(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各係合部材の揺動軸位置は、係合部材の、前記回転対象物との当接位置と、前記付勢部材の、当該係合部材との当接位置との間の途中位置であり、かつ、当該両当接位置から等距離である中間位置よりも前記付勢部材と係合部材との当接位置側にオフセット配置されている、請求項1又は請求項2に記載の回転挟持機構。
【符号の説明】
【0009】
1…回転挟持機構、11…出力軸部、11a…回転軸、
20…回動部材
(回転部材)、20a…ネジ、21…先部、22…基部、23…摺動部、
30…係合部材、30a…揺動軸部、30b…揺動軸、30c…揺動軸の接円、
30d…揺動面、30e…揺動軸と接円の接点、31,31a,31b,31c…爪部(当接部)、
32…アーム部、33…テール部、33a…付勢面、33b…カム面(押付け面)、34…カム溝、
40…付勢部材、41…バネ、42…ヘッド部、
50…スライダ、51…スライダ本体、51a…リブ部、52…カムローラ(押付け部材)、
52a…カムローラ52の中心軸(円筒形の中心軸)、52b…中心軸の接円、
A…エンジンの主軸、B…ドライブプレート(回転対象物),C…ドライブプレートの軸心,
D1…揺動軸からヘッド部の当接位置までの距離、D2…揺動軸から爪部までの距離、
G…歯車、X…回転軸方向、Xa…回転軸方向前方、Xb…回転軸方向後方。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明に係る回転挟持機構の実施例について説明する。
本実施例の回転挟持機構1(
図1参照)は、エンジンのコールドテスト装置(内燃機関のテスト装置)で用いられるものである。コールドテスト装置は、図示しない装置基礎部に設置されたエンジン設置部(不図示)及び回転挟持機構1を備えており、エンジン設置部上の所定のテスト位置(動力伝達実施位置)に設置されたテスト対象のエンジンを、回転挟持機構1を用いて回転させることによって、エンジンについて各種のテストを行う装置である。
【0011】
回転挟持機構1は、テスト位置に設置されたエンジンのドライブプレートBを挟持するものであり、
図1に示されるように、装置基礎部に設置されたモータ(不図示)の出力軸部11に固定された回動部材20を備えている。従って、このモータを作動させると、出力軸部11が回転軸11aまわりに回転して、回動部材20が出力軸部11と一体で回転する。
【0012】
回動部材20は、出力軸部11の先端側に固定された先部21と、出力軸部11の根元側に固定された基部22と、先部21の根元側を取り囲むように配置された円筒形状の摺動部23とを備えている。そして、摺動部23の外側には、摺動部23の外周部に沿ってスライド可能な、後述するスライダ本体51が配置されている。先部21、基部22及び摺動部23は、ネジ20a等の固定部材によって一体に組みつけられて回動部材20を構成している。
【0013】
回転挟持機構1は、挟持対象であるドライブプレートBに当接する爪部(当接部)31を備えた係合部材30と、係合部材30に付勢力を付与する付勢部材40と、係合部材30を開閉させるためのカムローラ(押付け部材)52を備えたスライダ50とを備えている。
【0014】
図3に示されるように、係合部材30は、揺動軸部30aにおいて回動部材20の先部21に揺動可能に軸支されており、揺動軸部30aから回転軸方向Xの前方Xaに延びるアーム部32と、揺動軸部30aから後方Xbに延びるテール部33とを備えている。
アーム部32は、その先端に、ドライブプレートBに当接する爪部31を備えている。
爪部31は、ドライブプレートBとの当接位置に形成されたものであり、ドライブプレートBの外周に形成された歯車Gに係合可能な凹凸形状を備えている。
テール部33は、後述する付勢部材40のヘッド部42が当接する付勢面33aと、カムローラ52が当接するカム面(押付け面)33bと、回転軸前方Xa側が回転軸11aに向かって下向きに傾斜しているカム溝34とを有している。テール部33の付勢面33aは、回動部材20の中心の回転軸側(径方向内側)に向いた面である。また、カム面33bは、カムローラ52が挿し抜きされるカム溝34のヘッド部42側に位置する面であり、回転軸後方側から回転軸前方側に向かって回転軸11aに近づく向きに傾斜した傾斜面である。なお、カム面33bは、必ずしも溝部における溝面でなくてもよく、テール部33の外形面であってもよい。
このように、係合部材30の揺動軸部30aの位置(揺動軸位置)は、爪部31の位置(当接位置)と、付勢部材40のヘッド部42が係合部材30に当接する位置(付勢位置)との間の途中位置に配置されている。また、揺動軸位置は、爪部31の位置と、カムローラ52が係合部材30に当接する位置との間の途中位置に配置されている。
【0015】
係合部材30は、爪部31がドライブプレートBに当接する状態になる係合位置(
図2参照)と、係合が解除された状態の解除位置(
図1参照)とに揺動可能である。
係合位置の係合部材30は、爪部31がドライブプレートBの歯車Gに係合し、回転挟持機構1によってドライブプレートBを挟持している状態である(
図2参照)。ドライブプレートBを挟持した状態で、回動部材20を回転させると、回動部材20の回転動力が係合部材30を介してドライブプレートBに伝達され、ドライブプレートBを回転させることができる。すなわち、エンジンに燃料を供給して実際に燃焼させることなく、エンジンを駆動させる(コールドテストする)ことができる。
他方、解除位置の係合部材30は、爪部31がドライブプレートBから離間した状態である。この状態のとき、コールドテスト対象のエンジンを、所定のテスト位置に対して搬入出することができる。
【0016】
なお、本実施例の回転挟持機構1は、
図4に示されるように、係合部材30を、例えば3つ備えている。各係合部材30の揺動軸部30aの揺動軸30b(
図3参照)は、回動部材20の回転軸11aを中心とする同一の接円30cの接線である。そして、係合部材30が揺動する際に、係合部材30の揺動軸30bと揺動軸30bとの接円30cとの各交点が描く軌跡(揺動面)30dは、いずれも、接円30cの円周方向と直交しており、各揺動軸30bと接円30cとの接点30eを通っている。つまり、3つの揺動面30dは、回転軸11aの位置で交差している。また、3つの揺動面30dが120度間隔になるように、3つの係合部材30が等間隔で配置されている。なお、係合部材30の数として、本実施例は3つの場合を例に挙げたが、2つであってもよく、また4つ以上であっても良いことは言うまでもない。
【0017】
付勢部材40は、係合部材30を係合位置に向けて回転させる向きに付勢する付勢力を係合部材30に付与するものであり、
図5に示されるように、各係合部材30に対応して1つずつ設置されている。
各付勢部材40は、
図1に示されるように、回転軸11aと係合部材30のテール部33との間に配置されており、コイル状のバネ41と、バネ41の先端部に取り付けられたヘッド部42とを備えている。
バネ41は、
図5に示されるように、回動部材20の回転軸11aの軸方向Xと直交する径方向(回転軸11aから外側に延びる放射方向)に伸縮方向が向けられた押しバネであり、伸長可能な状態である。そして、バネ41は、その中心を通る伸縮方向に延びる伸縮軸が、対応する係合部材30の揺動面30d上に位置するように設置されている。つまり、各係合部材30の揺動面30dは、回動部材20の回転軸11aとバネ41の伸縮軸(付勢部材の付勢方向)とで形成される面と一致する。このように、各バネ41は、係合部材30の揺動面30dと同様、120度間隔で配置されている。
また、バネ41は、その基端部(径方向の回転軸側の端部)で回動部材20に当接し、径方向外側の先端部でヘッド部に当接しており(
図1参照)、バネ41の伸長に伴ってヘッド部42を径方向外向きに付勢している。
ヘッド部42は、進退移動するバネ41の先端部を覆うように設けられた円筒体であり、バネ41に取り付けられている。また、ヘッド部42は、係合部材30のテール部33に当接しており、ヘッド部42の、テール部33との当接部は球面部になっている。また、付勢部材40は、径方向外向きの付勢力を係合部材30のテール部33に付与することで、係合部材30を係合位置に向けて付勢している。
例えば、解除位置の係合部材30(
図1参照)は、テール部33を付勢力によってカムローラ52に押付けられた状態である。このような状態の係合部材30は、付勢部材40とカムローラ52とに挟まれた状態で解除位置に位置決めされる。他方、係合位置の係合部材30(
図2参照)は、爪部31を付勢力によってドライブプレートBに押付けられた状態である。このとき、付勢部材40の付勢力は、爪部31の、ドライブプレートBとの係合状態を維持する力として作用する。
また、本実施例の付勢部材40は交換や取り出しなどのメンテナンスが容易である。つまり、テスト位置にエンジンを設置していない状態で係合部材30の揺動軸部30aを取外し、係合部材30を回転部材20から取り外すだけで、付勢部材40を径方向外側に容易に取り出すことができる。
なお、揺動軸30bからヘッド部42の当接位置までの距離D1(
図2参照)は、揺動軸30bから爪部31までの距離D2より短い。つまり、揺動軸位置30aは、爪部31の位置と付勢位置(ヘッド部42の係合部材への当接位置)との中間位置よりも付勢位置側にオフセット配置されている。
【0018】
図1に示されるように、スライダ50は、回動部材20の外周に取り付けられた筒形状のスライダ本体51と、スライダ本体51の回転軸前方側のリブ部51aに設置されたカムローラ(押付け部材)52とを備えている。リブ部51aは、スライド本体51から径方向外側に突出して設けられ、カムローラ52を回転自在に軸支する。
スライダ本体51は、回動部材20の回転軸方向Xに摺動可能な状態で設置されており、図示しないアクチュエータ(不図示)によって回転軸方向Xに進退移動される。
カムローラ52は、
図5に示されるように、係合部材30の開閉機構を構成する部材であり、各係合部材30に対応して1つずつ設置されている。また、各カムローラ52は、スライダ本体51が進退移動されると、スライダ本体51と一体に回転軸方向Xに進退移動するものであり、回転軸方向前方Xaに移動したときの退避位置(
図2参照)と後方Xbに移動したときの押し込み位置(
図1参照)との間で進退移動可能である。
各カムローラ52は、円筒形の部材であり、各カムローラ52の中心軸(円筒形の中心軸)52aの方向は、対応する係合部材30の揺動軸30bと同じ方向である(
図3、4及び5参照)。そして、3つのカムローラ52の中心軸52aは、回動部材20の回転軸11aを中心とする同一の接円52bの接線上に位置する。
また、各カムローラ52は、対応する係合部材30のテール部33のカム面33bに摺動可能な状態で接するものであり、カム溝34内に配置されている。なお、各カムローラ52は、その中心軸52aが揺動軸30bの位置よりも回転軸側に位置するように配置されており(
図1参照)、対応する係合部材30の揺動面30dと交差する状態で配置されている(
図5参照)。
【0019】
ところで、カム面33bは、上述したように、カムローラ52の進退方向(回転軸方向)の前進方向になるほど回転軸11aに近づく向きに傾斜している。また、係合部材30のテール部33は、付勢部材40によって径方向外側の向きに(係合位置に向けて)付勢されている。
従って、スライダ本体51を回転軸方向前方Xaに前進させると、
図3に示されるように、カムローラ52が前進し、同時に、係合部材30が、カム面33bとカムローラ52との摺動接触を維持しつつ、付勢部材40の付勢力の作用によって係合位置に向けて回転する。そして、3つの係合部材30が係合位置に達すると、各係合部材30の爪部31がドライブプレートBに係合し、ドライブプレートBが回転挟持機構1によって挟持される(
図3(C)参照)。その後、さらにカムローラ52が前進すると、カム面33bから離間した退避位置に達する(
図3(D)参照)。
つまり、係合部材30は、爪部31がドライブプレートBに係合する係合位置に達するまでは、カムローラ52と付勢部材40に挟まれた状態で位置決めされる。ところが、爪部31がドライブプレートBに係合した後は、両部材40,52に挟まれた状態ではなくなり、付勢部材40による付勢力及び付勢部材40の自重に伴う遠心力の両反力により、爪部31がドライブプレートBに押付けられた状態になる。
そして、スライダ本体51を後退させると、退避位置のカムローラ52が後退し、係合位置に位置する係合部材30のカム面33bに当接する(
図3(C)参照)。つまり、係合部材30が付勢部材40とカムローラ52に挟まれた状態になる。さらにカムローラ52が後退すると、係合部材30の爪部31がドライブプレートBから離間し、係合部材30は付勢部材40の付勢力に抗してバネ41を圧縮しつつ解除位置に向けて回転する(
図3(B)参照)。そして、カムローラ52が押し込み位置に達すると、係合部材30が解除位置に達する(
図3(A)参照)。
このように、本実施例の回転挟持機構1では、係合部材30の開閉機構を構成する上述したカムローラ52、カム面33b及び付勢部材40を用いて係合部材30を開閉している。
【0020】
また、上述したように、係合位置の係合部材30は、爪部31がドライブプレートBに押付けられた状態であり、付勢部材40とカムローラ52とに挟まれて位置決めされた状態ではない。つまり、係合部材30の係合位置は、挟持対象物であるドライブプレートBの(製品精度や取付け精度に起因する)位置変動があっても、この変動に応じて変動可能な状態になっている。別言すれば、係合位置に位置する3つの係合部材30でドライブプレートBを挟持した回転挟持機構1は、ドライブプレートBの位置変動に対応可能なフローティング状態の挟持機構である。よって、係合部材30が係合位置に位置した状態において、回転挟持機構1の回転力は各係合部材30を介してドライブプレートB(すなわちエンジン)側に伝達される。
そして、回動部材20の回転軸11aの軸心とドライブプレートBの軸心Cとが芯ずれしている場合、各係合部材30に位置ずれが生じるため、回動部材20の回転に伴って回転挟持機構1側に振動等が発生する。しかしながら、回転挟持機構1における各係合部材30はフローティング状態にあるので、振動等が各係合部材30を介してドライブプレートB側、すなわちエンジン側に伝達されるということはない。すなわち、回転に伴って振動するのは各係合部材30だけであり、エンジンに振動等は伝達されないため、振動体(振動するもの)の慣性力の増分は少なく、ひいては設備全体の振動も小さくなり、共振が生じにくくなる。その結果、エンジンのコールドテスト時におけるノイズが減少し、各種計測精度が著しく向上するという作用効果を奏する。
【0021】
なお、コールドテスト装置の構成のうち、上述した構成以外の構成は、周知の構造であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0022】
次に、上述したコールドテスト装置の回転挟持機構1の動作について説明する。
なお、ここでは、係合部材30が解除位置に位置しており、カムローラ52が押し込み位置に位置する状態(
図1参照)を基点として、回転挟持機構1の動作説明を行う。
【0023】
まず、係合部材30を解除位置に位置させた状態で、テスト対象のエンジンが所定のテスト位置に搬入されて設置される。このとき、エンジンは、ドライブプレートBの軸心Cと回転挟持機構1の回動部材20の回転軸11aができるだけ一致するように設置される。
次に、アクチュエータを作動させて、スライダ本体51を前進させて各カムローラ52を前進させる。すると、各係合部材30が付勢部材40の付勢力によって押されて係合位置に回転し、各係合部材30の爪部31がエンジンのドライブプレートBに当接して係合する。つまり、3つの係合部材30によって、ドライブプレートBが挟持された状態になる。
さらに、カムローラ52を前進させると、カムローラ52が係合部材30のカム面33bから離間した退避位置に移動する。
この状態でモータを作動させて回動部材20を回転させることにより、エンジンのドライブプレートBを回転させて、エンジンのコールドテストを実施する。
【0024】
ところで、エンジンをテスト位置に設置するとき、エンジンのドライブプレートBの軸心Cと回転挟持機構1の回動部材20の回転軸11aとを完全に一致させることは必ずしも容易でない。
両軸心にズレがある状態(
図6(A)参照)で、3つの係合部材30の爪部31a,31b,31cをドライブプレートBに係合させると、回動部材20の回転軸11aからドライブプレートBに係合する各爪部31a,31b,31cの位置(係合位置)までの距離にバラつきが生じる。そして、両軸心にズレがある状態で、回動部材20を回転させてドライブプレートBを回転させる駆動動作を行うと、駆動動作中に各爪部31a,31b,31cの位置が揺動面30dの方向に時々刻々と変化する。
図6では、各爪部に別個の符号31a,31b,31cを付し、
図6(A)の状態から60度回転した状態を
図6(B)に示した。各爪部31a,31b,31cは、両軸心にズレがなければ、二点鎖線に沿って回転移動するものであるが、例えば、
図6(A)示される爪部31aは、60度回転すると、二点鎖線の位置からさらに離れた位置に揺動する(
図6(B)参照)。つまり、各係合部材30は、駆動動作中に揺動する。
駆動動作中に係合部材30が揺動すると、爪部31とドライブプレートBとの当接位置で爪部31がガタついて振動が生じたり、係合部材30の揺動に起因した振動が生じたりするおそれがある。このような振動がドライブプレートBに伝わってエンジンが振動すると、コールドテストに悪影響を及ぼすおそれがある。
この点、本実施例の回転挟持機構1では、次に説明するように、振動の発生が最小限に抑制されている。したがって、本実施例の回転挟持機構1を用いたコールドテスト装置では、コールドテスト時に回転対象物に伝わる振動が最小限に抑制され、テスト対象のエンジンに対して、より正確なコールドテストを実施することができる。
【0025】
例えば、係合位置に位置する3つの係合部材30は、上述したように、フローティング状態でドライブプレートBを挟持している。したがって、回転挟持機構1によるドライブプレートBの駆動動作では、各係合部材30がそれぞれ独立してドライブプレートBに追従でき、しかも各爪部31の挟持力(付勢部材40による付勢力及び付勢部材40の自重による遠心力の反力)は常に一定(又はほぼ一定)である。このため、各係合部材30によるドライブプレートBの挟持が各係合部材30の振動等に左右されることはなく、挟持状態が維持される。よって、爪部31とドライブプレートBとの当接位置におけるガタつきの発生が防止される。
特に、本実施例では、係合部材30によってドライブプレートBを挟持するとき、係合位置の係合部材30のカム面33bからカムローラ52を離間させたフローティング状態でドライブプレートBを挟持しているので、コールドテスト時、回動部材20の回転に伴う所定周波数の振動が係合部材30に伝達されることを極力低減することができる。そして、このとき係合部材30は回転力と挟持力のみをドライブプレートBに付与する。言い換えると、係合部材30を介してドライブプレートBに伝達されるのは回転力及び挟持のための付勢力のみであって、回動部材20の回転に伴う振動周波数が伝達されることはない。
【0026】
また、付勢部材40のバネ41の伸縮方向(付勢部材の付勢方向)は、回動部材20の回転軸11aの軸方向と直交する方向であり、揺動面30dに沿った方向である(
図5参照)。別言すれば、付勢部材40の付勢力の向きが揺動面30dに沿った向きになるよう付勢部材40が配置されている。このような構造であれば、係合部材30に付与された付勢力に起因して、揺動面30dに交差する方向の分力が発生することがなく、このような分力に起因した振動(軸方向前後の振動)の発生が防止される。
【0027】
また、各係合部材30の揺動軸30bの位置は、爪部31の位置と付勢部材40のヘッド部42の当接位置との間の中間位置よりも付勢当接位置側にオフセット配置されている。回動部材20の回転軸11aの軸心とドライブプレートBの軸心C心とにズレがある状態でドライブプレートBを回転させた場合、回動部材20の回転時に各係合部材30がバラバラの揺動位相で揺動することとなり、回転挟持機構1の回転部分全体の重心が変動し、この変動に起因して振動が生じるおそれがある。この点、係合部材30の揺動軸30bの位置が、上述したようなオフセット配置であれば、爪部31の位置変動量よりも付勢位置の変動量が小さくなり、付勢部材40の伸縮変動量が小さくなる。また、係合部材30のテール部33の長さや大きさを小さくすることができる。付勢部材40の伸縮変動量やテール部33の大きさを小さくすることができれば、回転挟持機構1の回転部分の重心変動量をより確実に小さくすることができ、重心変動に起因した振動の発生が最小限に抑制される。なお、回転軸11aの軸心とドライブプレートBの軸心Cとが一致していても、ドライブプレートBの製品精度の問題により、各係合部材30の把持位置が軸心Cからバラバラになることもある。本発明に係る回転挟持機構は、この場合においても有効であることは言うまでもない。
【0028】
また、付勢部材40は、付勢位置(付勢部材40と各係合部材30におけるテール部33の付勢面33aとの当接位置)が揺動軸30bの位置よりも回動部材20の回転軸11a側に位置するように配置されている。このように、付勢部材40を回動軸11a寄りの位置に配置すると、回動部材全体の構成が回動軸寄りの位置に配置されることになり、回動部材20がよりコンパクトで、しかも、より軽量になる。回動部材20の重量が軽量になるため、回動部材20の慣性モーメントも小さくなる。
【0029】
なお、本発明に係る回転挟持機構は、上記実施例のものに限られるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変されたものは、本発明の範囲に含まれる。
【0030】
例えば、上記実施例の係合部材30のテール部33は、カムローラ52が係合されたカム溝34を備えた構造になっているが、カムローラ52が摺動接触するカム面33bが形成されていれば、カム溝34を備えていない構造でもよい。