(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光ファイバー(13、14)が、前記放射光(9、24)を前記検出装置(10)に伝達する放射ファイバー(14)と、励起光(9)を前記試料(5)に伝達する励起ファイバー(13)とを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の機器(1)。
前記励起ファイバーおよび放射ファイバー(13、14)の前記第1の端部(15)が、少なくとも1つのプレート状の固定エレメント(16)によって固定され、前記励起ファイバーおよび放射ファイバー(13、14)の前記第2の端部(17)が、少なくとも1つの別のプレート状の固定エレメント(18、19)によって固定されている請求項4記載の機器(1)。
前記結合装置(12)が、前記試料(5)を収容する複数のウェル(4)を有するマルチウェルプレート(3)を覆って配置されるシールカバー(34)を加熱するためのカバーヒーター(64)を備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の機器(1)。
前記カバーヒーター(64)が、前記シールカバー(34)と物理的に接触するように構成される加熱されたプレート状の加熱部材(66)を含み、該加熱部材(66)が、前記光ファイバー(13、14)の前記第1の端部(15)を収容する複数の開口部(78)を備える請求項6記載の機器(1)。
前記開口部(78)が、前記加熱部材(66)が前記マルチウェルプレート(3)と接触する場合にキャビティーを形成するように構成され、該キャビティーが前記ウェル(4)間を互いに光学的に遮蔽するように適合されている請求項7または8記載の機器(1)。
前記加熱部材(66)が、前記ウェル(4)を前記レセプタクル(28)の凹部(33)に圧入するために、前記マルチウェルプレート(3)に機械的な力を加えるように構成される請求項7〜9のいずれか1項に記載の機器(1)。
前記光ファイバー(13、14)の前記端部(15、17)および検出装置(10)が、前記レセプタクル(28)を静止させた状態で該レセプタクル(28)に対して動かされる請求項12または13記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記に鑑みて、本発明の目的は、液体試料の正確な熱処理のための自動化された低コストの機器および方法を提供することであって、とりわけ、PCR、とりわけリアルタイムPCRによって得られる反応生成物の光学検出を行うことである。本発明のこれらおよびさらなる目的は、独立請求項および以下の記載による機器および方法によって達成される。本発明の好適な実施形態は従属請求項および以下の記載によって示される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、液体試料の自動熱処理のための新規な機器が提案される。いくつかの実施形態においては、機器はPCR、とりわけリアルタイムPCRの実行のために用いられている。とりわけいくつかの実施形態においてこの機器は、ハイブリダイゼーションプローブを伴うPCR、加水分解プローブを伴うPCR、インターカレーター色素を伴うPCR、対応するプローブを伴うリアルタイムPCR、および対応するDNAの蛍光レポーターおよび融解分析を伴う様々な等温増幅方法に用いられている。代表的な分析は試料中のウイルスやバクテリアなどの病原体の有無の検出であって、任意にはそれら病原体の濃度の検出、遺伝子型決定、発現プロファイルの測定など多数ある。
【0007】
いくつかの実施形態においてこの機器は、液体試料を収容する複数の容器を受け取るための、温度が制御されたレセプタクル(receptacle)を含む。このレセプタクルは、容器中に収容される試料がレセプタクルと熱伝達を形成し、ユーザの特定の要求に応じて加熱または冷却されるように、装着される容器と熱伝達するように構成されている。
【0008】
いくつかの実施形態においてこの機器は、液体試料から放射される光を検出するために1つまたはそれ以上の検出器を備える検出装置を備え付けられた検出モジュールと、放射光を検出装置に伝達するために複数の光ファイバーを備える結合装置とを含み、ここで光ファイバーは第1および第2の端部を有し、いくつかの実施形態では、各光ファイバーの第1の端部および第2の端部は互いに対して固定されている。
【0009】
いくつかの実施形態においてこの検出モジュールはさらに、励起光を発生させる1つまたはそれ以上の光源を備える励起装置を含む。いくつかの実施形態において1つまたはそれ以上の検出器は、励起光に応じて液体試料から放射される光を検出するように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態においてこの機器はさらに移動機構を含み、これに限定されるわけではないが、容器、すなわち容器中に収容されている試料をレセプタクルに熱伝達させまたは熱伝達させないように容器をレセプタクルに装着し、またはレセプタクルから離脱させることができるように、また1つまたはそれ以上のレセプタクルに装着される容器に収容されている試料から光を検出できるように、結合装置およびレセプタクル間の距離を変更する結合装置および/またはレセプタクルを移動させるための自動移動機構である。いくつかの実施形態においてこの移動機構は、これらに限定されるわけではないが、案内機構に動作可能に結合される電気モーターまたは油圧または空気圧アクチュエータなどの制御可能なドライブを含み、案内機構はこれに限定されるわけではないが、結合装置およびレセプタクル間の距離を変更するために結合装置および/またはレセプタクルを自動的に移動させるラック・ピニオン機構である。
【0011】
いくつかの実施形態において移動機構は、レセプタクルを静止させた状態のまま結合装置を移動させるように構成される。いくつかの実施形態において移動機構は、検出モジュールを移動させるように構成される。またいくつかの実施形態において移動機構は、検出装置を静止させた状態のまま結合装置を移動させるように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態において光ファイバーは、以下「放射ファイバー」と称される、放射光を検出装置に伝達する第1のファイバーと、以下「励起ファイバー」と称される、励起光を試料に伝達する、第1のファイバーとは異なる第2のファイバーとを含む。いくつかの実施形態において、励起ファイバーおよび放射ファイバーの第1の端部は、少なくとも1つのプレート状の固定エレメントによって固定されており、ここで励起ファイバーおよび放射ファイバーの第2の端部は、少なくとも1つの別のプレート状の固定エレメントによって固定されている。とりわけいくつかの実施形態では、励起ファイバーおよび放射ファイバーの第1の端部は1つの第1のプレート状の固定エレメントによって固定されており、励起ファイバーの第2の端部は1つの第2のプレート状の固定エレメントによって固定されており、放射ファイバーの第2の端部は1つの第3のプレート状の固定エレメントによって固定されている。
【0013】
いくつかの実施形態において結合装置は、試料を収容するために複数のウェルを有するマルチウェルプレートを覆って配置されるシールカバーを加熱するカバーヒーターを備え付けられている。いくつかの実施形態においてこのカバーヒーターは、シールカバーと物理接触するよう構成される加熱されたプレート状の加熱部材を含み、この加熱部材は光ファイバーの第1の端部を収容する開口部を複数備え付けられている。いくつかの実施形態において光ファイバーは、この熱部材から熱的に分離されている。いくつかの実施形態において開口部は、熱部材がマルチウェルプレートと接触する場合にキャビティーを形成するように構成され、このキャビティーはウェルを互いに光学的に遮断するように適合されている。いくつかの実施形態において開口部は、熱部材がマルチウェルプレートと接触する場合に閉鎖キャビティーを形成するように構成される。いくつかの実施形態において熱部材は、ウェルをレセプタクルの溝に圧入するために、マルチウェルプレート上に機械的な力を加えるよう構成される。
【0014】
いくつかの実施形態においてこの機器は、試料の熱処理のために機器を制御するように設定される制御装置を含む。いくつかの実施形態において、この制御装置は、プログラム可能な論理制御装置として構成され、これは液体試料の熱的に処理するための動作を行うための命令を備えた、機械で読み取り可能なプログラムを実行する。より詳細に記載すると、いくつかの実施形態において制御装置は、制御を必要とする構成要素に電気的に接続される。いくつかの実施形態において制御装置は、温度が制御されたレセプタクルおよび光ファイバーの第1の端部の間の距離を変更する工程を行うように設定される。いくつかの実施形態において制御装置は、レセプタクルを静止させたまま、レセプタクルに対して光ファイバーを移動させる工程を行うように設定される。いくつかの実施形態において制御装置は、レセプタクルを静止させたまま、レセプタクルに対して光ファイバーおよび検出装置を共通して移動させる工程を行うように設定される。またいくつかの実施形態において制御装置は、試料の蛍光検出を実行するように設計され、この検出は、少なくとも1つの光源、フィルターホイールの位置、1つまたはそれ以上の検出器の操作およびデータ処理の制御を含む。
【0015】
いくつかの実施形態において機器は、各光ファイバーの第2の端部が、1対1の関係で各光ファイバーの第1の端部に割り当てられるように、個々の光ファイバーの第1の端部および第2の端部の間のエンドツーエンド関係(マッピング)を記録する揮発性または不揮発性データ記録装置を含むか、またはアクセスしてもよい。マッピングはとりわけ、容器の光が受け取られる場所であるという点から、第1の端部の位置に関係し、これはすなわち、各光ファイバーが、その下に配置される特定の試料容器から光を受け取るように位置づけられるということである。第2の端部は確率論的横方向位置(stochastic lateral position)を有し、第2の端部からの光は横方向分解検出器によって受け取られる。エンドツーエンドマッピングにより、特定の容器からの光がどの横方向(lateral)位置に受け取られるかが決定する。したがって、測定されるシグナルは、エンドツーエンドマッピングによって特定の試料容器に関連付けられ得る。
【0016】
いくつかの実施形態において結合装置には、エンドツーエンド関係(マッピング)を記録するデータ記録装置が備えられている。いくつかの実施形態において制御装置は、データ記録装置におけるマッピングデータに基づく、それぞれの容器に対する光学センサアレイから測定された蛍光データに関する。データがマッピング工程の直後に記録され得ることから不揮発性データ記録装置が好ましく、また不揮発性データ記録装置は結合装置に固定され得るので、混合および意図されたものではないデータ操作の大部分は防がれ得る。不揮発性データ記録装置の例はコンパクトディスク(CD)、USBスティック、EEPROM、フラッシュメモリである。機器はまた、インターネットを介してエンドツーエンド関係(マッピング)を供給され得る。インターネットへのアクセスは、LANまたはWLAN、またはUMTS接続またはその他の有線または無線接続の技術によって提供され得る。
【0017】
第2の態様によれば、自動熱処理のための新規な方法および例えば、液体試料の蛍光検出が提案される。この方法は例えば、上述した液体試料を熱的に処理する機器において実施され得る。
【0018】
いくつかの実施形態においてこの方法は、試料を収容する複数の容器を装着するための、温度が制御されたレセプタクルと、光ファイバーの端部との間の距離を変更する工程を含む。とりわけレセプタクルは、容器がレセプタクルに装着されると熱伝達を形成するように構成される。また、光ファイバーは第1および第2の端部を有し、各光ファイバーの第1の端部および第2の端部は、試料から放射される光を伝達するために互いに対して固定されている。レセプタクルと光ファイバーの第1の端部との間の距離を変更することにより、容器は、レセプタクルと熱伝達するよう、またはレセプタクルと熱伝達しないように、レセプタクルに装着され、またはレセプタクルから離脱されることが可能であって、光は、1つまたはそれ以上の、レセプタクルに搭載された容器に収容される試料から検出され得る。
【0019】
いくつかの実施形態において光ファイバーの第1の端部は、レセプタクルを静止させた状態のままレセプタクルに対して動かされる。いくつかの実施形態において光ファイバーの端部および検出装置は、レセプタクルを静止させた状態のまま、レセプタクルに対して共通して動かされる。
【0020】
第3の態様によれば、液体試料を熱的に処理する機器における、光ファイバーの端部間のマッピングを決定するための新規な装置が提案される。
【0021】
いくつかの実施形態においてマッピング装置は、温度が制御されたレセプタクル上に置かれるように構成されるプレート状の基板を含み、このレセプタクルはそこに熱伝達する液体試料を含有する複数の容器を受け取る。いくつかの実施形態においてこの基板には、光を発生させる複数の光発生エレメントが備えられ、この光発生エレメントは、試料から放射された光を少なくとも1つの検出器へ伝達するように構成される複数の光ファイバーに光学的に結合されるような方法で配置されている。またいくつかの実施形態においてマッピング装置は、光発生エレメントに対して選択的に電流を供給するように設定される制御装置を含む。
【0022】
第4の態様によれば、液体試料を熱的に処理する機器における、光ファイバーの端部間のマッピングを決定するための新規な方法が提案される。
【0023】
いくつかの実施形態においてこの方法は、レセプタクルと熱伝達する液体試料を含有する複数の容器を受け取る、温度が制御されたレセプタクル上に、プレート状の基板を配置する工程を含む。いくつかの実施形態においてこの方法は、光を発生させる複数の光発生エレメントに対して選択的に電流を供給する工程を含む。いくつかの実施形態においてこの方法は、この光を、試料から放射される光を伝達するように構成される光ファイバーに光学的に結合する工程を含む。またいくつかの実施形態においてこの方法は、少なくとも1つの検出器によって光ファイバーから出る光を検出する工程を含む。
【0024】
上述した本発明の様々な態様による実施形態は、単独で用いられてもよいし、本発明の範囲を逸脱しない範囲で組み合わせて用いられてもよい。
【0025】
本発明の他のおよびさらなる目的、特徴および利点は、以下の記載からより完全に明らかになるだろう。明細書に組み込まれかつ明細書の一部を構成する付随の図面は、本発明の好適な実施形態を示し、また上記の一般的な記載および下記の詳細な記載と共に、本発明の原理の説明に貢献する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、付随する図面に関して以下に詳細に記載され、同一の符号は同一または同様のエレメントを示す。まず、
図1〜
図10を参照すると、液体試料を自動熱処理する例示的な機器の実施形態が説明され、この機器は通常参照符号1として参照される。
図1は、
図2〜
図10で示される例示的な機器の、様々なモジュールを示す。とりわけ
図2〜
図9は第1の例示的な機器1に言及し、
図10は第2の例示的な機器1に言及する。第2の例示的な機器1は、励起装置および検出装置のみ第1の例示的な機器1と異なっている。いくつかの実施形態において機器1は、核酸と1つまたはそれ以上の試薬との反応混合物を、一連の温度逸脱を通して熱循環させ、得られる反応生成物を光学検出するサーマルサイクラーとして構成される。いくつかの実施形態において機器1は、PCR、とりわけリアルタイムPCR、または他のあらゆる核酸増幅型の反応を行うために用いられ得る。いくつかの実施形態において機器1は、反応生成物の光学的なオンライン検出のために用いられ得る。いくつかの実施形態において機器1は、恒温処理または融解曲線の実行のために用いられ得る。
【0028】
とりわけ
図1を参照すると、いくつかの実施形態において機器1は、以下の記載において詳述される様々なモジュールを含み、これらモジュールは、液体試料を処理するための機能的または(任意には)構造的な構成要素(entity)である。とりわけいくつかの実施形態において機器1は、液体試料5を受け取るための複数のキャビティーまたはウェル4を備えるマルチウェルプレート3との熱伝達をもたらされ得る熱モジュール2を含む。いくつかの実施形態においてこの熱モジュール2は、制御された方法で熱を試料5にまたは試料5から伝達するよう、予め定められた温度プロファイルにしたがって加熱または冷却され得る。
【0029】
引き続き、
図1を参照すると、いくつかの実施形態においては試料5のポリメラーゼ連鎖反応の結果として得られ得る反応生成物を特定するために、いくつかの実施形態において、光を検出するために検出モジュール6を用いることができる。いくつかの実施形態において機器1は、増幅反応の進行中に、反応生成物の光学的なオンライン検出に用いることができる。
【0030】
双方向の矢印により示されるように、いくつかの実施形態において検出モジュール6は、移動機構52(
図1では詳述されていない)によって、制御された方法で熱モジュール2に対して少なくとも垂直に動かすことができる。いくつかの実施形態においてこの移動機構52は、自動移動機構である。移動機構52は例えば、駆動式のラック・ピニオン機構または少なくとも検出モジュール6の垂直移動を可能にする他のあらゆる機構として構成することができる。とりわけ移動機構52は例えば、これに限定されるわけではないが、検出モジュール6を自動的に移動させる電気モーターまたは油圧アクチュエータなどの、(制御可能な)ドライバである。当業者であればこのような移動機構の具体的な構成は承知しているので、ここでさらに説明する必要はない。移動機構52を用いて、いくつかの実施形態においては、検出モジュール6は選択的に、試料5から得られる反応生成物を光学的に検出するよう適合された下方の第1位置または動作位置に動かされるか、またはマルチウェルプレート3に対して機器1を装着または離脱するよう適合された、上方の第2位置または非動作位置または装着/離脱位置へと動かされ得る。
【0031】
引き続き、
図1を参照すると、いくつかの実施形態において検出モジュール6は、励起光9を発生させる少なくとも1つの光源8を備える励起装置7を含み、この励起光9は、試料5による、以下「放射光」と称される光24(例えば蛍光)の放射を励起するよう適合される。図示されるように、いくつかの実施形態において検出モジュール6はさらに、放射光24を光学的に検出する少なくとも1つの検出器11を備える検出装置10を含む。またいくつかの実施形態において検出モジュール6はさらに、概して参照符号12で表される結合装置を含み、この装置は励起装置7および検出装置10のそれぞれをウェル4に光学的に結合するためのものである。より詳細に記載すると、いくつかの実施形態においてこの結合装置12は、以下「励起ファイバー」として示される、励起装置7からの励起光9をウェル4に伝達する複数の第1の光ファイバー13と、以下「放射ファイバー」として示される、ウェル4からの放射光24を検出装置10に伝達する複数の第2の光ファイバー14とを含む。いくつかの実施形態においてマルチウェルプレート3の各ウェル4は、1つの励起ファイバー13と1つの放射ファイバー14という単一のペアと関連づけられる。
【0032】
さらに
図1に示されているように、いくつかの実施形態では、励起ファイバー13のウェル側の第1の端部15は、第1の固定エレメント16によって互いに対して固定されており、励起ファイバー13の第1の端部15と逆側の第2の端部17は、第2の固定エレメント18によって互いに対して固定されている。またいくつかの実施形態では、放射ファイバー14のウェル側の第1の端部15は第1の固定エレメント16によって互いに固定されており、放射ファイバー14の第1の端部15と逆側の第2の端部17は、第3の固定エレメント19によって固定されている。とりわけ、いくつかの実施形態において励起光9は、第2の端面61において励起ファイバー13に結合され、第1の端面60において励起ファイバー13から切り離され得る。またいくつかの実施形態では、放射光24は、第1の端面60において放射ファイバー14に結合され、第2の端面61において放射ファイバー14から切り離され得る。
【0033】
さらに
図1を参照すると、いくつかの実施形態において、概して参照符号20で表される励起光学系は、第2の端面61で励起光9を励起ファイバー13に光学的に結合するために用いられる。とりわけいくつかの実施形態において、励起光9が励起ファイバー13に結合される前に、1つまたはそれ以上の特定の波長または1つまたはそれ以上の波長帯をフィルターするために、1つまたはそれ以上の励起フィルター22が用いられる。またいくつかの実施形態では、検出モジュール6が動作可能な位置にある場合に、励起ファイバー13の第1の端面60は、励起光9がウェル4に向けられ、試料5による放射光24を励起するように配置される。
【0034】
さらに
図1を参照すると、いくつかの実施形態において、検出モジュール6が動作可能な位置にある場合に、放射ファイバー14の第1の端面60は、放射光24が放射ファイバー14に結合され得るように配置される。いくつかの実施形態において、概して参照符号21で表される放射光学系は、第2の端面61において放射ファイバー14から放たれた放射光24を検出器11に光学的に結合するために用いられる。いくつかの実施形態においては、放射光24が検出器11に達する前に放射光24から1つまたはそれ以上の波長または1つまたはそれ以上の波長帯をフィルターするために、1つまたはそれ以上の放射フィルター23が用いられる。
【0035】
機器1において、いくつかの実施形態では、一組の光ファイバー13、14が、基準測定を行う光学基準チャネルとして用いられる。通常の試料の代わりに、1つの基準試料または基準試料のセットが、光ファイバー13、14と関連するウェル4に収容される。いくつかの実施形態において基準試料は、蛍光ガラスまたは蛍光クリスタルで作製され、これらに限定されるわけではないがテルビウムガラスまたはルビーで作製される。
【0036】
さらに
図1を参照すると、いくつかの実施形態において機器1は、組み込まれた(専用の)基準チャネル116を有し、これは励起光9を発する光源8の輝度および強度をモニターするよう構成される。基準チャネル116の信号は、光源8を調査するため、および/または例えばフィードバック制御ループによって、励起光9が一定の強度を有するように励起光9の強度を制御するために用いられ得る。代替的には、この基準チャネル116の信号は、測定される試料の蛍光データを正規化(normalize)するために用いられ得る。この基準チャネル116は、光源8によって発生させられた光を、基準チャネルファイバー117を通して伝達される光の強度を測定する基準チャネル検出器118に向けるよう構成される1つの基準チャネルファイバー117からなる。いくつかの実施形態においてこの基準チャネル検出器118は、電子増幅器(図示せず)およびアナログ・デジタルコンバータ(図示せず)に接続されている。
【0037】
いくつかの実施形態において、試料5の自動熱処理を制御する制御装置25は、マイクロコントローラとして構成され、これは予め定められた工程のシーケンスに従って動作を行うための指令を備えた、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行する。とりわけ、制御装置25は、機器1の様々な構成要素、とりわけ検出器11からの情報を受け取り、対応する制御信号を発生させ、検出モジュール6を垂直に移動させる移動機構52、光源8および熱モジュール2などの、制御を必要とする構成要素にその制御信号を伝達する。
図1に概略的に示されるように、いくつかの実施形態においては、電気信号を伝達するために送電線26が用いられる。
【0038】
とりわけ
図2〜
図10を参照すると、
図1で概略的に示された機器1の例示的な実施形態が説明される。とりわけ、
図2〜
図9は、例示的な機器1の第1の変形例に言及し、
図10は例示的な機器1の第2の変形例に言及する。したがって、いくつかの実施形態において熱モジュール2は、金属材料などの熱伝導率が良好な材料で作製された、温度が制御された(熱)ブロック27を含む。
図5に示されるように、いくつかの実施形態において熱ブロック27は熱電素子55を備え、この熱電素子55はいくつかの実施形態においてペルティエ効果を利用する。DC電源(図示せず)に接続されると、各熱電素子55は加えられる電流の向きによって熱を生成または吸収するヒートポンプとして機能する。いくつかの代替的な実施形態では、熱電素子55は、空気で熱ブロック27を冷却するファンなどの冷却手段と組み合わされて、オーム加熱に基づいて加熱され得る抵抗加熱器などの他の加熱装置に置き換えられる。またいくつかの代替的な実施形態において、熱ブロック27は異なる温度を有する液体が流入できるチャネルを備える。通常、先行技術から公知である他の加熱/冷却手段が用いられてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態において熱ブロック27は、その上側でプレート状のレセプタクル28と一体化して形成される。このレセプタクル28は、熱ブロック27と熱伝達するマルチウェルプレート3を保持するように適合され、またいくつかの実施形態においては、ウェル4に収容される試料5への熱伝達/試料5からの熱伝達を可能にするために良好な熱伝導率を有する物質により作製される。いくつかの実施形態において熱モジュール2は、その下側に、熱ブロック27と熱的に結合される熱交換器29を含む。とりわけいくつかの実施形態において、熱交換器29は複数のプレート状のリブ30を備え、これらリブは周囲への効果的な熱伝達を可能にするために、短い相互距離を保って連続的に配置されている。
【0040】
いくつかの実施形態において、所定の時間の間、試料5の様々な温度に変更および維持するようにレセプタクル28を加熱または冷却するために、熱モジュール2の熱電素子55は、制御装置25による制御の下で、電流を供給され得る。とりわけいくつかの実施形態において制御装置25は、レセプタクル28の温度を所望の温度に調整するために熱電素子55に制御信号を送ることができ、いくつかの実施形態においてこの所望の温度はレセプタクル28および/または試料5の温度を感知するための温度センサ(図示せず)の入力に応じて変わる。
【0041】
図5に示されるように、いくつかの実施形態において、以下「レセプタクル上面」として記されるレセプタクル28の上面32は複数の凹部33を備え、マルチウェルプレート3が、ウェル4が凹部33の内部にある位置でレセプタクル上に配置され得るように、凹部の内側の輪郭は、少なくともその下部においてウェル4の輪郭と形状が一致する。したがって、少なくとも部分的な締りばめ(close fit)により、レセプタクル28とウェル4との間の良好な熱伝達が得られ、結果として、レセプタクル28とウェル4との間の、非常に効率的な熱伝達をもたらす。またいくつかの実施形態では、以下「プレート下面」として記されるマルチウェルプレート3の下面36が、レセプタクル28とウェル4との間の熱伝達を向上させるために、ウェル間の領域ではレセプタクル上面から間隔を置かれる。
【0042】
いくつかの実施形態においてマルチウェルプレート3は、以下「プレート上面」として記される上面35を有するメイン基板31を含み、この基板は試料5を受け取るために、長方形のウェル4のアレイを備える。このアレイは例えば、8×12ウェル(96ウェル)、6×10ウェル(60ウェル)、16×24ウェル(384ウェル)を含んでもよいし、または、試料5を熱処理する自動化された機器1に適合できるその他の数および配置でもよい。マルチウェルプレート3の設置面積は例えば、長さがおよそ127mm、幅がおよそ85mmのものでもよいが、当業者であれば、マルチウェルプレート3はここで特定される寸法以外の寸法でも形成され得るということを認識するだろう。いくつかの実施形態においてマルチウェルプレート3はこれらに限定されるわけではないが、ポリプロピレン、ポリスチレンおよびポリエチレンなどのプラスティック材料からなる。いくつかの実施形態においてこのマルチプレート3は、単一の試験のために試料5で充填され、その後処分され得るように、一回きりの使用を意図される。
【0043】
いくつかの実施形態において透明なシールカバー34は、接着または熱シールによりウェル4間に位置づけられるその平面接触領域71で、プレート上面35に固定される。とりわけ、透明なシールカバー34は、試料5の蒸発を防ぐため、および試料5をクロスコンタミネーションなどの外部からの影響から保護するために、上部が開いたウェル4を気密にシールする。いくつかの実施形態においてこの透明なシールカバー34は、励起光9に照射された際に示す蛍光が少ない透明のフィルムなどの、光学的に透明な材料で作製される。またいくつかの実施形態においてこの透明なシールカバー34は、ポリスチレン、ポリエチレンおよびポリエステルからなる群から選択される1つまたはそれ以上のポリマーにより作製される。またいくつかの実施形態においてこの透明なシールカバー34は、例えばポリプロピレンの一層とポリエステルの一層からなる多層フィルムである。またいくつかの実施形態においてこの透明なシールカバー34は、透明なシールカバー34をプレート上面35に固定するために、1つまたはそれ以上の低公害塗料および/または粘着剤またはホットメルト接着剤などの接着剤を含む。透明なシールカバー34は有利には、得られる反応生成物の光学的なオンライン検出ができるように、例えばポリメラーゼ連鎖反応の進行中に放射光24の光学検出をすることを可能にする。ゆえに透明なシールカバー34は、励起光9をウェル4に伝達させ、また放射光24を1つまたはそれ以上の検出器11に戻すように伝達させる。いくつかの実施形態においてシールカバー34は、試料がウェル4に充填された後、かつマルチウェルプレート3が機器1に装着される前に、マルチウェルプレート3に適用される。
【0044】
とりわけ
図2を参照すると、いくつかの実施形態において結合装置12は、ネジ、ボルトまたは溶接接合などの従来の固定手段により組み立てられる、4枚の、垂直プレート39、上側水平プレート40および2枚の離間された底側水平プレート41を含む高剛性の筐体38を含む。いくつかの実施形態において、励起および放射ファイバー13、14の両方の第1の端部15を固定するための第1の固定エレメント16は、筐体38と一体に形成されるように、底側水平プレート41に固定される長方形のソリッドプレートである。いくつかの実施形態において、励起および放射ファイバー13、14の第2の端部17を固定する第2および第3の固定エレメント18、19は、それぞれ、円筒部56およびディスク状の平面部57を含む。図示されるように、いくつかの実施形態において、円筒部56は、それぞれ上側水平プレート40によって形成される第1および第2の開口部43、44に挿入され、プラグのように固定される。上側水平プレート40に固定され、第2および第3の固定エレメント18、19は筐体38と一体に形成される。
【0045】
例えば
図5に示されるように、いくつかの実施形態において第1の固定エレメント16は、多数の第1の貫通孔42のアレイを備える。いくつかの実施形態では、第1の貫通孔42の数および配置はウェル4の数および配置と対応しており、この場合、この第1の貫通孔42は例えば、ウェル4の真上に配置され得る。さらに
図5を参照すると、いくつかの実施形態では、それぞれの第1の貫通孔42が、一対の励起ファイバー13と放射ファイバー14の組の第1の端部15を収容し、励起ファイバー13により伝達された励起光9を、試料5を照射するためにウェル4へ向ける。また、放射光24は放射ファイバー14により受け取られ得る。また代替的ないくつかの実施形態において、2つの第1の貫通孔42が各ウェル4用に備えられ、一方の貫通孔42は励起ファイバー13の第1の端部15を収容するためのものであり、他方の貫通孔42は放射ファイバー14の第1の端部15を収容するためのものである。これにより、各端部15は、別々の第1の貫通孔42に収容される。いくつかの実施形態において、この1つのウェル4に関連する2つの第1の貫通孔42は、0.1〜2mmの範囲で互いに距離を有するように離間される。当業者であれば、ユーザの特定の要望に応じて、ここで特定される相互距離以外の距離も考えられ得ることを認識するだろう。
【0046】
とりわけ、第2または第3の固定エレメント18、19の1つを示す
図8を参照すると、いくつかの実施形態において、第2の固定エレメント18は1つの第2の貫通孔45を備え、第3の固定エレメント19は1つの第3の貫通孔46を備え、ここで第2の貫通孔45は励起ファイバー13の第2の端部17を全て収容し、第3の貫通孔46は放射ファイバー14の第2の端部17をすべて収容する。とりわけ、
図8は第2の固定エレメント18を示すものの、第3の固定エレメント19に関して括弧内の参照符号によって示されているように、第3の固定エレメント19の構造も同様のものである。図示されるように、いくつかの実施形態において、複数の励起ファイバー13、複数の放射ファイバー14はそれぞれ、互いに対して対応する貫通孔45、46に接着剤63によって固定されており、不規則に配置されてもよい。いくつかの代替的な実施形態において、励起ファイバー13の第2の端部17を収容する1つの第2の貫通孔45および放射ファイバー14の第2の端部17を収容する1つの第3の貫通孔46の代わりに、第2および第3の固定エレメント18、19はそれぞれ、励起および放射ファイバー13、14両方の全ての第2の端部17を収容する1つの貫通孔(図示せず)を備えられ得る。この場合、いくつかの実施形態において、励起および放射ファイバー13、14両方の第2の端部は、接着剤により互いに固定される。また、いくつかのさらに代替的な実施形態においては、励起ファイバー13の第2の端部17を収容する1つの第2の貫通孔45および放射ファイバー14の第2の端部17を収容する1つの第3の貫通孔46の代わりに、第2および第3の固定エレメント18、19はそれぞれ、多数の第1および第2の貫通孔45、46を備えられ得る。より詳細に記載すると、第2の固定エレメント18は、励起ファイバー13の第2の端部17を収容する多数の第2の貫通孔45を備え、ここで各第2の貫通孔45は、励起ファイバー13の第2の端部17を収容する。また、第3の固定エレメント19は、放射ファイバー14の第2の端部17を収容する多数の第3の貫通孔46を備え、ここで各第3の貫通孔46は、放射ファイバー14の第2の端部17を収容する。したがって結合装置12では、個々の光ファイバー13、14について、固定された第1の端部15の第1の端面60と固定された第2の端部17の第2の端面61との間に、一定の1対1の関係またはマッピングが存在する。また、ウェル4と光ファイバー13、14との間で光を伝達させる、検出モジュール6の動作可能な位置において、ウェル4とファイバー13、14の第2の端面61との間に1対1の関係またはマッピングがもたらされる。マッピングにより、励起光9を励起ファイバー13の特定の第2の端面61に結合させ、また放射光24を放射ファイバー14の特定の第2の端面61から切り離すことによって、光は選択的にウェル4のそれぞれに伝達され、および/または選択的にウェル4のそれぞれから受け取られ得る。
【0047】
機器1の拡大詳細図を示す
図5および
図6に示されるように、いくつかの実施形態では、第1の固定エレメント16は、マルチウェルプレート3に向かって突出する円筒状の突起58を備えるプレート状の平面部72を備える。とりわけいくつかの実施形態では、第1の貫通孔42のそれぞれが平面部72を貫通し、中央の位置で1つの突起58を収容する。より詳細に記載すると、いくつかの実施形態において1つの第1の貫通孔42は、一対の励起ファイバー13と放射ファイバー14の組の第1の端部15を収容し、ここで第1の端面60は、第1の貫通孔42の円形の開口部59と同一平面上にある。さらに、いくつかの実施形態において第1の貫通孔42のそれぞれは、接着剤63で充填される第1の固定エレメント16の上側に隣接する、環状の幅の広いくぼみ62を備えられ、これは収容される光ファイバー13、14の第1の端部15を固定するためである。
図5では、1つの第1の貫通孔42につき1つの光ファイバー13、14が示されているが、いくつかの実施形態では、
図6に示されるように各第1の貫通孔42が、1つの励起ファイバー13および1つの放射ファイバー14を収容することを理解されたい。同様に、光ファイバー13、14の第2の端部17は、接着剤によって第2および第3の固定エレメント18、19にそれぞれ固定され、接着剤については図面ではさらに詳細には示さない。したがって、光ファイバー13、14は、固定された第1および第2の端部15、17以外の領域では固定されない。いくつかの代替的な実施形態(図示せず)では、光ファイバー13、14の運動性を減少させるために、光ファイバー13、14は例えば、これに限定されるわけではないが、ウレタンフォームなどの接着剤によって第1および第2の端部15、17の間でも固定される。
【0048】
光ファイバー13、14の少なくとも1つの第1および第2の端部15、17は互いに対して固定されるという事実により、検出モジュール6の垂直方向への移動の間に機械的な力が光ファイバー13、14に作用することは回避され得る。したがって、通常光ファイバー13、14の光学的特性の望ましくない変化を伴う、光ファイバー13、14の形状の変化(ファイバーのたわみ)が、有利に回避され得る。ゆえに検出結果の信頼性および再現性が向上する。また、光ファイバー13、14の寿命も延ばされ得る。
【0049】
図6に示されるように、いくつかの実施形態において、励起ファイバー13および放射ファイバー14のそれぞれは、これらに限定されるわけではないが石英ガラスまたはプラスティックポリマーなどの光学的に透明な材料で作製されるコア76からなる。いくつかの実施形態においてこのコア76は、コア76中の光を維持するよう、コア76よりも低い光屈折率を有する材料で作製される被覆材(図示せず)により被覆される。図示されるようにいくつかの実施形態では、ファイバー13、14を容易に通すことができるように不透明な被覆77を備えられ、機器1の製造を容易にするこの被覆77は取り除かれない。いくつかの実施形態では、コア76は0.05mm〜1.5mm、好ましくは0.1mm〜0.8mmの範囲にある直径を有する。またいくつかの実施形態では、被覆77を含む光ファイバー13、14は、0.3mm〜2mm、好ましくは0.4mm〜1.0mmの範囲にある直径を有する。
【0050】
とりわけPCRを行う場合、試料5は、熱サイクル工程の間中、合理的に可能な限り単一な温度を有することが望ましく、これは小さな変化でも増幅工程の失敗または望ましくない結果を引き起こし得るからである。また、ウェル4は通常完全には試料5で充填されないので、ウェル4には、液体試料5とシールカバー34との間に空隙が存在し得る。ゆえに、熱サイクルはシールカバー34の裏面において凝縮物の形成を引き起こすおそれがあり、これはシールカバー34の光伝達を低下させるので放射光24の光学検出に干渉するおそれがある。またそうでなくても凝縮物は、反応混合物の組成を変化させる可能性がある。
【0051】
さらに
図5および
図6を参照すると、上述のような欠点を克服するためにいくつかの実施形態では、結合装置12は底側水平プレート41と良好な熱接触にあるような方法で、筐体38の底側水平プレート41に固定されるシールカバー34を加熱するカバーヒーター64を含む。とりわけいくつかの実施形態では、カバーヒーター64は、金属材料、例えばステンレス鋼またはアルミニウムなど良好な熱伝導率を有する物質で作製される加熱プレート66を含む。この加熱プレート66は、検出モジュール6の動作可能な位置でシールカバー34に接触する底側接触面37を有する。いくつかの実施形態では、加熱プレート66は2mm〜7mmの範囲にある厚さを有する。いくつかの実施形態では、加熱プレート66は5W/m/Kよりも大きな熱伝導率を有する。
【0052】
図示されるようにいくつかの実施形態では、このカバーヒーター64はさらに、加熱プレート66のプレート上面69に加えられる熱を発生させる加熱エレメント65を含む。いくつかの実施形態では、加熱エレメント65はオーム加熱を発生させるよう適合され、例えば、抵抗加熱線(図示せず)を備えられ得る。
【0053】
さらに
図5を参照すると、いくつかの実施形態では、加熱プレート66は複数のプレートホール67を備え、その数および配置はマルチウェルプレート3のウェル4に対応する。図示されるようにいくつかの実施形態では、検出モジュール6の動作可能な位置において、接触面37は隣接するウェル4の間の接触領域71でのみシールカバー34に接触する。とりわけいくつかの実施形態では、ウェル4をレセプタクル28の凹部33に押し込んで、マルチウェルプレート3と熱ブロック27との間で確実な熱接触を得るために、接触面37を用いて接触領域71に機械的な力が加えられ得る。一般にカバーヒーター64は、とりわけウェル4の外側と内側で温度差を引き起こすおそれのあるエッジ効果を減少させることによって、試料5の中での温度の誤差および変化を最小限にできる。また、シールカバー34上への凝縮物の形成は有利に回避され得る。
【0054】
いくつかの実施形態において制御装置25は、所望の熱出力を調整するために、送電線(図示せず)によってカバーヒーター64に電気的に接続され、この所望の熱出力は、いくつかの実施形態では加熱プレート66の温度を感知する1つまたはそれ以上の温度センサー(図示せず)からの入力に応じて変更される。いくつかの実施形態では、加熱プレート66の温度が反応混合物の最大温度よりも5℃から15℃高いような方法で熱出力を調整することが好ましく、この温度は、ポリメラーゼ連鎖反応の場合には例えば95℃から110℃の範囲にある。
【0055】
さらに
図5および
図6を参照すると、いくつかの実施形態では、加熱エレメント65は複数のエレメントホール70を備え、このホールはそれぞれプレートホール67中に開口しているので、共通のカバーヒーターホール78を形成する。
図6に示されるように、いくつかの実施形態では、エレメントホール70はプレートホール67と同一平面上にある。いくつかの実施形態では、カバーヒーターホール78は、円筒状の貫通孔として構成される。いくつかの実施形態では、光ファイバー13、14を収容する突起58のそれぞれは、伝導熱が光ファイバー13、14に伝達するのを回避するために、カバーヒーター64と直接接触せずに別々のヒーターホール78に入り込む。
【0056】
いくつかの実施形態では、検出モジュール6の動作可能な状態、すなわちウェル4の間で接触面37が接触領域71に接触する位置において、カバーヒーターホール78は、試料5の温度の均一性を向上させるために、有利には対流空気を回避する閉鎖されたキャビティーを形成する。またいくつかの実施形態では、空気が入った複数のキャビティー68が、第1の固定エレメント16の平面部72の平面部下面73と、加熱エレメント65のエレメント上面74との間に形成される。したがって、第1の固定エレメント16、とりわけそこに固定される光ファイバー13、14と、カバーヒーター64との間の熱伝達が減少され得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、カバーヒーターホール78および/またはカバーヒーター64の上のキャビティー68が、光ファイバー13、14とカバーヒーター64との間の熱的結合を減少させるために、プラスティック材料などの熱伝導率が低い物質で少なくとも部分的に充填される。いくつかの実施形態では、光ファイバー13、14は、プラスティック材料などの熱伝導率が低い物質で被覆されるか、またはこの物質に埋め込まれ、これは光ファイバー13、14とカバーヒーター64との間の熱的結合を減少させ、また検出モジュール6を作動させる際の、物質のわずかな歪曲をも防ぐためである。いくつかの実施形態において熱伝導率が低い物質は、光ファイバー13、14を第1の貫通孔42内に固定するために用いられる。
【0058】
材料によっては、光ファイバー13、14の固定、および時には光ファイバー13、14自体が、熱に対して敏感である。光ファイバー13、14は、上述したように大部分がカバーヒーター64から熱的に切り離されているという事実から、光ファイバー13、14およびその固定の寿命は有利に延ばされ得る。同様に、カバーヒーター64からの、励起および放射光学系20、21の熱的な切り離しもまた達成され得る。別の利点は、ウェル4が互いに光学的に遮蔽されるように、各ウェル4が、1つのカバーホール78のみと光学的につながるという事実によりもたらされる。
【0059】
さらに
図2および
図3を参照すると、いくつかの実施形態では、励起装置7は第1のケーシング47に収容され、このケーシングは以下「水平プレート上面75」として記される上側の水平プレート40の上面に固定されており、筐体38と一体に形成される。励起装置7の目的は、励起光を励起ファイバー13に向けることである。当業者であれば、波長、電力、一様性および開口は、ユーザの特定の要望にしたがって選択されるデザインに左右されるということを理解するだろう。
【0060】
図2に示されるように、いくつかの実施形態において励起装置7は、これらに限定されるわけではないが、2種類の異なる波長を有する発光ダイオード(LED)などの、2つの光源8を含む。この光源8は互いに直交関係で配置され、各光源8は、ダイクロイックミラー48で入射する励起光9をフィルターする1つまたはそれ以上の励起フィルター22に結合される。いくつかの実施形態において光学系は例えば、光を励起ファイバー13に向けるために、8mmの直径および0.15の開口数を有する均一な照射点を作り出すように設計される。いくつかの実施形態では、2つまたはそれ以上のLEDが、ダイクロイックミラー、および/またはファイバー光学系、および/または移動または回転するミラーまたはプリズムなどの移動または回転エレメントによって結合され、これは光を励起アダプターに向けるためである。多色LEDの使用は、高い励起電力に有利である。様々な励起波長帯で蛍光を測定するために、LEDはスイッチで切り替えられてもよいし、回転エレメントが回転されてもよい。いくつかの実施形態では、ハロゲンランプなどの白光源または白LEDが、(
図1に示されるように)フィルターホイールまたはフィルタースラッジと組み合わせて用いられる。いくつかの実施形態では、検出装置10は、筐体38と一体に形成される水平プレート上面75に固定されている第2のケーシング49に収容される。検出装置10の目的は放射ファイバー14から出る放射光24を測定することである。
【0061】
図示されるようにいくつかの実施形態では、検出装置10は複数の検出器11を含み、放射光24を光学的に検出するために、各検出器11が1つの感光素子を有するか、または少なくとも1つの検出器11が複数の感光素子を有する。感光素子は、これらに限定されるわけではないが、電荷結合素子(CCD)およびCMOS素子などの横方向分解検出器、走査のために動かされ得るリニアアレイ検出器およびカメラセンサーなどの二次元配列センサーである。放射光学系21は放射光24を検出器11に向けて伝達するために用いられ、この検出器11はいくつかの実施形態では、放射光24をフィルターする複数の放射フィルター23の1つに光学的に結合される。
【0062】
さらに
図2を参照すると、いくつかの実施形態では、複数の放射フィルター23は、1つの放射フィルター23を放射光24の光路に選択的に移動させるように、電気モーター51によって中央回転軸の周りを回転させられ得るフィルターホイール50に取り付けられる。いくつかの実施形態において放射光24は、例えば、ダイクロイックミラーおよび/または従来のフィルターによって色分離された後に、CCDカメラなどの複数の検出器に同時に向けられる。より詳細に記載すると、いくつかの実施形態では、放射ファイバー14の第2の端部17の第2の端面61の画像は、第2の端面61と検出器11のピクセルとの間の1対1マッピングを有することなく、検出器11によって得られる。その代わりにこの画像は、各ファイバーからの光強度を決定するために処理される。放射ファイバー14の第1および第2の端部15、17の1対1マッピングの情報に基づき、決定された光強度が特定の容器によるものとされる。いくつかの代替的な実施形態では、各第2の端面61が1つの割り当てられた検出器11に関連付けられるように、複数の検出器11が1対1の関係で放射ファイバー14の第2の端面に割り当てられ得る。
【0063】
いくつかの実施形態において励起および放射光学系20、21は、励起光9を試料5に伝達させ、複数の検出器11によって放射光24を検出するために、これらに限定されるわけではないがレンズおよび平面ミラーまたは湾曲ミラーなどの、1つまたはそれ以上の導光エレメントおよび/または光成形エレメントおよび/または光配向エレメント(図示せず)、および/または、これらに限定されるわけではないが、透過回折格子、反射回折格子およびプリズムなどの分光エレメント(図示せず)を含む。このため、いくつかの実施形態では、制御装置25が、励起光9を放射し、かつ放射光24を検出する制御信号を出力するために、光源8および検出器11に光学的に結合される。また、励起および放射フィルター22、23はユーザの特定の要望にしたがって変更され得る。
【0064】
とりわけ
図7Aおよび
図7Bを参照すると、いくつかの実施形態では、機器1は、検出モジュール6が熱モジュール2に対して少なくとも垂直に動かされることを可能にする自動移動機構52を含む。いくつかの実施形態では、検出モジュール6は垂直および水平に動かされ得る。図示されるように、いくつかの実施形態において移動機構52は、検出モジュール6を直線上に案内するために、筐体38の2枚の底側水平プレート41に案内係合され熱ブロック27に固定される2つの垂直な案内レール53を含む。いくつかの実施形態においてこの移動機構52はさらに、検出モジュール6を熱モジュール2に対して、案内レール53に沿って移動させるために、これらに限定されるわけではないが、筐体38に光学的に結合されるスピンドルドライブなどの作動機構を含む。ゆえに、検出モジュール6は、熱モジュール2に向かうよう、また熱モジュール2から離れるように、少なくとも垂直に動かされ得る。
図7Aに示されるようにいくつかの実施形態において、検出モジュール6は試料5を熱処理するために動作可能な位置まで垂直に下降され、また
図7Bに示されるように、検出モジュール6が熱モジュール2から離される動作不能な位置まで垂直に上昇され得る。とりわけ動作不能な位置において、自由空間54が検出モジュール6と熱モジュール2との間に形成され、この空間は試料5を熱処理するためにマルチプレートウェル3を熱ブロック27上の位置に持ち込むことを可能にする。いくつかの実施形態では、マルチウェルプレート3は手動で熱ブロック27上に配置され、またそこから取り除かれ得る。当業者であれば、自由空間54の垂直方向の寸法はユーザの特定の要望にしたがって変更され得るということを認識するだろう。
【0065】
一方いくつかの実施形態において移動機構52は、熱モジュール2に検出モジュール6を強制的に押圧するように、すなわちマルチウェルプレート3に所望の圧力を加えるように適合される。これによりウェル4は、マルチウェルプレート3と熱ブロック27との間の熱伝達を向上させ、熱分配を均一にする目的で、接触面37を用いてレセプタクル28の凹部33に圧入され得る。また、この圧力は、透明なカバー34の封止効果を向上し得る。いくつかの実施形態において検出モジュール6は、手動でマルチプレート3上に押圧され得る。またいくつかの実施形態において検出モジュール6は、自動的にマルチプレート3上に押圧され得る。このために、いくつかの実施形態において制御装置25は、制御信号を出力して自動化された検出モジュール6の垂直動作を調整するために、移動機構52に電気的に接続される。いくつかの実施形態では、マルチウェルプレート3に加えられる圧力は100N〜1000Nの範囲、好ましくは200N〜600Nの範囲である。また、いくつかの実施形態において検出モジュール6は、機器1を手動および/または自動でマルチウェルプレート3に取り付け、またそこから取り外すために自由空間54を形成する動作不能な位置に手動で上昇され得る。
【0066】
とりわけ
図9A〜9Fを参照すると、いくつかの実施形態では、熱モジュール2は、マルチウェルプレート3をレセプタクル28に取り付けるため、またそこから取り除くために、それぞれ、機器ケーシング90外部の取り付けおよび/または取り外し位置に運び出される。また熱モジュール2は、液体試料5を熱処理するためおよび検出装置10によって得られる反応生成物を検出するために、機器ケーシング90内部の処理位置に運び込まれ得る。より詳細に記載すると、機器1は水平移動可能なトレイ102を含み、このトレイ102は、熱モジュールを支持する水平な支持ベース103と、熱モジュール2の処理位置において機器ケーシング90を閉鎖するために支持ベース103に取り付けられる垂直な正面カバー105とを含む。この支持ベース103は、機器1の基板89に垂直に固定される水平な案内レール113に、摺動自在に係合される1つまたは2つの平行なはり104を含み、トレイ102を、機器ケーシング90の内部へまたは外部に摺動可能に移動させ得る。
【0067】
機器1は概して参照符号108で表される双安定型の開放/閉鎖装置を含み、これはトレイ102の開放または閉鎖動作を自動的に行い、トレイ102を閉鎖位置で固定するためのものである。とりわけ、この双安定型の開放/閉鎖装置108は、回転ナックル97から放射状に突出する第1アーム98および第2アーム99を中央軸109の周りで回転自在に支持する中央回転ナックル97を含む。回転ナックル97は、支持ベース103の案内レール113に対して平行に配置されている水平な案内ロッド100によって摺動可能に支持される。2つのアーム98、99はその自由端部で、コイルスプリング101によって相互接続される。トレイ102は、支持基板103に固定される弾性変形可能なスプリングキャッチ107によって、開放/閉鎖装置108に解放可能なように接続される。とりわけスプリングキャッチ107は、回転ナックル97とともに移動可能なように、開放/閉鎖装置108に固定される突起112と係合する、深くなったレスト部114を形成する。機器1はさらに、支点92で機器1に固定されるレバー91を含む。支点92の片側では、レバー91が上側のレバー部分93を有し、このレバー部分93はその上端95で、接続ロッド96によって垂直に移動可能な検出モジュール6に結合される。また支点92の反対側では、レバー91が下側のレバー部分94を有し、このレバー部分94はその下端110で、水平に移動可能な回転ナックル97に結合される。
【0068】
とりわけ
図9Aを参照すると、熱モジュール2が、試料5を熱処理するために機器ケーシング90の内部の処理位置にある状態が示される。この状態において検出モジュール6は、放射光24を検出するために、例えばマルチウェルプレート3に圧力を加えるような、下側の動作可能な位置にある。双安定型の開放/閉鎖装置108の2つのアームは、回転ナックル97の片側(例えば
図9Aでは左側)で第1の安定位置にあり、ここでその自由端部はコイルスプリング101に弾性的に接続される。この第1の安定位置において、2つのアーム98、99は約90度の角度を形成し、この角度はアーム98、99の回転動作を停止するためのストッパー(図示せず)により容易に到達され得る。この状態においてトレイ102は、スプリングキャッチ107のレスト部114に載る突起112に係合されたスプリングキャッチ107によって開放/閉鎖装置108に接続される。したがって、トレイ102が開放されるべき場合にはコイルスプリング101の弾性力を克服しなければならないので、トレイ102は、不注意による手動の開放から守られる。
【0069】
とりわけ
図9Bおよび
図9Cを参照すると、他の状態が2つの斜視図で示され、ここで検出モジュール6は、垂直な移動機構52によって垂直に上昇された動作不能な位置に持ちこまれている。動作不能な位置において検出モジュール6は熱モジュール2から離間され、これはその間に自由空間54を作り出すためである。検出モジュール6を垂直方向に移動させる場合、回転ナックル97が、回転ナックル97に結合される下側のレバー部分94によって案内ロッド100に沿って(例えば、左側に)動かされるように、レバー91が支点92において回転される(例えば
図9Bおよび
図9Cでは、時計回りの方向に)。トレイ102は突起112に結合され、正面カバー105の上側によって形成される、トレイ102を手動で把持するための凹状把持部106が外側からアクセス可能になるように、水平方向(
図9Bおよび
図9Cでは左側)に同時に動かされる。また、検出モジュール6を上昇させる場合には、2つのアーム98、99は不安定な位置を越えて回転され、不安定な位置とは、これらアームがコイルスプリング101を弾性的に拡張するような、反対方向に延伸する位置である。
【0070】
とりわけ
図9Dおよび
図9Eを参照すると、2つのアーム98、99は収縮するコイルスプリング101の弾性力によって駆動され、回転ナックル97の反対側(例えば
図9Dおよび
図9Eでは、右側)の第2の安定位置に持ち込まれる。この第2の安定位置において、アーム98、99の自由端はコイルスプリング101によって弾性的に接続され、このコイルスプリング101はここでも、アームの回転動作を停止するためのストッパー(図示せず)により容易に到達され得る約90度の角度を形成する。結果として、スプリングキャッチ107により開放/閉鎖装置108に結合されるトレイ102は、凹状把持部106が外側から完全にアクセスできる位置において動かされる。
【0071】
とりわけ
図9Fを参照すると、凹状把持部106を手動で把持することにより、トレイ102は、機器ケーシング90から引き出され、マルチウェルプレート3を熱モジュール2のレセプタクル28に取り付け、またそこから取り外すための、取り付け/取り外し位置に持ち込まれる。トレイ102を取り付け/取り外し位置において手動で移動させる場合、スプリングキャッチ107はその弾性力を弱めることにより突起112との係合から取り外され、トレイ102は双方向型の開放/閉鎖装置108から解放される。
【0072】
また、支持ベース103は逆動作によって機器ケーシング90に容易に送り返され得る。したがってトレイ102は、スプリングキャッチ107が突起112と係合するまで、凹状把持部106で機器ケーシング90に手動で圧入される。さらにトレイ102は、2つのアーム98、99が反対方向に延伸してコイルスプリング101を弾性的に拡張するような不安定な位置を越えて回転されるまで、案内ロッド100に沿って回転ナックル97を移動させるように内側に向かって(例えば、右側に向かって)圧入される。ここで2つのアーム98、99は収縮するコイルスプリング101の弾性力によって駆動され、第1の安定位置に持ち込まれ、この位置ではトレイ102が、正面カバー105が機器ケーシング90を閉鎖する閉鎖位置に自動的に移動され、また熱モジュール2は処理位置にある。
【0073】
いくつかの実施形態では、ウェル4は機器1に装着される前にあらかじめ試料5を充填される。いくつかの実施形態においてウェル4は、マルチウェルプレート3がレセプタクル28に位置づけられる時に試料5を充填される。またいくつかの実施形態では、試料5は様々な温度逸脱を受けるので、そこに収容される反応混合物を所定の培養間隔の間所定の温度で培養し、これは例えば、ポリメラーゼ連鎖反応を行うためである。試料5の温度は例えば、核酸を融解するためにおよそ90℃まで上昇されてもよく、プライマーのアニーリングおよび変性ポリヌクレオチドのストランドに沿ったプライマーの伸長のために約40℃〜70℃に降下されてもよい。いくつかの実施形態において核酸の融解は、例えば試料5の温度がゆっくりと上昇または下降される間に試料5の蛍光が検出されるような状態で行われる。一般的な融解曲線は30℃〜50℃で開始し、75℃〜95℃で終了してもよく、この場合例えば、0.05〜0.25℃/secの範囲のランプ速度が用いられ得る。
【0074】
試料5の自動的な温度循環のための機器1は非常に小型に作製されてもよく、これは短い光ファイバー13、14の使用を可能にする。光ファイバー13、14の固定された第1の端部15の第1の端面60は、放射光24の光学検出の感度を向上させる一方でファイバー13、14とシールカバー34との間の一切の直接的な接触を回避するように、透明なシールカバー34に非常に近接させられる。いくつかの実施形態では、第1の端面60と透明なシールカバー34との間の(垂直)距離は、0.5mm〜5mmの範囲であり、好ましくは1mm〜3mmの範囲である。
【0075】
いくつかの実施形態では、機器1は放射光24のリアルタイム(オンライン)検出を行うように作動され、これは例えば、熱処理の進行中であっても全ての試料5に対して同時にその反応生成物を特定するためである。とりわけいくつかの実施形態では、試料5は、全ての試料5に対して並行して放射光24を同時に検出しながら、熱サイクルされ得る。いくつかの実施形態では、一対の光ファイバー13、14により、励起光9の励起ファイバー13への結合および放射光24の放射ファイバー14からの分離が、全ての試料5に対して同時に、かつ並行して行われ得る。
【0076】
別の例示的な機器1を示す
図10に示されるように、いくつかの実施形態では、励起および検出装置7、10の両方が、垂直な光路を有するように配置され、ここで励起装置7は励起光9をフィルターするために1つまたはそれ以上の励起フィルター22に光学的に結合される1つの光源8のみを含む。したがって試料5を照射するための、
図2に示されるようなダイクロイックミラーを用いる必要がない。
【0077】
次に、機器1の光ファイバー13、14の第1の端部15と第2の端部17との間の1対1の関係を測定するための例示的な方法を示す、
図11および
図12を参照する。とりわけ
図11を参照すると、いくつかの実施形態において光ファイバー13、14の第1の端部15は第1の固定エレメント16(
図11には図示せず)によって互いに固定され、一方で励起ファイバー13の第2の端部17は第2の固定エレメント18によって互いに固定され、放射ファイバー14の第2の端部17は第3の固定エレメント19によって互いに固定される。
図11では、図示の目的のためだけに一種の光ファイバー13、14が示されているが、
図11は同様に、励起ファイバー13および放射ファイバー14の両方に適用できることを理解されたい。
【0078】
いくつかの実施形態では、第1〜第3の固定エレメント16、18、19のそれぞれにおいて、光ファイバー13、14の第1および第2の端部15、17の確率的(stochastic)またはランダムな配置があり、これはそれらの製造を相当に容易にする。これは、製造中に特定の配列(scheme)または順番(ordering)を監視する必要がないからである。ゆえに、検出モジュール6の動作可能な位置において、第1の端部15とウェル4との間の1対1の関係を確立する位置にあり、例えばウェル4の真上に位置づけられる光ファイバー13、14の第1の端部15に関して、励起ファイバー13の第1の端部15を出る励起光9がどのウェル4に向けられているのかは最初は明らかではない。また、より重要なことには、どの試料5によって放射ファイバー14の特定の第2の端部17を出る放射光24が発生しているのかが最初は明らかではない。例えばA、B、C、D、E、F、GおよびHとして記される、連続して配置される8つのウェル4の放射光24は、放射ファイバー14の連続して配列される第2の端部17、すなわちG、F、A、D、H、B、EおよびCによって検出され得る。ゆえに、放射ファイバー14の第1の端部15と第2の端部17との間での、試料5の正確なマッピング(1対1の関係)を知らずには、試料5は個別に(選択的に)検出され得ない。このような欠点を克服するために、各光ファイバー13、14の、第1および第2の端部15、17間でのマッピングが決定されなければならない。
【0079】
とりわけ
図12を参照すると、いくつかの実施形態では、各光ファイバー13、14の、第1および第2の端部15、17間のマッピングを決定する装置79(以下「マッピング装置」と記す)が用いられる。図示されるようにいくつかの実施形態では、これに限定されるわけではないがダイオードなどの複数の光発生エレメント81の長方形アレイを備える基板上面87を有する平面なプレート状の基板80を含む。いくつかの実施形態では、光発生エレメント81の数および配置は、マルチウェルプレート3のウェル4と対応する。いくつかの実施形態では、光発生エレメント81は、互いに直角に交差する複数の並行な縦列および複数の並行な横列で配置される。図示されるようにいくつかの実施形態においてマッピング装置は例えば、機器1に用いられるマルチウェルプレート3によって、8つの縦列および12の横列1〜12の光発生エレメント81を含む。
【0080】
さらに
図12を参照すると、いくつかの実施形態では、マッピング装置79はさらにコントロールパネル82を含み、これは2つの手動で動作可能な切り替えスイッチ83、84を備える。とりわけいくつかの実施形態では、第1の切り替えスイッチ83は特定の縦列A〜Hを設定するために用いられ、第2の切り替えスイッチ84は特定の横列1〜12を設定するために用いられ得る。いくつかの実施形態では、コントロールパネル82は装置の制御装置85に接続されており、この制御装置85は、送電線86によって光発生エレメント81を制御するために、基板80の裏側に固定される。切り替えスイッチ83、84による設定にしたがって、光発生エレメント81は光を発生させるために、選択的に電流を供給され得る。
【0081】
さらに
図12を参照すると、いくつかの実施形態において基板80は、検出モジュール6が動作可能な状態で動かされ得るように、マルチウェルプレート3の代わりにレセプタクル28上に配置されるよう構成される。いくつかの実施形態では、放射ファイバー14の第1の端部15が、各第1の端部15が別々の光発生エレメント81に関連づけられるように、光発生エレメント81の真上に配置される。いくつかの実施形態では、加熱プレート66の底側接触面37は光発生エレメント81との間の接触領域88において基板上面87と接触し、これは各光発生エレメント81が個別のカバーヒーターホルダー78に収容されるようにするためである。したがっていくつかの実施形態では、接触面37が基板上面87に接触する場合には、光発生エレメント81は互いに対して光学的に遮断される。
【0082】
したがって、縦列および横列によってもたらされる光発生エレメント81それぞれの正確な位置を知ることにより、いくつかの実施形態では、光発生エレメント81は光を発生するよう連続的に電流を供給され、この光は放射ファイバー14の第1の端部15に結合され、その第2の端部17で結合が解かれる。したがって、光発生エレメント81の光を検出する検出器11によって、放射ファイバー14の第1の端部15またはウェル4と、第2の端部17との間の1対1の関係(マッピング)が容易に確立され得る。いくつかの実施形態においてこの1対1の関係は、ウェル4またはそこに収容される試料5が選択的に検出されるように、例えばルックアップテーブルの形状で、例えば永久データ記憶装置115に保存される。
【0083】
上に詳述されるように、いくつかの実施形態では、放射ファイバー14の第2の端部17の第2の端面61の画像は、第2の端面61と検出器11の画像との間の1対1のマッピングを有することなく、検出器11によって得られる。また、放射ファイバー14の第1および第2の端部15、17間での、公知の1対1の関係(マッピング)に基づく電子画像処理を用いることができ、これは検出された光を個別のウェル4に帰するよう、検出器11の画像と、放射ファイバー14の第2の端面61の画像との関係について情報を得るためである。
【0084】
とりわけ
図13〜
図15を参照すると、
図2〜
図10の機器1のレセプタクル28をクランプするクランプ機構129が記載される。実際問題としていくつかの実施形態では、これに限定されるわけではないが機器1を熱循環器として用いる場合、レセプタクル28は適切な範囲で可能な限り一定な温度分散を有することを要求される。この要求に適うために、レセプタクル28は、熱ブロック27の1つまたはそれ以上の熱電素子55にクランプされる。クランプ機構129は、ウェルにより定められた圧力および圧力分散をレセプタクル28に加えるように構成される。より詳細に記載すると、いくつかの実施形態においてクランプ機構129は、これに限定されるわけではないがDIN規格1.4310によるスプリング鋼などの、弾性材料で作製される弾性クランプ123を含む。いくつかの実施形態ではこのクランプ123は、フラットスプリングとして構成される。とりわけ図示されるように、いくつかの実施形態においてクランプ123は中央部分127によって接続される2つの対向するアーム126を有する延長部材として構成される。この中央部分127は、レセプタクル28の基板プレート125で静止するアイソレーション・ブロック124を備えられる。アイソレーション・ブロック124は、これに限定されるわけではないが繊維強化ポリマーなどの、熱遮蔽材料で作製される。クランプ123の両側のフランジ119は、アーム126の把持部分128と把持係合する把持凹部130を備えられる。フランジ119は、ネジ120によって熱ブロック27に動かないように固定され、このネジ120は取り付け穴121にねじ込まれ、またそこから巻き上げられ得る。したがって、ネジ120をねじ込むことにより、アーム126の把持部分128はアーム126を歪曲しながら基板プレート125に向かって移動され得る。結果として、クランプ力が中央部分127を通して基板プレート125に加えられ、これによりレセプタクル28を1つまたはそれ以上の熱電素子55にクランプするので、機械負荷が均等になる。図示されるように、いくつかの実施形態では、クランプ力のさらなる均一化により、これらに限定されるわけではないが熱伝達のために適合されるオイル、ペーストまたはホイルなどの、良好な熱伝導性を有する材料により作製される熱電素子55の片面または両面にある1つまたはそれ以上の界面層122により温度分配が達成され得る。熱アイソレーション・ブロック124は、レセプタクル28から熱ブロック27への過度な熱流を、クランプ123を用いて妨げ、例えば、レセプタクル28が例えば95℃の温度まで加熱される場合には、熱ブロック27はより低い温度、例えば35℃の温度を有する。いくつかの実施形態では、例えば、約16cm
2の面積を有する熱電素子55のために、クランプ123は200N〜500Nの範囲でクランプ力を加えるように構成される。当業者であれば、しかしながら、レセプタクル28に加えられるクランプ力はユーザの特定の要望にしたがって変更されてもよく、いくつかの実施形態では10N〜1000Nの範囲である場合もあることを理解するだろう。いくつかの実施形態ではクランプ機構129の代わりに、機器1はレセプタクル28を熱電素子55にクランプする複数のクランプ機構129を含む。
【0085】
言うまでもなく、上記の記載に鑑みて、本発明の多数の修正および変更が可能である。それゆえ添付の請求項の範囲内で、本発明は詳細に考案されたもの以外に実行されてもよいということを理解されたい。いくつか例を挙げると、いくつかの実施形態では励起装置7および検出装置10は結合装置12と一体には形成されず、これは軽量の結合装置12が、励起装置7および検出装置10を動かさずに、試料5を処理するための動作位置またはマルチウェルプレート3を取り付け/取り外しするための非動作位置へと垂直に移動されることを可能にする。この場合、ファイバー13、14の第2の端面61が励起装置7および検出装置10に光学的に結合されていることが要求される。またいくつかの実施形態では、構成上の高さを減少できるように、検出モジュール6が熱モジュール2に対して横に配置される。またいくつかの実施形態では、ウェル4に対して1組の光ファイバー13、14を用いる代わりに、1つの光ファイバーのみが、励起光および放射光の両方を伝達するために用いられる。この場合、励起光および放射光はダイクロイックミラーを用いて光学的に切り離され得る。またいくつかの実施形態では、励起光9および放射光24を伝達するために、1つのウェル4に対して光ファイバー13、14の束が用いられる。またいくつかの実施形態では、第1の貫通孔42はウェル4に対して垂直に配置される代わりに、ウェル4の(例えば水平な)開放面に対して傾けられる。またいくつかの実施形態では、各励起ファイバー13および放射ファイバー14の組が2つの貫通孔に収容されるように、一組の光ファイバー13、14を1つの貫通孔42、45、46に収容する代わりに、各ファイバー13、14が別個の貫通孔に収容される。この場合、1組の光ファイバー13、14の貫通孔は例えば、0.2mmといった最小限の間隔を有していればよい。なお、上記の変更された実施形態は網羅的なものではない。