【氏名又は名称原語表記】SIPRA PATENTENTWICKLUNGS−UND BETEILIGUNGS−GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
支持リング(3)は、支持リング(3)に装着された偏心カム(19)の半径方向外側に向かう移動を制限するストップピン(23)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の丸編み機。
前記センタリングリブ(25)は、ニードルシリンダ(7)が操作位置にあるときだけセンタリング溝(26)に入り込むように偏心カム(19)上に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の丸編み機。
【背景技術】
【0002】
交換可能なニードルシリンダを装備した丸編み機は以前から知られている(特許文献1)。
【0003】
丸編み機に装備されているニードルシリンダが1つだけのときは、その挿入と取り外しは比較的簡単である。その場合には挿入と取り外しは、修理と保守目的のためだけでなく異なるゲージおよび/または異なる径のニードルシリンダを備えた同じ丸編み機を操作する目的にも行なうことができる。
【0004】
ニードルシリンダの上方のエリアはほぼ開放されているので、ニードルシリンダおよび可能ならば関連する支持リングを、機械フレームから持ち上げて取り外したり、上方からそこに挿入したりするだけで済んでいる。
【0005】
しかるに、上方からのニードルシリンダの挿入と取り外しは、ニードルシリンダの上方に置かれた構造部品、例えば、ダイアルまたは糸変更デバイスが丸編み機に付加されていると、これらの構造部品を取り外すためにほぼ丸編み機全体を分解する必要があるので容易ではない。
【0006】
そのために、これらのケースでは、ニードルシリンダと構造部品の間の相対的位置をニードルシリンダの軸方向に調整可能にして、ニードルシリンダがニードルシリンダ軸に直交する方向に挿入または取り外しできるようにする構成、つまり、該構造部品の有無に関係なく選択的に、挿入と取り外しを可能にする構成はすでに知られている(特許文献2、特許文献3)。
【0007】
しかし、そのようなニードルシリンダの挿入または取り外しには、構造部品が十分に持ち上げられたときでも依然として問題があった。
【0008】
その理由は、ニードルシリンダは、一般的に、その下縁がニードルシリンダの支持リングのくぼみ内に収められて配置されているか、あるいは取り外し時にはニードルシリンダを十分に上昇させ、挿入時にはニードルシリンダをそれに応じて下げる必要のある付加的センタリング手段を備えているからである。
【0009】
これらの上下運動は交換を担当する作業員が手作業で行なわなければならない。その結果、取り外しと挿入作業は、ニードルシリンダがそこに置かれた構造部品、例えば、ダイアルの重量を付加的に受けるときは特に困難になっていた。
【0010】
上記問題を防止するために、ニードルシリンダ上に置かれたダイアルと一緒にニードルシリンダを取り外し、これが大型の丸編み機に関係する場合は、ダイアルをダイアル支持体に取り外し可能に取り付けることが広く知られている(特許文献4)。
【0011】
ニードルシリンダとダイアルを半径方向に取り外す前に、このダイアル支持体は、その上縁がニードルシリンダの下縁の下に位置し、その結果としてニードルシリンダの半径方向の取り外しが妨げられない深さまで特殊なホイストデバイス(hoist device)によってニードルシリンダを通して下げられている。
【0012】
最後に、上述したタイプの丸編み機は公知であり(特許文献5)、この公知丸編み機は、ニードルシリンダが通常の操作位置にまたは挿入と取り外しを可能にする上昇装着位置に選択的に調整できるように軸方向にニードルシリンダを調整する手段を備えている。
【0013】
これらの手段はリフトスクリュー(lift screw)かリフトレール(lift rail)のどちらかを含み、リフトスクリューはニードルシリンダの支持リングに装着可能で、ニードルシリンダの下側を押し付ける位置にあり、リフトレールはニードルシリンダと支持リングの間に装着可能で、非円形断面になっている。
【0014】
リフトスクリューを適用すると、ニードルシリンダの交換時に必要な作業が比較的複雑になるのに対し、リフトレールによるニードルシリンダの交換は、加える力が大になるため一人の作業員が行なうには殆ど不可能である。
【0015】
このことが特に当てはまるのは、大型の丸編み機の比較的重いニードルシリンダが関係する場合や、ダイアルや他の構造部品をニードルシリンダと一緒に取り外す必要がある場合である。
【0016】
このことは別に、ニードルシリンダの交換には、他の公知丸編み機の場合と同様に、複数の作業ステップが必要になり、このことは交換作業をさらに複雑化している。
【特許文献1】ドイツ特許第DE 177 577 A号明細書
【特許文献2】第EP 0 413 608 A1号明細書
【特許文献3】第EP 0 436 313 A1号明細書
【特許文献4】第DE 195 33 844 A1号明細書
【特許文献5】第DE 196 57 761 B4号明細書
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明は、以下に添付図面を参照して実施形態の例に基づいて詳しく説明されている。
【0038】
図1乃至
図3を参照して説明すると、図には本発明に不可欠の部分だけが示されているが、本発明の丸編み機は、従来公知のように、機械フレームに配置されたベースプレート(詳細は省略する)を含み、ベースプレート上にはベアリング2付きのベアリングリング1が配置され、そこに支持リング3がほぼ垂直の機械軸4を中心に回転可能に設けられている。
【0039】
支持リング3は、半径方向内側(
図1中、左側)に位置する側で、機械軸4を同軸状に取り巻き、その上側に支持面6(
図2)をもつ垂直配置の側壁5を有する。
【0040】
支持面6上にニードルシリンダ7が支持され、ニードルシリンダ7は、側壁5のボア(bore)を通り抜けて、下面からニードルシリンダ7にネジ込まれている固定ネジ8で支持リング3に固定的に接続されている。
【0041】
ニードルシリンダ7を機械軸4に対して同軸に正確に中心合わせするために、側壁5の支持面6の上には、支持面6を越えて上方に突出し、内側から半径方向外側に向かってニードルシリンダ7に向き合い、支持面6の上側で、例えば、数ミリだけ高くなっているセンタリング段部(centering shoulder)であるセンタリングアタッチメント9が配置されている。
【0042】
センタリングアタッチメント9は、内側(
図1中、左側)から半径方向外側に向かって配置され、内側からニードルシリンダ7を押し付けているネジを受け入れる働きをする。
【0043】
駆動モータ(図示せず)によって従来公知のように支持リング3を回転させると、ニードルシリンダ7は機械軸4を中心に同軸に回転する。
【0044】
さらに、カムプレート12が載置され、カム部品14を備えた従来公知のカムセグメント15が固定ネジによって固定されている固定支持リング11は、丸編み機のベースプレートに固定されている。
【0045】
内側ネジ溝を備え、カムプレート12の対応する外側ネジ溝上にネジ止めされ、支持リング11内に回転可能に配置されたセットリング(set ring)であるセットカラー(collar)17は、カムセグメント15の垂直位置を機械軸4に平行に中心合わせするために使用される。
【0046】
従来公知の編みツール18、例えば、特にラッチニードルとして構成された編みツール18はニードルシリンダ7に装着されると共に、垂直方向に配列され、糸(図示せず)を編み目になるように処理するためにカム部品14によって従来公知のように上下動されることが可能になっている。
【0047】
本発明によれば、
図2と
図3に示すように、回転可能な支持リング3は、好ましくは機械軸4に直交するように配置された回転軸20を中心に偏心回転可能である偏心カム19を備えている。
【0048】
図4に示すように、偏心カム19は、
図4中その前面側に、ほぼ円形の偏心ディスク21を有し、支持リング3に回転可能に設けられている。
【0049】
この目的のために、さらに、偏心カム19は、好ましくは、
図4に示すように、
図4中その後方側に円筒形アタッチメント22を備えている。支持リング3に偏心カム19が回転可能に設けられたとき、
図2、
図3図示のように、前記の円筒形アタッチメント22は半径方向内側(
図2、
図3中、左側)に向かって突出する。
【0050】
円筒形アタッチメント22は、支持リング3の前述した側壁5のボア内に、円筒形アタッチメント22の軸方向に遊びをもって収められている。
【0051】
偏心カム19が半径方向前方に(すなわち、半径方向外側である、
図2、
図3中、右側に向かって)脱落するのを防止するために、ストップピン23が支持リング3内に取り付けられている(
図1、
図3)。
図2、
図3のように偏心カム19の筒形アタッチメント22が支持リング3の前述した側壁5のボア内に取り付けられた際に半径方向外側(
図2、
図3中、右側)に位置する偏心ディスク21側を押し付けるように、ストップピン23は、支持リング3内に支持されている。
【0052】
さらに
図4に示すように、偏心ディスク21の各々には、支持面21aをもつ周辺セクションがある。この支持面21aは、
図4図示のように、好ましくは平坦である。この支持面21aに対して、直径方向に向き合う位置が周辺セクション21b(
図4)になっている。
【0053】
支持面21aは、偏心カム19の回転軸20から半径方向に最長に離れた位置にあるのに対し、直径方向に向き合う周辺セクション21b(
図4)は、回転軸20から半径方向に最短に離れた位置にある。
【0054】
そして、支持面21aをもつ周辺セクションから、支持面21aに対して直径方向に向き合う周辺セクション21bに向かう中間に位置する周辺セクションは、回転軸20からの半径がそれに応じて減少している。
【0055】
さらに
図4に示すように、偏心カム19の円筒形アタッチメント22は、ツールを取り付けるための手段24、例えば、ツールとしての六角キーを受け入れる六角孔を、ツールを取り付けるための手段24として、その内側に備えている。
【0056】
偏心カム19が装着された状態にあるとき(
図2と
図3)、ツールを取り付けるための手段24(例えば、ツールとしての六角キーを受け入れる六角孔)は、ニードルシリンダ7の内側(
図2、
図3中の左側)からアクセス可能になっている。
【0057】
偏心ディスク21は、好ましくは、
図2と
図3に示すように周辺に形成されたセンタリングリブ25を備えている。このセンタリングリブ25は、特に偏心ディスク21の、前述した、平坦な支持面21aに対して直径方向に向き合う位置に形成される回転軸20から最短距離にある周辺セクション21bに沿って延びており、
図3に示すように偏心カム19が回転して操作位置になったときセンタリング溝26(
図2)に入り込む働きをしている。
【0058】
前述したセンタリング溝26は下からニードルシリンダ7の下側に入り込むように加工形成され、機械軸4を中心に円周方向に設けられている円周方向の溝である。
【0059】
図5に示すように、少数の偏心カム19が回転可能な支持リング3の周辺に存在している。
【0060】
2つの偏心カム19、19だけが設けられ、これらは半径方向に向き合うように、つまり、回転可能な支持リング3の周辺にほぼ180度ずれるように設けられることが特に有利である。
【0061】
これらの偏心カム19、19、好ましくは、一人の作業員が、可能ならば、各々が片手で同時に操作できるように配置されている。
【0062】
図1乃至
図5に示す丸編み機のニードルシリンダ7の取り外しと挿入は以下に述べる方法で行なうことができる。
【0063】
最初に、編み操作が丸編み機で行なわれるときに置かれている通常の操作位置にニードルシリンダ7を保持し、支持リング3上に中心合わせしているセンタリングネジ10と固定ネジ8は、下から解放される。
【0064】
この操作位置は
図3と
図6(a)に示されている。好ましくは2つの偏心カム19は、周辺セクション21bが上部に位置し、従ってセンタリングリブ25がニードルシリンダ7のセンタリング溝26内に置かれ、他方、支持面21aは下方に向うように、操作位置の回転位置を占めている。
【0065】
周辺セクション21bは回転軸20から最短距離の位置にあるので、ニードルシリンダ7は軸方向に最低位置に置かれ、その位置にあるときその下側はほぼ支持リング3の支持面6上にあり、従ってセンタリングアタッチメント9はその上方に突出している。
【0066】
従って、センタリングアタッチメント9の上縁とニードルシリンダ7の下側の間は、
図3に示す間隔
hになっており、これは
図6(b)にも示されている。
【0067】
固定ネジ8とセンタリングアタッチメント9が解放された後、2つの偏心カム19は、好ましくは、それぞれの回転軸20を中心に正確に180度だけ回転される。この正確な回転位置は、例えば、円筒形アタッチメント22(
図4)の内側に設けられたそれぞれのマーキング27によってチェックすることができる。
【0068】
2つの偏心カム19の回転は、ニードルシリンダ7が傾くことなく持ち上げられるように可能な限り同時に行なわれ、終了時には、支持面21aは上部に位置し、周辺セクション21bは下部に位置している(
図2と
図6(a))。
【0069】
偏心カム19を180度回転させると、ニードルシリンダ7は
図2と
図6(a)に示す装着位置まで上昇され、その位置にあるとき寸法
hはほぼゼロになっている。
【0070】
このことは、ニードルシリンダ7の好ましくは平坦の下側がほぼ同じ高さに、つまり、センタリングアタッチメント9の上縁と同一平面に位置していることを意味している。
【0071】
言い換えれば、偏心カム19の回転軸20からの支持面21aの距離は、センタリングアタッチメント9が支持リング3の支持面6から上方に突出している高さにほぼ一致している。
【0072】
装着位置にあるとき、ニードルシリンダ7は半径方向(
図2の矢印
v方向)に移動されることが可能になり、その場合、センタリングアタッチメント9はスライド面の働きをしている。
【0073】
偏心カム19で調整された寸法を超えてニードルシリンダ7をさらに上下させることは不要である。
【0074】
しかし、センタリングアタッチメント9および/またはニードルシリンダ7の下側にくぼみを設けると、装着レール40(
図9)の挿入が可能になり、可能ならば偏心カム19を若干戻すか、あるいはさらに回転させたあと、装着レール40上のニードルシリンダ7を丸編み機から引き出すことが可能になる。このこと自体公知である(例えば、特許文献5)。この場合、寸法
hをセンタリングアタッチメント9の高さよりも若干大きくすると好都合である。
【0075】
その後、例えば、同一径であるが、ニードルゲージが異なる別のニードルシリンダを挿入することは、上述したプロセスのステップを逆順に実施することによって達成される。
【0076】
ニードルシリンダ7の下側が偏心カム19の支持面21a上に位置するのと同時に偏心カム19を逆にまたはさらに回転させると、ニードルシリンダ7をその重力に基づいて通常の操作位置まで下げることができる。
【0077】
この場合、好ましくは、本発明によれば、偏心カム19が逆にまたはさらに回転されている間、センタリングリブ25は、ニードルシリンダ7のセンタリング溝26内に徐々に移動するので、これは機械軸4に対してほぼ半径方向にすでに中心合わせされているという利点が得られる。
【0078】
従って、ニードルシリンダ7が操作位置(
図3と
図6(b))になったあと、センタリングネジ10によって最終的微調整を行なうだけで済み、これが可能であるのは、センタリング溝26とセンタリングリブ25の間に若干の遊びがあるためである。
【0079】
最後に、固定ネジ8を取り付けて締め付けることにより、新しいニードルシリンダ7はその操作位置に固定されることになる。
【0080】
以上の説明から明らかであるように、交換作業は、特に偏心カム19の回転時に効果的になる梃子作用がニードルシリンダ7の重量、可能ならば別の構造部品の重量に一致している場合には、少ない手作業で、しかも一般的には一人の作業員によって完了させることができる。
【0081】
図1乃至
図6(b)に示す実施例では、偏心カム19は支持リング3の側壁5に回転可能に設けられているのに対し、
図7乃至
図9に示す実施例では、偏心カム32はニードルシリンダ7に回転可能に設けられている。なお、
図7乃至
図9図示の実施例において、
図1乃至
図6(b)に示す実施例で説明した構造部品と同一の構造部品には、
図1乃至
図6(b)におけるのと同じ参照符号が付けられている。
【0082】
図7と
図8に示すように、偏心カム32は偏心カム19と同じように、各々が偏心ディスク33を有し、偏心ディスク33は、その下側からニードルシリンダ7内に加工されたたくぼみ34(
図7)内に置かれている。
【0083】
さらに、偏心カム32においては、ニードルシリンダ7に装着した際に、
図7、
図8図示のように半径方向内側に(
図7、
図8中、左側方向に向かって)突出することになる円筒形アタッチメント35が偏心ディスク33上にモールド成形されている。
【0084】
この円筒形アタッチメント35はニードルシリンダ7の下部の側壁36に形成されたボア内に回転可能に置かれる。
【0085】
ニードルシリンダ7の下部の側壁36は、くぼみ34を供えている。偏心カム32は、くぼみ34に取り付け取り外し可能であり、これに応じて、円筒形アタッチメント35も、ニードルシリンダ7の下部の側壁36に形成されたボア内に取り付け取り外し可能になっている。
【0086】
別の方法として、偏心カム32を2部品に形成することも可能である。
【0087】
以上のほかは、
図7と
図8の構成は
図1乃至
図6(b)に示すものとほぼ同じである。
【0088】
すなわち、偏心ディスク33には、好ましくは支持面33a(
図8)として形成された周辺セクションが回転軸37から比較的長い距離に設けられると共に、この支持面33aに対して直径方向に向き合う周辺セクション33b(
図7)が回転軸37から比較的短い距離に設けられている。
【0089】
支持面33aは、
図2の支持面21aと同様に、ニードルシリンダ7を機械軸4に平行に選択的に持ち上げて装着位置(
図7)にし、周辺セクション33bは、ニードルシリンダ7をその重力に基づいて下降させて操作位置(
図8)にする働きをする。
【0090】
装着位置にあるとき(
図7)、ニードルシリンダ7の下側はセンタリングアタッチメント9の上縁とほぼ同一平面に位置し、支持面33aはくぼみ34から下方に突出している。
【0091】
操作位置(
図8)にあるときは、ニードルシリンダ7の下側は支持リング3の支持面6上に位置し、偏心カム32は完全にくぼみ34内に戻されている。
【0092】
図2と
図3の違いは、
図7に示すニードルシリンダ7は、
図7に示すように、支持リング3上のニードルシリンダ7用の支持面6の半径方向外側(
図7中、右側)に形成された支持面38上にその支持面33aで支持されている偏心ディスク33によって装着位置に保持され、ニードルシリンダ7は円筒形アタッチメント35によって半径方向に上昇位置に保持されていることだけである。
【0093】
これとは対照的に、
図2のニードルシリンダ7は、機械軸4に半径方向に設けられた支持リング3のボア内に円筒形アタッチメント22の軸方向に保持された偏心カム19の円筒形アタッチメント22によって装着位置に保持され、ニードルシリンダ7はその下側が偏心ディスク21の支持面21a上に支持されている。
【0094】
両方の実施例に共通していることは、偏心カム19、32の支持面21a、33aが装着位置を引き起こす働きをしていることである。
【0095】
偏心カム32の回転は
図1乃至
図6(b)に示す実施例と同じように行なわれ、交換作業も上記に詳述したのと同じように行なわれる。唯一の追加点は、最初にセンタリングアタッチメント9上にスライドさせたあと偏心カム32を回転させて
図8に示す位置に再び戻す必要があることである。
【0096】
図9に示すように、ニードルシリンダ7には、すでに上述し、参照符号40で示している装着レールを受け入れ、あるいはその後に挿入するのに役立つ追加のくぼみ39をその下側に設けることが可能になっている。
【0097】
装着位置にあるときこれらの装着レール40を使用すると、ニードルシリンダ7はセンタリングアタッチメント9(または支持リング3の他のリフト部品および/またはカムプレート12)より上にあるので、装着レール40をくぼみ39内に挿入することが容易化されるので好都合である。
【0098】
設計によっては、交換作業の前にセットカラー17によってカムプレート12をその最低位置になるように調整すると、この場合も好都合である。そのあと、偏心カム32を逆に回転させるか、あるいはさらに回転させると、ニードルシリンダ7を装着レール40上に置くことができる。
【0099】
さらに、好適な変形実施形態によれば、装着レール40は、少なくとも交換作業のために固定ネジ41によって支持リング3に固定されているので、ニードルシリンダ7の交換期間に装着レール40が半径方向または横方向にずれることがない。
【0100】
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、種々態様に変更することが可能である。
【0101】
このことは、特に個々のケースで設けられる偏心カム19の構成と位置に該当する。例えば、2つの偏心カム19ではなく、必要な場合には、各々が120度に配置された3つの偏心カム19を設けることも、あるいは各々が90度に配置された4つの偏心カムを設けることも可能である。
【0102】
さらに、本発明は回転可能ニードルシリンダを装備した丸編み機に限定されるものではなく、固定ニードルシリンダと回転可能カム部品を装備した丸編み機にも同様に適用可能である。
【0103】
さらに、明らかであるように、ニードルシリンダの交換前に通常の準備が必要であり、その中には、特に交換作業を妨げるカムセグメント15、シンカリング(存在する場合)または糸ガイドを取り外すことが含まれている。さらに、ダイアルが存在する場合には、それ自体公知である方法で取り外し、ニードルシリンダの上縁に置くことができる。
【0104】
通常の操作位置にあるとき、
図1と
図3に示すカムプレート12がニードルシリンダ7より上方に寸法
h以上の間隔で置かれて、ニードルシリンダ7を半径方向に移動するためのスペースを作る場合には(この場合、
図6(b)を参照)、個々のケースで行なわれた設計によっては、セットカラー17によってカムプレート12を中央に下げる必要が起こることもある。
【0105】
さらに明らかであるように、カムセグメント15のためのセンタリングピン29が存在する場合には(
図1)、ニードルシリンダ7を横方向から抜き出すのを妨げないような形で、センタリングピン29を取り付ける必要がある。
【0106】
さらに、偏心カム19の円筒形アタッチメント22には、円周溝(
図2と
図4)内にセットされたラバーリング30を設けることが可能であり、このラバーリング30は関連のボア壁を押し付けて、円筒形アタッチメント22を軸方向に締め付ける働きをする。
【0107】
最後に、以上から理解されるように、上述し、図示したものとは別の組み合わせで異なる特徴を適用することも可能である。