(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態ついて図面を参照しつつ説明する。本発明は、車両の乗降口に設置され、ドアの開閉動作、及び、車両の幅方向にドアを移動させるプラグ動作を行うプラグドア装置として適用できるものである。そして、本発明のプラグドア装置は、1枚で構成される片引きのドアに対しても適用できるものである。
【0027】
図1は、本発明の一実施の形態に係るプラグドア装置1の全体を示す模式図である。尚、
図1は、車両内側から見た模式図であり、車両の乗降口102に対してドア104とともに設置された状態を示す図である。
図2は、
図1のA−A線矢視位置から見た断面を示す模式図である。
図3は、プラグドア装置1の正面図としての模式図であって、
図1におけるドア104の上部を拡大して示す図である。尚、
図1では、プラグドア装置1が乗降口102の上部において車両に収納された状態を破線で示しており、
図3では、車両側の要素の図示を省略して示している。
図4は、
図3に示すプラグドア装置1の平面図としての模式図であり、ドア104とともに示している。
図5は、プラグドア装置1の側面図としての模式図であって、
図2におけるドア104の上部を拡大して示す図である。
【0028】
〔全体構成について〕
図1に示すように、車両側壁101には、乗降口102が設けられている。尚、
図1は、ドア104が閉じられた状態を図示しており、乗降口102を破線で示している。乗降口102の上部には、車両の前後方向に延びるようにフレーム103が固定されている。ここで、車両の前後方向とは、車両の進行方向と平行な方向であり、
図1において両端矢印Bで示す方向である。尚、車両側壁101及びフレーム103は、車両の本体の一部を構成している。
【0029】
また、乗降口102を覆うように1枚のドア104が設置されている。1枚のドア104は、片引きのドアであって、プラグドア装置1により開閉される。そして、
図2によく示すように、ドア104は、その下方側において、車両の幅方向の外側に向かって緩やかに湾曲して張り出すように形成されている。ここで、車両の幅方向(以下、「車幅方向」とも記載する)とは、車両の前後方向及び上下方向に対して垂直な方向であり、
図2において両端矢印Cで示す方向である。尚、ドア104は、閉じられた位置である閉鎖位置(
図1及び
図2にて示す位置)において、乗降口102を略密閉するように構成されている。
【0030】
図1乃至
図5に示すプラグドア装置1は、車両の乗降口102に設置され、ドア104の開閉動作、及び、車幅方向にドア104を移動させるプラグ動作を行う装置として設けられている。そして、このプラグドア装置1は、固定ベース11、スライドベース12、1枚のドア104を車両の前後方向へ移動させるように駆動するドア駆動機構13、ドア駆動機構13により車両の前後方向に駆動される軸部14、軸部14を案内するガイド部15、倍速レール16、ロック機構17、回動アーム18、等を備えて構成されている。尚、
図4では、固定ベース11の図示が省略されている。
【0031】
固定ベース11は、車両の本体を構成するフレーム103の一部である板状部材103aに固定されている(
図5を参照)。これにより、固定ベース11は、車両の本体に対して相対移動しないように固定されている。また、固定ベース11は、水平に設置される平坦な板状部11aと、板状部11aにおける車両の前後方向における両側に設けられた一対のスライド支持部(11b、11b)とが備えられている。スライド支持部11bは、ブロック状で車幅方向に延びるように設置された部材として設けられている。そして、各スライド支持部11bには、スライドベース12を車幅方向にスライド移動可能に支持するためのレール部材11cが固定されている。尚、本実施形態では、板状部11aが、車両の本体に対してそれぞれ固定される2枚の板状の部材として構成された形態を例示している。
【0032】
図3乃至
図5に示すスライドベース12は、固定ベース11の下方において、固定ベース11に対して車両の幅方向にスライド移動可能にこの固定ベース11に対して設置されている。そして、スライドベース12には、水平方向で平坦に延びるように設置される本体部12aと、ブラケット部12bと、車輪部12cとが設けられている。
【0033】
ブラケット部12bは、本体部12aにおける車幅方向の外側(ドア104側)の端部にて本体部12aに対して下方に屈曲した後さらに水平方向に車幅方向外側に向かって屈曲するように延びる部分として設けられている。このブラケット部12bには、後述の倍速レール16が設置されている。また、車輪部12cは、本体部12aにおける車両の前後方向の両側に設置されており、車幅方向に延びたレール部材11c上を転動する車輪を備えて構成されている。これにより、スライドベース12が固定ベース11に対して車幅方向にスライド移動可能に構成されている。
【0034】
〔ドア駆動機構、倍速レールについて〕
図3乃至
図5に示すドア駆動機構13は、スライドベース12の本体部12aに設置され、連結部19を介して1枚のドア104を車両の前後方向へ移動させる機構として設けられている。尚、本実施形態では、ドア駆動機構13は、本体部12aの下方側に設置されている。そして、このドア駆動機構13は、ダイレクトドライブ方式のブラシレス電動モータ21(後述する
図6を参照)を含む駆動部13a、駆動プーリ13b、複数の従動プーリ13c、駆動ベルト13d、複数のアイドラプーリ13e、等を備えて構成されている。
【0035】
駆動プーリ13bは、駆動部13aからの駆動力が入力されるプーリとして設けられている。従動プーリ13cは、駆動プーリ13
bに対応して設けられ、本実施形態では、2つ設けられている。駆動プーリ13bは、本実施形態の駆動輪部材を、複数の従動プーリ13cは、本実施形態の従動輪部材を、駆動ベルト13dは、本実施形態の無端状部材を構成している。そして、この駆動ベルト13dは、歯付ベルトであって、駆動プーリ13bと複数の従動プーリ(13c、13c)とに対して周回するようにそれらの外周に掛け回され、駆動プーリ13bの回転に伴って複数の従動プーリ(13c、13c)を回転させる輪状のベルト部材として設けられている。また、駆動ベルト13dには、連結部19がとりつけられている。
【0036】
アイドラプーリ13eは、本実施形態では2つ設けられ、駆動プーリ13bと各従動プーリ13cとの間において、駆動ベルト13dの外側から内側に向かって駆動ベルト13dに対して押し付けられる位置に配置されている。これにより、駆動ベルト13dが各アイドラプーリ13eの外周に対して所定の角度で巻き掛けられ、駆動ベルト13dに所定の張力を発生させるように構成されている。
【0037】
尚、駆動部13a及び駆動プーリ13bは、スライドベース12における車両の前後方向の中央部分に配置されている。そして、複数の従動プーリ(13c、13c)は、駆動プーリ13bに対して車両の前後方向における両側に配置されている。
【0038】
図6は、ドア駆動機構13の車両の前後方向における中央部の断面構造を模式的に示す図であって、車両の前後方向と垂直な面の断面構造を示している。
図6は、構成要素を一部省略して簡略化した状態で図示しており、更に、図示した構成要素を明瞭に示す観点から断面状態を示すハッチングも省略している。尚、
図6では、後述するロック機構17の外形も図示している。
【0039】
図6に示すように、駆動部13aは、駆動源として設けられて本実施形態の電動モータを構成するブラ
シレス電動モータ21に加え、更に、ブラシレス電動モータ21からの駆動力が入力される遊星歯車機構20を備えて構成されている。遊星歯車機構20は、サンギア20a、複数のプラネタリギア20b、キャリア20c、リングギア20d、等を備えて構成されている。
【0040】
サンギア20aには、ブラシレス電動モータ21からの駆動力が入力される。複数のプラネタリギア20bは、サンギア20aの周囲に配置され、サンギア20aに噛み合うとともに自転しながらこのサンギア20aの周囲を公転するように設けられている。キャリア20cは、複数のプラネタリギア20bのそれぞれを自転自在に支持するとともに、これらのプラネタリギア20bを公転自在に支持する枠部材として設けられている。リングギア20dは、各プラネタリギア20bに噛み合う内歯が内周に形成されたリング状のギアとして設けられている。
【0041】
尚、リングギア20dは、各プラネタリギア20bに噛み合う内歯が形成されたリング状の部分が、筒状に設けられた駆動プーリ13bの内側でこの駆動プーリ13bに対して一体に形成されている。これにより、部品点数の削減が図られている。また、ドア駆動機構13は、遊星歯車機構20におけるサンギア20a、プラネタリギア20b及びリングギア20dが駆動プーリ13bの内側に配置されているため、小型化が図られることになる。このため、プラグドア装置1としての更なる小型化が図られることになる。
【0042】
また、キャリア20cにおける外周部の一部は、ロック出力部22に連結されている。ロック出力部22は、キャリア20cがサンギア20aの軸心を中心として揺動することでキャリア20cから出力される駆動力を後述するロック機構17に対して入力する機構として設けられている。このロック出力部22は、キャリア20cが揺動することで出力された駆動力について、その駆動力の作用方向を変換し、車両の前後方向と平行な直線方向の駆動力として出力するように構成されている。また、ロック出力部22における駆動力を出力する先端部分には、出力ローラ22aが設けられている。この出力ローラ22aを介してキャリア20cの駆動力が、後述のロック機構17に入力されることになる。
【0043】
尚、本実施形態では、ダイレクトドライブ方式のブラシレス電動モータ21からの駆動力が、サンギア20aに入力され、リングギア20dから出力される駆動力が、駆動プーリ13bに入力され、キャリア20cから出力される駆動力が、ロック機構17に入力される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。ブラシレス電動モータ21からの駆動力が、サンギア20a、キャリア20c、及びリングギア20dの何れか1つに入力され、サンギア20a、キャリア20c、及びリングギア20dの何れか1つから出力される駆動力が、駆動プーリ20bに入力され、サンギア20a、キャリア20c、及びリングギア20dのうちの残りの1つから出力される駆動力が、ロック機構17に入力されるように構成されていればよい。
【0044】
駆動ベルト13dに取り付けられてドア駆動機構13からの駆動力を伝達する連結部19は、屈曲形成された板状の部材によって構成されている。そして、連結部19の端部は、駆動ベルト13dに対して、2つの従動プーリ(13c、13c)に駆動プーリ13bを介さずに巻きつけられた側におけるこれらの従動プーリ(13c、13c)の間の位置にて、固定されている。
【0045】
また、連結部19は、駆動ベルト13dに固定された部分から一旦下方に延びた後に屈曲して水平にドア104側に向かって延び、更に屈曲して上方に延びるように構成されている。そして、連結部19は、上方に延びた部分の端部で後述の倍速レール16における支持レール16dに固定されている。
【0046】
また、連結部19には、上方に延びた部分の端部から部分的に屈曲して水平に突出して延びる突出端部19aが設けられている。この突出端部19aには、上方に向かって延びるように片持ち状に突出する軸部14が設けられている。尚、軸部14には、軸部14における突出端部19aに固定される軸本体に対して回転自在に取り付けられた軸部ローラ14aが設けられている。
【0047】
図3乃至
図5に示す倍速レール16は、車両の前後方向に延びるように設けられている。そして、倍速レール16は、対面する2つのラック(16a、16b)と、ピニオン16cと、支持レール16dとを備えて構成されている。対面する2つのラック(16a、16b)は、上側に配置される上側ラック16aと、下側に配置される下側ラック16bとで構成されている。上側ラック16a及び下側ラック16bは、車両の前後方向において互いに平行に延びるように配置されている。
【0048】
ピニオン16cは、2つのラック(16a、16b)の間に配置され、各ラック(16a、16b)に設けられた歯に対して噛み合うように配置されている。そして、このピニオン16cは、支持レール16dにおいて回転自在に支持されている。これにより、ピニオン16cは、連結部19側に連結されている。即ち、ピニオン16cは、支持レール16dを介して連結部19に連結されている。このため、駆動ベルト13dに固定された連結部19と、支持レール16dと、ピニオン16cとは、相対位置が変化しないように互いに連結されている。
【0049】
また、ピニオン16cを回転自在に支持する支持レール16dは、上側ラック16a及び下側ラック16bを車幅方向の両側から挟んだ状態で支持するように構成されている。尚、支持レール16
dは、上側ラック16a及び下側ラック16bのそれぞれを車両の前後方向にスライド移動自在に支持している。
【0050】
また、倍速レール16においては、2つのラック(16a、16b)のうちの一方の下側ラック16bがスライドベース12のブラケット部12bに固定されて連結され、他方の上側ラック16aがドア104側に連結されている。尚、上側ラック16aは、ドア104に対して、ドア支持部材104aを介して連結されている。また、ドア支持部材104aは、ドア104を懸架した状態で支持している。
【0051】
倍速レール16が上記のように構成されていることで、ドア駆動機構13の駆動プーリ13
bが駆動されると、駆動ベルト13dに固定された連結部19とともに支持レール16d及びピニオン16cが車両の前後方向において移動する。これにより、スライドベース12に固定された下側ラック16
bに対して、ピニオン16cが噛み合いながら車両の前後方向の一方に移動する。そして、この移動するピニオン16cに対して、ピニオン16cに噛み合う上側
ラック16aが車両の前後方向における同方向に移動する。このため、上側ラック16aは、下側ラック16bに対し、ピニオン16cの移動速度に対して倍の速度で移動することになる。そして、上側ラック16aの下側ラック16bに対する移動量は、ピニオン16
cの下側ラック16bに対する移動量に対して、同じ方向で倍の移動量となる。また、上側ラック16aにドア支持部材104aを介して連結されたドア104も、上側ラック16aと同じ速度で移動することになる。そして、下側ラック16b
が連結されるスライドベース12に対して、ドア104が車両の前後方向に移動することになる。
【0052】
〔プラグ機構について〕
プラグドア装置1において、ドア104を車幅方向に移動させるプラグ動作を行うためのプラグ機構は、軸部14、ガイド部15、及びローラガイド23を備えて構成されている。
図7は、プラグ機構を示す平面図である。
図8は、プラグ機構の
図7のD−D線矢視位置から見た一部断面を含む図である。
図9は、プラグ機構の側面図であって
図7のE線矢視方向から見た図である。
図10は、プラグ機構の背面図であって
図7のF線矢視方向から見た一部断面を含む図である。
図11は、プラグ機構の作動を説明するための平面図である。尚、
図8乃至
図10は、
図7及び
図11に対して拡大して示している。また、
図8乃至
図10は、ドア104が閉鎖位置のときのプラグ機構の状態を示している。一方、
図11は、ドア104が閉鎖位置から開く際において、プラグ動作が完了した直後の状態を示している。
【0053】
図3乃至
図5、
図7乃至
図10に示すプラグ機構(軸部14、ガイド部15、ローラガイド23)は、固定ベース11とスライドベース12との間に配置されている。軸部14は、前述のように、連結部19の突出端部19aに設けられている。ローラガイド23は、固定ベース11の板状部11aの下面側に固定されている。ガイド部15は、第1リンク24及び第2リンク25を備えて構成され、固定ベース11の下側に設置されている。そして、このガイド部15は、第1リンク24において、固定ベース11に回転自在に設置されている。
【0054】
第1リンク24は、略長方形形状の板状部材であって、一端側を固定ベース11に対して回動自在に設けられている。具体的には、第1リンク24は、 略鉛直方向を向く第1回動軸26の周りに回動自在に設けられる。また、第1リンク24の他端側の周縁には、軸部14の軸部ローラ14aを収容可能な第1切り欠き部24aが形成されている。
【0055】
第2リンク25は、板状部材であって、第1リンク24に回動自在に設けられている。具体的には、第2リンク25は、第1リンク24の第1切り欠き部24aの近傍に設けられた略鉛直方向を向く第2回動軸27の周りに回動自在に設けられる。また、第2リンク25の周縁には、軸部14の軸部ローラ14aを収容可能な第2切り欠き部25aが形成されている。また、第2リンク25には、鉛直軸周りに回転自在に取り付けられたガイド部ローラ28が設けられている。ガイド部ローラ28は、第2リンク25 から上方に突出する回転軸29に対して回転自在に取り付けられており、固定ベース11に固定されたローラガイド23と略同じ高さに配置されている。
【0056】
ドア104が閉鎖位置である場合は、
図7に示すように、上方から見た状態において、第1リンク24の第1切り欠き部24aと第2リンク25の第2切り欠き部25aとで軸部14の周囲が囲まれる。具体的
には、第1リンク24は、第1切り欠き部24aの開口側を車幅方向外側を向けるように保持され、また、第2リンク25は、第2切り欠き部25aの開口側を、第1回動軸26に向かう方向とは逆方向に向けるように保持される。これにより、第1リンク24における第1切り欠き部24a内から外側に向かって軸部14が移動することが、第2リンク25によって拘束される。
【0057】
また、ドア104が閉鎖位置にある状態においては、第2リンク25のガイド部ローラ28は、第2切り欠き部25aよりも車幅方向外側に位置している。そして、第2リンク25の第2回動軸27は、第2切り欠き部25aよりも車幅方向内側に位置している。
【0058】
また、第1リンク24と第2リンク25との間には、付勢手段としてのつるまきバネ30が設けられている。つるまきバネ30の一端は、第2リンク25における第2回動軸27とガイド部ローラ28との略中間部に設けられており、他端は、第1リンク24における第1回動軸26に近い位置に設けられている。これにより、第2リンク25は、軸部14の拘束を解除する方向(上方から見て第2回動軸27を中心とした時計周りの方向)に回動するようにつるまきバネ30に付勢される。つまり、第2リンク25は、つるまきバネ30によって、ガイド部ローラ28がローラガイド23に近づく方向に付勢される。
【0059】
ローラガイド23は、板状の部材として設けられている。そして、ローラガイド23には、その側面において、ガイド部ローラ28を案内する斜面23aと、この斜面23aに連続してガイド部ローラ28を案内する曲面23bとが設けられている。
【0060】
斜面23aは、ローラガイド23の側面の一部として設けられ、ドア104が開く方向(以下、開方向と記載する。
図7において矢印G1で示す。)に向かうほど、車幅方向外側に位置するように形成される平坦な面として構成されている。
【0061】
曲面23bは、ローラガイド23の側面の一部として設けられ、斜面23aから連続し、略半円弧状に出っ張るように曲がった後に更に略半円弧状に窪むように曲がりつつ車幅方向内側に向かって延びる曲面として構成されている。尚、曲面23bは、車幅方向における外側に近い位置においては、開方向に凸であり、車幅方向における内側に近い位置においては、ドア104が閉じる方向(開方向と逆方向であり、以下、閉方向と記載する。
図7において矢印G2で示す。)に向かって凹んでいる。
【0062】
〔回動アームについて〕
図12は、
図2におけるドア104の下部を拡大して示す模式図である。
図1乃至
図5、
図12に示すように、乗降口102の上部および下部には、回動することで、ドア104を車幅方向に案内する回動アーム18(18a、18b)が設けられている。尚、乗降口102の上部には、上側回動アーム18aが設けられ、乗降口102の下部には、下側回動アーム18bが設けられている。
【0063】
上側回動アーム18aは、略鉛直方向に延びる連結軸31の上端側に固定され、連結軸31から水平方向に片持ち状に突出して設置されている。また、連結軸31は、上下両端において、車両側壁101における乗降口102の縁部分から延びるブラケットに回動自在に取り付けられている。また、上側回動アーム18aの先端部には、略鉛直上方に延びる回転軸周りに回転自在に設けられた上側ローラ32が設けられている。また、スライドベース12の本体部12aには、車両の前後方向に延びる長孔33が設けられている(
図4を参照)。上側ローラ32は、長孔33に下方から挿入され、長孔33に沿って相対的に移動可能に配置されている。
【0064】
下側回動アーム18bは、連結軸31の下側に固定され、連結軸31から水平方向に片持ち状に突出して設置されている。このため、下側回動アーム18bは、上側回動アーム18aが回動することで、連結軸31とともに回動するように構成されている。また、下側回動アーム18bの先端部には、略鉛直上方に延びる回転軸周りに回転自在に設けられた下側ローラ34が設けられている。そして、ドア104の車幅方向内側における下端側には、車両の前後方向に延びるドアレール35が設けられている。このドアレール35には、下方に開口して車両の前後方向に延びる溝が形成されている。下側ローラ34は、ドアレール35の溝に、下方から挿入されており、ドアレール35に沿って相対的に移動可能に構成されている(
図12を参照)。
【0065】
〔ロック機構について〕
図13は、ロック機構17の正面図である。また、
図14は、ロック機構17の平面図である。
図3乃至
図6、
図13、及び
図14に示すロック機構17は、ドア104の閉鎖位置でドア104の移動を制限するようにロック可能な機構として設けられている。そして、このロック機構17は、ロック固定部36とロック移動部37とを備えて構成されている。
【0066】
ロック固定部36は、固定ベース11に固定されて設けられたブロック状の部材として構成されている。尚、
図4、
図6、
図13及び
図14では、固定ベース11の図示が省略されている。ロック固定部36は、本実施形態ではブロック状の部材として設けられているが、この通りでなくてもよく、板状の部材、或いは、ピン状の部材、等として固定ベース11に固定されて設けられていてもよい。
【0067】
ロック移動部37は、遊星歯車機構20のキャリア20cからロック機構17へ出力される駆動力によって移動可能に設けられている。そして、このロック移動部37は、ドア104の閉鎖位置において、ロック固定部36に対して車両の幅方向における内側で当接するように構成されている。このように、ロック機構17は、ロック移動部37がロック固定部36に当接することで、ドア104の閉鎖時において、ドア104の車幅方向における外側への移動を規制するように設けられている。
【0068】
また、ロック移動部37は、ロック固定部36に当接可能なスライド当接部38と、スライドレール39と、伝達部材40とを備えて構成されている。スライドレール39は、スライドベース12に固定されて車両の前後方向に延びるレール部材として設けられている。これにより、スライドレール39は、スライド当接部38のスライド移動方向を車両の前後方向に平行な方向に規制するように構成されている。
【0069】
伝達部材40は、板状の部材として設けられ、上下方向に延びるように配置されている。そして、この伝達部材40は、遊星歯車機構20のキャリア20cからロック機構17へ出力される駆動力をスライド当接部38に伝達する部材として設けられている。尚、本実施形態では、伝達部材40には、その下端側に切り欠き部分40aが設けられており、この切り欠き部分40aに、ロック出力部22の出力ローラ22aが嵌まり込んだ状態で配置されている。また、伝達部材40の上端側は、スライド当接部38に連結されている。
【0070】
上記により、ロック機構17は、キャリア20cからロック出力部22を介して出力される駆動力が、伝達部材40において入力されるように構成されている。そして、遊星歯車機構20からの駆動力による出力ローラ22aの移動とともに、伝達部材40が、車両の前後方向に移動することになる。更に、伝達部材40の移動とともに、スライドレール39でスライド移動方向が規制されたスライド当接部38が、車両の前後方向に移動することになる。
【0071】
尚、出力ローラ22aは、その先端部が、ガイドプレート43に形成された長孔43aの内側に配置されている。そして、出力ローラ22aは、この長孔43aに沿って移動可能に配置さている(
図13を参照)。これにより、出力ローラ22aの車両の前後方向における移動が確保されるように構成されている。尚、ガイドプレート43は、スライドベース12に設置された駆動部13aのハウジング等に対して固定された板状の部材として設けられている。
【0072】
また、スライド当接部38は、スライドブロック41とローラ42とを備えて構成されている。スライドブロック41は、ブロック状に設けられ、スライドレール39によってスライド移動方向を車両の前後方向に規制される部材として設けられている。尚、本実施形態では、スライドブロック41は、複数の部材が一体化されるように固定されることで構成されている。そして、一体化されたうちの一方の部材に伝達部材40の上端側が固定され、一体化されたうちの他方の部材においてスライドレール39のレール面上を摺動してスライド移動可能に嵌まり込む溝が形成されている。
【0073】
ローラ42は、スライドブロック41に対して、鉛直軸周りに回転自在に支持されている。そして、ローラ42は、その外周側面において、ロック固定部36の側面に対して当接可能に配置されている。
【0074】
また、ロック固定部36は、
図6、
図13及び
図14によく示すように、直交する2つのブロック状の部分が一体化された形状の部材として設けられている。そして、このロック固定部36の側面には、ローラ42が当接可能な第1面36a、第2面36b、及び傾斜面36cが設けられている。
【0075】
第1面36aは、ロック固定部36において車幅方向の内側に面する側面として設けられている。そして、この第1面36aは、車幅方向に対して直交する面として形成され、ドア104の閉鎖時においてロック移動部37のスライド当接部38におけるローラ42の外周と当接することで、ドア104の車幅方向における外側への移動を規制するように構成されている。
【0076】
第2面36bは、ロック固定部36において車両の前後方向における開方向側に面する側面として設けられている。そして、この第2面36bは、車両の前後方向に対して直交するとともにロック移動部37のローラ42の外周に当接可能な面として形成されている。これにより、第2面36bは、遊星歯車機構20のリングギア20dから駆動プーリ13bに入力される駆動力によってこの駆動プーリ13bが回転駆動されるように、遊星歯車機構20のキャリア20cからロック機構17に入力される駆動力と釣り合う反力を発生させるように構成されている。
【0077】
傾斜面36cは、ロック固定部36において第1面36aと第2面36bとの間に配置されるとともに第1面36a及び第2面36bに連続する側面として設けられている。そして、この傾斜面36cは、水平方向に対して垂直な面として形成されるとともに、第1面36a及び第2面36bとの両方に対して傾斜する面として設けられている。ローラ42は、第1面36a及び第2面36bにてロック固定部36に対して当接可能に配置されているが、この傾斜面36cが設けられていることにより、互いに直交する第1面36a及び第2面36b間でのローラ42の移動が滑らかに行われるように構成されている。
【0078】
〔プラグドア装置の作動について〕
次に、プラグドア装置1の作動について説明する。
図1乃至
図5に示すようにドア104が閉鎖位置のときは、軸部14は、上方から見た状態において第1リンク24の第1切り欠き部24aおよび第2リンク25の第2切り欠き部25aの双方に係合している(
図7を参照)。即ち、軸部14が、切り欠き部(24a、25a)内に位置している。
【0079】
また、ドア104が閉鎖位置のときは、
図6、
図13及び
図14に示すように、ロック機構17は、ローラ42がロック固定部36の第1面36aに当接している。このため、ロック機構17及び遊星歯車機構20のキャリア20cを介して、スライドベース12の車幅方向外側への移動が規制された状態となっている。これにより、プラグ機構による車幅方向外側へのプラグ動作が規制され、ドア104の移動が制限されるようにロックされている。
【0080】
上記の閉鎖位置の状態から、ドア駆動機構13のダイレクトドライブ方式のブラシレス電動モータ21が駆動されることにより、遊星歯車機構20のサンギア20aが回転を開始し、サンギア20aの周囲のプラネタリギア20bがリングギア20dと噛み合いながらサンギア20aの周囲を公転し始めることになる。そして、プラネタリギア20bの公転に伴うキャリア20cの揺動により、出力ローラ22aが
図13において二点鎖線の矢印Iで示す方向に長孔43a内を移動する。これにより、出力ローラ22aとともに伝達部材40が車両の前後方向における開方向と平行に移動し、スライドブロック41もスライドレール39上を開方向と平行に移動する。
【0081】
上記により、第1面36aに当接していたローラ42が、第1面36aから外れる位置まで移動することになる。尚、
図13及び
図14では、第1面36aから外れた位置まで移動したローラ42の位置を二点鎖線のローラ42aとして図示している。これにより、ロック機構17によるドア104のロック状態が解除され、プラグ機構による車幅方向外側へのプラグ動作が可能な状態となる。
【0082】
上記のように、車幅方向外側へのプラグ動作が可能な状態に移行すると、更に連続して、ドア駆動機構13のブラシレス電動モータ21の駆動が継続される。これにより、リングギア20dを介して駆動プーリ13bに出力される駆動力が、更に、駆動ベルト13d及び連結部19を介して軸部14に伝達される。このため、軸部14は、開方向に移動しようとして、第2リンク25を同方向へ付勢する。
【0083】
ここで、
図7に示すように、第2リンク25の第1リンク24に対する回動(上方から見て第2回動軸27を中心とした時計周りの方向への回動)は、ガイド部ローラ28がローラガイド23の斜面23aに当接する位置で規制されている。そのため、第2リンク25は、第1リンク24に対してほとんど回動せず、第2回動軸27を介して第1リンク24に、第1回動軸26を中心とする回動力(上方から見て時計周りの方向への回動力)を与えることになる。結果として、ガイド部ローラ28は斜面23aに沿って移動するとともに、第1リンク24は、第1回動軸26を中心として図中矢印Hで示す方向に向かって回動する。
【0084】
第1リンク24が上方から見て時計周り方向に回動している間、第2リンク25のガイド部ローラ28は、ローラガイド23の斜面23aに沿って移動する。このとき、第2 リンク25は、つるまきバネ30により斜面23a側に引きつけられているので、斜面23aからガイド部ローラ28が離れることはない。また、ガイド部ローラ28が斜面23aに沿って移動しているときは、第1リンク24の第1切り欠き部24aと第2リンク25の第2切り欠き部25aとが軸部14の周囲を囲んだ状態が維持される。
【0085】
上記の状態から、更に軸部14が開方向に移動すると、ガイド部ローラ28とローラガイド23との接触位置が斜面23aから曲面23bに移行する。これにより、ガイド部ローラ28が、曲面23bに沿って車幅方向内側に引き込まれるとともに、第2リンク25が、第1リンク24に対して、第2回動軸27を中心として上方から見て時計周り方向に相対回転する。即ち、
図11に示すように、第2リンク25による軸部14の拘束が解除される。また、このとき、第1リンク24の矢印H方向の回動は、ローラガイド23に固定されたストッパ44に対して第1リンク24が当接することで、規制されている。
【0086】
上記のように、ガイド部15は、ドア104が開く際に、軸部14と当接しつつ回動して軸部14が車幅方向の一方(開方向)に移動するように軸部14を案内する機構として構成されている。
【0087】
尚、本実施形態では、ドア104が閉鎖位置の状態において、第1切り欠き部24aが第1回動軸26の位置よりも車幅方向外側に位置するように、第1リンク24が配置されている。また、ドア104が閉鎖位置の状態において、ガイド部ローラ28が軸部14の中心よりも車幅方向外側に位置し、かつ、第2回動軸27が軸部14の中心よりも車幅方向内側に位置するように、第2リンク25が配置されている。このような構成により、ガイド部15は、軸部14からの付勢力を効率よく第1リンク24の回動のために用いることができるように構成されている。
【0088】
また、上述のように第1リンク24が回動する際、軸部14に対して、車幅方向外側を向く力が作用することになる。そのため、軸部14に対して連結部19を介して連結されるドア駆動機構13にも車幅方向外側に向かう力が作用するとともに、ドア駆動機構13 が設置されるスライドベース12にも、車幅方向外側に向かう力が作用する。
【0089】
上記により、ドア駆動機構13およびスライドベース12が、固定ベース11におけるスライド支持部11bに案内されて車幅方向外側に移動することになる。結果として、ドア104が車幅方向外側に移動するプラグ動作が行われることになる。そして、プラグ動作が行われることで、ドア104の開方向への移動が可能な状態となる。
【0090】
また、プラグ機構による車幅方向外側へのプラグ動作が完了すると、スライドベース12に固定されたスライドレール39上に設置されたスライド当接部38も、スライドベース12とともに車幅方向外側へ移動することになる。これにより、
図14において二点鎖線のローラ42aとして示す位置に位置していたローラ42が、一点鎖線のローラ42bとして示す位置に移動することになる。そして、ローラ42(42b)は、ロック固定部36の第2面36bに当接した状態に移行することになる。
【0091】
尚、遊星歯車機構20のキャリア20cに連結されたロック出力部22には、出力ローラ22aを
図13において二点鎖線の矢印Iで示す方向と反対方向に付勢するバネ等の付勢手段(図示せず)が設けられている。ローラ42が第2面36bに当接した状態では、上記の付勢手段の付勢力が出力ローラ22a及び伝達部材40を介してスライド当接部38に作用することにより、ローラ42が第2面36bに押し付けられた状態が維持される。
【0092】
また、ローラ42が第2面36bに押し付けられて当接した状態では、遊星歯車機構20のキャリア20cからロック機構17に入力される駆動力と釣り合う反力が第2面36bにおいて発生することになる。これにより、遊星歯車機構20のリングギア20dから駆動プーリ13bに入力される駆動力によって駆動プーリ13bが回転駆動される。
【0093】
そして、駆動プーリ13bの回転に伴い、駆動ベルト13dが駆動され、連結部19とともに倍速レール16における支持レール16d及びピニオン16cが移動する。このため、スライドベース12に固定された下側ラック16bに対して、ドア104に連結された上側ラック16aが、ピニオン16cに対して倍速で移動することになる。これにより、ドア104が開方向へ移動し、ドア104の開放動作が行われることになる。尚、ドア104の開方向への移動中は、軸部14は、ガイド部15から車幅方向に力を受けることはなく、連結部19とともに開方向に直線的に移動することになる。
【0094】
図15は、
図3に示すプラグドア装置1の平面図としての模式図であり、開放動作が行われたドア104の位置も示す図である。ドア104の開放動作が完了すると、
図15において二点鎖線で示す位置までドア104が移動することになる。
【0095】
一方、ドア104が閉じる際は、上述したドア104の開放動作と逆の動作が行われる。即ち、ドア駆動機構13におけるダイレクトドライブ方式のブラシレス電動モータ21が駆動され、遊星歯車機構20を介して駆動される駆動プーリ13bが前述の開放動作の場合とは逆方向に回転する。これにより、連結部19に連結された支持レール16d及びピニオン16cが前述の開放動作の場合と逆方向に移動する。そして、スライドベース12に固定された下側ラック16bに対して、ドア104に連結された上側ラック16aが、ピニオン16cに対して倍速で移動する。これにより、ドア104が閉方向へ移動し、ドア104の閉鎖動作が行われることになる。また、軸部14は、ガイド部15に向かって直線的に閉方向に移動することになる。
【0096】
尚、ガイド部15においては、ドア104が開いた状態では、つるまきバネ30により第2リンク25に上方から見て時計周り方向の回動力が作用している。即ち、ガイド部ローラ28がローラガイド23の曲面23bに当接した位置に位置するように、つるまきバネ30から引っ張りの力が第2リンク25に作用している。本実施形態においては、ガイド部ローラ28は、曲面23bにおけるガイド部ローラ28の外周形状と略同じ半円弧形状を有する凹部に嵌まり込んでいる。従って、第1リンク24および第2リンク25が所定の位置で安定して保持される。具体的には、閉方向に直線的に移動してきた軸部14が第2切り欠き部25aの内縁に当接できる位置で、第2リンク25が保持される。また、第1リンク24も、閉方向に直線的に移動してきた軸部14を第1切り欠き部24a内に収容できる位置で保持される(
図11を参照)。
【0097】
従って、軸部14は、ドア104が全開の状態の位置から閉方向に所定量移動したときに第2リンク25の第2切り欠き部25aの内縁に当接し(
図11を参照)、この第2リンク25を付勢する。このとき、第2リンク25は、つるまきバネ30の力に抗して、第2回動軸27を中心として上方から見て反時計方向に回動するので、軸部14の閉方向への直線的な移動が妨げられることはない。この第2リンク25の回動時においては、ガイド部ローラ28は、ローラガイド23の曲面23bに沿って移動することになる。 尚、第2リンク25の回動時においては、第1リンク24は、ほとんど回動することなく所定の位置もしくはその近傍部で保持される。
【0098】
そして、軸部14は、第1リンク24の第1切り欠き部24aの内縁に当接する位置まで閉方向に移動し、第1リンク24を閉方向に付勢する。これにより、第1リンク24が第1回動軸26を中心として上方から見て反時計方向に回動するとともに、軸部14が車幅方向内側に案内される。
【0099】
このとき、ドア104は、軸部14と同様に移動する。即ち、ドア104は、全開の状態の位置か
ら閉方向に直線的に移動するとともに、閉鎖位置近傍部において、車幅方向内側に引き込まれて閉鎖位置に移行する。これにより、プラグ機構による車両幅方向内側へのプラグ動作が完了することになる。
【0100】
上記のように、ガイド部15は、ドア104が閉じる際に、軸部14と当接しつつ回動して軸部14が車両の幅方向の他方(閉方向)に移動するように軸部14を案内する機構として構成されている。
【0101】
また、プラグ機構による車幅方向内側へのプラグ動作が完了すると、スライドベース12に固定されたスライドレール39上に設置されたスライド当接部38も、スライドベース12とともに車幅方向内側へ移動することになる。これにより、
図14において一点鎖線のローラ42bとして示す位置に位置していたローラ42が、二点鎖線のローラ42aとして示す位置に移動することになる。
【0102】
そして、上記のようにローラ42が移動すると、ロック固定部36の第2面36bからの反力がローラ42に作用しない状態となる。このため、遊星歯車機構20のキャリア20cから出力ローラ22aを介して入力される駆動力により、伝達部材40が車両の前後方向における閉方向と平行に移動し、スライドブロック41もスライドレール39上を閉方向と平行に移動する。
【0103】
上記により、
図14において二点鎖線のローラ42aとして示す位置からロック固定部36の第1面36aに当接する位置までローラ42が移動することになる。これにより、ロック機構17によるドア104のロック状態が確保され、プラグ機構による車幅方向外側へのプラグ動作ができない状態となる。
【0104】
尚、上述したドア104の開放動作及び閉鎖動作が行われる際には、乗降口102の上部及び下部に設けられた回動アーム18(18a、18b)がそれぞれ回動する。これにより、ドア104の車幅方向の移動が上下の回動アーム18(18a、18b)によっても案内され、ドア104の滑らかなプラグ動作が行われることになる。
【0105】
〔プラグドア装置の効果について〕
以上説明したプラグドア装置1によると、ガイド部15は、軸部14に当接して回動することで軸部14を車幅方向に案内する。そのため、ガイド部15の動作は、ドア104の車幅方向への移動に追従するような動作となる。これにより、ドア104の車幅方向への移動状況に合わせて、車幅方向においてガイド部15が占有するスペースをより小さくすることができる。これにより、ドア104に対して車両の前後方向への力を作用させるドア駆動機構13で開閉動作とプラグ動作とを行うことができる小型のプラグドア装置1を実現できる。また、ドア駆動機構13は、2つのラック(16a、16b)及びピニオン16cにより構成される倍速レール16を介してドア104を車両の前後方向に移動させるため、ドア駆動機構13の作動ストロークを倍増させて効率よくドア104を移動させることができる。このため、車両の前後方向においても更に小型のプラグドア装置1を実現することができる。
【0106】
そして、プラグドア装置1によると、スライドベース12に設置されて連結部19及び倍速レール16を介して1枚のドア104を車両の前後方向へ移動させる1つのドア駆動機構13が、ダイレクトドライブ方式のブラシレス電動モータ21を含む駆動部13a、駆動部13aからの駆動力が入力される駆動プーリ13b、従動プーリ13c、駆動プーリ13bの回転に伴って従動プーリ13cを回転させる無端状部材(駆動ベルト)13dを備えて構成されている。このため、ドア駆動機構13の作動の際に、駆動プーリ13b及び従動プーリ13cが移動することがない。これにより、特許文献1に開示されたようなピニオンに噛み合う一対のラックが互いに逆方向に移動するラックアンドピニオン機構を含むドア駆動機構とは異なり、ドア駆動機構13の一部が、ドア104が設置される乗降口102に対して大きく突出してしまうことがない。よって、設置スペースの制約が生じることが大幅に抑制され、片引きのドア104に対しても容易に適用されることになる。
【0107】
従って、本実施形態によると、ドア104に対して車両の前後方向への力を作用させるドア駆動機構13で開閉動作とプラグ動作とを行うことができる小型のプラグドア装置1を実現でき、更に、片引きのドア104に対しても適用することができる、プラグドア装置1を提供することができる。
【0108】
また、プラグドア装置1によると、駆動部13aがダイレクトドライブ方式のブラシレス電動モータ21と遊星歯車機構20とで構成される。そして、遊星歯車機構20のサンギア20a、キャリア20c、リングギア20dにおいて、その1つにブラシレス電動モータ21の駆動力が入力され、他の1つからの駆動力が駆動プーリ13bに出力され、残る1つからの駆動力がロック機構17に出力される。このため、1台のダイレクトドライブ方式のブラシレス電動モータ21によって、ドア104の開閉動作、プラグ動作、ロック機構17によるドア104のロック動作を行うことができ、コンパクトで効率の良い駆動部13aを実現することができる。
【0109】
また、プラグドア装置1によると、固定ベース11側に固定されたロック固定部36に対してロック移動部37が車幅方向内側で当接することで、閉鎖時におけるドア104の車幅方向外側への移動が規制される。このため、ドア104の閉鎖時において、よりがたつきなく確実にドア104が車幅方向外側に移動しないように拘束されることになる。よって、閉鎖時においてがたつきなくドア104をロックすることができる。
【0110】
また、プラグドア装置1によると、遊星歯車機構20からの駆動力が伝達部材40を介してスライド当接部38に伝達され、これにより、スライド当接部38が、スライドレール39上を所定の規制された方向に沿ってスライド移動してロック固定部36に当接する。このため、遊星歯車機構20からの駆動力によってスライド当接部38がスライドレール39上を滑らかに移動するため、遊星歯車機構20の強度を高く設定する必要性を抑制することができる。これにより、遊星歯車機構20をよりコンパクトに構成することができる。
【0111】
また、プラグドア装置1によると、スライド当接部38は、回転自在なローラ42にてロック固定部36に当接しながら、スライドブロック41にてスライドレール39上を移動することができる。このため、ロック固定部36との摩擦力がスライド当接部38のスライドレール39上の移動を妨げてしまうことが抑制され、スライド当接部38がスライドレール39上を滑らかに移動することができる。
【0112】
また、プラグドア装置1によると、ドア104の閉鎖時においては、ロック移動部37がロック固定部36の第1面36aに当接し、ドア104がロックされる。一方、ドア104の開閉時においては、ロック移動部37とロック固定部36の第2面36bとが当接して両者間で作用する力が釣り合った状態となり、遊星歯車機構20からロック機構17への出力が固定された状態となる。そして、遊星歯車機構20から駆動プーリ13bに入力される駆動力によって、駆動プーリ13b、従動プーリ13c及び無端状部材(駆動ベルト)13dが作動し、ドア104の開閉動作が行われることになる。このため、直交する第1面36a及び第2面36bが設けられたロック固定部36によって、遊星歯車機構20からの駆動プーリ13b及びロック機構17への駆動力の配分が行われることになる。よって、ロック固定部36に第1面36a及び第2面36bを設けるという簡素な機構によって、駆動力を駆動プーリ13b及びロック機構17へ効率よく配分する構成を実現することができる。
【0113】
また、プラグドア装置1によると、ロック機構17に対して駆動力を出力する駆動部13aが、車両の前後方向におけるドア104の中央部分に配置されることになり、ロック機構17によるロック動作がドア104の中央部分で行われることになる。このため、ドア104がロックされる位置が偏ってしまうことが防止され、ドア104が中央部分でバランスよくロックされることになる。また、ドア104の中央部分に配置された駆動プーリ13bに対して、複数の従動プーリ(13c、13c)が車両の前後方向における両側に配置されるため、それらを周回する無端状部材(駆動ベルト)13dをコンパクトな領域においてより長い周回距離に亘って配置することができる。このため、無端状部材13dの周回距離を効率よく確保することができる。
【0114】
〔変形例について〕
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。例えば、次のように変更して実施してもよい。
【0115】
(1)本実施形態では、ドア駆動機構において、従動プーリが2つ設けられた形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。従動プーリが1つ又は3つ以上設けられている形態であってもよい。
【0116】
(2)本実施形態では、駆動輪部材、従動輪部材として駆動プーリ、従動プーリを例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。駆動輪部材、従動輪部材がスプロケット等として構成されてもよい。また、無端状部材として歯付の駆動ベルトを例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。無端状部材として、Vベルト、チェーン、ワイヤ、等が用いられる形態であってもよい。
【0117】
(3)本実施形態では、軸部が連結部に設けられている形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。軸部がドアに直接に設けられた形態であってもよい。
【0118】
(4)ガイド部の形状については、本実施形態で例示した形状でなくてもよい。即ち、ガイド部は、固定ベースに回転自在に設置され、ドアが開く際に、軸部と当接しつつ回動して軸部が車両の幅方向の一方に移動するように軸部を案内するとともに、ドアが閉じる際に、軸部と当接しつつ回動して軸部が車両の幅方向の他方に移動するように軸部を案内可能な形状であればよい。