(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る通話システム1の概略構成図である。
図1に示すように、通話システム1は、第1システム10、第1ネットワーク20、第2システム30、登録装置40、端末50、基地局60、第2ネットワーク70、関門交換機80、公衆無線LAN装置90から構成されている。
【0013】
図1では、発信者側(発信元)の端末31は、着信側(発信先)の端末(端末11、端末12、及び端末50)が接続されている回線情報を、登録装置40から取得する。
そして、端末31は、取得した着信側の端末が接続されている回線情報に基づいて、通信モードを選択する。端末31は、選択した通話モード(通信モードともいう)を用いて着信側の端末に発信を行う。
【0014】
第1システム10は、例えば、家庭内に設置されているイントラネットであり、端末11、端末12、及び無線LAN(ローカルエリア・ネットワーク)装置13を備えている。
端末11及び端末12は、各々、パケット通信プロトコルのIP(Internet Protocol)を利用して提供される電話サービス(以下、IP電話という)の機能を備えている。端末11は、例えばPC(パーソナル・コンピュータ)であり、無線LAN規格の通信を用いて無線LAN装置13に接続されている。端末12は、例えばテレビジョン(以下、TVという)であり、無線LAN規格の通信を用いて無線LAN装置13に接続されている。
【0015】
無線LAN装置13は、無線LAN規格に基づいた通信を行うルーター(Router)機能を備えている。無線LAN装置13には、端末11及び端末12が接続されている。また、無線LAN装置13には、端末50が第1システム10の所定の範囲内にある場合、端末50も接続される。無線LAN装置13は、接続されている端末11及び端末12と、第1ネットワーク20との相互接続を行う。
【0016】
第1ネットワーク20は、例えば、インターネットである。
第2システム30は、例えば、家庭内に設置されているイントラネットであり、端末31及びルーター32を備えている。
端末31は、例えばPCであり、LANケーブルによりルーター32に接続されている。
ルーター32は、接続されている端末31と第1ネットワーク20の相互接続を行う。
【0017】
登録装置40は、例えばサーバであり、端末11、端末12、端末50、及び端末31のIP電話用のID情報、機種情報及び在圏情報等が関連付けられて記憶されている。なお、機種情報とは、端末11、端末12、端末50、及び端末31の機種に関する情報であり、例えば、TV、PC、スマートフォン、タブレット端末等である。在圏情報とは、端末11、端末12、端末50、及び端末31が利用しているネットワークの種別、すなわち通信方式を示す情報である。在圏情報とは、例えば、自宅無線LAN(第1通信方式)による接続(以下、自宅無線LAN接続という)、公衆無線LAN(第2通信方式)による接続(以下、公衆無線LAN接続という)、3G(第3世代)回線(第3通信方式)による接続(以下、3G回線接続という)である。ID情報とは、第1システム10、及び第2システム30の利用者が契約しているIP電話を提供している会社が発行した識別番号である。
【0018】
端末50は、例えばスマートフォンである。端末50は、第1システム10内の所定の範囲内にある場合、無線LAN装置13に接続される。または、端末50は、公衆無線LAN内の所定の範囲内にある場合、公衆無線LAN装置90に接続される。または、端末50は、3G回線の基地局60に接続される。
【0019】
基地局60は、無線端末との間で3G回線による無線通信を行うための装置である。基地局60は、第2ネットワーク70に接続されている。
第2ネットワーク70は、3G回線のネットワークである。
関門交換機80は、第2ネットワーク70で用いられているデータを、第1ネットワーク20で用いられているデータに変換し、交換したデータを第1ネットワーク20に送信する。または、関門交換機80は、第1ネットワーク20で用いられているデータを、第2ネットワーク70で用いられているデータに変換し、交換したデータを第2ネットワーク70に送信する。
【0020】
公衆無線LAN装置90は、例えば、公共施設、駅、飲食店(店舗)等に設置されている無線LANを利用したインターネットへの接続サービスを利用できる装置である。
【0021】
次に、着信側の端末の構成の例として、端末11の構成を説明する。
図2は、本実施形態に係る端末11のブロック図である。
図2に示すように、端末11は、送受信部101、回線情報取得部102、固有情報記憶部103、端末情報送信部104、通話手段制御部105(選択部)、音声通話部106、及びビデオ通話部107を備えている。
なお、端末12、及び端末50も同様の機能部を備えている。
【0022】
送受信部101は、無線LAN装置13を介して、送信信号、及び受信信号の送受信を行う。
回線情報取得部102は、送受信部101を介して、端末11が接続されている回線の種別を取得し、取得した回線の種別を示す情報に基づいて、在圏情報を生成する。回線情報取得部102は、生成した在圏情報を端末情報送信部104に出力する。
固有情報記憶部103には、端末11のIP電話用のID情報(利用者固有情報)、及び機種情報が記憶されている。
なお、端末12の固有情報記憶部103には、端末12のIP電話用のID情報、及び機種情報が記憶されている。端末50の固有情報記憶部103には、端末50のIP電話用のID情報、及び機種情報が記憶されている。
【0023】
端末情報送信部104は、固有情報記憶部103から端末11のID情報、及び機種情報を読み出す。端末情報送信部104は、読み出したID情報、及び端末11の機種情報と、回線情報取得部102が出力した在圏情報とを関連付けて送受信部101を介して、登録装置40に送信する。
【0024】
通話手段制御部105は、送受信部101を介して発信側の端末31から送信された送信信号から通話モードを抽出する。通話手段制御部105は、抽出した通話モードに基づいて、音声通話部106、またはビデオ通話部107を選択し、選択した通話部を用いて通話を行うように制御する。
音声通話部106は、通話手段制御部105の制御に応じて音声のみの通話を行うように制御する。
ビデオ通話部107は、通話手段制御部105の制御に応じて音声と映像との通話を行うように制御する。
【0025】
なお、端末(端末11、端末12、及び端末50)が、直接、第2ネットワークと接続可能な端末の場合、
図2で説明した送受信部101は、アンテナ(図示せず)を介して、送信信号、及び受信信号の送受信を行う。
【0026】
次に、送信側の端末の構成の例として、端末31の構成を説明する。
図3は、本実施形態に係る端末31のブロック図である。
図3に示すように、端末31は、送受信部301、端末情報取得部302、アドレス帳記憶部303、通話手段制御部304、音声通話部305、ビデオ通話部306、表示部307、及び入力部308を備えている。
【0027】
送受信部301は、ルーター32を介して、送信信号、及び受信信号の送受信を行う。
端末情報取得部302は、登録装置40から着信者のID情報に関連付けられて登録されている各端末の在圏情報を取得する。端末情報取得部302は、取得した在圏情報を通話手段制御部304に出力する。
アドレス帳記憶部303には、着信者情報、ID情報、及び機種情報が関連付けられて記憶されている。
【0028】
通話手段制御部304は、端末情報取得部302が出力する在圏情報と、アドレス帳記憶部303から読み出した着信者情報、ID情報、及び機種情報とを関連付けて、関連付けた情報を、表示部307に表示する。通話手段制御部304は、利用者が入力部308を介して選択した通信機能に基づいて、音声通話部305、またはビデオ通話部306を選択し、選択した通話部を用いて通話を行うように制御する。
音声通話部305は、通話手段制御部304の制御に応じて音声のみの通話を行うように制御する。
ビデオ通話部306は、通話手段制御部304の制御に応じて音声と映像の通話を行うように制御する。
表示部307は、例えば、モニタである。入力部308は、例えば、キーボード、またはマウス等である。なお、表示部307がタッチパネル機能を備えている場合、表示部307は、入力部308を兼ね備えるようにしてもよい。
【0029】
次に、登録装置40に登録されている情報の一例を説明する。
図4は、本実施形態に係る登録装置40に登録されている情報の一例を説明する図である。
図4に示すように、登録装置40には、各端末の情報として、ID情報、機種情報、及び在圏情報が関連付けられて表形式で記憶されている。例えば、
図4の2行目のように、端末11に関する情報は、ID情報がID−1であり、機種情報がPCであり、在圏情報が自宅無線LAN接続である。
【0030】
次に、端末31が取得して管理するアドレス帳記憶部303のデータの一例を説明する。
図5は、本実施形態に係る端末31が取得して管理するアドレス帳記憶部303のデータの一例を説明する図である。
図5に示すように、アドレス帳記憶部303には、着信者情報(例えば名前)、着信者が有しているID情報、そのID情報で使用している機種情報が関連付けられて予め記憶されている。ID情報、そのID情報で使用している機種情報は、例えば、予め着信者から発信者に電子メール等で伝えられている情報である。
また、アドレス帳記憶部303には、このように関連付けられている情報が、着信者毎に記憶されている。
【0031】
次に、第2システム30内にいる利用者(発信者)が、端末11、端末12、及び端末50を有している利用者(着信者)に発呼する例を、
図1から
図6を用いて説明する。
図6は、本実施形態に係る通話システム1の処理手順の一例のフローチャートである。
【0032】
(ステップS1)着信者は、使用している端末11、端末12、及び端末50のIP電話用のID情報、機種情報及び在圏情報を、第1ネットワーク20及び第2ネットワーク70を介して、登録装置40に登録する。例えば、端末11の端末情報送信部104は、回線情報取得部102が取得した在圏情報と、固有情報記憶部103から読み出したID情報及び機種情報とを関連付けて、登録装置40に送信する。
図1及び
図4に示した例では、端末11の機種情報はPCであり、ID情報はID−1であり、在圏情報は自宅無線LAN接続である。端末12の機種情報はTVであり、ID情報はID−2であり、在圏情報は自宅無線LAN接続である。端末50の機種情報はスマートフォンであり、ID情報はID−3であり、在圏情報は3G回線接続である。ステップS1終了後、ステップS2に進む。
【0033】
(ステップS2)登録装置40は、端末11、端末12、及び端末50から送信されたIP電話用のID情報、機種情報及び在圏情報を関連付けて記憶部に登録する。
なお、自宅無線LAN回線か、公衆無縁LAN回線かは、例えば着信者が各端末から手動で登録装置40に登録するようにしてもよい。または、各端末から送られてきた情報を経由したサーバ名等から登録装置40が判別して登録するようにしてもよい。
ステップS2終了後、ステップS3に進む。
【0034】
(ステップS3)発信者は、端末31のアドレス帳記憶部303から、着信者を選択する。
次に、端末31の端末情報取得部302は、選択された着信者に関連付けられて記憶されているID情報を、アドレス帳記憶部303から抽出する。次に、端末情報取得部302は、抽出したID情報毎の在圏情報を問い合わせるために、登録装置40に抽出したID情報と在圏情報の要求を送信する。
次に、登録装置40は、端末31から受信したID情報と在圏情報の要求に基づいて、ID情報毎の在圏情報を抽出し、抽出したID情報毎の在圏情報を、端末31に送信する。
具体的には、発信者は、
図5に示した表の中から、着信者Aを選択する。端末情報取得部302は、着信者Aに関連付けられて記憶されているID情報(ID−1〜ID−3)を抽出する。端末情報取得部302は、抽出したID情報(ID−1〜ID−3)と、在圏情報の要求を送信する。登録装置40は、端末31から受信したID情報(ID−1〜ID−3)と在圏情報の要求に基づいて、
図4の表の中から、例えば、ID−1に関連付けられて記憶されている在圏情報「自宅無線LAN接続」を抽出する。登録装置40は、抽出した在圏情報「自宅無線LAN接続」と、ID−1とを関連付けて、端末31に送信する。
ステップS3終了後、ステップS4に進む。
【0035】
(ステップS4)端末情報取得部302は、登録装置40から取得した在圏情報と、アドレス帳記憶部303記憶されている着信者情報及びID情報とを関連付けた表示情報を生成する。端末情報取得部302は、生成した表示情報を、端末31の表示部307に表示する。ステップS4終了後、ステップS5に進む。
【0036】
(ステップS5)発信者は、表示部307上に表示された着信者の各IDの在圏情報を見ながら、各ID情報に対して、入力部308を用いて通話機能を選択する。通話機能とは、音声通話、またはビデオ通話である。
図7は、端末31の表示部307に表示される通話機能の選択画面の一例である。
図7に示すように、表示画面には、着信者情報、着信者のID情報、登録装置40から取得した在圏情報、及び通話機能の選択部が、例えば表形式で表示される。
図7に示した例において、発信者は、ID−1は第1システム10、すなわち自宅で使用されて無線LAN環境に接続されているため、画像の送受信を行えると判断する。このため、発信者は、ID−1の通話機能として、ビデオ通話を選択する。次に、発信者は、ID−2がID−1と同様に自宅で使用されていると判断し、ID−2の通話機能として、ビデオ通話を選択する。次に、
発信者は、ID−3が3G回線で接続されているため、映像の送受信が途切れる可能性があると判断する。このため、発信者は、ID−3の通話機能として、音声通話を選択する。すなわち、発信者は、着信者(通話相手)の端末が接続されているネットワークを示す情報の在圏情報に応じて、通話機能を選択する。
【0037】
あるいは、着信者が第1システム10内に滞在し、端末50が第1システム10内にある場合、端末50は、無線LAN装置13を自動的に検出して接続する。このように、端末50の在圏情報が、自宅無線LAN回線の場合、発信者は、着信者が自宅にいると判断して、端末50の通話機能としてビデオ通話を選択するようにしてもよい。ステップS5終了後、ステップS6に進む。
【0038】
(ステップS6)端末31の通話手段制御部304は、同じ在圏情報を有する全てのIDに対して、選択された通話機能に基づいて発呼する。例えば、端末11(ID−1)、端末12(ID−2)、及び端末50(ID−3)の全ての在圏情報が、自宅無線LAN接続の場合、通話手段制御部304は、ID−1、ID−2及びID−2に対して、ビデオ通話部306を用いてビデオ通話を行う通話モードで発呼する。なお、通話手段制御部304が、音声通話部305またはビデオ通話部306を用いて行う送信信号には、通話モードを示す情報が含まれているようにしてもよい。ステップS6終了後、ステップS7に進む。
【0039】
(ステップS7)通話手段制御部304は、発呼に対する着呼があったか否かを判別する。着呼があった場合(ステップS7;Yes)、ステップS8に進む。着呼がない場合(ステップS7;No)、ステップS6に戻り、予め定められている回数または期間、発呼を継続する。
【0040】
(ステップS8)着呼があった場合、通話手段制御部304は、着呼があった端末以外への発呼を停止する。次に、通話手段制御部304は、着呼があった端末との通話を、設定した通話機能により行う。
着信側の端末(端末11、端末12、または端末50)の通話手段制御部105は、端末31から送信された送信信号から通話モードを示す情報を抽出する。通話手段制御部105は、抽出した通話モードに基づいて、音声通話部106またはビデオ通話部107を用いて、発信側の端末31との通話を行う。
以上で、通話システム1の処理を終了する。
【0041】
以上のように、本実施形態によれば、発信者側で、着信者が有しているID情報毎の在圏情報を取得し、取得した在圏情報に基づいて通話機能を選択して発呼を行うようにした。このため、着信者が有している端末が、3G回線に接続されている場合には音声通話を行うモードで発呼が行われるため、通話が途切れず、なめらかな通話を行うことができる。また、自宅無線LANまたは公衆無線LANに接続されている場合には、発信側でビデオ通話を行うモードで発呼が行われる。この場合、無線LAN経由のため、映像の送受信を行っても通話が途切れず、なめらかな通話を行うことができる。また、端末が3G回線に接続されている場合には、ビデオ通話ではなく音声通話を行うようにしたので、3G回線のトラフィックを軽減できる効果もある。
【0042】
なお、本実施形態では、発信者が利用する端末として端末31がPCである場合を説明したが、端末31は、IP電話機能を有するTV、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。
【0043】
なお、本実施形態では、発信者が、着信者の端末が接続されているネットワークに応じて通話機能を選択する例を説明したが、発信者の端末31が、着信者の端末が接続されているネットワークに応じて通話機能を選択するようにしてもよい。
発信者の端末31が、着信者の端末が接続されているネットワークに応じて通話機能を選択する一例を説明する。この場合、在圏情報は、自宅無線LAN回線、公衆無線LAN回線、及び3G回線に加えて、通信使用料金が有料の無線LAN環境の回線、発信者に対して着信者が海外のネットワークである回線であってもよい。すなわち、在圏情報は、発信先の端末が使用されている状態を示す情報であってもよい。
着信者の端末が、通信速度が高速かつ通信料金が安価なネットワークに接続されている場合、端末31は、リッチなデータサイズの通信を行うように制御する。
着信者の端末が、通信料金が高価なネットワークに接続されている場合、端末31は、プアなデータサイズの通信を行うように制御する。
着信者の端末が、通信速度が低速なネットワークに接続されている場合、端末31は、プアなデータサイズの通信を行うように制御する。
【0044】
なお、
図7に示した通話機能の選択画面において、在圏情報に基づき、通話機能の初期値を設定しておき、発信者は、変更がある場合のみ通話機能を切り替えるようにしてもよい。通話機能の初期値は、例えば、自宅無線LAN接続、及び公衆無線LAN接続に対しては、ビデオ通話を設定し、3G回線に対しては、音声通話を設定しておくようにしてもよい。
また、端末31は、通話機能の選択を初めての通話時のみ行い、次回からは初回で選択された通話機能を用いて発呼を行うようにしてもよい。
【0045】
図6に示した通話システム1の処理において、ステップS1及びS2は、ID情報を有している着信者が、例えば機器を起動したとき、または着信者が、各端末から手動で登録装置40に在圏情報を登録するようにしてもよい。
また、端末が起動されていない場合や、登録装置40に在圏情報が一度も登録していない場合もあり、着信者が1つのIDのみ有している場合もある。このため、登録装置40に登録される在圏情報の初期値を自宅無線LAN接続に設定しておくようにしてもよい。
【0046】
なお、本実施形態において、発信者は、着信者が有しているIDに対応する全ての端末に発呼を行う例を説明したが、これに限られない。例えば、端末50の在圏情報が3G回線接続の場合、着信者が第1システム10の外に滞在していると発信者が判断し、端末50のみに発呼するようにしてもよい。
または、端末50の在圏情報が、自宅無線LAN接続である場合、着信者が第1システム10の内に滞在していると発信者が判断し、端末11のみに発呼するようにしてもよい。
【0047】
なお、本実施形態において、着信側の端末として、端末11、端末12、及び端末50、送信側の端末として、端末31を用いる例を説明したが、これに限られない。端末11、端末12、及び端末50が送信側の端末であってもよく、端末31が着信側の端末であってもよい。また、各端末(端末11、端末12、端末50、端末31)は、
図2及び
図3に示した機能部を両方、備えるようにしてもよい。
【0048】
[第2実施形態]
第1実施形態では、着信者の端末が、自宅無線LANに接続、公衆無線LANに接続、また3G回線に接続されている場合に、発信者側で、通話機能を選択する例を説明した。
第2実施形態では、3G回線等を利用した携帯型の無線LAN(第4通信方式)ルーター(以下、携帯無線LAN装置という)を介して、PC、スマートフォン、及びタブレット端末からインターネットに接続する利用している場合の通話について説明する。
【0049】
図8は、本実施形態に係る通話システム1aの概略構成図である。
図1の通話システム1との差異は、登録装置40a、及び携帯無線LAN装置95である。
なお、端末11、端末12、端末50の構成は、第1実施形態の
図2に示した構成と同様である。また、端末31の構成は、第1実施形態の
図3に示した構成と同様である。
図8に示すように、端末50は、携帯無線LAN装置95、及び基地局60を介して、第2ネットワーク70と接続されている。
【0050】
登録装置40aには、
図9に示すように、端末のID情報、機種情報、在圏情報、及び所在情報が関連付けられて記憶されている。
図9は、本実施形態に係る登録装置40に登録されている情報の一例を説明する図である。なお、所在情報とは、各端末が設置、または各ネットワークに接続されている位置を示す情報であり、例えば、GPS(Global Positioning System)が取得した、緯度、経度を含む情報、または住所等の情報である。
【0051】
携帯無線LAN装置95は、無線LAN規格に基づいた通信を行うルーター機能を備えている。携帯無線LAN装置95には、端末50が接続されている。また、携帯無線LAN装置95は、接続されている端末50を、基地局60を介して第2ネットワーク70との相互接続を行う。
なお、端末50が携帯無線LAN装置95と接続されている場合、端末50の在圏情報は、携帯無線LAN接続である。
【0052】
次に、携帯無線LAN装置95を使用している場合の在圏情報について説明する。
携帯無線LAN装置95は、第1システム10の外で使用されるだけではなく、第1システム10内でも使用される場合もある。携帯無線LAN装置95が第1システム10内でも使用されている場合、端末50の在圏情報だけでは、着信者が、第1システム10内に来在しているのか、第1システム10の外にいるのかを判断するのは難しい。
このため、着信者は、端末11または端末12のように第1システム10内でのみ使用する端末の在圏情報を登録装置40に登録する場合、据え置き型の端末が設置されている所在情報も合わせて登録する。なお、据え置き型の端末とは、第1システム10内でしか用いない端末であり、例えば、TV、デスクトップ型のPC等である。
例えば、端末50がGPSを備えている場合、端末50の在圏情報と所在情報を登録装置40に登録する。端末11及び端末12がGPSを備えていない場合、端末11及び端末12は、例えば、所在位置を「自宅」として登録装置40に登録するようにしてもよい。または、端末11及び端末12は、端末50が自宅で使用されている時の所在情報を、端末11及び端末12の所在情報として登録するようにしてもよい。
【0053】
着信者が、端末50及び携帯無線LAN装置95を第1システム10の外で使用している場合、端末50が取得した位置情報を在圏情報と合わせて登録装置40に登録して更新する。なお、更新の間隔は、例えば、一定時間毎に行ってもよく、または、予め定められている距離移動毎に行ってもよい。または、更新の間隔は、着信者の利用環境が変わったときに随時、更新するようにしてもよい。
また、端末50が、GPS機能を備えていない場合、例えば携帯無線LAN装置95が接続されている基地局60の情報を所在情報として登録装置40aに登録するようにしてもよい。
【0054】
発信者は、端末31の表示部307に表示された情報に基づき、着信者が第1システム10内に滞在しているのか、第1システム10外に滞在しているのか判断する。具体的には、端末50の在圏情報が携帯無線LAN接続、所在情報が自宅の位置を示す情報の場合、発信者は、着信者が第1システム10内に滞在していると判断して、例えば端末11のみに発呼するようにしてもよい。または、端末50の在圏情報が携帯無線LAN接続、所在情報が自宅以外の位置を示す情報の場合、発信者は、着信者が第1システム10外に滞在していると判断して、例えば端末50のみに発呼するようにしてもよい。
【0055】
以上のように、本実施形態では、まず据え置き型の端末が設置されている場所を示す情報を所在情報として、在圏情報と関連付けて登録装置40aに登録するようにした。そして、着信者が携帯無線LAN装置95を介して端末50をネットワークに接続している場合、端末50の所在情報を所定の間隔、または使用環境が変化した場合等に登録装置40aに登録して更新するようにした。発信者は、各端末の所在情報を合わせて登録装置40aに問い合わせ、問い合わせた結果に基づいて、着信者が第1システム10(自宅)内に滞在しているのか、第1システム10外に滞在しているのかを判断する。そして、発信者は、この判断した結果に基づいて、各端末の通話機能を切り替え、どの端末に発呼を行うのかを判断する。この結果、着信者が有している端末が接続されている回線に合わせた通話機能を選択できるので、通話が途切れず、なめらかな通話を行うことができる。
【0056】
なお、本実施形態において、発信者が端末31の表示部に表示された情報を見て、各端末の通話機能を切り替え、どの端末に発呼を行うのかを判断する例を説明したが、端末31が、通話機能及び発呼先を判別するようにしてもよい。
【0057】
[第3実施形態]
本実施形態では、着信者が使用する各端末に着信履歴機能がある場合について説明する。なお、着信履歴機能とは、発信者から発呼があったことを示す情報が、端末に記録され残されている情報である。
例えば、着信者の端末が、
図1に示したように、端末11、端末12、及び端末50の3台ある環境を例に以下を説明する。また、例えば、着信者は、端末50を持って第1システム10内の端末11及び端末12が設置されている部屋とは別の部屋に滞在している場合を例に説明する。
【0058】
まず、第1実施形態のように、端末31が登録装置40から取得した在圏情報に基づき表示部307に表示情報を表示する。
発信者は、表示部307に表示された表示情報に基づいて、着信者が在宅していると判断する。
端末31の通話手段制御部304は、着信者の全てのIDに対して発呼する。
【0059】
次に、着信者は、端末50を用いて、端末31からの発呼を着信する。この場合、端末11及び端末12は、端末31からの発呼に応じなかったため、着信履歴が記録される。
着信者が、端末11及び端末12に残されている着信履歴を見た場合、例えば、着信履歴が複数残っていると、すでに端末50で着信したものであるのか否かを判別できない。
【0060】
このため、本実施形態の通話システム1bでは、各端末間の着信履歴を同期させる。
図10は、本実施形態に係る通話システム1bの概略構成図である。
図10に示すように、通話システム1bの全体構成は、第1実施形態の
図1で示した通話システム1と同等であり、各端末(端末11b、端末12b、及び端末50b、)の機能が異なる。なお、端末31の構成は、第1実施形態の
図3の構成と同様である。
【0061】
図11は、本実施形態に係る端末11bのブロック図である。
図11に示すように、端末11bは、送受信部101、回線情報取得部102、固有情報記憶部103、端末情報送信部104、通話手段制御部105、音声通話部106、ビデオ通話部107、着信履歴記憶部111、及び着信履歴同期部112を備えている。
第1実施形態の
図2で説明した端末との違いは、着信履歴記憶部111、及び着信履歴同期部112である。なお、端末12b、及び端末50bの構成は、端末11bと同じである。
【0062】
着信履歴記憶部111には、発信側からの着信履歴が記憶されている。着信履歴は、例えば、発信者情報(ID情報または名前)、着呼時刻、及び発呼を着信したことを示す情報等である。
端末11bの着信履歴同期部112は、端末11bが着信した場合、他の端末(端末12b、及び端末50b)に対して、発呼を着信したことを示す情報を送信する。
【0063】
他の端末(端末12b、及び端末50b)の着信履歴同期部112は、端末11bから受信した発呼を着信したことを示す情報を、自端末の着信履歴記憶部111に書き込むことで、着信履歴を同期する。
【0064】
次に、通話システム1bの同期処理の一例について説明する
図12は、本実施形態に係る通話システム1bの同期処理手順の一例のフローチャートである。
(ステップS101)第1実施形態と同様に、ステップS1からS7の処理を行う。ステップS101終了後、ステップS102に進む。
(ステップS102)端末31の通話手段制御部304は、発信者からの発呼に対する着呼があったか否かを判別する。発呼に対する着呼があった場合、着呼があった端末以外への発呼を停止する。次に、通話手段制御部304は、発呼に対する着呼があった端末との通話を、設定した通話機能により行う。ステップS102では、端末50bが着信する。ステップS102終了後、ステップS103に進む。
【0065】
(ステップS103)通話手段制御部304は、通話が完了した後、着信者との接続を解除する。ステップS103終了後、ステップS104に進む。
(ステップS104)端末50bの着信履歴同期部112は、発信者との接続が解除された後、第1システム10に設置されている端末11及び端末12の着信履歴を自端末の着信履歴と同期させる。
具体的には、端末50bの着信履歴同期部112は、着信履歴記憶部111に記憶されている発呼を着信したことを示す情報を、端末11b及び端末12bに無線LAN装置13経由で送信する。
端末11b及び端末12bの着信履歴同期部112は、端末50bから受信した発呼を着信したことを示す情報に基づいて、各着信履歴記憶部111に記憶されている着信履歴情報を書き換える。以上の処理により、着信した端末50bの着信履歴同期部112は、各端末間の着信履歴情報を同期させる。
なお、発呼を着信した端末は、通話時間を示す情報等を合わせて他の端末に送信して、着信履歴を更新するようにしてもよい。
【0066】
以上のように、本実施形態においては、着信者側の発呼を着信した端末が、同じネットワーク上の他の端末の着信履歴を自端末の着信履歴と同期させる。この結果、着信者は、発呼を着信しなかった端末の着信履歴を見て、この着信に対してすでに着信者側の発呼を着信したことを確認することができる。従って、着信履歴を見て、その着信履歴に対して、こちらから発呼を行う必要があるか否かを判別できる。
【0067】
なお、本実施形態では、着信者側の発呼を着信した端末が、同じネットワーク上の他の端末の着信履歴を自端末の着信履歴と同期させる例を説明したが、発信者側の端末31が、着信者の端末の着信履歴を更新するように制御するようにしてもよい。
具体的には、発信者が通話を切断した後、端末31は、ステップS6において同時に発呼を行い、着信しなかった端末に対して、発呼を着信したことを示す情報を含む通信を自動的に行うことで、着信者側の端末間の着信履歴を同期させるようにしてもよい。
【0068】
なお、第1〜第3実施形態では、在圏情報として、自宅無線LAN接続、公衆無線LAN接続、及び3G回線接続の例を示したがこれに限られない。例えば、着信者が端末50(含む50b)をもって海外に行った場合、登録装置40(含む40a)に、在圏情報として、海外にいることを示す情報、及び滞在国を示す情報を加えて登録するようにしてもよい。すなわち、在圏情報は、発信先の端末が使用されている状態を示す情報であってもよい。この場合、着信者の端末50(含む50b)に対応するID−3の在圏情報が3G回線接続であっても、海外との通話となることを、発信者は発呼前に確認することができる。発信者は、このため、用件を手短にしたり、滞在国を示す情報に基づき、時差を考慮して発呼を行ったりすることができる。
【0069】
なお、本実施形態では、着信者が有しているID情報毎の在圏情報を登録装置40(含む40a)に登録し、発信者は登録されている在圏情報を登録装置40に問い合わせる例を説明したが、これに限られない。通話システム1(含む1a、及び1b)は、登録装置40(含む40a)を備えなくてもよい。
この場合、着信者は、ID情報を有している端末の機種情報及び初期の在圏情報等を、予め発信者に送信して伝えるようにしてもよい。送信は、例えば、電子メール、ショート・メッセージ・サービス(SMS)、マルチメディア・メッセージ・サービス(MMS)等を用いて行うようにしてもよい。そして、スマートフォンやタブレットなど、第1システム10の外に持ち出して用いる端末についてのみ、同じ通信状態が予め定められている時間継続した場合、着信者が有している端末、例えば端末50は、その端末が接続可能な自宅無線LAN、公衆無線LAN、及び3G回線のいずれかに接続しているかを示す在圏情報を電子メールで発信者に送信するようにしてもよい。なお、予め定められている時間とは、例えば1時間である。
【0070】
なお、本実施形態では、在圏情報として、自宅無縁LAN接続、公衆無線LAN接続、3G回線接続を用いる例を説明したがこれに限られない。例えば、在圏情報は、LTE(ロング・ターム・エボリューション)等の通信規格、フェトムセル等の情報を含むようにしてもよい。
【0071】
なお、本実施形態では、発信者側と着信者側とで、IPを使った電話サービスを用いる例を説明したが、ピア・ツー・ピア(Peer to Peer)を利用した通信であってもよく、またはPush(プッシュ)型の通信であってもよい。