特許第5872924号(P5872924)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5872924携帯型超音波診断装置用カート、携帯型超音波ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872924
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】携帯型超音波診断装置用カート、携帯型超音波ユニット
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20160216BHJP
【FI】
   A61B8/00
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-38040(P2012-38040)
(22)【出願日】2012年2月23日
(65)【公開番号】特開2013-172777(P2013-172777A)
(43)【公開日】2013年9月5日
【審査請求日】2015年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】390029791
【氏名又は名称】日立アロカメディカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市村 勝
【審査官】 門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−057887(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0146922(US,A1)
【文献】 特開2000−060851(JP,A)
【文献】 特開2010−240194(JP,A)
【文献】 特開2004−053588(JP,A)
【文献】 特開平10−118064(JP,A)
【文献】 特表2002−542870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型超音波診断装置を載置するための天板と、前記天板を支持する支柱と、前記支柱を支持する複数の脚部と、前記脚部に取り付けられた車輪とを有する携帯型超音波診断装置用カートであって、
前記携帯型超音波診断装置のコネクタ接続部に取り付けることにより、前記携帯型超音波診断装置と電気的に接続するカートコネクタと、前記カートコネクタが前記コネクタ接続部から取り外された際、前記カートコネクタを保持するカートコネクタホルダとを備えることを特徴とする携帯型超音波診断装置用カート。
【請求項2】
前記カートコネクタホルダは、前記天板に設置されていることを特徴とする請求項1記載の携帯型超音波診断装置用カート。
【請求項3】
前記カートコネクタホルダの一部が前記天板の下面に設置されており、前記カートコネクタホルダが前記天板の下面から引き出されていることを特徴とする請求項1記載の携帯型超音波診断装置用カート。
【請求項4】
前記カートコネクタホルダは、前記天板に対して水平方向にスライドするスライド機構を有していることを特徴とする請求項1記載の携帯型超音波診断装置用カート。
【請求項5】
前記カートコネクタホルダは、前記カートコネクタを受けて収容するカートコネクタ受容部と、前記天板に対して前記カートコネクタ受容部とともにスライド動作を行うスライド部とから構成されていることを特徴とする請求項1記載の携帯型超音波診断装置用カート。
【請求項6】
前記天板の下面には、前記カートコネクタホルダの前記スライド部をスライド可能に挿設する挿設部が備えられ、前記スライド部には、前記スライド部のスライド幅を制限するスライド制限部が固設して備えられていることを特徴とする請求項5記載の携帯型超音波診断装置用カート。
【請求項7】
前記カートコネクタホルダに保持された前記カートコネクタが前記天板の上面位置よりも上方に突出しないように、前記カートコネクタホルダが前記天板に設置されていることを特徴とする請求項2記載の携帯型超音波診断装置用カート。
【請求項8】
前記カートコネクタホルダに保持された前記カートコネクタが前記天板の下面位置より上方に突出するように、前記カートコネクタホルダが前記天板に設置されていることを特徴とする請求項2記載の携帯型超音波診断装置用カート。
【請求項9】
前記請求項1乃至8いずれか一項記載の携帯型超音波診断装置用カートに携帯型超音波診断装置を載置したことを特徴とする携帯型超音波ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型超音波診断装置を搭載することができる携帯型超音波診断装置用カートと、携帯型超音波診断装置用カートに携帯型超音波診断装置を載置した携帯型超音波ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯型超音波診断装置として、近年ノートパソコン型のものが開発されている(特許文献1)。携帯型超音波診断装置は、操作者が手で持ち運ぶことができ、被検体の近くの机等に載置して、超音波探触子を被検体に接触させ、得られた超音波断層像等を、内蔵する表示部に表示することができる。
【0003】
特許文献1には、携帯型超音波診断装置を搭載し、携帯型超音波診断装置と電気的に接続されるドッキングカートを開示している。このドッキングカートは、携帯型超音波診断装置の表示部とは別に、専用の表示部や操作パネルや信号処理装置を備えている。ドッキングカートの信号処理装置は、携帯型超音波診断装置が取得した画像データを受け取って画像処理を施し、ドッキングカートの表示部に表示させる等の動作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2006-519684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
携帯型超音波診断装置を搭載することができる携帯型超音波診断装置用カートは、被検体の近くに設置する必要があるため、携帯性が高く、安定して移動することができることが望まれる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のドッキングカートは、超音波探触子と携帯型超音波診断装置とを繋ぐコネクタと、携帯型超音波診断装置とドッキングカートとを繋ぐコネクタが別々に構成されている。また、携帯型超音波診断装置をドッキングカートに取り付けることを可能にするドッキングストラクチャがドッキングカートから突出しているため、その分、携帯性が低くなってしまい、安定して移動することが困難であることが考えられる。
【0007】
本発明の目的は、携帯性が高く、安定して移動することができる携帯型超音波診断装置用カート、又は携帯型超音波診断装置用カートに携帯型超音波診断装置を載置した携帯型超音波ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の携帯型超音波診断装置用カート又は携帯型超音波ユニットは、超音波探触子のコネクタを取り付けることができる携帯型超音波診断装置のコネクタ接続部に取り付けることにより、携帯型超音波診断装置と電気的に接続するカートコネクタと、カートコネクタがコネクタ接続部から取り外された際、カートコネクタを保持するカートコネクタホルダとを備える。
【0009】
よって、コネクタ接続部を共通化しているため、携帯型超音波診断装置及び携帯型超音波診断装置用カートから突出する部分が少なくなり、携帯型超音波診断装置を搭載した場合であっても携帯型超音波診断装置用カートの携帯性が高くなる。また、カートコネクタホルダによってカートコネクタが保持され、カートコネクタが遥振することがなくなるため、安定して携帯型超音波診断装置用カート又は携帯型超音波ユニットを移動することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の携帯型超音波診断装置用カート又は携帯型超音波ユニットによれば、携帯性が高く、安定して移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の携帯型超音波診断装置の外観図
図2】本発明の携帯型超音波診断装置用カートの外観図
図3】本発明の携帯型超音波診断装置用カートのカートコネクタホルダ周辺を示す図
図4】本発明の携帯型超音波診断装置用カートのカートコネクタホルダにカートコネクタを保持した形態を示す図
図5】本発明の携帯型超音波診断装置用カートのカートコネクタホルダのスライド機構及び動作を示す概略図
図6】本発明の携帯型超音波診断装置用カートに携帯型超音波診断装置を設置した1形態を示す図
図7】本発明の携帯型超音波診断装置用カートに携帯型超音波診断装置を設置した1形態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて、本発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0013】
図1は、本発明の携帯型超音波診断装置100の外観図である。図1に示すように、携帯型超音波診断装置100は、構造体として、主な処理機能を持つ装置を収納する本体筐体102と、操作者が操作する操作部を備えたキーボード筐体104と、画像を表示する表示部を備えた表示筐体106とを備えている。
【0014】
また、本体筐体102には、複数の種類のコネクタを接続することができるコネクタ接続部108が搭載されている。例えば、超音波を送受信する超音波探触子のコネクタをコネクタ接続部108に取り付けて接続することにより、超音波探触子が携帯型超音波診断装置100に接続される。このように、超音波探触子が携帯型超音波診断装置100に接続されることにより、超音波探触子を用いて超音波を送受信することができる。
【0015】
携帯型超音波診断装置100のキーボード筐体104と本体筐体102は、相互にヒンジ110により接続されている。表示筐体106と本体筐体102は、相互にヒンジ112により接続されている。ヒンジ110とヒンジ112の機構により、図1に示すように、キーボード筐体104を水平に配置し、表示筐体106を開いて垂直に立てた姿勢にしたり、ヒンジ112の軸(鉛直方向)を中心にして表示筐体106を回転させたりすることができる。さらに、キーボード筐体104および表示筐体106を重ねて水平にする姿勢、キーボード筐体104および表示筐体106を重ねて垂直にたてた姿勢にすることもできる。
【0016】
図2〜7は、主に本発明の携帯型超音波診断装置用カート200とカートコネクタホルダ214を説明するための図である。
【0017】
図2は、本発明の携帯型超音波診断装置用カート200の外観図である。携帯型超音波診断装置用カート200は、携帯型超音波診断装置100を載置するための天板202と、天板202を昇降可能に支持する支柱204と、支柱204を支持する複数の脚部206と、複数の脚部206に取り付けられた車輪208とを有している。
【0018】
また、携帯型超音波診断装置用カート200は、複数の超音波探触子を保持する複数の探触子ホルダ210と、複数の超音波探触子のコネクタを接続する複数のコネクタ接続部212と、超音波探触子のコネクタを取り付けることができる携帯型超音波診断装置100のコネクタ接続部108に取り付けることにより、携帯型超音波診断装置100と電気的に接続するカートコネクタ220と、カートコネクタ220がコネクタ接続部108から取り外された際、カートコネクタ220を保持するカートコネクタホルダ214とを備える。さらに、携帯型超音波診断装置用カート200は、複数の超音波探触子のコネクタを保持するコネクタ保持部216を備える。
【0019】
複数の種類(大きさ)の異なる超音波探触子のコネクタに合わせて、携帯型超音波診断装置用カート200には、複数の種類(大きさ)のコネクタ接続部212が設置されている。例えば、図2に示すように、携帯型超音波診断装置用カート200には、小さい超音波探触子のコネクタに合わせたコネクタ接続部212が2箇所、大きい超音波探触子のコネクタに合わせたコネクタ接続部212が1箇所設置されている。よって、種類の異なる超音波探触子を携帯型超音波診断装置用カート200に接続して、超音波を送受信することができる。
【0020】
図3は、図2の破線領域250内の携帯型超音波診断装置用カート200のカートコネクタホルダ214周辺を示す図である。図4は、携帯型超音波診断装置用カート200のカートコネクタホルダ214にカートコネクタ220を保持した形態を示す図である。
【0021】
図3に示すように、携帯型超音波診断装置用カート200のカートコネクタホルダ214は、携帯型超音波診断装置100を載置するための天板202に設置されている。カートコネクタホルダ214の一部が携帯型超音波診断装置100を載置するための天板202の下面に設置されており、カートコネクタホルダ214が天板202の下面から引き出されている。また、カートコネクタホルダ214は、天板202に対して水平方向(矢印方向)にスライドするスライド機構を有している。よって、カートコネクタホルダ214を天板202に対して水平方向(矢印方向)にスライドさせることにより、カートコネクタホルダ214を天板202の下面に収納することができる。
【0022】
具体的には、カートコネクタホルダ214は、携帯型超音波診断装置用カート200のカートコネクタ220を受けて収容するカートコネクタ受容部300と、天板202に対してカートコネクタ受容部300とともにスライド動作を行うスライド部302とから構成されている。
【0023】
カートコネクタ受容部300は、カートコネクタ220がカートコネクタ受容部300内に入り込めて収容することができるように、カートコネクタ220に合うように構成されている。カートコネクタ受容部300は、カートコネクタ220よりも大きく形成されている。
【0024】
また、カートコネクタ受容部300は、金属を糸状に形成された複数の針金で構成されている。カートコネクタ受容部300は、U字状に形成された複数の針金を所定間隔毎に交差させることによって網状に形成されている。
【0025】
スライド部302は、カートコネクタ受容部300と同様に、金属を糸状に形成した複数の針金で構成されている。スライド部302を構成する針金は、カートコネクタ受容部300におけるU字状に形成された針金に連結され、携帯型超音波診断装置100を載置するための天板202の下面に沿うように直線状になっている。
【0026】
また、カートコネクタ220がカートコネクタ受容部300に保持される際、カートコネクタ220に固設されているケーブル222が複数の針金に掛かってカートコネクタ220が傾かないように、ケーブル222を通すための切り欠きを有している。具体的には、U字状に形成された針金の底面にケーブル222が収まるようになっている。
【0027】
図4に示すように、携帯型超音波診断装置用カート200のカートコネクタ220は、カートコネクタホルダ214に保持される。
【0028】
携帯型超音波診断装置用カート200と電気的な送受信を行なうケーブル222が携帯型超音波診断装置用カート200から引き出されている。ケーブル222は電線と電線を保護する保護膜で覆われて構成されたものである。
【0029】
ケーブル222の先端には、携帯型超音波診断装置100と携帯型超音波診断装置用カート200を電気的に接続するカートコネクタ220が設置されている。例えば、携帯型超音波診断装置100を携帯型超音波診断装置用カート200の天板202に設置せずに携帯型超音波診断装置用カート200を移動する際、カートコネクタ220はカートコネクタホルダ214に保持される。
【0030】
カートコネクタホルダ214に保持されたカートコネクタ220が天板202の上面位置よりも上方に突出しないように、カートコネクタホルダ214の高さが定められて、カートコネクタホルダ214が天板202に設置されている。カートコネクタ220が天板202の上面位置よりも上方に突出しないため、携帯型超音波診断装置100を携帯型超音波診断装置用カート200の天板202に設置する際、カートコネクタ220が携帯型超音波診断装置100と接触しない。よって、カートコネクタ220を機械的な接触で故障させることを少なくすることができる。
このように、カートコネクタ220はカートコネクタホルダ214に保持されるため、携帯型超音波診断装置用カート200の移動の際、携帯型超音波診断装置用カート200の振動などにより携帯型超音波診断装置用カート200から引き出されているケーブル222を介して、カートコネクタ220が左右に揺れ動くことがなくなる。つまり、携帯型超音波診断装置用カート200を移動する際、カートコネクタ220が遥振することがなくなる。よって、カートコネクタ220を機械的な接触で故障させることを少なくすることができる。
【0031】
このように、カートコネクタ220がカートコネクタホルダ214に保持されることにより、安定して携帯型超音波診断装置用カート200を移動することができる。
【0032】
なお、カートコネクタホルダ214に保持されたカートコネクタ220が天板202の下面位置より上方に突出するように、カートコネクタホルダ214の高さが定められて、カートコネクタホルダ214が天板202に設置されている。カートコネクタ220がカートコネクタホルダ214に保持された状態でカートコネクタホルダ214を天板202の側面端部に対して垂直方向(矢印方向)にスライドすると、カートコネクタ220が天板202の側面端部に衝突する。つまり、カートコネクタ220がカートコネクタホルダ214に保持された状態では、カートコネクタホルダ214を天板202の下面に収納することができないようになっている。
【0033】
図5は、携帯型超音波診断装置用カート200のカートコネクタホルダ214のスライド機構及び動作を示す概略図であり、カートコネクタホルダ214におけるカートコネクタ受容部300とスライド部302の一部が含まれる側面図である。
【0034】
携帯型超音波診断装置用カート200の天板202の下面には、直線状に形成されたカートコネクタホルダ214のスライド部302をスライド可能に挿設する挿設部304、306が備えられている。スライド部302は、図5において左右方向にスライドする。また、スライド部302には、スライド部302のスライド幅を制限するスライド制限部308、310が固設して備えられている。スライド制限部308、310は、例えば、スライド部302から突出している突起部である。よって、スライド制限部308、310は、スライド部302のスライドとともに一体となって移動する。
【0035】
スライド部302から突出されたスライド制限部308、310が挿設部304、306に接触することにより、スライド部302すなわちカートコネクタホルダ214のスライドが制限される。
【0036】
スライド制限部308が挿設部304に接触することにより、スライド部302の左方向のスライドが制限される。スライド部302の左方向は、カートコネクタホルダ214のカートコネクタ受容部300が収納される方向である。
【0037】
スライド制限部308と挿設部304は、カートコネクタホルダ214のカートコネクタ受容部300が携帯型超音波診断装置用カート200の天板202の下面に収納することができるようにそれぞれ設置されている。具体的には、スライド制限部308と挿設部304の接触位置は、カートコネクタホルダ214のカートコネクタ受容部300が携帯型超音波診断装置用カート200の天板202の下面に収納した位置となっている。
【0038】
なお、カートコネクタ受容部300を天板202の下面に完全に収納する形態に限らず、複数の超音波探触子を保持する探触子ホルダ210の縁に合わせてカートコネクタ受容部300を収容することができるように、スライド制限部308と挿設部304の接触位置を設定することもできる。
【0039】
また、スライド制限部310が挿設部306に接触することにより、スライド部302の右方向のスライドが制限される。スライド部302の右方向は、カートコネクタホルダ214のカートコネクタ受容部300が引き出される方向である。
【0040】
スライド制限部310と挿設部306は、カートコネクタホルダ214のカートコネクタ受容部300が携帯型超音波診断装置用カート200の天板202から引き出すことができるようにそれぞれ設置されている。具体的には、スライド制限部310と挿設部306の接触位置は、カートコネクタホルダ214のカートコネクタ受容部300が携帯型超音波診断装置用カート200の天板202から引き出された位置、カートコネクタ受容部300がカートコネクタ220を保持できる位置となっている。
【0041】
ここでは、スライド制限部308、310の間隔と挿設部304、306の間隔の差がスライド部302すなわちカートコネクタホルダ214のスライド幅となる。
【0042】
なお、スライド制限部がスライド部302から突出された形態を示したが、この形態に限られず、スライド制限部は、携帯型超音波診断装置用カート200の天板202の下面から突出し、スライド部302自体に接触してスライドを制限する突起部であってもよい。
【0043】
図5(a)は、カートコネクタホルダ214が携帯型超音波診断装置用カート200の天板202から引き出され、カートコネクタ220がカートコネクタホルダ214に保持された形態を示している。スライド制限部310が挿設部306に接触され、スライド部302の右方向のスライドが制限される。図5(a)に示す形態は、カートコネクタ受容部300がカートコネクタ220を保持できる位置となっている。
【0044】
ここで、カートコネクタ受容部300を使用しない(収納する)場合、まず、カートコネクタ受容部300からカートコネクタ220を取り外す。そして、図5(a)に示す形態からカートコネクタ受容部300を左方向に押すことにより、図5(b)に示すように、カートコネクタ受容部300をスライド部302とともに左方向にスライドする。
【0045】
そして、図5(b)に示す形態からカートコネクタ受容部300をさらに左方向に押すことにより、図5(c)に示すように、スライド制限部308が挿設部304に接触され、スライド部302の左方向のスライドが制限される。このように、カートコネクタホルダ214のカートコネクタ受容部300が携帯型超音波診断装置用カート200の天板202の下面に収納することができる。
【0046】
一方、カートコネクタ受容部300を使用する(収納しない)場合、図5(c)に示す形態からカートコネクタ受容部300を右方向に引き出すことにより、図5(b)に示す形態を経て、図5(a)に示すように、カートコネクタ受容部300がスライド部302とともに右方向にスライドする。そして、スライド制限部310が挿設部306に接触され、スライド部302の右方向のスライドが制限される。
【0047】
図6、7は、携帯型超音波診断装置用カート200に携帯型超音波診断装置100を載置した携帯型超音波ユニットを示す図である。
【0048】
図6の携帯型超音波ユニットでは、携帯型超音波診断装置用カート200のカートコネクタ220をカートコネクタ受容部300から取り外し、携帯型超音波診断装置100のコネクタ接続部108にカートコネクタ220を取り付けて接続した形態を示している。このように、携帯型超音波診断装置用カート200が携帯型超音波診断装置100に電気的に接続される。操作者は、携帯型超音波診断装置100と、携帯型超音波診断装置100を載置した携帯型超音波診断装置用カート200とからなる携帯型超音波ユニットとして使用することができる。
【0049】
携帯型超音波診断装置100のコネクタ接続部108にカートコネクタ220を取り付けて接続した時、カートコネクタ受容部300を使用しないため、カートコネクタ受容部300を押して、カートコネクタ受容部300を携帯型超音波診断装置用カート200の天板202の下面に収容する。カートコネクタ受容部300が他の構成要素に比べて特に突出しないように、例えば、複数の超音波探触子を保持する探触子ホルダ210の縁に合わせてカートコネクタ受容部300を収容することもできる。
【0050】
図7の携帯型超音波ユニットでは、携帯型超音波診断装置用カート200のカートコネクタ220を携帯型超音波診断装置100のコネクタ接続部108から取り外し、カートコネクタ220がカートコネクタホルダ214に保持された形態を示している。カートコネクタ220がカートコネクタホルダ214に保持された状態で、図1図2に示すように、携帯型超音波診断装置用カート200から携帯型超音波診断装置100を分離することができる。
【0051】
以上、本発明の携帯型超音波診断装置用カート200又は携帯型超音波ユニットによれば、携帯型超音波診断装置100のコネクタ接続部108に取り付けることにより、携帯型超音波診断装置100と電気的に接続するカートコネクタ220と、カートコネクタ220がコネクタ接続部108から取り外された際、カートコネクタ220を保持するカートコネクタホルダ214とを備える。
【0052】
よって、携帯型超音波診断装置100と電気的に接続するカートコネクタ220を携帯型超音波診断装置100の超音波探触子のコネクタを取り付けることができるコネクタ接続部108に取り付けることができ、コネクタ接続部108を共通化している。よって、携帯型超音波診断装置100及び携帯型超音波診断装置用カート200から突出する部分が少なくなり、携帯型超音波診断装置100を搭載した場合であっても携帯型超音波診断装置用カート200又は携帯型超音波ユニットの携帯性が高くなる。
【0053】
また、カートコネクタホルダ214によってカートコネクタ220が保持され、カートコネクタ220が遥振することがなくなるため、安定して携帯型超音波診断装置用カート200又は携帯型超音波ユニットを移動することができる。
【符号の説明】
【0054】
100 携帯型超音波診断装置、102 本体筐体、104 キーボード筐体、106 表示筐体、108 コネクタ接続部、110、112 ヒンジ、200 携帯型超音波診断装置用カート、202 天板、204 支柱、206 脚部、208 車輪、210 探触子ホルダ、212 コネクタ接続部、214 カートコネクタホルダ、216 コネクタ保持部、300 カートコネクタ受容部、302 スライド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7