特許第5873418号(P5873418)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5873418
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】コンベア間の渡り板装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/66 20060101AFI20160216BHJP
【FI】
   B65G47/66
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-248031(P2012-248031)
(22)【出願日】2012年11月12日
(65)【公開番号】特開2014-94822(P2014-94822A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2015年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】392032100
【氏名又は名称】キリンエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100093942
【弁理士】
【氏名又は名称】小杉 良二
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】近藤 隆資
【審査官】 加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−005624(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/66
B65G 47/22−47/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多列式の上流側コンベアと多列式の下流側コンベアとを直列に接続する接続部に設けられ、上流側コンベアによって搬送されてきた容器を下流側コンベアに受け渡す渡り板装置であって、
前記上流側コンベアと前記下流側コンベアとの間に配置され、前記上流側コンベアによって搬送されてきた容器を前記下流側コンベアに受け渡す平坦な上面を有する渡り板と、
前記渡り板を下方から支持するバネ板からなる支持板とを備え、
前記渡り板は多列式のコンベアの搬送方向と直交する方向において多列式のコンベアの一側端から他側端まで延びる梁状部材からなり、前記梁状部材の断面形状は略逆三角形であり、前記渡り板の上面の幅をWとし、搬送対象の容器の直径をDとすると、W=(1/7)D〜(1/2)Dであることを特徴とするコンベア間の渡り板装置。
【請求項2】
前記支持板は、前記梁状部材の中央部を支持していることを特徴とする請求項1に記載のコンベア間の渡り板装置。
【請求項3】
前記上流側コンベアの流端および前記下流側コンベアの流端には、チェーンを水平方向から斜め下方または斜め下方から水平方向に案内する案内部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンベア間の渡り板装置。
【請求項4】
前記案内部材は、チェーンを水平方向から斜め下方または斜め下方から水平方向に案内する曲面を有しており、前記曲面の曲率半径は2mm〜50mmであることを特徴とする請求項に記載のコンベア間の渡り板装置。
【請求項5】
前記渡り板の材質は、ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコンベア間の渡り板装置。
【請求項6】
前記支持板の材質は、バネ鋼であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコンベア間の渡り板装置。
【請求項7】
上流側コンベアと下流側コンベアとを直列に接続する接続部に設けられ、上流側コンベアによって搬送されてきた容器を下流側コンベアに受け渡す渡り板装置であって、
前記上流側コンベアと前記下流側コンベアとの間に配置され、前記上流側コンベアによって搬送されてきた容器を前記下流側コンベアに受け渡す平坦な上面を有する渡り板と、
前記渡り板を下方から支持するバネ板からなる支持板とを備え、
前記上流側コンベアおよび前記下流側コンベアは、複数の容器を並列して搬送可能なコンベアであり、
前記渡り板は前記コンベアの搬送方向と直交する方向において前記コンベアの一側端から他側端まで延びる梁状部材からなり、前記梁状部材の断面形状は略逆三角形であり、前記渡り板の上面の幅をWとし、搬送対象の容器の直径をDとすると、W=(1/7)D〜(1/2)Dであることを特徴とするコンベア間の渡り板装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壜や缶等の容器を搬送するコンベア間に配置される渡り板装置に係り、特に直列に配置された2つのコンベア間に設けられ、上流側コンベアから下流側コンベアに容器を受け渡すためのコンベア間の渡り板装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
壜や缶等の容器を搬送するコンベアにおいて容器を長い直線距離に亘って搬送する場合、複数のコンベアを直列(シリーズ)に接続し、上流側コンベアから下流側コンベアに容器を受け渡すようにしている。この場合、単列式コンベアにおいては、上流側コンベアと下流側コンベアとの接続部に、容器をコンベア間で受け渡すための平板状の渡り板(デッドプレート)を設置することが多い。特許文献1には、容器をコンベア間で受け渡すための平板状の渡し板(デッドプレート)を備えた単列式コンベアが開示されている(図7参照)。また、特許文献1には、直線部と曲線部とを有した上流側コンベヤと、曲線部と直線部とを有した下流側コンベヤとを隣接して配置し、上流側コンベヤの直線部と下流側コンベヤの直線部とを渡し板で接続して上流側コンベヤの直線部から下流側コンベヤの直線部に容器を受け渡すようにした単列式コンベヤが開示されている(図1参照)。
【0003】
一方、多列式コンベアにおいては、図9に示すように、上流側コンベア101と下流側コンベア102との接続部において両コンベア101,102が並列する乗り移り部103を設け、乗り移り部103において容器をガイドレール104によって上流側コンベア101から下流側コンベア102に乗り移させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−246042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上流側コンベアと下流側コンベアの接続部に設置される渡り板は、容器を搬送する搬送力を有していないため、先行の容器が後続の容器に押されながら搬送されることになるので、容器が一列に連なって搬送される単列式コンベアの場合には問題はないが、多数の容器が並列して搬送される多列式コンベアの場合には先行の容器と後続の容器とが1対1で対応していないため、並列している多数の容器を上流側コンベアから下流側コンベアにスムーズに乗り移させることができない。そのため、多列式コンベアにおいては、上述したように、上流側コンベアと下流側コンベアとの接続部において両コンベアが並列する乗り移り部を設け、容器を上流側コンベアから下流側コンベアに乗り移させるようにしている。
【0006】
しかしながら、この乗り移り方式の多列式コンベアは、容器を長い直線距離に亘って搬送する場合に多数の乗り移り部を設ける必要があり、コンベアの据付け面積が増大するとともに設備コストが増大するという問題点がある。
【0007】
そこで、本発明者らは、コンベアの据付け面積を縮小するとともにコストダウンを図るために、多列式コンベアにおいて上流側コンベアと下流側コンベアの突合せ部に市販されている種々の渡り板を設置し、容器を搬送する実験を繰り返し行った。すなわち、多列式コンベアにおいて上流側コンベアと下流側コンベアの突合せ部(接続部)に、コンベアの一側端から他側端まで延びる長尺の渡り板を設置し、容器を搬送する実験を行ったところ、並列する多数の容器の自重で渡り板が下方に撓むとともに並列する容器の進行方向に加わる水平方向の搬送力の一部が渡り板に伝わって渡り板が水平方向に弓状に反ってしまい、渡り板の箇所で容器が転倒してしまうことが判明した。多列式コンベアの場合、1つの容器が転倒すると左右に隣接している容器も転倒する場合があり、また、渡り板の箇所で容器の滞留が発生する場合があることも判明した。
【0008】
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、並列して搬送される多数の容器を転倒させることなく上流側コンベアから下流側コンベアにスムーズに乗り移させることができるコンベア間の渡り板装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するため、本発明のコンベア間の渡り板装置は、多列式の上流側コンベアと多列式の下流側コンベアとを直列に接続する接続部に設けられ、上流側コンベアによって搬送されてきた容器を下流側コンベアに受け渡す渡り板装置であって、前記上流側コンベアと前記下流側コンベアとの間に配置され、前記上流側コンベアによって搬送されてきた容器を前記下流側コンベアに受け渡す平坦な上面を有する渡り板と、前記渡り板を下方から支持するバネ板からなる支持板とを備え、前記渡り板は多列式のコンベアの搬送方向と直交する方向において多列式のコンベアの一側端から他側端まで延びる梁状部材からなり、前記梁状部材の断面形状は略逆三角形であり、前記渡り板の上面の幅をWとし、搬送対象の容器の直径をDとすると、W=(1/7)D〜(1/2)Dであることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、渡り板は略逆三角形の断面形状を有し且つバネ板からなる支持板により支持されているため、並列する多数の容器が渡り板に同時に乗ったとしても渡り板の下方への撓みおよび側方への反りが防止される。したがって、多列式コンベアにおいて並列して搬送される多数の容器を転倒させることなく上流側コンベアから下流側コンベアにスムーズに乗り移させることができる。
本発明によれば、容器が渡り板の受渡し面に乗っているときには、容器の一部は上流側コンベアの搬送面及び/又は下流側コンベアの搬送面に乗っていることになり、容器にはコンベアからの搬送力が常に作用する。したがって、先行の容器と後続の容器とが離間している場合であっても、容器は渡り板において上流側コンベアの搬送力及び/又は下流側コンベアの搬送力を利用して前進可能であり、容器は上流側コンベアから下流側コンベアにスムーズに乗り移って連続的に搬送される。
【0011】
本発明の好ましい態様は、前記支持板は、前記梁状部材の中央部を支持していることを特徴とする。
本発明によれば、渡り板は中央部においてバネ板からなる支持板により支持されているため、並列する多数の容器が渡り板に同時に乗ったとしても渡り板の下方への撓みが防止されるとともに渡り板の側方(水平方向)への反りが防止される。なお、渡り板の撓みや反りがわずかに起きても、この撓みや反りはバネ板により復帰する。したがって、多列のコンベアによって多数の容器を並列して搬送する場合においても、渡り板は正常な容器の受け渡し機能を発揮できる。
【0013】
本発明の好ましい態様は、前記上流側コンベアの流端および前記下流側コンベアの流端には、チェーンを水平方向から斜め下方または斜め下方から水平方向に案内する案内部材が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、案内部材は、チェーンを水平方向から斜め下方または斜め下方から水平方向へ案内する曲面を有しており、これら曲面の曲率半径を小さく設定することにより上流側コンベアと下流側コンベアとを近接させて上流側コンベアと下流側コンベアとの間隙を小さくしている。
【0014】
本発明の好ましい態様は、前記案内部材は、チェーンを水平方向から斜め下方または斜め下方から水平方向に案内する曲面を有しており、前記曲面の曲率半径は2mm〜50mmであることを特徴とする。
本発明によれば、案内部材の曲面の曲率半径を小さく設定することにより上流側コンベアと下流側コンベアとを近接させて上流側コンベアと下流側コンベアとの間隙を小さくしている。
【0015】
本発明の好ましい態様は、前記渡り板の材質は、ステンレス鋼であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記支持板の材質は、バネ鋼であることを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の態様は、上流側コンベアと下流側コンベアとを直列に接続する接続部に設けられ、上流側コンベアによって搬送されてきた容器を下流側コンベアに受け渡す渡り板装置であって、前記上流側コンベアと前記下流側コンベアとの間に配置され、前記上流側コンベアによって搬送されてきた容器を前記下流側コンベアに受け渡す平坦な上面を有する渡り板と、前記渡り板を下方から支持するバネ板からなる支持板とを備え、前記上流側コンベアおよび前記下流側コンベアは、複数の容器を並列して搬送可能なコンベアであり、前記渡り板は前記コンベアの搬送方向と直交する方向において前記コンベアの一側端から他側端まで延びる梁状部材からなり、前記梁状部材の断面形状は略逆三角形であり、前記渡り板の上面の幅をWとし、搬送対象の容器の直径をDとすると、W=(1/7)D〜(1/2)Dであることを特徴とする。ここで、複数の容器を並列して搬送可能なコンベアとは、2個〜73個の容器をコンベアの搬送方向と直交する方向に並列した状態で搬送できるコンベアである。
【0017】
本発明によれば、渡り板は略逆三角形の断面形状を有し且つバネ板からなる支持板により支持されているため、並列する多数の容器が渡り板に同時に乗ったとしても渡り板の下方への撓みおよび側方への反りが防止される。したがって、並列して搬送される多数の容器を転倒させることなく上流側コンベアから下流側コンベアにスムーズに乗り移させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以下に列挙する効果を奏する。
(1)渡り板は略逆三角形の断面形状を有し且つバネ板からなる支持板により支持されているため、並列する多数の容器が渡り板に同時に乗ったとしても渡り板の下方への撓みおよび側方への反りが防止される。したがって、多列式コンベアにおいて並列して搬送される多数の容器を転倒させることなく上流側コンベアから下流側コンベアにスムーズに乗り移させることができる。
(2)コンベア上で先行の容器と後続の容器とが離間している場合であっても、容器は渡り板上において上流側コンベアの搬送力及び/又は下流側コンベアの搬送力を利用して前進できる。したがって、容器は渡り板上で滞留することなくスムーズに下流側コンベアに乗り移る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明に係るコンベア間の渡り板装置を備えた搬送装置を示す部分断面立面図である。
図2図2は、図1の要部拡大図であり、上流側コンベアと下流側コンベアとの間に設置された渡り板装置の拡大図である。
図3図3(a),(b),(c)は、渡り板および支持板を示す図であり、図3(a)は平面図、図3(b)は側面図、図3(c)は正面図である。
図4図4は、渡り板の断面を拡大した図である。
図5図5(a),(b),(c)は、渡り板の変形例を示す断面図である。
図6図6は、図1乃至図5に示すように構成されたコンベア間の渡り板装置の作用について説明した図である。
図7図7は、図6のVII-VII線断面図である。
図8図8は、図1乃至図7に示すように構成されたコンベア間の渡り板装置の作用について説明した図である。
図9図9は、上流側コンベアと下流側コンベアとの接続部において両コンベアが並列する乗り移り部を設けた従来の多列式コンベアを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るコンベア間の渡り板装置の実施形態を図1乃至図8を参照して説明する。図1乃至図8において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明に係るコンベア間の渡り板装置を備えた搬送装置を示す部分断面立面図である。図1に示すように、搬送装置は、上流側コンベア1と下流側コンベア2とを備えている。上流側コンベア1と下流側コンベア2とは、直列(シリーズ)に接続されており、上流側コンベア1と下流側コンベア2との接続部(突合せ部)には渡り板装置3が設置されている。上流側コンベア1および下流側コンベア2は、多列式のトッププレートチェーンコンベアから構成されている。本発明においては、上流側コンベア1および下流側コンベア2は2列〜45列のコンベアから構成されている。
【0021】
図1に示すように、上流側コンベア1の下流側端部および下流側コンベア2の上流側端部には、ノーズバー11,11が設けられ、上流側コンベア1および下流側コンベア2のチェーン12,12は、それぞれノーズバー11,11により水平方向から斜め下方(または斜め下方から水平方向)に案内されるようになっている。チェーン12,12の上面は、それぞれ上流側コンベア1の搬送面1aおよび下流側コンベア2の搬送面2aを構成している。ノーズバー11,11は、チェーン12,12を水平方向から斜め下方(または斜め下方から水平方向)へ案内する曲面を有しており、これら曲面の曲率半径を小さく設定することにより上流側コンベア1と下流側コンベア2とを近接させて上流側コンベア1と下流側コンベア2との間隙を小さくしている。ノーズバー11,11はコンベアフレームに固定されており、チェーンと摺動してチェーンを案内する案内部材を構成している。そして、上流側コンベア1のチェーン12はスプロケット13に巻回され、下流側コンベア2のチェーン12はターンローラ14に巻回されている。図1においては、その他のターンローラ等も図示されているが、説明を省略する。
【0022】
図2は、図1の要部拡大図であり、上流側コンベア1と下流側コンベア2との間に設置された渡り板装置3の拡大図である。図2に示すように、上流側コンベア1と下流側コンベア2との間に設置された渡り板装置3は、対向する2つのチェーン12,12における水平方向から斜め下方への湾曲部に形成された空間に配置された渡り板31と、渡り板31を下方から支持するバネ板からなる支持板32と、支持板32の下端を固定するための受けブラケット33とを備えている。受けブラケット33はコンベアフレームに固定されており、支持板32の下端はボルト34およびナット35を用いて受けブラケット33に固定されている。渡り板31は、ステンレス鋼等の剛性を有した金属材からなり、上面31uが平坦面で、両側面31s,31sが互いに次第に近づくように傾斜面になっていて、逆三角形状の断面を有している。支持板32は、ステンレスバネ鋼等のバネ板から構成されており、板厚は0.6mm〜1.0mmに設定されている。なお、実施形態では、板厚が0.8mmのステンレスバネ鋼を用いている。渡り板31の上面31uは容器を上流側コンベア1から下流側コンベア2に受け渡すための受渡し面を構成している。以下においては、符号31uを用いて上面または受渡し面と適宜称する。
【0023】
図2に示すように、渡り板31の受渡し面31uは、上流側コンベア1の搬送面1aおよび下流側コンベア2の搬送面2aよりhmmだけ低く設定されている。ここで、h=0〜3mmである。なお、受渡し面31uは搬送面1aおよび搬送面2aと同一高さであってもよいが、受渡し面31uが搬送面1aおよび搬送面2aよりわずかに低い方が好ましい。
また、図2に示すように、ノーズバー11,11はチェーン12,12を水平方向から斜め下方(または斜め下方から水平方向)へ案内する曲面を有しており、これら曲面の曲率半径(r)を小さく設定することにより上流側コンベア1と下流側コンベア2とを近接させて上流側コンベア1と下流側コンベア2との間隙を小さくしている。ここで、曲率半径(r)は、2mm〜50mmに設定されている。
【0024】
図3(a),(b),(c)は、渡り板31および支持板32を示す図であり、図3(a)は平面図、図3(b)は側面図、図3(c)は正面図である。図3(a),(b),(c)に示すように、渡り板31は、多列式のコンベアの搬送方向に直交する方向においてコンベアの一側端から他側端まで延びる梁状部材からなっている。なお、実施形態では、渡り板31の長さLは140mm〜2502mmに設定されている。なお、この寸法範囲の渡り板をコンベアの搬送方向に直交する方向に複数個並べることにより、並列する容器が多数であっても対応可能である。渡り板31はほぼ全長に亘って逆三角形状の断面を有しているが、渡り板31の両端部は、支持部材(後述する)に固定できるように薄板状になっており、これら両端部に固定用ブッシュ(後述する)を挿通するための長穴31h,31hが形成されている。渡り板31の中央部には、逆三角形断面の頂点を切り欠いた切欠部31cが形成されており、この切欠部31cにバネ板からなる支持板32の上端が溶接等によって固定されている。支持板32の下部には、支持板32を受けブラケット33(図2参照)に固定するボルト34(図2参照)を挿通するための長孔32h,32hが形成されている。
【0025】
図4は、渡り板31の断面を拡大した図である。図4に示すように、渡り板31は、上面31uが平坦面で、両側面31s,31sが互いに次第に近づくように傾斜面になっていて、逆三角形の断面を有している。このように、渡り板31は逆三角形の断面を有することにより、梁状部材の断面係数が大きくなり、渡り板31に並列する多数の容器が乗っても、渡り板31は垂直方向の撓みおよび水平方向の反りが最小限に抑えられる。渡り板31においては、上面31uと両側面31s,31sが交わる角部は面取りをすることにより平坦になっている。渡り板31の幅Wはきわめて狭く設定されている。渡り板31の幅をWとし、搬送対象の容器の直径をDとすると、W=(1/7)D〜(1/2)Dに設定されている。上述したように、渡り板31の上面31uは、容器を上流側コンベア1から下流側コンベア2に受け渡すための受渡し面31uを構成し、この受渡し面31uはバフ研磨により平滑に形成されている。これにより、受渡し面31uは、搬送対象の容器との間の摩擦抵抗が少なく、容器が滑り易くなっている。
【0026】
図5(a),(b),(c)は、渡り板31の変形例を示す断面図である。図5(a)に示す例においては、渡り板31は、両側面31s,31sが円弧状に湾曲した曲面になっている。図5(b)に示す例においては、渡り板31は、両側面31s,31sが交わる頂点が面取りされて平坦になっている。図5(c)に示す例においては、渡り板31は、両側面31s,31sが円弧状に湾曲した曲面で、かつ両側面31s,31sが交わる頂点が面取りされて平坦になっている。図5(a),(b),(c)に示すように、渡り板31は、略逆三角形の断面を有していればよい。このように、渡り板31は略逆三角形の断面を有することにより、梁状部材の断面係数が大きくなり、渡り板31に並列する多数の容器が乗っても、渡り板31は垂直方向の撓みおよび水平方向の反りが最小限に抑えられる。
【0027】
図6は、渡り板31の一端部をコンベアフレームに固定している固定部を示す斜視図である。図6に示すように、渡り板31の一端部はブロック状の支持部材36により支持されており、渡り板31はリング状のブッシュ37およびボルト38により支持部材36に固定されている。支持部材36の下部には2本のボルト39,39が固定されている。一方、コンベアフレーム40には、矩形断面を有する細長状の支持部材41がボルト44,44によって固定されている。前記2本のボルト39,39には、支持部材41の上端の位置でナット42,42が螺合されている。また、ブロック状の支持部材36の前面には2本のボルト43,43が設けられており、これらボルト43,43は支持部材36を貫通してコンベアフレーム40に締め付け可能になっている。
【0028】
図7は、図6のVII-VII線断面図である。図7に示すように、2本のボルト39,39に螺合されたナット42,42は支持部材41の上端に当接している。2本のボルト39,39は支持部材41に対して上下に移動可能になっている。また、ブロック状の支持部材36には長孔36h,36hが形成されており、これら長孔36h,36hにはボルト43,43の軸部(ネジが形成されていない部分)43a,43aが挿通されている。
【0029】
図6および図7に示すように構成されているため、2つのナット42,42を時計方向又は反時計方向に回すことにより、2本のボルト39,39を支持部材41に対して上昇又は下降させることができる。2本のボルト39,39の上部はブロック状の支持部材36に固定されているため、2本のボルト39,39を上昇又は下降させることにより、ブロック状の支持部材36を上昇又は下降させることができる。このとき、支持部材36は、長孔36h,36hとボルト43の軸部43a,43aとの摺接により、スムーズに上昇又は下降する。支持部材36の上端には渡り板31が固定されているため、支持部材36を上昇又は下降させることにより渡り板31の受渡し面31uの高さ調整をすることができる。すなわち、前記ナット42,42を時計方向又は反時計方向に回すことにより、図2に示す搬送面1a,2aと渡り板31の受渡し面31uとの高低差(h)を調整することができる。この高さ調整の後に、ボルト43,43をコンベアフレーム40に締め付けることにより、ブロック状支持部材36をコンベアフレーム40にしっかりと固定することができる。
【0030】
また、左右のナット42,42を回す回転角度に差をつけることにより支持部材36を傾けることができる。これにより、渡り板31の受渡し面31uを水平でなくわずかに傾けることが可能となり、例えば、受渡し面31uにおける搬送方向の上流端を下流端より低くすることができる。この場合、受渡し面31uの下流端は下流側コンベア2の搬送面2aと同一高さか、搬送面2aよりわずかに高くする。図2において、2点鎖線は、受渡し面31uを傾けて受渡し面31uの下流端を下流側コンベア2の搬送面2aより高くした場合を示す。この場合、上流側コンベア1の搬送面1aと受渡し面31uの上流端とはh=0mm,受渡し面31uの下流端と下流側コンベア2の搬送面2aとはh′=0〜+3mmに設定される。このように、渡り板31の受渡し面31uをわずかに傾けることにより、容器の先端部が上流側コンベア1から渡り板31に乗り込むときにスムーズに乗り込むことができる。そして、次に、容器の先端部が渡り板31から下流側コンベア2に乗り込むときにスムーズに乗り込むことができる。
【0031】
また、図7に示すように渡り板31の長孔31hには、リング状のブッシュ37の小径部37aが嵌合されている。ブッシュ37の大径部37bの下端面と渡り板31の上面31uとの間にはわずかな隙間(例えば0.1mm程度)が形成されている。ブッシュ37の下端面はボルト38を締め込むことにより支持部材36の上端面に当接している。このように、渡り板31の長孔31hにブッシュ37の小径部37aが嵌合されており、長孔31hは渡り板31の長手方向に長いため、渡り板31はブッシュ37の小径部37aにガイドされながら渡り板31の長手方向(搬送方向に直交する方向)にわずかに移動可能である。例えば、渡り板31は搬送方向に直交する方向に±2.0mm程度移動可能である。これにより、渡り板31上に並列して乗っている多数の容器が渡り板31上で横滑りした場合に渡り板31が同一方向(搬送方向と直交する方向)にわずかに動くために容器の転倒を防ぐことができる。渡り板31の他端部も図6および図7と同様の方法でコンベアフレーム40に固定されている。
【0032】
次に、図1乃至図7に示すように構成されたコンベア間の渡り板装置の作用について図8を参照して説明する。
図8(a)に示すように、容器5は上流側コンベア1の搬送面1aに載せられて搬送され、上流側コンベア1の下流側端部に到達すると渡り板31の受渡し面31uに乗る。このとき、容器5は上流側コンベア1の搬送面1aと受渡し面31uに跨った状態になる。容器5が更に前進すると、図8(b)に示すように、容器5は上流側コンベア1の搬送面1aと受渡し面31uに乗りつつ、容器5の一部は下流側コンベア2の搬送面2aにも乗る。すなわち、容器5は上流側コンベア1の搬送面1aと受渡し面31uと下流側コンベア2の搬送面2aとに跨った状態になる。そして、容器5が更に前進すると、図8(c)に示すように、容器5は下流側コンベア2の搬送面2aと受け渡し面31uとに跨った状態になり、その後、容器5は下流側コンベア2の搬送面2aに乗り移り、下流側コンベア2のみにより搬送される。
【0033】
このように、容器5が渡り板31の受渡し面31uに乗っているときには、容器5の一部は上流側コンベア1の搬送面1a及び/又は下流側コンベア2の搬送面2aに乗っていることになり、容器5にはコンベアからの搬送力が常に作用する。したがって、先行の容器5と後続の容器5とが離間している場合であっても、容器5は渡り板31において上流側コンベア1の搬送力及び/又は下流側コンベア2の搬送力を利用して前進可能であり、容器5は上流側コンベア1から下流側コンベア2にスムーズに乗り移って連続的に搬送される。なお、多数の容器が並列しつつ、先行する容器が後続の容器に押されながら搬送される場合にも、上述したように、各容器は渡り板31において上流側コンベア1の搬送力及び/又は下流側コンベア2の搬送力を利用して前進可能であり、容器5は上流側コンベア1から下流側コンベア2にスムーズに乗り移って連続的に搬送される。
【0034】
また、渡り板31は中央部においてバネ板からなる支持板32により支持されているため、並列する多数の容器5が渡り板31に同時に乗ったとしても渡り板31の下方への撓みが防止されるとともに渡り板31の側方(水平方向)への反りが防止される。なお、渡り板31の撓みや反りがわずかに起きても、この撓みや反りはバネ板により復帰する。したがって、多列のコンベアによって多数の容器5を並列して搬送する場合においても、渡り板31は正常な容器の受け渡し機能を発揮できる。
【0035】
本実施形態では、上流側コンベアおよび下流側コンベアが多列式コンベアの場合を説明したが、多列式コンベアでなくても、並列して多数の容器を搬送可能なコンベアであれば、本発明を有効に適用できる。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0036】
1,101 上流側コンベア
1a,1c,2a,2c 搬送面
2,102 下流側コンベア
3 渡り板装置
5 容器
11 ノーズバー
12 チェーン
13 スプロケット
14 ターンローラ
31 渡り板
31c 切欠部
31u 上面,受渡し面
31s 両側面
32 支持板
32h 長孔
33 受けブラケット
34,38,39,43,44,46 ボルト
35,42 ナット
36,41 支持部材
36h 長孔
37 ブッシュ
37a 小径部
39a 軸部
40 コンベアフレーム
103 乗り移り部
104 ガイドレール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9