特許第5872945号(P5872945)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872945
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】フォークリフト
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/075 20060101AFI20160216BHJP
【FI】
   B66F9/075 A
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-76997(P2012-76997)
(22)【出願日】2012年3月29日
(65)【公開番号】特開2013-203540(P2013-203540A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2014年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183222
【氏名又は名称】住友ナコ マテリアル ハンドリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】森山 忠士
【審査官】 筑波 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭52−041315(JP,A)
【文献】 実開平06−006395(JP,U)
【文献】 特開2011−246215(JP,A)
【文献】 実開昭62−179295(JP,U)
【文献】 特開2001−130885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/00 − 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を内部に貯留するタンクと、
該タンクから導かれた前記液体を送り出す送出部と、
少なくとも前記タンク、および、前記送出部を内部空間に収納する車両本体と、
前記車両本体の内部空間における前輪および後輪の間に収納され、少なくとも前記送出部から前記液体を送りだす際に用いられる電力を供給するバッテリと、
前記内部空間における前記バッテリの前方中央領域に配置され、少なくとも前記送出部の動作を制御するコントローラと、
を備え、
前記送出部は、前記コントローラよりも前方領域であり、かつ、前記車両本体における前記タンクよりも前方に配置されるとともに、前記液体を吸い込む吸入部を有し、
前記タンクには、タンク本体から前記前方に突出する突出部と、該突出部から前記吸入部に前記液体を供給する配管が接続される供給部と、が設けられ
前記コントローラの側方領域に前記タンクが配置され、前記車両本体の左右方向から見て、前記タンクおよび前記コントローラは重なって配置されていることを特徴とするフォークリフト。
【請求項2】
前記タンクの前記突出部は、前記コントローラよりも前方に突出していることを特徴とする請求項1記載のフォークリフト。
【請求項3】
前記車両本体には、左右方向に突出するとともに、上面の位置が前記車両本体から段差状に低くなり、前記車両本体の内部空間と連通するステップ部が設けられ、
前記タンク本体は、前記車両本体の内部に配置されるとともに上端が前記ステップ部の前記上面よりも上方に突出する上端突部と、前記ステップ部の内部空間に向かって延びる張出し部と、が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のフォークリフト。
【請求項4】
前記送出部には、前記液体を吸い込むととともに送出するポンプ部と、該ポンプ部を駆動するモータ部と、が設けられ、
前記ポンプ部および前記モータ部は、前記車両本体における左右方向に並ぶとともに前記ポンプ部が前記タンク側に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のフォークリフト。
【請求項5】
前記送出部には、前記液体を吸い込むととともに送出するポンプ部と、該ポンプ部を駆動するモータ部と、が設けられ、
前記ポンプ部および前記モータ部は、前記車両本体における上下方向に並ぶとともに前記ポンプ部が前記モータ部よりも下側に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のフォークリフト。
【請求項6】
前記送出部には、前記液体を吸い込むととともに送出するポンプ部と、該ポンプ部を駆動するモータ部と、が設けられ、
前記ポンプ部および前記モータ部は、前記車両本体における上下方向に並ぶとともに前記ポンプ部が前記モータ部よりも上側に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のフォークリフト。
【請求項7】
前記タンクの前記タンク本体および前記突出部の上面には、前記送出部に送られる前記液体に含まれる異物を除去するフィルタが通過する開口が設けられていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のフォークリフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォークリフトに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、荷物の運搬に用いられる車両として、リーチ式フォークリフトやカウンターバランス式フォークリフト(以下、「フォークリフト」と表記する。)などが知られている。さらに、フォークリフトには、内燃機関を動力源とするエンジン式のフォークリフトや、電動モータを動力源とするバッテリ式のフォークリフトが用いられていることも知られている。
【0003】
近年では、フォークリフトの車両本体に搭載されたバッテリから供給される電力によって駆動される電動モータを動力源とした、バッテリ式のフォークリフトの比率が高くなりつつある。このバッテリ式フォークリフトの重心を低くし、かつ、安定性を確保するために、他の搭載機器と比較して体積が大きく重量のあるバッテリを、車両本体における前輪と後輪の間の底面近くに配置する方法がこれまでに提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
【0004】
上述のように、バッテリを車両本体における前輪および後輪の間の位置に、車両本体のフレーム底面まで落とし込んで配置する場合には、フォークリフトに搭載される他の機器、例えば荷役や操舵に用いられる油圧機器や、これらを制御するコントローラ等の配置空間が、バッテリによって制限されるという問題があった。
【0005】
この問題を解決する方法としては、上述の他の機器の一部をバッテリ前方のフロア下の空間に配置し、残りの機器をバッテリ後方の空間に分けて配置する構成が考えられる。
その他にも、特許文献1では、油圧機器やコントローラなどの配置をコンパクトにすることで、バッテリ前方のフロア下の空間に上述の他の機器を配置する構成が提案されている。特許文献2では、バッテリ前方のフロア下の空間とは別の空間である、車両本体の左右に突出するステップの内部の空間にオイルタンクなどを配置することにより、これら機器の配置空間を広げる構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−130885号公報
【特許文献2】特開2005−350197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、他の機器の一部(例えば油圧モータ)をバッテリ前方のフロア下の空間に配置し、残りの機器(例えばオイルタンク)をバッテリ後方の空間に分けて配置すると、バッテリを挟んで油圧モータとオイルタンクとをつなぐため、油圧配管が長くなる。このように油圧配管が長くなると配管における圧力損失が増大するため、所望の荷役作業を行うために油圧モータはより高い圧力の油圧を供給する必要があった。言い換えると、余分な油圧を発生させる必要があり、エネルギ損失が大きくなるという問題があった。
【0008】
一般にオイルタンクは、油圧機器の動作に必要な量のオイルを蓄えるものであるため、規定値以上のタンク容積を備える必要がある。しかしながら特許文献1のように、他の機器をバッテリ前方のフロア下の空間にコンパクトに配置すると、オイルタンクが配置される空間も小さくなり、オイルタンクの配置に必要な空間を確保することが難しくなる。つまりオイルタンクの必要容積を確保しにくくなるという問題があった。
【0009】
特許文献2では、フロア下の空間とは別の空間である、車両本体の左右に突出するステップ内部の空間にオイルタンクを配置しているため、特許文献1と比較して、オイルタンクの配置に必要な空間を確保しやすくなる。しかしながら、ステップ内部にオイルタンク用の空間を確保すると、ステップ上面の位置が高くなりやすい。ステップは、フォークリフトのオペレータが、フォークリフトに昇降する際の経路に位置するため、ステップ上面の位置を高くしすぎると、オペレータの昇降の邪魔になる。逆に、ステップ上面の位置を、オペレータの昇降の邪魔にならない高さに設定すると、ステップ内部にオイルタンク配置に必要な大きさの空間を確保しにくくなる、言い換えると、オイルタンクの必要容積を確保しにくくなるという問題があった。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、タンクの配置空間の確保を容易にするとともに省エネ性の向上を図ることができるフォークリフトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明のフォークリフトは、液体を内部に貯留するタンクと、該タンクから導かれた前記液体を送り出す送出部と、少なくとも前記タンク、および、前記送出部を内部空間に収納する車両本体と、前記車両本体の内部空間における前輪および後輪の間に収納され、少なくとも前記送出部から前記液体を送りだす際に用いられる電力を供給するバッテリと、前記内部空間における前記バッテリの前方中央領域に配置され、少なくとも前記送出部の動作を制御するコントローラと、を備え、前記送出部は、前記コントローラよりも前方領域であり、かつ、前記車両本体における前記タンクよりも前方に配置されるとともに、前記液体を吸い込む吸入部を有し、前記タンクには、タンク本体から前記前方に突出する突出部と、該突出部から前記吸入部に前記液体を供給する配管が接続される供給部と、が設けられ、前記コントローラの側方領域に前記タンクが配置され、前記車両本体の左右方向から見て、前記タンクおよび前記コントローラは重なって配置されていることを特徴とする。
上記発明において前記タンクの前記突出部は、前記コントローラよりも前方に突出していることが好ましい。
【0012】
本発明のフォークリフトによれば、タンク本体から送出部の吸入部に向かって延びる突出部を設け、突出部に液体を送出部に供給する配管が接続される供給部を設けることにより、タンクから送出部に液体を送る配管を短くでき、液体をタンクから送出部に送る際の損失を軽減できる。
【0013】
また、タンク本体に突出部を設けることにより、突出部を設けない場合と比較して、上述の損失を増やすことなくタンク本体と送出部とを離間して配置できる。そのため、送出部の近傍にタンクを配置する十分な空間を確保できない場合であっても、突出部を設ける空間を確保することにより、送出部から離れた位置に必要な容積を確保したタンクを配置することができる。
【0014】
なお、タンクに貯留される液体は、フォークリフトの荷役や操舵に用いられるオイルであってもよいし、バッテリ式フォークリフトに搭載されるバッテリの補水であってもよいし、エンジン式フォークリフトの燃料であってもよく、特に用途や種類を限定するものではない。
このようにバッテリを車両本体の内部空間における前輪および後輪の間に配置し、バッテリの前方中央にコントローラを配置することにより、フォークリフトの低重心化を図るとともに、安定化を図ることができる。
また、内部空間におけるコントローラの前方領域に送出部を配置し、コントローラの側方領域にタンクを配置することにより、送出部およびタンクの両者をコントローラの前方領域に配置する場合と比較して、車両本体における送出部などを収納する内部空間の前後方向長さを短縮しやすい。さらに、内部空間におけるバッテリおよびコントローラを配置した後の残り空間である、コントローラの側方領域にタンクを配置することにより、コントローラの前方領域にタンクを配置する場合と比較して、必要な容積を有するタンクを配置する空間の確保が容易となる。
【0015】
上記発明において前記車両本体には、左右方向に突出するとともに、上面の位置が前記車両本体から段差状に低くなり、前記車両本体の内部空間と連通するステップ部が設けられ、前記タンク本体は、前記車両本体の内部に配置されるとともに上端が前記ステップ部の前記上面よりも上方に突出する上端突部と、前記ステップ部の内部空間に向かって延びる張出し部と、が設けられていることが好ましい。
【0016】
このように車両本体の内部に配置されたタンク本体の上端突部をステップ部の上面よりも上方に突出させるとともに、タンク本体にステップ部の内部に延びる張出し部を設けることにより、タンクに必要な容積を確保しやすくなる。
【0017】
上記発明において前記送出部には、前記液体を吸い込むととともに送出するポンプ部と、該ポンプ部を駆動するモータ部と、が設けられ、前記ポンプ部および前記モータ部は、前記車両本体における左右方向に並ぶとともに前記ポンプ部が前記タンク側に配置されていることが好ましい。
【0018】
このようにポンプ部をタンク側にして、ポンプ部およびモータ部が車両本体の左右方向に並ぶように送出部を配置することにより、他の姿勢で送出部を配置する場合と比較して、液体をタンクの突出部から送出部の吸入部まで導く配管を短くできる。また、ポンプ部およびモータ部を車両本体の前後方向に並べて配置する場合と比較して、車両本体における送出部などを収納する内部空間の前後方向長さを短縮しやすい。
【0019】
上記発明において前記送出部には、前記液体を吸い込むととともに送出するポンプ部と、該ポンプ部を駆動するモータ部と、が設けられ、前記ポンプ部および前記モータ部は、前記車両本体における上下方向に並ぶとともに前記ポンプ部が前記モータ部よりも下側に配置されていることが好ましい。
【0020】
このようにポンプ部をモータ部よりも下側にして、ポンプ部およびモータ部が車両本体の上下方向に並ぶように送出部を配置することにより、ポンプ部を流通する液体が、モータ部に浸入することを防止できる。言い換えると、液体によってモータ部が故障することを防止できる。また、ポンプ部およびモータ部を車両本体の前後方向に水平に並べて配置する場合と比較して、車両本体における送出部などを収納する内部空間の前後方向長さを短縮しやすい。
【0021】
なお、ポンプ部およびモータ部は、鉛直な上下方向に並んで配置されていてもよいし、斜めの上下方向に並んで配置されていてもよい。斜めの上下方向に並んで配置されている場合には、ポンプ部が前方の下側、モータ部が後方の上側に並んで配置されている例を挙げることができる。
【0022】
上記発明において前記送出部には、前記液体を吸い込むととともに送出するポンプ部と、該ポンプ部を駆動するモータ部と、が設けられ、前記ポンプ部および前記モータ部は、前記車両本体における上下方向に並ぶとともに前記ポンプ部が前記モータ部よりも上側に配置されていることが好ましい。
【0023】
このようにポンプ部をモータ部の上側に配置して、ポンプ部およびモータ部が車両本体の上下方向に並ぶように送出部を配置することにより、タンクの供給部からポンプ部の吸入部までの距離を短くできる。そのため、液体をタンクからポンプ部に送る際の損失を軽減でき、省エネ性の向上を図ることができる。
【0024】
上記発明において前記タンクの前記タンク本体および前記突出部の上面には、前記送出部に送られる前記液体に含まれる異物を除去するフィルタが通過する開口が設けられていることが好ましい。
【0025】
このようにタンク本体および突出部の上面にフィルタを通過する開口が設けることにより、フィルタの出し入れが行いやすくなるため、タンクの内部に配置されるフィルタの交換や点検を行いやすくなる。
【発明の効果】
【0029】
本発明のフォークリフトによれば、タンク本体から送出部の吸入部に向かって延びる突出部を設け、突出部に液体を送出部に供給する配管が接続される供給部を設けることにより、タンクの配置空間の確保を容易にするとともに省エネ性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1の実施形態に係るフォークリフトの全体構成を説明する模式図である。
図2】内部空間における油圧供給部の配置を説明する上面視図である。
図3図2の内部空間における油圧供給部の配置を説明する側面視図である。
図4図2の内部空間における油圧供給部の配置を説明する後面視図である。
図5図2のオイルタンクの形状を説明する斜視図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係るフォークリフトにおける内部空間での油圧モータの配置を説明する上面視図である。
図7図6の内部空間における油圧モータの配置を説明する側面視図である。
図8】本発明の第3の実施形態に係るフォークリフトにおける内部空間での油圧モータの配置を説明する上面視図である。
図9図8の内部空間における油圧モータの配置を説明する側面視図である。
図10図8の内部空間における油圧モータの配置を説明する後面視図である。
図11】本発明の第4の実施形態のフォークリフトにおけるオイルタンクの構成を説明する模式図である。
図12】本実施形態の内部空間における油圧配管の接続を説明する側面視図である。
図13】内部空間における油圧配管の接続を説明する後面視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
〔第1の実施形態〕
この発明の第1の実施形態に係るカウンターバランス式フォークリフト1(以下、「フォークリフト1」と表記する。)について、図1から図5を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係るフォークリフト1の全体構成を説明する模式図であり、図1(a)は平面視図であり、図1(b)は側面視図である。
【0032】
本実施形態のフォークリフト1は、荷物の運搬に用いられるものであり、特に工場や、倉庫や、貨物駅や港湾等の構内における荷役作業に用いられるものである。フォークリフト1には、図1に示すように、車両本体10と、フォークリフト1の走行に用いられる前輪20および後輪30、運転者が乗り込む運転席40と、荷物を取り扱う荷役部50と、が主に設けられている。
【0033】
車両本体10は、前面に荷役部50が設けられ、上面中央に運転席40が設けられているものであり、下部前方には一対の前輪20が、下部後方には一対の後輪30が設けられているものである。また、車両本体10の内部空間11には、図2から図4に示すように、フォークリフト1を走行させる走行用モータ21や、荷役部50おける荷役作業に用いられる高圧のオイル(液体)を供給する油圧供給部60や、走行用モータ21および油圧供給部60などに電力を供給するバッテリ81や、これらの機器を制御するコントローラ82などが収納されている。
【0034】
車両本体10には、内部空間11の底面を構成する底部12と、側面の一部を構成する側部13と、上面を形成する上部14と、が主に設けられ、さらに内部空間11の内部に左右方向に延びて配置された隔壁部15が設けられている。また車両本体10には、前輪20および後輪30の間の側部13から左右方向に突出するとともに、上部14よりも上面が段差状に低くなるステップ部16が設けられている。
【0035】
底部12および側部13は、車両本体10を構成する強度部材でもあり、プレート状(板状)の部材であってもよいし、フレーム状(梁状)の部材であってもよい。
底部12は、内部空間11に配置される走行用モータ21や、油圧供給部60や、バッテリ81や、コントローラ82などを下方から支持するものである。側部13は、少なくとも走行用モータ21の近傍まで前方に延びて配置される部材であり、走行用モータ21が取り付け固定される部材である。また、側部13におけるステップ部16と対向する部分、特にオイルタンク61が配置される部分は切欠いて形成され、ステップ部16の内部を内部空間11として利用できるようにされている。
【0036】
上部14は、運転席40の床面を構成するものでもある。上部14における一部は開閉可能な構成とされ、この開閉部は内部空間11に配置された走行用モータ21や、油圧供給部60や、コントローラ82などのメンテナンス作業を行う際のアクセス経路とされている。
【0037】
油圧供給部60には、オイルを内部に貯留する容器であるオイルタンク(タンク)61と、オイルを昇圧して荷役部50に供給するポンプ部72および電動モータ部(モータ部)74からなる油圧モータ(送出部)71と、昇圧されたオイルの荷役部50への供給を制御する油圧バルブ75と、これらの部品と共にオイルが循環する経路を構成する油圧配管(配管)76と、が主に設けられている。
【0038】
前輪20は、走行用モータ21によって回転駆動されることによりフォークリフト1を走行させるものである。走行用モータ21は、バッテリ81から供給される電力によってフォークリフト1を走行させる回転駆動力を発生するものである。
【0039】
なお、本実施形態では一つの前輪20に一つの走行用モータ21が配置され、前輪20および走行用モータ21の回転軸線が同軸になるように配置されている例に適用して説明する。
【0040】
後輪30は、図1に示すように、運転席40のステアリング41によって操舵される操舵輪であり、フォークリフト1の走行に従って回転する従動輪である。後輪30における構成は、公知の構成を用いることができ、形式などを限定するものではない。
【0041】
運転席40は車両本体10の上部14の上に設けられ、フォークリフト1の運転者、言い換えると荷役作業を行う作業者が乗り込む部分である。運転席40には、フォークリフト1の操舵に用いられるステアリング41や、荷役部50の操作に用いるレバー42などが設けられている。
【0042】
荷役部50には、図1に示すように、左右一対のアウタマスト51、アウタマスト51の内側に配置された左右一対のインナマスト(図示せず)と、油圧供給部60から供給された高圧のオイルを用いてインナマストを昇降させるリフトシリンダ53と、インナマストから前方に延びる一対のフォーク54と、が主に設けられている。
【0043】
次に、本実施形態の特徴であるオイルタンク61の形状、および、内部空間11における油圧供給部60などの各機器の配置について説明する。図5は、オイルタンクの形状を説明する斜視図である。
【0044】
オイルタンク61は、図5に示すように、タンク本体62から前方に突出する突出部63と、タンク本体62から右側方に向かって延びる張出し部64と、を有する形状に形成されている。
【0045】
タンク本体62は、オイルタンク61のほぼ中央部分を構成するものであり、図2に示すように、内部空間11におけるコントローラ82の右側に隣接した領域に配置されるものである。また、タンク本体62は、図4に示すように、内部空間11の上部14に向かって延びる上端突部68が形成され、上端突部68の上端はステップ部16の上面よりも上側に位置している。
【0046】
突出部63は、図2に示すように、張出し部64よりも前方に延びて形成され、タンク本体62よりも油圧モータ71のポンプ部72に近い領域に配置されるものである。本実施形態では、突出部63はタンク本体62がそのまま全体的に前方に延びて形成されたものであり、張出し部64よりも前方に突出した部分である例に適用して説明する。なお、突出部63は、タンク本体62から一部分が前方に延びて形成されたものであってもよく、その形状を限定するものではない。
【0047】
タンク本体62および突出部63の上面には、油圧モータ71に供給されるオイルに含まれる異物を除去するフィルタ67が通過可能な面積を有する開口69が設けられている。開口69は後述するフランジ65により塞がれており、フィルタ67の交換や点検の際にはフランジ65が取り外されて開口69が露出する。
【0048】
張出し部64は、タンク本体62の右側面の下側から延びて形成されたものであり、タンク本体62の右側方に位置するステップ部16の内部に配置されるものである。張出し部64の上端は、ステップ部16の内部に配置できるように、タンク本体62および突出部63の上端突部68よりも低く形成されている。
【0049】
オイルタンク61のタンク本体62および突出部63の上面には、油圧配管76が取り付けられる取付け口(供給部)66を有するフランジ65が設けられている。フランジ65は、オイルタンク61におけるポンプ部72に近い突出部63の上面に取付け口66が位置するように配置されている。取付け口66は、フランジ65から上方に延びるとともに途中で左右方向の左側に折れ曲がる筒状に形成された部材である。また、取付け口66からオイルタンク61の内部には、筒状の部材がオイルタンク61の底面の近くまで延びて配置されている。
【0050】
内部空間における隔壁部15の前方には、左右方向のほぼ中央から左側の範囲にコントローラ82が配置されている。コントローラ82の右側に形成された空間には、オイルタンク61が配置されている。オイルタンク61の突出部63は、コントローラ82よりも前方に突出して配置され、張出し部64はステップ部16の内部にまで延びて配置されている。このとき、図4に示すように、張出し部64の上方に切り欠き後の側部13が配置されている。
【0051】
内部空間11における隔壁部15よりも後方には、図2および図3に示すようにバッテリ81が配置されている。バッテリ81は、底部12にまで落とし込まれた状態で配置されている。言い換えると、底部12の上にバッテリ81が載せられた状態で配置されている。
【0052】
コントローラ82の前方には、ポンプ部72および電動モータ部74を左右方向に並べた姿勢で油圧モータ71が配置されている。電動モータ部74に回転駆動されるポンプ部72は、オイルタンク61の突出部63に近い側に配置されている。ポンプ部72におけるオイルを吸入する吸入部73には、取付け口66に取り付けられた油圧配管76を介してオイルが供給されている。ポンプ部72および電動モータ部74は底部12に配置され、取付け口66はオイルタンク61の上面に配置されているため、両者をつなぐ油圧配管76は、上下方向に延びて配置されている(図3および図4参照)。
【0053】
油圧モータ71の更に前方には、前輪20を回転駆動する走行用モータ21が、左右に並んで配置されている。そして、右側に配置された走行用モータ21の上方には、油圧バルブ75が配置されている。油圧バルブ75が配置された位置は、運転席40に設けられたレバー42の下側の位置でもある。
【0054】
油圧バルブ75には、ポンプ部72によって昇圧された高圧オイルが流れる油圧配管76が接続されている。底部12に配置されたポンプ部72と、走行用モータ21の上方に配置された油圧バルブ75とをつなぐ油圧配管76も、上下方向に延びて配置されている(図3参照)。
【0055】
上記の構成のフォークリフト1によれば、タンク本体62から油圧モータ71の吸入部73に向かって延びる突出部63を設け、突出部63にオイルを油圧モータ71に供給する油圧配管76が接続される取付け口66を設けることにより、オイルタンク61から油圧モータ71にオイルを送る油圧配管76を短くできる。そのため、オイルをオイルタンク61から油圧モータ71に送る際の損失を軽減でき、省エネ性の向上を図ることができる。
【0056】
また、タンク本体62に突出部63を設けることにより、突出部63を設けない場合と比較して、上述の損失を増やすことなくタンク本体62と油圧モータ71とを離間して配置できる。そのため、油圧モータ71の近傍にオイルタンク61を配置する十分な空間を確保できない場合であっても、突出部63を設ける空間を確保することにより、油圧モータ71から離れた位置に必要な容積を確保したオイルタンク61を配置することができる。言い換えると、フォークリフト1内部に配置されるオイルタンク61に必要な容積を確保することができる。
【0057】
車両本体10の内部に配置されたタンク本体62の上端をステップ部16の上面よりも上方に突出させるとともに、タンク本体62にステップ部16の内部に延びる張出し部64を設けることにより、オイルタンク61に必要な容積を確保しやすくなる。
【0058】
ポンプ部72をオイルタンク61側に配置して、ポンプ部72および電動モータ部74が車両本体10の左右方向に並ぶように油圧モータ71を配置することにより、他の姿勢で油圧モータ71を配置する場合と比較して、オイルをオイルタンク61の突出部63から油圧モータ71の吸入部73まで導く油圧配管76を短くできる。また、ポンプ部72および電動モータ部74を車両本体10の前後方向に並べて配置する場合と比較して、車両本体10における油圧モータ71などを収納する内部空間11の前後方向長さを短縮しやすい。
【0059】
タンク本体62および突出部63の上面にフィルタ67が通過できる面積を有する開口69が設けられているため、オイルタンク61の内部に配置されるフィルタ67の交換や点検を行いやすくなる。
【0060】
バッテリ81を車両本体10の内部空間11における前輪20および後輪30の間の下方に配置し、バッテリ81の前方中央にコントローラ82を配置することにより、フォークリフト1の低重心化を図るとともに、安定化を図ることができる。
【0061】
また、内部空間11におけるコントローラ82の前方領域に油圧モータ71を配置し、コントローラ82の側方領域にオイルタンク61を配置することにより、油圧モータ71およびオイルタンク61の両者をコントローラ82の前方領域に配置する場合と比較して、車両本体10における油圧モータ71などを収納する内部空間11の前後方向長さを短縮しやすい。さらに、内部空間11におけるバッテリ81およびコントローラ82を配置した後の残り空間である、コントローラ82の側方領域にオイルタンク61を配置することにより、コントローラ82の前方領域にオイルタンク61を配置する場合と比較して、必要な容積を有するオイルタンク61を配置する空間の確保が容易となる。
【0062】
なお、上述の実施形態では、フォークリフト1の荷役に用いられるオイルを貯留するオイルタンク61に突出部63や張出し部64を設ける例に適用して説明したが、フォークリフト1の操舵に用いられるオイルを貯留するタンクや、バッテリ81の補水を貯留するタンクや、エンジン式フォークリフトの燃料を貯留するタンクに突出部63や張出し部64を設けてもよく、特に限定するものではない。
【0063】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図6および図7を参照して説明する。
本実施形態のフォークリフトの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、油圧モータの配置が異なっている。よって、本実施形態においては、図6および図7を用いて油圧モータの配置について説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
【0064】
図6は、本実施形態に係るフォークリフト101における内部空間11での油圧モータ171の配置を説明する上面視図であり、図7は、内部空間11における油圧モータ171の配置を説明する側面視図である。
【0065】
本実施形態のフォークリフト101の内部空間11には、図6および図7に示すように、走行用モータ21や、荷役に用いられる高圧のオイルを供給する油圧供給部160や、操舵に用いられる高圧のオイルを供給するステア用モータ83や、電力を供給するバッテリ81や、これらの機器を制御するコントローラ82などが収納されている。
【0066】
油圧供給部160には、オイルタンク61と、オイルを昇圧するポンプ部72および電動モータ部74からなる油圧モータ(送出部)171と、油圧バルブ75と、油圧配管76と、が主に設けられている。
【0067】
油圧モータ171は、第1の実施形態と同様に、内部空間11におけるコントローラ82の前方に隣接した領域に配置されている。本実施形態では油圧モータ171は、ポンプ部72が前方で電動モータ部74が後方に配置され、かつ、ポンプ部72が下側で電動モータ部74が上側になる斜めの姿勢で配置されている。さらに、油圧モータ171は、ポンプ部72が前方の左右に離間して配置された走行用モータ21の間に位置するように配置されている。
【0068】
なお、オイルタンク61の形状および配置される位置や、油圧バルブ75の配置位置や、コントローラ82の配置位置などは、第1の実施形態と同様であるため、図6および図7にその内容を記載するにとどめて説明を省略する。
【0069】
上記の構成のようにポンプ部72を電動モータ部74よりも下側にして、ポンプ部72および電動モータ部74が車両本体10の上下方向に並ぶように油圧モータ171を配置することにより、ポンプ部72を流通するオイルが、電動モータ部74に浸入することを防止できる。言い換えると、オイルによって電動モータ部74が故障することを防止できる。また、ポンプ部72および電動モータ部74を車両本体10の前後方向に水平に並べて配置する場合と比較して、車両本体10における油圧モータ171などを収納する内部空間11の前後方向長さを短縮しやすい。
【0070】
なお、本実施形態では、油圧モータ171が斜めに配置されている例に適用して説明したが、ポンプ部72および電動モータ部74が鉛直方向に上下に並ぶ姿勢に油圧モータ171が配置されてもよく、配置される姿勢の詳細な角度を限定するものではない。
【0071】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について図8から図10を参照して説明する。
本実施形態のフォークリフトの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、油圧モータの配置が異なっている。よって、本実施形態においては、図8から図10を用いて油圧モータの配置について説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
【0072】
図8は、本実施形態に係るフォークリフト201における内部空間11での油圧モータ271の配置を説明する上面視図であり、図9は、内部空間11における油圧モータ271の配置を説明する側面視図であり、図10は、内部空間11における油圧モータ271の配置を説明する後面視図である。
【0073】
本実施形態のフォークリフト201の内部空間11には、図8から図10に示すように、走行用モータ21や、荷役に用いられる高圧のオイルを供給する油圧供給部260や、操舵に用いられる高圧のオイルを供給するステア用モータ83や、電力を供給するバッテリ81や、これらの機器を制御するコントローラ82などが収納されている。
【0074】
油圧供給部260には、オイルタンク61と、オイルを昇圧するポンプ部72および電動モータ部74からなる油圧モータ(送出部)271と、油圧バルブ75と、油圧配管76と、が主に設けられている。
【0075】
油圧モータ271は、第1の実施形態と同様に、内部空間11におけるコントローラ82の前方に隣接した領域に配置されている。本実施形態では油圧モータ271は、ポンプ部72が鉛直方向上側で電動モータ部74が下側に配置される姿勢で配置されている。さらに、油圧モータ271は、コントローラ82の前方に隣接した領域のうち、オイルタンク61に近い位置に配置されている。
【0076】
上記の構成のようにポンプ部72を電動モータ部74の鉛直方向上側に配置して、ポンプ部72および電動モータ部74が車両本体10の上下方向に並ぶように油圧モータ271を配置することにより、オイルタンク61の取付け口66からポンプ部72の吸入部73までの距離を短くできる。そのため、オイルをオイルタンク61から油圧モータ271に送る際の損失を軽減でき、省エネ性の向上を図ることができる。
【0077】
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について図11から図13を参照して説明する。
本実施形態のフォークリフトの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、オイルタンクにおける取付け口の配置位置が異なっている。よって、本実施形態においては、図11から図13を用いてオイルタンクの構成および油圧配管の接続等について説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
【0078】
図11は、本実施形態のフォークリフト301におけるオイルタンク361の構成を説明する模式図であり、図12は、内部空間11における油圧配管76の接続を説明する側面視図であり、図13は、内部空間11における油圧配管76の接続を説明する後面視図である。
【0079】
本実施形態のフォークリフト301におけるオイルタンク(タンク)361は、図11に示すように突出部63の下側に油圧配管76が取り付けられる取付け口(供給部)366が設けられている。より具体的には突出部63における前向きの面の下側に取付け口366が設けられている。そのため、オイルタンク61のタンク本体62および突出部63の上面に配置されるフランジ365には、取付け口が設けられていない。フランジ365は、タンク本体62および突出部63の上面設けられた開口69を塞ぐものである。
【0080】
取付け口366に取り付けられた油圧配管76は、図12および図13に示すように、ポンプ部72の吸入部73につながれている。取付け口366は、第1の実施形態と比較して吸入部73に対して上下方向の配置位置の差が小さな突出部63の下側に配置されている。そのため、両者をつなぐ油圧配管76は、ほぼ水平方向に延びて配置されている。
【0081】
上記の構成のようにオイルタンク361における突出部63の下側に取付け口366を設けることにより、オイルタンク361の取付け口366からポンプ部72の吸入部73までの距離を短くできる。そのため、オイルをオイルタンク361から油圧モータ71に送る際の損失を軽減でき、省エネ性の向上を図ることができる。
【0082】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、本発明を上記の実施形態に適用したものに限られることなく、これらの実施形態を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定するものではない。
【符号の説明】
【0083】
1,101,201,301…カウンターバランス式フォークリフト、10…車両本体、11…内部空間、16…ステップ部、20…前輪、30…後輪、61,361…オイルタンク(タンク)、62…タンク本体、63…突出部、64…張出し部、66,366…取付け口(供給部)、67…フィルタ、68…上端突部、69…開口、71,171,271…油圧モータ(送出部)、72…ポンプ部、73…吸入部、74…電動モータ部(モータ部)、76…油圧配管(配管)、81…バッテリ、82…コントローラ、
図1
図2
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