【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成21年度、独立行政法人日本原子力研究開発機構、「新型炉等実証施設概念検討に関する設計」(契約番号2103C00569)に関する委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願。)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
新型の原子力発電プラントとして、現在、FBR(Fast Breeder Reactor:高速増殖炉)の実用化に向けて、FBR実用炉及びFBR実証施設の開発が進められている。
【0003】
そして、本願の発明者等はFBR発電プラントのFBR実用炉とFBR実証施設における水・蒸気系統の開発を行なっている。
図3には参考例として、FBR発電プラントの実証施設において従来計画されていた水・蒸気系統の構成概念を示す。また、
図4には従来計画の水・蒸気系統におけるタービン膨張線図(概念図)を示す。
【0004】
図3に示すとおり、従来計画の水・蒸気系統21における蒸気再加熱システムは、湿分分離加熱器2において、中圧蒸気タービン1の排気(湿り蒸気)を、高圧蒸気タービンからの抽気等により、再加熱して乾き蒸気(過熱蒸気)とした後、低圧蒸気タービン4へ供給する構成のものであった。
【0005】
詳述すると、
図3に示すように、FBR発電プラントは、ナトリウムループである1次ナトリウム系統5と2次ナトリウム系統6を有している。1次ナトリウム系統5では、中間熱交換器7に内蔵されている1次系ポンプ(図示省略)の作動により、冷却材である液体金属ナトリウムが、炉心8が収容されている原子炉容器9と中間熱交換器7との間で循環する。2次ナトリウム系統6では、2次系ポンプ10の作動により、冷却材である液体金属ナトリウムが、中間熱交換器7と蒸気発生器11との間で循環する。
【0006】
このとき中間熱交換器7では、炉心8を冷却して高温になった1次ナトリウム系統5の液体金属ナトリウムと、2次ナトリウム系統6の液体金属ナトリウムとの熱交換が行われる。そして、蒸気発生器11では、水・蒸気系統21から供給される給水を、2次ナトリウム系統6の液体金属ナトリウムによって加熱することにより、高温・高圧の水蒸気である乾き蒸気(過熱蒸気)を生成する。
【0007】
水・蒸気系統21に配設されているタービン設備22は、高圧蒸気タービン3と中圧蒸気タービン1と低圧蒸気タービン4と発電機23とを有しており、これらの蒸気タービン1,3,4及び発電機23が共通の回転軸12によって結合されている。また、低圧蒸気タービン4の下側には復水器28が配設されている。
【0008】
水・蒸気系統21の構成について更に詳述すると、蒸気発生器11の蒸気出口11aは、主蒸気配管24を介して高圧蒸気タービン3の蒸気入口3aに接続されている。主蒸気配管24には上流側から順に蒸気発生器出口弁70、主蒸気止め弁25、蒸気加減弁26などが設けられている。主蒸気止め弁25の上流側では、タービンバイパス配管27が主蒸気配管24から分岐されている。タービンバイパス配管27は、タービン設備22(蒸気タービン1,3,4)をバイパスして復水器28の蒸気入口28aに接続されている。タービンバイパス配管27にはタービンバイパス弁29などが設けられている。
【0009】
復水器28の復水出口28bには、復水配管51の一端側が接続され、復水配管51の他端側には、脱気器41の一端側が接続されている。脱気器41の脱気器タンク41Bには、給水配管52の一端側が接続され、給水配管52の他端側は、蒸気発生器11の給水入口11bに接続されている。復水配管51には、上流側から順に復水ポンプ53、グランド蒸気復水器54、復水ブースタポンプ55、第1低圧給水加熱器56、第2低圧給水加熱器57、第3低圧給水加熱器58、第4低圧給水加熱器59、脱気器41が設けられている。給水配管52には、上流側から順に給水ブースタポンプ60、主給水ポンプ61、第1高圧給水加熱器44、第2高圧給水加熱器45、蒸気発生器入口弁71が設けられている。
【0010】
復水器28の下部のホットウエル28cに貯留されている復水(凝縮水)は、復水ポンプ53及び復水ブースタポンプ55の作動により、復水配管51を介して脱気器41へ送られ、更に給水ブースタポンプ60及び主給水ポンプ61の作動により、給水配管52を介して蒸気発生器11へ送られる。
【0011】
第1〜第4の低圧給水加熱器56,57,58,59は、復水器28内に配設されている。脱気器41は脱気部41Aと、脱気器タンク41Bとを有している。
【0012】
高圧蒸気タービン3の蒸気出口3bは、配管30を介して中圧蒸気タービン1の蒸気入口1aに接続され、中圧蒸気タービン1の蒸気出口1bは、配管31を介して低圧蒸気タービン4の蒸気入口4aに接続されている。そして、配管31には上流側から順に湿分分離加熱器2、再加熱蒸気止め弁32、インターセプト弁33が設けられている。
【0013】
湿分分離加熱器2の抽気入口2a,2bは、高圧蒸気タービン3の抽気口3cより取り出される抽気配管34から分岐された抽気配管34a,34bに接続され、湿分分離加熱器2の抽気入口2c,2dは、配管30より取り出された抽気配管35から分岐された抽気配管35a,35bに接続されている。また、湿分分離加熱器2のドレン出口2g,2hは、ドレン配管37a,37bから配管37を介して第2高圧給水加熱器45のドレン入口45aに接続され、湿分分離加熱器2のドレン出口2e,2fは、ドレン配管36a,36bから、ドレン配管36を介して第1高圧給水加熱器44のドレン入口44aに接続されている。
【0014】
ドレン配管36には第1段ドレンタンク39が設けられ、ドレン配管37には第2段ドレンタンク40が設けられている。また、湿分分離加熱器2のドレン出口2iは、ドレン配管38を介して脱気器タンク41Bのドレン入口41B−1に接続されている。ドレン配管38には上流側から順に湿分分離器ドレンタンク42、湿分分離器ドレンポンプ43が設けられている。
【0015】
第2高圧給水加熱器45のドレン出口45bは、ドレン配管62を介して第1高圧給水加熱器44のドレン入口44bに接続され、第1高圧給水加熱器44のドレン出口44cは、ドレン配管63を介して脱気部41Aのドレン入口41A−1に接続されている。また、中圧蒸気タービン1の抽気口1cは、抽気配管80を介して第1高圧給水加熱器44の抽気入口44dに接続されている。中圧蒸気タービン1の蒸気出口1bは、配管31及び配管31から分岐された抽気配管81を介して脱気部41Aの抽気入口41A−2にも接続されている。
【0016】
低圧蒸気タービン4の抽気口4b,4c,4d,4eは、抽気配管64,65,66,67を介して第1〜第4の低圧給水加熱器56,57,58,59の抽気入口56a,57a,58a,59aにそれぞれ接続されている。第4低圧給水加熱器59のドレン出口59bは、ドレン配管68を介して第3低圧給水加熱器58のドレン入口58bに接続され、第3低圧給水加熱器58のドレン出口58cは、ドレン配管69を介して第2低圧給水加熱器57のドレン入口57bに接続されている。
【0017】
第1低圧給水加熱器56のドレン出口56bと第2低圧給水加熱器57のドレン出口57cは、それぞれドレン配管72,73を介して低圧給水加熱器ドレンタンク74のドレン入口74b,74aにそれぞれ接続されている。低圧給水加熱器ドレンタンク74のドレン出口74cは、ドレン供給管75を介して第1低圧給水加熱器56と第2低圧給水加熱器57の間の復水配管51に接続されている。ドレン供給管75には低圧給水加熱器ドレンポンプ76が設けられている。また、ドレン供給管75から分岐されて復水器28に接続された配管77には、ドレン弁78が設けられている。低圧給水加熱器ドレンタンク74、低圧給水加熱器ドレンポンプ76などによって、ヒータドレンアップシステム79が構成されている。
【0018】
このような構成の水・蒸気系統21において、蒸気発生器11で生成された乾き蒸気(過熱蒸気)である主蒸気は、主蒸気配管24を介して高圧蒸気タービン3へ供給されることにより、高圧蒸気タービン3を回転させる。
図4のタービン膨張線図におけるa1部が、このときの高圧蒸気タービン3における蒸気の状態変化を示す膨張線図である。高圧蒸気タービン3から排気された乾き蒸気は、配管30を介して中圧蒸気タービン1へ供給され、中圧蒸気タービン1を回転させる。
図4のタービン膨張線図におけるa2部が、このときの中圧蒸気タービン1における蒸気の状態変化を示す膨張線図である。このときに蒸気は飽和蒸気線よりも上側の乾き蒸気状態から、飽和蒸気線よりも下側の湿り蒸気状態へ変化する。
【0019】
そして、中圧蒸気タービン1から排気された湿り蒸気は、配管31を介して湿分分離加熱器2に流入し、この湿分分離加熱器2で再加熱されて再び乾き蒸気になる。
図4のタービン膨張線図におけるa3部が、このときの湿分分離加熱器2における蒸気の状態変化を示す膨張線図であり、蒸気は飽和蒸気線よりも下側の湿り蒸気状態から、飽和蒸気線よりも上側の乾き蒸気状態へ変化する。湿分分離加熱器2で生成された乾き蒸気は、配管31を介して低圧蒸気タービン4へ供給されることにより、低圧蒸気タービン4を回転させる。
図4のタービン膨張線図におけるa4部が、このときの低圧蒸気タービン4における蒸気の状態変化を示す膨張線図であり、このときに蒸気は飽和蒸気線よりも上側の乾き蒸気状態から、飽和蒸気線よりも下側の湿り蒸気状態へ変化する。発電機23は、蒸気タービン1,3,4によって回転駆動されることにより、発電する。
【0020】
低圧蒸気タービン4から排気された湿り蒸気は、海水系統(図示省略)から供給され、復水器28内の冷却管(図示省略)内に通水される海水によって冷却されることにより、凝縮水(復水)となって、復水器28のホットウエル28cに貯留される。
【0021】
第1〜第4の低圧給水加熱器56,57,58,59では、復水配管51を介して供給される復水を、低圧蒸気タービン4から抽気配管64,65,66,67を介してそれぞれに供給される抽気により、加熱する。第4低圧給水加熱器59において前記抽気の凝縮により生じるドレン(凝縮水)は、ドレン配管68を介して第3低圧給水加熱器58へ供給される。第3低圧給水加熱器58では、第4低圧給水加熱器59から供給される前記ドレンによっても、前記給水を加熱する。更に、この給水加熱後のドレン、及び第3低圧給水加熱器58において前記抽気の凝縮により生じたドレン(凝縮水)は、ドレン配管69を介して第2低圧給水加熱器57へ供給される。
【0022】
第2低圧給水加熱器57では、第3低圧給水加熱器58から供給される前記ドレンによっても、前記給水を加熱する。この給水加熱後のドレンは、ドレン配管73を介して低圧給水加熱器ドレンタンク74へ供給され、貯留される。また、第1低圧給水加熱器56において前記抽気の凝縮により生じるドレン(凝縮水)も、ドレン配管72を介して低圧給水加熱器ドレンタンク74へ供給され、貯留される。低圧給水加熱器ドレンタンク74の貯留水は、低圧給水加熱器ドレンポンプ76の作動により、第1低圧給水加熱器56と第2低圧給水加熱器57の間で復水配管51に供給されることにより、復水配管51を流れる復水に混合される。
【0023】
一方、湿分分離加熱器2では、中圧蒸気タービン1から排気された湿り蒸気から湿分を分離し、この湿分分離後の蒸気を、湿分分離加熱器2に内蔵されている第1段加熱器と第2段加熱器(図示省略)において、高圧蒸気タービン3から抽気配管34,34a,34bを介して供給される抽気と、配管30から抽気配管35,35a,35bを介して供給される抽気とにより、再加熱することによって乾き蒸気(過熱蒸気)を生成する。このときに湿分分離加熱器2において前記抽気の凝縮により生じるドレン(凝縮水)は、ドレン配管36a,36b,36及び第1段ドレンタンク39を介して第1高圧給水加熱器44へ供給され、且つ、ドレン配管37a,37b,37及び第2段ドレンタンク40を介して第2高圧給水加熱器45へも供給される。
【0024】
また、湿分分離加熱器2で前記湿り蒸気から分離された湿分(ドレン)は、湿分分離器ドレンポンプ43の作動により、ドレン配管38及び湿分分離器ドレンタンク42を介して脱気器タンク41Bへ供給され、貯留される。
【0025】
第2高圧給水加熱器45では、給水配管52を介して供給される給水を、配管30から抽気配管35を介して供給される抽気と、湿分分離加熱器2からドレン配管37a,37b,37及び第2段ドレンタンク40を介して供給される前記ドレンによって、加熱する。その後、前記抽気及び前記ドレンの凝縮によって生じるドレン(凝縮水)は、ドレン配管62を介して第1高圧給水加熱器44へ供給される。第1高圧給水加熱器44では、給水配管52を介して供給される給水を、中圧蒸気タービン1から抽気配管80を介して供給される抽気と、第2高圧給水加熱器45から供給される前記ドレンと、湿分分離加熱器2からドレン配管36a,36b,36及び第1段ドレンタンク39を介して供給される前記ドレンによって、加熱する。その後、前記抽気及び前記ドレンの凝縮によって生じるドレン(凝縮水)は、ドレン配管63を介して脱気部41Aへ供給される。
【0026】
脱気部41Aでは、復水配管51を介して供給される復水を、中圧蒸気タービン1の配管31から抽気配管81を介して供給される抽気と、第1高圧給水加熱器44から供給される前記ドレンで加熱することにより、脱気する。脱気部41Aで脱気された前記復水と、加熱脱気後の前記抽気の凝縮により生じるドレン(凝縮水)及び前記ドレンは、脱気器タンク41Bに貯留される。脱気器タンク41Bの貯留水は、給水ブースタポンプ60及び主給水ポンプ61の作動により、給水配管52を介して蒸気発生器11に供給される。
【0027】
次に、
図5及び
図6に基づいて、従来の蒸気再加熱システムを備えた一般的な火力発電プラントの系統概要を説明する。
図5には従来の蒸気再加熱システムを備えた一般的な火力発電プラントの系統構成の概要を示し、
図6には前記火力発電プラントの系統構成におけるタービン膨張線図(概念図)を示す。
【0028】
図5に示すように、ボイラ91内には蒸気発生器92と再加熱器93が設けられている。復水ポンプ及び給水ポンプ(図示省略)の作動により、復水器94のホットウエル94aに貯留されている復水が、復水配管95及び給水配管96を介して蒸気発生器92に供給される。蒸気発生器92では、この供給された復水(給水)を、ボイラ91のバーナ(図示省略)の燃焼ガスで加熱することにより、高温・高圧の水蒸気である乾き蒸気(過熱蒸気)を生成する。
【0029】
蒸気発生器92で生成された乾き蒸気である主蒸気は、主蒸気配管97を介して高圧蒸気タービン98へ供給されることにより、高圧蒸気タービン98を回転させる。
図6のタービン膨張線図におけるb1部が、このときの高圧蒸気タービン98における蒸気の状態変化を示す膨張線図である。そして、高圧蒸気タービン98から排気された乾き蒸気は、配管99を介してボイラ91内へ導かれ、再加熱器93に供給される。再加熱器93では、この供給された乾き蒸気を、ボイラ91のバーナの燃焼ガスで再加熱する。
図6のタービン膨張線図におけるb2部が、このときの再加熱器93における蒸気の状態変化を示す膨張線図である。
【0030】
再加熱器93で再加熱された乾き蒸気は、配管99を介して中圧蒸気タービン100へ供給されることにより、中圧蒸気タービン100を回転させる。
図6のタービン膨張線図におけるb3部が、このときの中圧蒸気タービン100における蒸気の状態変化を示す膨張線図である。即ち、中圧蒸気タービン100は乾き蒸気域での運転となる。
【0031】
中圧蒸気タービン100から排気された乾き蒸気は、配管101を介して低圧蒸気タービン102へ供給されることにより、低圧蒸気タービン102を回転させる。
図6のタービン膨張線図におけるb4部が、このときの低圧蒸気タービン102における蒸気の状態変化を示す膨張線図であり、このときに蒸気は飽和蒸気線よりも上側の乾き蒸気状態から、飽和蒸気線よりも下側の湿り蒸気状態へ変化する。発電機103は、蒸気タービン98,100,102によって回転駆動されることにより、発電する。
【0032】
低圧蒸気タービン102から排気された湿り蒸気は、海水系統(図示省略)から復水器94内の冷却管(図示省略)に通水される海水によって冷却されることにより、凝縮水(復水)となって復水器94のホットウエル94aに貯留される。
【0033】
なお、原子力発電プラントの水・蒸気系統が開示されている先行技術文献としては、例えば次のものがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0035】
上記の如く、従来計画の水・蒸気系統21における蒸気再加熱システムは、湿分分離加熱器2において、中圧蒸気タービン1の排気(湿り蒸気)を、高圧蒸気タービンからの抽気等により、再加熱して乾き蒸気(過熱蒸気)とした後、低圧蒸気タービン4へ供給する構成のものであった。また、プラント熱効率を向上させるため、従来計画の水・蒸気系統21には、低圧給水加熱器ドレンタンク74や低圧給水加熱器ドレンポンプ76などによって構成されたヒータドレンアップシステム79も、装備されている。
【0036】
一方、FBR発電プラントの主蒸気条件は、亜臨界火力発電プラントの主蒸気条件と同等である。従って、FBR発電プラントの蒸気タービンには、プラント熱効率や機器の信頼性などの観点から、できるだけ、実績のある火力発電プラントの蒸気タービンを採用することが望ましい。また、この火力発電プラントの蒸気タービンの採用は、現在計画されているFBR発電プラントの実証施設の竣工時期が比較的早いことからも、望ましい。
【0037】
しかしながら、上記の如く、火力発電プラントの蒸気再加熱システムは、高圧蒸気タービン98から排気された乾き蒸気を、ボイラ91内へ導き、再加熱器93において、ボイラ91のバーナの燃焼ガスにより再加熱した後、中圧蒸気タービン100へ供給する方式のものが一般的であり、蒸気の再加熱ポイントが、FBR発電プラントの水・蒸気系統21における蒸気再加熱システムとは異なっている。即ち、火力発電プラントの蒸気再加熱システムでは高圧蒸気タービン98の排気(乾き蒸気)を再加熱するのに対して、FBR発電プラントの蒸気再加熱システムでは中圧蒸気タービン1の排気(湿り蒸気)を再加熱する。
【0038】
このような蒸気再加熱ポイントの相違により、FBR発電プラントの中圧蒸気タービン1の蒸気条件(主として蒸気の温度及び湿り度)は、火力発電プラントの中圧蒸気タービン100の蒸気条件と異なる。従って、火力発電プラントの中圧蒸気タービン100を単にFBR発電プラントの中圧蒸気タービン1に適用することはできず、湿り蒸気領域に適した中圧蒸気タービン1の詳細検討が必要である。
【0039】
このため、FBR発電プラントにおける蒸気再加熱ポイントを、中圧蒸気タービン1の排気から高圧蒸気タービン3の排気に変更することにより、中圧蒸気タービン1を、火力発電プラントの中圧蒸気タービン100と同様の乾き蒸気領域(
図6のタービン膨張線図におけるb3部参照)で運転することができるようにすること望ましい。
【0040】
しかし、火力発電プラントでは蒸気の熱源が燃焼ガスであるのに対して、FBR発電プラントでは蒸気の熱源が液体金属ナトリウムである。従って、火力発電プラントと同等の蒸気再加熱システムをFBR発電プラントで実現するには、液体金属ナトリウムによって蒸気を再加熱する再加熱器を、蒸気発生器11の部分に設けることが必要であるため、蒸気発生器11の大幅な設計変更が必要になる。このため、火力発電プラントと同等の蒸気再加熱システムをFBR実証施設に採用することは非常に困難であり、現実的ではない。
【0041】
また、従来計画の水・蒸気系統21は、抽気配管34,34a,34b,35,35a,35bやドレン配管36,36a,36b,37,37a,37b,38などを要する複雑な構成の湿分分離加熱器2や、ヒータドレンアップシステム79などを備えているため、系統全体の構成も複雑なものなっている。
【0042】
従って本発明は上記の事情に鑑み、蒸気の再加熱を蒸気発生器又はボイラなどで行うことが困難なプラントにおいて、中圧蒸気タービンの運転を乾き蒸気領域で実現し、且つ、できるだけ簡素な系統構成とすることができる発電プラントの蒸気再加熱システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0043】
上記課題を解決する本発明の発電プラントの蒸気再加熱システムは、蒸気発生器で発生した
高温かつ高圧の過熱蒸気である主蒸気を高圧蒸気タービンに供給し、この高圧蒸気タービンの排気を中圧蒸気タービンに供給し、この中圧蒸気タービンの排気を低圧蒸気タービンに供給するように構成された発電プラントに装備されている蒸気再加熱システムであって、
湿分分離機能を備えない蒸気再加熱手段を有し、
蒸気の再加熱を蒸気発生器又はボイラで行うことなく、この蒸気再加熱手段において、前記高圧蒸気タービンから排気された乾き蒸気を、前記蒸気発生器で発生した前記主蒸気の一部によって加熱した後、前記中圧蒸気タービンに供給することにより、前記中圧蒸気タービンが乾き蒸気領域での運転となるように
するとともに、
前記蒸気再加熱手段によって発生した高圧のドレンを熱回収するためのシステムを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0044】
本発明の発電プラントの蒸気再加熱システムによれば、蒸気発生器で発生した
高温かつ高圧の過熱蒸気である主蒸気を高圧蒸気タービンに供給し、この高圧蒸気タービンの排気を中圧蒸気タービンに供給し、この中圧蒸気タービンの排気を低圧蒸気タービンに供給するように構成された発電プラントに装備されている蒸気再加熱システムであって、
湿分分離機能を備えない蒸気再加熱手段を有し、
蒸気の再加熱を蒸気発生器又はボイラで行うことなく、この蒸気再加熱手段において、前記高圧蒸気タービンから排気された乾き蒸気を、前記蒸気発生器で発生した前記主蒸気の一部によって加熱した後、前記中圧蒸気タービンに供給することにより、前記中圧蒸気タービンが乾き蒸気領域での運転となるように
するとともに、前記蒸気再加熱手段によって発生した高圧のドレンを熱回収するためのシステムを有することを特徴としているため、FBR発電プラントで課題としていた乾き蒸気領域での中圧蒸気タービンの運転を実現することができる。このため、蒸気発生器の設計変更などを要することなく、実績のある火力発電プラントの蒸気タービンの適用が可能になる。
また、乾き蒸気領域で中圧蒸気タービンの運転を行うことによって、プラント熱効率が改善される。このため、発電プラントの発電電力を増加させることができる。或いは、発電電力を増加させる必要がない場合には、原子炉やボイラの熱出力を低減することができる。
また、従来計画の水・蒸気系統が有していた複雑な抽気配管やドレン配管などを要する湿分分離加熱器やヒータドレンアップシステムを削減し、抽気系統やドレン系統の合理化を図ることができるため、従来計画の水・蒸気系統に比べて、水・蒸気系統の構成を簡素化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0047】
図1に示すとおり、本発明の実施の形態例に係るFBR発電プラントの水・蒸気系統111における蒸気再加熱システムは、蒸気再加熱手段としての高圧蒸気加熱器113を有し、この高圧蒸気加熱器113において、高圧蒸気タービン112の排気(乾き蒸気)を、蒸気発生器115で生成した乾き蒸気(過熱蒸気)である主蒸気の一部によって加熱した後、中圧蒸気タービン114に供給することにより、中圧蒸気タービン114が乾き蒸気領域での運転となるようにしたこと特徴とするものである。
【0048】
また、本実施の形態例の水・蒸気系統111は、給水加熱手段である第1高圧給水加熱器136及び第2高圧給水加熱器137において、蒸気発生器115へ供給する給水を、高圧蒸気加熱器113で前記乾き蒸気の再加熱に使用した前記主蒸気のドレン(凝縮水)により、加熱することによって、このドレンの熱を回収する熱回収システムも有している。
【0049】
詳述すると、
図1に示すように、本実施の形態例のFBR発電プラントは、ナトリウムループである1次ナトリウム系統121と2次ナトリウム系統122を有している。1次ナトリウム系統121では、中間熱交換器123に内蔵されている1次系ポンプ(図示省略)の作動により、冷却材である液体金属ナトリウムが、炉心124が収容されている原子炉容器125と中間熱交換器123との間で循環する。2次ナトリウム系統122では、2次系ポンプ126の作動により、冷却材である液体金属ナトリウムが、中間熱交換器123と蒸気発生器115との間で循環する。
【0050】
このときに中間熱交換器123では、炉心124を冷却して高温になった1次ナトリウム系統121の液体金属ナトリウムと、2次ナトリウム系統122の液体金属ナトリウムとの熱交換が行われる。そして、蒸気発生器115では、水・蒸気系統111から供給される給水を、2次ナトリウム系統122の液体金属ナトリウムによって加熱することにより、高温・高圧の水蒸気である乾き蒸気(過熱蒸気)を生成する。
【0051】
水・蒸気系統111に配設されているタービン設備131は高圧蒸気タービン112と中圧蒸気タービン114と低圧蒸気タービン132と発電機133とを有しており、これらの蒸気タービン112,114,132及び発電機133が共通の回転軸134によって結合されている。また、低圧蒸気タービン132の下側には復水器135が配設されている。
【0052】
水・蒸気系統111の構成について更に詳述すると、蒸気発生器115の蒸気出口115aは、主蒸気配管138を介して高圧蒸気タービン112の蒸気入口112aに接続されている。主蒸気配管138には上流側から順に蒸気発生器出口弁139、主蒸気止め弁140、蒸気加減弁141が設けられている。主蒸気止め弁140の上流側では、タービンバイパス配管142が主蒸気配管138から分岐されている。タービンバイパス配管142は、タービン設備131(蒸気タービン112,114,132)をバイパスして復水器135の蒸気入口135aに接続されている。タービンバイパス配管142にはタービンバイパス弁143が設けられている。
【0053】
復水器135の復水出口135bには、復水配管144の一端側が接続され、復水配管144の他端側には、脱気器153の一端側が接続されている。脱気器153の脱気器タンク153Bには給水配管145の一端側が接続され、給水配管145の他端側は、蒸気発生器115の給水入口115bに接続されている。復水配管144には、上流側から順に復水ポンプ146、グランド蒸気復水器147、復水ブースタポンプ148、第1低圧給水加熱器149、第2低圧給水加熱器150、第3低圧給水加熱器151、第4低圧給水加熱器152、脱気器153が設けられている。給水配管145には、上流側から順に給水ブースタポンプ154、主給水ポンプ155、第1高圧給水加熱器136、第2高圧給水加熱器137、蒸気発生器入口弁156が設けられている。
【0054】
復水器135の下部のホットウエル135cに貯留されている復水(凝縮水)は、復水ポンプ146及び復水ブースタポンプ148の作動により、復水配管144を介して脱気器153へ送られ、更に給水ブースタポンプ154及び主給水ポンプ155の作動により、給水配管145を介して蒸気発生器115へ送られる。
【0055】
第1〜第4の低圧給水加熱器149,150,151,152は、復水器135内に配設されている。脱気器153は脱気部153Aと、脱気器タンク153Bとを有している。
【0056】
高圧蒸気タービン112の蒸気出口112bは、配管157を介して中圧蒸気タービン114の蒸気入口114aに接続され、中圧蒸気タービン114の蒸気出口114bは、配管158を介して低圧蒸気タービン132の蒸気入口132aに接続されている。そして、配管157には上流側から順に高圧蒸気加熱器113、再加熱蒸気止め弁159、インターセプト弁160が設けられている。
【0057】
また、タービンバイパス配管142の分岐部の上流側では、主蒸気分流配管161が主蒸気配管138から分岐されている。主蒸気分流配管161の下流側端部は、高圧蒸気加熱器113内に設けられている加熱管113aの入口側端部113a−1に接続されている。加熱管113aの出口側端部113a−2は、ドレン配管162を介して第2高圧給水加熱器137のドレン入口137aに接続されている。ドレン配管162には高圧蒸気加熱器ドレンタンク175が設けられている。
【0058】
第2高圧給水加熱器137のドレン出口137bは、ドレン配管165を介して第1高圧給水加熱器136のドレン入口136bに接続され、第1高圧給水加熱器136のドレン出口136cは、ドレン配管166を介して脱気部153Aのドレン入口153A−2に接続されている。また、中圧蒸気タービン114の抽気口114cは、抽気配管163を介して第1高圧給水加熱器136の抽気入口136aに接続されている。中圧蒸気タービン114の蒸気出口114dは、抽気配管164を介して脱気部153Aの抽気入口153A−1に接続されている。
【0059】
低圧蒸気タービン132の抽気口132b,132c,132d,132eは、抽気配管167,168,169,170を介して第1〜第4の低圧給水加熱器149,150,151,152の抽気入口149a,150a,151a,152aにそれぞれ接続されている。第4低圧給水加熱器152のドレン出口152bは、ドレン配管171を介して第3低圧給水加熱器151のドレン入口151bに接続され、第3低圧給水加熱器151のドレン出口151cは、ドレン配管172を介して第2低圧給水加熱器150のドレン入口150bに接続され、第2低圧給水加熱器150のドレン出口150cは、ドレン配管173を介して第1低圧給水加熱器149のドレン入口149bに接続されている。第1低圧給水加熱器149のドレン出口149cは、ドレン配管174を介して復水器135のホットウエル135cに通じている。
【0060】
このような構成の水・蒸気系統111において、蒸気発生器115で生成された乾き蒸気(過熱蒸気)である主蒸気は、主蒸気配管138を介して高圧蒸気タービン112へ供給されることにより、高圧蒸気タービン112を回転させる。
図2の太い実線で示したタービン膨張線図におけるc1部が、このときの高圧蒸気タービン112における蒸気の状態変化を示す膨張線図である。なお、
図2には太い実線で本実施の形態例の水・蒸気系統111におけるタービン膨張線図(概念図)を示し、細い実線で従来の水・蒸気系統21(
図3)におけるタービン膨張線図(概念図)を示している。
【0061】
そして、高圧蒸気タービン112から排気された乾き蒸気は、配管157を介して高圧蒸気加熱器113へ送られる。一方、蒸気発生器115で生成された主蒸気(乾き蒸気)の一部が、主蒸気配管138から主蒸気分流配管161へ分流され、主蒸気分流配管161を介して高圧蒸気加熱器113へ供給される。高圧蒸気加熱器113内では、主蒸気分流配管161を介して供給される主蒸気が加熱管113a内を流れる一方、高圧蒸気タービン112の排気(乾き蒸気)が加熱管113aの外側を流れる。その結果、前記主蒸気によって前記排気(乾き蒸気)が加熱される。
図2の太い実線で示したタービン膨張線図におけるc2部が、このときの高圧蒸気加熱器113における蒸気の状態変化を示す膨張線図である。
【0062】
本発明の蒸気再加熱システムでは、高圧蒸気タービン112から排気される乾き蒸気を再加熱するため、湿分分離機能は不要である。即ち、本発明の蒸気再加熱システムにおける蒸気再加熱手段(高圧蒸気加熱器113)は、湿分分離機能を介さない(高圧蒸気タービン112の排気に対して湿分分離を実施する必要のない)ものである。高圧蒸気タービン112の排気(乾き蒸気)は、湿分分離機能を介さずに直接、蒸気再加熱手段(高圧蒸気加熱器113)において加熱される。
【0063】
高圧蒸気加熱器113で再加熱された乾き蒸気は、配管157を介して中圧蒸気タービン114へ供給され、中圧蒸気タービン114を回転させる。
図2の太い実線で示したタービン膨張線図におけるc3部が、このときの中圧蒸気タービン114における蒸気の状態変化を示す膨張線図である。即ち、中圧蒸気タービン114は乾き蒸気領域での運転となる。
【0064】
中圧蒸気タービン114から排気された乾き蒸気は、配管158を介して低圧蒸気タービン132へ供給されることにより、低圧蒸気タービン132を回転させる。
図2の太い実線で示したタービン膨張線図におけるc4部が、このときの低圧蒸気タービン132おける蒸気の状態変化を示す膨張線図であり、このときに蒸気は飽和蒸気線よりも上側の乾き蒸気状態から、飽和蒸気線よりも下側の湿り蒸気状態へ変化する。発電機133は、蒸気タービン112,114,132によって回転駆動されることにより、発電する。
【0065】
低圧蒸気タービン132から排気された湿り蒸気は、海水系統(図示省略)から復水器135内の冷却管(図示省略)に通水される海水によって冷却されることにより、凝縮水(復水)となって、復水器135のホットウエル135cに貯留される。
【0066】
第1〜第4の低圧給水加熱器149,150,151,152では、復水配管144を介して供給される復水を、低圧蒸気タービン132からの抽気配管167,168,169,170を介してそれぞれに供給される抽気により、加熱する。第4低圧給水加熱器152において前記抽気の凝縮により生じるドレン(凝縮水)は、ドレン配管171を介して第3低圧給水加熱器151へ供給される。第3低圧給水加熱器151では、第4低圧給水加熱器152から供給される前記ドレンによっても、前記給水を加熱する。更に、この給水加熱後のドレン、及び第3低圧給水加熱器151において前記抽気の凝縮により生じるドレン(凝縮水)は、ドレン配管172を介して第2低圧給水加熱器150へ供給される。
【0067】
第2低圧給水加熱器150では、第3低圧給水加熱器151から供給される前記ドレンによっても、前記給水を加熱する。この給水加熱後のドレンは、ドレン配管173を介して第1低圧給水加熱器149へ供給される。第1低圧給水加熱器149では、第2低圧給水加熱器150から供給される前記ドレンによっても、前記給水を加熱する。この給水加熱後のドレンは、ドレン配管174を介して復水器135のホットウエル135cに排出される。
【0068】
一方、高圧蒸気加熱器113では主蒸気が、高圧蒸気タービン112の排気(乾き蒸気)との熱交換により、凝縮してドレン(凝縮水)となる。このドレンは、ドレン配管162を介して高圧蒸気加熱器ドレンタンク175へ送られて、一旦、高圧蒸気加熱器ドレンタンク175に貯留された後、ドレン配管162を介して第2高圧給水加熱器137へ供給される。
【0069】
第2高圧給水加熱器137では、給水配管145を介して供給される給水を、高圧蒸気加熱器113から供給される前記ドレンにより、加熱する。その後、このドレンは、ドレン配管165を介して第1高圧給水加熱器136へ供給される。第1高圧給水加熱器136では、給水配管145を介して供給される給水を、中圧蒸気タービン114から抽気配管163を介して供給される抽気と、第2高圧給水加熱器137から供給される前記ドレンとによって、加熱する。その後、前記抽気の凝縮によって生じるドレン(凝縮水)及び前記ドレンは、ドレン配管166を介して脱気部153Aへ供給される。
【0070】
脱気部153Aでは、復水配管144を介して供給される復水を、中圧蒸気タービン114から抽気配管164を介して供給される抽気と、第1高圧給水加熱器136から供給される前記ドレンとで加熱することにより、脱気する。脱気部153Aで脱気された前記復水及び加熱脱気後に前記抽気の凝縮によって生じるドレン(凝縮水)と、前記ドレンは、脱気器タンク153Bに貯留される。脱気器タンク153Bの貯留水は、給水ブースタポンプ154及び主給水ポンプ155の作動により、給水配管145を介して蒸気発生器115に供給される。
【0071】
以上のことから、本実施の形態例のFBR発電プラントの蒸気再加熱システムによれば、蒸気発生器115で発生した乾き蒸気である主蒸気を高圧蒸気タービン112に供給し、この高圧蒸気タービン112の排気を中圧蒸気タービン114に供給し、この中圧蒸気タービン114の排気を低圧蒸気タービン132に供給するように構成されたFBR発電プラントに装備されている蒸気再加熱システムであって、蒸気再加熱手段として高圧蒸気加熱器113を有し、この高圧蒸気加熱器113において、高圧蒸気タービン112から排気された乾き蒸気を、蒸気発生器115で発生した主蒸気の一部によって加熱した後、中圧蒸気タービ
ン114に供給することにより、中圧蒸気タービン114が乾き蒸気領域での運転となるようにしたことを特徴としているため、FBR発電プラントで課題としていた乾き蒸気領域での中圧蒸気タービンの運転を実現することができる。このため、蒸気発生器115の設計変更などを要することなく、実績のある火力発電プラントの蒸気タービンの適用が可能になる。
また、乾き蒸気領域で中圧蒸気タービン114の運転を行うことによって、プラント熱効率が改善される。このため、FBR発電プラントの発電電力を増加させることができる。或いは、発電電力を増加させる必要がない場合には、原子炉の熱出力を低減することができる。
また、従来計画(
図3)の水・蒸気系統21が有していた複雑な抽気配管34a,34b,34,35a,35b,35やドレン配管36a,36b,36,37a,37b,37,38などを要する湿分分離加熱器2や、ヒータドレンアップシステム79などを削減し、抽気系統やドレン系統の合理化を図ることができるため、従来計画の水・蒸気系統21に比べて、水・蒸気系統111の構成を簡素化することができる。なお、
図3に示す湿分分離加熱器2では高圧蒸気タービン3の抽気と排気の2段で蒸気再加熱を行うのに対して、本実施の形態例では主蒸気の1段で蒸気再加熱を行うため、1段分の抽気系統やドレン系統が削減されることになる。
【0072】
また、本実施の形態例のFBR発電プラントの蒸気再加熱システムによれば、給水加熱手段である第1高圧給水加熱器136及び第2高圧給水加熱器137において、蒸気発生器115へ供給する給水を、高圧蒸気加熱器113で乾き蒸気(高圧蒸気タービン112の排気)の再加熱に使用した主蒸気のドレンにより、加熱することによって、このドレンの熱を回収する熱回収システムを有しているため、主蒸気が保有している高エネルギーを、蒸気の再加熱に用いるだけでなく、給水加熱手段である第1高圧給水加熱器136及び第2高圧給水加熱器137において給水へ熱回収することができる。
【0073】
なお、本発明の蒸気再加熱システムは、必ずしもFBR発電プラントに限定するものではなく、FBR以外の原子力発電プラントにおいても、蒸気発生器で発生する主蒸気が乾き蒸気となるプラントであれば、適用することができる。例えば、新型の原子力発電プラントとして、現在、研究・開発が進められている高温ガス炉の発電プラントなどにも、本発明の蒸気再加熱システムを適用することができる。高温ガス炉発電プラントはヘリウムを冷却材として用いており、蒸気発生器において給水をヘリウムで加熱することにより、高温・高圧の乾き蒸気(過熱蒸気)を発生する。
更に、本発明の蒸気再加熱システムは、必ずしも原子力発電プラントに限定するものではなく、ボイラを用いた発電プラントにも適用することができる。例えば、火力発電プラントなどのボイラを用いた発電プラントにおいて、前記ボイラで蒸気の再加熱を行うことが困難な場合には、蒸気発生器ではボイラのバーナの燃焼ガスにより乾き蒸気(主蒸気)を生成する一方、蒸気(高圧蒸気タービンの排気)の再加熱については本発明の蒸気再加熱システムを適用すればよい。このことによって、ボイラでの蒸気再加熱が困難な発電プラントにおいても、中圧蒸気タービンを乾き蒸気領域で運転することができる。
【0074】
また、図示例の蒸気発生器115は、給水を加熱して飽和蒸気を生成する蒸発器の部分と、前記蒸発器の部分で生成した飽和蒸気を更に加熱して過熱蒸気を生成する過熱器の部分とが一体になったものであるが、これに限定するものではなく、本発明の水・蒸気系統は、前記蒸発器の部分と前記加熱器の部分が分離しているタイプの蒸気発生器を備えた発電プラントにも、適用することができる。
【0075】
また、低圧給水加熱器のドレンを、復水系統に回収するドレンアップシステムを設けることも可能であり、このドレンアップシステムによる低圧給水加熱器のドレン回収先は、復水配管又は復水器でもよい。