(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記入力テクスチャ空間変位ベクトルは、対応するデコーダにおける前記ピクチャのテクスチャリージョン内へのテクスチャパッチの直接的な貼り付けをサポートするように構成されている、請求項1に記載の装置。
前記エンコーディングするステップが、前記入力テクスチャ空間変位ベクトル及び前記入力サンプルテクスチャをエンコーディングするステップを含む、請求項6に記載の方法。
前記入力テクスチャ空間変位ベクトルが、対応するデコーダにおける前記ピクチャのテクスチャリージョン内へのテクスチャパッチの直接的な貼り付けをサポートするように構成されている、請求項6に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の原理は、サンプリングテクスチャ合成を使用したテクスチャ圧縮の方法及び装置に関する。
【0014】
本説明は、本発明の原理を示す。従って、この発明の発明を実施するための形態を読んだ本技術分野の当業者が、本明細書内に明示的に説明及び図示されていなくとも、本発明の原理を包含する様々な構成を考案可能であることが理解される。
原理、態様及び本発明の原理の実施形態、並びに本発明の原理の特定の例を列挙している本明細書内の全ての記述は、それらの構造的及び機能的均等物の両方を包含することが意図されている。さらに、このような均等物は、現在知られている均等物及び将来開発される均等物、すなわち構造にかかわらず同一の機能を実行する開発された全ての要素を含むと意図される。
【0015】
従って、例えば、本明細書において表されているブロック図が、本発明の原理を含む例示の回路の概念的視点を示していることが、本技術分野の当業者によって理解されるだろう。同様に、フローチャート、フロー図、状態遷移図、擬似コード等が、実質的にコンピュータ可読媒体内に表現されてコンピュータまたはプロセッサによって実行され得る様々なプロセスを示し、本技術分野の当業者が本明細書の様々な開示からコンピュータコードを開発可能であることが理解されるだろう。
【0016】
図面内に示されている様々な要素の機能は、専用のハードウェア及び適切なソフトウェ
アに関連しているソフトウェアを実行可能なハードウェアの使用によってもたらされ得る。プロセッサによってもたらされる場合、当該機能は、単一の専用プロセッサによってか、単一の共有プロセッサによってか、またはいくつかが共有されていてもよい複数の別個のプロセッサによってもたらされ得る。さらに、「プロセッサ」または「コントローラ」の明示的な使用は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアだけをいうと理解されるべきではなく、限定無しに、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ソフトウェアを保存するためのROM(read only memory)、RAM(random access memory)、グラフィックプロセッサ(GPU)、及び不揮発性記憶装置を非明示的に含み得る。
【0017】
他のハードウェア、従来の及び/またはカスタムのもの、も含まれ得る。同様に、図面内に示されているスイッチは、単に概念的なものである。これらの機能は、プログラムロジックの動作を介して、専用のロジックを介して、プログラム制御の命令及び専用のロジックを介して、または手動で実行され得、特定の技術が、文脈からさらによく理解されるように、実装者によって選択されることが可能である。
【0018】
本願の特許請求の範囲において、特定の機能を実行するための手段として表されている任意の要素は、例えば、a)その機能を実行する回路要素の組み合わせ、またはb)ソフトウェアを実行して当該機能をなすための適切な回路と組み合わされたファームウェア、マイクロコード等を含む任意の形式のソフトウェア、を含む当該機能を実行する任意の方法を含むと意図されている。当該特許請求の範囲によって画定される本発明の原理は、開示されている様々な手段によって提供される機能が、特許請求の範囲に記載の態様にて組み合わされかつ共に編成されるという事実の中に存在する。従って、これらの機能を提供可能な全ての手段は、本明細書において示されているものと均等であるとされる。
【0019】
明細書における本発明の原理の「1つの実施形態」または「実施形態」という記載は、実施形態と共に説明されている特定の特徴、構造、特性等が、本発明の原理の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。従って、明細書全体の様々な箇所に出現する「1つの実施形態において」または「実施形態において」というフレーズの登場は、必ずしも全てが同一の実施形態を参照しているわけではない。
【0020】
例えば、「A/B」、「A及び/またはB」及び「A及びBのうちの少なくとも1つ」における「/」、「及び/または」及び「〜のうちの少なくとも1つ」の使用は、最初に挙げられた選択肢(A)のみの選択、2番目に挙げられた選択肢(B)のみの選択、または両方の選択肢(A及びB)の選択を包含することが意図されていると理解されるべきである。他の例として、「A、B及び/またはC」及び「A、B及びCの少なくとも1つ」という場合は、当該表現は、最初に挙げられた選択肢(A)のみの選択、2番目に挙げられた選択肢(B)のみの選択、3番目に挙げられた選択肢(C)のみの選択、最初及び2番目に挙げられた選択肢(A及びB)のみの選択、最初及び3番目に挙げられた選択肢(A及びC)のみの選択、2番目及び3番目に挙げられた選択肢(B及びC)のみの選択、または3つの全ての選択肢(A、B及びC)の選択を包含することが意図されている。このことは、本技術分野及び関連技術分野の当業者によって容易に理解されるように、多数のアイテムが挙げられる場合に拡張され得る。
【0021】
さらに、本発明の原理の1または複数の実施形態及び/または実装例が本明細書においてMPEG−4 AVC(ISO/IEC 14496−10)規格に関連して説明されているが、本発明の原理は、この規格のみに限定されず、本発明の原理の精神を維持しつつ、他のビデオコーディング規格、勧告、及びそれらの拡張(MPEG−4AVC規格、VC−1(SMPTE)の拡張を含む)に関連して使用され得る。
【0022】
本明細書において、「ハイレベルシンタックス」は、ビットストリーム内にて階層的にマクロブロックレイヤの上に存在するシンタックスをいう。例えば、本明細書におけるハイレベルシンタックスは、限定するわけではないが、スライスヘッダレベル、付加拡張情報(SEI)レベル、ピクチャパラメータセット(PPS)レベル、シーケンスパラメータセット(SPS)レベル及びネットワーク抽象化レイヤ(NAL)ユニットヘッダレベルのシンタックスをいい得る。
【0023】
本願は、従来技術の統計的モデリング方法とは異なる「パッチベースのサンプリング」と称されるテクスチャモデリングを実行する代替の方法を開示してこれを改良する。このテクスチャビデオコーディング方法は、合成されたテクスチャの構成のための構成要素として入力サンプルテクスチャのテクスチャパッチの使用を含む。
図1を参照すると、従来技術によるパッチベースサンプリング方法の概略が、全体として参照符号100で示されている。
【0024】
図1のパッチベースのサンプリング方法に含まれているステップの各々において、入力サンプルテクスチャI
inのパッチは、合成テクスチャI
out内に貼り付けられる。パッチ境界に亘るミスマッチング特性を避けるために、新しいパッチB
kが、すでに貼り付けられたパッチ{B
0,...B
k−1}に基づいて選択される。簡略化のために、所定のサイズω
B×ω
Bの正方形パッチのみが使用されている。テクスチャパッチの境界ゾーンは、パッチの境界に沿った幅ω
Eの帯として定められている。新しいパッチは、境界ゾーンにおいて古いパッチにオーバーラップしている。新しいパッチは、所定の条件を使用して、境界ゾーンが古いパッチとマッチングしている全てのパッチΨ
Bに関して入力サンプルテクスチャI
inを検索することによって選択される。合成器は、Ψ
Bから1つのパッチをランダムに選択し、当該選択されたパッチを合成テクスチャI
out内に入れる。イメージに対するパッチ生成の順序は、底部から頂部、左から右の順である。テクスチャのランダム性の故に、パッチベースのサンプリング方法100は、通常の走査順序である限り、どの順序が使用されているかには構わないことに留意する。しかし、エンコーダ及びデコーダは、同一の順序を使用すべきである。
【0025】
図1のパッチベースのサンプリング方法は、以下の様にも記述され得る。
【0026】
(a)入力サンプルテクスチャI
inからテクスチャパッチB
0をランダムに選択する。I
outの左下角内にB
0を貼り付ける。k=1に設定する。
【0027】
(b)Ψ
Bのテクスチャパッチの各々に関してその境界ゾーンが古い隣接パッチの境界ゾーンにマッチングするように、I
inからの全てのテクスチャパッチから決められたΨ
Bを生成する。
【0028】
(c)k番目のテクスチャパッチB
kとしてΨ
Bから要素をランダムに選択する。I
out上にB
kを張り付ける。k=k+1に設定する。
【0029】
(d)I
outが完全に覆われるまでステップ(b)及び(c)を繰り返す。
【0030】
(e)境界ゾーンにおいてブレンディングを実行する。
【0031】
(e)におけるブレンディングステップは、I
outがテクスチャパッチで完全に覆われた後に、隣接テクスチャパッチ間の滑らかな遷移をもたらす。
【0032】
上述のアルゴリズムが強制テクスチャ合成のためのものであることに留意する。境界を伴うテクスチャを合成するために、テクスチャに隣接する境界エリアは、Ψ
Bを検索する際に境界ゾーンとして考えられる。
【0033】
パッチベースのサンプリング方法がテクスチャ圧縮に使用される場合、入力テクスチャサンプルのみがエンコーダにおいてコーディングされる。デコーダにおいて、テクスチャは、
図1のパッチベースのサン
プリング方法に関連する上述のアルゴリズムに従って再構築される。パッチベースのサンプリング方法は、速度及び品質において統計的なモデルベースの方法よりも効率が良い。それでもなお、パッチベースのサンプリング方法は、限定するわけではないが:(1)デコーダがエンコーダよりも複雑であること;(2)デコーダの速度が、時間を浪費する走査であるΨBの検索によって制約を受けること;及び(3)コーデックのパフォーマンスが、エンコーダに対するデコーダの構成に依存している検索アルゴリズムに依存していること、を含むいくつかの欠点を有している。
【0034】
本発明の原理は、
図1とともに理解されるパッチベースの方法よりも良好なパッチベースのサンプリングテクスチャ合成を使用するテクスチャ圧縮の方法及び装置に関する。多くのイメージ及びビデオコーディング規格と対照的に、本発明は、パッチベースのサンプリングによるテクスチャ合成を使用してテクスチャをコーディング可能である。有利に、かつ従来技術とは対照的に、本発明の原理は、デコーダにおけるリアルタイムテクスチャ合成を実装するための情報を使用する。
【0035】
本発明によれば、複雑性は、デコーダからエンコーダに
移行される。このような方針によって、デコーダにおいては検索が不要になり、エンコーダが実質的にパフォーマンス(例えば、圧縮効率)を決することとなる。
【0036】
図2をみると、例示のパッチベースのサンプリング方法の概略図が、全体として参照符号200で示されている。
図2の方法が、当該方法のパッチベースのサンプリング方法に関する情報を使用することに留意する。
【0037】
1つの実施形態において、使用される情報は、入力サンプルテクスチャI
in内の新しいパッチの配置を記述する「変位ベクトル」である。この変位ベクトルは、
図2に示されているように、dvとして定義されている。
図2の実施形態において、dvは、B
kの左上点からI
inの左上点までの距離である。本発明の原理に従った、この「変位ベクトル」は、基準ピクチャが入力テクスチャI
inであるという点、及び一般的に時間的変位をいう従来の「モーションベクトル」と異なり変位ベクトルが空間的変位であるという点において、現在のビデオ圧縮規格及び勧告おけるモーション補間において使用されているモーションベクトルとは異なる。従って、本発明の原理に従って本明細書に記載されている空
間変位ベクトルは、本明細書内で「入力テクスチャ空間変位ベクトル」と同じ意味で使用される。エンコーダにおいて、入力サンプルテクスチャ及び空
間変位ベクトルdvを示す情報の両方がコーディングされる。デコーダにおいて、「変位ベクトル」が直接的に使用されて新しいパッチが生成される。
【0038】
入力サンプルテクスチャ及び空間変位ベクトルを示す情報は、損失が多いかまたは損失が少ない任意の方法でコーディングされ得る。1つの実施形態において、入力サンプルテクスチャは、ベクトル量子化及びエントロピーコーディングを用いて損失の多い態様でコーディングされ、差分パルス符号変調(DPCM)及びエントロピーコーディングを用いて損失の少ない態様で変位ベクトルをコーディングする。有利には、本発明の原理の実施形態は、限定するわけではないが、解像の各々において変位ベクトルが生成され得る多重解像度パッチベースサンプリングテクスチャ合成を含むパッチベースサンプリングに基づく任意の方法に適用され得る。
【0039】
図3を参照すると、MPEG−4 AVC規格に従ってビデオエンコーディングを実行可能なビデオエンコーダが全体として参照符号300で示されている。
【0040】
ビデオエンコーダ300は、結合器385の非反転入力に接続されている出力を有するフレームオーダリングバッファ(frame ordering buffer)310を含む。結合器385の出力は、変換器及び量子化器325の第1の入力に接続されている。変換器及び量子化器325の出力は、エントロピーコーダ345の第1の入力、並びに逆変換器及び逆量子化器350の第1の入力に接続されている。エントロピーコーダ345の出力は、結合器390の第1の非反転入力に接続されている。結合器390の出力は、出力バッファ335の第1の入力に接続されている。
【0041】
エンコーダコントローラ305の第1の出力は、フレームオーダリングバッファ310の第2の入力、逆変換器及び逆量子化器350の第2の入力、ピクチャタイプ判定モジュール315の入力、マクロブロックタイプ(MBタイプ)判定モジュール320の入力、イントラ予測モジュール360の第2の入力、デブロッキングフィルタ365の第2の入力、モーション補償器370の第1の入力、モーション評価器375の第1の入力、基準ピクチャバッファ380の第2の入力、テクスチャ合成器333の第1の入力、並びに変位ベクトル抽出器334の第1の入力に接続されている。
【0042】
エンコーダコントローラ305の第2の出力は、付加拡張情報(SEI)挿入器330の第1の入力、変換器及び量子化器325の第2の入力、エントロピーコーダ345の第2の入力、出力バッファ335の第2の入力、並びにシーケンスパラメータセット(SPS)及びピクチャパラメータセット(PPS)挿入器340の入力に接続されている。
【0043】
ピクチャタイプ判定モジュール315の第1の出力は、フレームオーダリングバッファ310の第3の入力に接続されている。ピクチャタイプ判定モジュール315の第2の出力は、マクロブロックタイプ判定モジュール320の第2の入力に接続されている。
【0044】
シーケンスパラメータセット(SPS)及びピクチャパラメータセット(PPS)挿入器340の出力は、結合器390の第3の非反転入力に接続されている。
【0045】
逆量子化器及び逆変換器350の出力は、結合器319の第1の非反転入力に接続されている。結合器319の出力は、イントラ予測モジュール360の第1の入力及びデブロッキングフィルタ365の第1の入力に接続されている。デブロッキングフィルタ365の出力は、基準ピクチャバッファ380の第1の入力に接続されている。基準ピクチャバッファ380の第1の出力は、モーション評価器375の第2の入力及びモーション補償器370の第3の入力に接続されている。基準ピクチャバッファ380の第2の出力は、テクスチャ合成器333の第2の入力に接続されている。テクスチャ合成器333の第1の出力は、デブロッキングフィルタ365の第3の入力に接続されている。テクスチャ合成器333の第2の出力は、変位ベクトル抽出器334の第2の入力に接続されている。変位ベクトル抽出器334の出力は、エントロピーコーダ345の第3の入力に、モーションベクトルを提供するために接続されている。モーション評価器375の第1の出力は、モーション補償器370の第2の入力に接続されている。モーション評価器375の第2の出力は、エントロピーコーダ345の第4の入力に、変位ベクトルを提供するために接続されている。1つの実施形態において、モーションベクトル及び変位ベクトルは、大きさ及び方向の両方を含み得るように、同様にコーディングされ得ることに留意する。
【0046】
モーション補償器370の出力は、スイッチ397の第1の入力に接続されている。イントラ予測モジュール360の出力は、スイッチ397の第2の入力に接続されている。マクロブロックタイプ判定モジュール320の出力は、スイッチ397の第3の入力に接続されている。スイッチ397の第3の入力は、スイッチの「データ」入力が(制御入力すなわち第3の入力と比較して)モーション補償器370またはイントラ予測モジュール360によって提供されるべきか否かを判定する。スイッチ397の出力は、結合器319の第2の非反転入力及び結合器385の反転入力に接続されている。
【0047】
フレームオーダリングバッファ310及びエンコーダコントローラ305の入力は、入力ピクチャ301を受信するための、エンコーダ300の入力として利用可能である。さらに、付加拡張情報(SEI)挿入器330の入力は、メタデータを受信するための、エンコーダ300の入力として利用可能である。出力バッファ335の出力は、ビットストリームを出力するための、エンコーダ300の出力として利用可能である。
【0048】
図4を参照すると、MPEG−4 AVC規格に従ってビデオデコーディングを実行可能なビデオデコーダが全体として参照符号400で示されている。
【0049】
ビデオデコーダ400は、エントロピーデコーダ445の第1の入力に接続されている出力を有する入力バッファ410を含む。エントロピーデコーダ445の第1の出力は、逆変換器及び逆量子化器450の第1の入力に接続されている。逆変換器及び逆量子化器450の出力は、結合器425の第2の非反転入力に接続されている。結合器425の出力は、デブロッキングフィルタ465の第2の入力及びイントラ予測モジュール460の第1の入力に接続されている。デブロッキングフィルタ465の第2の出力は、基準ピクチャバッファ480の第1の入力に接続されている。基準ピクチャバッファ480の第1の出力は、モーション補償器470の第2の入力に接続されている。基準ピクチャバッファ480の第2の出力は、テクスチャ合成器433の第1の入力に接続されている。変位ベクトルデコーダ434の出力は、テクスチャ合成器433の第2の入力に接続されている。
【0050】
エントロピーデコーダ445の第2の出力は、モーション補償器470の第3の入力、デブロッキングフィルタ465の第1の入力、及びイントラ予測モジュール460の第2の入力に接続されている。エントロピーデコーダ445の第3の出力は、デコーダコントローラ405の入力に接続されている。エントロピーデコーダ445の第4の出力は、変位ベクトルデコーダ434の第2の入力に接続されている。デコーダコントローラ405の第1の出力は、エントロピーデコーダ445も第2の入力に接続されている。デコーダコントローラ405の第2の出力は、逆変換器及び逆量子化器450の第2の入力に接続されている。デコーダコントローラ405の第3の出力は、イントラ予測モジュール460の第3の入力、モーション補償器470の第1の入力、基準ピクチャバッファ480の第2の入力、テクスチャ合成器433の第3の入力、及び変位ベクトルデコーダ434の第1の入力に接続されている。デコーダコントローラ405の第4の出力は、デブロッキングフィルタ465の第3の入力に接続されている。
【0051】
モーション補償器470の出力は、スイッチ497の第1の入力に接続されている。イントラ予測モジュール460の出力は、スイッチ497の第2の入力に接続されている。スイッチ497の出力は、結合器425の第1の非反転入力に接続されている。
【0052】
入力バッファ410の入力は、入力ビットストリームを受信するための、デコーダ400の入力として利用可能である。デブロッキングフィルタ465の第1の出力は、出力ピクチャを出力するための、デコーダ400の出力として利用可能である。
【0053】
図5を参照すると、パッチベースのサンプリングテクスチャ合成を使用する例示のビデオテクスチャエンコーディング方法が、全体として参照符号500で示されている。
【0054】
方法500は、機能510に制御を渡す開始ブロック505を含む。機能ブロック510は、入力イメージにおいてイメージセグメンテーション(image segmentation)を実行し、制御を判定ブロック515に渡す。判定ブロック515は、現在のイメージセグメンテーションユニット(例えば、イメージブロックまたはイメージリージョン)が、テクスチャリージョンであるか否かを判定する。もし、そうであるならば、制御は機能ブロック520に渡される。そうでない場合、制御は機能ブロック545に渡される。
【0055】
機能ブロック520は、テクスチャリージョンを(例えば、1または複数のハイレベルシンタックス要素を使用して)信号伝達し、テクスチャリージョンから入力サンプルテクスチャI
inを選択し、当該入力サンプルテクスチャをコーディングかつデコーディングし、機能ブロック525に制御を渡す。機能ブロック525は、デコーディングされたサンプルテクスチャからのパッチベースのサンプリングを使用してテクスチャリージョンB
kを再構築することによってテクスチャ合成を実行し、機能ブロック530及び機能ブロック550に制御を渡す。パッチベースのサンプリングが、限定するわけではないが、ステップ(a)から(d)に関して上述された従来技術のパッチベースサンプリングを含む任意のパッチベースサンプリング法を使用して実行され得ることが理解されるべきである。
【0056】
機能ブロック530は、出力テクスチャ内のパッチの各々に関して、対応する情報空間変位ベクトルdvを計算し、制御を機能ブロック535に渡す。機能ブロック535は、全ての空間変位ベクトルdvをコーディングして、機能ブロック540に制御を渡す。
【0057】
機能ブロック540は、対応するデータ(例えば、コーディングされた変位ベクトル)を出力し、終了ブロック599に制御を渡す。
【0058】
機能ブロック545は、他のコーディング方法(ブロック520から535に関連して特定された方法ではなく)を使用して、非テクスチャ領域をコーディングし、機能ブロック540に制御を渡す。
【0059】
エンコーディングの間にデコーディング操作を実行する機能ブロック550は、境界ゾーン間でのブレンディングを実行し、機能ブロック545に制御を渡す。
【0060】
図6を参照すると、パッチベースのサンプリングテクスチャ合成を使用する例示のビデオテクスチャデコーディング方法が、全体として参照符号600で示されている。
【0061】
方法600は、機能ブロック610に制御を渡す開始ブロック605を含む。機能ブロック610は、現在のビットストリームのヘッダ及び/または当該ビットストリームに関連するパケット(単数または複数)のヘッダを(テクスチャリージョンが当該ビットストリームに関連して信号伝達されているかを判定するために)抽出し、判定ブロック615に制御を渡す。判定ブロック615は、現在のイメージセグメンテーションユニット(例えば、イメージブロックまたはイメージリージョン)がテクスチャリージョンか否かを判定する。そうであるならば、その後、機能ブロック620に制御が渡される。そうでない場合、機能ブロック645に制御が渡される。
【0062】
機能ブロック620は、入力サンプルテクスチャI
in及び空間変位ベクトルdvの全てをデコーディングし、機能ブロック625に制御を渡す。機能ブロック625は、空間変位ベクトルdvに対応する情報を使用して入力サンプルテクスチャから得られたパッチB
kを貼り付けることによって、出力テクスチャ領域を再構築し、機能ブロック630に制御を渡す。機能ブロック630は、全てのパッチまでの境界ゾーン内でブレンディングを実行し、機能ブロック635に制御を渡す。
【0063】
機能ブロック635は、テクスチャリージョンを結合し、機能ブロック640に制御を渡す。機能ブロック640は、対応するデータ(デコーディングされたテクスチャリージョン)を出力し、終了ブロック699に制御を渡す。
【0064】
機能ブロック645は、他のデコーディング方法(ブロック620から630に関して特定される方法ではない)を使用して、非テクスチャリージョンをデコーディングし、機能ブロック635に制御を渡す。
【0065】
本発明の原理によるテクスチャモードの信号伝達が、任意の信号伝達技術を使用して実行され得ることが理解されるべきである。例えば、
図5の機能ブロック520に関して上述されたように、このような信号伝達は、1または複数のハイレベルシンタックス要素を使用して実行されることが可能である。このようなシンタックス要素または他の技術は、テクスチャモードのような関連モードを単に示し得かつ/または他の方法で特定し得る。当然ながら、本発明の原理は、テクスチャを信号伝達するための前述の方法だけに限定されず、本発明の原理の精神を維持しつつ、本発明の原理に従って他の方法も使用され得る。
【0066】
機能ブロック630に関連して上述されたブレンディングが、任意のブレンディング技術を使用して実行され得ることが更に理解されるべきである。例えば、1つの実施形態において、いくつかのブレンディング方法が適用されて、境界ゾーン内の異なったパッチ間の遷移がスムージングされ得る。さらなる例として、1つの実施形態において、デブロッキングフィルタの概念を、MPEG−4 AVC規格及び/またはぼかし方法と関連させて使用することが可能である。1つの実施形態において、ぼかし方法は、2つの最も近い境界または現在の境界及び/もしくは処理された境界群からの双一次補間(重み付け双一次補間)の使用を含む。同一のブレンディング方法がエンコーダのデコーディング部及びデコーダの両方に適用されて、ミスマッチングを回避するのが望ましい。当然ながら、本発明の原理は、上述のブレンディング方法だけに限定されず、本発明の原理の精神を維持しつつ、本発明の原理に従って他の方法も使用され得る。
【0067】
いくつかが上述されている、本発明の多くの付随する利点/特徴のいくつかの説明がここでなされる。例えば、1つの利点/特徴は、テクスチャの合成によってピクチャのテクスチャをエンコーディングするエンコーダを含む装置である。当該エンコーダは、パッチベースのサンプリング方法を使用してテクスチャを合成する場合、通常のデコーディング複雑性をエンコーダに
移行する情報を使用する。
【0068】
他の利点/特徴は、上述のエンコーダを有する装置であって、当該情報が、ピクチャのテクスチャを後にデコーディングする対応するデコーダにおける対応するテクスチャリージョン検索を除去する少なくとも1つの入力テクスチャ空間変位ベクトルを含む装置である。
【0069】
更に他の利点/特徴は、上述のエンコーダを有する装置であって、当該ピクチャが複数のリージョンを含み、当該エンコーダが複数のリージョンのどれがテクスチャとしてコーディングされるかを信号伝達する装置である。
【0070】
さらにもう1つの利点/特徴は、上述のエンコーダを有する装置であって、当該テクスチャが当該ピクチャから取得される入力サンプルテクスチャであり、当該エンコーダが対応する情報及び当該入力サンプルテクスチャをエンコーディングする装置である。
【0071】
さらに、他の利点/特徴は、上述のエンコーダを有する装置であって、当該情報が、対応するデコーダにおいてピクチャのテクスチャリージョンへの直接的なテクスチャパッチの貼り付けをサポートするように構成されている装置である。
【0072】
さらなる、他の利点/特徴は、上述のエンコーダを有する装置であって、当該テクスチャが当該ピクチャから取得された入力サンプルテクスチャであり、当該エンコーダが当該入力サンプルテクスチャから複数のテクスチャパッチを選択し、当該エンコーダがデブロッキングフィルタリング及びぼかしの少なくとも1つを使用して複数のテクスチャパッチのうちの個々のテクスチャパッチの重なり合う境界ゾーン内の遷移をスムージングする装置である。
【0073】
本発明の原理のこれら及び他の特徴及び利点は、本明細書内の教示に基づいて、関連技術分野の当業者に容易に確認可能である。本発明の原理の教示が、様々な形式のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、特定用途プロセッサ、またはこれらの組み合わせにおいて実装され得ることが理解されるべきである。
【0074】
最も好ましくは、本発明の原理の教示は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせとして実装される。さらに、ソフトウェアは、プログラム記憶ユニット内に明白に含まれているアプリケーションプログラムとして実装され得る。このアプリケーションプログラムは、任意の適切なアーキテクチャを含むマシンにアップロードされて当該マシンによって実行され得る。現在好ましい実施形態において、マシンは、1または複数のCPU(central processing units)、RAM(random access memory)、入力/出力(I/O)インタフェース等のハードウェアを有するコンピュータプラットフォームにおいて実装され得る。このコンピュータプラットフォームは、オペレーティングシステム及びマイクロ命令コードも含み得る。本明細書内に記載されている様々な処理及び機能は、マイクロ命令コードの一部であるかもしくはアプリケーションプログラムの一部であるか、またはこれらの任意の組み合わせであって、CPUによって実行可能なものであり得る。さらに、追加データ記憶ユニット及び印刷ユニット等の様々な他の周辺機器ユニットが、当該コンピュータプラットフォームに接続され得る。
【0075】
添付の図面に示されている構成システム要素及び方法のいくつかがソフトウェア内に実装されるのが好ましい故に、複数のシステムコンポーネントまたは複数の処理機能ブロックの間の実際の接続は、本発明の原理がプログラミングされる態様に応じて変わり得ると更に理解されるべきである。本明細書内の教示に鑑みて、関連技術の当業者は、本発明の原理のこれらの及び同様な実装または構成を予期することが出来るだろう。
【0076】
例示の実施形態が添付の図面を参照して本明細書において説明されているが、本発明の原理は、これらの実施形態そのものに限定されず、様々な変形及び変更が、本発明の原理の範囲または精神から逸脱すること無く、関連技術の当業者によってこれらの実施形態にもたらされ得る。これらの変形及び変更の全ては、添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の原理の範囲内に含まれることが意図されている。
本発明は以下の態様を含む。
(付記1)
テクスチャを合成することによってピクチャのテクスチャをエンコーディングするエンコーダ(300)を含む装置であって、前記エンコーダは、パッチベースのサンプリング方法を使用して前記テクスチャを合成する場合に、デコーディング操作を前記エンコーダに移動させる情報を使用することを特徴とする装置。
(付記2)
前記情報が、前記ピクチャの前記テクスチャをデコーディング可能なデコーダにおいて、対応するテクスチャリージョン検索を実行するデコーディング操作を除去する、少なくとも1つの入力テクスチャ空間変位ベクトルを含むことを特徴とする付記1に記載の装置。
(付記3)
前記ピクチャが複数のリージョンを含み、
前記エンコーダが、前記複数のリージョンのどれがテクスチャリージョンとしてコーディングされるかを信号伝達する、
ことを特徴とする付記1に記載の装置。
(付記4)
前記テクスチャは、前記ピクチャから取得された入力サンプルテクスチャであり、
前記エンコーダ(300)は、前記情報及び前記入力サンプルテクスチャをエンコーディングする、
ことを特徴とする付記1に記載の装置。
(付記5)
前記情報は、対応するデコーダにおける前記ピクチャのテクスチャリージョン内へのテクスチャパッチの直接的な貼り付けをサポートするように構成されていることを特徴とする付記1に記載の装置。
(付記6)
前記テクスチャが前記ピクチャから取得された入力サンプルテクスチャであり、
前記エンコーダ(300)は、前記入力サンプルテクスチャから複数のテクスチャパッチを選択し、デブロッキングフィルタリング及びぼかしのうちの少なくとも一方を使用して前記複数のテクスチャパッチのうちの個々のテクスチャパッチの重なり合う境界ゾーン内の遷移をスムージングする
ことを特徴とする付記1に記載の装置。
(付記7)
テクスチャを合成することによってピクチャのテクスチャをエンコーディングするステップを含む方法であって、前記エンコーディングステップが、パッチベースのサンプリング方法を使用して前記テクスチャの合成をする場合に、デコーディング操作をエンコーダに移動させる情報を使用することを特徴とする方法(500)。
(付記8)
前記情報が、前記エンコーダにテクスチャリージョン検索を実行させる少なくとも1つの入力テクスチャ空間変位ベクトル(530)を含むことを特徴とする付記7に記載の方法。
(付記9)
前記ピクチャが複数のリージョンを含み、
前記方法が、前記複数のリージョンのどれがテクスチャとしてコーディングされるかを信号伝達するステップ(520)を更に含む
ことを特徴とする付記7に記載の方法。
(付記10)
前記テクスチャが、前記ピクチャから取得された入力サンプルテクスチャであり、
前記エンコーディングステップが、前記情報及び前記入力サンプルテクスチャをエンコーディングするステップ(520、535)を含む
ことを特徴する付記7に記載の方法。
(付記11)
前記情報が、対応するデコーダにおける前記ピクチャのテクスチャリージョン内へのテクスチャパッチの直接的な貼り付け(530)をサポートするように構成されていることを特徴とする付記7に記載の方法。
(付記12)
前記テクスチャが前記ピクチャから取得された入力サンプルテクスチャであり、
前記エンコーディングステップが、さらに、
前記入力サンプルテクスチャから複数のテクスチャパッチを選択するステップ(525)と、
デブロッキングフィルタリング及びぼかしのうちの少なくとも一方を使用して前記複数のテクスチャパッチのうちの個々のテクスチャパッチの重なり合う境界ゾーン内の遷移をスムージングするステップ(550)と、
を含む
ことを特徴とする付記7に記載の方法。
(付記13)
テクスチャを合成することによってピクチャのテクスチャをデコーディングするデコーダ(400)を含む装置であって、
前記デコーダが、パッチベースのサンプリング方法を使用して前記テクスチャを合成する場合にデコーディング操作を前記デコーダからエンコーダに移動させる情報を使用することを特徴とする装置。
(付記14)
前記情報が、前記デコーダにおける対応するテクスチャリージョン検索を除去する少なくとも1つの入力テクスチャ空間変位ベクトルを含むことを特徴とする付記13に記載の装置。
(付記15)
前記ピクチャが複数のリージョンを含み、
前記デコーダ(400)が、受信した信号に基づいて、前記複数のリージョンのどれが前記テクスチャとしてコーディングされるかを判定する
ことを特徴とする付記13に記載の装置。
(付記16)
前記テクスチャが前記ピクチャから取得された入力サンプルテクスチャであり、
前記デコーダ(400)が、前記情報及び前記入力サンプルテクスチャをデコーディングする
ことを特徴とする付記13に記載の装置。
(付記17)
前記情報が、前記デコーダにおける前記ピクチャのテクスチャリージョン内へのテクスチャパッチの直接的な貼り付けをサポートするように構成されていることを特徴とする付記13に記載の装置。
(付記18)
前記テクスチャが前記ピクチャから取得された入力サンプルテクスチャであり、
前記デコーダ(400)は、前記入力サンプルテクスチャから複数のテクスチャパッチを選択し、デブロッキングフィルタリング及びぼかしのうちの少なくとも一方を使用して前記複数のテクスチャパッチのうちの個々のテクスチャパッチの重なり合う境界ゾーン内の遷移をスムージングする
ことを特徴とする付記13に記載の装置。
(付記19)
テクスチャを合成することによってピクチャのテクスチャをデコーディングするステップを含む方法であって、
前記デコーディングステップは、パッチベースのサンプリング方法を使用して前記テクスチャを合成する場合に、デコーディング操作がエンコーダに移動された操作から生成された情報を使用する
ことを特徴とする方法(600)。
(付記20)
前記情報は、対応するテクスチャリージョン検索を除去する少なくとも1つの入力テクスチャ空間変位ベクトル(620)を含むことを特徴とする付記19に記載の方法。
(付記21)
前記ピクチャが複数のリージョンを含み、
前記方法が、前記情報に基づいて、前記複数のリージョンのどれがテクスチャリージョンとしてコーディングされるかを判定するステップ(610)を更に含む
ことを特徴とする付記19に記載の方法。
(付記22)
前記情報が、前記デコーディングステップの間に前記ピクチャのテクスチャリージョン内にテクスチャパッチを直接的に貼り付ける(625)ことをサポートするように構成されていることを特徴とする付記19に記載の方法。
(付記23)
前記テクスチャが前記ピクチャから取得された入力サンプルテクスチャであり、
前記デコーディング方法が、さらに、
前記入力サンプルテクスチャから複数のテクスチャパッチを選択するステップ(625)と、
デブロッキングフィルタリング及びぼかしのうちの少なくとも一方を使用して前記複数のテクスチャパッチのうちの個々のテクスチャパッチの重なり合う境界ゾーン内の遷移をスムージングするステップ(630)と、
を含む
ことを特徴とする付記19に記載の方法。