(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1トレンチの底面と、前記ダイオード領域における前記半導体層の表面とが、前記半導体層の厚さ方向に関して同じ位置にある、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記半導体層の厚さ方向において、前記第1トレンチの底面が、前記ダイオード領域における前記半導体層の表面と比べて、前記半導体層の裏面から遠い位置にある、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記半導体層の厚さ方向において、前記第1トレンチの底面が、前記ダイオード領域における前記半導体層の表面と比べて、前記半導体層の裏面に近い位置にある、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記半導体層の厚さ方向から見た平面視において、前記第1トレンチおよび前記第2トレンチが交互に配置されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記半導体層の厚さ方向から見た平面視において、前記トランジスター領域が、前記ダイオード領域を取り囲んでいる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の模式的な平面図である。
図2は、本発明の別の実施形態に係る半導体装置の模式的な平面図である。
本発明の一実施形態に係る半導体装置1は、平面視四角形のチップ状に形成されている。平面視における半導体装置1の四辺のそれぞれの長さは、たとえば、数mm程度である。
【0019】
半導体装置1の平面視四角形の表面において、その一辺の近傍には、当該一辺に沿って外部接続領域Aが形成されており、外部接続領域A以外の領域には、アクティブ領域Bが形成されている。半導体装置1は、外部接続領域Aに配置された複数の外部電極2と、アクティブ領域Bを取り囲むガードリング3と、アクティブ領域Bに配置された複数のダイオード領域Cと、アクティブ領域Bにおいてダイオード領域C外のトランジスター領域Dとを備えている。
【0020】
複数(ここでは、7つ)の外部電極2は、四角形の一辺に沿って並んで配置されている。各外部電極2は、ボンディングワイヤ(図示せず)によってリード(図示せず)に接続される(後述する)。ガードリング3は、外部接続領域Aとアクティブ領域Bとを分離絶縁している。
複数のダイオード領域Cは、アクティブ領域Bの全域において均一に分布するように分散配置(離散配置)されている。具体的には、複数のダイオード領域Cは、互いに間隔を空け、
図1に示すように千鳥状に配列されていてもよいし、
図2に示すように行列状に配列されていてもよい。
【0021】
図3は、
図1または
図2の半導体装置の要部の拡大図である。
図4は、
図3の半導体装置の要部の変形例を示す図である。
図3は、
図1または
図2において点線で囲んだ部分(1つのダイオード領域Cおよびその周囲のトランジスター領域D)を抜き出して示している。
各ダイオード領域Cは、平面視で正方形状である。平面視において、各ダイオード領域Cは、トランジスター領域Dに取り囲まれている。
【0022】
ダイオード領域Cには、ショットキバリアダイオード10が形成されており、トランジスター領域Dには、複数のトランジスターセル11Aが形成されている。複数のトランジスターセル11Aは、接続されており、全体で1つのトランジスター11を形成している(
図1参照)。トランジスター11は、複数のショットキバリアダイオード10を内蔵している(
図1参照)。このように、半導体装置1のアクティブ領域Bでは、複数のショットキバリアダイオード10を取り囲むようにトランジスター11が形成されている(
図1参照)。
【0023】
複数のトランジスターセル11A(トランジスター11)に関連して、後述する第1トレンチ12および第2トレンチ13が、トランジスター領域Dにおける半導体装置1の表面(厳密には、後述する半導体層22の表面)のほぼ全域に掘り込まれている。第1トレンチ12および第2トレンチ13は、平面視において、いずれも第1方向Yに沿って直線状に延びていて、第1方向Yと直交する第2方向Xに間隔を隔てつつ、当該第2方向Xにおいて交互に配置されている。すなわち、第1トレンチ12および第2トレンチ13は、それぞれストライプ状に形成されている。
【0024】
第1トレンチ12および第2トレンチ13のうち、第2トレンチ13が、ダイオード領域Cに最も近い位置にも形成されている。ダイオード領域Cに最も近い位置にある第2トレンチ13は、ダイオード領域C全体を取り囲む四角形のリング状である。また、ダイオード領域Cに最も近い位置にある第2トレンチ13に隣接する第1トレンチ12は、この第2トレンチ13全体を取り囲む四角形のリング状である。
【0025】
第1トレンチ12および第2トレンチ13の配置に関し、
図4に示すように、第1トレンチ12が、網目状のパターンを有することで複数の矩形網目領域を区画していて、各矩形網目領域内において、第2トレンチ13が、第1トレンチ12に対して間隔を隔てつつ、直線状に延びていていてもよい。この場合においても、ダイオード領域Cに最も近い位置にある第2トレンチ13は、ダイオード領域C全体を取り囲む四角形のリング状であり、この第2トレンチ13に隣接する第1トレンチ12は、この第2トレンチ13全体を取り囲む四角形のリング状である。
【0026】
図5は、
図3または
図4の切断面線V−Vにおける断面図である。
図5に示すように、半導体装置1は、半導体基板20と、裏面電極21と、半導体層22と、ゲート絶縁膜23と、ゲート電極24と、酸化膜25と、絶縁層26と、第1金属膜27と、第2金属膜29と、ソース電極28と、配線層30とを備えている。
半導体基板20は、n
+型の半導体(たとえば、シリコン)からなる。
【0027】
裏面電極21は、半導体基板20の裏面(
図5における下面)の全域を覆っている。裏面電極21は、n型のシリコンとオーミック接触する金属(たとえば、金、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイドなど)からなる。そのため、裏面電極21は、半導体基板20の裏面に対してオーミック接触している。
半導体層22は、半導体基板20の表面(
図5における上面)上に積層されている。半導体層22は、半導体基板20よりも低濃度のn
−型の半導体からなる。
図5の半導体層22において、上面を、表面22Aといい、下面を、裏面22Bということにする。半導体層22全体の厚さは、たとえば4μmである。
【0028】
半導体層22には、前述したダイオード領域Cおよびトランジスター領域Dが形成されている。
図5は、ダイオード領域Cとトランジスター領域Dとの境界近傍における半導体層22を示しており、ダイオード領域Cにおける半導体層22は、トランジスター領域Dにおける半導体層22よりも薄い。そのため、ダイオード領域Cにおける半導体層22の表面22Aは、トランジスター領域Dにおける半導体層22の表面22Aよりも半導体基板20側の深い位置にある。そのため、半導体層22の表面22Aは、ダイオード領域Cにおいて半導体基板20側へ凹んでいる。一方、半導体層22の裏面22Bは、ダイオード領域Cおよびトランジスター領域Dの全域に亘って平坦であり、半導体層22の表面22Aと平行に延びている。
【0029】
トランジスター領域Dにおける半導体層22の表面22Aと裏面22Bとの間隔を間隔Pといい、ダイオード領域Cにおける半導体層22の表面22Aと裏面22Bとの間隔を間隔Qという。間隔Pは、トランジスター領域Dにおける半導体層22の厚さである。間隔Qは、ダイオード領域Cにおける半導体層22の厚さである。間隔Pは、間隔Qより大きい。間隔Pと間隔Qとの差は、たとえば1μm以上である。つまり、ダイオード領域Cにおける半導体層22は、トランジスター領域Dにおける半導体層22よりも1μm以上薄い。
【0030】
トランジスター領域Dにおける半導体層22の表層部の全域には、p
−型半導体層31が形成されている。半導体層22においてp
−型半導体層31よりも裏面22B側の領域は、n
−型半導体層34となっている。p
−型半導体層31の表層部には、n
+型半導体層32が選択的に形成されている。n
+型半導体層32の表面と、n
+型半導体層32が形成されていない領域におけるp
−型半導体層31の表面とは面一になっていて、トランジスター領域Dにおける半導体層22の表面22Aをなしている。
【0031】
トランジスター領域Dにおける半導体層22には、前述した第1トレンチ12が形成されている。第1トレンチ12は、トランジスター領域Dにおける半導体層22の表面22Aから裏面22B側へ掘り下がっている。第1トレンチ12は、n
+型半導体層32およびp
−型半導体層31をともに貫通してn
−型半導体層34の層厚途中まで到達している。第1トレンチ12の底面12A(実線で示された底面12Aを参照)と半導体層22の裏面22Bとの間隔Rは、前述した間隔Pより小さく、間隔Qと同じ大きさである。つまり、第1トレンチ12の底面12Aと、ダイオード領域Cにおける半導体層22の表面22Aとは、半導体層22の厚さ方向に関して同じ位置にあって、面一となっている。第1トレンチ12の深さは、たとえば1μm以上である。
【0032】
ゲート絶縁膜23は、酸化シリコン(SiO
2)からなり、第1トレンチ12の内面(側壁面および底壁面)の全域に接するように形成されている。
ゲート電極24は、たとえばポリシリコンからなる。ゲート電極24は、第1トレンチ12内においてゲート絶縁膜23の内側に埋め込まれている。
酸化膜25は、SiO
2からなり、トランジスター領域Dにおける半導体層22の表面22Aのほぼ全域を覆っている。
【0033】
絶縁層26は、BPSG(Boron Phosphor Silicate Glass)などのガラスからなり、酸化膜25上に積層されている。
前述した第2トレンチ13は、絶縁層26の表面(
図1における上面)から掘り下がり、絶縁層26および酸化膜25を貫通して、さらに、半導体層22においてn
+型半導体層32を貫通してp
−型半導体層31の層厚途中まで到達している。第2トレンチ13は、トランジスター領域Dにおける半導体層22において、第1トレンチ12を避けた位置に形成されていて、この位置における半導体層22の表面22Aから掘り下がって形成されている。第2トレンチ13の底面13Aと半導体層22の裏面22Bとの間隔Sは、前述した間隔Pより小さく、間隔Qおよび間隔Rより大きい。つまり、ダイオード領域Cにおける半導体層22の表面22Aは、第2トレンチ13の底面13Aよりも深い位置にある。
【0034】
p
−型半導体層31における第2トレンチ13の周囲には、p
+型半導体層33が形成されている。
第1金属膜27は、n
−型のシリコンとの接合によりショットキ接合を形成する金属(たとえば、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、パラジウム(Pd)またはチタンナイトライド(TiN))を含む。第1金属膜27は、第2トレンチ13の内面の全域に接するように形成されていて、この状態で、n
+型半導体層32およびp
+型半導体層33に対して電気的に接続(オーミック接触)している。このように、第2トレンチ13は、n
+型半導体層32およびp
+型半導体層33にコンタクトをとるためのものである。
【0035】
さらに、第1金属膜27は、絶縁層26の表面および段差面と、酸化膜25の段差面と、トランジスター領域Dにおける半導体層22の表面22Aにおいて酸化膜25に覆われていない部分と、半導体層22においてダイオード領域Cとトランジスター領域Dとの境界をなす段差面22Cと、ダイオード領域Cにおける半導体層22の表面22Aとを覆っている。第1金属膜27は、ダイオード領域Cにおける半導体層22(n
−型半導体層34)の表面22Aと、n
−型半導体層34の段差面22Cとに対してショットキ接合している。段差面22Cは、表面22Aに直交している。
【0036】
ソース電極28は、たとえばタングステンからなる。ソース電極28は、内面に第1金属膜27が形成された第2トレンチ13の内側を埋め尽くしている。
第2金属膜29は、チタンまたはチタンナイトライドからなり、第1金属膜27の表面全域と、ソース電極28において第2トレンチ13から露出された面(
図5における上面)とを覆っている。
【0037】
配線層30は、たとえばアルミニウムと銅との合金(AlCu合金)からなる。配線層30は、第2金属膜29上に積層されていて、第2金属膜29の表面(
図5における上面)全域を覆っている。配線層30は、前述した複数の外部電極2のうち対応するものに対して電気的に接続されている(
図1および
図2参照)。また、ゲート電極24は、図示しない中継配線を介して、対応する外部電極2に対して電気的に接続されている。
【0038】
トランジスター領域Dでは、配線層30と、第2金属膜29と、ソース電極28と、第1金属膜27と、n
+型半導体層32と、p
+型半導体層33とが電気的に接続されている。また、裏面電極21と、半導体基板20と、半導体層22においてp
−型半導体層31よりも半導体基板20側のn
−型半導体層34とが電気的に接続されている。
これにより、トランジスター領域Dでは、個々のトランジスターセル11Aが構成されている。トランジスターセル11Aでは、p
−型半導体層31がボディ領域となり、半導体基板20およびn
−型半導体層34がドレイン領域となり、n
+型半導体層32がソース領域となる。トランジスターセル11A(トランジスター11)は、ゲート電極24が埋め込まれた第1トレンチ12を有することから、いわゆるトレンチゲート型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。また、トランジスターセル11A内では、p
−型半導体層31およびn
−型半導体層34によって寄生ダイオードが構成されている。
【0039】
たとえば、ソース電極28(配線層30)が接地され、裏面電極21に正電圧が印加された状態で、ゲート電極24に閾値以上の電圧が印加される。すると、p
−型半導体層31における、ゲート電極24の外側のゲート絶縁膜23との界面近傍のチャネル領域Xにチャネルが形成され、このチャネルを介して、裏面電極21からソース電極28に向けて電流が流れる。
【0040】
また、ダイオード領域Cでは、裏面電極21が半導体基板20に対してオーミック接触しているとともに、第1金属膜27が半導体層22の表面22Aおよび段差面22Cに対してショットキ接合していることから、ショットキバリアダイオード10が構成されている。
ダイオード領域Cにおける半導体層22の表面22Aと裏面22Bとの間隔Qが小さい程、トランジスター領域Dにおける半導体層22の表面22Aと裏面22Bとの間隔Pと間隔Qとの差が大きくなる。この場合、ショットキバリアダイオード10における半導体層22の直流抵抗を低減できるとともに、前述した段差面22Cにおけるショットキ接合面を増やすことができるので、ショットキバリアダイオード10において順方向電圧を低くすることができ、ショットキバリアダイオード10の性能向上を図ることができる。しかし、ショットキバリアダイオード10における耐圧を最低限確保するために、間隔Qは、2.5μm以上であることが好ましい。
【0041】
図6A〜
図6Mは、
図5に示す半導体装置の製造方法を示す図解的な断面図である。
まず、
図6Aに示すように、公知の方法により、半導体基板20を作製する。
次いで、
図6Bに示すように、半導体基板20の表面からエピタキシャル成長させることによって、半導体基板20上に半導体層22を形成する。
次いで、半導体層22の表層部にp型不純物(たとえば、ホウ素)がイオン注入される。その後、アニール処理することによりp型不純物が活性化され、
図6Cに示すように、半導体層22の表層部にp
−型半導体層31が形成される。半導体層22においてp
−型半導体層31よりも半導体基板20側の部分は、n
−型半導体層34である。
【0042】
次いで、p
−型半導体層31の表層部に選択的にn型不純物(たとえば、ヒ素リン)がイオン注入される。その後、アニール処理することによりn型不純物が活性化され、
図6Dに示すように、p
−型半導体層31の表層部にn
+型半導体層32が形成される。
次いで、レジストパターン(図示せず)をマスクとするエッチングにより、半導体層22が表面22A側から掘り込まれる。これにより、
図6Eに示すように、ダイオード領域Cにおける半導体層22には、裏面22B側へ凹む凹部35が形成され、トランジスター領域Dにおける半導体層22には、第1トレンチ12が形成される。凹部35の底面35Aと、第1トレンチ12の底面12Aとは、半導体層22の厚さ方向に関して同じ位置にあり、面一になっている。
【0043】
次いで、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法によって、
図6Fに示すように、第1トレンチ12の内面の全域に、SiO
2からなるゲート絶縁膜23を形成する。
次いで、
図6Gに示すように、第1トレンチ12におけるゲート絶縁膜23の内側に、ポリシリコンからなるゲート電極24を埋め込む。
【0044】
次いで、たとえばCVD法によって、
図6Hに示すように、ダイオード領域Cおよびトランジスター領域Dの両方における半導体層22の表面22Aと、ダイオード領域Cおよびトランジスター領域Dの境界部分における半導体層22の段差面22Cとの全域に、SiO
2からなる膜(SiO
2膜)36を形成する。
次いで、
図6Iに示すように、たとえば高密度中のCVDによって、BPSGなどのガラスからなる層(ガラス層)37をSiO
2膜36上に積層する。
【0045】
次いで、レジストパターン(図示せず)をマスクとするエッチングにより、トランジスター領域Dにおいて、ガラス層37、SiO
2膜36および半導体層22が、この順番で掘り込まれる。これにより、
図6Jに示すように、トランジスター領域Dには、第2トレンチ13が形成される。
次いで、第2トレンチ13を介して、半導体層22の表層部に選択的にp型不純物(たとえば、ホウ素)がイオン注入される。その後、アニール処理することによりp型不純物が活性化され、
図6Kに示すように、p
−型半導体層31において第2トレンチ13の近傍の領域にp
+型半導体層33が形成される。
【0046】
次いで、レジストパターン(図示せず)をマスクとするウェットエッチングにより、SiO
2膜36およびガラス層37が選択的に除去され、SiO
2膜36およびガラス層37は、
図6Lに示すように、トランジスター領域Dに残る。残ったSiO
2膜36が酸化膜25であり、残ったガラス層37が絶縁層26である。
次いで、
図6Mに示すように、チタンからなる第1金属膜27が、第2トレンチ13の内面の全域と、絶縁層26の表面および段差面と、酸化膜25の段差面と、ダイオード領域Cおよびトランジスター領域Dにおける半導体層22の表面22Aおよび段差面22Cにおいて露出されている全域とに形成される。
【0047】
次いで、第2トレンチ13における第1金属膜27の内側に、タングステンからなるソース電極28が埋め込まれる。
次いで、チタンからなる第2金属膜29が、第1金属膜27の表面全域と、ソース電極28において第2トレンチ13から露出された面とに形成され、さらに、アルミニウムからなる配線層30が第2金属膜29上に積層される。そして、半導体基板20の裏面に裏面電極21が形成されると、
図5に示す半導体装置1が完成する。なお、この実施形態では、第1トレンチ12を形成するときに凹部35を同時に形成しているが(
図6E参照)、これはあくまでも一例であり、たとえば、第2トレンチ13を形成するときに(
図6J参照)、凹部35を同時に形成するように製造工程を変更できる。
【0048】
図7および
図8は、本発明の別の実施形態に係る半導体装置の図解的な断面図である。
次に、前述した実施形態とは別の実施形態について説明するが、以降の実施形態において、前述した実施形態で説明した部分と対応する部分には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図7および
図8のいずれの場合においても、平面視において、トランジスター領域Dは、ダイオード領域Cを取り囲んでいる(
図1および
図2参照)。
【0049】
図7に示す半導体装置1も、前述した実施形態と同様にトレンチゲート型MOSFETであるが、前述した第2トレンチ13(
図5参照)を有していない。
図7に示す半導体装置1は、前述した半導体基板20、裏面電極21、半導体層22、ゲート絶縁膜23およびゲート電極24と、絶縁層40と、金属膜41とを備えている。
半導体基板20は、n
+型の半導体からなる。裏面電極21は、半導体基板20の裏面(
図7における下面)の全域を覆っていて、半導体基板20の裏面にオーミック接触している。
【0050】
半導体層22は、エピタキシャル成長によって、半導体基板20の表面(
図7における上面)上に積層されている。半導体層22は、半導体基板20よりも低濃度のn
−型の半導体からなる。
図7の半導体層22において、上面を、表面22Aといい、下面を、裏面22Bということにする。
図7は、ダイオード領域Cとトランジスター領域Dとの境界近傍における半導体層22を示しており、ダイオード領域Cにおける半導体層22は、トランジスター領域Dにおける半導体層22よりも薄い。そのため、ダイオード領域Cにおける半導体層22の表面22Aは、トランジスター領域Dにおける半導体層22の表面22Aよりも半導体基板20側の深い位置にある。そのため、半導体層22の表面22Aは、ダイオード領域Cにおいて半導体基板20側へ凹んでいる。トランジスター領域Dにおける半導体層22の表面22Aと裏面22Bとの間隔Pは、ダイオード領域Cにおける半導体層22の表面22Aと裏面22Bとの間隔Qより大きい。ダイオード領域Cにおける半導体層22の厚さは、2.5μm以上である。
【0051】
トランジスター領域Dにおける半導体層22の表層部の全域には、p
−型半導体層31が形成されている。p
−型半導体層31の表層部には、n
+型半導体層32が選択的に形成されている。n
+型半導体層32の表面と、n
+型半導体層32が形成されていない領域におけるp
−型半導体層31の表面とは面一になっていて、トランジスター領域Dにおける半導体層22の表面22Aをなしている。
【0052】
トランジスター領域Dにおける半導体層22には、1μm以上の深さの第1トレンチ12が形成されている。第1トレンチ12は、トランジスター領域Dにおける半導体層22の表面22Aから裏面22B側へ掘り下がっている。第1トレンチ12は、n
+型半導体層32に隣接した位置でp
−型半導体層31を貫通して、半導体層22におけるp
−型半導体層31よりも裏面22B側の領域(n
−型半導体層42という)の途中まで到達している。第1トレンチ12の底面12Aと半導体層22の裏面22Bとの間隔Rは、前述した間隔Pより小さく、間隔Qと同じ大きさである。つまり、第1トレンチ12の底面12Aと、ダイオード領域Cにおける半導体層22の表面22Aとは、半導体層22の厚さ方向に関して同じ位置にあって、面一となっている。
【0053】
ゲート絶縁膜23は、SiO
2からなり、第1トレンチ12の内面の全域に形成されている。
ゲート電極24は、ポリシリコンからなり、第1トレンチ12におけるゲート絶縁膜23の内側に埋め込まれている。
絶縁層40は、SiO
2からなり、トランジスター領域Dにおける半導体層22の表面22Aを選択的に覆っている。絶縁層40は、半導体層22の表面22A側にはみ出たゲート電極24の表面(
図7における上面)の全域を覆いつつ、ゲート電極24の周りのゲート絶縁膜23につながっているとともに、第1トレンチ12の周りのn
+型半導体層32およびp
−型半導体層31のそれぞれの表面に対して部分的に接触している。
【0054】
金属膜41は、n
−型のシリコンとの接合によりショットキ接合を形成する金属(前述したチタン、モリブデン、パラジウムまたはチタンナイトライド)を含む。金属膜41は、ダイオード領域Cおよびトランジスター領域Dのそれぞれにおける半導体層22の表面22Aの全域と、半導体層22においてダイオード領域Cとトランジスター領域Dとの境界をなす段差面22Cの全域とを覆っている。金属膜41は、ダイオード領域Cにおける半導体層22(n
−型半導体層42)の表面22Aおよび段差面22Cに対してショットキ接合している。金属膜41は、前述した複数の外部電極2のうち対応するものに対して電気的に接続されている(
図1および
図2参照)。また、ゲート電極24は、図示しない中継配線を介して、対応する外部電極2に対して電気的に接続されている。
【0055】
この半導体装置1では、金属膜41と、p
−型半導体層31と、n
+型半導体層32とが電気的に接続されている。そして、裏面電極21と、半導体基板20と、半導体層22においてp
−型半導体層31よりも半導体基板20側のn
−型半導体層42とが電気的に接続されている。
そのため、トランジスター領域Dでは、トランジスターセル11Aが構成され、半導体基板20およびn
−型半導体層42がドレイン領域となり、n
+型半導体層32がソース領域となり、p
−型半導体層31がボディ領域となる。また、トランジスターセル11A内では、p
−型半導体層31およびn
−型半導体層42によって寄生ダイオードが構成されている。
【0056】
たとえば、金属膜41が接地され、裏面電極21に正電圧が印加された状態で、ゲート電極24に対して閾値以上の電圧が印加される。すると、p
−型半導体層31における、ゲート電極24の外側のゲート絶縁膜23との界面近傍のチャネル領域Xにチャネルが形成され、このチャネルを介して、裏面電極21から金属膜41に向けて電流が流れる。
また、ダイオード領域Cでは、裏面電極21が半導体基板20に対してオーミック接触しているとともに、金属膜41が半導体層22の表面22Aに対してショットキ接合していることから、ショットキバリアダイオード10が構成されている。
【0057】
図8に示す半導体装置1のトランジスター11(トランジスターセル11A)は、前述の実施形態とは構造の異なるプレーナー型MOSFETであり、前述した第1トレンチ12(
図5および
図7参照)を有していない。
図8に示す半導体装置1は、前述した半導体基板20、裏面電極21および半導体層22と、ゲート絶縁膜50と、ゲート電極51と、絶縁膜52と、金属膜53とを備えている。
【0058】
半導体基板20は、n
+型の半導体からなる。裏面電極21は、半導体基板20の裏面(
図8における下面)の全域を覆っていて、半導体基板20の裏面にオーミック接触している。
半導体層22は、エピタキシャル成長によって、半導体基板20の表面(
図8における上面)上に積層されている。半導体層22は、半導体基板20よりも低濃度のn
−型の半導体からなる。
図8の半導体層22において、上面を、表面22Aといい、下面を、裏面22Bということにする。
【0059】
図8は、ダイオード領域Cとトランジスター領域Dとの境界近傍における半導体層22を示しており、ダイオード領域Cにおける半導体層22は、トランジスター領域Dにおける半導体層22よりも薄い。そのため、ダイオード領域Cにおける半導体層22の表面22Aは、トランジスター領域Dにおける半導体層22の表面22Aよりも半導体基板20側の深い位置にある。そのため、半導体層22の表面22Aは、ダイオード領域Cにおいて半導体基板20側へ凹んでいる。トランジスター領域Dにおける半導体層22の表面22Aと裏面22Bとの間隔Pは、ダイオード領域Cにおける半導体層22の表面22Aと裏面22Bとの間隔Qより大きい。ダイオード領域Cにおける半導体層22の厚さは、2.5μm以上である。
【0060】
トランジスター領域Dにおける半導体層22の表層部には、p
−型半導体層54が選択的に形成されている。p
−型半導体層54は、複数形成され、半導体層22の表層部において離散配置されている。各p
−型半導体層54の表層部には、n
+型半導体層55が形成されている。n
+型半導体層55の表面と、n
+型半導体層55が形成されていない領域におけるp
−型半導体層54の表面とは面一になっていて、トランジスター領域Dにおける半導体層22の表面22Aをなしている。
【0061】
ゲート絶縁膜50は、SiO
2からなり、トランジスター領域Dにおける半導体層22の表面22A上を部分的に覆っている。ゲート絶縁膜50は、トランジスター領域Dにおける半導体層22の表面22Aにおいて間隔を隔てて隣り合うn
+型半導体層55の両方に跨るように形成されている。
ゲート電極51は、たとえばポリシリコンからなり、ゲート絶縁膜50上に積層されている。
【0062】
絶縁膜52は、SiO
2からなる。絶縁膜52は、ゲート電極51の表面においてゲート絶縁膜50に接触していない部分の全域を覆っている。絶縁膜52は、ゲート絶縁膜50につながっている。
金属膜53は、n
−型のシリコンとの接合によりショットキ接合を形成する金属(前述したチタン、モリブデン、パラジウムまたはチタンナイトライド)を含む。金属膜53は、絶縁膜52と、ダイオード領域Cおよびトランジスター領域Dのそれぞれにおける半導体層22の表面22Aの全域と、半導体層22におけるダイオード領域Cとトランジスター領域Dとの境界をなす段差面22Cとを覆っている。金属膜53は、ダイオード領域Cにおける半導体層22(厳密には、後述するn
−型半導体層56)の表面22Aおよび段差面22Cに対してショットキ接合している。金属膜53は、前述した複数の外部電極2のうち対応するものに対して電気的に接続されている(
図1および
図2参照)。また、ゲート電極51は、図示しない中継配線を介して、対応する外部電極2に対して電気的に接続されている。
【0063】
この半導体装置1では、金属膜53と、p
−型半導体層54と、n
+型半導体層55とが電気的に接続されている。そして、裏面電極21と、半導体基板20と、半導体層22においてp
−型半導体層54およびn
+型半導体層55が形成されていない部分(n
−型半導体層56という)とが電気的に接続されている。
これにより、トランジスター領域Dでは、個々のトランジスターセル11Aが構成され、半導体基板20およびn
−型半導体層56がドレイン領域となり、n
+型半導体層55がソース領域となり、p
−型半導体層54がボディ領域となる。また、トランジスターセル11A内では、p
−型半導体層54およびn
−型半導体層56によって寄生ダイオードが構成されている。
【0064】
たとえば、金属膜53が接地され、裏面電極21に正電圧が印加された状態で、ゲート電極51に対して閾値以上の電圧が印加される。すると、p
−型半導体層54におけるゲート絶縁膜50との界面近傍のチャネル領域Xにチャネルが形成され、このチャネルを介して、裏面電極21から金属膜53に向けて電流が流れる。
また、ダイオード領域Cでは、裏面電極21が半導体基板20に対してオーミック接触しているとともに、金属膜53が半導体層22(n
−型半導体層56)の表面22Aおよび段差面22Cに対してショットキ接合していることから、ショットキバリアダイオード10が構成されている。
【0065】
図9は、本発明の一実施形態に係る半導体パッケージの模式的な斜視図である。
図9を参照して、半導体パッケージ60は、前述したいずれかの半導体装置1と、金属製のリードフレーム61と、樹脂パッケージ65とを含んでいる。
半導体装置1は、リードフレーム61に接合されている。リードフレーム61は、矩形板状のダイパッド62と、ダイパッド62の一辺に対して間隔を隔てて配置されるリード63Aと、ダイパッド62における別の辺から延び出たリード63Bとを含んでいる。リード63Aおよびリード63Bは、それぞれ複数(ここでは、4つ)ある。
【0066】
半導体装置1では、裏面電極21(
図5、
図7および
図8参照)が、ダイパッド62の上面に接合されていて、各リード63Aと、半導体装置1の表面上の対応する外部電極2とがボンディングワイヤ64によって接続されていている。これにより、リード63Aおよび63Bと、半導体装置1内のショットキバリアダイオード10およびトランジスター11(
図1および
図2参照)とが電気的に接続されている。ここで、
図9において、右端の外部電極2は、ゲート電極24につながっていて、それ以外の外部電極2は、ソース電極28につながっている(
図5も参照)。この場合、
図9において、右端のリード63Aは、ゲート側リードであり、それ以外の3つのリード63Aは、ソース側リードである。そして、全てのリード63Bは、ドレイン側リードである。
【0067】
そして、互いに接合された状態にある半導体装置1およびリードフレーム61は、各リード63Aおよびリード63Bが外部に露出されるように、樹脂パッケージ65で覆われている。半導体パッケージ60は、各リード63Aおよびリード63Bを実装配線基板(図示せず)に対向させて、この実装配線基板に接続(実装)することができる。
図10は、本発明の半導体装置を適用したDC−DCコンバータの回路図である。
【0068】
図10に示すようなDC−DCコンバータ100において、制御部(IC)91には、Highside用トランジスター92およびLowside用トランジスター93が接続されるが、本発明の半導体装置1を、Lowside用トランジスター93に用いることができる。この場合、半導体装置1のトランジスター11が、Lowside用トランジスター93となり、ショットキバリアダイオード10が、Highside用トランジスター92とLowside用トランジスター93とをつなぐ。
【0069】
以上のように、この半導体装置1では、ダイオード領域Cにおける半導体層22が、トランジスター領域Dにおける半導体層22よりも薄い(
図5、
図7および
図8参照)。これにより、トランジスター領域Dでは、半導体層22の厚さを、トランジスター11(各トランジスターセル11A)の耐圧確保のために必要な厚さとし、その一方で、ダイオード領域Cでは、半導体層22の厚さを必要最小限とすることができる。これにより、ショットキバリアダイオード10の直流抵抗を低減できるから、その順方向電圧を低くすることができる。つまり、半導体層22の厚さを、トランジスター領域Dおよびダイオード領域Cのそれぞれにおいて最適化することができるので、トランジスター11およびショットキバリアダイオード10が1つのチップ内に形成されている構成において、トランジスター11の耐圧を確保しつつ、ショットキバリアダイオード10の順方向電圧を低くすることができる。
【0070】
ダイオード領域Cにおける半導体層22の厚さが、2.5μm以上であるので、ショットキバリアダイオード10における最低限の耐圧を確保できる。
トレンチ型のトランジスター11(トランジスターセル11A)において、第1トレンチ12の底面12Aと、ダイオード領域Cにおける半導体層22の表面22Aとが、半導体層22の厚さ方向に関して同じ位置にある(
図5および
図7参照)。これにより、第1トレンチ12を形成する工程と、ダイオード領域Cにおける半導体層22を表面22A側から研削して薄くする工程(凹部35を形成する工程)とを同一工程で同時に実行することができる(
図6E参照)。そのため、製造工程数の削減によって半導体装置1の製造コストの低下を図ることができる。その結果、安価で高性能な半導体装置1を提供することができる。
【0071】
ただし、製造工程数の問題がなければ、半導体層22の厚さ方向において、第1トレンチ12の底面12Aが、
図5において1点鎖線で示すように、ダイオード領域Cにおける半導体層22の表面22Aと比べて、半導体層22の裏面22Bから遠い位置にあってもよい。この場合、第1トレンチ12の底面12Aと半導体層22の裏面22Bとの間隔R’(
図5参照)は、ダイオード領域Cにおける半導体層22の表面22Aと裏面22Bとの間隔Qより大きくなる。
【0072】
もちろん、半導体層22の厚さ方向において、第1トレンチ12の底面12Aが、
図5において点線で示すように、ダイオード領域Cにおける半導体層22の表面22Aと比べて、半導体層22の裏面22Bに近い位置にあってもよい。この場合、第1トレンチ12の底面12Aと半導体層22の裏面22Bとの間隔R”(
図5参照)は、前述した間隔Qより小さくなる。
【0073】
また、半導体層22の厚さ方向から見た平面視において、トランジスター領域Dが、ダイオード領域Cを取り囲んでいる(
図1〜
図4参照)。トランジスター領域Dのトランジスター11がONのときにダイオード領域Cのショットキバリアダイオード10がOFFすることにより、ダイオード領域Cから半導体層22の放熱を図ることができる。また、トランジスター11がOFFのときは、トランジスター領域Dから半導体層22の放熱を図ることができる。こうして半導体装置1の温度上昇を阻止できる。とくに、トランジスター領域Dがダイオード領域Cを取り囲んだ配置とすることによって、一方の領域を介して、他方の領域の放熱を図ることができるから、半導体装置1の温度上昇を効果的に抑制できる。そして、複数のダイオード領域Cを所定の間隔を隔てて均一に分布するように分散配置しているので、半導体装置1の温度上昇をより効果的に抑制できる(
図1および
図2参照)。
【0074】
以上の他にも、この発明は、様々な形態での実施が可能であり、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。