特許第5872974号(P5872974)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5872974
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】ネイル技術練習具
(51)【国際特許分類】
   A45D 31/00 20060101AFI20160216BHJP
【FI】
   A45D31/00
【請求項の数】4
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-154695(P2012-154695)
(22)【出願日】2012年7月10日
(65)【公開番号】特開2014-14547(P2014-14547A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2015年1月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】712008116
【氏名又は名称】秋山 亜友美
(72)【発明者】
【氏名】秋山亜友美
【審査官】 山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−320451(JP,A)
【文献】 特開2008−093212(JP,A)
【文献】 特開2005−081118(JP,A)
【文献】 特開2010−188026(JP,A)
【文献】 特開2009−268606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間の皮膚部(5)と爪甲部(2)を一体に成形され、全体が略中空半円柱状をした指先形状のネイルチップ(1)であって、該ネイルチップ(1)の全長を略3〜6.5cmとするとともに、該ネイルチップ(1)の爪甲部(2)後端の皮膚部(5)との境目にはキューティクルライン(3)を形成し、爪甲部(2)の両側の皮膚部(5)との境目にはネイルウォール(4)を形成したことを特徴とするネイル技術練習具。
【請求項2】
ファイリング及びカラーリング用のネイルチップ(1)の全長を略3〜5cmとし、該ネイルチップ(1)は爪甲部(2)を皮膚部(5)から突出させるとともに,前記爪甲部(2)の先端部を直線状に形成したことを特徴とする請求項1に記載のネイル技術練習具。
【請求項3】
イクステンション用のネイルチップ(1)の全長を略3.5〜6.5cmとし、該ネイルチップ(1)は爪甲部(2)を皮膚部(5)と面一とし、前記爪甲部(2)の先端部を指先形状に合わせて略円弧状に形成したことを特徴とする請求項1に記載のネイル技術練習具。
【請求項4】
前記指先形状をしたネイルチップ(1)の手の甲側の形を合成樹脂により、断面を略円弧状に形成するとともに、手のひら側を空洞にしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のネイル技術練習具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,ネイルのカラーリング及び,イクステンション(爪の造形)等、ネイルに係る技術を習得するために用いるネイル技術練習具に関する。
【背景技術】
【0002】
ネイルのカラーリング及びイクステンションの練習を行うための用具として,特許文献1に記載のネイル技術練習用具が開示されている。該ネイル技術練習用具は指先部を所望の方向に変位可能であり,爪床にネイルチップを挿脱可能に挿装してネイル技術の練習を行うようにしている。また,特許文献2にはネイル技術の練習を行う人の手形状をした模型が開示されている。該模型は5本の指の爪が全て上を向いた形状であるため,該模型を傾けなくてもマニキュアやジェルのカラーリング,イクステンション等のネイル技術の練習が行えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−320451号公報
【特許文献2】特開2008−093212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載のネイル技術練習用具は、指先部と第2指部がそれぞれ上下方向に屈曲自在となるように,第一関節及び第二関節を配設しており,機構が複雑で繰り返しの使用によって,関節部に緩みが生じ指先部がぐらつく恐れがある。また,ネイル技術の練習後には貼り付けたネイルチップを取り外し,指先部に付着した両面テープやグルー(ネイル専用の接着剤)等を剥離する必要があるため,肝心のネイル技術の練習以外の時間を要するという課題がある。また,特許文献2に記載の模型は人の手形状部とその周囲の平坦部とを一体に成型しているので,模型自体が大きく持ち運びに不便である。また,特許文献1と同様にネイル技術の練習後には貼り付けたネイルチップを取り外し,指先部に付着した両面テープやグルー等を剥離する必要があるため,肝心のネイル技術の練習以外の時間を要するという課題がある。そして、ネイリスト検定を取得するためには、たくさんの練習を行う必要があるため、使い捨てにするには高価すぎるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本願発明のネイル技術練習具では、人間の皮膚部と爪甲部を一体に成形され、全体が略中空半円柱状をした指先形状のネイルチップであって、該ネイルチップの全長を略3〜6.5cmとするとともに、該ネイルチップの爪甲部後端の皮膚部との境目にはキューティクルラインを形成し、爪甲部の両側の皮膚部との境目にはネイルウォールを形成したことを特徴とするネイル技術練習具である。
【0006】
また,本願発明のネイルチップの全長を略3〜5cmとし、該ネイルチップは爪甲部を皮膚部から突出させるとともに,前記爪甲部の先端部を直線状に形成しているので、ファイリング(爪ヤスリを使って、爪の長さや形態を整える事)及びカラーリングの練習に好適なネイル技術練習具である。
【0007】
また,本願発明のネイルチップ全長を略3.5〜6.5cmとし、該ネイルチップは爪甲部を皮膚部と面一とし、前記爪甲部の先端部を指先形状に合わせて略円弧状に形成しているので、イクステンションの練習に好適なネイル技術練習具である。
【0008】
また、本願発明のネイル技術練習具では、指先形状をしたネイルチップの手の甲側の形を合成樹脂により、断面を略円弧状に形成するとともに、手のひら側を空洞にしたことを特徴とするネイル技術練習具である。
【発明の効果】
【0009】
本願発明に係るネイル技術練習具は,皮膚部と爪甲部を一体に構成した指先形状をしたネイルチップであり,キューティクルライン及びネイルウォールも形成しているので,キューティクルラインやネイルウォールに沿ってマニキュア塗布の練習を行うことができ,且つ,塗りむら等の確認が容易であるという効果を奏する。
【0010】
また,爪甲部を皮膚部から突出又は面一としているので、フリーエッジや表面のファイリングの練習やイクステンション等の練習も行うことができる。そして,両手を使用する必要があるネイル技術の練習を行う際には,前記ネイルチップを市販のチップスタンドにセットすれば,自由に両手を使用してネイル技術の練習が容易に行えるという効果も奏する。さらに,前記ネイルチップは軽量でコンパクトであるため,携帯が容易であるという効果も奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るネイルチップ(ファイリング及びカラーリング用)の平面図である。
図2】本発明に係るネイルチップ(イクステンション用)の平面図である。
図3図1におけるA正面図である。
図4図2におけるA正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下,本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1は本発明のネイル技術練習具のうち,ファイリング及びカラーリング練習用のネイルチップを上部から見た平面図である。図中の符号1はネイルチップであり,人間の指の遠位指節間関節から指先及び爪甲部2の先端までの形状をしている。該ネイルチップ1の全長は3〜5cm程度としており、更には3.5cm程度とするのがより好適であり,該爪甲部2と皮膚部5とを一体に成形している。該ネイルチップ1には,人間の指と同様なキューティクルライン3とネイルウォール4を形成している。該爪甲部2は皮膚部5の指先から3〜8mm程度突出させており、更には5mm程度とするのがより好適であり、該爪甲部2の先端を直線状に形成している。該爪甲部2をファイリング練習に用いるものである。また,前記キューティクルライン3とネイルウォール4部を設けたことによって,皮膚部5と爪甲部2の境にカラーリングの練習が行え,ネイルカラーが爪甲部2だけにうまく塗布できているか,あるいは皮膚部5にネイルカラーが付着していないか等の確認が容易に行えるものである。
【0013】
図2は本発明のネイル技術練習具のうち,イクステンション用のネイルチップを上部から見た平面図である。図中の符号1はネイルチップであり,人間の指の近位指節間関節から指先及び爪甲部2の先端までの形状をしている。該ネイルチップ1の全長は3.5〜6.5cm程度としており、更には4.5cm程度とするのがより好適であり、該爪甲部2と皮膚部5とを面一で一体に成形している。該ネイルチップ1には,人間の指と同様なキューティクルライン3とネイルウォール4を形成している。該爪甲部2は皮膚部5の指先からイエローライン(自爪の爪先と爪床の境目の部分)に沿って円弧状に形成している。皮膚部5を長くすることにより,手形状模型及びCカーブスティックを使用せず,市販のネイルフォームを装着するだけで,イクステンションの練習が容易にできる。
【0014】
図3図1のA方向より見た正面図であり、前記ネイルチップ1は合成樹脂により、立体的に形成しており、手のひら側を空洞にした、略円弧状をしている。該ネイルチップ1は金型を用いて射出成形加工により製造する場合には、前記合成樹脂は熱可塑性樹脂が好適であり、マニキュア塗布の練習用としては、低分子量の樹脂のほうがより好適であるが、他の製造方法(押出成形加工等)で製造する際は前記熱可塑性樹脂に限定するものではない。
【0015】
図4図2のA方向より見た正面図であり、前記ネイルチップ1は合成樹脂により、略円弧状に形成しており、手のひら側を空洞とし、略円弧状をした皮膚部5の両側面を円周方向に沿って延出させている。該ネイルチップ1は金型を用いて射出成形加工により製造する場合には、前記合成樹脂は熱可塑性樹脂が好適であり、イクステンションの練習用としては、低分子量の樹脂のほうがより好適であるが、他の製造方法(押出成形加工等)で製造する際は前記熱可塑性樹脂に限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0016】
ネイルチップの形状を皮膚部と爪甲部とを一体にした指先形状としたので,ネイリスト検定に必要なファイリング,カラーリング,イクステンション,さらにネイルアート等のネイル技術全般の練習にも適用できる。
【符号の説明】
【0017】
1 ネイルチップ
2 爪甲部
3 キューティクルライン
4 ネイルウォール
5 皮膚部
図1
図2
図3
図4