(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5873301
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】携帯端末機のカバーロッキング装置
(51)【国際特許分類】
H04M 1/02 20060101AFI20160216BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
H04M1/02 C
H05K5/03 D
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-247422(P2011-247422)
(22)【出願日】2011年11月11日
(65)【公開番号】特開2012-105276(P2012-105276A)
(43)【公開日】2012年5月31日
【審査請求日】2014年11月10日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0112437
(32)【優先日】2010年11月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 載 植
(72)【発明者】
【氏名】鄭 旭 淡
(72)【発明者】
【氏名】權 宅 洙
【審査官】
齋藤 正貴
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭63−031086(JP,A)
【文献】
特開平10−031985(JP,A)
【文献】
特開2010−056811(JP,A)
【文献】
特開2009−290832(JP,A)
【文献】
特開2000−223093(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0279252(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0115715(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/02 − 1/23
H05K 5/03
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末機のカバーロッキング装置であって、
本体と、
前記本体から着脱されるカバーと、
前記本体とカバーとの間に配置されてスライディングにより前記本体からカバーを着脱させるロッキング部と、を有し、
前記ロッキング部は、
前記カバーの底面から垂直下方に延長されて形成され、端部がフック形状で前記本体後方に向けて前記本体に配置される一対の係止部と、
一対の開口部及び一対の係止突起が備えられ、スライディングにより前記係止部に係合又は係合解除されて前記カバーを本体から着脱させるロッカーと、
前記本体の底面に形成され、前記ロッカーを拘束した状態でスライディングさせるスライディングガイド開口部と、
前記スライディングガイド開口部に接するように前記本体の前方に延長されて形成され、前記係止部の端部が係合されるように配置された一対の凹部と、を含むことを特徴とする携帯端末機のカバーロッキング装置。
【請求項2】
前記ロッカーは、前記開口部が前記本体の背面に対面して前記係止突起が前記本体前方に突出し、前記開口部の間に前記係止突起が配置されることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機のカバーロッキング装置。
【請求項3】
前記カバー底面と、前記ロッカーの上面及び本体の底面とは、相互に対面して接するように配置され、
前記ロッカーは、前記カバーと本体との間で平行に拘束された状態で密着してスライディングすることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機のカバーロッキング装置。
【請求項4】
前記カバーは、バッテリーカバーとして構成されることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機のカバーロッキング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話、スマートフォン、PMP、MP3、ウェブパッド、タブレットPCなどを含む携帯端末機に関し、特に携帯端末機のカバーのロッキング装置、より詳細にはバッテリーカバーのロッキング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、携帯電話、スマートフォンなどを含む携帯端末機は、電源供給のためにバッテリーが備えられている。このようなバッテリーは、再充電のために携帯端末機の本体に脱着型又は内蔵型で構成される。
【0003】
また、携帯端末機に採用されるバッテリーは本体に内蔵され、別途のバッテリーカバーは着脱可能に取り付けられ、それによって内蔵されたバッテリーは、再充電して使用される。上記したバッテリーとバッテリーカバーを備える携帯端末機は、バッテリーカバーを着脱するためのロッキング装置が備えられる。
【0004】
図1〜
図3に示すように、バッテリー(図示せず)とバッテリーカバー110は、携帯端末機本体100の底面に装着される。バッテリーを外部に取り出して再充電するためには、その本体100の底面にロッキングされているバッテリーカバー110のロッキング状態を解除すべきである。このようなロッキング装置は、ユーザーの力によってスライディングするスライドノブ121を移動させてバッテリーカバー110を着脱する構造からなされる。スライドノブ121は、バッテリーカバー110の外部表面に露出するように配置され、ユーザーの強制的な操作が可能であり、左側又は右側に移動してバッテリーカバー110を本体100の底面からロッキングさせ、あるいはロッキング解除させる。
【0005】
図2はバッテリーカバー110のロッキング解除状態を示し、
図3はバッテリーカバー110のロッキング状態を示す。バッテリーカバー110のロッキング状態では、ロッカー120に備えられる溝とバッテリーカバー110に形成されている突起114が結合(係合)されることによって、バッテリーカバー110の離脱を防止する。バッテリーカバー110のロッキング解除状態では、バッテリーカバー110は、溝から突起114が全く離脱された場合に離脱が可能になる。
【0006】
しかしながら、
図1に示すように、従来のカバーロッキング装置は、カバーのロッキング又はロッキング解除のために突起114(領域A)が外部に露出するが、これは、携帯端末機の外観上良くない。特に、携帯端末機の底面は、主にバッテリーパックやバッテリーカバーの着脱のためにロッキング装置が位置するため、ユーザーのために単純で、美麗な外観が重要視されている。
【0007】
また、従来のカバーロッキング装置は、突起が外観に全部露出する構造からなり、ロッカーの反復使用時に摩耗による外観の損傷も発生し、塗装の適用時、摺動が激しくて塗装固まりも発生するという問題があった。さらに、従来のカバーロッキング装置は、突起がカバーに形成されてカバーの厚さが厚くなるという問題もあった。
したがって、携帯端末機の外観に優れ、特に底面が単純な美麗さを持ちつつスリム化に寄与できるロッキング装置が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国特許第10−0630186号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は上記従来のカバーロッキング装置における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、携帯端末機においてロッキング位置を内部(ユーザーが見られない位置)に移動させて携帯端末機本体の底面外観が優れた携帯端末機のカバーロッキング装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、携帯端末機の外観、特に携帯端末機底面の外観、さらにバッテリーカバーの外観を美麗にするカバーロッキング装置、又は、バッテリーカバーの厚さをスリムにできるカバーロッキング装置、又は、耐久性が向上した携帯端末機のカバー、特にバッテリーカバーロッキング装置である携帯端末機のカバーロッキング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するためになされた本発明による携帯端末機のカバーロッキング装置は
、本体と、前記本体から着脱されるカバーと、前記本体とカバーとの間に配置され
てスライディングにより前記本体からカバーを着脱させるロッキング部と
、を有し、前記ロッキング部は、前記カバー
の底面から垂直下方に延長されて形成され
、端部がフック形状で前記本体後方に向けて前記本体に配置される一対の係止部と、
一対の開口部
及び一対の係止突起が備えられ、
スライディングにより前記係止部
に係合又は係合解除され
て前記カバーを本体から着脱させるロッカーと
、前記本体の底面に形成され、前記ロッカーを拘束した状態でスライディングさせるスライディングガイド開口部と、前記スライディングガイド開口部に接するように前記本体の前方に延長されて形成され、前記係止部の端部が係合されるように配置された一対の凹部と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る携帯端末機のロッキング装置によれば、ロッキング装置は携帯端末機の外部に突出せず、本体内に隠されるように配置され、外観、特に本体底面の外観、より詳しくは本体底面のバッテリーカバーの外観に優れるという効果を有する。
また、本発明によるロッキング装置は、バッテリーカバーの厚さをスリムにし、ロッキング構造が外部環境から遮断されるので、耐久性を向上させるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】従来の携帯端末機のバッテリーカバーロッキング装置を示す平面図である。
【
図2】従来の携帯端末機のバッテリーカバーのロッキング解除状態を示す断面図である。
【
図3】従来の携帯端末機のバッテリーカバーのロッキング状態を示す断面図である。
【
図4】本発明による携帯端末機のカバーロッキング装置を示す平面図である。
【
図5】本発明による携帯端末機のカバーロッキング装置の構成を示す分離平面図である。
【
図6】本発明によるカバーロッキング装置の本体底面を示す平面図である。
【
図7】(a)は本発明によるカバーロッキング装置のロッカーを示す平面図であり、(b)は(a)の一側面図である。
【
図8】(a)は本発明によるカバーロッキング装置のカバー前面に形成された係止部を示す斜視図であり、(b)は(a)の一側面図である。
【
図9】本発明による本体の底面上にロッカーが置かれた状態を示す斜視図である。
【
図10】(a)は本発明によるカバーロッキング装置のロッキング解除状態を示す平面図であり、(b)は(a)に示すカバーロッキング装置の内部構成の一部を示す斜視断面図である。
【
図11】(a)は本発明によるカバーロッキング装置のロッキング状態を示す平面図であり、(b)は(a)に示すカバーロッキング装置の内部構成一部を示す斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係る携帯端末機のロッキング装置を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
図面の説明において、同一の構成要素に対しては同一の参照番号及び符号を使用して説明する。
【0016】
図4は、本発明による携帯端末機のカバーロッキング装置を示す平面図であり、
図5は、本発明による携帯端末機のカバーロッキング装置の構成を示す分離平面図である。
図4及び
図5に示すように、本発明によるロッキング装置は、携帯電話、スマートフォン、PMP、MP3、ウェブパッド、タブレットPCなどを含む携帯端末機用カバー21のロッキング装置に採用され、特にバッテリーカバーのロッキング装置に採用される。このロッキング装置は、本体を構成するハウジングに含まれる。
【0017】
ロッキング装置は、本体20と、カバー21と、本体20からカバー21を着脱するロッキング部とから構成され、特に、本発明によるロッキング装置は、カバー21のロッキング又はロッキング解除位置が本体20の内部に隠されるように配置して外部に露出しない。
また、ロッキング装置は、本体20の内部とカバー21の内部との間に配置され、ロッキング位置が外部環境から露出しなくて保護される。さらに、本発明によるロッキング装置は、携帯端末機に採用されたカバー21のロッキング装置として採用されることが好ましい。本発明の実施形態では、バッテリーカバーに採用されることを実施形態として説明する。
【0018】
図4に示すように、ロッカー22のスライドノブ220(
図7(a)に図示)が外部に露出している。スライドノブ220が左側に摺動すると、カバー21のロッキング状態が解除され、スライドノブ220が右側に摺動すると、カバー21がロッキングされる。カバー21のロッキング状態が解除されると、ユーザーは、図示していないバッテリーを本体内部で取り出して再充電できる。
【0019】
図5に示すように、本発明によるロッキング装置は、本体20と、カバー21と、本体20とカバー21との間に配置され、本体20からカバー21を単純なユーザーの操作によって着脱させるロッキング部である、具体的にはロッカー22を含む。ロッカー22は、摺動して本体20とカバー21との間に配置されて本体及びカバーと一緒にロッキング構造を提供する。
【0020】
図6は、本発明によるカバーロッキング装置の本体底面を示す平面図であり、
図7の(a)は本発明によるカバーロッキング装置のロッカーを示す平面図であり、(b)は(a)の一側面図であり、
図8の(a)は本発明によるカバーロッキング装置のカバー前面に形成された係止部を示す斜視図であり、(b)は(a)の一側面図であり、
図9は、本発明による本体の底面上にロッカーが置かれた状態を示す斜視図である。
【0021】
図6〜
図8(b)に示すように、本発明によるカバーロッキング装置の構成は、カバー21に形成された少なくとも一つの係止部(214、216)と、少なくとも一つの開口部(221、222)と、係止突起223、224が各々備えられるロッカー22とで構成される。
摺動するか否かによって、ロッカー22は、本体20からカバーを着脱可能にする。例えば、
図6に示す‘X’軸はロッカー22のスライディング方向を示し、‘Y’軸は本体20の前方又は後方を示し、‘Z’軸は本体20の垂直上方又は下方を示す。
【0022】
図6、
図8(b)、
図9に示すように、本体20は、底面の所定領域にロッカー22が拘束状態で配置されて線形にスライディングするために、Y軸方向に伸びるスライディングガイド開口部210を有する。
スライディングガイド開口部210は、左右方向に線形に伸び、ロッカー22の長さより若干長く延長される。このような構成で、ロッカー22は、スライディングガイド開口部210に安着してユーザーによって安全にスライディング可能になる。
また、スライディングガイド開口部210は、ロッカー22のロッキングボディ225が挿入される溝を有する。
【0023】
スライディングガイド開口部210は、カバー21に形成された係止部214、216が配置されるための少なくとも一つの凹部をさらに備える。この凹部は、スライディングガイド開口部210と接するように形成され、相互に対立する第1及び第2の凹部202、203で構成される。これら第1及び第2の凹部202、203は、対向するように配置され、本体20の前方に伸び、係止部214、216のそれぞれの端部214a、(216a;図示せず)と係合する。第1及び第2の凹部202、203は、相互に同一の構成、すなわち所定の深さで凹んだ形状で設けられる。
【0024】
図7(a)、(b)に示すように、ロッカー22は、長い形状を有し、スライディングガイド開口部210に配置されてユーザーの力によって左右に摺動する。ロッカー22は、常に露出するように配置され、上面に垂直上方に突出されたスライドノブ220が形成され、底面にはロッキングボディ225が形成される。
ロッカー22は、少なくとも一つの開口部を備えており、本実施形態では開口部は、相互に対立する第1及び第2の開口部221、222で構成され、これら第1及び第2の開口部221、222の間に第1及び第2の係止突起223、224が各々備えられる。第1及び第2の開口部221、222は、本体20の後方に各々開放されるように形成され、第1及び第2の係止突起223、224は、本体の前方に各々突出するように形成される。
【0025】
図8(a)、(b)、
図9に示すように、カバー21は、バッテリーカバーであり、底面212に垂直下方に伸びる少なくとも一つの係止部(214、216)を備える。係止部(214、216)は、一対からなり、端部(214a、216aは図示せず)はフック形状からなり、本体20の後方に配置される。カバー21が本体20にロッキングされた状態であると、係止部(214、216)は、第1及び第2の凹部202、203に配置され、その端部(214a、216a)が係止突起(223、224)の下方に配置される。
【0026】
ロッカー22の移動に従って、カバー21は、ロッキング又はロッキング解除状態となる。すなわち、ロッカーの第1及び第2の係止突起223、224が各々係止部(214、216)の端部にあると、カバー21は、ロッキング解除状態となる。すなわち、カバーの係止部(214、216)は、第1及び第2の開口部221、222から解除され、カバー21は、本体20から分離可能になる。このカバー21の上面には、スライドノブか外部に露出してユーザーが操作可能なようにスライディング開口部201が備えられる。
【0027】
図10の(a)は、本発明によるカバーロッキング装置のロッキング解除状態を示す平面図であり、(b)は(a)に示すカバーロッキング装置の内部構成の一部を示す斜視断面図であり、
図11の(a)は、本発明によるカバーロッキング装置のロッキング状態を示す平面図であり、(b)は(a)に示すカバーロッキング装置の内部構成一部を示す斜視断面図である。
カバー21の底面は、ロッカー22の上面及び本体20の底面と相互に対面して接するように配置され、ロッカー22は、カバー21と本体20との間で平行に拘束状態で密着して摺動されるので、カバー21を本体20にロッキングし、あるいはロッキングを解除させる。
【0028】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0029】
20 本体
21 カバー
22 ロッカー
201 スライディング開口部
202、203 (第1及び第2の)凹部
210 スライディングガイド開口部
214、216 係止部
214a 係止部の端部
220 スライドノブ
221、222 開口部
223、224 係止突起
225 ロッキングボディ