国際出願番号】CA2012050078
(87)【国際公開番号】WO2013059932
(87)【国際公開日】20130502
【審査請求日】2014年8月29日
(31)【優先権主張番号】13/282,012
(32)【優先日】2011年10月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512174619
【氏名又は名称】ニューポル マシーン ワークス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Newpol Machine Works LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】タタルクズ、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】タタルクズ、ジョージ
【審査官】
黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭62−161980(JP,U)
【文献】
特開2003−300121(JP,A)
【文献】
米国特許第4991563(US,A)
【文献】
米国特許第6345980(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23D 14/38
F23D 14/78
B23P 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱管に接続され、孔を有するボルト部材を加熱するためのガスボルト加熱装置であり、前記加熱管は前記孔内に配置可能であるガスボルト加熱装置であって、
高温ガスが通過し、トーチ先端部を有するガストーチと、
第1端部及びそれに対向した第2端部を有する中空状のヒータ本体であって、前記本体は、前記第1端部から前記第2端部に向かって延在する中央通路を備え、前記中央通路は前記トーチ先端部を収容するよう構成され、前記加熱管は前記本体と接続可能であり、前記トーチ先端部は、前記加熱管がこのように前記ヒータ本体に接続されるときに、前記加熱管を直接加熱するために前記加熱管内に延在するよう構成される、ヒータ本体と、を備える加熱装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記トーチ先端部は前記高温ガスを排出する遠位端を有し、前記トーチ先端部の前記遠位端は、前記ヒータ本体の前記第2端部付近に位置する装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、
前記ヒータ本体は内側部分、外側部分、前記内側部分と前記外側部分の間に配置される外壁、及び前記外壁内を前記外壁に沿って延在する複数の冷却用導管とを有し、前記冷却用導管は円周方向に離間して配置され、各前記冷却用導管は前記ヒータ本体の前記内側部分と連通する注入口を有し、前記冷却用導管の前記注入口は前記ヒータ本体の前記第1端部付近に配置され、各前記冷却用導管は前記ヒータ本体の前記外側部分と連通する排出口を有し、前記冷却用導管の前記排出口は前記ヒータ本体の前記第1端部から離間して配置される装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、
前記ヒータ本体を冷却するための空気供給源であって、前記冷却用導管と連通する前記ヒータ本体を冷却し、前記ヒータ本体を冷却するため、前記冷却用導管を介して空気流を供給する空気供給源を更に備える装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、
前記ガストーチは炎を発し、
前記ヒータ本体は中空状の筒状筐体及びその中に配置されるインサートを備え、前記インサートは前記ヒータ本体の前記第1端部と前記第2端部との間に配置された内面端部を有すると共に、前記インサートは、前記インサートの前記内面端部を通り抜けて延在する空気排出通路を有し、前記空気排出通路は、前記炎に給気し、誘導するため、その中を通過する空気を前記トーチ先端部に向けて誘導するように構成される装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であって、
前記ヒータ本体は内側部分を有し、
前記装置は、前記ガストーチの前記炎に給気し、誘導するための空気供給源であって、前記炎に給気し、誘導するための前記空気供給源は前記内側部分と連通し、前記空気排出通路とも連通し、それにより、前記高温ガスの燃焼を促進するために、空気を前記トーチ先端部に向けて誘導するよう構成される前記空気供給源を更に備える装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、
前記ヒータ本体に螺着可能に接続されるパイプブッシングを更に備え、前記パイプブッシングは、前記加熱管にも螺着可能に接続されるよう構成される装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、
前記トーチ先端部は遠位端を有し、前記トーチ先端部の前記遠位端は、前記パイプブッシングと位置合わせされ、かつ前記パイプブッシング内に配置される装置。
【請求項9】
請求項7に記載の装置であって、
前記トーチ先端部は遠位端を有し、前記トーチ先端部の前記遠位端は、前記パイプブッシングと前記ヒータ本体の前記第2端部との間に配置される装置。
【請求項10】
請求項5に記載の装置であって、
前記ヒータ本体に螺着可能に接続されるパイプブッシングを更に備え、前記パイプブッシングは、前記加熱管にも螺着可能に接続されるよう構成され、前記インサートの前記内面端部は、前記パイプブッシングから離間すると共にその付近に位置する装置。
【請求項11】
請求項7に記載の装置であって、
前記パイプブッシングは、前記ヒータ本体に接続するために雄ねじを有すると共に、前記パイプブッシングは雌ねじを有し、
前記装置は、それぞれが前記パイプブッシングの前記雌ねじに選択的に接続するための雄ねじを有する複数のブッシングレジューサを更に備え、各前記ブッシングレジューサは中央に配置された孔を有し、前記ブッシングレジューサの前記孔はそれぞれ異なる径を有し、したがって前記ブッシングレジューサは、さまざまな大きさの多様な加熱管に接続するよう構成される装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置であって、
前記ヒータ本体は外壁、及び前記外壁内を前記外壁に沿って延在する冷却用導管を有し、前記冷却用導管は前記ヒータ本体の前記第1端部付近に位置する注入口、及び前記ヒータ本体の前記第2端部から離間した位置に排出口を有し、
前記トーチ先端部は遠位端を有し、前記トーチ先端部の前記遠位端は前記冷却用導管の前記排出口と前記ヒータ本体の前記第2端部との間に位置する装置。
【請求項13】
請求項1に記載の装置であって、
前記ヒータ本体は外壁、及び前記外壁内を前記外壁に沿って延在する冷却用導管を有し、前記冷却用導管は前記ヒータ本体の前記第1端部付近に位置する注入口、及び前記ヒータ本体の前記第2端部から離間した位置に排出口を有し、
前記トーチ先端部は遠位端を有し、前記トーチ先端部の前記遠位端は前記冷却用導管の前記排出口に位置合わせされ、かつその付近に配置される装置。
【請求項14】
請求項1に記載の前記装置と前記加熱管との組み合わせからなる組み合わせ体。
【請求項15】
請求項14に記載の組み合わせ体であって、
前記ヒータ本体は、前記ヒータ本体の前記第1端部から離間した位置に、円周方向に離間した複数の排出用開口を有し、前記装置は前記加熱管を通過する加熱された空気が前記ボルト部材の前記孔と連通し、前記ヒータ本体に再び供給され、前記排出用開口から排出されるよう構成され、
前記トーチ先端部は遠位端を有し、前記トーチ先端部の前記遠位端は前記排出用開口に位置合わせされ、かつその付近に配置される組み合わせ体。
【請求項16】
請求項14に記載の組み合わせ体であって、
前記加熱管は前記ボルト部材の前記孔よりも小径の外側部分を有し、
環状の周囲の通路が前記加熱管の前記外側部分と前記孔との間に延在し、
前記ヒータ本体は、前記周囲の通路と連通する、円周方向に離間した複数の排出用開口を有し、それにより前記加熱管を通過した加熱された空気が前記周囲の通路も通過し、前記排出用開口を介して外へと排出され、
前記トーチ先端部は遠位端を有し、前記トーチ先端部の前記遠位端は前記排出用開口に位置合わせされ、かつその付近に配置されるよう構成される組み合わせ体。
【請求項17】
加熱管に接続され、孔を有するボルト部材を加熱するためのガスボルト加熱装置であり、前記加熱管は前記孔内に配置可能であるガスボルト加熱装置であって、
高温ガスが通過し、トーチ先端部を有するガストーチであって、炎を発するガストーチと、
第1端部、それに対向する第2端部、内側部分、前記第1端部から前記第2端部に延在する筒状外壁、及び、筐体の前記第1端部付近から筐体の前記第2端部に向かって、前記外壁内を前記外壁に沿って延在する、円周方向に離間して配置された複数の冷却用導管を有する中空状の筒状筐体と、
前記筐体内に配置される筒状インサートであって、前記インサートは前記筐体の前記第1端部から前記筐体の前記第2端部に向かって延在する中央通路を有し、前記中央通路は前記トーチ先端部を収容するよう構成され、前記インサートは前記筐体の前記第1端部と前記第2端部との間に配置される内面端部を有すると共に、前記インサートは下方に向かって先細となると共に円周方向に離間して、前記インサートの前記内面端部を通り抜けて延在する、複数の空気排出通路を有し、前記下方に向かって先細となる空気排出通路は、前記炎に給気し、誘導するために、その中を通過する空気を前記トーチ先端部に向かって誘導するよう構成されている、筒状インサートと、
前記筐体の前記第2端部付近に配置されたパイプブッシングであって、前記パイプブッシングは前記筐体に螺着可能に接続され、また、前記加熱管にも螺着可能に接続するよう構成され、前記インサートの前記内面端部は前記パイプブッシングから離間すると共にその付近に配置され、前記トーチ先端部は前記パイプブッシング内を延在し、前記筐体の前記第2端部付近に配置され、前記加熱管を直接加熱するために前記加熱管内に延在するよう構成される、パイプブッシングと、を備える装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置であって、
前記ガストーチの前記炎に給気し、誘導するための空気供給源であって、前記筐体の前記内側部分と連通し、前記高温ガスの燃焼を促進するため、空気を前記空気排出通路を介して前記トーチ先端部に向けて誘導するよう構成された、前記ガストーチの前記炎に給気し、誘導するための空気供給源を更に備え、
前記装置は、前記筐体を冷却するための空気供給源であって、前記冷却用導管と連通し、前記ヒータ本体の前記外壁を冷却するため、前記冷却用導管を介して空気流を供給して前記ヒータ本体を冷却する、前記筐体を冷却するための空気供給源を更に備える、装置。
【請求項19】
請求項17に記載の前記加熱装置と前記加熱管との組み合わせからなる組み合わせ体。
【請求項20】
ガスボルト加熱機構であって、
複数のガスボルト加熱装置であって、孔を有する各ボルト部材それぞれを加熱するための各加熱管に接続され、前記加熱管は各前記孔内に配置可能であり、各前記ガスボルト加熱装置は、高温ガスが通過し、トーチ先端部を有するガストーチを有し、各前記ガスボルト加熱装置は、中空状のヒータ本体を有し、各前記ヒータ本体は、第1端部、それに対向した第2端部、外壁、及び円周方向に離間して外壁内を外壁に沿って延在する複数の冷却用導管を有し、各前記本体は、第1端部から第2端部に向かって延在する中央通路を備え、各前記中央通路は前記トーチ先端部のそれぞれ一つを収容するよう構成され、前記加熱管は前記本体と接続可能であり、前記トーチ先端部は、前記加熱管を直接加熱するために前記加熱管内に延在するよう構成されるガスボルト加熱装置と、
高圧筐体、低圧筐体、及び前記高圧筐体と前記低圧筐体との間に配置され、作動的に接続された低圧レギュレータを有するマニホルドであって、第1の複数の導管は前記高圧筐体と連通すると共に前記高圧筐体から延在し、前記冷却用導管に高圧空気を供給するよう構成され、第2の複数の導管は前記低圧筐体と連通すると共に前記低圧筐体から延在し、低圧空気を前記加熱装置の各前記トーチ先端部に供給するよう構成されるマニホルドと、を備える機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボルト加熱装置に関する。詳細には、本発明はボルト部材を締緩するためのガスボルト加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ボルト部材の緩締を容易に行うために、ボルト部材を加熱するガスボルト加熱装置を設けること自体は既知である。これは例えば、Tatarczukの米国特許第6,345,980号(「特許‘980」)に示されている。
【0003】
特許‘980に開示される加熱装置によると、加熱装置は筒状の予熱チャンバを有し、ガストーチ先端部がその中に延在する。チャンバは、トーチ先端部より排出されチャンバ内に溜まる高温ガスによって加熱される。よってチャンバは加熱を促進し、かつ加熱された空気の先細となった開口部への、ひいては加熱管内への通過を促進し、これにより加熱管が加熱される。加熱管は中空状のスタッド頭部及びスタッドを加熱するためにこれらの部品内に配置可能である。これらの部品の噛み合ったねじ山は、こうして長手方向に加熱されることで外側に膨張されるため、スタッド頭部及び/又はスタッドの締緩が容易になる。
【0004】
この加熱装置は満足の行くものであるものの、いくつかの問題が生じ得る。例えば、露出した予熱チャンバが非常に熱くなり、加熱装置のユーザが火傷を負う危険があるかもしれない。また、チャンバの外側を冷却するために冷却用導管が使用されるが、これによりチャンバを、そして加熱管を加熱する際の効率が低下する可能性がある。炎に給気するための、下方に向かって先細となった空気排出通路が、トーチ先端部が延在する加熱装置の中央通路内に配置される。これにより、炎に給気するために通路を通過する空気の量が制限されてしまい、空気の供給が減ってしまう可能性がある。これにより、チャンバ及び加熱管へと通じる高温空気の下方への流れが阻止されてしまう恐れもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,345,980号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以下に開示するように、上記問題を解決するガスボルト加熱装置を提供するものである。本発明の目的は、改良したガスボルト加熱装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、加熱管に接続され、ボルト部材を加熱するためのガスボルト加熱装置が提供される。ボルト部材は孔を有する。加熱管は孔内に配置可能である。加熱装置は、高温ガスが通過し、トーチ先端部を有するガストーチを備える。加熱装置はまた、第1端部及びそれに対向した第2端部を有する中空状のヒータ本体を備える。本体は、本体の第1端部から第2端部に向かって延在する中央通路を有する。中央通路はトーチ先端部を収容するよう構成される。加熱管は本体と接続可能である。トーチ先端部は、加熱管がこのようにヒータ本体に接続されるときに、加熱管を直接加熱するために加熱管内に延在するよう構成される。
【0008】
また、加熱管に接続され、ボルト部材を加熱するためのガスボルト加熱装置が提供される。ボルト部材は孔を有し、加熱管は孔内に配置可能である。加熱装置は、高温ガスが通過し、トーチ先端部を有するガストーチを備える。ガストーチは炎を発する。加熱装置は、第1端部、それに対向する第2端部、及び内側部分、及び第1端部から第2端部に延在する筒状外壁を有する、中空状の筒状筐体を備える。筐体は更に、筐体の第1端部付近から筐体の第2端部に向かって、筐体の外壁内を外壁に沿って延在する、円周方向に離間して配置された複数の冷却用導管を有する。加熱装置は筐体内に配置される筒状インサートを備える。インサートは筐体の第1端部から筐体の第2端部に向かって延在する中央通路を有する。中央通路はトーチ先端部を収容するよう構成される。インサートは筐体の第1端部と第2端部との間に配置される内面端部を有する。インサートは下方に向かって先細となると共に円周方向に離間して、インサートの内面端部を通り抜けて延在する、複数の空気排出通路を有する。下方に向かって先細となる空気排出通路は、炎に給気し、誘導するために、その中を通過する空気をトーチ先端部に向かって誘導するよう構成されている。加熱装置は筐体の第2端部付近に配置されたパイプブッシングを備える。パイプブッシングは筐体に螺着可能に接続される。パイプブッシングはまた、加熱管にも螺着可能に接続するよう構成される。インサートの内面端部はパイプブッシングから離間すると共にその付近に配置される。トーチ先端部はパイプブッシング内を延在する。トーチ先端部は筐体の第2端部付近に配置され、加熱管を直接加熱するために加熱管内に延在するよう構成される。
【0009】
更に、ガスボルト加熱機構が提供される。機構は複数のガスボルト加熱装置を備える。各加熱装置は、孔を有する各ボルト部材を加熱するための各加熱管に接続される。加熱管は各孔内に配置可能である。各ガスボルト加熱装置は、高温ガスが通過し、トーチ先端部を有するガストーチを有する。各ガスボルト加熱装置は、中空状のヒータ本体を有する。各ヒータ本体は、第1端部、それに対向した第2端部、外壁、及び円周方向に離間して外壁内を外壁に沿って延在する複数の冷却用導管を有する。各本体は、第1端部から第2端部に向かって延在する中央通路を備える。各中央通路はそれぞれトーチ先端部の一つを収容するよう構成される。加熱管は本体と接続可能である。トーチ先端部は、加熱管を直接加熱するために加熱管内に延在するよう構成される。機構は、高圧筐体、低圧筐体、及び低圧レギュレータを有するマニホルドを備える。低圧レギュレータは、高圧筐体と低圧筐体との間に配置され、これらと作動的に接続される。マニホルドは、高圧筐体と連通すると共に高圧筐体から延在する第1の複数の導管を有する。第1の複数の導管は、冷却用導管に高圧空気を供給するよう構成される。マニホルドはまた、低圧筐体と連通すると共に低圧筐体から延在する第2の複数の導管を有する。第2の複数の導管は、低圧空気を加熱装置の各トーチ先端部に供給するよう構成される。
【0010】
本発明は、以下に記載する添付図面を参考にして、例としてのみ述べる発明を実施するための形態に基づき、よりよく理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は一実施形態によるガスボルト加熱機構の斜視図であり、中空状のスタッド頭部及びスタッド上に機構を乗せると共に、それらの内部に機構の一部を配置し、中空状のスタッド頭部及びスタッドは、ここでは1つのフランジしか図示されていないが、2つのフランジを接続する。
【
図2】
図2は
図1に示す機構の一部を示す断面図であり、機構は筐体及び筐体内に配置されるインサートを共に有するヒータ本体を備え、機構は更にパイプブッシング及びパイプブッシングを介して筐体に接続される加熱管を備える。
【
図3】
図3は
図2の3−3線矢視図であり、
図2の筐体内に延在する冷却用導管をより詳細に示すものであり、
図2のインサート内に延在する通路をより詳細に示すものである。
【
図4】
図4は
図1に示す機構の断面図であり、スタッド頭部及びスタッド、及びスタッド頭部及びスタッドによって接続される一対のフランジを示す。
【
図5】
図5は
図1に示すようなガスボルト加熱装置を複数動作させるためのマニホルドを示す。
【
図6】
図6はその他の実施形態によるガスボルト加熱機構のためのパイプブッシング及びブッシングレジューサを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面のうちまず始めに
図1を参照すると、ガスボルト加熱機構10が図示されている。本機構はガスボルト加熱装置12、及びそれに接続される加熱管14を含むものである。
【0013】
ガスボルト加熱装置は、燃焼させるガスのガス供給源17に接続されるガストーチ16を備える。ガストーチは、L字状のトーチパイプ18を備える。
図2に最も分かりやすく示されるように、トーチパイプはトーチ先端部20を有し、矢印22で示す高温ガスがその中を通過し、トーチ先端部において開口した遠位端24から排出される。ガストーチ16は、トーチパイプ18を通過するガスの量を選択的に制御する回転バルブ19を備える。
図4に示すように、ガストーチは燃焼時に炎26を発する。ガストーチ自体は当業者にとって既知であるため、その部品や機能について詳細に述べることはしない。本実施例において、これらの部品は真鍮であるが、他の金属であってもよい。
【0014】
再び
図1を参照すると、ガスボルト加熱装置12は、中空状のヒータ本体28を備える。
図2に示すように、ヒータ本体は中空状の筒状筐体30及び筐体内に配置されたインサート32を備える。筒状筐体は第1端部34及びそれに対向した第2端部36を有する。
【0015】
一実施形態によると、トーチ先端部の遠位端24が筐体30の第2端部36付近に位置するように、トーチ先端部20を配置する。トーチ先端部20は、ヒータ本体28の外側であって、この場合、筐体の第1端部34から離間した位置に、外側部分21を有する。筐体30は、筐体の第1端部34から筐体の第2端部36に向かって延在する中空状の内側部分38及び筒状外壁40を備える。ヒータ本体28は外側部分42を有する。壁40は内側部分38と外側部分42との間に挟まれている。
【0016】
筐体30は、その内部に長手方向に延在する複数の冷却用導管を備え、それを導管44として示す。導管は筐体30の外壁40内を外壁40に沿って延在し、筐体の冷却を可能にする。冷却用導管は、円周方向に互いに離間して配置される。これは
図3に最も分かりやすく示される。本実施例において、円周方向に離間した5本の導管が示されるが、この本数は必ずしも必要というわけではない。例えば、他の実施形態において、導管は4〜6本であってもよい。各導管の部品や機能は実質的に同じである。再び
図2を参照すると、導管44として示される各導管は、筐体30の内側部分38と連通する注入口46を有する。本実施例では、導管の注入口は、筐体の第1端部34付近に配置される。導管44として示される各導管は、ヒータ本体28の外側部分42と対向し、かつ連通する排出口48を有する。本実施例では、冷却用導管の排出口は、筐体の第2端部36付近に配置される。このように、導管44は、筐体30の第1端部34付近から筐体の第2端部36に向かって外壁40内において延在する。
【0017】
筐体30は端部34から端部36に向かって延在する第1の中心孔47、及び端部36から端部34へと延在する第2の中心孔49を有する。孔49の断面は孔47より大きい。
【0018】
筐体30は、筐体の第2端部36に筒状裾部50を有する。裾部は筐体のその他の部分に対して、外側に向けて放射状に延在する。裾部内には孔49が延在する。裾部50は、その内部に延在する円周方向に離間した複数の排出用開口52を有し、それにより孔49と外側部分42との間の連通が可能になる。
図2に示すように、トーチ先端部20の遠位端24は、排出用開口と位置合わせされ、かつその付近に配置される。
【0019】
インサート32は、筐体30の孔47内に配置される。本実施例において、インサートは全体として円筒形状を呈し、外部表面59を有する。本実施例において、インサート32は筐体30の第1端部34に位置合わせされ、かつ隣接した位置に、外側端部54を有する。インサートはその外側端部から、外側端部から離間して配置される内面端部56に向かって延在する。インサート32の内面端部は、筐体30の第1端部34と筐体の第2端部36との間に配置される。インサートは、端部54から端部56へと延在する中央通路58を備える。中央通路は、トーチ先端部20を収容するよう構成される。本実施例において、中央通路58はインサート32及び筐体30の両方と同軸である。インサートは、インサートの外側端部54の付近であって、かつ外側端部54から離間した位置に、環状溝60を有する。本実施例において、環状溝はインサートの外部表面59のまわりに延在し、各冷却用導管44の注入口46と連通及び連結する。
【0020】
図1を参照すると、ガスボルト加熱装置12は、本実施例では導管61として、筐体30を冷却するために空気を供給する空気供給源を備える。ガスボルト加熱機構10は、可変高圧レギュレータ63を介して高圧空気供給源85に接続され、それを介して空気が導管61内に供給される。加熱装置12はまた、導管に作動的に接続され、導管61を介して供給される空気の量を調整するように構成される可変バルブ65を備える。
図2に示すように、導管61は、筐体の端部34の付近であって、かつ端部34から離間した位置において、筐体30に螺着可能に接続される。導管61は環状溝60と連通する。これにより空気を、矢印67で示すように、溝を介して冷却用導管44内へと選択的に供給することが可能となる。その結果、筐体30は、
図1に示す可変バルブ65によって選択的に冷却される。
【0021】
加熱装置12は、筐体30の端部34及びインサート32の端部54と螺着可能に係合する管排出口53を備える。インサートは、端部54から環状溝60へと延在する、長手方向に沿った溝状凹部55を備える。凹部55は、管排出口53が溝60と連通するように構成される。導管61を通過する空気の一部は、溝60及び凹部55を介して管排出口へと誘導される。矢印57で示すように、管排出口53は、冷却用空気を溝60からトーチ先端部20の外側部分21へと誘導して、トーチ先端部の外側部分を冷却するよう形成されている。このように、トーチ先端部の外側部分もまた、
図1に示す可変バルブ65により選択的に冷却される。
【0022】
インサート32は、内面端部56の付近であって、かつ内面端部56から離間した位置に更なる環状溝62を備える。環状溝62もまた、インサートの外部表面59のまわりに延在する。
【0023】
インサート32は、
図2において通路64として示すように、下方に向かって先細となると共に円周方向に離間した複数の空気排出通路を有する。本実施例では、
図3に示すように、4本の空気排出通路が配置されるが、この通路の本数は必ずしも必要というわけではない。各空気排出通路は実質的に同じである。
図2を参照すると、通路64として示す通路のそれぞれは、インサート32の外部表面59に隣接して配置される注入口66を有する。各通路の注入口は、環状溝62と接続し、かつ連通する。通路64として示す各通路は、排出口68を有する。各通路の排出口は、インサートの内面端部56に隣接し、かつ内面端部56内を延在する。通路64は、注入口66から排出口68へ、内側に向かって放射状に延在する。空気排出通路64は、
図4に示す炎26を供給し、かつ誘導するため、その中を通過する空気をトーチ先端部20の遠位端24に向かって誘導するように構成されている。
【0024】
再び
図1を参照すると、ガスボルト加熱装置12は、本実施例では導管69として、ガストーチ16の炎に給気し、かつ誘導するための空気供給源を備える。ガスボルト加熱装置は、高圧レギュレータ63と導管69との間に配置され、作動的に接続された可変低圧レギュレータ71を有する。レギュレータ71は、導管69内からヒータ本体28へと通過する空気の量を調整するよう構成されている。
図2に示すように、導管69は筐体30に螺着可能に接続され、環状溝62と連通する。矢印73で示すように、導管69を通過する空気は、溝62を介して各通路64へと供給される。通路は、高温ガスの燃焼を促進すると共に、
図4に示す炎26を供給し、かつ誘導するために、空気を下方に向かって先細になるようにトーチ先端部20の遠位端24に向けて誘導する。
【0025】
図2に示すように、ガスボルト加熱装置12は、筐体30の内側部分38内、特に孔47内に配置されたパイプブッシング70を有する。本実施例において、パイプブッシングは市販品であり、筐体の第2端部36から離間した位置であって、かつその付近に配置される。また、パイプブッシング70は、インサート32の内面端部56から離間するような位置であって、かつその付近に配置される。パイプブッシングは全体として円筒形状を呈し、筐体の第2端部36から離間した位置であって、かつその付近に、筐体30と螺着可能な上雄ねじ72を有する。パイプブッシング70は、ねじ72に隣接した位置に筒状の外側表面79を有する。パイプブッシングは内部孔76、及び、本実施例において、内部孔76に沿って中間まで延在する下部雌ねじ74を有する。下部雌ねじは外側表面79に一部隣接して配置される。
【0026】
本実施例において、トーチ先端部20の遠位端24は、パイプブッシング70を完全に通り抜けるように延在する。本実施例において、トーチ先端部の遠位端は、パイプブッシングと筐体30の第2端部36との間に位置する。別法として、トーチ先端部20の遠位端24を、符号75で仮に示すトーチ先端部のように、パイプブッシング70に位置合わせし、かつその内部に配置してもよい。さらに別法として、トーチ先端部の遠位端24を、符号77で仮に示すトーチ先端部のように、筐体30の端部36に位置合わせし、かつその付近に配置してもよい。
【0027】
加熱管14は、ねじ式の近位端78、及び端78から離間した位置に遠位端80を有する。加熱管は端78から端80へと延在する外側部分81、及び中空状の内側部分83を有する。加熱管14は筐体30の第2端部36と隣接するようにパイプブッシング70と接続可能である。パイプブッシングは、雌ねじ74が加熱管14のねじ式端78と螺着接続されるように構成される。トーチ先端部20の遠位端24は、加熱管を直接加熱するために、加熱管14の内側部分83内に延在し、管の端78に接近するよう構成される。
【0028】
ガスボルト加熱機構10はボルトやスタッド等を加熱することにより、それらを容易に緩め、取り外すために使用される。特に、ボルトやスタッド等が締りばめにより接続されている際に有効である。また、特に、ボルトやスタッド等が著しく大きい場合にも有効である。
【0029】
これを
図1〜
図4の一例によって示す。特に
図4を参照すると、一対の機械のフランジ82及び84が、本実施例においてスタッド87及びスタッド頭部88から成るボルト部材86を介して接続される。フランジ82はねじ式開口90を有する。スタッド87は、第1ねじ式端部92、及び端部92から離間した位置に第2ねじ式端部94を有する。スタッドの端部92は、フランジのねじ式開口90を介してフランジ82に接続される。フランジ84はスタッド87が貫通する孔96を有する。スタッド頭部88は、下部端98から上部に向かって延在するねじ式孔97を有し、ねじ式孔97内においてスタッド87の第2端部94と接続する。
図1に示すように、スタッド頭部88も、スタッド頭部の上端99に隣接する位置に六角形の把持部100を有し、そこにソケットを接続して、
図4に示すスタッド頭部及び/又はスタッド87を締め、又は緩めるようにしてもよい。
図4に示すようにスタッド87及びスタッド頭部88はどちらも、その少なくとも一部が中空である。ボルト部材86は、スタッド頭部の端部99の一部分からスタッド87の端部92の付近まで延在する、開放端を有する中心孔101を有する。スタッド、スタッド頭部、フランジ等は、その部品や機能を含み当技術分野において既知であるため、更に詳細に述べることはしない。
【0030】
動作に当たって、
図1〜4を参照すると、筐体30の端部36をスタッド頭部88の端部99に当接させ、加熱管14を孔101内に配置している。インサート32は、トーチ先端部の遠位端24が加熱管内に位置するようにトーチ先端部20を配置するよう構成される。よって、炎26もまた加熱管14内に配置されるので、管が直接加熱されることになる。この加熱は、矢印102で示す、調整され下方に向かって先細となった空気流により促進されるが、この空気流は、下方に向かって先細となった通路64の排出口68を介してインサート32の内面端部56から排出されるものである。加熱された空気は、矢印104で示すように、加熱管14の下方及び長手方向に沿って広がり、管の遠位端80に達する。次にこの加熱された空気は、矢印111で示すように、管14の外側部分81と孔101との間に形成された、周囲の環状通路106に沿って流れる。加熱された管及び通路106を通過する加熱された空気により、スタッド頭部88及びスタッド87が加熱され、ねじが膨張することにより、フランジ82及び84を取り外したり、又は接続したりするための、スタッド頭部及びスタッドの締緩が容易となる。その後、加熱された空気は筐体30の裾部50の開口52を介して排出される。
【0031】
ここで
図2を参照すると、この動作の間中、既に記載したとおり、矢印67で示す空気が導管61を通過し、溝60を介して、円周方向に離間して配置された複数の冷却用導管44内に流れることにより、筐体30を冷却する。また、空気の一部は、溝60、凹部55及び管排出口53を流れ、矢印57に空気として示すように、トーチ先端部20の外側部分21を冷却する。その後空気は導管の排出口48を介して排出される。
【0032】
本明細書に記載した加熱装置12は、かねてより必要であると見なされていた予熱チャンバを不要とする。トーチ先端部20は直接加熱管14内に延在する。これにより、熱が加熱管内に直接加えられるようになるため、ガスボルト加熱装置12を使用する際の安全性が向上するという利点がある。本構成と冷却用導管により、筐体30が比較的低温に維持されること、及び赤熱しなくなることが確保されるため、ガスボルト加熱装置12のユーザが不注意で筐体に触れることによる火傷のおそれが減少する。
【0033】
また、本明細書に記載した、トーチ先端部20の遠位端24を直接加熱管14内に位置させる加熱装置12によると、これまでのガスボルト加熱装置に比較して、加熱装置が熱を強制的に加熱管のより低い箇所へと送ることになる。インサート32の内面端部56に向かって延在すると共にトーチ先端部に対向する、下方に向かって先細となった空気排出通路64によって、熱を
図4に示す空気102により更に加熱管14のより低い位置まで誘導することが可能になる。よって、本明細書に記載した加熱装置12は、既知のガスボルト加熱装置に比較して、例えば、より長いスタッドボルトを加熱するのに特に適している。本明細書に記載した加熱装置によると、加熱装置のユーザが、スタッドの全長にわたって熱を誘導し、制御することが可能になる。
【0034】
市販のパイプブッシング70は、特許‘980に示された、先細の開口部を有する下部筒状インサートに比較すると、製造コストが安価である。
【0035】
図5は複数のガスボルト加熱装置に使用され得るマニホルド105を示す。
図1に示すものと同様の部品には同様の符号を付し、同様の機能を有するものとする。マニホルドは空気供給源85が接続される高圧筐体107を有する。本実施例で3本の導管61として示す第1の複数の導管は、筐体107と接続され、かつ連通しており、従って空気供給源85とも連通する。導管61は、本実施例では同時に使用され得る3つの異なる加熱装置とする、それぞれのガスボルト加熱装置を冷却するための高圧空気を運ぶものである。マニホルド105はまた、低圧筐体109も有する。本実施例では、低圧レギュレータ71が筐体107と109との間に配置され、それらに作動的に接続されている。第2の複数の導管は、本実施例では3本の導管69として示されるが、筐体109に接続され、連通していてもよい。導管69は、3つの加熱装置のそれぞれに低圧空気を運び、各ガスボルト加熱装置の炎を細かく調整する。
【0036】
図6は、その他の実施形態によるガスボルト加熱装置12.1において、パイプブッシング70.1及びその中に配置されるブッシングレジューサ108を示す。
図1〜4に示す実施形態と同様の部品には、「.1」を追加した同様の符号を付し、同様の機能を有するものとする。ガスボルト加熱装置12.1は、
図1〜4に示すガスボルト加熱装置12と実質的に同じであるが、ブッシングレジューサ108を更に備える点が異なっている。
図6には、パイプブッシング70.1及び加熱装置12.1のブッシングレジューサ108のみが示される。ブッシングレジューサは、パイプブッシング70.1の雌ねじ74.1と、選択的に接続するための雄ねじ110を有する。ブッシングレジューサ108は中央に配置されたねじ式孔112を有し、
図1〜4に示す管14より小さい加熱管を収容すると共に接続するよう構成されている。孔112を含むブッシングレジューサのサイズはさまざまである。加熱装置12.1は、さまざまなサイズの外径を有する複数の加熱管を接続するために、複数のブッシングレジューサを有していてもよい。これにより、加熱装置12.1を使用して行われる、さまざまなサイズのスタッド頭部及びスタッドを締緩する必要のある作業が、更にスピードアップすると共に容易になるであろう。
【0037】
本明細書に記載される発明の範囲内において、更なる変形形態が可能であることが理解されよう。また、上記において記載された詳細の多くは、例として記載されているにすぎず、本発明の範囲を制限する意図はないと共に、本発明の範囲は次の特許請求の範囲を参照して明らかになることが、当業者には理解されよう。