特許第5873401号(P5873401)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5873401
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】電子制御装置及びデータ書換えシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/00 20060101AFI20160216BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   G06F9/06 630A
   B60R16/02 660U
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-152911(P2012-152911)
(22)【出願日】2012年7月6日
(65)【公開番号】特開2014-16737(P2014-16737A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2015年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000141901
【氏名又は名称】株式会社ケーヒン
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕
【審査官】 石川 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−175947(JP,A)
【文献】 特開平09−160766(JP,A)
【文献】 特開2006−221274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/00
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
書換え可能な不揮発性メモリを有し、前記不揮発性メモリに記憶されたデータに従って所定の処理を実行する処理装置を複数備えた電子制御装置において、
前記処理装置の各々は、外部の書換え装置から送信される書換えデータから、予め自身に割り当てられたアドレス範囲に含まれる個別書換えデータを抽出し、前記個別書換えデータを用いて自身の前記不揮発性メモリに記憶されている前記データを書換えることを特徴とする電子制御装置。
【請求項2】
前記処理装置の各々は、前記書換え装置から送信される書換えデータから、前記個別書換えデータに加えて各処理装置に共通のアドレス範囲に含まれる共通書換えデータを抽出し、前記個別書換えデータ及び前記共通書換えデータを用いて自身の前記不揮発性メモリに記憶されている前記データを書換えることを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置。
【請求項3】
前記複数の処理装置は、デイジーチェーン接続されており、
前記データの書換え時に、前記デイジーチェーン接続された複数の処理装置の内、最前段の処理装置が前記書換え装置と通信可能に接続されることを特徴とする請求項1または2に記載の電子制御装置。
【請求項4】
書換え可能な不揮発性メモリを有し、前記不揮発性メモリに記憶されたデータに従って所定の処理を実行する処理装置を複数備えた電子制御装置と、
前記データの書換えに用いられる書換えデータを前記電子制御装置に送信する書換え装置と、を備えたデータ書換えシステムにおいて、
前記書換え装置は、前記処理装置の各々に予め割り当てられたアドレス範囲に個別書換えデータを含んだ前記書換えデータを前記電子制御装置に送信し、
前記電子制御装置における前記処理装置の各々は、前記書換え装置から送信される書換えデータから、予め自身に割り当てられた前記アドレス範囲に含まれる前記個別書換えデータを抽出し、前記個別書換えデータを用いて自身の前記不揮発性メモリに記憶されている前記データを書換えることを特徴とするデータ書換えシステム。
【請求項5】
前記書換え装置は、前記個別書換えデータに加えて各処理装置に共通のアドレス範囲に共通書換えデータを含んだ前記書換えデータを前記電子制御装置に送信し、
前記電子制御装置における前記処理装置の各々は、前記書換え装置から送信される書換えデータから、前記個別書換えデータに加えて前記各処理装置に共通のアドレス範囲に含まれる前記共通書換えデータを抽出し、前記個別書換えデータ及び前記共通書換えデータを用いて自身の前記不揮発性メモリに記憶されている前記データを書換えることを特徴とする請求項4に記載のデータ書換えシステム。
【請求項6】
前記電子制御装置における前記複数の処理装置は、デイジーチェーン接続されており、
前記データの書換え時に、前記デイジーチェーン接続された複数の処理装置の内、最前段の処理装置が前記書換え装置と通信可能に接続されることを特徴とする請求項4または5に記載のデータ書換えシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子制御装置及びデータ書換えシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば車両制御用の電子制御装置に内蔵されたフラッシュメモリやEEPROM等の書換え可能な不揮発性メモリに記憶されている制御プログラム或いは制御データを、その電子制御装置の市場出荷後に専用の書換え装置を利用して書換え可能とする技術が知られている。
【0003】
下記特許文献1には、電子制御装置が備える複数のマイクロコンピュータの内、代表マイクロコンピュータの有する不揮発性メモリに、全てのマイクロコンピュータを特定するID情報を予め記憶しておき、この代表マイクロコンピュータが、外部ツール(メモリ書換装置)からの要求に応じて、データの書換え対象となるマイクロコンピュータのID情報を外部ツールに送信する技術が開示されている。
【0004】
外部ツールは、電子制御装置から受信したID情報に基づいて書換え対象のマイクロコンピュータを認識し、書換えデータにそのマイクロコンピュータのID情報を付けて電子制御装置に送信する。電子制御装置の各マイクロコンピュータは、自分宛てのID情報が付された書換えデータを用いて、不揮発性メモリに記憶されている制御プログラム或いは制御データの書換えを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−310221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、米国のカリフォルニア州大気資源局が定める法規によると、2010年モデルイヤー以降の車両から、パワートレイン制御用の電子制御装置に対して、常に単一のCID(Calibration ID)を用いることが義務付けられている。この点、上記従来技術は、1つの電子制御装置に内蔵された複数のマイクロコンピュータのそれぞれに固有のIDを割り当てる必要があるので、上記のような1つの電子制御装置を1つのIDで管理することを義務付けた法規に対応することができない。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、電子制御装置に内蔵された複数の処理装置をID管理することなく、簡単且つ確実に各処理装置のデータの書換えが可能な電子制御装置及びデータ書換えシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明では、電子制御装置に係る第1の解決手段として、書換え可能な不揮発性メモリを有し、前記不揮発性メモリに記憶されたデータに従って所定の処理を実行する処理装置を複数備えた電子制御装置において、前記処理装置の各々は、外部の書換え装置から送信される書換えデータから、予め自身に割り当てられたアドレス範囲に含まれる個別書換えデータを抽出し、前記個別書換えデータを用いて自身の前記不揮発性メモリに記憶されている前記データを書換える、という手段を採用する。
【0009】
また、本発明では、電子制御装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記処理装置の各々は、前記書換え装置から送信される書換えデータから、前記個別書換えデータに加えて各処理装置に共通のアドレス範囲に含まれる共通書換えデータを抽出し、前記個別書換えデータ及び前記共通書換えデータを用いて自身の前記不揮発性メモリに記憶されている前記データを書換える、という手段を採用する。
【0010】
また、本発明では、電子制御装置に係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、前記複数の処理装置は、デイジーチェーン接続されており、前記データの書換え時に、前記デイジーチェーン接続された複数の処理装置の内、最前段の処理装置が前記書換え装置と通信可能に接続される、という手段を採用する。
【0011】
一方、本発明では、データ書換えシステムに係る第1の解決手段として、書換え可能な不揮発性メモリを有し、前記不揮発性メモリに記憶されたデータに従って所定の処理を実行する処理装置を複数備えた電子制御装置と、前記データの書換えに用いられる書換えデータを前記電子制御装置に送信する書換え装置と、を備えたデータ書換えシステムにおいて、前記書換え装置は、前記処理装置の各々に予め割り当てられたアドレス範囲に個別書換えデータを含んだ前記書換えデータを前記電子制御装置に送信し、前記電子制御装置における前記処理装置の各々は、前記書換え装置から送信される書換えデータから、予め自身に割り当てられた前記アドレス範囲に含まれる前記個別書換えデータを抽出し、前記個別書換えデータを用いて自身の前記不揮発性メモリに記憶されている前記データを書換える、という手段を採用する。
【0012】
また、本発明では、データ書換えシステムに係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記書換え装置は、前記個別書換えデータに加えて各処理装置に共通のアドレス範囲に共通書換えデータを含んだ前記書換えデータを前記電子制御装置に送信し、前記電子制御装置における前記処理装置の各々は、前記書換え装置から送信される書換えデータから、前記個別書換えデータに加えて前記各処理装置に共通のアドレス範囲に含まれる前記共通書換えデータを抽出し、前記個別書換えデータ及び前記共通書換えデータを用いて自身の前記不揮発性メモリに記憶されている前記データを書換える、という手段を採用する。
【0013】
また、本発明では、データ書換えシステムに係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、前記電子制御装置における前記複数の処理装置は、デイジーチェーン接続されており、前記データの書換え時に、前記デイジーチェーン接続された複数の処理装置の内、最前段の処理装置が前記書換え装置と通信可能に接続される、という手段を採用する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電子制御装置に内蔵された複数の処理装置の各々が、書換え装置から送信される書換えデータから、予め自身に割り当てられたアドレス範囲に含まれる個別書換えデータを抽出し、その個別書換えデータを用いて自身の不揮発性メモリに記憶されているデータを書換えるので、電子制御装置に内蔵された複数の処理装置をID管理することなく、簡単且つ確実に各処理装置のデータの書換えを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係るデータ書換えシステムの概略構成図である。
図2】本実施形態に係るデータ書換えシステムにおいて、書換え装置2から電子制御装置1に送信される書換えデータのデータ構造の一例(a)と、書換えデータのデータ構造の変形例(b)である。
図3】書換え装置2、第1マイコン11、第2マイコン12及び第3マイコン13の通信シーケンスを示すシーケンスチャートである。
図4】第1マイコン11、第2マイコン12及び第3マイコン13が実行するデータ書換え処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るデータ書換えシステムの概略構成図である。このデータ書換えシステムは、例えば車両制御用の電子制御装置1と、電子制御装置1のデータの書換えに用いられる書換えデータを電子制御装置1に送信する書換え装置2とを備えている。なお、本実施形態において、「データ」とは、制御プログラムや制御データ(制御パラメータ)など、電子制御装置1に内蔵された処理装置(後述のマイクロコンピュータ)に所定の処理を実行させるために必要なデータ全てを包含する概念である。
【0017】
電子制御装置1は、書換え可能な不揮発性メモリを有し、この不揮発性メモリに記憶されたデータに従って所定の処理を実行する処理装置を複数備えている。本実施形態の電子制御装置1は、上記の処理装置として、3つのマイクロコンピュータ(第1マイコン11、第2マイコン12及び第3マイコン13)を備えている。
【0018】
第1マイコン11は、例えばフラッシュメモリやEEPROM等の書換え可能な不揮発性メモリである第1メモリ11aを有しており、この第1メモリ11aに記憶されたデータに従って、例えば車載モータの駆動制御及び車載バッテリの充放電制御に必要な処理を実行するハイブリッドシステム制御用のマイクロコンピュータである。
【0019】
第2マイコン12は、例えばフラッシュメモリやEEPROM等の書換え可能な不揮発性メモリである第2メモリ12aを有しており、この第2メモリ12aに記憶されたデータに従って、例えば第1マイコン11の暴走監視に必要な処理を実行する暴走監視用のマイクロコンピュータである。
【0020】
第3マイコン13は、例えばフラッシュメモリやEEPROM等の書換え可能な不揮発性メモリである第3メモリ13aを有しており、この第3メモリ13aに記憶されたデータに従って、例えば第1マイコン11と協同しながらエンジン制御に必要な処理を実行するエンジン制御用のマイクロコンピュータである。
【0021】
これら第1マイコン11、第2マイコン12及び第3マイコン13は、第1マイコン11が最前段、第2マイコン12が2段目、第3マイコン13が最後段となるようにデイジーチェーン接続されており、図1に示すように、データ書換え時に最前段の第1マイコン11がコネクタ14を介して書換え装置2と通信可能に接続される。
【0022】
ここで、書換え装置2は、電子制御装置1のデータ書換え時に、第1マイコン11、第2マイコン12及び第3マイコン13の各々に予め割り当てられたアドレス範囲に個別書換えデータを含んだ書換えデータを電子制御装置1に送信する機能を有している。図2(a)に、書換え装置2から電子制御装置1に送信される書換えデータのデータ構造の一例を示す。
【0023】
この図2(a)に示すように、書換え装置2から電子制御装置1に送信される書換えデータは、例えば0番地(16進数表記で0x00)から255番地(16進数表記で0xFF)までの8ビットデータの集合(つまり総データ量が256×8=2048ビットのデータ)である。
【0024】
このような書換えデータの内、図2(a)に示すように、0番地(16進数表記で0x00)から79番地(16進数表記で0x4F)までのアドレス範囲が第1マイコン11に割り当てられており、このアドレス範囲に第1メモリ11aのデータの書換えに用いられる個別書換えデータ(以下、第1マイコン用書換えデータと称す)が含まれている。
【0025】
また、図2(a)に示すように、書換えデータの内、96番地(16進数表記で0x60)から175番地(16進数表記で0xAF)までのアドレス範囲が第2マイコン12に割り当てられており、このアドレス範囲に第2メモリ12aのデータの書換えに用いられる個別書換えデータ(以下、第2マイコン用書換えデータと称す)が含まれている。
【0026】
また、図2(a)に示すように、書換えデータの内、176番地(16進数表記で0xB0)から255番地(16進数表記で0xFF)までのアドレス範囲が第3マイコン13に割り当てられており、このアドレス範囲に第3メモリ13aのデータの書換えに用いられる個別書換えデータ(以下、第3マイコン用書換えデータと称す)が含まれている。なお、上記の書換えデータの内、80番地(16進数表記で0x50)から95番地(16進数表記で0x5F)までのアドレス範囲には、空データ(例えば「0」の集合)が含まれている。
【0027】
電子制御装置1における第1マイコン11、第2マイコン12及び第3マイコン13の各々は、上記の書換えデータから、予め自身に割り当てられたアドレス範囲に含まれる個別書換えデータ(第1マイコン用書換えデータ、第2マイコン用書換えデータ、第3マイコン用書換えデータのいずれか)を抽出し、その抽出した個別書換えデータを用いて自身の不揮発性メモリ(第1メモリ11a、第2メモリ12a、第3メモリ13aのいずれか)に記憶されているデータを書換える機能を有している。
【0028】
以下、上記のように構成されたデータ書換えシステムの動作について説明する。
図3は、書換え装置2、第1マイコン11、第2マイコン12及び第3マイコン13の通信シーケンスを示すシーケンスチャートである。この図3に示すように、書換え装置2は、電子制御装置1のデータ書換え時に、まず、第1マイコン11へ消去コマンド(データの消去を指示するコマンド)を送信する(ステップS1)。この消去コマンドは、第1マイコン11から第2マイコン12に送信され(ステップS2)、さらに、第2マイコン12から第3マイコン13に送信される(ステップS3)。
【0029】
続いて、書換え装置2は、第1マイコン11へ書換えコマンド(データの書換えを指示するコマンド)を送信する(ステップS4)。この書換えコマンドは、第1マイコン11から第2マイコン12に送信され(ステップS5)、さらに、第2マイコン12から第3マイコン13に送信される(ステップS6)。
【0030】
続いて、書換え装置2は、図2(a)に示したデータ構造を有する書換えデータを第1マイコン11に送信する(ステップS7)。第1マイコン11は、書換え装置2から書換えデータを受信すると、図4のフローチャートに従ってデータ書換え処理を実行する(ステップS8)。
【0031】
詳細には、第1マイコン11は、図4に示すように、書換え装置2から書換えデータを受信すると(ステップS100)、この受信した書換えデータから、予め自身に割り当てられたアドレス範囲(0番地から79番地)に含まれる個別書換えデータ(第1マイコン用書換えデータ)を抽出する(ステップS101)。
【0032】
そして、第1マイコン11は、抽出した第1マイコン用書換えデータを用いて自身の不揮発性メモリ(第1メモリ11a)に記憶されているデータを書換える(ステップS102)。そして、第1マイコン11は、後段に接続されたマイコンの有無を判断し(ステップS103)、「No」の場合には、データ書換え処理を終了する一方、「Yes」の場合には、後段のマイコン(つまり第2マイコン12)に書換え装置2から受信した書換えデータを送信する(ステップS104)。
【0033】
図3に戻って説明を続けると、第1マイコン11は、上記のように、第1メモリ11aのデータ書換え後に、後段の第2マイコン12に書換えデータを送信する(ステップS9)。第2マイコン12は、第1マイコン11から書換えデータを受信すると、第1マイコン11と同じく図4のフローチャートに従ってデータ書換え処理を実行する(ステップS10)。
【0034】
つまり、第2マイコン12は、第1マイコン11から受信した書換えデータから、予め自身に割り当てられたアドレス範囲(96番地から175番地)に含まれる個別書換えデータ(第2マイコン用書換えデータ)を抽出し、その抽出した第2マイコン用書換えデータを用いて自身の不揮発性メモリ(第2メモリ12a)に記憶されているデータを書換える。
【0035】
そして、第2マイコン12は、後段に接続されたマイコンの有無を判断し、後段に第3マイコン13が接続されていることから、第3マイコン13に第1マイコン11から受信した書換えデータを送信する(ステップS11)。第3マイコン13は、第2マイコン12から書換えデータを受信すると、第1マイコン11と同じく図4のフローチャートに従ってデータ書換え処理を実行する(ステップS12)。
【0036】
つまり、第3マイコン13は、第2マイコン12から受信した書換えデータから、予め自身に割り当てられたアドレス範囲(176番地から255番地)に含まれる個別書換えデータ(第3マイコン用書換えデータ)を抽出し、その抽出した第3マイコン用書換えデータを用いて自身の不揮発性メモリ(第3メモリ13a)に記憶されているデータを書換える。そして、第3マイコン13は、後段に接続されたマイコンの有無を判断し、後段にマイコンが接続されていないことから、書換えデータの送信を行うことなくデータ書換え処理を終了する。
【0037】
以上のように、本実施形態によれば、電子制御装置1に内蔵された複数の処理装置(第1マイコン11、第2マイコン12及び第3マイコン13)の各々が、書換え装置2から送信される書換えデータから、予め自身に割り当てられたアドレス範囲に含まれる個別書換えデータを抽出し、その個別書換えデータを用いて自身の不揮発性メモリに記憶されているデータを書換えるので、電子制御装置1に内蔵された複数の処理装置をID管理することなく、簡単且つ確実に各処理装置のデータの書換えを行うことが可能となる。
【0038】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、以下のような変形例が挙げられる。
(1)上記実施形態では、書換え装置2から電子制御装置1へ送信される書換えデータの内、80番地から95番地までのアドレス範囲には空データが含まれていたが、図2(b)に示すように、この80番地から95番地までのアドレス範囲に、第1メモリ11a、第2メモリ12a及び第3メモリ13aのデータの書換えに共通して用いられる共通書換えデータを含むようにしても良い。これにより、書換えデータ内の容量を有効活用できる。
【0039】
この場合、書換え装置2は、個別書換えデータ(第1マイコン用書換えデータ、第2マイコン用書換えデータ、第3マイコン用書換えデータ)に加えて各処理装置(第1マイコン11、第2マイコン12及び第3マイコン13)に共通のアドレス範囲(80番地から95番地までのアドレス範囲)に共通書換えデータを含んだ書換えデータを電子制御装置1に送信することになる。
【0040】
一方、第1マイコン11、第2マイコン12及び第3マイコン13の各々は、図2(b)に示したデータ構造を有する書換えデータから、前述の個別書換えデータに加えて各処理装置に共通のアドレス範囲に含まれる共通書換えデータを抽出し、抽出したこれらの個別書換えデータ及び共通書換えデータを用いて自身の不揮発性メモリに記憶されているデータを書換えることになる。
【0041】
例えば、第1マイコン11は、図2(b)に示したデータ構造を有する書換えデータから、0番地から79番地に含まれる第1マイコン用書換えデータと、80番地から95番地に含まれる共通書換えデータを抽出し、これら第1マイコン用書換えデータ及び共通書換えデータを用いて第1メモリ11aに記憶されているデータを書換える。
【0042】
また、第2マイコン12は、図2(b)に示したデータ構造を有する書換えデータから、96番地から175番地に含まれる第2マイコン用書換えデータと、80番地から95番地に含まれる共通書換えデータを抽出し、これら第2マイコン用書換えデータ及び共通書換えデータを用いて第2メモリ12aに記憶されているデータを書換える。
【0043】
また、第3マイコン13は、図2(b)に示したデータ構造を有する書換えデータから、176番地から255番地に含まれる第3マイコン用書換えデータと、80番地から95番地に含まれる共通書換えデータを抽出し、これら第3マイコン用書換えデータ及び共通書換えデータを用いて第3メモリ13aに記憶されているデータを書換える。
【0044】
(2)上記実施形態では、電子制御装置1の内部において、3つの処理装置(第1マイコン11、第2マイコン12及び第3マイコン13)がデイジーチェーン接続されている場合を例示したが、これは電子制御装置1内の通信配線にかかるコストの削減効果を狙ったものであって、必ずしも電子制御装置1内の処理装置をデイジーチェーン接続する必要はない。また、電子制御装置1内の処理装置は3つに限定されない。
【0045】
(3)上記実施形態では、車両制御用の電子制御装置1を例示したが、本発明は、書換え可能な不揮発性メモリを有し、この不揮発性メモリに記憶されたデータに従って所定の処理を実行する処理装置を複数備えた電子制御装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1…電子制御装置、2…書換え装置、11…第1マイコン(処理装置)、12…第2マイコン(処理装置)、13…第3マイコン(処理装置)、11a…第1メモリ(不揮発性メモリ)、12a…第2メモリ(不揮発性メモリ)、13a…第3メモリ(不揮発性メモリ)
図1
図2
図3
図4