特許第5872880号(P5872880)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5872880基板処理装置、基板移載装置及び半導体装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872880
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】基板処理装置、基板移載装置及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20160216BHJP
   B65G 49/06 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
   B65G49/06 Z
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-278213(P2011-278213)
(22)【出願日】2011年12月20日
(65)【公開番号】特開2013-131529(P2013-131529A)
(43)【公開日】2013年7月4日
【審査請求日】2014年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】柴田 剛吏
(72)【発明者】
【氏名】野上 孝志
【審査官】 今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−206042(JP,A)
【文献】 特開平11−251398(JP,A)
【文献】 特開平11−238775(JP,A)
【文献】 特開平06−271009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67−21/687
B65G 49/06
B25J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のベース部と、
前記第1のベース部に対して移動する第2のベース部と、
基板を保持する第1の保持部を備え、前記第2のベース部に対して移動する移動部と、
基板を保持する第2の保持部を備え、前記移動部に連結可能であって、前記移動部に連結された状態で前記移動部と一体として前記第2のベース部に対して移動する連結部と、
前記第2の保持部の移動の軌跡が他の部材と干渉しない位置まで前記第2のベース部を移動させるとともに、前記連結部との連結が解除された状態で、前記移動部に前記第2のベース部が前記第1のベース部に対して移動した距離よりも長い距離を移動させるように制御する制御部と、
を有する基板処理装置。
【請求項2】
前記基板処理装置は、さらに、前記制御部からの制御によって前記移動部だけに連結するか、前記移動部および連結部の双方に連結するかを切り替える移送枚数切替機構を有する請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記移送枚数切替機構は、前記移動部だけ、または前記移動部と前記連結部の双方と、前記第2のベース部に対して一体として移動可能に構成される請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
第1のベース部と、
前記第1のベース部に対して移動する第2のベース部と、
基板を保持する第1の保持部を備え、前記第2のベース部に対して移動する移動部と、
基板を保持する第2の保持部を備え、前記移動部に連結可能であって、前記移動部に連結された状態で前記移動部と一体として前記第2のベース部に対して移動する連結部と、
を有し、
前記第2の保持部の移動の軌跡が他の部材と干渉しない位置まで前記第2のベース部を移動させるとともに、前記連結部との連結が解除された状態で、前記移動部に前記第2のベース部が前記第1のベース部に対して移動した距離よりも長い距離を移動する基板移載装置。
【請求項5】
前記基板移載装置は、さらに、前記移動部に連結するか、前記移動部および連結部の双方に連結するかを切り替える移送枚数切替機構を有する請求項4に記載の基板移載装置。
【請求項6】
第1のベース部と、前記第1のベース部に対して移動する第2のベース部と、基板を保持する第1の保持部を備え、前記第2のベース部に対して移動する移動部と、基板を保持する第2の保持部を備え、前記移動部に連結可能であって、前記移動部に連結された状態で前記移動部と一体として前記第2のベース部に対して移動する連結部と、を有する基板処理装置の半導体装置の製造方法であって、
前記第1の保持部に基板を保持させる工程と、
前記第2のベースを、前記第2の保持部の移動の軌跡が他の部材と干渉しない位置まで移動させる工程と、
前記連結部との連結が解除された状態で前記移動部を移動させる工程と、
を有し、
前記移動部が前記第2のベース部に対して移動する距離が、前記第2のベース部が前記第1のベース部に対して移動する距離よりも長い半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ウェーハ処理室と、ウェーハを収納するカセットと、ウェーハを搭載しウェーハ処理室内に挿入されるボートと、カセットからボートへ、ボートからカセットへのウェーハ移載動作に先立って、ウェーハを載置するプレートの先端面の位置設定を行うウェーハ移載機と、を含む半導体製造装置において、ウェーハ移載機は、回転、昇降可能な回転台と、それぞれがウェーハ載置部を持つ複数ウェーハ移載用の複数プレートと、ウェーハ載置部を持つ枚葉移載用のプレートと、を具えるとともに、上記回転台の半径方向に進退可能に取り付けたウェーハ把持部と、上記複数プレートの先端面を、把持部を基準に定まる第1の位置に維持させる第1の機構と、上記枚葉用のプレートの先端面を、上記第1の位置、及びこの第1の位置から前方に、少なくともウェーハの載置部だけ、突出した第2の位置に選択して設定する第2の機構と、を備えるとともに、枚葉プレートと複数プレートとを合わせての複数ウェーハの移載のときには、上記第1の機構によって複数プレートの先端面を上記第1の位置に維持させた状態で、上記第2の機構によって枚葉移載用のプレートの先端面を上記第1の位置に設定し、枚葉のウェーハ移載のときには、第1の機構によって複数プレートの先端面を上記第1の位置に維持させた状態で、上記第2の機構によって枚葉移載用のプレートの先端面を上記複数プレートの第1の位置から上記第2の位置に設定し、その後での枚葉移載にあっては複数プレートと枚葉プレートとの上記位置関係を維持した状態で枚葉プレートに1枚のウェーハを載置して枚葉移載を開始するものとした半導体製造装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、基板が載置される支持台と、前記支持台の下部に配置された一つまたはスライド可能に積層してなる複数の板状アームと、前記板状アームにそれぞれ設けられ当該板状アームの上側に位置する前記支持台または前記板状アームをスライドさせるアーム駆動機構とを具備し、前記支持台および前記板状アームを縮退した状態と伸長した状態との間で変化させることにより、第1位置と第2位置との間で前記基板の搬送動作が行われ、前記各板状アームは、その中に前記アーム駆動機構が収容される開口部を有することを特徴とする基板搬送装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−343145号公報
【特許文献2】特開2005−19967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術においては、基板の移載に際して部材の移動の軌跡と他の部材との干渉が生じることがあり、干渉が生じないようにしようとすると装置が大型化することがあるとの問題があった。
本発明の目的は、装置を小型化することができる基板処理装置及び半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る本発明は、第1のベース部と、前記第1のベース部に対して移動する第2のベース部と、基板を保持する第1の保持部を備え、前記第2のベース部に対して移動する移動部と、基板を保持する第2の保持部を備え、前記移動部に連結可能であって、前記移動部に連結された状態で前記移動部と一体として前記第2のベース部に対して移動する連結部と、前記第2の保持部の移動の軌跡が他の部材と干渉しない位置まで前記第2のベース部を移動させるとともに、前記連結部との連結が解除された状態で、前記移動部に前記第2のベース部が前記第1のベース部に対して移動した距離よりも長い距離を移動させるように制御する制御部と、を有する基板処理装置である。
【0007】
請求項2に係る本発明は、第1のベース部と、前記第1のベース部に対して移動する第2のベース部と、基板を保持する第1の保持部を備え、前記第2のベース部に対して移動する移動部と、基板を保持する第2の保持部を備え、前記移動部に連結可能であって、前記移動部に連結された状態で前記移動部と一体として前記第2のベース部に対して移動する連結部と、を有する半導体装置製造装置の半導体装置の製造方法であって、前記第1の保持部に基板を保持させる工程と、前記第2のベースを、前記第2の保持部の移動の軌跡が他の部材と干渉しない位置まで移動させる工程と、前記連結部との連結が解除された状態で前記移動部を移動させる工程と、を有し、前記移動部が前記第2のベース部に対して移動する距離が、前記第2のベース部が前記第1のベース部に対して移動する距離よりも長い半導体装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、装置を小型化することができる基板処理装置及び半導体装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る基板処理装置を示す斜視図である。
図2図1に示す基板処理装置を示す側面透視図である。
図3図1に示す基板処理装置が有するウェーハ移載装置を示す斜視図である。
図4図3に示すウェーハ移載装置の断面を示し、図3に示すウェーハ移載装置の駆動伝達機構を示す図である。
図5図3に示すウェーハ移載装置の動作を説明し、図3(a)は5枚のウェーハを一括して搬送する動作を説明する模式図であり、図3(b)は1枚のウェーハを搬送する動作を説明する模式図である。
図6】第1の比較例に係るウェーハ移載装置を示す模式図である。
図7】第2の比較例に係るウェーハ移載装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に本発明実施形態に係る基板処理装置及び半導体装置の製造方法の一形態を説明する。
以下の説明は、本発明の一実施形態を説明するためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。また、各図の説明において、共通な機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、できるだけ説明の重複を避ける。
【0011】
図1及び図2には、本発明の実施形態に係る基板処理装置100が示されている。基板処理装置100は、基板として用いられているシリコン等からなるウェーハWを処理する装置であり、例えばIC等の半導体装置を製造する半導体装置製造装置としても用いられていて、基板処理装置100を用いて半導体装置の製造方法が実施される。基板処理装置100は、縦型の熱処理装置であり、例えば酸化処理、拡散処理、CVD処理などを基板に施すことができる。
【0012】
図1及び図2に示されるように、基板処理装置100は、基板処理装置本体101を有し、基板処理装置本体101の正面壁101aに、正面メンテナンス口103が形成され、正面メンテナンス口103を開閉するメンテナンス扉104と、フロントオープナー113とが取り付けられている。また、正面壁101aには、カセット搬入搬出口として用いられるFOUP搬入搬出口112が形成されている。
【0013】
基板処理装置本体101内には、カセット載置棚として用いられているFOUP載置棚105と、予備FOUP棚107と、カセットして用いられていて、ウェーハWが収納されるFOUP110と、FOUP受渡し台として用いられているとともにI/Oステージとして用いられているカセットステージ114と、基板保持具昇降機構として用いられているボートエレベータ115と、カセット搬送装置として用いられているFOUP搬送装置118とが配置されている。FOUP搬送装置118は、カセット昇降機構として用いられているFOUP昇降機構118aと、カセット搬送機構として用いられているFOUP搬送機構118bとを有する。また、基板処理装置本体101内には、移載棚123と、ウェーハ移載装置300とが配置されている。
【0014】
また、基板処理装置本体101内には、クリーンユニット134aと、クリーンユニット134bと、炉口開閉機構として用いられている炉口シャッタ147と、処理炉202と、ボート217と、シールキャップ219とが配置されている。ボート217としては、例えば、QUARTZ BOATを用いることができる。
【0015】
基板処理装置100においては、ウェーハWは、FOUP110に装填され密閉された状態で搬送される。正面メンテナンス口103は、メンテナンス時に開放される。メンテナンス扉104は、正面メンテナンス口103を開閉するものであり、FOUP搬入搬出口112は、基板処理装置本体101内外を連通するようにメンテナンス扉104に形成されている。
【0016】
カセットステージ114は、FOUP搬入搬出口112近傍であって基板処理装置本体101の内側に配置されている。FOUP110は、カセットステージ114上に工程内搬送装置(図示せず)によって搬入され、カセットステージ114上から搬出されるようになっている。また、カセットステージ114には、工程内搬送装置によって、FOUP110内のウェーハWが垂直姿勢となり、FOUP110のウェーハ出し入れ口が上方向を向くように載置される。また、カセットステージ114は、FOUP110を筐体後方に右回り縦方向に90°回転し、FOUP110内のウェーハWが水平姿勢となり、FOUP110のウェーハ出し入れ口が基板処理装置本体101の後方を向くように動作する。
【0017】
FOUP載置棚105は、基板処理装置本体101内における前後方向の略中央部に配置されている。FOUP載置棚105は、複数段複数列で、複数個のFOUP110を保管するように構成されている。また、FOUP載置棚105には、先述の移載棚123が設けられていて、移載棚123には、ウェーハ移載装置300の搬送対象となるFOUP110が収納される。
【0018】
カセットステージ114は、基板処理装置本体101の前面側に配置されていて、FOUP110を外部と受渡しする。予備FOUP棚107は、カセットステージ114の上方に配置されていて、予備的にFOUP110を保管するために用いられている。
【0019】
FOUP搬送装置118は、カセットステージ114とFOUP載置棚105との間に設置されている。FOUP搬送装置118のFOUP昇降機構118aは、FOUP110を保持したまま上下方向に昇降することができる。FOUP昇降機構118aには、ロボットアーム(不図示)が取り付けられ、ロボットアームとの協動によりFOUP110を上下左右に搬送する。FOUP昇降機構118aと、ロボットアームと、FOUP搬送機構118bとの連続動作により、カセットステージ114、FOUP載置棚105、予備FOUP棚107との間で、FOUP110は搬送される。
【0020】
この際、FOUP110は、開口面を後方に向けた状態でカセットステージ114上に搬送される。FOUP昇降機構118a、ロボットアーム、及びFOUP搬送機構118bは、カセットステージ114で取り込まれたFOUP110を、昇降動させ、回転動させ、水平動させることで、カセットステージ114からFOUP載置棚105に搬送する。以上の動作が繰り返されることにより、所要数のFOUP110がFOUP載置棚105に搬送される。
【0021】
FOUP搬送装置118は、FOUP載置棚105からフロントオープナー113にFOUP110を搬送する。FOUP110は、開口面を後方に向けた状態でフロントオープナー113に載置される。その後、フロントオープナー113により蓋がFOUP110から取り外される。
【0022】
ウェーハ移載装置300は、FOUP載置棚105の後方に設置されている。ウェーハ移載装置300は、ウェーハWを水平方向に回転させることができ、直線運動をさせることができる回転直動機構310と、回転直動機構310を昇降させるための昇降機構304とで構成されている。昇降機構304は、基板処理装置本体101の右側(図2における奥側)端部に設置されている。また、ウェーハ移載装置300は、回転直動機構310と昇降機構304との連続動作により、ボート217にウェーハWを装填(チャージング)し、ボート217からウェーハWを脱装(ディスチャージング)する。尚、ウェーハ移載装置300の詳細は後述する。
【0023】
ボートエレベータ115は、アーム128を有し、処理炉202の下方に配置されていて、ボート217を処理炉202に昇降させる昇降機構として動作する。アーム128には、先述のシールキャップ219が水平に据え付けられている。シールキャップ219は、ボート217を垂直に支持するとともに、処理炉202の下端部を閉塞することができる。
【0024】
ボート217は、複数本の保持部材を備えており、複数枚(例えば、50枚〜150枚程度)のウェーハWを、その中心を揃えて垂直方向に整列させた状態で、それぞれ水平に保持する。
【0025】
処理炉202は、基板処理装置本体101の後部上方に配置されている。また、処理炉202の下端部は、炉口開閉機構として用いられている炉口シャッタ147により開閉される。また、処理炉202には、ボートエレベータ115によりボート217が挿入され、ボート217が引き出されるようになっている。
【0026】
クリーンユニット134aは、載置棚105の上方に配置されていて、清浄化した雰囲気であるクリーンエアを供給し、クリーンエアを前記基板処理装置本体101の内部に流通させる。また、クリーンユニット134aは、清浄化した雰囲気であるクリーンエアを供給するように、供給ファンおよび防塵フィルタを有する。
【0027】
クリーンユニット134bは、昇降機構304及びボートエレベータ115の左側に配置されていて、クリーンユニット134aと同様に清浄化した雰囲気であるクリーンエアを供給し、クリーンエアを前記基板処理装置本体101の内部に流通させる。クリーンユニット134bは、清浄化した雰囲気であるクリーンエアを供給するように、供給ファンおよび防塵フィルタを有し、クリーンユニット134bから吹き出されたクリーンエアは、回転直動機構310、ボート217を流通した後に、図示しない排気装置に吸い込まれて、基板処理装置本体101の外部に排気される。
【0028】
以上のように構成された基板処理装置100においては、FOUP110がカセットステージ114に供給されるに先立って、FOUP搬入搬出口112がフロントオープナー113によって開放される。その後、FOUP110はFOUP搬入搬出口112から搬入され、カセットステージ114の上にウェーハWが垂直姿勢であって、FOUP110のウェーハ出し入れ口が上方向を向くように載置される。その後、FOUP110は、カセットステージ114によって、FOUP110内のウェーハWは水平姿勢となり、FOUP110のウェーハ出し入れ口が筐体後方に向くように、筐体後方に右周り縦方向に90°回転する。
【0029】
次に、FOUP110は、FOUP載置棚105又は予備FOUP棚107の指定された位置へFOUP搬送装置118によって自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、FOUP載置棚105ないし予備FOUP棚107からFOUP搬送装置118によって移載棚123に移載されるか、直接に移載棚123に搬送される。
【0030】
次に、ウェーハ移載装置300が、ウェーハWを昇降動させ、回転動させ、水平進退動させることで、FOUP110内のウェーハWを下降状態のボート217に移戴する。ウェーハWの移載は、ウェーハWが予定された枚数となるまで複数のFOUP110に対して実行される。ボート217に予定された枚数のウェーハWが装填されると、ボートエレベータ115が、ボート217を上昇させ、ボート217を処理炉202内に挿入する。即ち、予め指定された枚数のウェーハWがボート217に装填されると、炉口シャッタ147が閉じていた処理炉202の下端部を開放させ、続いてウェーハW群を保持したボート217が、シールキャップ219がボートエレベータ115によって上昇されることにより、処理炉202内へ搬入(ローディング)される。ウェーハW群を保持したボート217がローディングされた後は、処理炉202でウェーハWに任意の処理が実施される。
【0031】
そして、処理がなされた後は、上述の逆の手順で、ウェーハWおよびFOUP110は、基板処理装置本体101の外部へ払い出される。処理炉202内でウェーハWに所要の処理が施された後、ボートエレベータ115は、ボート217を降下させ、ボート217を処理炉202より引き出す。ボート217は、ウェーハWが所要温度に冷却された後、処理済みのウェーハとして、上記した手順と逆の手順で外部に搬出される。即ち、FOUP110が移載棚123に移載されると、ウェーハWは、FOUP110からウェーハ移載装置300によって、ウェーハ出し入れ口を通じてピックアップされ、ボート217に装填(チャージング)される。そして、ウェーハ移載装置300は、ボート217にウェーハWを受け渡した後は、次のウェーハWをボート217に装填する。
【0032】
図3にはウェーハ移載装置300が示されている。
ウェーハ移載装置300は、先述のように所定枚数のウェーハWをFOUP110とボート217間で水平姿勢に保持し、ウェーハWをFOUP110からボート217へ移載し、ボート217からFOUP110へ移載するものである。また、ウェーハ移載装置300は、先述のように回転直動機構310と、昇降機構304(図1参照)とを有するものである。図3及び図4においては、昇降機構304の図示は省略されていて、回転直動機構310の部分が示されている。回転直動機構310は、昇降機構304が作動することにより一体として上昇し下降する。
【0033】
図3に示すように、回転直動機構310は、回転機構314と、第1のベース部320と、第1ベース部320に対して移動することができるように第1のベース部320に装着された第2のベース部330と、第2のベース部330に対して移動することができるように第2のベース部330に装着された移動部350と、移動部350に連結可能であって、移動部350に連結された状態で移動部350と一体として第2のベース部330に対して移動することができる連結部380とを有している。
【0034】
回転機構314は、例えばモータ等の図示を省略する回転用の駆動源に連結されていて、この駆動源からの駆動伝達を受けて、図3に矢印で示すように回転軸316を中心として回転する。回転機構314には、第1のベース部320の底面が取り付けられていて、回転機構314が回転をすることで、第1のベース部320、第2のベース部330、移動部350、及び連結部380が回転軸316を中心として、図3に示す矢印方向に回転する。
【0035】
第1のベース部320は、昇降機構304(図1参照)が作動することにより上昇し下降するとともに、回転機構314が作動することにより回転するものの、基板処理装置本体101に対して、前後左右には動かないようになっている。また、第1のベース部320は、例えば中空の筐体であり、上側の面で、重力方向下側から支えるようにして、第2のベース部330を移動することができるように支持している。
【0036】
第2のベース部330は、例えば中空の筐体であり、第2のベース部330の上側の面332は略水平であり、面332には、例えば2本のレール334、334が互いに平行になるように装着されている。また、面332には、移送枚数切替機構340が取り付けられている。
【0037】
移送枚数切替機構340は、FOUP110からボート217へ移載し、ボート217からFOUP110へ移載するウェーハWの枚数を切替えための機構であり、移動部350だけに連結するか、移動部350及び連結部380の双方に連結するかを選択することができるようになっている。また、移送枚数切替機構340は、第2のベース部330に対して前後方向に移動することができるようになっている(図4参照)。このため、移動部350だけに連結した状態で前後方向に移動することで、連結部380を第2のベース部330に対して静止させた状態で、移動部350だけを前後方向に移動させることができる。また。移動部350及び連結部380の両方に連結して前後方向に移動することで、移動部350及び連結部380を、第2のベース部330に対して一体として前後方向に移動させることができる。
【0038】
また、移送枚数切替機構340は、移動部350と連結部380とを連結し、移動部350と連結部380との連結を解除する連結機構としても機能している。また、移送枚数切替機構340は、移動部350が第2のベース部330に対して移動するための駆動を移動部350に伝達する駆動伝達部としても機能しているとともに、連結部380が第2のベース部330に対して移動するための駆動力を連結部380に伝達する駆動伝達部としても機能している。
【0039】
移動部350は、スライダ352、352と、2つのスライダ352、352に跨るように取り付けられた移動部本体356とを有する。スライダ352、352は、それぞれがレール334、334の上に載せられていて、レール334、334に案内されて、レール334、334に沿って移動することができるようになっている。移動部本体356には、第1の保持部として用いられていて、ウェーハWを保持するツイーザ362が例えば1つ取り付けられている。ツイーザ362は、略水平に配置された板状の部材であり、重力方向下側から支えるようにしてウェーハWを保持する。
【0040】
連結部380は、スライダ382、382と、2つのスライダ382、382に跨るように取り付けられた連結部本体386とを有する。スライダ382、382は、それぞれがレール334、334の上に載せられていて、レール334、334に案内されて、レール334、334に沿って移動することができるようになっている。連結部本体386には、第2の保持部として用いられていて、ウェーハWを保持するツイーザ388が例えば4つ取り付けられている。ツイーザ388は、それぞれが略水平に配置された板状の部材であり、重力方向下側から支えるようにしてそれぞれがウェーハWを保持する。
【0041】
図4には、ウェーハ移載装置300が有する駆動伝達機構400が示されている。駆動伝達機構400は、第2のベース部330を第1のベースに対して移動させるための機構であり、移動部350を第2のベース部330に対して移動させるための機構であり、連結部380を移動部350と一体として第2のベース部330に対して移動させるための機構である。
【0042】
駆動伝達機構400は、第1駆動プーリ410と、第1駆動プーリ410と同軸上に配置されていて、第1駆動プーリ410よりも小径の第2駆動プーリ412とを有する。第1駆動プーリ410と第2駆動プーリ412とは、第2のベース部330の中空部に、第2のベース部330に対して回転することができるように装着されている。また、第1駆動プーリ410及び第2駆動プーリ412は、駆動源として用いられるモータ420に連結されていて、図4に示す矢印a方向と、図4に示す矢印aと逆の方向とに一体として同じ角速度で、互いに同方向に回転することができるようになっている。
【0043】
モータ420と先述の移送枚数切替機構340とは、例えばCPU等からなる制御回路500により制御される。制御回路500、移送枚数切替機構340、及び駆動伝達機構400で、第2のベース部330、移動部350、及び連結部380の移動や停止等の動作を制御する制御部が構成されている。
【0044】
また、駆動伝達機構400は、従動プーリ430、従動プーリ432、従動プーリ434、及び従動プーリ436を有する。従動プーリ432、従動プーリ434、及び従動プーリ436は、それぞれが第2のベース部330の中空部に、第2のベース部330に対して回転することができるように取り付けられている。
【0045】
また、駆動伝達機構400は、第1ベルト部材440を有する。第1ベルト部材440は、無端状の帯状の部材であって、図4に示されるように、第1駆動プーリ410、従動プーリ430、従動プーリ432、従動プーリ434、及び従動プーリ436に掛け渡されている。また、第1ベルト部材440には、先述の移送枚数切替機構340が取り付けられていて、第1のベルト部材440が移動することで移送枚数切替機構340が第1ベルト部材440と一体として移動するようになっている。
【0046】
また、駆動伝達機構400は、固定プーリ446と固定プーリ448とを有する。固定プーリ446と固定プーリ448とは、第1のベース部320の中空部に、第1のベース部320に対して回転することができないように固定されている。
【0047】
また、駆動伝達機構400は、第2ベルト部材452を有する。第2ベルト部材452は、無端状の帯状の部材であって図4に示すように第2駆動プーリ412、固定プーリ446、及び固定プーリ448に掛け渡されている。また、第2ベルト部材452は、例えば固定プーリ446と固定プーリ448とに固定されていて、第2駆動プーリ412が回転しても、固定プーリ446及び固定プーリ448に対して移動しないようになっている。
【0048】
以上のように構成された駆動伝達機構400において、第1駆動プーリ410及び第2駆動プーリ412が、一体として図4に示す矢印a方向に回転すると、第1駆動プーリ410から第1ベルト部材440に駆動が伝達されることにより、第1ベルト部材440及び移送枚数切替機構340は図4に示す矢印b方向に一体として移動する。
【0049】
そして、移送枚数切替機構340が矢印b方向に移動すると、移送枚数切替機構340が移動部350だけと連結されている場合は、連結部380が第2のベース部330に対して静止した状態で、移動部350が第2のベース部330に対して矢印b方向に移動する。また、移送枚数切替機構340が移動部350と連結部380との両方に連結している場合は、移送枚数切替機構340が矢印b方向に移動すると、移動部350と連結部380との双方が第2のベース部330に対して矢印b方向に移動する。
【0050】
また、第2駆動プーリ412が第2ベルト部材452に接触した状態で回転することにより、第2駆動プーリ412が図4に示す矢印c方向に移動し、第2駆動プーリ412が移動することで、第2のベース部330が第2の駆動プーリ412と一体として、第1のベース部320に対して図4に示す矢印c方向に移動する。
【0051】
一方、第1の駆動プーリ410と第2駆動プーリ412とが、図4に示す矢印aと逆方向に回転した場合、移動部350が単独で、又は移動部350と連結部380とが一体として、図4に示される矢印bと逆方向に第2のベース部330に対して移動するとともに、第2のベース部330が第1のベース部320に対して図4に示す矢印cと逆方向に移動する。
【0052】
ここで、第1の駆動プーリ410及び第2駆動プーリ412の回転する角度が一定である場合、第1ベルト部材440と移送枚数切替機構340等との移動する距離は、第1駆動プーリ410の径により異なる。すなわち、第1駆動プーリ410の径を大きくすれば、移送枚数切替機構340等が移動する距離は長くなり、第1駆動プーリ410の径を小さくすれば、移送枚数切替機構340等が移動する距離が短くなる。また、第1の駆動プーリ410及び第2駆動プーリ412の回転する角度が一定である場合、第2のベース部330等の移動する距離は、第2駆動プーリ412の径により異なる。すなわち、第2駆動プーリ412の径を大きくすれば、第2のベース部330等が移動する距離は長くなり、第2駆動プーリ412の径を小さくすれば、第2のベース部330等が移動する距離が短くなる。
【0053】
また、第1の駆動プーリ410の径と第2駆動プーリ412の径との比率によって、移送枚数切替機構340等が第2のベース部330に対して移動する距離と、第2のベース部330が第1のベース部320に対して移動する距離との比率が決まる。この実施形態では、第1の駆動プーリ410の径が第2の駆動プーリ412の径の2倍となっていて、
移送枚数切替機構340等が第2のベース部330に対して移動する距離が、第2のベース部330が第1のベース部320に対して移動する距離の2倍となっている。
【0054】
図5にはウェーハ移載装置300の動作が示されていて、図5(a)には、5枚のウェーハWをまとめてFOUP110内へ搬送する際のウェーハ移載装置300の動作が示され、図5(b)には、1枚のウェーハWをFOUP110内へ搬送する際のウェーハ移載装置300の動作が示されている。
【0055】
4つのツイーザ388とツイーザ362とにそれぞれウェーハWを保持させ、移動部350と連結部380との双方に移送枚数切替機構340が連結した状態で、第1駆動プーリ410と第2駆動プーリ412とを図4に示す矢印aの方向に回転させると、図5(a)に示すように、第2のベース部330が第1のベース部320に対してFOUF110に近づく方向に移動するとともに、移動部350と連結部380とが第2のベース部330に対してFOUP110に近づく方向に移動して、ウェーハWを保持した4つのツイーザ388とツイーザ362とがFOUP110内に挿入された状態となる。また、図5(a)に示された状態から、第1駆動プーリ410と第2駆動プーリ412とを図4に示す矢印aと逆の方向に回転させると、第2のベース部330が第1のベース部320に対してFOUF110から遠ざかる方向に移動するとともに、移動部350と連結部380とが第2のベース部330に対してFOUP110から遠ざかる方向に移動して、ウェーハ移載装置300は、図4に示された状態となる。
【0056】
ツイーザ362にウェーハWを保持させ、移動部350と移送枚数切替機構340とを連結させ、連結部380と移送枚数切替機構340とを連結させない状態で、第1駆動プーリ410と第2駆動プーリ412とを図4に示す矢印aの方向に回転させると、図5(b)に示すように、第2のベース部330が第1のベース部320に対してFOUF110に近づく方向に移動するとともに、連結部380が第2のベース部330に対して静止した状態で、移動部350が第2のベース部330に対してFOUP110に近づく方向に移動して、ウェーハWを保持したツイーザ362がFOUP110内に挿入された状態となる。
【0057】
ここで、先述のように、移動部350が第2のベース部330に対して移動する距離L2は、第2のベース部330が第1のベース部320に対して移動する距離L1よりも長く、距離L2は距離L1の2倍となっている。また、図5(b)に示されるように、第2のベース部330は、4つのツイーザ388の移動の軌跡が、例えばFOUP載置棚105等の部材と干渉しない位置まで移動する。このように、基板処理装置100においては、移動部350は、ツイーザ388の移動の軌跡が例えばFOUP載置棚105等の部材と干渉しない位置まで第2のベース部330が第1のベース部320に対して移動し、連結部380との連結が解除された状態で、第2のベース部330が第1のベース部320に対して移動した距離L1よりも長い距離である距離L2だけ第2のベース部330に対して移動するようになっている。
【0058】
また、図5(b)に示された状態から、第1駆動プーリ410と第2駆動プーリ412とを図4に示す矢印aと逆の方向に回転させると、第2のベース部330が第1のベース部320に対してFOUF110から遠ざかる方向に移動するとともに、移動部350が第2のベース部330に対してFOUP110から遠ざかる方向に移動して、ウェーハ移載装置300は、図4に示された状態となる。
【0059】
図6には、第1の比較例に係るウェーハ移載装置300が示されている。
先述の本発明の実施形態に係るウェーハ移載装置300においては、第1のベース部320に対して移動することができるように第2のベース部330が取り付けられていて、第2のベース部330に対して、さらに移動部350と連結部380とが移動することができるように取り付けられていた。これに対して、この第1の比較例に係るウェーハ移載装置300は、第2のベース部330を有せず、第1のベース部330に移動部350と連結部380とが移動することができるように取り付けられている。
【0060】
即ち、前述の本発明の実施形態に係るウェーハ移載装置300においては、ウェーハWを水平に移動させるために移動する部分が複数(2つ)あったのに対して、この第1の比較例に係るウェーハ移載装置300においては、ウェーハWを水平に移動させるために移動する部分が1つしかない。このため、ウェーハWを移動させる距離を長くしようとすると、第1のベース部320のウェーハWの移動方向の長さを長くする必要があり、ウェーハ移載装置300と、ウェーハ移載装置300を有する基板処理装置100とが大型となってしまう。
【0061】
図7には、第2の比較例に係るウェーハ移載装置300が示されている。
前述の本発明の実施形態に係るウェーハ移載装置300においては、移動部350が第2のベース部330に対して移動する距離L2は、第2のベース部330が第1のベース部320に対して移動する距離L1よりも長く、距離L2は、距離L1の2倍となっていた。これに対して、この第2の比較例に係るウェーハ移載装置300では、距離L2と距離L1とが同じとなっている。このため、第2のベース部330を第1のベース部320に対して移動させつつ、連結部380を第2のベース部330に対して移動させずに、移動部350を第2のベース部330に対して移動させる場合に、例えば図7に示す破線で囲んだ領域dに示すように、ツイーザ388の移動の軌跡が例えばFOUP載置棚105等の他の部材と干渉しやすくなり、この干渉を生じないようにしようとすると、ウェーハ移載装置300と、ウェーハ移載装置300を有する基板処理装置100とが大型となってしまう。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上で説明をしたように、本発明は、基板処理装置と、半導体装置の製造方法とに適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
100:基板処理装置
101:基板処理装置本体
105:載置棚
300:ウェーハ移載装置
320:第1のベース部
330:第2のベース部
340:移送枚数切替機構
350:移動部
362:ツイーザ
380:連結部
388:ツイーザ
400:駆動伝達機構
410:第1駆動プーリ
412:第2駆動プーリ
440:ベルト部材
452:ベルト部材
500:制御回路
W:ウェーハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7