特許第5873230号(P5873230)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ギブン イメージング リミテッドの特許一覧

特許5873230生体内撮像デバイスおよび生体内撮像デバイスの作動方法
<>
  • 特許5873230-生体内撮像デバイスおよび生体内撮像デバイスの作動方法 図000002
  • 特許5873230-生体内撮像デバイスおよび生体内撮像デバイスの作動方法 図000003
  • 特許5873230-生体内撮像デバイスおよび生体内撮像デバイスの作動方法 図000004
  • 特許5873230-生体内撮像デバイスおよび生体内撮像デバイスの作動方法 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5873230
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】生体内撮像デバイスおよび生体内撮像デバイスの作動方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20160216BHJP
   A61B 5/07 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   A61B1/00 320Z
   A61B1/00 320B
   A61B5/07
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2009-119052(P2009-119052)
(22)【出願日】2009年5月15日
(65)【公開番号】特開2009-273893(P2009-273893A)
(43)【公開日】2009年11月26日
【審査請求日】2012年3月30日
【審判番号】不服2014-9955(P2014-9955/J1)
【審判請求日】2014年5月28日
(31)【優先権主張番号】12/121,432
(32)【優先日】2008年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506203914
【氏名又は名称】ギブン イメージング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GIVEN IMAGING LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポール クリストファー スウェイン
(72)【発明者】
【氏名】フランク フォルケ
(72)【発明者】
【氏名】エリシャ ラビノビッツ
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー ピンカス ガーバー
(72)【発明者】
【氏名】ボアズ アイゼンシュタルク
(72)【発明者】
【氏名】ベルトラム マンツ
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ベネッケ
【合議体】
【審判長】 郡山 順
【審判官】 信田 昌男
【審判官】 ▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−58430(JP,A)
【文献】 特開2003−299612(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
G02B 23/24-23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体内撮像デバイスの作動方法であって、
磁性部品を有する生体内撮像デバイスを準備することであって、前記生体内撮像デバイス内又は前記生体内撮像デバイス上の前記磁性部品の位置が、前記生体内撮像デバイス内に非対称な質量中心を生成するために前記生体内撮像デバイスの質量中心と一致しない、前記生体内撮像デバイスを準備すること、
前記生体内撮像デバイスが患者の体内にある場合に、位置制御ユニットにより磁場発生器を制御して前記患者の外側に前記磁性部品のための回転磁場を生成して前記生体内撮像デバイスを前記質量中心を中心として回転させて、宙返り運動によって前記患者の体内の所望の方向において前記生体内撮像デバイスを進行させることを備える、作動方法。
【請求項2】
前記位置制御ユニットにより前記回転磁場のパラメータを制御することを備える、請求項1に記載の作動方法。
【請求項3】
前記位置制御ユニットにより前記生体内撮像デバイスからの入力に基づいて前記回転磁場のパラメータを制御することを備える、請求項2に記載の作動方法。
【請求項4】
生体内撮像デバイスであって、
磁性部品を有する撮像デバイスであって、前記撮像デバイス内又は前記撮像デバイス上の前記磁性部品の位置が、前記撮像デバイス内に非対称な質量中心を生成するために前記撮像デバイスの質量中心と不一致であり、前記撮像デバイスは、患者の体内に挿入される、前記撮像デバイスと、
前記患者の外側に前記磁性部品のための回転磁場を生成する磁場発生器とを備え、
前記磁場発生器には、
前記磁場発生器を制御して前記生体内撮像デバイスを前記質量中心を中心として回転させて、宙返り移動によって前記患者の体内のほぼ所望の方向において前記撮像デバイスを進行させる制御手段が設けられている、生体内撮像デバイス。
【請求項5】
前記制御手段は、
コンピュータと結合された位置制御ユニットを含む、請求項4に記載の生体内撮像デバイス。
【請求項6】
前記位置制御ユニットは、前記回転磁場のパラメータを制御するように動作可能である、請求項5に記載の生体内撮像デバイス。
【請求項7】
前記コンピュータは、前記撮像デバイスから入力信号を受信するように構成され、
前記位置制御ユニットは、前記撮像デバイスからの入力信号に基づいて前記回転磁場のパラメータを制御するように動作可能である、請求項6に記載の生体内撮像デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体内腔の撮像等のための、生体内デバイス及び方法に関する。より具体的には、本発明は、生体内撮像デバイスを磁気的に位置決めして操作するための生体内システムにおける方法及び装置に関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2001年9月5日付け出願の米国特許仮出願第60/316950号明細書の優先権を主張する2002年9月5日付け出願の米国特許出願第10/234141号明細書の一部継続出願であって2007年10月22日に出願され、取り下げ済みの米国特許出願第11/976105号明細書の一部継続出願であり、これらはいずれも参照により全内容を本願明細書に援用するものとする。
【背景技術】
【0002】
撮像及びpH検出等、生体内検出に有用なデバイスには周知のものもある。飲み込み可能な又は経口摂取可能なカプセル又は他のデバイス等の、自立した生体内検出デバイスには、体内腔を通過し、移動に沿って検出を行うものがある。このようなデバイスは、通常、撮像デバイス等の自立型の生体内検出デバイスであって、例えば、胃腸(GI)管等の人体の空洞又は内腔から、生体撮像デバイスが胃腸内腔を通過する間に画像を獲得するための撮像装置を含んでもよい。この撮像装置には、例えば、光学システム及び適宜トランシーバ及びアンテナが付属してもよい。これらのデバイスのいくつかは、画像データの送信に無線接続を用いる。体内の通路又は空洞を生体内で検出し、情報(例えば、画像情報、pH情報、温度情報、電気的インピーダンス情報、圧力情報、等)の検出及び収集を行うための、他のデバイス、システム及び方法は、当技術分野において知られている。
【0003】
このようなデバイスは、例えば、胃腸(GI)管等の体内腔を、例えば、自然なぜん動に従って押される等、受動的又は能動的に進んでもよい。しかしながら、いくつかの場合においては、例えば、医師が特定の体内の領域を見たいと思う場合、又は内部臓器が撮像デバイスの対象に完全に入ったことを確認したい場合等、デバイス位置を制御することが有用であることがある。
【0004】
生体内デバイスを磁気的に制御する移動は、例えば、米国特許第4278077号明細書に記載されており、患者の体外に磁場を生成する電流源が記載されている。この磁場は、患者により飲み込まれた小型カメラ内の永久磁石に作用し、これにより胃の中でカメラデバイスを移動させる。
【0005】
Jinによる米国特許第6776165号明細書は、動物体内における遠隔制御撮像、生検及びプログラム可能な薬剤放出のための操縦システム及び操縦可能カプセルを記載している。このシステムの構成要素は、体内における移動のための寸法及び形状を有するカプセルを含む。印加磁場に対応して本体を移動又は方向転換するために、異方的な磁性部品が機械的にカプセルに結合され、体外の磁場発生システムは、カプセルを移動又は方向転換させるために、体内に三次元的に配向した磁場を生成する。Riesによる米国特許第7182089号明細書は、一方向により大きく延びた磁性エレメントを有する、磁気的に操縦可能なデバイスを開示している。この磁性エレメントは、磁性エレメントが延びる方向を向くデバイス中心軸に対して非対称に配置される。この磁性エレメントは、重力及び外部磁場傾斜により生成される補償磁力と相互作用し、後者は、デバイス軸を中心として、重力に対抗する位置へと磁性エレメントを回転させる。
【0006】
従来技術の方法は、通常、特定の固定された視点を生体内撮像に可能としているが、このデバイスが内腔を進行する間に視角を広げること及び/又は変更することは、容易にはできなかった。加えて、生体内においてデバイスを移動する従来技術の方法においては、通常、このデバイスは内腔において引っ張られ、又は引きずられ、患者の不快感又は組織内壁の損傷を生じることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態は、従来技術の欠点に煩わされることのない、撮像デバイスの動きを生体内において制御するための、デバイス及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態によれば、本方法は、長軸及び磁性部品を有する撮像デバイスを設けることであって、前記デバイスは患者の体内に入れられること、前記患者の外側に回転磁場を設けること、前記患者に沿って所望の方向に前記回転磁場を進行することを含む。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、回転磁場のパラメータは、自動的又は手動のいずれかにより制御することができる。いくつかの実施形態によれば、回転磁場の制御パラメータは、撮像デバイスからの入力(画像データ又は本デバイスにより収集されうる他のデータ等)に基づく。
【0010】
一実施形態によれば、本方法により、デバイスを患者の食道内の一つの点で停止させ、当該点によりデバイスには患者のZ線の視界が可能になること、デバイスをその長軸回りに回転させることが可能になる。
【0011】
本発明のいくつかの態様は、飲み込み可能な撮像カプセルの製造方法を提供する。一実施形態によれば、本方法は、カプセル形状の筐体内に撮像装置及び照明素子を封入することにより撮像カプセルを製造すること、撮像カプセルの質量中心を計算すること、撮像カプセル内に又はこの上に、磁性部品を、磁性部品の配置が質量中心と一致しないように配置することを含む。
【0012】
別の実施形態によれば、本方法は、デバイス筐体内に封入することであって、筐体はビュー端部、ビューウィンドウ、磁性部品、撮像及び照明素子を有し、これにより撮像デバイスを製造すること、ビュー端部と反対のデバイスの端部に撮像デバイスの質量中心を生成することを含む。
【0013】
本発明に係るシステム、装置、及び方法の原理及び動作は、図面及び以下の記載を参照することによりさらに理解されてもよく、これらの図面は説明目的のみのためであって、限定する意図はないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る、生体内システムの概略図である。
図2】本発明の実施形態に係る、GI管に沿った生体内デバイスの転回の概略図である。
図3図3Aは、本発明の実施形態に係る、生体内撮像デバイスの概略側面図である。図3Bは、本発明の実施形態に係る、生体内撮像デバイスの概略側面図である。図3Cは、本発明の実施形態に係る、生体内撮像デバイスの概略側面図である。
図4】本発明の実施形態に係る、生体内撮像デバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細な記載においては、本発明の完全な理解をもたらす目的のために、数多くの特定の詳細を説明する。しかしながら、当業者であれば、本発明はこれらの特定の詳細がなくとも実施してよいことを理解している。他の例において、周知の方法、手順、及び構成要素は、本発明を曖昧としないために、詳細には記載しない。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態は、例えば体外から、例えば胃腸(GI)管等の体内腔に入れてもよい、生体内デバイスを対象とする。いくつかの実施形態は、通常、一回使用の、又は特定の単一使用の、検知及び/又は分析デバイスを対象とする。いくつかの実施形態は、例えば、血管、生殖管等の、他の体内腔を通過してもよい生体内検出デバイスを対象とする。生体内デバイスは、例えば、検出デバイス、撮像デバイス、診断デバイス、検知デバイス、分析デバイス、治療デバイス、又はこれらの組み合わせでもよい。いくつかの実施形態において、生体内デバイスは、画像センサ又は撮像装置、及び/又は他の適切な構成要素を含んでもよい。本発明のいくつかの実施形態は、必ずしも生体内撮像ではない、他の撮像デバイスを対象としてもよい。
【0017】
例えば、飲み込み可能な撮像カプセル等の、生体内デバイスの制御及び位置決めは、ある場合において有用であることがある。例えば、患者がのどの痛みを訴えているときに、医療プロフェッショナルは、患者の食道をより詳細に調べ、撮像デバイスにより様々な方向から十分に見ることを確認するため、食道を覆う扁平上皮(squamous lined epithelium of the esophagus)と胃の円柱上皮との間の境界周辺(Z線)により多くの時間をかけたいと思うことがある。この場合には、例えば、Z線のすぐ手前等の食道内のある点にそのデバイスを停止し、生体内領域の完全な視界を取り込むために、長軸回りの円周方向にひねり、又は回転することが有用である場合がある。好適な実施形態において、このZ線の画像は、異なる方向から取り込まれる。医療プロフェッショナルは通常、撮像デバイスよりもずっと大きな臓器である患者の胃を検査したいと望むことがある。カプセルが外部制御なしで独立して移動していると、これは胃の辺りで任意に動き回ることがある。好適には、胃の全組織が検査され、関心領域の全体をカバーする画像がデバイスにより取り込まれることを、医師が確認したいと思うであろう。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態に係るデバイス、システム及び方法は、例えば、生体内検出デバイス、受信システム及び/又は表示システムを含み、Iddanらによる米国特許第5604531号明細書、発明の名称「生体内ビデオカメラシステム」、及び/又はIddanらによる米国特許第7009634号明細書、発明の名称「生体内撮像のためのデバイス」と同様でもよく、これらの全体は参照により本願明細書に援用するものとする。本発明のいくつかの実施形態に係るデバイス、システム及び方法は、PCT特許出願第WO/2006/059331号明細書、発明の名称「自動化生体内デバイスにおける双方向通信」に記載の実施形態と同様でもよく、これは、例えば外部受信機に無線信号を送信することと、例えば外部送信機から無線信号を受信することとの両者を行う、生体内トランシーバを含む、自立型の生体内検出デバイスを記載している。本出願は、生体内トランシーバにより受信される無線信号は、生体内デバイスの一以上の機能を起動、停止又は変更することのあるコマンド又は制御信号でもよく、又はこれらを含んでもよいことを、さらに開示する。生体内トランシーバにより送信される無線信号は、例えば、生体内検出デバイスにより収集される画像データ等の検出データでもよく、又はこれを含んでもよい。
【0019】
本願明細書に記載のデバイス及びシステムは、他の構成及び/又は構成要素の組を有してもよい。例えば、外部受信機/レコーダユニット、例えばワークステーション内のプロセッサ及びモニタ、上記文献に記載のもの等は、本発明のいくつかの実施形態と共に用いることが適切である場合がある。本発明は、内視鏡、注射針、ステント、カテーテル等を用いて実施してもよい。いくつかの生体内デバイスは、カプセル形状でもよく、又は、例えば、ピーナツ形状又はチューブ状、球形、円錐形、又は他の適切な形状等の、他の形状を有していてもよい。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態は、例えば、通常、飲み込み可能な生体内デバイスを含んでもよい。生体内デバイスは飲み込み可能である必要はなく、他の形状又は構成を有していてもよい。いくつかの実施形態は、例えば、胃腸(GI)管、血管、尿管、生殖管、等の様々な体内腔において用いてもよい。
【0021】
本発明の生体内デバイスの実施形態は、通常、外部磁力により制御することができる。生体内デバイスは、カプセル又は他のユニットでもよく、又はこれらを備えてもよく、全ての構成要素はコンテナ、筐体又はシェル内に実質的に含まれ、生体内デバイスは、例えば、電源/コマンドの受信又は情報の送信のために、何らの有線又はケーブルを必要とはしない。生体内デバイスは、データ表示、制御、又は他の機能を提供する、外部の受信及び表示システムと、通信してもよい。例えば、内部バッテリー又は内部電源により、又は有線又は無線の受電システムを用いて、電源を提供してもよい。他の実施形態は、他の構成及び機能を有してもよい。例えば、複数の場所又はユニットにわたって、構成要素が配分されてもよい。通常、外部ソースから制御情報又は他の情報を受信してもよい。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態に係るデバイス、システム及び方法は、例えば、人体内に入れてもよいか、又は人が飲み込んでもよいデバイスと組み合わせて用いてもよい。しかしながら、本発明の実施形態は、この点に限定するものではなく、例えば、人間以外の体内又は動物の体内に入れてもよい、又は飲み込んでもよいデバイスと、組み合わせて用いてもよい。本発明の他の実施形態は、生体内撮像デバイスと共に用いる必要はなく、デジタルカメラ又は仮想的な撮像デバイス等の、他の種類の撮像デバイスにより得られた画像を強調するために用いてもよい。
【0023】
図1は、本発明のいくつかの実施形態に係る、生体内システムの概略図である。本システムの一以上の構成要素は、本願明細書に記載のデバイス及び/又は構成要素、又は本発明の実施形態に係る他の生体内デバイスと組み合わせて用いてもよく、関連させて動作させてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、本システムは、例えば撮像装置146等のセンサを有するデバイス1440、一以上の照明光源142、光学システム150、外部磁石151、電源145、及びトランシーバ141を備える。いくつかの実施形態において、飲み込み可能なカプセルを用いて、デバイス140を実装してもよいが、他の種類のデバイス又は適切な実装を用いてもよい。患者の体外には、例えば、外部受信ユニット112、磁場発生器123及び外部カプセル位置制御ユニット122があってもよい。例えば、一以上のメモリ、データベース等でもよく、又はこれらを含んでもよい記憶装置119、又は他の格納システム、プロセッサ114、及びモニタ118。いくつかの実施形態において、例えば、プロセッサ114、記憶装置119及び/又はモニタ118を、例えばコンピュータ又は計算機器プラットフォーム等の、ワークステーション117として実装してもよい。
【0025】
トランシーバ141は、高周波を用いて動作してもよいが、デバイス140が内視鏡であるか又はこれに含まれる等の、いくつかの実施形態において、トランシーバ141は、例えばワイヤ、光ファイバ及び/又は他の適切な方法により、データを送信/受信してもよい。他の公知の無線による送信方法を用いてもよい。トランシーバ141は、例えば、送信モジュール又はサブユニット及び受信モジュール及びサブユニット、又は統合化したトランシーバ又は送信機−受信機を備えてもよい。一実施形態において、トランシーバ141は、センサ146からの画像信号を受信するための少なくとも一つの変調器、高周波(RF)増幅器、インピーダンス整合器、及びアンテナ148を備える。変調器は、5MHz未満のカットオフ周波数fを有する入力画像信号を、通常、1GHzの範囲である、キャリア周波数fを有するRF信号に変換する。一実施形態において、この信号はアナログ信号である一方、変調信号はアナログよりもむしろデジタルであってもよい。キャリア周波数は、例えば400MHz帯域等の、他の帯域でもよい。変調されたRF信号は、帯域幅fを有する。インピーダンス整合器は、回路のインピーダンスをアンテナのものと整合させる。他のトランシーバ又はトランシーバ部品の構成を用いてもよい。例えば、代替実施形態は、整合したアンテナを備えなくてもよく、整合回路のないトランシーバを備えてもよい。代替実施形態において、デバイス140は、異なる構成を有してもよく。他の構成要素の組を備えてもよい。他の周波数を用いてもよい。またさらなる実施形態において、pHメータ、温度センサ、圧力センサ等の、画像センサ以外のセンサを用いてもよく、画像信号以外の入力RF信号を用いてもよい。
【0026】
トランシーバ141は、例えば、距離測定、画像信号及びビーコン信号を含む、異なる種類の信号を送信してもよい。他の種類の信号を、トランシーバ141により送信してもよい。信号の種類は、信号のバースト長、信号の送信周波数、信号の送信速度、信号送信に用いる電源、送信された信号の内容等の、様々なパラメータにおいて変化してもよい。デバイス140から送信された情報は、画像、pH、温度、場所及び圧力等の、デバイス内センサにより検出された情報を含んでもよい。デバイス140から送信された信号は、距離測定情報、カプセルIDに関するもの、計時カウンタ、画像種類データ、及び、撮像装置の現在の画像取り込みモード、又はデバイス電源の残りの電力の概算等の、デバイス内構成要素のステータスを含んでもよい。信号は別個に送信されてもよく、例えば、距離情報型及び画像型の信号の両者を含むフレーム等の、より大きなフレームの一部として送信されてもよい。ビーコン信号は、画像データ又は他の種類の信号を含んでもよいフレーム内ではなく、通常、分離して送信してもよい。
【0027】
デバイス140は、通常、自立型の飲み込み可能なカプセルであるか、又はこれを含んでもよいが、デバイス140は他の形状でもよく、飲み込み可能でも自立型でもなくてもよい。デバイス140の実施形態は、通常、自立型であり、通常、内蔵型である。例えば、デバイス140は、全ての構成要素がコンテナ又はシェル内に含まれる、カプセル又は他のユニットであってもよく、このようなデバイス140は、例えば、電力の受信又は情報の受信のために、全くワイヤ又はケーブルを必要としない。いくつかの実施形態において、デバイス140は自立型であって遠隔操作可能ではなく、別の実施形態においては、デバイス140は部分的又は全体的に遠隔操作可能である。
【0028】
いくつかの実施形態において、デバイス140は、例えば撮像装置146等の生体内ビデオカメラを備えてもよく、これは、例えばデバイス140がGI管を通過する間に、GI管の画像を取り込み、送信してもよい。デバイス140により、他の内腔及び/又は体内空間を撮像し、及び/又は検出してもよい。いくつかの実施形態において、撮像装置146としては、例えば、電荷結合デバイス(CCD)カメラ又は撮像装置、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)カメラ又は撮像装置、デジタルカメラ、スチルカメラ、ビデオカメラ、又は他の適切な撮像装置、カメラ、又は画像獲得部品が挙げられる。
【0029】
いくつかの実施形態において、デバイス140内の撮像装置146は、トランシーバ141に接続して動作してもよい。トランシーバ141は、例えば、外部トランシーバ又は受信機/レコーダ112に(例えば、一以上のアンテナを介して)画像を送信してもよく、プロセッサ114及び/又は記憶装置119にデータを送信してもよい。トランシーバ141は、また、制御機能を備えてもよいが、制御機能は、例えばプロセッサ147等の別個の構成要素に含めてもよい。トランシーバ141は、画像データ、他の検出データ、及び/又は他のデータ(例えば、制御データ、ビーコン信号等)を、受信デバイスに送信するために、任意の適切な送信機を備えてもよい。トランシーバ141は、また、例えば外部トランシーバからの信号/コマンドを受信することができてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、トランシーバ141は、場合によりチップスケールパッケージ(CSP)で提供される、超低電力高周波(RF)広帯域送信機を備えてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、トランシーバ141は、アンテナ148を介して送信/受信を行ってもよい。例えば、コントローラ又はプロセッサ147等の、デバイス140内のトランシーバ141及び/又は別のユニットは、デバイス140の動作モード又はセッティングを制御するために、及び/又はデバイス140を用いる制御動作又は処理動作を実施するために、例えば、一以上の制御モジュール、処理モジュール、デバイス140を制御するための回路及び/又は機能を備えてもよい。いくつかの実施形態によれば、トランシーバ141は、例えばアンテナ148を介して、又は異なるアンテナ又は受信エレメントを介して、信号を受信する(例えば、患者の体外から)受信機を備えてもよい。いくつかの実施形態によれば、デバイス140内の別個の受信部品により、信号又はデータを受信してもよい
電源145は、一以上のバッテリー又はパワーセルを備えてもよい。例えば、電源145は、酸化銀電池、リチウム電池、高エネルギー密度を有する他の適切な電気化学セル等を備えてもよい。他の適切な電源を用いてもよい。例えば、電源145は、生体内デバイス140へ電力又はエネルギーを送るために用いられる外部電源(例えば、電磁場生成器)から、電力又はエネルギーを、を受信してもよい。
【0031】
適宜、いくつかの実施形態において、トランシーバ141は、例えば、撮像装置146により生成された信号及び/又はデータを処理するために、処理ユニット、プロセッサ又はコントローラを備えてもよい。別の実施形態において、処理ユニットは、例えば、コントローラ又はプロセッサ147等の、デバイス140内の別個の構成要素を用いて実装してもよく、撮像装置146、トランシーバ141、又は別の構成要素の統合的な部分として実装してもよく、あるいは必要としなくてもよい。処理ユニットは、例えば、中央演算ユニット(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、コントローラ、チップ、マイクロチップ、コントローラ、電気回路、集積回路(IC)、特定アプリケーション向け集積回路(ASIC)、又は任意の他の適切な多用途又は特定プロセッサ、コントローラ、電気回路又は回路を含んでもよい。いくつかの実施形態において、例えば、処理ユニット又はコントローラは、トランシーバ141に内蔵又は統合されてもよく、例えば、ASICを用いて実装されてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、撮像装置146は、連続的に、実質的に連続的に、又は分離しない様式で、例えば、必ずしも要求に応じてではなく、必ずしもきっかけとなるイベント又は外部起動又は外部励起に応じてではなく、周期的な様式、断続的な様式、又は多様の非連続的な様式で、生体内画像を獲得してもよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、デバイス140は、例えば、一以上の発光ダイオード(LED)、「白色LED」、又は他の適切な光源等の、一以上の照明光源146を備えてもよい。照明光源142は、例えば、撮像される及び/又は検出される体内腔又は空洞を、照明してもよい。光学システム150は、例えば、一以上のレンズ又は複合レンズアセンブリ、一以上の適切な光学フィルタ、又は任意の他の適切な光学素子等の、一以上の光学素子を備えて、適宜、デバイス140に含まれ、撮像装置146上への反射光の合焦、照明光の合焦、及び/又は他の光学処理動作の実施にける助けとなってもよい。
【0034】
好適な実施形態において、デバイス140は、磁性エレメント151を備えてもよい。この磁性エレメントは、円柱形状、楕円、又は球形でもよい。例えば、立方体磁石等の、他の形状を用いてもよい。好適には、この磁性エレメントを、カプセル内壁又はシェル内面の隣接又は近傍の、カプセルのシェル内に配置してもよい。このような配置により、デバイスが外力により操作されるときに、組織の損傷を防いでもよく、カプセルの制御がより正確になることから、操作処理それ自体のために有利である場合もある。
【0035】
磁場生成器125は、例えば、生体内デバイスの中に位置する磁石151へのモーメント力の発生等の磁力を提供してもよく、これにより、後述のような宙返りの様式で、生体内デバイスが操作されるようにしてもよい。ユーザがデバイスを操作したいと思う方向に従って、磁場生成器125の強度及び方向を制御するために、位置制御ユニット122を用いてもよい。磁場生成器125は、生体内デバイスが生体内にある間にこれを制御することを目的として、例えば、患者の身体に隣接する医療専門家が移動することが可能な、手持ちユニット等の携帯ユニットに含まれてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、位置制御ユニット122は、例えば、画像分析又はデバイス140内に含まれる画像センサ以外のセンサからの入力の分析に基づくフィードバック等の、デバイス140からフィードバックを得ることにより動作してもよい。画像分析(又は、例えば、圧力データ分析又は温度データ分析)に基づいて、位置制御ユニット122又は位置制御ユニット122と通信することのある任意の他の適切なプロセッサは、デバイス140の動きを停止又はスピン又は他のやり方で自動的に制御する外部磁界に変化を発生してもよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、デバイス140の構成要素を、例えば、カプセル形状、楕円、又は他の適切な形状を有する、筐体又はシェルに内蔵してもよい。この筐体又はシェルは、ほぼ透明でもよく、及び/又はほぼ透明な一以上の部分、ウィンドー又はドームを備えてもよい。例えば、デバイス140内の一以上の照明光源142は、透明部、ウィンドー又はドームを通じて体内腔を照明してもよく、例えば、同じ透明部又は部分、ウィンドー又はドーム、あるいは適宜、別の透明部分、ウィンドー又はドームを通じて、体内腔から反射された光がデバイスに入ってもよく、光学系150及び/又は撮像装置146により受光されてもよい。いくつかの実施形態において、例えば、光学系150及び/又は撮像装置146は、照明光源142が体内腔を照明するのと同じウィンドー又はドームを通じて、体内腔から反射された光を受光してもよい。
【0038】
一実施形態によれば、デバイス140は患者のGI管を横断する一方、デバイス140は画像及び場合によっては他のデータを、データの受信及び処理を行う、患者の体外に置かれた構成要素に送信する。通常、受信ユニット112は、一以上の場所において、患者の体外に置かれる。受信ユニット112は、通常、デバイス140から/への信号を受信及び/又は送信するために、例えば、一以上のアンテナ、又はアンテナアレー(図示せず)を備えるか、又は関連させて動作する。受信ユニット112は、通常、画像受信機記憶装置を備える。一実施形態によれば、画像受信機112及び画像受信機記憶装置は、小型かつポータブルであり、少なくとも画像取り込み手順の中止が決定されるまでの、画像の記録中に、通常、患者の体の上に装着される(又は患者の体に極めて密接に配置される)。
【0039】
いくつかの実施形態において、デバイス140は、データの表示、制御、又は他の機能を提供するために、外部受信機及び表示システム(例えば、ワークステーション117又はモニタ118)と通信してもよい。例えば、内部バッテリー、外部電力源、又は電力を受け取り可能な無線システムを用いて、デバイス140への電力を提供してもよい。他の実施形態は、他の構成及び機能を有してもよい。例えば、複数の場所又はユニットにわたって、構想要素を配分してもよく、外部ソースから制御情報又は他の情報を受信してもよい。
【0040】
プロセッサ114は、処理ユニット、プロセッサ又はコントローラを備えてもよい。処理ユニットは、例えば、CPU、DSP、マイクロプロセッサ、コントローラ、チップ、マイクロチップ、コントローラ、電気回路、IC、ASIC、又は任意の他の適切な多用途又は特定プロセッサ、コントローラ、電気回路又は回路を含んでもよい。
【0041】
データプロセッサ114は、外部受信機/レコーダ112を介してデバイス140から受信したデータを分析してもよく、記憶装置119と通信し、例えば、記憶装置119への及びこれからのフレームデータを転送してもよい。データプロセッサ114は、分析したデータをモニタ118に提供してもよく、ユーザ(例えば、医師)はこのデータを閲覧又は他のやり方で使用してもよい。いくつかの実施形態において、データプロセッサ114は、リアルタイム処理及び/又は後の時点での実行及び/又は閲覧のための後処理を行うように構成してもよい。制御機能(例えば、遅延、タイミング等)がデバイス140に対して外部にある場合においては、適切な外部デバイス(例えば、送信機又はトランシーバを有するデータプロセッサ114又は外部の受信機/レコーダ112)が一以上の制御信号をデバイス140に送信してもよい。
【0042】
モニタ118は、例えば、一以上の画面、モニタ、又は適切な表示ユニット等を備えてもよい。モニタ118は、例えば、デバイス140により取り込まれた、GI管又は他の撮像された体内腔又は空洞の画像等の、一以上の画像又は画像のストリームを表示してもよい。加えて、又は代替的に、モニタ118は、例えば制御データ、場所又は位置データ(例えば、デバイス140の場所又は相対的な場所を表すか又は示すデータ)、配向データ、及び様々な他の適切なデータを表示してもよい。いくつかの実施形態において、例えば、画像及びその位置(例えば、撮像される体内腔に対する)又は場所は、モニタ118を用いて提示してもよく、及び/又は記憶装置119を用いて保存してもよい。収集した画像データ及び/又は他のデータを保存及び/又は表示する、他のシステム及び方法を用いてもよい。
【0043】
通常、デバイス140は、別個の部分における画像情報を送信してもよい。それぞれの部分は、通常、一つの画像又は一つのフレームに対応し、他の適切な送信方法を用いてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、デバイス140は、0.5秒おきに画像を取り込み及び/又は獲得してもよく、外部の受信ユニット112に画像データを送信してもよい。他の一定及び/又は可変の取り込み速度及び/又は送信速度を用いてもよい。
【0044】
従来の解決方法においては、デバイス140は、例えば、外部磁力の傾斜ベクトルの方向に引かれて、体内腔に沿って動かされることがあった。このような種類の移動は、繊細な組織壁を傷つける場合がある。
【0045】
磁場に置かれるときには、磁気双極子は、通常、磁力線に平行に軸が整列する。本発明の実施形態に係る方法においては、永久磁石又は磁気双極子を有する他の適切な構成要素が生体内デバイス内、又は上に置かれ、回転磁場中に置かれるときには、通常、磁場への配列を維持するように回転する。磁石の回転運動はデバイス本体を共に回転させ、デバイスは、通常、頭からつま先の方へ又は宙返りの動きで、回転しながら体内腔を通って前進することができる。
【0046】
一実施形態によれば、この回転運動は、患者の体外の磁石のN/S回転により、引き起こされる。他の実施形態によれば、回転磁場生成器等の他の手段により、この回転磁場を生成してもよい。従って、回転磁場の制御は、手動でもよく、手動の介在がなくてもよい。
【0047】
図2を参照し、本発明の実施形態によれば、本デバイスは、好適にはその質量中心の回りに宙返りの様式で回転され、本デバイスの長軸に沿った頭からつま先の方への回転により、カプセルの移動が実施され、これは回転することなく内腔に沿って引きずる又は引っ張ることの代わりとなる。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、本デバイスの回転又は宙返りの動きは、胃又は大腸等の大容積の内腔において最も効果的である。このようなデバイスの動きは、また、食道等の管状の内腔に用いてもよい。
【0049】
例えば、図2に示すように、カプセルを、まずP1の位置で、ある方向に配置してもよく、次いで長軸回りに回転し、位置及び方向をP2、次いでP3としてもよい。このような動きは、デバイスが壁面の組織に擦れることがなく、これをこらないので、組織の損傷リスクを低減できる。このような動きの様式を達成するためには、内部磁石又はデバイス内磁石の位置は、好適にはデバイスの質量中心から離れていてもよい。質量中心は、通常、磁石を付加せずに計算され、カプセル内に非対称な質量中心を生成するために、磁石は質量中心の一側面に配置される。例えば、単一の撮像ヘッドを有するデバイスにおいて、磁石は、撮像装置に近いデバイスの側方に配置される。別の実施形態において、デバイスは、例えばデバイスの長軸のそれぞれの側に一つ等、二つの撮像装置を有していてもよい。二つの撮像装置は異なる機能的な能力を有していてもよい。一方の撮像装置は近くの組織を見るために焦点範囲が狭く、他方はより広い視野を撮像するために構成されてもよい。このような実施形態において、近くの組織に合焦して狭い視野を有する撮像装置の側に、この側に質量中心がより近くなるようにするため、磁石を配置し、結果的にデバイスが当該組織上に静止するようにしてもよい。別の実施形態において、デバイスは一方の側に一種類のセンサ、すなわち撮像装置を有し、他方の側に別の種類のセンサ、すなわち圧力センサ、pHセンサ又は光学的生検を実施するための光学システムを付随する画像センサを有してもよい。磁石は、通常、機能の上でGI管壁の組織に近接して配置する必要があるデバイスの、側方近くに配置してもよい。
【0050】
ここで図3A、3B及び3Cを参照すると、本発明の三つの異なる実施形態に係る、生体内撮像デバイスの側面の概略が示されている。これらの全ての実施形態において、引っ張る動きを発生して組織を傷つけることのある外部傾斜力の印加よりも、むしろ外部のモーメント力を印加することにより、本デバイスは位置及び/又は配向を変化させ、これにより宙返りのような動きを生じる。本デバイスの重心を中心として、モーメント力を発生してもよい。一実施形態によれば、本デバイスを移動するモーメント力を生成するために印加する磁力は、ある傾斜内においてカプセルを移動するために必要な力よりも弱くてもよい。従って、本発明の実施形態はenery消費において有利である場合がある。
【0051】
第一の実施形態において、図3Aに、点Gとして記した質量中心を有する、生体内撮像デバイスを示す。通常、磁石の位置はデバイスの質量中心に影響し、より組織に接近することが必要なデバイス側であるよう選択される。例えば、一実施形態において、撮像装置は、光学的生検の機能を発揮するために、組織に接近する必要がある。デバイスの重心(及び磁石)の場所は、光学的生検撮像装置を有する側に選ばれる。別の実施形態において、本願明細書にて図3に後述する、胃の完全スキャンを実施するように、本デバイスを構成してもよい。
【0052】
図3Bに、カプセルデバイス内の磁性エレメントの別の実施形態を示す。
図3Cに、本発明に係る、第三の実施形態を示す。この実施形態においては、生体内デバイスは、磁石を保持するチューブ型のエレメントを備える。このチューブは、本デバイスの長軸に沿った配置が可能であるが、対角線上に、又は横軸(latitudinal axis)に沿って配置してもよい。チューブ内に置かれる磁性エレメントは、チューブの一方から他方へ、自由に移動できる。デバイスの重心Gも、磁性エレメントの動きに伴い変化してもよい。この実施形態において、外部磁場の方向又は強度を変化することにより、生体内デバイスの重心を外部制御してもよい。磁場により、デバイスの視野を外部制御してもよい。
【0053】
図4を参照し、胃等の比較的大きな臓器における生体内デバイスの例示的実施形態を示す。重心は、撮像する側と反対のデバイス側になるように選んでもよく、臓器全体をカバーするために、デバイスを制御して、円周方向に撮像ヘッドを動かしてもよい。より重いデバイスの側は、重心のある側であり、磁石配置の側であってもよい。好適な実施形態において、図3A図3Cの実施形態に示すように、本デバイスのこの側は、組織に近くてもよく、その上で静止してもよく、臓器の特定の点に位置決めされてもよい。撮像ヘッド位置は、磁場生成器125が生成する磁場によって外部制御してもよく、位置制御ユニット122によって、ある所望の位置に制御してもよい。例えば、360°をカバーして臓器の完全な視界を得るために、デバイスを円周方向に移動するよう制御してもよい。同様の構成を用いてもよい別の実施形態としては、バイオマーカを捕らえるように、デバイスを構成する。バイオマーカを引きつけるために、デバイスの軽い側により行われる、より幅の広い動きを用い、これにより、この手順の間にバイオマーカを捕らえる機会を増してもよい。
図1
図2
図3
図4