特許第5873131号(P5873131)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5873131情報検索装置、情報検索プログラム及び情報検索方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5873131
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】情報検索装置、情報検索プログラム及び情報検索方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0482 20130101AFI20160216BHJP
   G06F 17/30 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   G06F3/0482
   G06F17/30 310B
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-101857(P2014-101857)
(22)【出願日】2014年5月15日
(65)【公開番号】特開2015-219666(P2015-219666A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2014年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】514122742
【氏名又は名称】増井 俊之
(74)【代理人】
【識別番号】100117592
【弁理士】
【氏名又は名称】土生 哲也
(72)【発明者】
【氏名】増井 俊之
【審査官】 西村 直史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−059820(JP,A)
【文献】 特開2011−018085(JP,A)
【文献】 特開2007−207186(JP,A)
【文献】 特開2008−152345(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/080448(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0482
G06F 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
階層構造を有する情報を検索するための情報検索装置であって、
検索対象となる情報は階層構造に関連付けて管理され、
相対する二の方向のいずれかを示す操作を行うスイッチ又はセンサから、一の方向への操作が行われたことを検出する検出手段と、
一の情報が選択された状態で、前記検出手段が一の方向への操作を検出すると、前記一の情報と同一の階層に前記一の方向に隣接する他の情報がある場合は、選択中の情報を前記一の情報から前記他の情報に切り替える第1の切替手段と、
一の情報が選択された状態で、前記検出手段が操作を検出しない状態が所定の時間継続すると、前記一の情報に下位階層に属する情報が関連付けられている場合は、選択中の情報を前記下位階層に属する他の情報に切り替える第2の切替手段と、
同一の階層の両端にあるいずれかの情報が選択された状態で、前記検出手段が隣接する情報が存在しない方向への操作を検出すると、前記階層の上位階層が存在する場合は、選択中の情報を前記上位階層に属する他の情報に切り替える第3の切替手段と、
を備えることを特徴とする情報検索装置。
【請求項2】
前記第3の切替手段は、選択中の情報を切り替える前記上位階層に属する他の情報として、前記同一の階層にある情報が関連付けられた前記上位階層にある情報、又は前記同一の階層にある情報が関連付けられた前記上位階層にある情報に前記検出手段が操作を検出した方向に隣接する情報のいずれかを選択すること
を特徴とする請求項記載の情報検索装置。
【請求項3】
前記第2の切替手段は、選択中の情報を切り替える前記下位階層に属する他の情報として、前記下位階層の両端にあるいずれかの情報を選択すること
を特徴とする請求項1又は2記載の情報検索装置。
【請求項4】
選択中の情報を明示した状態で、前記選択中の情報が属する階層に含まれる情報を整列して表示装置に出力する出力手段を備えていて、
前記出力手段は、前記第2の切替手段が選択中の情報を前記下位階層に属する他の情報に切り替えると、整列された前記下位階層に含まれる情報を、切替前に選択されていた一の情報と前記一の情報に隣接するいずれかの情報との間に挿入して、表示装置に出力すること
を特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の情報検索装置。
【請求項5】
階層構造を有する情報を検索するための情報検索プログラムであって、
検索対象となる情報を階層構造に関連付けて管理する情報検索装置に、
相対する二の方向のいずれかを示す操作を行うスイッチ又はセンサから、一の方向への操作が行われたことを検出する検出処理と、
一の情報が選択された状態で、前記検出処理により一の方向への操作を検出すると、前記一の情報と同一の階層に前記一の方向に隣接する他の情報がある場合は、選択中の情報を前記一の情報から前記他の情報に切り替える第1の切替処理と、
一の情報が選択された状態で、前記検出処理による操作を検出しない状態が所定の時間継続すると、前記一の情報に下位階層に属する情報が関連付けられている場合は、選択中の情報を前記下位階層に属する他の情報に切り替える第2の切替処理と、
同一の階層の両端にあるいずれかの情報が選択された状態で、前記検出処理により隣接する情報が存在しない方向への操作を検出すると、前記階層の上位階層が存在する場合は、選択中の情報を前記上位階層に属する他の情報に切り替える第3の切替処理と、
を実行させることを特徴とする情報検索プログラム。
【請求項6】
前記第3の切替処理では、選択中の情報を切り替える前記上位階層に属する他の情報として、前記同一の階層にある情報が関連付けられた前記上位階層にある情報、又は前記同一の階層にある情報が関連付けられた前記上位階層にある情報に前記検出処理により操作を検出した方向に隣接する情報のいずれかを選択すること
を特徴とする請求項記載の情報検索プログラム。
【請求項7】
前記第2の切替処理では、選択中の情報を切り替える前記下位階層に属する他の情報として、前記下位階層の両端にあるいずれかの情報を選択すること
を特徴とする請求項5又は6記載の情報検索プログラム。
【請求項8】
前記情報検索装置に、選択中の情報を明示した状態で、前記選択中の情報が属する階層に含まれる情報を整列して表示装置に出力する出力処理を実行させ、
前記出力処理において、前記情報検索装置は、前記第2の切替処理により選択中の情報を前記下位階層に属する他の情報に切り替えると、整列された前記下位階層に含まれる情報を、切替前に選択されていた一の情報と前記一の情報に隣接するいずれかの情報との間に挿入して、表示装置に出力させること
を特徴とする請求項5乃至7いずれかに記載の情報検索プログラム。
【請求項9】
階層構造を有する情報を検索するための情報検索方法であって、
検索対象となる情報を階層構造に関連付けて管理する情報検索装置が、相対する二の方向のいずれかを示す操作を行うスイッチ又はセンサから、一の方向への操作が行われたことを検出する検出処理と、
前記情報検索装置が、一の情報が選択された状態で、前記検出処理により一の方向への操作を検出すると、前記一の情報と同一の階層に前記一の方向に隣接する他の情報がある場合は、選択中の情報を前記一の情報から前記他の情報に切り替える第1の切替処理と、
前記情報検索装置が、一の情報が選択された状態で、前記検出処理による操作を検出しない状態が所定の時間継続すると、前記一の情報に下位階層に属する情報が関連付けられている場合は、選択中の情報を前記下位階層に属する他の情報に切り替える第2の切替処理と、
前記情報検索装置が、同一の階層の両端にあるいずれかの情報が選択された状態で、前記検出処理により隣接する情報が存在しない方向への操作を検出すると、前記階層の上位階層が存在する場合は、選択中の情報を前記上位階層に属する他の情報に切り替える第3の切替処理と、
を有することを特徴とする情報検索方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、階層構造を有する情報を検索するための情報検索装置、情報検索プログラム及び情報検索方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大規模な情報の多くは、階層構造を有する情報として管理されている(例えば、非特許文献1参照)。住所情報のように巨大な情報は、県、市、町といった階層を設けて管理されることが多いし、コンピュータのファイルは、内容毎にフォルダに分類して階層を設けて管理されるのが通常である。このように、大量の情報は階層に分類して管理されることが多く、階層構造をたどりながら検索や閲覧を行なうことができる。
【0003】
コンピュータ上のファイルは大規模な階層構造を有する情報であり、階層構造を利用してファイルを検索するための様々なシステムが日常的に利用されている。例えば、都道府県ごとにフォルダが存在し、各フォルダの中には市町村フォルダが存在するような場合、市町村情報を検索するためには 最初に都道府県のフォルダを開いてからその中の市町村フォルダを開くというように、段階的に階層をたどって検索や閲覧を行なう手法が広く利用されている。
【0004】
例えば、図1に示した都道府県リストから「北海道」を選択して図2に示したようなリストを表示し、その中から「あ行」を選択して図3に示したようなリストを表示するといった操作を繰り返すことによって、「北海道足寄郡陸別町」の地名を検索することが可能である。図1図3では、下位階層の情報を上位階層の右側に表示しているが、図4に示したように、階層ごとに行頭位置をずらすことによって階層構造を有する情報を表現する手法も利用されている。
【0005】
前述のような手法で階層構造を有する情報をたどる場合、ウィンドウやメニュー等のグラフィカルインタフェースシステムを利用できるパーソナルコンピュータでは、マウスやタッチパネル等のポインティングデバイスやキーボードを利用して直接的に情報を選択することができるが、ポインティングデバイスやキーボードを利用できない環境では、キーの数が少ない小型のキーボード等のスイッチ、特殊センサなどを利用して階層構造を有する情報をたどる手法が広く利用されている。例えば、上下左右の四個の矢印キーを利用し、上下矢印キーで同一階層にある情報の選択を行ない、左右矢印キーで異なる階層間移動を指示することによって、前述のような検索や閲覧を行なうことができる。上下矢印キーのかわりに回転ダイヤルを利用することや、 各種のセンサを利用することも可能である。
【0006】
階層構造を有する情報を検索する際には、一つの情報の下位階層に多くの情報が関連付けられていると、その情報の下位階層にある全ての情報を同じ画面上に表示することができないため、同一階層にある情報をスクロールして表示することが求められる場合がある。こうしたスクロールのための操作の手間を軽減するために、分割された一の画面に表示された上位階層のある情報が選択されてから所定の時間が経過すると、分割された他の画面に表示されたその情報の下位階層に関連付けられた情報を自動スクロールして表示させる発明が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−310985号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「ツリー構造(階層構造)」の用語解説、weblio辞書・IT用語辞典バイナリ、[2014年4月12日検索]、インターネット<http://www.weblio.jp/content/階層構造>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述のような方法で階層構造を有する情報の検索や閲覧を行うためには、同一階層にある情報を選択するための操作には、整列された情報を双方向に移動するために少なくとも2つ、異なる階層間を移動するための操作には、上位及び下位の階層に移動するために少なくとも2つ、あわせて少なくとも4つのスイッチ又はセンサが必要になる。しかしながら、こうしたスイッチやセンサの数が多くなると操作性が低下してしまうことになり、特に、携帯電話機や電子機器のリモートコントローラのように操作する機器が小型である場合には、スイッチやセンサの数を減らしたいというニーズが強くなる。
【0010】
特許文献1に開示された発明によると、階層間を移動するための操作を行わなくても、下位階層にある情報が自動的に閲覧しやすい状態に自動的に切り替わるという効果が生じるものの、下位階層に移動するためには別途所定の操作が必要となるため(特許文献1の段落0011、0013等)、異なる階層間を移動するために必要なスイッチ又はセンサの数を減少させることはできないと考えられる。
【0011】
本発明は、このような課題に対応するためになされたものであり、従来の一般的な方式より少ない数のスイッチ又はセンサによって、階層構造に関連付けて管理されている情報を検索することが可能な、階層構造を有する情報を検索するための情報検索装置、情報検索プログラム及び情報検索方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような課題を解決する本発明は、階層構造を有する情報を検索するための情報検索装置であって、検索対象となる情報は階層構造に関連付けて管理され、相対する二の方向のいずれかを示す操作を行うスイッチ又はセンサから、一の方向への操作が行われたことを検出する検出手段と、一の情報が選択された状態で、前記検出手段が一の方向への操作を検出すると、前記一の情報と同一の階層に前記一の方向に隣接する他の情報がある場合は、選択中の情報を前記一の情報から前記他の情報に切り替える第1の切替手段と、一の情報が選択された状態で、前記検出手段が操作を検出しない状態が所定の時間継続すると、前記一の情報に下位階層に属する情報が関連付けられている場合は、選択中の情報を前記下位階層に属する他の情報に切り替える第2の切替手段と、を備えることを特徴とする情報検索装置である。
【0013】
このように構成される本発明によると、同一階層にある情報間の移動には相対する2つの方向を示す操作を行うことが可能なスイッチ又はセンサを用いる一方、スイッチ又はセンサの操作を必要とせずに所定の時間の経過をトリガとして下位階層への移動が実現されるため、従来の一般的な方式より少ない数のスイッチ又はセンサによって、階層構造に関連付けて管理されている情報を検索することが可能になる。
【0014】
尚、本発明における「スイッチ」の形状や構造は特に限定されるものではなく、それぞれ2つの方向に関連付けられた専用のスイッチの他、キーボード上にある所定の2つのキーを割り当てることによって、それぞれのキーが2つの方向を示す操作に用いるためのスイッチとして機能するものを用いることとしてもよい。「センサ」についても同様に、ユーザによる2つの操作を識別できるものであればよく、その形状や構造は特に限定されるものではない。
【0015】
また、本発明は、同一の階層の両端にあるいずれかの情報が選択された状態で、前記検出手段が隣接する情報が存在しない方向への操作を検出すると、前記階層の上位階層が存在する場合は、選択中の情報を前記上位階層に属する他の情報に切り替える第3の切替手段を備えることを特徴とすることもできる。前記第3の切替手段は、選択中の情報を切り替える前記上位階層に属する他の情報として、前記同一の階層にある情報が関連付けられた前記上位階層にある情報、又は前記同一の階層にある情報が関連付けられた前記上位階層にある情報に前記検出手段が操作を検出した方向に隣接する情報のいずれかを選択することを特徴としてもよい。
【0016】
このように構成すると、同一階層内の情報間の移動に用いられるスイッチ又はセンサの操作によって上位階層への移動も実現されるため、下位階層への移動のみでなく上位階層への移動のための操作も、従来の一般的な方式より少ない数のスイッチ又はセンサによって可能となる。さらに、階層の両端にある情報が選択中となっている状態から、同一階層に隣接する情報がない方向への操作によって上位階層に移動させるため、ユーザは上位階層への移動をあまり意識することなく、あたかも一列に整列された情報を移動するような感覚での検索も可能となる。
【0017】
また、本発明は、前記第2の切替手段は、選択中の情報を切り替える前記下位階層に属する他の情報として、前記下位階層の両端にあるいずれかの情報を選択することを特徴とすることもできる。
【0018】
このように、下位階層への移動時に階層の両端にある情報に移動させるように構成すると、ユーザは下位階層への移動をあまり意識することなく、あたかも一列に整列された情報を移動するような感覚での検索が可能になる。
【0019】
また、本発明は、選択中の情報を明示した状態で、前記選択中の情報が属する階層に含まれる情報を整列して表示装置に出力する出力手段を備えていて、前記出力手段は、前記第2の切替手段が選択中の情報を前記下位階層に属する他の情報に切り替えると、整列された前記下位階層に含まれる情報を、切替前に選択されていた一の情報と前記一の情報に隣接するいずれかの情報との間に挿入して、表示装置に出力することを特徴とすることもできる。
【0020】
このように構成すると、下位階層にある情報が上位階層にある2つの情報の間に挿入された形で表示されることになるので、ユーザは階層構造をあまり意識することなく、あたかも一列に整列された情報の中から必要な情報を選択する感覚での検索が可能になる。
【0021】
本発明は、本発明にかかる情報検索装置において動作する情報検索プログラムとして特定することもできる。
【0022】
本発明にかかる情報検索プログラムは、階層構造を有する情報を検索するための情報検索プログラムであって、検索対象となる情報を階層構造に関連付けて管理する情報検索装置に、相対する二の方向のいずれかを示す操作を行うスイッチ又はセンサから、一の方向への操作が行われたことを検出する検出処理と、一の情報が選択された状態で、前記検出処理により一の方向への操作を検出すると、前記一の情報と同一の階層に前記一の方向に隣接する他の情報がある場合は、選択中の情報を前記一の情報から前記他の情報に切り替える第1の切替処理と、一の情報が選択された状態で、前記検出処理による操作を検出しない状態が所定の時間継続すると、前記一の情報に下位階層に属する情報が関連付けられている場合は、選択中の情報を前記下位階層に属する他の情報に切り替える第2の切替処理と、を実行させることを特徴とする情報検索プログラムである。
【0023】
また、本発明にかかる情報検索プログラムは、本発明にかかる情報検索装置の各々の構成に対応する情報検索プログラムとして特定することもできる。
【0024】
本発明は、本発明にかかる情報検索装置によって実行される情報検索方法として特定することもできる。
【0025】
本発明にかかる情報検索方法は、階層構造を有する情報を検索するための情報検索方法であって、検索対象となる情報を階層構造に関連付けて管理する情報検索装置が、相対する二の方向のいずれかを示す操作を行うスイッチ又はセンサから、一の方向への操作が行われたことを検出する検出処理と、前記情報検索装置が、一の情報が選択された状態で、前記検出処理により一の方向への操作を検出すると、前記一の情報と同一の階層に前記一の方向に隣接する他の情報がある場合は、選択中の情報を前記一の情報から前記他の情報に切り替える第1の切替処理と、前記情報検索装置が、一の情報が選択された状態で、前記検出処理による操作を検出しない状態が所定の時間継続すると、前記一の情報に下位階層に属する情報が関連付けられている場合は、選択中の情報を前記下位階層に属する他の情報に切り替える第2の切替処理と、を有することを特徴とする情報検索方法である。
【0026】
また、本発明にかかる情報検索方法は、本発明にかかる情報検索装置の各々の構成に対応する情報検索方法として特定することもできる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、従来の一般的な方式より少ない数のスイッチ又はセンサによって、階層構造に関連付けて管理されている情報を効率的に検索することが可能になり、パーソナルコンピュータ等の電子機器の操作性が著しく向上することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】階層構造に関連付けて管理されている地名リストの一部が表示された第1の例を示す図である。
図2】階層構造に関連付けて管理されている地名リストの一部が表示された第2の例を示す図である。
図3】階層構造に関連付けて管理されている地名リストの一部が表示された第3の例を示す図である。
図4】階層構造に関連付けて管理されている地名リストの一部が表示された第4の例を示す図である。
図5】本発明にかかる情報検索装置を実施するためのシステム構成の一例を示す図である。
図6】本発明にかかる情報検索プログラムの処理フローを示すフローチャートである。
図7】階層構造に関連付けて管理されている情報の一例を示す図である。
図8図7に例示した階層構造を有する情報の一部が、表示装置に表示された第1の例を示す図である。
図9図7に例示した階層構造を有する情報の一部が、表示装置に表示された第2の例を示す図である。
図10図7に例示した階層構造を有する情報の一部が、表示装置に表示された第3の例を示す図である。
図11図7に例示した階層構造を有する情報の一部が、表示装置に表示された第4の例を示す図である。
図12図7に例示した階層構造を有する情報の一部が、表示装置に表示された第5の例を示す図である。
図13図7に例示した階層構造を有する情報の一部が、表示装置に表示された第6の例を示す図である。
図14図7に例示した階層構造を有する情報の一部が、表示装置に表示された第7の例を示す図である。
図15図7に例示した階層構造を有する情報の一部が、表示装置に表示された第8の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明を実施するための形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。尚、以下の説明は本発明の実施形態の一例を示したものであって、本発明はここに示した実施形態に限定されるものではない。
【0030】
図5は、本発明にかかる情報検索装置を実施するためのシステム構成の一例を示している。この例は、本発明をスタンドアローンで用いられるパーソナルコンピュータの検索機能に適用するようなケースに対応するものであるが、その他にも本発明は、ネットワークを介して接続されたサーバとネットワーク端末の組み合わせや、テレビ等の電子機器のリモートコントローラ、携帯電話機や携帯型音楽プレイヤ等に適用することも可能である。
【0031】
表示装置1には検索対象となる情報が表示されるが、パーソナルコンピュータのディスプレイ等を用いることができる。記憶装置2は階層型情報データベースとして用いられるものであり、検索対象となる情報が階層構造に関連付けて記憶されている。情報処理装置3は、Uキー5やDキー6等の入力装置から入力された命令を受け付けて、記憶装置2に記憶された情報を検索する等の演算処理を行い、演算結果を表示装置1に出力する機能を備えたコンピュータである。タイマ4は情報処理装置3における演算処理で所定の時間を計測するために用いられるが、物理的な構成は特に限定されず、例えば、情報処理装置3を構成するコンピュータの一部の機能として備えられることとすればよい。Uキー5とDキー6は、ユーザの操作によって情報処理装置3に所定の信号を送出するが、例えば、各々に専用のキーを設けてもよいし、コンピュータのキーボードの所定のキーを割り当てることとしてもよい。
【0032】
情報処理装置3において検索処理を実行する際には、情報処理装置3に備えられたメインメモリに本発明にかかる情報検索プログラムが読み込まれ、検索対象となる情報を記憶装置2から呼び出し、CPUで演算処理を行うことによって、図6のフローチャートに例示した処理フローに基づく処理を実行する。選択する情報の切替命令は、ユーザによるUキー5又はDキー6を押下する操作によって検出され、下位階層への移動のトリガとなる時間の経過はタイマ4によって計測される。情報処理装置3における演算結果は、表示装置1に出力される。
【0033】
こうしたシステム構成について、本発明をサーバとネットワーク端末の組み合わせに適用するケースであれば、階層型情報データベースとして用いられる記憶装置2、情報処理装置3における検索処理機能とタイマ4がサーバ側に設けられ、Uキー5やDキー6の操作によりネットワーク端末で検出された命令がサーバに送信され、サーバでの演算処理結果をネットワーク端末で受け付けて、表示装置1に出力する構成となる。
【0034】
また、テレビ等の電子機器のリモートコントローラに適用するケースであれば、記憶装置2、情報処理装置3、タイマ4をいずれもリモートコントローラに内蔵し、表示装置1、Uキー5、Dキー6をリモートコントローラの表面に設ける構成とすればよいが、表示装置1にはテレビ等のディスプレイを用いることとしてもよい。
【0035】
以上のシステム構成を前提にして、本発明にかかる情報検索プログラムの処理フローを、図6のフローチャートに従って、以下に説明する。尚、検索処理によって表示される情報の具体例として、図7に示した店リストに関する情報が、図8図15のように表示される例についても、適宜例示して説明することとする。
【0036】
情報処理装置3において本発明にかかる情報検索プログラムが起動されると、表示装置1にはデフォルト画面として、検索対象となる階層構造に関連付けられた情報のうち、最上位の階層にある情報が整列した状態で表示される(S1)。
【0037】
例えば、図7に示した店リストの情報が、記憶装置2に検索対象として階層構造に関連付けて記憶されている場合であれば、図8に示したような画面がデフォルト画面として表示装置1に出力される。尚、図8ではここに表示された情報のうち、「文房具屋」が着色されて選択された状態となっているが、デフォルト画面においてどの情報が選択中の情報として表示されるかは特に限定されるものではなく、例えば、整列された情報のうち最上部にある情報等のあらかじめ決められた位置にある情報を選択中として表示してもよいし、前回検索を終了した際に最後に選択されていた情報を選択中と表示することとしてもよい。
【0038】
次に、Uキー5又はDキー6を押下すること等による、選択中の情報を切り替えるための操作を受け付けるまで待機状態となり、操作が行われるとフローチャートのS6以降の処理を、操作が行われない、すなわち、操作を受け付けない状態が所定の時間継続すると、フローチャートのS3以降の処理を実行する(S2)。
【0039】
尚、S2における上記の所定の時間の継続の判断は、前回の操作時等からの時間の経過をタイマ4で計測することによって行われる。所定の時間の継続の開始時点をどの時点とするかは特に限定されるものではないが、例えば、ユーザの前回のキー操作時を開始時点として採用すればよい。
【0040】
Uキー5又はDキー6を押下する操作が検出されると、選択中の情報が同一階層の最端にある情報であり、かつ押下されたキーが示す方向に隣接する情報が存在していない場合に該当しなければ(S6)、押下されたキーが示す方向に隣接する情報に、選択中の情報を切り替える(S9)。
【0041】
例えば、図8のように「文房具屋」が選択された状態から、下の方向を示すDキー6が押下されたことを検出すると、図9のように「薬屋」が選択された状態に選択中の情報が切り替わり、さらに続けてDキー6が押下されたことを検出すると、図10のように「食料品店」が選択された状態に選択中の情報が切り替わる。
【0042】
逆に、図10のように「食料品店」が選択された状態から、上の方向を示すUキー5が押下されたことを検出すると、図9のように「薬屋」が選択された状態に選択中の情報が切り替わり、さらに続けてUキー5が押下されたことを検出すると、図8のように「文房具屋」が選択された状態に選択中の情報が切り替わる。
【0043】
尚、このように同一階層における選択中の情報の切り替えに用いられるキーを、ここでは上方向に隣接する情報に切り替えるUキー5と、下方向に隣接する情報に切り替えるDキー6として説明しているが、これらは相対する二の方向のいずれかの方向を示す操作が検出できるものであればよく、例えば相対する方向は上下の方向ではなく、左右の方向であってもよい。所定のキー等のスイッチの押下を検出することによって、いずれの方向を示す操作かを判断することとしてもよいし、回転ダイヤル等が押下された位置をセンサによって検出して、いずれの方向を示す操作かを判断することとしてもよい。
【0044】
同一階層の隣接する情報に選択中の情報を切り替える処理を実行した後は、本発明にかかる情報検索プログラムによる検索処理が終了するまでは(S5)、次の操作まで待機する状態(S2)に戻ることになる。
【0045】
一方、ある情報が選択中の状態で、Uキー5又はDキー6を押下する操作を検出しない状態が所定の時間継続すると、選択中の情報に下位階層の情報が関連付けられている場合には(S3)、一つ下位の階層に関連付けられている情報に選択中の情報を切り替える(S4)。ここで下位階層に関連付けられたどの情報を選択中とするかは特に限定されるものではないが、キー操作が行われた方向とは逆方向の最端にある情報、例えば、下方向を示すDキー6が押下された場合には、下位階層の情報が整列された状態で最も上の位置にある情報を選択することとすれば、選択中の情報が下位階層に切り替わっても、ユーザにはあたかも一列に整列された情報を移動するような感覚を与えながら切り替えが行われるので、好適な形態となる。
【0046】
例えば、図10のように「食料品店」が選択された状態で、Uキー5又はDキー6を押下する操作を検出しない状態が所定の時間継続すると、図7に示したように「食料品店」の下位階層には他の情報が関連付けられているので、それらの情報が図11のように表示され、その一つである「酒屋」が選択された状態に選択中の情報が切り替わる。この図に示したように、下位階層に関連付けられた情報を、選択されていた「食料品店」とDキー6の示す方向に隣接する「衣料品店」の間に挿入し、そのうちDキー6の示す方向とは逆方向の最端、すなわち最上部にある「酒屋」が自動的に選択されることとすれば、ユーザはあたかも一列に整列された情報を移動するような感覚での検索が可能になり好適である。
【0047】
尚、ある情報が選択中の状態において、Uキー5又はDキー6を押下する操作を検出しない状態が所定の時間継続したとしても、選択中の情報に下位階層の情報が関連付けられていない場合には(S3)、選択中の情報は切り替えられることなく、本発明にかかる情報検索プログラムによる検索処理が終了するまでは(S5)、次の操作まで待機する状態(S2)に戻ることになる。
【0048】
例えば、図9のように「薬屋」が選択された状態で、Uキー5又はDキー6を押下する操作を検出しない状態が所定の時間継続したとしても、図7に示したように「薬屋」の下位階層には何ら他の情報が関連付けられていないので、「薬屋」が選択された状態がそのまま継続する。
【0049】
Uキー5又はDキー6を押下する操作が検出され、選択中の情報が同一階層の最端にある情報であり、押下されたキーが示す方向に隣接する情報が存在しない場合には(S6)、選択中の情報に上位階層の情報が関連付けられているならば(S7)、一つ上位の階層にあるいずれかの情報に選択中の情報を切り替える(S8)。ここで上位階層にあるどの情報を選択中とするかは特に限定されるものではないが、同一階層にある情報が関連付けられた一つ上位の階層にある情報か、同一階層にある情報が関連付けられた一つ上位の階層にある情報に対して、押下されたキーが示す方向に隣接する情報のいずれかを選択することが好ましい。
【0050】
例えば、図11のように同一階層の最上部にある「酒屋」が選択中の状態から、Uキー5を押下する操作が検出されると、「酒屋」の一つ上位の階層に関連付けられた「食料品店」に選択中の情報を切り替えることとすれば、ユーザにはあたかも一列に整列された情報を移動するような感覚を与えながら切り替えが行われる。
【0051】
あるいは、図11では「食料品店」の下位階層に関連付けられた「酒屋」等の情報を、「食料品店」と「衣料品店」の間に挿入することとしているが、「食料品店」への選択の切り替えが上方向に隣接する「薬屋」からではなく、下方向に隣接する「衣料品店」からUキー5の押下する操作を検出することによって行われた場合であれば、「酒屋」等の情報を「食料品店」とその上方向に隣接する「薬屋」との間に挿入することとしてもよく、その前提で「酒屋」が選択中の状態からUキー5を押下する操作が検出された場合には、「酒屋」の一つ上位の階層に関連付けられた「食料品店」ではなく、その上方向に隣接する「薬屋」に選択中の情報を切り替えるほうが、ユーザにあたかも一列に整列された情報を移動するような感覚を与えるためには好ましいことになる。
【0052】
また、図11のように「酒屋」が選択中の状態からDキー6を押下する操作が連続して2度検出されると、選択中の情報は「乾物屋」、「生鮮食料品店」の順に切り替わり、図12に示した状態になる。この状態からさらにDキー6を押下する操作が検出されると、「生鮮食料品店」の一つ上位の階層に関連付けられた「食料品店」ではなく、その下方向に隣接する「衣料品店」に選択中の情報を切り替えるほうが、ユーザにあたかも一列に整列された情報を移動するような感覚を与えるためには好ましい。
【0053】
このようにして「衣料品店」に選択中の情報が切り替わった場合には、「生鮮食料品店」が属する階層の情報を引き続き表示しておくこととしてもよいが、必要充分な情報が表示されている状態を保つためには、図13に示したように、下位階層が表示されない画面に切り替えて、表示装置1に出力することが好ましい。
【0054】
尚、Uキー5又はDキー6を押下する操作が検出され、選択中の情報が同一階層の最端にある情報であり、押下されたキーが示す方向に隣接する情報が存在しないとしても(S6)、選択中の情報に上位階層の情報が関連付けられていない場合(S7)、例えば、図13のように「衣料品店」が選択中の状態でDキー6を押下する操作が検出されたとしても、図7に示したように「衣料品店」から上位階層に移動することはできないので(但し、タイトルでもある「店リスト」に表示を切り替えることとしてもよい)、選択中の情報は切り替えられることなく、本発明にかかる情報検索プログラムによる検索処理が終了するまでは(S5)、次の操作まで待機する状態(S2)に戻ることになる。
【0055】
また、図13のように「衣料品店」が選択中の状態において、Uキー5又はDキー6を押下する操作を検出しない状態が所定の時間継続した場合には、図7に示したように「衣料品店」には下位階層に他の情報が関連付けられているので、図14に示したようにそれらの情報が表示され、そのうち最上部にある「靴屋」が選択された状態となる(図6のS2〜S4)。
【0056】
さらに、図12のように「生鮮食料品店」が選択中の状態において、Uキー5又はDキー6を押下する操作を検出しない状態が所定の時間継続した場合には、図7に示したように「生鮮食料品店」にはさらに下位の階層に他の情報が関連付けられているので、図15に示したようにそれらの情報があわせて表示され、そのうち最上部にある「魚屋」が選択された状態となる(図6のS2〜S4)。このようにさらに下位の階層を表示する場合にも、新たに表示する下位階層の情報を前の段階で表示されていた情報の間に挿入して表示させることが、ユーザにあたかも一列に整列された情報を移動するような感覚を与えるためには好ましい。
【0057】
尚、本発明において、選択された情報をどのように用いるかは特に限定されるものではなく、例えば、ファイルシステムにおけるフォルダやファイルの特定に用いることとしてもよいし、表示装置1に別ウィンドウを開いて選択された情報に関する詳細情報や映像等を出力することとしてもよい。本発明をテレビやビデオのリモートコントローラに適用するケースであれば、リモートコントローラの画面に図8図15に示したような階層構造と選択中の情報として番組名を出力し、テレビ画面には選択中の番組を再生することとしてもよい。携帯型音楽プレイヤに適用するケースであれば、本体のディスプレイには図8図15に示したような階層構造と選択中の情報としてアルバム名や楽曲名を出力し、選択された楽曲に対応する音楽を再生してスピーカやイヤホンに出力することとすればよい。
【符号の説明】
【0058】
1 表示装置
2 記憶装置
3 情報処理装置
4 タイマ
5 Uキー
6 Dキー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15