【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の軒先換気構造では、第一の化粧板と第二の化粧板との端部同士が第二の化粧板を上にしてオーバーラップするとともに、両化粧板の端部間に通気用隙間に連通する第二の通気用隙間が形成されているが、この第二の通気用隙間の近傍に位置する第一の化粧板が水平となっているので、第二の通気用隙間を通り抜けた埃や虫等が水平な化粧板に滞留し易い。かかる場合、滞留した埃や虫等によって第二の通気用隙間が目詰まりして、その結果換気性能が低下するおそれがあった。換気性能が低下した場合、第二の通気用隙間やその近傍を清掃する必要があるのでその清掃作業に手間がかかる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、換気性能の低下を防止できる軒先換気構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば
図1〜
図3に示すように、屋根1の軒先側に鼻隠し4が設けられ、この鼻隠し4と建物の外壁10との間が軒天井15によって覆われ、この軒天井15の先端と前記鼻隠し4の下端との間に通気用隙間20が設けられた軒先換気構造において、
前記鼻隠し4の下面および前記軒天井15の先端部の下面が化粧部材21によって覆われており、
この化粧部材21が、前記鼻隠し4に取り付けられ、かつ鉛直な第1鉛直壁部22aを有する第1化粧部材22と、前記軒天井15の先端部の下面を覆い、かつ前記第1鉛直壁部22aと平行離間する鉛直な第2鉛直壁部23aを有する第2化粧部材23とを備え、
前記第1鉛直壁部22aと第2鉛直壁部23aとの間に下方に開口する空気導入用隙間30が少なくともその上端部を前記通気用隙間20に配置されて設けられ、
前記第2鉛直壁部23aに、前記通気用隙間20と前記空気導入用隙間30とを連通する連通穴32が形成され
ており、
前記第1化粧部材22は、前記鼻隠し4の屋外側を向く側面を覆って当該側面に固定された外側壁部22bと、この外側壁部22bから下方に延出する断面凹形の延出部22cとを備え、この延出部22cの屋外側の壁部が前記外側壁部22bの延長上に形成され、前記延出部22cの屋内側の壁部が前記第1鉛直壁部22aとされ、
前記第2化粧部材23は、前記鼻隠し4の屋内側を向く下端部側面を覆って当該側面に固定された内側壁部23bと、この内側壁部23bの下方延長上に形成された前記第2鉛直壁部23aと、この第2鉛直壁部23aの下端に形成され、前記軒天井15の先端部と前記第2鉛直壁部23aとの間の隙間および前記軒天井15の先端部下面を覆う覆い部23cとを備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、空気導入用隙間30が鉛直な第1鉛直壁部22aと第2鉛直壁部23aとの間に設けられているので、この空気導入用隙間30には埃や虫等が滞留し難い。したがって、通気用隙間20と空気導入用隙間30とを連通する連通穴32に目詰まりが生じ難くなるので、換気性能の低下を防止できる。
【0009】
また、第1化粧部材22の外側壁部22bが鼻隠し4の屋外側を向く側面を覆って当該側面に固定されているので、第1化粧部材22を鼻隠し4に安定的に固定でき、さらに、外側壁部22bから下方に延出する断面凹形の延出部22cの屋内側の壁部が第1鉛直壁部22aとされているので、第1鉛直壁部22aを鼻隠し4の下側に容易に配置できる。
また、第2化粧部材23の内側壁部23bが鼻隠し4の屋内側を向く下端部側面を覆って当該側面に固定されているので、第2化粧部材23を鼻隠し4に安定的に固定でき、さらに、この内側壁部23bの下方延長上に第2鉛直壁部23aが形成されているので、第2鉛直壁部23aを第1鉛直壁部22aに対して容易に平行離間して配置できる。
また、第2鉛直壁部23aの下端に形成された覆い部23cによって、軒天井15の先端部と第2鉛直壁部23aとの間の隙間および軒天井15の先端部下面を確実に覆うことができる。
さらに、第1化粧部材22を取り外すことなく、第2化粧部材23および軒天井15を取り外して交換できるので、交換作業が容易となる。
【0010】
請求項
2に記載の発明は、請求項
1に記載の軒先換気構造において、
前記第1化粧部材22の第1鉛直壁部22aの上端に固定部22dが形成され、
この固定部22dが前記鼻隠し4の下面に固定されていることを特徴とする。
【0011】
請求項
2に記載の発明によれば、第1鉛直壁部22aの上端に形成された固定部22dが鼻隠し4の下面に固定されているので、第1鉛直壁部22aを鼻隠し4の下面に確実に固定でき、第1鉛直壁部22aが風等によってばたついたり、膨れることがない。
【0012】
請求項
3に記載の発明は、請求項1
または2に記載の軒先換気構造において、
前記第1鉛直壁部22aと第2鉛直壁部23aとの少なくともいずれか一方に、火災時に発泡して前記空気導入用隙間30を塞ぐ防火発泡材33が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項
3に記載の発明によれば、火災時において、防火発泡材33が発泡して、空気導入用隙間30を塞ぐので、空気導入用隙間30からの延焼を防止できる。
また、防火発泡材33が外部から見え難いので、外観性に優れたものとなる。
【0014】
請求項
4に記載の発明は、請求項1〜
3のいずれか一項に記載の軒先換気構造において、
前記第2鉛直壁部23aの下端は、前記第1鉛直壁部22aの下端より上方に位置していることを特徴とする。
【0015】
請求項
4に記載の発明によれば、第2鉛直壁部23aの下端が、第1鉛直壁部22aの下端より上方に位置しているので、下方から吹きあがる風(空気)Kが第2鉛直壁部23aの下端と、第1鉛直壁部22aの下端との間から斜めに空気導入用隙間30に入ったうえで、第1鉛直壁部22aで反射して第2鉛直壁部23aに向かうので、この空気を第2鉛直壁部23aに形成された連通穴32に容易に導くことができる。