【実施例】
【0019】
図1は、本発明に係るキックゲーム機の一実施例を示す斜視図であり、図中10はキックゲーム機、11は小部屋を模して作られた筐体、12は筐体11に設けられたドア、13はドアノブ、14は筐体内部を覗き見られるドアスコープもしくは覗き窓、15は、足跡を模して描かれたキックターゲット、16は、筐体10内に設けられるメインディスプレイと同一又は関連する画面が表示されるサブディスプレイ、17はイルミネーションボードであり、20はプレイヤーにより操作されるゲーム入力装置、21はゲーム入力装置20の筐体、22はカード挿入用のスリット、23はタッチパネルである。
【0020】
尚、図示されていないが、このキックゲーム機には、以下の装置が設けられている。
1. ドアキックが行われた際、そのキック力の強さを判定するキック力判定装置。
2. スリット22に挿入されたカードのデータを読み取り、ゲーム結果に応じてその記録データを書き換えるリーダーライター。
3. 上記リーダーライター及びキック力判定装置の出力に応動し、予め定められたゲームプログラムに従ってゲーム演算を行いその演算結果を出力するCPU。
4. 上記CPUの出力をメインディスプレイ30に表示すべきシリアル映像信号に変換し、メインディスプレイ30に送出する映像信号変換回路。
5. 上記CPUの出力をスピーカー17から放送すべきシリアル音声信号に変換し、スピーカー17に送出する音声信号変換回路。
6. ドアを閉鎖位置にロックし、ドアが一定の下限値以上のキック力を受けたときドアを開放するドアロック装置。
7. ドアに、常時ドアを閉鎖する方向にトルクを作用する自動ドア閉鎖装置。
8. ドアがキックされ、ドアが所定の最大開度に達したとき、その開度にドアをロックし、一定時間経過後開放するドア制御装置。
【0021】
プレイヤーは、ゲーム用のプリペイドカード若しくは、自分のIDカードを挿入してプレイを行う。
タッチパネル23は、相手となるキャラクターの選択や、アイテムの購入、ゲームの開始や終了指示などを行うためのものである。
【0022】
筐体11の内部には奥の壁際に
図2に示されているように大型のメインディスプレイ30が設けられており、そのメインディスプレイ30の画面には、プレイヤーと戦うキャラクターの画像31が表示されている。
この画像31は動画であることが望ましい。
尚、このキャラクターは、ゲーム開始前に、タッチパネル23の表示に従って、プレイヤーにより選択されたものである。
【0023】
キックターゲット15は、キックすべき場所として推奨される位置を示すものである。キック力の検出に圧電素子などを用いるときは、このキックターゲット15の位置に設ける。
キック力の検出が、ドアの開度変化又は開くときの初期平均角速度などに基づいて行われるときは、このキックターゲット15は単なる推奨キック位置を示す標識に過ぎない。
【0024】
上記の如く、プレイヤー40は、ゲーム入力装置20のスリット22にカードを挿入し、タッチパネル23を操作して、相手となるキャラクターを選定し、必要に応じて戦闘に携行するアイテムを購入した後、プレイヤーは、ドアスコープ14からこのメインディスプレイ30の画像31を見ることができ、タイミングを見計らってドア12を蹴破ることができるようになる。
図3には、プレイヤーがドアを蹴破るシーンが示されている。
【0025】
ドア12が強く蹴られると、ドア12のロックが外れてドア12が開き、一定の最大開度位置でロックされ、このためプレイヤー31は奥のメインディスプレイ30の画面を見ることができ、キャラクター31が攻撃され斃される画像を見ることができる。その後一定の時間が経過するとドア12のロックが外れ、ドア12は図示されていない自動ドア閉鎖装置により閉鎖位置に戻され、再びロックされる。
【0026】
ドア12が蹴破られ、ドア12が、二つの開度基準角θ
1とθ
2の間を通過する時間Tが計測され、その間の初期平均角速度ω又は時間Tに基づいて、キック力のパラメーターが決定される。
CPUのメモリには、プレイヤーが有するアイテムとキャラクターの組み合わせ毎に、このパラメーターP
1、P
2、・・・P
nのそれぞれについて、それぞれ複数の戦闘シーンが用意されており、CPUはそれらの複数の戦闘シーン中から、ランダムに一つの戦闘シーンを選んで、その戦闘シーンをメインディスプレイ30に表示するものである。
【0027】
従って、プレイヤーは、同じようにドア12を蹴破っても毎回異なった画面が見られ、又、キック力の強いプレイヤーはより高度な戦闘シーンを楽しむことができる。
又、このキックゲーム機では、単なるサンドバックを叩いたり蹴ったりするのではなく、ドアを蹴破って中にいる悪漢と戦うと言う気分になれるので、より一層爽快な気分を味わうことができ、ゲームの興趣が高められるものである。
【0028】
この本発明におけるゲームの進行を示すフローチャートは、
図5に示されている。
このキックゲーム機が起動されると、ステップS01に進み、遊客を誘うためメインディスプレイ、サブディスプレイ及びスピーカーでデモンストレーションが行われ、ステップS02に進み、カード挿入口にゲームカードが挿入されたか否かがチェックされ、カードの挿入が検知されないときはS01に戻り、デモンストレーションが継続される。
【0029】
プレイヤーがカード挿入口にカードを挿入すると、ステップS03で、プレイヤーに対戦を望むキャラクターを選択させる。
プレイヤーが選択を完了するとステップS04に進み、CPUがキャラクターメモリの中から、プレイヤーにより選択されたキャラクターのデータを読み取り、ワーキングRAMに取り込む。
【0030】
次いで、CPUは、当該キャラクターについて予め定められた複数のストーリーの内からランダムに一つを選び、そのストーリーに沿ったドアキック勧誘ディスプレイをメインディスプレイに表示させる。
【0031】
次いでステップS06に進み、ドアキックが行われたか否かがチェックされ、ドアキックが行われたことが検知されるとステップS07に進み、ドアが所定の開度に開かれたか否かがチェックされ,ドアの開度が不十分とされたときは、ゲームは終了し、ステップS01に戻るが、ドアが充分に開かれたとされたときは、S08に進み、ドアキック力が算出され、S09でキック力のパラメーターが算出され、そのパラメーターに応じて演出画面が選択され、ステップS11でメインディスプレイに選択された格闘場面が表示される。この演出画面はパラメーター毎に複数用意しておき、ランダムに選んで採用することが望ましい。
【0032】
次いで、S12に進み、上記メインディスプレイの格闘場面表示が予め定められた表示時間だけ行われたかどうかがチェックされる。
表示時間が終了したときはステップS13に進み、ドアの閉鎖とロックが行われ、S14でゲームは終了となり、ステップS01戻る。
而して、上記の格闘場面としては、相手キャラクターが打ち倒されるシーンとしたり、プレイヤーのアバターとの格闘若しくは戦闘場面などとしたりすることができる。
【0033】
尚本発明の構成は、上場の実施例のみに限定されるものではなく、上記に記載から様々な変更例が容易に着想し得るものであり、本発明はそれら全ての変更例を包摂するものである。
例えば、筐体は、完全な閉空間を形成する建物乃至は部屋の形状でなく、天井のない単なる囲いや、塀などであっても良く、そのドアは、例示された片開きの他、観音開きのものとすることもでき、ゲーム入力装置も料金徴収用のコイン投入口やコイン鑑別装置などを備えたものとしたり、或は、プレイヤーが予めゲームサイトに登録された携帯電話を翳してゲームが可能となるようなものとしたりすることができ、ゲーム入力装置そのものもゲーム機の筐体と一体にすることもでき、ゲーム入力用のタッチパネルも複数の押しボタンなどから成るものとすることができ、ドアキック力の検出方法、ドアの開閉制御方法も、広く公知の部材を用いて設計変更することができ、又、
図5に示したフローチャートの構成も自由に設計変更し得るものであって、これら全ての変更例は全て本発明に包摂されるものである。