(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、表示部に表示された広告画像を消すことができないため、アプリケーション等の表示に用いることができる領域に制約が生じる。また、ユーザがリンク先を参照するインセンティブが働かず、ユーザの利便性と広告効果の観点で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ユーザの利便性と広告効果を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る広告配信システムは、携帯情報端末装置からの要求に応じて広告画像の画像データと,リンク先を示す情報と
,広告単価に応じて設定した次回表示までの時間を示す情報とを含む広告情
報を提供する広告配信サーバ装置と、広告配信サーバ装置から提供された次回表示までの時間を示す情報を含む広告取得タイミングを定義する情報に応じて広告配信サーバ装置から広告情報を取得する広告情報取得手段と、アプリケーション処理に応じた表示画像(アプリケーション画像)を生成するアプリケーション実行手段と、広告情報取得手段が取得した広告情報中の画像データに応じた表示画像(広告画像)を生成する広告画像生成手段と、リンク先を示す情報に応じて情報の閲覧を行う閲覧手段と、閲覧手段により情報の閲覧を行うまではアプリケーション画像と広告画像を表示させ,閲覧手段により情報の閲覧を行った後はアプリケーション画像のみを表示させる表示制御手段とを備える携帯情報端末装置とを備え、広告情報取得手段は、次回表示までの時間を示す情報に応じて広告配信サーバ装置から広告情報を取得することを特徴とすることを特徴とする。
【0007】
この広告配信システムでは、広告配信サーバ装置が、携帯情報端末装置からの要求に応じて広告画像の画像データと,リンク先を示す情報と
,広告単価に応じて設定した次回表示までの時間を示す情報とを含む広告情
報を提供し、携帯情報端末装置の広告情報取得手段が広告配信サーバ装置から提供された次回表示までの時間を示す情報を含む広告取得タイミングを定義する情報に応じて広告配信サーバ装置から広告情報を取得し、アプリケーション実行手段がアプリケーション処理に応じた表示画像(アプリケーション画像)を生成し、広告画像生成手段が広告情報取得手段が取得した広告情報中の画像データに応じた表示画像(広告画像)を生成し、表示制御手段が,閲覧手段により情報の閲覧を行うまではアプリケーション画像と広告画像を表示させ,閲覧手段により情報の閲覧を行った後はアプリケーション画像のみを表示させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る広告配信システムは、広告配信サーバ装置が、携帯情報端末装置からの要求に応じて広告画像の画像データと,リンク先を示す情報と
,広告単価に応じて設定した次回表示までの時間を示す情報とを含む広告情
報を提供し、携帯情報端末装置の広告情報取得手段が広告配信サーバ装置から提供された次回表示までの時間を示す情報を含む広告取得タイミングを定義する情報に応じて広告配信サーバ装置から広告情報を取得し、アプリケーション実行手段がアプリケーション処理に応じた表示画像(アプリケーション画像)を生成し、広告画像生成手段が広告情報取得手段が取得した広告情報中の画像データに応じた表示画像(広告画像)を生成し、表示制御手段が,閲覧手段により情報の閲覧を行うまではアプリケーション画像と広告画像を表示させ,閲覧手段により情報の閲覧を行った後はアプリケーション画像のみを表示させることにより、ユーザの利便性と広告効果を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、携帯情報端末装置にネットワーク経由でアプリケーションプログラム(アプリケーション)を提供し、携帯情報端末装置でアプリケーションを実行する際にネットワーク経由で広告情報を提供して表示させる広告配信システムに本発明を適用した一実施形態について説明する。
【0011】
(構成)
この広告配信システムは、携帯情報端末装置10で実行されるアプリケーションを配信するアプリケーション配信サーバ装置20と、広告情報の配信を行う広告配信サーバ装置30と、これらの各装置間の通信を媒介する無線通信ネットワーク(ネットワーク)40と、広告配信サーバ装置30からの広告情報に応じた詳細な情報を提供する情報提供サーバ装置50とを備えている。
【0012】
ネットワーク40は、携帯情報端末装置10と無線通信を行う基地局41と、基地局41とアプリケーション提供サーバ装置20及び広告配信サーバ装置30等の間で通信を行うバックボーンネットワーク(バックボーン)42とを備えており、例えばTCP/IPプロトコルで携帯情報端末装置10、アプリケーション提供サーバ装置20、広告配信サーバ装置30、情報提供サーバ装置50間の通信を行うようになっている。
【0013】
携帯情報端末装置10は、ネットワーク40を介した通信処理を実行する通信処理部11と、画像の表示を行う表示部12と、ユーザからの指示を入力する入力部13と、情報提供サーバ装置50等が提供する情報を閲覧するWebブラウザ(閲覧手段)14と、アプリケーション提供サーバ装置20が提供する例えばスクリプト言語で記述されたプログラム(スクリプト)を実行するスクリプト実行処理部(アプリケーション実行手段)15とを備えている。入力部13は、例えば表示部12の表面に設けたタッチスクリーン13aと、携帯情報端末装置10の筐体に設けたスイッチ13b、13c、13dとから構成されている。なお、プログラムは、実行環境(ライブラリ、ドライバ等)を携帯情報端末装置10に実装しておけば、スクリプト言語で記述されたものに限られない。また、独立のプログラムではなく、Webブラウザ14で実行されるいわゆるWebアプリケーションであってもよい。
【0014】
アプリケーション提供サーバ装置20は、ネットワーク40を介した通信処理を実行する通信処理部21と、携帯情報端末装置10に対するサービスのフロントエンドとなるHTTPサーバ22と、携帯情報端末装置10からの要求に応じて提供するゲームや電子書籍の閲覧等のプログラム(スクリプト)を保持する格納部23とを備えている。
【0015】
また、広告配信サーバ装置30は、ネットワーク40を介した通信処理を実行する通信処理部31と、携帯情報端末装置10からの広告配信要求を受け付ける要求受付部33と、広告情報(例えばバナー画像、リンク先のURL、広告時間間隔Td等)を保持する広告保持部33と、携帯情報端末装置10に提供する広告情報を選択する広告選択部34と、広告選択部34が選択した広告情報を携帯情報端末装置10に送信する広告送信部35とを備えている。
【0016】
また、情報提供サーバ装置50は、ネットワーク40を介した通信処理を実行する通信処理部51と、携帯情報端末装置10に対するサービスのフロントエンドとなるHTTPサーバ52と、携帯情報端末装置10からの要求に応じて提供する情報を保持する情報保持部53とを備えている。
【0017】
図2は、スクリプト保持部16に格納されているプログラム(スクリプト)を実行した際の機能の概要を概念的に示すソフトウェアブロック図である。なお、同図中の下がハードウェアに近い下位層の処理を示しており、上がアプリケーション側の上位層の処理を示している。携帯情報端末装置10全体の動作は、オペレーティングシステム(OS)18が制御しており、表示部12に対する表示処理、入力部13からの入力処理は、入出力処理部19を介して行うようになっている。
【0018】
また、スクリプト保持部16に保持されているプログラム(スクリプト)は、OS18による管理下でスクリプト実行処理部15によって実行され、処理実行部17として機能する。処理実行部17は、本来の目的であるゲームや電子書籍の閲覧等のプログラム本来の目的に応じた処理(アプリケーション処理)の他に、表示部12に表示する画像の制御を行う表示制御部(表示制御手段)17aと、広告配信サーバ装置30に広告情報を要求する広告情報要求部(広告情報取得手段、広告画像生成手段)17bを備えている。
【0019】
この広告情報要求部17bは、当該プログラムの起動時及び所定時間毎に、広告配信サーバ装置30に広告情報を要求し、表示制御部17aにより、表示部12に広告画像を表示するようになっている。
【0020】
(動作)
・プログラム取得動作
ユーザは、予め携帯情報端末装置10のWebブラウザ14を操作し、アプリケーション提供サーバ装置20のHTTPサーバ22を介して、プログラム(スクリプト)を取得し、スクリプト保持部16に格納しておく。
【0021】
・アプリケーション処理動作
上述のように、スクリプト保持部16に格納されているプログラムを起動すると、例えば
図3及び
図4に示す処理が開始される。
【0022】
処理実行部17は、まず、広告情報要求部17bに指示して、広告配信サーバ装置30に広告情報を要求する(
図3中のS1、
図4中のS101)。この要求は、ネットワーク40及び通信処理部31を介して広告配信サーバ装置30の要求受付部32に供給される。
【0023】
広告情報が要求されると、要求受付部32は、広告選択部34に指示して、広告保持部33に保持されている広告情報(例えばバナー画像、リンク先のURL、広告時間間隔Td等)を携帯情報端末装置10宛に送信する(
図4中のS102)。なお、提供するバナー画像、URL、Td等は、広告配信サーバ装置30側で適宜設定する。具体的には、例えばランダムに広告を選択したり、プログラム(スクリプト)の処理内容に対応付けられた広告を選択したりするようにしてもよい。
【0024】
このような広告情報は、ネットワーク40、通信処理部11を介して広告情報要求部17bに供給される。広告情報要求部17bは、供給された広告情報中のバナー画像を表示部12の広告表示領域12bに表示させる(
図3中のS2)。また、広告情報要求部17bは、供給された広告情報中の広告時間間隔Tdに応じたソフトウェアタイマーを処理実行部17に実行させる。この後、処理実行部17は、ユーザが広告閲覧を指示したか否かを確認し(S3)、広告閲覧が指示されていれば、
図3中のS4〜S6の処理を実行して、Webブラウザ14による詳細情報の取得等の処理を実行させる。なお、この実施例では、表示部12のアプリケーション表示領域12aの上に広告表示領域12bを設けた例を示しているが、アプリケーション表示領域12aの下に広告表示領域12bを設けたり、加速度センサ等によって検出した携帯情報端末装置10の向きに応じて広告表示領域12bの表示位置を変更するようにしてもよい。
【0025】
ところで、携帯情報端末装置10側に配信する広告情報は、プログラム(スクリプト)による処理がゲームであればゲームの内容に関連した広告、具体的には、例えばレーシングゲームの場合にはタイヤや車等の関連する広告等としてもよい。あるいは、プログラム(スクリプト)が、例えば電子書籍の閲覧を行うものであれば、閲覧する電子書籍の内容に関連した広告、例えばグルメ情報の電子書籍を閲覧する場合に、レストラン等の関連する広告等を配信するようにしてもよい。
【0026】
このような動作を実現するためには、例えば広告配信サーバ装置30側で、プログラム(スクリプト)を識別する情報(例えばプログラムの識別番号GID)と広告保持部33に格納されている広告情報とを対応付けるテーブルを保持しておき、広告情報要求部17bが広告情報を要求する際に、プログラムの識別番号GIDを広告配信サーバ装置30に送信し、広告選択部34が当該テーブルを参照して、GIDに対応する広告情報を選択するようにする。
【0027】
広告閲覧が指示されていなければ、処理実行部17は、プログラム(スクリプト)によるゲームや電子書籍の閲覧等のアプリケーション処理を実行させ、このアプリケーション処理による結果を表示制御部17aにより、表示部12のアプリケーション表示領域12aに表示させる(S7)。これにより、表示部12に表示される画像は、例えば
図5(A)に示すような状態になる。
【0028】
この後、処理実行部17は、アプリケーション処理の終了が指示されたか否かを確認し(S8)、終了が指示されていればプログラム(スクリプト)による処理を終了する。終了が指示されていなければ、処理実行部17は、上述の広告時間間隔Tdに応じたソフトウェアタイマーの時間が経過したか否かを確認し(S9)、経過していなければS7に戻り、アプリケーション処理を継続する。
【0029】
上述の
図3中のS9において、広告時間間隔Tdに応じたソフトウェアタイマーの時間が経過していれば、処理実行部17は、S1以降の処理を再度実行し、広告情報要求部17bに広告情報を取得させ、取得した広告情報中のバナー画像を表示部12の広告表示領域12bに表示させる。
【0030】
この広告配信システムでは、このような動作により、広告配信サーバ装置30側から指定された広告時間間隔Td後に、広告情報を配信して、携帯情報端末装置10の表示部12に表示させることができる。
【0031】
一方、上述の
図3中のS3において、広告の閲覧が指示されていると、処理実行部17は、Webブラウザ14を起動させ、広告情報中のリンク先URLの閲覧を指示する(S4)。Webブラウザ14は、例えば
図4に示すように、指示されたURLに対応する情報提供サーバ装置50に対して、閲覧要求(HTTPリクエスト)を送信する(S201)。情報提供サーバ装置50のHTTPサーバ52は、この閲覧要求に応じて、要求されたURLに対応する情報をWebブラウザ14宛に提供する(S202)。Webブラウザ14は、供給された情報に応じた画像を、例えば
図5(B)に示すように、表示部12のブラウザ表示領域12cに表示させる。
【0032】
この後、Webブラウザ14は、閲覧が終了したか否かを確認し(S5)、閲覧が終了するまで待機する。
【0033】
ユーザによる閲覧が終了すると、Webブラウザ14は、処理実行部17に閲覧が終了した旨を通知し、処理実行部17は、表示制御部17aに指示して広告表示領域12bの表示を消去し(S6)、S7以降の処理を実行する。これにより、例えば
図5(C)に示すように、表示部12には、表示部12のアプリケーション表示領域12aのみが表示された状態になり、アプリケーション処理に応じた表示に用いる領域を広くすることができる。なお、S5で、Webブラウザ14の終了が指示されたか否かを確認し、Webブラウザ14の終了が指示された際に、処理実行部17にWebブラウザ14を終了する旨を通知し、処理実行部17が、表示制御部17aに指示して広告表示領域12bの表示を消去するようにしてもよい。
【0034】
これにより、アプリケーションの使用中のユーザの利便性の向上に寄与することができる。また、リンク先URLの情報提供サーバ装置50が提供する詳細情報を閲覧することにより、広告表示領域12bが消えて、アプリケーション表示領域12aを広くすることができるため、ユーザがリンク先を参照するインセンティブが働き、広告効果を向上させることができる。
【0035】
(広告時間間隔Tdの設定)
ところで、この広告配信システムでは、上述の広告時間間隔Tdを広告単価に応じて設定するようになっている。具体的には、例えば
図6に示すように、広告保持部33に、各広告情報に対応する広告単価のテーブル33bを保持しておき、予め時間設定部36がテーブル33b中の各広告単価に応じて広告時間間隔Tdを求め、広告情報のテーブル33a中のTdとして設定する。この広告時間間隔Tdは、上述のように、携帯情報端末装置10側からの要求に応じた広告情報として処理実行部17に供給され、次の広告情報を配信するまでの時間間隔Tdとして用いられる。
【0036】
これにより、この広告配信システムでは、広告単価に応じた時間間隔で、広告情報の配信を行うことができる。
【0037】
(変形例1)
上述の説明では、所定の時間間隔Td毎に広告情報を要求する動作について説明したが、ゲーム等のアプリケーション処理の実行状況に応じて、広告情報を要求するタイミングを設定するようにしてもよい。例えば、いわゆる「面」等と呼ばれる一連の動作毎の区切りがあるアクションゲーム等の場合には、当該一連の動作が終了したいわゆる「面クリア」の後に広告情報を要求するように構成する。
【0038】
具体的には、例えば
図7に示すように、プログラムのアプリケーション処理中において、「面クリア」すなわち「面」等の終了を判定する処理(S18)の後、「面」等が終了していた場合に、広告情報要求部17bが広告配信サーバ装置30に広告情報を要求し(S11)、これに応じて、広告送信部35から供給された広告情報を表示部12の広告表示領域12bに表示し(S12)、上述の
図3中のS3〜S6等における処理と同様に、広告表示領域12bの表示・非表示を制御する(S13〜S16)。
【0039】
このように、一連の動作(面)の処理が終了した後に、広告の閲覧の指示を確認し、Webブラウザ14による広告の閲覧に応じた広告表示領域12bの表示・非表示の制御を行うことにより、ユーザがプログラムのアプリケーション処理に応じた一連の動作の流れを遮られずに、広告の閲覧を行うことができるため、操作性を向上させることができる。なお、アプリケーション処理が電子書籍の閲覧を行う処理であれば、「面」の代わりに、書籍の[章]や「部」等の所定の部分の閲覧が終了した際に、広告情報要求部17bが広告情報の要求を行うようにすれば、同様に、操作性を向上させることができる。
【0040】
(変形例2)
上述の変形例1では、一連の動作(面)の処理が終了した後に、広告の閲覧の指示を確認し、Webブラウザ14による広告の閲覧に応じた広告表示領域12bの表示・非表示の制御を行うようにしていたが、この動作と、上述の
図3に示す処理とを併用するようにしてもよい。
【0041】
具体的には、例えば
図8に示すように、広告配信サーバ装置30側から広告情報として上述の
図6に示すように設定した広告時間間隔Tdも提供しておき、上述の
図7中のS18と同様の処理の後に、前回の広告の閲覧からTd経過したか否かを判定し(S19)、経過していれば広告情報要求部17bが広告情報を要求する(S11)ように構成する。
【0042】
これにより、上述の変形例1と同様に、ユーザがプログラムのアプリケーション処理に応じた一連の動作の流れを遮られずに、広告の閲覧を行うことができ、さらに、広告単価に応じた時間間隔で、広告情報の配信を行うことができる。