(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
繊維機械に供給され、頭尾の態様で互いに接続された第1のボビン(B1)又は第2のボビン(B2)からの糸の供給ボビンの交替を検知する装置であって、糸 のための通路部分(7)を形成する支持本体(2)と、前記通路部分(7)に位置する第1の検知ゾーン(8a)と第2の検知ゾーン(9a)をそれぞれ形成する少なくとも1個の第1のセンサー(8)と少なくとも1個の第2のセンサー(9)を備えた糸検知手段(8、9)と、前記検知手段(8、9)と連動して前記 糸の繊維機械への供給を制御する制御ユニット(10)と、少なくとも1個の受光素子(12)とを備え、前記検知手段(8、9)が、第1のボビン(B1)又 は第2のボビン(B2)から繰り出される糸が前記第1の検知ゾーン(8a)又は第2の検知ゾーン(8b)を通って進行すると、対応する第1及び第2の存在 信号を発生させるようになっており、前記制御ユニット(10)が、前記第1及び/又は第2の存在信号を入力として受信するようになっており、また、前記第 1又は第2の存在信号に基づいて、前記糸が前記第1のボビン(B1)から出ているのか又は第2のボビン(B2)から出ているかを示す少なくとも1個の出力 信号を発生させるようになっており、前記第1のセンサー(8)及び第2のセンサー(9)が、それぞれの発光素子(11)を備えて前記第1のセンサー(8)又は前記第2のセンサー(9)の前の前記糸を照らし、前記発光素子(11)が、一連の第1及び第2の存在信号を発生させるため、もっぱら前記第1のセン サー(8)又は前記第2のセンサー(9)の前の前記糸を照らすよう相次いで作動させることが可能な検知装置において、前記制御ユニット(10)が、前記第 1の存在信号が終わり前記第2の存在信号が始まると、前記第1のボビン(B1)から前記第2のボビン(B2)への前記糸の出所の交替を表す切替信号を発生させ、前記支持本体(2)が、本体部分(5)と、互いに対向して前記本体部分(5)から延びる2個のアーム(6)とを備えており、前記通路部分(7)が、前記アーム(6)の間に形成されていることを特徴とする検知装置。
前記第1及び第2の存在信号が受信されない場合、前記制御ユニット(10)が、通路部分(7)における糸の不存在を表す停止信号を発生させることを特徴とする請求項1に記載の装置。
前記切替信号及び/又は停止信号を取得するため及び対応する電気的な、音の及び/又は目で見える警告信号を発生させるため、制御ユニット(10)と連動する切替通知手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
糸が繰り出るボビンに基づいて、最終製品のトレーサビリティーを可能にするために、少なくとも1個の作動パラメータをプログラムするため及び/又は捕捉状 態又は事象を読み取って少なくとも1個の情報事項を保存するため、前記装置を、好ましくはシリアル回線によって、繊維機械に接続するための接続部を、さら に備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
請求項1に記載した装置によって、繊維機械に供給され、ヘッド・テール方式で互いに接続された第1のボビン(B1)又は第2のボビン(B2)から繰り出る糸の供給ボビンの交替を検知する方法であって、
第1のボビン(B1)又は第2のボビン(B2)から繰り出る糸を、第1のセンサー(8)又は第2のセンサー(9)における通路部分(7)を通して案内する工程と、
第1のボビン(B1)から又は第2のボビン(B2)から繰り出された糸が、前記第1のセンサー(8)又は第2のセンサー(9)の前を進行する時に、前記第1のセンサー(8)と前記第2のセンサー(9)を、相次いで作動させ、一連の第1又は第2の存在信号を発生させ、前記第1又は第2の存在信号を前記制御ユ ニット(10)に送る工程と、
前記制御ユニット(10)により、前記第1又は第2の存在信号に基づいて、第1のボビン(B1)からの又は第2のボビン(B2)からの前記糸の出所を表す少なくとも1個の出力信号を発生させる工程と、
前記第1の存在信号が終わり前記第2の存在信号が始まると、前記制御ユニット(10)により、前記第1のボビン(B1)から前記第2のボビン(B2)への糸の出所の交替を表す切替信号を発生させる工程とを、
備えていることを特徴とする方法。
前記第1及び第2の存在信号の受信がない場合に、前記制御ユニット(10)により、通路部分(7)における糸の不存在を表す停止信号を発生させる工程を,さらに備えている請求項11に記載の方法。
【背景技術】
【0003】
糸のボビンの交替を検知する装置は、公知である。これらの公知の装置は、1個のボビンの糸と次のボビンの糸との間の接続部分が収容される感知ゾーンを有している。
【0004】
しばしば、接続部分は、この部分が何かの事情で逃げて、そのため間違った読み取りが生じるのを防止するため、糸制動グリッパーを用いて感知ゾーン内に維持される。
【0005】
ボビンが、使い果たしに近づくと、この接続部分は、繊維機械の方に引っ張られ、そのため感知ゾーンを離れる。適切なセンサー、例えば、容量センサー、光学センサー又は圧電センサーが、この退出を検知し、「ヘッド・テール事象(head−tail event)」としても知られるボビンの交替が行われたことを示す。
【0006】
しかしながら、公知の種類の装置には、幾つかの問題点がある。
【0007】
第一に、ヘッド・テール事象の検知は、もっぱら、糸の接続部分が、引っ張られて装置の感知ゾーンを出る瞬間の検知とのみ関連付けられている。糸が繊維機械に供給される高い速度のため、装置が、その一回きりの瞬間的な事象を見つけることができず、そのためその事象を検知できないことが、しばしば起こりうる。
【0008】
さらに、糸制動グリッパーを再配置することがしばしば必要なことが、斯かる装置の繊維機械への取り付けを、大幅に面倒にしている。
【0009】
さらに、糸制動グリッパーは、ヘッド・テール事象の瞬間に、対抗され克服されなければならない制動作用を、糸にかけ、糸が破損する危険性がある。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付図面を参照すると、参照符号1は、繊維機械における糸供給ボビンの交替を検知する本発明による装置全体を示しており、前記供給は、ヘッド・テール接続された2個のボビンを用いることによって行われる。
【0017】
特に、本発明による装置1は、ヘッド・テール接続によって互いに接続された第1のボビンB1からの糸の終端部と、第2のボビンB2からの糸の始端部を検知する。
【0018】
第1のボビンB1及び第2のボビンB2は、それらの中心軸線A1、A2が互いに傾いた状態で配置されている(
図3参照)ことに留意すべきである。
【0019】
本発明による装置1は、互いに結合されて部品を収容するための内部コンパートメントを形成する2個の外殻ハーフ3、4からなる支持本体2を備え、これらの部品は、本明細書において以下に説明され、図示しない締め付け手段(例えば、ネジ)によって互いに結合されている。
【0020】
図示のように、支持本体2は、本体部分5と、本体部分5から互いに対向して延びる2個のアーム6とを備えている。アーム6の間には、糸がボビンB1、B2から繊維機械(図示せず)に向かって通る通路部分7が形成されている。
【0021】
図示の実施の形態によれば、アーム6は、通路部分7がほぼ円状であるような形状になっている。
【0022】
本発明による装置1は、一般に、糸通路部分7内に位置する少なくとも1個の第1の検知ゾーン8aと少なくとも1個の第2の検知ゾーンを形成する糸検知手段8、9を備えている。
【0023】
検知手段は、通路部分7に配置されていて互いに向かい側に位置するのが好ましい少なくとも1個の第1のセンサー8と少なくとも1個の第2のセンサー9(例えば、人感又は近接センサー、光学センサー、接触センサーあるいは他のセンサー)を備えている。具体的には、第1のセンサー8と第2のセンサー9は、前記アーム6に対応する位置に配置されている。
【0024】
第1のセンサー8と第2のセンサー9は、それぞれ、第1のセンサー8の前と第2のセンサー9の前の糸の進行をそれぞれ表す少なくとも1個の第1の存在信号と少なくとも1個の第2の存在信号を発生させるように配置されている。言い換えれば、第1のセンサー8と第2のセンサー9は、通路部分7に位置するそれぞれ互いに離れた感知領域において糸の存在を検知する。
【0025】
図示しない実施の態様では、検知手段は、複数の検知ゾーンを形成している。この点で、検知手段は、複数の前記センサーを備えており、各々のセンサーは、対応する検知ゾーンを形成し、前述した以外の互いに離れた位置での糸の存在を検知する。例えば、3個以上のヘッド・テール接続されたボビンがある糸処理のプロセス用では、3個以上の制御ゾーンを確認する。
【0026】
糸を、第1のボビンB1又は第2のボビンB2から繰り出す間、糸は、底面をボビンの箇所に位置し、通路部分7に、特に2個の前記感知ゾーンのうちの1個内に、頂点を有する円錐状の面に沿った回転運動を受けることに留意すべきである。この運動は、バルーニング(ballooning)として知られている。
【0027】
ボビンB1とB2が、それらの中心軸線が互いに傾斜した状態で配置されているので、第1のボビンB1が使い果たされ、第2のボビンB2からの糸の引き出しが始まると、通路部分7に近づく糸の軌跡は、突然変化し、例えば第
1のセンサー8の感知領域から第2のセンサー9の感知領域へと進む。
【0028】
制御ユニット10が、第1のセンサー8及び第2のセンサー9と、入力として第1及び第2の存在信号を受けるように、連動している。制御ユニット10はまた、徐々に巻き出されているボビンを表す少なくとも1個の出力信号を発生させる。言い換えれば、出力信号は、第1のボビンB1又は第2のボビンB2の識別を意味する。図面に示す好ましい実施の形態では、第1のセンサー8及び第2のセンサー9は、光学型(photo−optic type)のものである。
【0029】
この点で、第1のセンサー8及び第2のセンサー9は、それぞれ、通過中の糸を照らすための発光素子11と、この光の一部(光の一部が、実際に糸によって吸収される/ぼやかされる及び/又は反射される)を受ける少なくとも1個の受光素子12を備えている。
【0030】
例えば、斯かる発光素子11は、発光ダイオード(赤外線、レーザー光線又は可視光線)でよい。また、例えば、受光素子12は、光ダイオード、光トランジスタ、位置検出素子(PSD)、荷電結合素子(CCD)などでよい。
【0031】
発光素子11は、角度をあけて、好ましくは受光素子12から等距離に配置されている。発光素子11は、それらの光軸Cが、受光素子12に入射する又は少なくとも向いている状態で配置されているのが好ましい(
図4参照)。
【0032】
図示のように、本発明による装置1は、第1のセンサー8と第2のセンサー9が共用する単一の受光素子12を備えている。
【0033】
図示しない実施の形態では、各センサー8、9は、それぞれ、それ自身の受光素子を備えている。
【0034】
第1のセンサー8及び第2のセンサー9の発光素子11から出て、糸によってぼやかされた光を受けると、受光素子12は、それぞれ第1及び第2の存在信号を発生させる。
【0035】
各発光素子11は、他の発光素子11の作動停止と同時に作動し、少なくとも部分的に互いに分けられたそれぞれの光線にして光を発する。言い換えると、発光素子11は、通路部分7において、少なくとも部分的に交差しない(例えば、円錐状の)光線を発生させる。もっぱら発光素子11によって発せられた光線のうちのただ1個によって占められた通路部分7のそれらの領域は、前記感知領域を形成する。
【0036】
どちらの感知ゾーンが、任意の所定の時間において糸によって占められているかを、より高い精度で識別するよう、発光素子11を、第1のセンサー8又は第2のセンサー9の前で、特にそれぞれの感知領域と一致して、相次いで作動させることができる。
【0037】
このようにして、一連の第1又は第2の存在信号が、発生される。この点で、制御ユニット10は、第1のセンサー8の発光素子11及び第2のセンサー9の発光素子11に向けた指令信号を発生させ、要求に応じてそれらを作動、作動停止させる。
【0038】
制御ユニット10はまた、受光素子12に連動して、光の識別を表す信号を受信する。指令信号と光の識別を表す信号を比較することにより、制御ユニット10は、第1のセンサー8又は第2のセンサー9の前の糸の存在を識別する第1又は第2の存在信号を発生させる。
【0039】
これに基づき、制御ユニット10は、第1のボビンB1から第2のボビンB2への及びその逆への糸の出所の変化を表す切替信号を発生させる。言い換えると、いわゆるヘッド・テール事象が生じると、制御ユニット10は、切替信号を発生させる。
【0040】
より具体的には、一連の第1の存在信号が終わり、一連の第2の存在信号が始まると、制御ユニット10は、第1のボビンB1から第2のボビンB2への糸の出所の変化を表す切替信号を発生させる。
【0041】
同様に、一連の第2の存在信号が終わり、一連の第1の存在信号がアクティブになると、制御ユニット10は、第2のボビンB2から第1のボビンB1への糸の出所の変化を表す切替信号を発生させる。
【0042】
制御ユニット10が、第1の存在信号も第2の存在信号も検知しない場合には、制御ユニット10は、例えば糸の破損に起因する通路部分7における糸の不存在を表す停止信号を発生させることに留意すべきである。
【0043】
制御ユニット10が、第1及び第2の存在信号の両方を同時に受信すると、制御ユニット10は、作業者による点検を要する異常な稼働の状態を表す異常信号を発生させる。
【0044】
図示しない別の実施の形態では、第1のセンサー8と第2のセンサー9とは、別の種類のものでもよいことに留意すべきである。例えば、第1のセンサー8及び第2のセンサー9は、支持本体2に配置された少なくとも2個の別の感知領域を形成する容量性素子、圧電素子、歪みゲージ又他の種類の素子でよい。
【0045】
本発明による装置1はまた、制御ユニット10と連動して切替信号及び/又は停止信号及び/又は異常信号を取得するとともに音の又は目で見える警告信号を発生して繊維機械への糸の供給の稼働状態に関して使用者に知らせる通知手段(図示せず)を備えている。
【0046】
他の変形例としての実施の形態では、ぼやかすこと(発光部材と受光部材が、互いに向かい合って糸によってぼやかされた光線を測定する)による稼働の代わりに、反射によって光学センサーが稼働することもでき、この場合には、発光部材と受光部材は互いにすぐ近くにあり、受光部材によって受けられる光は、糸によって反射された光である。
【0047】
これらの通知手段は、例えば、示すべき作動状態に基づいて点灯される複数の発光ダイオード、又は画面などでよい。
【0048】
これらの通知手段は、支持本体2に組み込まれていてもよく、独立した別個のものでもよい。
【0049】
本発明による装置1はまた、少なくとも制御ユニット10に接続されたコネクタ16を備えている。このコネクタ16は、制御ユニット10及び本発明による装置1全体の作動に必要な電圧の供給に加え、信号が出入り出来るようにしている。例えば、切替信号及び/又は停止信号が、コネクタ16を経由して出ることができる。
【0050】
コネクタ16は、本発明による装置1を、繊維機械に、特にその電子制御システムに例えばシリアル回線を経由して接続するのに用いることができ、これにより、何らかの稼働パラメータ(感度、遅延…)をプログラムするため及び/又は各センサーの状態を読み取るために、これらのデータ(糸の不在又はヘッド・テール事象)が、機械のコンピュータの又は外部パソコンのデータベースに記録され、そのため、出所のボビンとデータを関連させることにより、最終製品の完全な追跡ができる。例えば、この状況で、停止信号を繊維機械に送り、繊維機械を停止させることができ又は停止信号を作業者に示し、作業者は使い果たされたボビンを取り替えてプロセスが停止するのを防止することができる。
【0051】
本発明による装置1はまた、支持本体2の外殻ハーフ3、4の間に配置され、第1のセンサー8と第2のセンサー9、制御ユニット10及びコネクタ16が搭載された支持パネル17を備えている。具体的には、支持パネル17は、外殻ハーフ3、4の間に固定され、支持パネルを適した位置に保っている。
【0052】
本発明による装置1はまた、支持本体2のアーム6の間に配置されていて通路部分7を形成する糸案内部材13を備えている。
【0053】
糸案内部材13は、糸が、もつれたまま又はちぎれたままであることなしに、糸案内部材13に沿って滑動できるようにする。
【0054】
好ましくは、第1のボビンB1及び第2のボビンB2は、それらのボビンから繰り出してくる糸が、第1のセンサー8及び第2のセンサー9において常に糸案内部材13と接触しているように方向付けされている。
【0055】
糸案内部材13は、外殻ハーフ3、4の間に収納されており、少なくとも部分的に本体2内の前記コンパートメントを閉じている。
【0056】
具体的には、糸案内部材13は、安定した結合を確保するため、支持本体2の外殻ハーフ3、4に形成された肩部15に嵌まるようにされた凹部14をそれぞれ有する2個の両端縁13a、13bを備えている。
【0057】
通路部分7の形状に従い、糸案内部材13は、ほぼ環状の形を有している。具体的には、糸案内部材13は、開いたリング形状のものである。変更形態では、糸案内部材13は、閉じたリングなどの他の形状を有しているか又は繊維機械の一体部分を形成している。
【0058】
糸案内部材13は、透光性材料でできている。これは、発光素子11と受光素子12が支持本体2の内側にあるため、必要である。
【0059】
糸案内部材13は、アルミナセラミック、模造ダイヤ又はサファイヤ、合成材料あるいは類似の材料でできているのが好ましい。
【0060】
そのほか、糸案内部材13は、ナイロン、ポリカーボネートなどのプラスチック材料、又はガラスからなっていてもよい。
【0061】
ここで、本発明の装置1の作動を、
図6に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0062】
本発明による装置1の作動は、初期設定工程(ブロック101)で始まり、この工程中に、プロセス制御変数が設定される。
【0063】
次に、制御工程(ブロック102)中に、発光素子11が交互に点灯され、受光素子12によって、光の検出を表す信号が集められる。
【0064】
この工程中、発光素子11が点灯又は消灯している期間の継続時間を、固定することもでき、又は、例えばシステム応答時間の関数としてプログラムすることもできることに留意すべきである。さらに、この継続時間は、両方の発光素子11に関して、等しくてもよく、異なっていてもよい。例えば、あらゆる糸の破損の検知を速めるため、どの検知ゾーンが、糸によって占められているかの確認を長くすることが有益である。
【0065】
この制御は、制御ユニット10によって行われる。
【0066】
この工程の後には、糸が進行していることを確認する工程(ブロック103)が続く。
【0067】
言い換えると、制御ユニット10は、第1のセンサー8と第2のセンサー9のうちの少なくとも1個が、糸の進行を検知しているかどうかを確認する。
【0068】
第1の存在信号も第2の存在信号も検知されない場合には、制御ユニット10は、この状況を糸の破損と判断して、所定の待機時間の後、停止信号を発生させる(ブロック104)。
【0069】
その場合には、制御ユニット10は、ブロック102で表す工程の前の待機へと戻り、繊維機械の再始動と糸の供給の再開の後、次の制御サイクルを行う用意が整う。
【0070】
ブロック103で行われる確認中、制御ユニット10が、第1の存在信号を受信すると(すなわち、この場合には、糸が第1のセンサー8の近傍を進行している)、ブロック105で表す確認が始まる。
【0071】
この確認中、制御ユニット10は、糸が、先の制御サイクル中にも、第1のセンサー8の前を進行したかどうかを検証する。
【0072】
肯定の場合には、ヘッド・テール事象がなかったことを検証したので、制御ユニット10は、それを確認することによって進行の状態を情報更新し(ブロック106)、新しい制御サイクルを行うため、ブロック102に戻る。
【0073】
否定の場合には、制御ユニット10は、糸が、先の制御サイクル中に、第2のセンサー9の前を進行したかどうかを検証する(ブロック107)。
【0074】
否定の場合には(すなわち、糸が第2のセンサー9の前を進行しなかった場合には)、制御ユニット10は、それを確認することによって進行状態を情報更新し(ブロック106)、新しい制御サイクルを行うため、ブロック102に戻る。
【0075】
肯定の場合には(すなわち、糸が第2のセンサー9の前を進行した場合には)、第2のボビンB2から第1のボビンB1への交替を伴うヘッド・テール事象を検知したので、制御ユニット10は、切替信号を発生させる(ブロック108)。その場合には、進行状況の情報更新(ブロック106)の後、制御ユニット10は、新しい制御サイクルを行うため、ブロック102に戻る。
【0076】
さらに、ブロック103で行われる確認中、制御ユニット10が、第2の存在信号を受信すると(すなわち、この場合には、糸が第2のセンサー9の近傍を進行している)、ブロック109で表す確認が始まる。
【0077】
この確認中、制御ユニット10は、糸が、先の制御サイクル中にも、第2のセンサー9の前を進行したかどうかを検証する。
【0078】
肯定の場合には、ヘッド・テール事象がなかったことを検証したので、制御ユニット10は、それを確認することによって進行の状態を情報更新し(ブロック110)、新しい制御サイクルを行うため、ブロック102に戻る。
【0079】
否定の場合には、制御ユニット10は、糸が、先の制御サイクル中に、第1のセンサー8の前を進行したかどうかを確認する(ブロック111)。
【0080】
否定の場合には(すなわち、糸が第1のセンサー8の前を進行しなかった場合には)、制御ユニット10は、それを確認することによって進行状態を情報更新し(ブロック110)、新しい制御サイクルを行うため、ブロック102に戻る。
【0081】
肯定の場合には(すなわち、糸が第1のセンサー8の前を進行した場合には)、第1のボビンB1から第2のボビンB2への交替を伴うヘッド・テール事象を検知したので、制御ユニット10は、切替信号を発生させる(ブロック
112)。その場合には、進行状況の情報更新(ブロック110)の後、制御ユニット10は、新しい制御サイクルを行うため、ブロック102に戻る。
【0082】
本発明は、提案した目的を達成し、重要な利点を提供するものである。
【0083】
糸の位置を検知する2個の別個のセンサーを用いることにより、本発明による糸供給ボビンの交替を検知する装置は、いつでも、2個のボビンのうちのどちらから糸が引き出されたかを正確かつ確実に決定することができる。
【0084】
そのため、ヘッド・テール事象の後、すなわち、1個のボビンが終わり次のボビンが始まった後、糸が、本発明による装置1に近づく軌道を変えると、この変化は、迅速に検知され、ヘッド・テール事象を示し、この事象は、技術水準の解決策としての単一の事象によってではなく、2個のセンサー8及び9によって捕らえられる糸の進行状態の絶え間ない分析により確認される。
【0085】
さらに好都合なことには、ヘッド・テール事象の検知は、糸の前進速度によって影響されることがない。
【0086】
また、ヘッド・テール事象の検知は、繊維機械の稼働条件に対する変化も機械への糸の供給に対する変化も意味しないことも留意すべきである。
【0087】
特に、糸供給ボビンの交替を検知する本装置を用いると、糸にさらなる張力をかける危険性がなく、むしろ糸の破損又はちぎれを引き起こすことが少ない。
【0088】
好都合なことに、本発明の装置は、非常に簡単な構造のものであり、また、特別な介在物の必要なしに、繊維機械に容易に取り付けることができる。