(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5873429
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】抽出製品用カプセル、その生成方法、およびコーヒーを抽出するための装置
(51)【国際特許分類】
A47J 31/06 20060101AFI20160216BHJP
A47J 31/36 20060101ALI20160216BHJP
B65D 77/00 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
A47J31/06 323
A47J31/36 122
B65D77/00 E
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-505019(P2012-505019)
(86)(22)【出願日】2010年4月13日
(65)【公表番号】特表2012-523860(P2012-523860A)
(43)【公表日】2012年10月11日
(86)【国際出願番号】CH2010000097
(87)【国際公開番号】WO2010118543
(87)【国際公開日】20101021
【審査請求日】2013年4月4日
(31)【優先権主張番号】09405065.5
(32)【優先日】2009年4月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511248548
【氏名又は名称】キュー・ビー・オー・コーヒー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】QBO COFFEE GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デューバー,ルイス
【審査官】
大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2008/041262(WO,A1)
【文献】
特表2005−538787(JP,A)
【文献】
特表2004−517654(JP,A)
【文献】
特開平08−150080(JP,A)
【文献】
実開昭61−025682(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/06
A47J 31/36
B65D 77/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル壁を含む、コーヒーマシン用のポーションカプセル(1)であって、カプセル壁は、抽出材料で充填された閉鎖された内部空間を包囲しており、圧力下で抽出液を導入して、抽出動作後にカプセル内部に生成された抽出製品を放出するために、コーヒーマシンの抽出チャンバを閉じることにより、抽出器装置または放出装置の穿孔要素(3)によってカプセル壁に穿孔することが可能であり、カプセルは、抽出動作中、正の圧力下にあるよう設計され、
カプセルは、最大1.5mmだけ横方向に突出する周囲縁を例外として立方体または直方体の形を有しており、
前記カプセル壁は、5つの面を有する基本体と、前記基本体を塞ぐカバーとによって形成されており、前記カバーは外側に湾曲しており、前記カバーと前記基本体との間の溶接ビードはカプセルの上端面からずれていることを特徴とする、カプセル。
【請求項2】
カプセルは立方体形状であることを特徴とする、請求項1に記載のカプセル。
【請求項3】
カプセルは、立方体の対向する側面同士のすべての対から穿刺可能であることを特徴とする、請求項2に記載のカプセル。
【請求項4】
カプセルは、すべての6つの側面において、本質的に同じ材料組成を含み、本質的に同じ厚さのものであることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のカプセル。
【請求項5】
弾性反力に逆らった、2つの対向する側壁の各々の上の中心点への圧力によって、体積を減少させる態様で圧縮可能であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のカプセル。
【請求項6】
壁厚は0.1mm〜0.5mmであることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載のカプセル。
【請求項7】
プラスチックからなることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載のカプセル。
【請求項8】
6つの側面のうちの少なくとも5つは、変形した1枚のプラスチックのシートで構成されていることを特徴とする、請求項7に記載のカプセル。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の少なくとも1つのカプセルと、抽出モジュールを有するコーヒーマシンとを含む、コーヒーを抽出するための装置であって、
−第1の抽出モジュール部分(103)と、
−第1の部分に対して可動である第2の抽出モジュール部分(104)とを含み、第1の抽出モジュール部分と第2の抽出モジュール部分とは、カプセルから抽出製品を放出するための放出装置と、カプセルおよび抽出チャンバに抽出液を導入するための注入器とを形成しており、抽出チャンバはカプセルの形に合わされた形で、抽出動作中、カプセルを少なくとも部分的に包囲しており、放出装置および注入器は各々、抽出チャンバが閉じられている際にカプセルを穿孔する少なくとも1つの穿孔先端を含み、抽出チャンバはカプセルの形に合わされ、注入器によってカプセル内に導入された抽出液が、カプセルを通過することによってしか、放出装置が位置する側に到達できないように、密封された態様で作用する、装置。
【請求項10】
抽出モジュールは圧縮手段を含み、それによりカプセルは、抽出チャンバにおいて体積が減少する態様で圧縮されることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
請求項8に記載されたカプセルを生成するための方法であって、
5つの側面を有し、第6の側面が開いている基本多面体(11)を、熱成形によって生成するステップと、
基本体(11)を抽出材料または抽出物で充填するステップと、
生成された内部空間が完全に包囲されるよう、開いた第6の側面の周囲縁に沿ってカバー(13)を固定するステップとを含む、方法。
【請求項12】
基本体は、周囲縁に沿って配置される鍔(12)が設けられるよう生成されること、および、カバー(13)を固定する間、カバーは鍔で基本体に溶接され、または接着されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
溶接または接着の間、鍔(12)は接触面(15)上で支持されていることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
カバーは、超音波溶接によって基本体に固定されることを特徴とする、請求項11から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
超音波溶接の間、鍔(12)は超音波の効果によって同時に切り離されることを特徴とする、請求項12または13のうちの1つに対する請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カプセルに含まれる抽出材料、たとえば挽いたコーヒーから飲料などを用意することに関する。この発明は特に、ポーションパックとしての穿刺可能なカプセル、およびその生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポーションパック内にある抽出材料から飲料などを用意するための抽出装置は、たとえばコーヒーマシンまたはエスプレッソマシンとして公知であり、ますます人気を集め続けている。多くの対応するシステムでは、ポーションパックは、たとえば抽出材料を気密状態で封止しているカプセルとして形成されている。抽出のために、カプセルは2つの対向する側から穿刺される。第1の側では、抽出液、概して熱湯が導入される。第2の側では、カプセルから抽出製品が放出される。用意される飲料およびシステムに依存して、たとえば5〜20バールといったかなりの圧力が、それによりカプセルの内部に行き渡っている場合がある。
【0003】
そのようなカプセルは、フィルタコーヒーのポーションパックと間違われてはならず、フィルタコーヒーのポーションパックとは全く異なる要件を満たす必要がある。フィルタコーヒーのポーションパックは、ホイルを引き剥がし、カバーなどを取外すことによって開けられ、どの時点でも高い圧力にさらされてはいない。それらは一様に、「フィルタパッド」の香りを逃がさない外装に相当していない。コーヒーマシンの抽出モジュールでは、ここに述べる種類のカプセルには多くの場合、熱い抽出液が水平にまたは垂直に通され、それにより、前述のように内部でかなりの圧力にさらされる。これは、密封の問題も引き起こす。結局、加圧された抽出液は、カプセルを通り抜けて放出装置に直接入ってはならない。
【0004】
アルミニウムおよびプラスチック、たとえばポリプロピレンが、カプセル材料として特に公知となっている。アルミニウムのカプセルは、抽出材料を長期間新鮮に保つが、それらの生成にかなりのエネルギを使用する。ポリプロピレンのカプセルは、エネルギ消費および廃棄の点で有利であるが、穿刺機構に増大した要件を課す。
【0005】
材料の消費について特に有利なのは深絞りカプセルであるが、それは常に明らかに円錐の形を有している。
【0006】
一体化したフィルタ手段を有するカプセルと、単に抽出材料の周りにシェルを備えるカプセルとの双方が市場で入手可能であり、したがって、穿刺機構はそれらのために、抽出材料が抽出製品と共にカプセルから所望されないまま放出されないように設計される必要がある。
【0007】
一体化したフィルタ手段がないカプセルの一例は、たとえばEP1 886 942に開示されている。
【0008】
入手可能なカプセルは概して回転対称形で、周囲の鍔を含んでおり、それはカプセルが適正に動作するのに不可欠な3つの機能を有する:
− 鍔は、カプセルの内部空間から十分な離れた超音波溶接用のエネルギディレクタか、熱溶接用の十分大きい表面区域を含んでいるため、充填動作中にカプセルを閉鎖する役割を果たす;
− 鍔は、抽出動作の前にカプセルを保持する役割を果たす;
− 鍔は、抽出液がカプセルを通り抜けて放出装置に直接入らないことを確実にするので、抽出動作中の密封に不可欠である。
【0009】
先行技術に従ったカプセルの場合、抽出チャンバの対応する受け部にぴったり嵌合する円錐形によって、追加の密封機能が呈される場合がある。
【0010】
入手可能なカプセルの多くは、カップの形に形作られている。すなわち、それらは軸の周りに回転対称形であり、円錐形である。カップ形状のカプセルのカバーは、側面と底面とを形成する実際のカップとは異なる材料組成のものであることが多い。そこでは、抽出液の注入がカバーまたは底面を通して行なわれ、抽出製品の放出がそれに応じて底面またはカバーを通してそれぞれ行なわれる。この形のカプセルは、機械的安定性および生成の技術的局面の双方に関し、良好であることがわかっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特に問題となっている事項は、抽出プロセス中に抽出材料が渦を巻くことに関する。抽出プロセス中、液体は高速でカプセルを通って流れる。抽出材料の圧縮が限られている場合、それは抽出プロセス中、かなり渦を巻くようになる。このため、カプセル充填プロセス中に抽出材料をしっかりと圧縮することが、既に提案されている(EP1 886 942)。しかしながら、この方法はかなり複雑であり、また、圧縮によって得られる抽出材料のペレット状の粘稠性が、カプセルの輸送中に失われるおそれがある。
【0012】
抽出飲料用のポーションカプセルに関連してしばしば論議される、さらに別の問題となっている事項は、エネルギバランスに悪影響を与える複雑な包装である。
【0013】
先行技術の欠点を克服し、エネルギバランスおよびフレキシビリティに関して改良された解決策をもたらす、抽出飲料などのためのカプセルを提供することが、この発明の一目的である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、特許請求項に定義される発明によって達成される。
この発明に従ったポーションカプセルは、冒頭で述べた種類のものであって、たとえば抽出材料を気密状態で封止しており、2つの対向する側からカプセルを穿刺することによって抽出物を得ることを見込んでいる。第1の側では、抽出液、概して熱湯が導入される。第2の側では、カプセルから抽出製品が放出される。用意される飲料およびシステムに依存して、カプセルはそれにより、たとえば5〜20バール、特に10バールを上回るかなりの内部圧力に耐えなければならない。しかしながら、このことは、たとえばたった1〜2バールというより低い圧力で、特にアメリカンスタイルのフィルタコーヒー用に、抽出プロセスでカプセルを使用することを妨げるものではない。
【0015】
カプセルには、内部に配置された篩要素または支持要素などがなく、したがってそれは、たとえば、少なくともいくつかの側面で壁厚が均一なカプセル壁、およびカプセル充填材(抽出材料)のみからなっている。
【0016】
この発明の一局面によれば、カプセルは立方体または直方体の形をしており、突出する鍔などがない。
【0017】
この場合、直方体または立方体形状とは、幾何学的に正確な形の直方体または立方体から機能的に非常に異なるほどまでは逸脱していない形を表わす。たとえば、それは矩形または正方形のベース区域を有する角錐台の形を含んでおり、ベース区域に接する側面は、ベース区域への垂線に対し、ほんの小さい傾斜角α、たとえば最大で3°または2°、好ましくは最大で約1°だけ傾斜している。上述のように、直方体または立方体の形は、端面の平面でカプセル本体から突出し、カプセルを誘導スロット内に保持するために設けられた周囲鍔を含まない。にもかかわらず、直方体または立方体形状のカプセルは、生成中に作り出された周囲縁(たとえば溶接ビード)を含んでいてもよく、それらはたとえば、最大1.5mmまたは1mm、0.8mm、0.6mm、特に好ましくは0.5mm以下だけ横方向に突出している。なぜなら、それらの限られた寸法は、立方体または直方体形状の機能をさほど損なわず、また、たとえば端面の平面からずれているためである。
【0018】
この形は第1に、抽出材料がさまざまな側面から圧縮可能であるという大きな利点を有しており、このことはカップ形状のカプセルには当てはまらない。特に、抽出材料は、それが既にカプセルに包装されている場合に、2つの対向する側壁を互いに向けて押すことによっても圧縮可能である。カップ形状のカプセルの場合、それは破壊しない態様では容易に行なえない。好ましくは、カプセルは、体積を減少させる効果を有する、弾性力に対抗する2つの対向する側壁(またはこれらの側壁上の中心点)の変形が可能であるように、形成される。これは室温での状態を指しており、熱い状態でのプラスチックのカプセル壁の永久変形を妨げるものではない。
【0019】
第2に、明らかに改良された包装可能性という利点がある。充填され密封されたカプセルは、本質的に間に隙間が空かない積層物を得るよう、互いを突き合せて順に配置し、順に重ねることが可能であり、また、たとえば立方体といった好ましい外見を備えることも可能であり、にもかかわらず、最小限の外装で済ませられる。
【0020】
好ましくは、カプセルは、すべての側面、すなわち互いに対向して位置する側面のすべての対から穿刺され得る。これはここでは、関与する立方体の側面上のカプセル壁に、対応する金属先端で穿孔することが可能である、ということだけでなく、カプセルの1対の対向する側面で穿刺されたカプセルが液体導入時の抽出圧力に耐え、抽出液のみが抽出側面で、穿孔場所でのみ流れ出す、ということも意味する。
【0021】
カプセルは、すべての側面、縁、および隅を含む壁によって、酸素を通さない気密な態様で封止される。したがって、カプセルを全体的にまたは部分的に覆う別個のホイル、およびカプセル用の酸素を通さない袋などは不要である。公知のシステムと比べ、廃棄物の量ははるかに少ない。
【0022】
好ましくは、カプセルは、すべての側面において、本質的に同じ材料組成からなる。特に、カプセルは、すべての側面において、本質的に同じ厚さのものであってもよい。言い換えれば、基本体とは異なるように構成された特別のカバーホイルは不要である。「本質的に同じ厚さ」とは、たとえば、さまざまな側面の厚さが最大で30%異なるということを意味し得る。
【0023】
立方体の形が特に有利である。すべての側面において同じ材料組成および厚さを有する構成の場合、立方体形状のカプセルを、抽出装置(コーヒーマシンなど)の抽出モジュールにどのように配置するかは、重要ではない。これは、ユーザによる間違った操作の危険性を減少させる。
【0024】
カプセルは好ましくは、プラスチックからなる。カプセルの特に好ましい材料は、ポリプロピレン(PP)である。他の材料、特に食品に対応している他のプラスチックも考えられる。プラスチックのカプセルの設計における壁厚は、好ましくは0.1mm〜0.5mm、たとえば0.2mm〜0.4mm、特に0.25mm〜0.35mmである。
【0025】
プラスチックのカプセルの設計において、カプセルは好ましくは、プラスチックのシートを変形させる(たとえば深絞りする)ことによって生成される。これにより、他のプロセス、たとえば射出成形と比べ、必要とされる材料の量を著しく減少させることができる。プラスチックのシートは、本質的に公知の方法で酸素バリア層を含んでいてもよい。以前の深絞りのプラスチックカプセルは、円錐形が深絞りプロセスに合致しているため、常に円錐形であった。この点で、この発明(またはその実施例)は、前述のように非常に有利であることがわかっている、円錐形から逸脱した形が選択されたという点で、全く新しいアプローチをとっている。この目的のために、そのような用途用に特に開発された特別の特性を有する深絞りツールが使用される。
【0026】
この発明の好ましい一実施例によれば、コーヒーマシンまたはコーヒーマシンの抽出モジュールと共に、カプセルが提供され、それは、
− 第1の抽出モジュール部分と、
− 第1の部分に対して可動である第2の抽出モジュール部分とを含み、第1および第2の抽出モジュール部分は、カプセルから抽出製品を放出するための放出装置と、カプセルおよび抽出チャンバに抽出液を導入するための注入器とを形成しており、抽出チャンバはカプセルの形状に合うよう形成され、抽出動作中、カプセルを少なくとも部分的に包囲しており、放出装置および注入器は各々、抽出チャンバが閉じられている際にカプセルを穿孔する少なくとも1つの穿孔先端を含み、
− 抽出はカプセルの前述の形状に合わされ、注入器によってカプセル内に導入された抽出液が、カプセルを通過することによってしか、放出装置が位置する側に到達できないように、密封された態様で作用する。
【0027】
言い換えれば、このアプローチは、密封機能を呈する周囲鍔をなくし、代わりに、実質的に立方体形状のカプセルを受け、にもかかわらず、カプセルを通して圧力下で抽出液をもたらす手段を含む抽出チャンバを提供する。
【0028】
さらに別の好ましい実施例によれば、抽出モジュールには、この発明に従って存在しない鍔を保持するための保持溝などがなく、代わりに、カプセルは抽出チャンバに直接投げ込まれる。これは、たとえば、第1の抽出モジュール部分が、接触面と横方向ガイドとを有するカプセル受け部を形成し、接触面は、投込み位置を介して投込まれたカプセルが、横方向ガイドに誘導されて、接触面上に位置するようになるよう位置付けられていること、第2の抽出モジュール部分が抽出チャンバを閉じるために第1の抽出モジュール部分に対して移動可能であること、および接触面と横方向ガイドとが抽出チャンバの壁の一部を形成していることを意味している。
【0029】
同様に、好ましくは、抽出モジュールは圧縮手段を含み、それによりカプセルは、たとえば2つの側面から圧縮され、それは抽出の改良をもたらす、圧縮手段は、たとえば、ばね力に逆らってカプセル空間へと移動可能であり、抽出チャンバを閉じる間に誘導カムによって移動される2つのピンを含んでいてもよい。
【0030】
カプセルを生成するための好ましい一方法は、以下のように進む。第1に、5つの側面を有し、その他の側面が開いている基本立方体(または対応する他の基本多面体)が、好適なプラスチックから生成される。これは、包装生産工場において、深絞りプロセスによって行なわれてもよい。そして、充填工場で、開いた基本体に抽出材料が充填される。次に、開いた基本体に欠けていた側面がカバーとして固定され、カバーは好ましくは、基本体と同じ材料組成を含み、同じ厚さのものである。
【0031】
第1の可能性によれば、固定は、たとえば超音波溶接、熱溶接によって、または接着によって、基本体の周囲縁に沿って行なわれる。この目的のために、基本体は最初、開いた側面の周りを走り、内側または外側に突出し、カバーが溶接または接着される鍔を有していてもよい。超音波溶接によって固定する場合、鍔にはエネルギディレクタも設けられてもよい。公知の解決策との違いとして、エネルギディレクタはこの場合、できるだけ外側に配置されなくてもよく、内側の近傍に配置されてもよい。たとえば、エネルギディレクタの1つの縁とカプセルの内壁によって規定される平面との間の距離dは、0.7mm以下、好ましくは0.6mm、0.5mm、または0.4mm以下、たとえば0.2mm〜0.4mmの範囲であってもよい。好まれるように、鍔が外側に突出している場合、カバーは基本体の開いた側面より幾分大きくてもよく、たとえば、ほぼ鍔の外縁まで突出している。溶接後、立方体(対応する他の多面体)の形からの逸脱が、あったとしてもささいなものとなるように、オプションで周囲縁がたとえば打抜きによって少なくとも部分的に切り離されてもよい。
【0032】
第2の可能性によれば、基本体は同様に、最初、外側に突出する周囲鍔を有する。カバーは、平坦であっても、または、好ましくは外側に湾曲していてもよい。次に、超音波で切断し密封するプロセスが使用される。音極と切断アンビルとの間で超音波エネルギが吸収され、一方で、同様に大きな圧力抵抗を有する比較的深い溶接を生成し、他方で、溶接動作自体で突出する鍔を切り離す、という効果を有する。
【0033】
この発明の例示的な実施例を、図面に基づいて以下に説明する。図面では、同じ参照符号は、同じまたは類似する要素を示す。図面は縮尺どおりではなく、図面ごとに異なるサイズで互いに一部対応している要素をある程度示している。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図3】
図1からのカプセルのさらに別の変形の図である。
【
図4】ほぼ立方体形状で、若干角錐台であるカプセルを概略的に示す図である。
【
図5】カプセルの一側面を介した穿刺を示す図である。
【
図6】カプセルの縁または隅を介する穿刺を示す図である。
【
図7】この発明に従ったカプセルを生成するための、補助鍔を有する基本体を示す図である。
【
図8】カプセルを生成するための方法の最中の基本体およびカバーの詳細を示す図である。
【
図9】この発明に従ったカプセルを生成するための代替的な方法のための基本体およびカバーを示す図である。
【
図10】この発明に従ったカプセルを生成するための代替的な方法のための基本体およびカバーを示す図である。
【
図12】この発明に従ったカプセルとともに動作するための抽出モジュールの図である。
【
図13】この発明に従ったカプセルとともに動作するための抽出モジュールの図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1に従ったカプセル1は立方体形状であり、壁厚が0.1mm〜0.5mm、好ましくは0.2mm〜0.4mm、たとえば0.25mm〜0.35mmであるポリプロピレンからなる。
【0036】
欧州大陸で飲む味に合うコーヒー用の個々のポーションについては、立方体の縁1.2の外側長さは、好ましくは24〜30mm、たとえば26〜27mmである。27.5mmという縁の外側長さは、コーヒーの最大充填重量が約8.5gであることをもたらす。しかしながら、個々のポーションカプセルのカプセルサイズは、たとえばアメリカンコーヒーの味に合うよう、他の寸法を有していてもよい。その点で、カプセルは、たとえば約14〜15gという充填量に対し、最大34mm、特にたとえば約32mmという縁の外側長さを有していてもよい。そのような味のために、導入される水の圧力もそれに応じて異なるよう選択されてもよく、たとえば、その他の場合に好ましい10〜18バールの代わりに、ほんの約1〜2バールであってもよい。
【0037】
結局のところ、縁の長さの好ましい範囲は、24mm〜34mmである。
抽出液を導入して抽出製品を放出するために、カプセルは、すべての6つの側面1.1、すべての12個の縁1.2、すべての8つの隅1.3から穿刺されてもよく、導入および放出は好ましくは、互いに対向する側面/縁/隅で行なわれる。
【0038】
図2に従った表示では、立方体形状のカプセルが、角が取れた縁1.2として形成された縁を有していてもよい、ということが見てわかる。さらに、鍔1.4があり、それは
図2では下側に位置し、周囲を囲んで走り、若干横方向に突出しており、生成中に作られる。以下にそれをさらに詳細に説明する。
図3が示すように、同様に生成中に作られる周囲補強材1.6もあってもよい。
【0039】
図4に従ったカプセル1は、同様にほぼ立方体形状である。しかしながら、図面の上部に位置する側面1.1は下側より幾分大きく、そのため、数学的見地から厳密に言えば、カプセルは角錐台の形を有している。図面における、ベース区域への垂線(すなわち、ベース区域と対応する側面との間の縁を通って延在する、ベース区域に直交する平面)に対する側面の傾斜角αは、非常に小さい。それは好ましくは最大2°、たとえばたった約1°である。さらに、ベース区域上方のカプセルの高さは、ベース区域の縁の長さにほぼ対応しており、たとえばそれから最大5%逸脱している。
【0040】
図5は、穿孔要素3を用いたカプセルの側壁の穿刺を非常に概略的に示す。液体を導入または放出するためにカプセルを穿刺するための穿孔手段は公知であり、また引き続き開発されている。原則として、この発明に従ったカプセルは、選択された壁厚を有する選択されたカプセル材料を穿刺するために開発されてきたあらゆる種類の穿孔機構に好適である。すなわち、この発明に従ったカプセルの特定の形が、穿刺機構についての要件を、他の形の場合の要件以外に引き起こすことはない。しかしながら、分布した多数の穿孔要素が注入器側に、および特に抽出側に存在している配置が好ましく、中央に設けられた穿孔要素があるだけではない。
【0041】
図6は、縁からカプセル1を穿刺するための対応する配置を示す。この配置は、縁の直近で互いに割当てられた2つの穿孔要素を有しており、それらは、液体が導入または放出可能となるよう、縁に隣接する側面を穿孔する。穿孔要素のさらなる対が縁の長さに沿って配置されてもよく、または、縁に隣接する2つの側面に異なる数の穿孔要素が割当てられてもよい。隅からカプセルを穿刺することも考えられ、その場合、隅に隣接するカプセルの各側面につき1つずつ、少なくとも3つの穿孔要素があることが好ましい。
【0042】
放出または導入する目的のための穿孔要素の対応する配置は好ましくは、対向する側面/縁/隅に存在しており、非対称的な配置(縁を介して導入、側面などを介して放出)も原則としては考えられる。
【0043】
上述のタイプのカプセルを生成するための方法を、
図7および
図8に基づいて以下に説明する。この方法は、上述の第1の可能性に対応している。
図7は、たとえば熱成形によって生成可能であるような、1つの側面が開いている立方体形状の本体11を示す。図では上部に位置する開口部に隣接する側壁11.1は、開口部に対向する側壁(底)への垂線からほんの少し、1°だけ傾斜しており、正確には、内側で測定した底の区域よりも開口部が幾分大きいようになっている。このオプションの特徴は、立方体形状の本体が、充填されていない状態では、場所を取らないように積重ねられ得る、という効果を有する。この発明によれば、正確な立方体形状のカプセルを得るためにこの若干の傾斜を除く可能性もある。この場合、充填されていない、開いた立方体形状の本体は、もはや良好に積重ねられず、たとえばバルク材料として有利に輸送される。
【0044】
開口部の領域では、開いた立方体形状の本体の外側に周囲鍔12が設けられており、それはかなり明らかに横方向に突出していてもよい。
図8に従った詳細な表示が明らかにするように、この鍔12は隆起11.5を有し、それは上方(すなわち、開いた側面の方向)に向けられており、(断面図における点に対応する)上縁を有する。
【0045】
隆起11.5を有する鍔12は、超音波溶接によるカバー13の固定において助けとなる。この目的のために、カバー13は、
図8に例示する方法で所定の位置に置かれる。次に、超音波溶接装置の音極が(
図8に示す配向を参照して)上方からカバーに押付けられ、超音波振動が後者に結合される。この場合、鍔12は第1に、反力を加えるのに役立つ。超音波振動を受ける前は、抽出材料で充填されている本体11は、本体の断面に対応するように形作られた正方形の開口部内へ突出するよう、接触面15上に配置され、接触面と鍔12とはこの開口部の縁で当たった状態である。その結果、超音波溶接中に本体は固定され、本体11の安定性とは無関係に、必要な反力を加えることができる。超音波溶接動作中、隆起11.5はエネルギディレクタとして機能する。隆起の領域では、超音波エネルギが主として熱に変換され、そのため、カバー13の材料および本体11の材料がその近傍で溶け始め、こうして互いに溶接される。隆起11.5の代わりに、またはそれに加えて、鍔はまた、エネルギディレクタとして作用する他の構造、たとえば複数の先端などを有していてもよい。
【0046】
超音波溶接動作に続き、鍔は打抜きによって除去されてもよい。これにより、
図2に表すような残りの鍔1.4がせいぜいほんの少ししか突出していない(たとえば、0.1mm以下)、
図3に表すような立方体が生成される。
【0047】
この目的のためには、
図8に示すように、エネルギディレクタ(ここでは隆起11.5)が、先行技術から公知であるように鍔上のできるだけ外側に位置するのではなく、本体11の内壁近傍の内側に位置していると、好都合である。なぜなら、打抜き動作中は、打抜きツールは好ましくは、溶接前にエネルギディレクタがあった場所の外側で接触すべきであるためである。たとえば、隆起11.5によって形成された縁と内壁との間の距離dは0.7mm以下であり、特に好ましくはさらに少なく、たとえば最大0.6mm、0.5mm、または0.4mmであり、たとえば0.25mm〜0.4mmである。
【0048】
(超音波切断および密封プロセスを有する)第2の可能性に従った生成方法のために使用可能であるような、(幾分誇張されて示された若干の円錐性を有する)カプセル本体11およびカバーの変形を、
図9および
図10に表す。カプセル本体の鍔12とカバーの鍔13.2とがアンビルにおいて互いに重ねて配置され、次に超音波切断および密封プロセスによって切り離されて、溶接ビードがほんの少ししか突出していない立方体形状のカプセルをもたらす。上述の実施例との違いとして、カプセル本体は側壁の幅に比べて高さが若干小さくなっており、足りない立方体高さを補うために、カバーが外側に湾曲している(図では、カバー内側部分13.1の湾曲が非常によく見える)。その結果、溶接ビードは上部端面から若干ずれている。すなわち、下向きにずれている。
【0049】
図11は、上述の超音波切断および密封プロセスによって生成されたカプセル1の一例を示す。0°とは若干異なる、約1°の角度α(
図4も参照)と、すべての側面において、立方体のサイズが27.5×27.5×27.5mmの場合、最大でd=約0.35mm、すなわち最大で約3%、横方向に突出している周囲溶接ビード14とが、はっきりと見てわかる。既に上述したように、溶接ビードは上部端面に対して若干下向きにずれている。
【0050】
図12および
図13は、カプセル1を有する抽出モジュールを示す。本質的に公知の方法で、抽出モジュールは、2つの垂直な誘導壁を有する枠組みの間で誘導されて、放出装置103と注入器104とを有しており、それらは、枢動ピン106の周りを枢動可能な操作レバーによって互いに対して移動可能である。図示された実施例では、注入器は、放出装置103の方向における操作レバーの枢動運動によって移動可能であり、一方、後者は枠組みに対して動かすことができない。
【0051】
図12では、立方体のポーションカプセルを投込むための投込み開口部107が明らかに見てわかる。投込み開口部は枠組みに形成され、放出装置103の領域に位置しており、後者と同様、操作レバーが動く間は静止したままとなっている。投込み開口部は、カプセルが投込まれた際のカプセルに対するセンタリング効果を、カプセルが傾く危険性が高くなりすぎることなく有するために、若干円錐形で下向きにテーパがつけられていてもよい。
【0052】
動作状態では、抽出モジュールはコーヒーマシンの水平抽出モジュールとして機能し、コーヒーマシンは、抽出モジュールとは別に、水タンクと、水加熱装置(たとえば、フローヒータ)と、抽出水を注入器104に供給するためのポンプとを含む。注入器の対応する供給路118が、本質的に公知の方法で形成されてもよい。それらはこの発明の主題ではないため、ここではより特定的には説明しない。注入器はまた、割当てられた供給開口部を有する少なくとも1つの穿刺先端112を有しており、そのためカプセルは穿刺され、供給開口部を通して抽出液を供給され得る。コーヒーマシンはまた、たとえばカプセル容器を含んでおり、それは抽出チャンバの下方に配置され、その中にカプセルが、操作レバーを上げることによって抽出動作後に自動的に排出される。
【0053】
放出装置103にはまた、少なくとも1つの穿刺先端111と、割当てられた放出開口部とが設けられている。構成に依存して放出ラインもあり、それにより、放出装置を離れた後で出てくるコーヒー(またはその他)が、意図された場所に置かれたカップ内に流入するよう通される。
【0054】
図12に特に良好に見えるように、放出装置103は、投込み開口部を通して投込まれたカプセル用の接触面21を有するカプセル受け部を形成しており、載置区域20を規定している。
【0055】
抽出チャンバが開いている際に投込み開口部を通して投込まれたほぼ立方体形状のカプセルは、第1の側壁に誘導されて、接触面21上に載置するであろう。
【0056】
注入器はまた、両側の各々にプレスピン32を有しており、それは誘導プレート31を介して設けられ、図示されていないもののプレスピンの鍔32.1と側壁115との間に配置されたばねのばね力に逆らって、内側に移動可能であり、載置位置ではそれは側壁115を越えて内側に突出しないよう、撓んだ位置ではそれは側壁を越えて抽出空間内へと内側に突出するようになっている。同時に、鍔32.1はまた、誘導プレート31とともに、プレスピン32の径方向外側への動きに対する留め部を形成している。
【0057】
プレスピン32の動作モードを、
図13に明らかに例示する。抽出モジュールの側部では、両側の各々にカムウェイ42が一体化されている。そのようなカムウェイは、対応する側壁自体に形成されてもよく、または、図示されているように、側壁に固定されたカムウェイ要素41に形成されてもよい。プレスピン32は、ばね力によって外側にカムウェイ42に押付けられる。注入器104が開いた位置から閉じた位置へ移動する間、それは、カムウェイの形状のため、ばね力に逆らって内側に撓む。その結果、挿入されたカプセルは両側で圧縮される。プレスピンの内側の撓みは、たとえば2〜8mm、好ましくは3.5〜7mmであってもよい。その結果、カプセル内部のコーヒー粉末は、特に中央領域で圧縮される。これは、中央を通って流れる抽出液が、カプセルの周囲に沿って流れる抽出液よりも低い抵抗を受けないようにするという結果も有する。
【0058】
抽出チャンバの閉じた状態への遷移の間、カプセルはまた、放出装置が位置する側へ容易に移動され、それにより、放出装置の穿刺先端111と注入器の穿刺先端112とによって、両側で穿刺される。
【0059】
抽出材料の圧縮とは別に、プレスピン32はまた、さらに別の機能を有する。抽出動作後に抽出チャンバが開けられると、それらは、カプセルがカプセル受け部から注入器側の方向に移動して、カプセル容器(図示せず)内へと下向きに落下し得るようにする。これは自動的に行なわれる。なぜなら、注入器の移動中、プレスピン32は最初、依然として抽出チャンバの内部に達してカプセルを固定しており、この固定はほぼ
図12に示す位置でのみ解除され、そこではカプセルの重心がすでに載置区域を越えているためである。カプセルの充填度に依存して、この効果は、抽出材料が抽出動作の後でしばしば膨張すること、したがってカプセル壁を若干外向きに膨らませる傾向を有することによって、さらに強化される。
【0060】
同様に、
図13では、注入器側の穿刺先端112同士は、放出装置側の穿刺先端111同士とは異なる間隔だけ離れている、ということが見てわかる。図示された例では、注入器側の穿刺先端は、放出装置側の穿刺先端(ここでは14mm離れている)よりも、明らかにさらに外側に配置されている(ここでは19mm離れている)。先端間の距離は著しく、たとえば少なくとも15%異なることが、概して好ましい。
【0061】
抽出チャンバは、抽出動作中に抽出水がカプセルを通り抜けて放出装置に入らないように、また、抽出製品が放出装置へと流れる以外、どこにも流れないように形成される。