特許第5873341号(P5873341)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5873341
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】幹事支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20160216BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20160216BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20160216BHJP
【FI】
   G06Q30/02 140
   G06Q30/06 210
   G06Q10/02
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-8624(P2012-8624)
(22)【出願日】2012年1月19日
(65)【公開番号】特開2013-149054(P2013-149054A)
(43)【公開日】2013年8月1日
【審査請求日】2015年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】100088214
【弁理士】
【氏名又は名称】生田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100134588
【弁理士】
【氏名又は名称】吉浦 洋一
(72)【発明者】
【氏名】滝 久雄
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 真吾
【審査官】 貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−053848(JP,A)
【文献】 特開2011−053845(JP,A)
【文献】 特開2003−036334(JP,A)
【文献】 特開2011−060096(JP,A)
【文献】 特開2006−195515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食店の予約を行う幹事支援システムであって、
ユーザが利用するユーザ端末からの処理要求を受け付ける処理要求受付部と、
幹事としてみなすための処理要求を幹事行動要件として記憶する幹事行動要件記憶部と、
前記処理要求受付部で受け付けた処理要求が、幹事としての行動であるかを前記幹事行動要件記憶部に記憶する幹事行動要件に基づいて判定する幹事行動判定部と、
ユーザに関する情報を記憶するユーザ情報記憶部と、
前記幹事行動判定部において、前記ユーザが幹事としての行動であることを判定すると、前記ユーザ情報記憶部に、該ユーザに幹事としてのインセンティブを付与して記憶させるインセンティブ処理部と、を有し、
前記インセンティブ処理部は、
前記幹事行動判定部において、前記ユーザが幹事としての行動であることを判定すると、前記ユーザ情報記憶部に、該ユーザに幹事としてのインセンティブとして、通常のユーザに対して付与するポイントよりも多いポイントを付与して記憶させる、
ことを特徴とする幹事支援システム。
【請求項2】
飲食店の予約を行う幹事支援システムであって、
ユーザが利用するユーザ端末からの処理要求を受け付ける処理要求受付部と、
幹事としてみなすための処理要求を幹事行動要件として記憶する幹事行動要件記憶部と、
前記処理要求受付部で受け付けた処理要求が、幹事としての行動であるかを前記幹事行動要件記憶部に記憶する幹事行動要件に基づいて判定する幹事行動判定部と、
ユーザに関する情報を記憶するユーザ情報記憶部と、
前記幹事行動判定部において、前記ユーザが幹事としての行動であることを判定すると、前記ユーザ情報記憶部に、該ユーザに幹事としてのインセンティブを付与して記憶させるインセンティブ処理部と、を有し、
前記インセンティブ処理部は、
前記幹事行動判定部において、前記ユーザが幹事としての行動であることを複数回判定すると、前記ユーザ情報記憶部に、該ユーザに幹事としてのインセンティブとして、幹事として通常付与するポイントまたは通常のユーザに対して付与するポイントよりも多いポイントを付与して記憶させる、
ことを特徴とする幹事支援システム。
【請求項3】
飲食店の予約を行う幹事支援システムであって、
ユーザが利用するユーザ端末からの処理要求を受け付ける処理要求受付部と、
幹事としてみなすための処理要求を幹事行動要件として記憶する幹事行動要件記憶部と、
前記処理要求受付部で受け付けた処理要求が、幹事としての行動であるかを前記幹事行動要件記憶部に記憶する幹事行動要件に基づいて判定する幹事行動判定部と、
ユーザに関する情報を記憶するユーザ情報記憶部と、
前記幹事行動判定部において、前記ユーザが幹事としての行動であることを判定すると、前記ユーザ情報記憶部に、該ユーザに幹事としてのインセンティブを付与して記憶させるインセンティブ処理部と、を有し、
前記インセンティブ処理部は、
前記幹事行動判定部において判定した幹事としての行動に応じて、あらかじめ定められたポイントを、前記ユーザ情報記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする幹事支援システム。
【請求項4】
前記幹事行動要件記憶部は、
善意に対する幹事行動要件と悪意に対する幹事行動要件とを含んでおり、
前記幹事行動判定部は、
前記善意に対する幹事行動要件について、
前記処理要求受付部において受け付けた前記ユーザ端末からの処理要求に基づいて判定し、
前記悪意に対する幹事行動要件について、
飲食店に設置された読取装置または前記ユーザが利用する可搬型通信端末から、前記可搬型通信端末を前記読取装置に接触または近接させたことを示す情報を前記処理要求受付部において受け付けることによって判定する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の幹事支援システム。
【請求項5】
前記幹事行動要件には、特定のキャンペーンの予約処理要求が含まれており、
前記インセンティブ処理部は、
前記幹事行動判定部において、所定期間内に、前記幹事行動要件としてあらかじめ定められた特定のキャンペーンへの予約処理要求を行ったことを複数回判定すると、前記ユーザ情報記憶部に、該ユーザに幹事としてのインセンティブとして、幹事として通常付与するポイントまたは通常のユーザに対して付与するポイントよりも多いポイントを付与して記憶させる、
ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の幹事支援システム。
【請求項6】
前記幹事行動要件には、少なくとも、特定のウェブサイトへのアクセス処理要求、飲食店への直接予約処理要求、担当者を利用した飲食店への予約処理要求、特定のキャンペーンの予約処理要求、他のユーザの電子メールアドレスに対する飲食店に関する情報の転送処理要求のうちのいずれかが含まれている、
ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の幹事支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店の予約を行う場合に、幹事が幹事がらみの行動を取ると通常とは異なるポイントが付与されることで、幹事としての貢献を評価し、幹事による飲食店の予約を促進する幹事支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店で複数名で飲食を行う場合、そのうちの一名が幹事となり、日時、希望する飲食店の聴取、飲食店の選定、予約、料理の注文、会計といったように、多くの作業を行わなければならない。そのため、幹事を行うことは負担であって、通常は、幹事をやりたがらないことが多い。
【0003】
そこで下記特許文献1に示すように、宴会などの会合において幹事の支援を行うシステムが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−16170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の支援システムを用いることで幹事の負担を軽減することは出来る。しかしこの支援システムを用いたとしても、幹事が行う作業が軽減されるだけであるので、作業を全く行わなくて良いわけではない。つまり、無償での作業が課されることには変わりはない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
幹事である以上、何らかの作業を行う必要があるのはやむを得ない。そこで本願発明者は、幹事が幹事としての行動(幹事がらみの行動)を行ったときに、幹事であることの地位に基づき、ポイントによりインセンティブを付与することで、幹事としての貢献が評価される、幹事支援システムを発明した。
【0007】
第1の本発明は,飲食店の予約を行う幹事支援システムであって、ユーザが利用するユーザ端末からの処理要求を受け付ける処理要求受付部と、幹事としてみなすための処理要求を幹事行動要件として記憶する幹事行動要件記憶部と、前記処理要求受付部で受け付けた処理要求が、幹事としての行動であるかを前記幹事行動要件記憶部に記憶する幹事行動要件に基づいて判定する幹事行動判定部と、ユーザに関する情報を記憶するユーザ情報記憶部と、前記幹事行動判定部において、前記ユーザが幹事としての行動であることを判定すると、前記ユーザ情報記憶部に、該ユーザに幹事としてのインセンティブを付与して記憶させるインセンティブ処理部と、を有し、前記インセンティブ処理部は、前記幹事行動判定部において、前記ユーザが幹事としての行動であることを判定すると、前記ユーザ情報記憶部に、該ユーザに幹事としてのインセンティブとして、通常のユーザに対して付与するポイントよりも多いポイントを付与して記憶させる幹事支援システムである。
【0008】
本発明のように構成することで、ユーザが行った処理要求が幹事としての行動であると判定できる場合には、そのユーザに対してインセンティブを付与することが出来る。その結果、幹事であるユーザは、幹事として行動したことに対する貢献への評価としてメリットを享受できる。そのため、幹事をやろうとする意識の惹起につなげることが出来る。
【0010】
幹事に対して付与されるインセンティブとしては、ポイントであることが好ましい。そしてこのポイントを蓄積することで割引を受けたり、商品やサービスとの交換が出来ると良い。
【0011】
上述の発明において、前記幹事行動要件記憶部は、善意に対する幹事行動要件と悪意に対する幹事行動要件とを含んでおり、前記幹事行動判定部は、前記善意に対する幹事行動要件について、前記処理要求受付部において受け付けた前記ユーザ端末からの処理要求に基づいて判定し、前記悪意に対する幹事行動要件について、飲食店に設置された読取装置または前記ユーザが利用する可搬型通信端末から、前記可搬型通信端末を前記読取装置に接触または近接させたことを示す情報を前記処理要求受付部において受け付けることによって判定する、幹事支援システムのように構成することができる。
【0012】
インセンティブが付与される場合には、悪意による利用も想定される。つまり、実際に来店する意思がないにもかかわらず、インセンティブを得るためだけに予約をする、といったことが想定される。そこで本発明のように、悪意に対する幹事行動要件を設け、それが実際に飲食店に訪れたのでなければ行えないような処理、すなわち可搬型通信端末を読取装置に接触または近接させることとすることで、上述のような悪意を防止することが出来る。
【0013】
インセンティブを付与するためには、幹事行動要件として満たした場合のほか、たとえば以下のような場合がある。すなわち、前記インセンティブ処理部は、前記幹事行動判定部において、前記ユーザが幹事としての行動であることを複数回判定すると、前記ユーザ情報記憶部に、該ユーザに幹事としてのインセンティブとして、幹事として通常付与するポイントまたは通常のユーザに対して付与するポイントよりも多いポイントを付与して記憶させる、幹事支援システムのように構成することができる。
【0014】
また所定期間内に複数回の幹事行動要件がある場合であっても良い。すなわち、前記幹事行動要件には、特定のキャンペーンの予約処理要求が含まれており、前記インセンティブ処理部は、前記幹事行動判定部において、所定期間内に、前記幹事行動要件としてあらかじめ定められた特定のキャンペーンへの予約処理要求を行ったことを複数回判定すると、前記ユーザ情報記憶部に、該ユーザに幹事としてのインセンティブとして、幹事として通常付与するポイントまたは通常のユーザに対して付与するポイントよりも多いポイントを付与して記憶させる、幹事支援システムのように構成することができる。
【0015】
さらに付与するポイントとしては、幹事行動要件ごとに定めることが出来る。すなわち、前記インセンティブ処理部は、前記幹事行動判定部において判定した幹事としての行動に応じて、あらかじめ定められたポイントを、前記ユーザ情報記憶部に記憶させる、幹事支援システムのように構成することができる。また、前記幹事行動要件には、少なくとも、特定のウェブサイトへのアクセス処理要求、飲食店への直接予約処理要求、担当者を利用した飲食店への予約処理要求、特定のキャンペーンの予約処理要求、他のユーザの電子メールアドレスに対する飲食店に関する情報の転送処理要求のうちのいずれかが含まれていることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の幹事支援システムを用いることで、幹事に対して、幹事としての行動を行うことでポイントによるインセンティブが働く。これによって、従来はあまりやりたがらなかった幹事を、積極的にやろうとする意識を惹起することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の幹事支援システムのシステム構成の一例を模式的に示す図である。
図2】管理サーバのハードウェア構成の一例を模式的に示す図である。
図3】本発明の幹事支援システムの処理プロセスの一例を模式的に示す図である。
図4】担当者を利用した飲食店の予約を行う場合の条件を入力する画面の一例である。
図5】飲食店の側から受け付けることで飲食店の予約を行う場合の条件を入力する画面の一例である。
図6】幹事行動要件記憶部の一例を模式的に示す図である。
図7】ユーザ情報記憶部の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の幹事支援システム1のシステム構成の一例の概念図を図1に模式的に示す。幹事などのユーザが利用するユーザ端末3と、飲食店に設置された読取装置4と、幹事支援システム1における処理を実行する管理サーバ2との間で通信が可能である。
【0019】
管理サーバ2のハードウェア構成の一例を図2に模式的に示す。コンピュータは、プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置70と、情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置71と、演算装置70の処理結果や記憶装置71に記憶する情報をインターネットやLANなどのネットワークを介して送受信する通信装置74とを少なくとも有している。コンピュータ上で実現する各機能(各手段)は、その処理を実行する手段(プログラムやモジュールなど)が演算装置70に読み込まれることでその処理が実行される。各機能は、記憶装置71に記憶した情報をその処理において使用する場合には、該当する情報を当該記憶装置71から読み出し、読み出した情報を適宜、演算装置70における処理に用いる。当該コンピュータには、キーボードやマウスやテンキーなどの入力装置73、モニターなどの表示装置72を有していても良い。また、コンピュータは、複数のコンピュータまたはサーバに、その機能が分散配置されていても良い。
【0020】
本発明における各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。
【0021】
ユーザが利用するユーザ端末3は、パーソナルコンピュータや可搬型通信端末である。可搬型通信端末は、携帯電話やPHS、タブレット型のコンピュータなど、持ち運びが可能なコンピュータである。
【0022】
読取装置4は、接触または非接触によってユーザが利用する可搬型通信端末と通信が可能な装置であって、店舗または読取装置4を識別可能な情報(以下、総称して「読取装置識別情報」という)が記憶されている。読取装置4と可搬型通信端末との間の通信にはさまざまな通信方式があるが、たとえばNFC方式(Near Field Communication)などのRFIDが一例としてある。なお、これには限定されない。また、読取装置4には、インターネットなどのネットワークでの通信が可能な装置と、ネットワークでの通信が行えない装置のいずれも用いることができる。
【0023】
ネットワークでの通信が可能な読取装置4の場合、可搬型通信端末のユーザ識別情報記憶部(図示せず)に記憶されたユーザ識別情報を読み取り、読み取ったユーザ識別情報と読取装置識別情報と来店日時情報とを管理サーバ2に送信する。なお、ここでネットワークでの通信が可能な読取装置4とは、読取装置4そのものに通信機能が内蔵されているほか、読取装置4と接続された、ネットワークでの通信が可能な装置(たとえばPOSレジやコンピュータ端末など)の場合も含む。
【0024】
ネットワークでの通信が行えない読取装置4の場合、読取装置4に記憶された読取装置識別情報を可搬型通信端末に送り、可搬型通信端末から、ユーザ識別情報と読取装置識別情報と来店日時情報とを管理サーバ2に送信する。
【0025】
このように、可搬型通信端末を読取装置4に接触または近接させたことを示す情報を読取装置4または可搬型通信端末から管理サーバ2に送る。
【0026】
管理サーバ2は、処理要求受付部20と幹事行動判定部21と幹事行動要件記憶部22とインセンティブ処理部23とユーザ情報記憶部24とを有している。
【0027】
管理サーバ2は、飲食店に関する情報の提供を行うウェブサイトを機能させるコンピュータであって、ユーザ端末3から飲食店に関する予約等の要求を受け付けると、それを飲食店が有するコンピュータ端末(飲食店端末。図示せず)に対して通知し、当該飲食店への予約処理を行わせるなど、飲食店に関するさまざまな処理を実行するコンピュータである。
【0028】
処理要求受付部20は、ユーザ端末3から、飲食店の予約を行いたいことの処理要求を受け付け、それを飲食店端末または当該幹事支援システム1の運営企業の担当者が利用するコンピュータ端末(担当者端末。図示せず)に対して通知を行うことで、当該受け付けた要求に対する処理を行わせる。
【0029】
たとえばユーザ端末3から、当該ユーザを識別するユーザ識別情報、飲食店を識別する飲食店識別情報、予約を行うために必要な希望日時の情報、人数などを受け付けると、当該飲食店識別情報に基づいて、対応する飲食店を特定し、当該飲食店が利用する飲食店端末に、当該ユーザからの予約要求を送る。
【0030】
また、飲食店を特定して予約をするのではなく、人数、予算、場所、目的などの条件を入力すると、それが担当者端末に対して通知され、担当者がそれらの条件を確認して飲食店に対する予約の手配を行うようにすることも出来る。図4にこの条件の入力画面の一例を模式的に示す。
【0031】
さらに上記条件を入力すると、その条件を飲食店が飲食店端末を介して閲覧するウェブサイト上に掲載し、それを閲覧した飲食店側から電子メールや電話などユーザが指定する方法で、飲食店側からの提案を受け取る方法もある。図5にこの条件の入力画面の一例を模式的に示す。
【0032】
このように処理要求受付部20は、ユーザ端末3から、飲食店での予約を行うために必要なさまざまな処理要求を受け付ける。なお処理要求受付部20で受け付ける処理要求としては、上記に限定されるものではなく、それ以外にもユーザ端末3から所定のウェブサイト、たとえばあらかじめ定められた特集(某新年会、歓送迎会、個室などの特集)のウェブサイトへのアクセス、ユーザ端末3から当該ユーザがほかのユーザの電子メールアドレスに対して、飲食店に関する情報を転送する要求を受け付ける、などの処理要求もある。
【0033】
幹事行動判定部21は、後述する幹事行動要件記憶部22に記憶する情報に基づいて、ユーザ端末3から受け付けた処理要求を示す情報が幹事としての処理要求(幹事がらみの行動)であるかを判定する。
【0034】
幹事行動要件記憶部22は、ユーザ端末3から受け付けた処理要求が、幹事がらみの行動であるかを判定するための幹事行動要件の情報を記憶している。図6に幹事行動要件記憶部22の一例を模式的に示す。
【0035】
図6の幹事行動要件としては、善意に対する幹事行動要件、中間幹事行動要件、悪意に対する幹事行動要件が記憶されており、それぞれについて条件を充足することで後述のインセンティブが付与される。善意に対する幹事行動要件のみの場合は、その処理要求をすれば条件を充足する行動要件であり、中間幹事行動要件まで含まれている場合は、善意に対する幹事行動要件をした上で中間幹事行動要件をすることで条件を充足する行動要件であり、悪意に対する幹事行動要件までが含まれている場合は、すべての処理要求を充足しないと条件を充足しない行動要件である。
【0036】
換言すると、善意に対する幹事行動要件のみが登録されている場合には、その幹事行動要件を充足しさえすればインセンティブが付与され、善意に対する幹事行動要件と中間幹事行動要件とが登録されている場合には、それらの幹事行動要件を充足すればインセンティブが付与され、善意に対する幹事行動要件と中間幹事行動要件と悪意に対する幹事行動要件とが登録されている場合には、それらのすべての幹事行動要件を充足しなければインセンティブが付与されない。
【0037】
インセンティブ処理部23は、幹事行動判定部21において幹事行動要件を充足し、幹事としての行動を取った(幹事としての処理要求を行った)と判定したユーザに対して、あらかじめ定められたインセンティブを付与する。すなわち、後述するユーザ情報記憶部24に記憶するユーザに、所定のポイントを加算する、などの処理を行う。この際の所定のポイントとしては、一般のユーザ(幹事ではないユーザ)に対して付与されるポイントのX倍のポイントを付与する、といったことがある。
【0038】
ユーザ情報記憶部24は、ユーザに関する情報を記憶する。ユーザに関する情報としては、ユーザ識別情報、ユーザの電子メールアドレス、性別、年齢、電話番号などの属性情報、ユーザに付与されたポイント、幹事行動要件でどこまで充足しているのかを示す情報、などを記憶している。図7にユーザ情報記憶部24の一例を模式的に示す。
【0039】
次に本発明の幹事支援システム1を用いた処理プロセスの一例を、図3のフローチャートを用いて説明する。
【0040】
ユーザはユーザ端末3で所定の操作をすることによって、幹事支援システム1が運営するウェブサイトにログインをする。そしてログイン後、当該ウェブサイトなどから、ユーザが所望する処理要求を行う。
【0041】
たとえば特定のウェブサイトを閲覧する、飲食店の予約を行う、飲食店の情報をほかのユーザの電子メールアドレスに対して通知する、などがある。
【0042】
特定のウェブサイトを閲覧する場合、処理要求受付部20ではウェブサイトの閲覧要求とユーザ識別情報とをユーザ端末3から受け付けるので(S100)、それに基づいて、ウェブサイトの閲覧要求が、幹事行動要件記憶部22に記憶されている幹事行動要件と一致するかを、幹事行動判定部21で判定する。この場合、幹事行動要件記憶部22に記憶しているウェブサイトへのアクセスであったとすると、ID「1」の幹事行動要件に該当するので、幹事行動判定部21は、当該ユーザが幹事としての行動をとったと判定する(S110)。
【0043】
そしてID「1」の幹事行動要件としては、特定のウェブサイトへのアクセスのみであることから、中間幹事行動要件、悪意に対する幹事行動要件は含まれていないので(S120)、インセンティブ処理部23は、当該ユーザのIDに対応づけて、ポイントを付与する(S140)。この場合、通常のユーザに対して付与するポイントが「100」ポイントであったとすると、幹事行動判定部21で幹事であると判定したので、たとえば通常のユーザに対して付与されるポイントよりも2倍の「200」ポイントをインセンティブ処理部23は付与し、ユーザ識別情報に基づいて、ユーザ情報記憶部24の当該ユーザのユーザ識別情報のポイントに付与するポイントを加算して記憶させる。
【0044】
また、ユーザ端末3から受け付けた要求が飲食店への予約の要求である場合、当該ユーザのユーザ識別情報と飲食店の識別情報と予約日時、人数などの予約に必要な情報とを処理要求受付部20では受け付けるので、幹事行動判定部21では、幹事行動要件記憶部22を参照し、当該ユーザがID「2」の幹事としての行動を行ったことを判定する(S110)。
【0045】
そしてID「2」の幹事行動の場合には、中間幹事行動要件および悪意に対する幹事行動要件を充足することが必要なので、まず、幹事行動判定部21はユーザ情報記憶部24の当該ユーザ識別情報に対応づけて、ID「2」と充足した要件「1」(善意に対する幹事行動要件)とを記憶させる。
【0046】
そして、次に、ユーザ端末3または飲食店端末から予約成立の情報を処理要求受付部20で受け付けると、幹事行動判定部21は、当該ユーザのユーザ情報記憶部24に記憶した情報に基づいて、ID「2」の幹事行動要件が進行中であることを判定し、それに基づいて、ID「2」の幹事行動要件に該当するかを判定する。そして、予約成立の情報は中間幹事行動要件のオンライン予約成立に対応するので、幹事行動判定部21はユーザ情報記憶部24の当該ユーザ識別情報に対応づけて、充足した要件「2」(中間幹事行動要件)に更新する。一方、ID「2」の幹事行動要件に該当しない処理要求を受け付けた場合には、ほかの幹事行動要件に該当するかを判定し、上述と同様の処理を実行する。なお、ほかの幹事行動要件にも該当しない場合には、そのまま処理要求に対応する処理を実行すればよい。
【0047】
そしてさらに、ID「2」の充足した要件が「2」となった後、当該ユーザが飲食店の読取装置4にユーザの可搬型通信端末を読み取らせると、当該可搬型通信端末または読取装置4からユーザ識別情報、読取装置識別情報、日時情報など、可搬型通信端末を読取装置4に接触または近接させたことを示す情報を処理要求受付部20で受け付け、それらの情報に基づいて、ユーザ情報記憶部24に記憶した情報に基づいて、ID「2」の幹事行動要件が進行中であることを判定し、それに基づいて、ID「2」の幹事行動要件に該当するかを判定する。そして、読取装置4で読み取ったことを示す上記情報は悪意に対する幹事行動要件に対応するので(S120、S130)、幹事行動判定部21はユーザ情報記憶部24の当該ユーザ識別情報に対応づけて、要件を充足したことを示す「○」(すべての幹事行動要件を充足)に更新する。そしてインセンティブ処理部23は、当該ユーザが幹事行動要件のすべてを充足したことを判定し、ユーザ識別情報に基づいて、ユーザ情報記憶部24の当該ユーザのユーザ識別情報のポイントに付与するポイントを加算して記憶させる(S140)。
【0048】
また飲食店の予約が、担当者を利用した飲食店の予約の場合、ユーザはユーザ端末3から図4に示すような情報を入力すると、入力した情報を処理要求受付部20で受け付ける(S100)。この際にはユーザ識別情報も併せて受け付けている。
【0049】
そして、幹事行動判定部21では、幹事行動要件記憶部22を参照し、当該ユーザがID「3」の担当者を利用した飲食店の予約の幹事行動要件を取ったと判定する(S110)。そしてID「3」の幹事行動要件の場合には、中間幹事行動要件および悪意に対する幹事行動要件を充足することが必要なので、まず、幹事行動判定部21はユーザ情報記憶部24の当該ユーザ識別情報に対応づけて、ID「3」と充足した要件「1」とを記憶させる。
【0050】
担当者において予約が取れた場合、担当者端末から所定の操作をすることで、ユーザ端末3に予約成立の情報を行う。一方、担当者端末からのその情報を処理要求受付部20で受け付けると、幹事行動判定部21は、当該ユーザのユーザ情報記憶部24に記憶した情報に基づいて、ID「3」の幹事行動要件が進行中であることを判定し、それに基づいて、ID「3」の幹事行動要件に該当するかを判定する。そして、予約成立の情報は中間幹事行動要件のオンライン予約成立に対応するので、幹事行動判定部21はユーザ情報記憶部24の当該ユーザ識別情報に対応づけて、充足した要件「2」に更新する。一方、ID「3」の幹事行動要件に該当しない処理要求を受け付けた場合には、ほかの幹事行動要件に該当するかを判定し、上述と同様の処理を実行する。なお、ほかの幹事行動要件にも該当しない場合には、そのまま処理要求に対応する処理を実行すればよい。
【0051】
そしてさらに、ID「3」の充足した要件が「2」となった後、当該ユーザが飲食店の読取装置4にユーザの可搬型通信端末を読み取らせると、当該可搬型通信端末または読取装置4からユーザ識別情報、読取装置識別情報、日時情報など、可搬型通信端末を読取装置4に接触または近接させたことを示す情報を処理要求受付部20で受け付け、それらの情報に基づいて、ユーザ情報記憶部24に記憶した情報に基づいて、ID「3」の幹事行動要件が進行中であることを判定し、それに基づいて、ID「3」の幹事行動要件に該当するかを判定する。そして、読取装置4で読み取ったことを示す上記情報は悪意に対する幹事行動要件に対応するので(S120、S130)、幹事行動判定部21はユーザ情報記憶部24の当該ユーザ識別情報に対応づけて、要件を充足したことを示す「○」に更新する。そしてインセンティブ処理部23は、当該ユーザが幹事行動要件のすべてを充足したことを判定し、ユーザ識別情報に基づいて、ユーザ情報記憶部24の当該ユーザのユーザ識別情報のポイントに付与するポイントを加算して記憶させる(S140)。
【0052】
また、飲食店の予約が、条件を入力しておき、それに対して飲食店からのアプローチを受け付けることで決定する予約の場合、ユーザはユーザ端末3から図5に示すような情報を入力すると、入力した情報を処理要求受付部20で受け付ける(S100)。この際にはユーザ識別情報も併せて受け付けている。
【0053】
そして、幹事行動判定部21では、幹事行動要件記憶部22を参照し、当該ユーザがID「4」の飲食店からのアプローチによる予約の幹事行動を取ったと判定する(S110)。そしてID「4」の幹事行動要件の場合には、中間幹事行動要件および悪意に対する幹事行動要件を充足することが必要なので、まず、幹事行動判定部21はユーザ情報記憶部24の当該ユーザ識別情報に対応づけて、ID「4」と充足した要件「1」とを記憶させる。
【0054】
S100で受け付けた予約の情報は、所定のウェブサイトに掲載され、それに対して各飲食店の担当者がアクセスをし、希望する場合には、当該ユーザに対して予約の受注の希望の電子メールなどを送る。
【0055】
これらの情報をユーザがユーザ端末3で受け付け、ユーザは希望の一つの飲食店に対して予約を行う。この予約の要求をユーザ端末3が管理サーバ2に送り、処理要求受付部20で受け付けることで、幹事行動判定部21は、当該ユーザのユーザ情報記憶部24に記憶した情報に基づいて、ID「4」の幹事行動要件が進行中であることを判定し、それに基づいて、ID「4」の幹事行動要件に該当するかを判定する。そして、予約成立の情報は中間幹事行動要件のオンライン予約成立に対応するので、幹事行動判定部21はユーザ情報記憶部24の当該ユーザ識別情報に対応づけて、充足した要件「2」に更新する。一方、ID「4」の幹事行動要件に該当しない処理要求を受け付けた場合には、ほかの幹事行動要件に該当するかを判定し、上述と同様の処理を実行する。なお、ほかの幹事行動要件にも該当しない場合には、そのまま処理要求に対応する処理を実行すればよい。
【0056】
そしてさらに、ID「4」の充足した要件が「2」となった後、当該ユーザが飲食店の読取装置4にユーザの可搬型通信端末を読み取らせると、当該可搬型通信端末または読取装置4からユーザ識別情報、読取装置識別情報、日時情報など、可搬型通信端末を読取装置4に接触または近接させたことを示す情報を処理要求受付部20で受け付け、それらの情報に基づいて、ユーザ情報記憶部24に記憶した情報に基づいて、ID「4」の幹事行動要件が進行中であることを判定し、それに基づいて、ID「4」の幹事行動要件に該当するかを判定する。そして、読取装置4で読み取ったことを示す上記情報は悪意に対する幹事行動要件に対応するので(S120、S130)、幹事行動判定部21はユーザ情報記憶部24の当該ユーザ識別情報に対応づけて、要件を充足したことを示す「○」に更新する。そしてインセンティブ処理部23は、当該ユーザが幹事行動要件のすべてを充足したことを判定し、ユーザ識別情報に基づいて、ユーザ情報記憶部24の当該ユーザのユーザ識別情報のポイントに付与するポイントを加算して記憶させる(S140)。
【0057】
また、飲食店の情報をほかのユーザの電子メールアドレスに対して通知する処理要求の場合には、所定のウェブサイトから、当該飲食店の情報を送るユーザの電子メールアドレスの情報の入力と送信要求とを処理要求受付部20で受け付けると(S100)、当該受け付けた電子メールアドレスに対して、当該飲食店の情報が送られる。そして、幹事行動判定部21では、幹事行動要件記憶部22を参照し、当該ユーザがID「6」の「飲食店のウェブサイトのメールを送る」幹事行動要件を取ったと判定する(S110)。従って、幹事行動判定部21は、ユーザ情報記憶部24の当該ユーザ識別情報に対応づけて、ID「6」と充足した要件「1」とを記憶させる。
【0058】
そして当該ユーザから最初の一回を受け付けたのみでは、まだ中間幹事行動要件を充足しないので、そのまま待機をする。そして、再度、当該ユーザ識別情報を有するユーザのユーザ端末3から、所定のウェブサイトを介しての当該飲食店の情報を送るユーザの電子メールアドレスの情報の入力と送信要求とを処理要求受付部20で受け付けると、当該受け付けた電子メールアドレスに対して当該飲食店の情報を送るとともに、幹事行動判定部21は幹事行動要件記憶部22を参照した上で、ユーザ情報記憶部24の当該ユーザ識別情報に対応づけて、要件を充足したことを示す「○」に更新する(S120、S130)。そしてインセンティブ処理部23は、当該ユーザが幹事行動要件のすべてを充足したことを判定し、ユーザ識別情報に基づいて、ユーザ情報記憶部24の当該ユーザのユーザ識別情報のポイントに付与するポイントを加算して記憶させる(S140)。
【0059】
以上のように、ユーザ端末3から幹事として見なせる処理要求を受け付けると、それを判定し、当該ユーザに対してインセンティブを付与することで、ユーザが幹事を行おうとする気を惹起させることが出来る。
【0060】
なお上述ではユーザ端末3からの処理要求としての一例を示したが、それ以外の処理要求であっても同様に処理をすることが可能である。たとえばあらかじめ定められているキャンペーンに対して利用申込等の処理要求を行った後、あらかじめ定められている別のキャンペーンに対して利用申込等の処理要求を行うなどがある。
【0061】
またインセンティブ処理部23は、幹事行動判定部21において、当該ユーザが複数回、幹事行動であると判定した場合、当該ユーザに対して付与されるポイントなどのインセンティブが、回数に応じて少しずつ多く付加されるようにし(たとえば、通常、ユーザまたは幹事に対して付与するポイントよりも多いポイントとして、2回目で3倍、3回目で3.5倍など)、ユーザ情報記憶部24の当該ユーザのユーザ識別情報のポイントとして記憶させても良い。
【0062】
さらに、あらかじめ定められた期間内に、幹事行動要件として定められた特定のキャンペーンに対する予約の処理要求を行うことを、複数回、幹事行動判定部21において判定した場合には、インセンティブ処理部23は、当該ユーザに対して付与するポイントを通常よりも多く付加されるようにし、ユーザ情報記憶部24の当該ユーザのユーザ識別情報のポイントとして記憶させても良い。たとえば幹事行動要件として定められたキャンペーンAに対するオンライン予約処理とキャンペーンBに対するオンライン予約処理とを期間内に行い、それを幹事行動として判定した場合には、通常付与するポイントの10倍のポイントを付与し、ユーザ情報記憶部24の当該ユーザのユーザ識別情報のポイントとして記憶させても良い。
【0063】
また、インセンティブ処理部23は、それぞれの幹事行動要件に対応して付与するポイントなどのインセンティブは、それぞれの幹事行動要件に応じて異なっていても良い。さらに、幹事行動要件がオンライン予約処理の場合には、予約人数に応じて付与するポイントを変更しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の幹事支援システム1を用いることで、幹事に対して、幹事としての行動を行うことでポイントによるインセンティブが働く。これによって、従来はあまりやりたがらなかった幹事を、積極的にやろうとする意識を惹起することが出来る。
【符号の説明】
【0065】
1:幹事支援システム
2:管理サーバ
3:ユーザ端末
4:読取装置
20:処理要求受付部
21:幹事行動判定部
22:幹事行動要件記憶部
23:インセンティブ処理部
24:ユーザ情報記憶部
70:演算装置
71:記憶装置
72:表示装置
73:入力装置
74:通信装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7