(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
これらの種々のスポーツのために使用される伝統的な表面は草、より正確には芝であるが、これは夏には理想的表面とされている一方で、天候変化に敏感であり、条件が望ましくない場合、特に霜が降りた場合には、劣化させずに集中的な使用に耐えることができない、という欠点がある。
【0003】
この欠点を補うために、ひとつの考えは、天然芝を人工表面に置換すること、特に
サッカーやラグビー、馬レーストラック、馬場及びレースコースのために、砂、特にケイ砂に基づく合成表面で置換することであり、これに、メッシュ、繊維、灰、粉砕合成成分、パラフィン及びトラックへの接着性を増加させ、霜への弱点及び水撒きの必要性を低減させるあらゆる可能な成分と組み合わせることも可能である。
【0004】
しかし、これらの表面は、環境的及び経済的観点から、天然芝に比較して、使用の容易性、選手及び近隣の快適性及び選手の安全性について大きな欠点を持つ。
【0005】
事実、天然芝は、他の全ての植物同様に、光合成の手段により環境に寄与し、本当の太陽電池空調として作用し、合成表面が太陽の下で60℃に達する場合にも地面の温度を約20℃の温度に維持し、かつ最終的に天然芝は、空気及び水から微細粉塵を吸収して清浄化するものである;逆に合成表面は、塵を捕捉することなくむしろ発生させて環境に放出し、かつ夏には悪臭を放ち、再利用上の問題を有する。また経済的に、芝で作られるスポーツ用表面の価格は、寿命コストから、投資も合成表面に比べて少なく、かつより長い寿命であるという事実から有利である(合成方法表面は10年後には交換される)。合成表面に比べて芝の大きな他の利点は、選手の快適性及び安全性であり:第1に芝は地面を十分硬くエネルギーを保持して返すことができ、これにより運動選手の筋肉に余裕を与え、第2に、地面を十分平坦かつ反発的にし、同時に十分弾性的であり運動選手の走りを抑制し、関節に余裕を与える。そこで芝は運動選手及び/又は動物の筋肉に余裕を与える。
【0006】
理想的条件での天然芝と比較して前記の欠点があるにも拘わらず、天然芝と置換された合成表面は、
サッカーピッチのための「合成芝」、競馬場やアリーナのための砂及び繊維又は織物を土台材料として広く使用されており、また実際天然芝はあらゆる環境で適切な条件となることはないという材料的欠点を持つ。この欠点は現在、人工表面と比較して天然芝の全ての他の利点(経済性、環境への影響及び健康上)を上回る許容できない欠点として認識されている。
【0007】
湿潤期間での芝の安定性欠如の欠点を解消するために、いくつかの提案がなされており、それは、芝を成長させるための基材へいくつかの要素、特にプラスチック繊維のメッシュを添加し、その後粗い合成繊維を添加し、最後に「微細」合成繊維を添加することである。
【0008】
コンクリートが、大きいメッシュの金属メッシュで強化され(強化コンクリート)、その後比較的微細な合成繊維(直径が100μm以上)の添加、その後ミクロ繊維として知られる繊維(直径が50μm以上)の添加により、強化及び補強される方法と同じく、提案された方法は、芝成長のための基材へ繊維を添加し、これはポリプロピレン糸から製造されたストリップ(例えば市販されている登録商標Netlon)、その後微細かつより微細な繊維であって、正確には強化コンクリートに使用するために市販されているものを添加する方法である。
【0009】
さらに、本質的に砂からなる芝基材の抵抗性を改善するために、コンクリートで使用されるよりも微細な繊維を導入することが既に提案されている。例えば、人工スポーツ用表面が、芝を使用せずに得られ、対せん断抵抗性であり、芝の屋根による地面へ与えられる抵抗と類似のメカニズムにより、1から5重量%の微細(5から20μm)維、及び比較的短い(4から75mm)の繊維を1から5重量%、10μmと20mmの間の顆粒の本質的に砂である基材に導入することで、得られることが知られている(仏国特許出願公開第2.707.03−A)。
【0010】
これらの添加物は、コンクリートと同様の方法で、基材を「強化」するために有効であり、事実これにより、せん断抵抗性として良好な性能を達成する表面が得られるが、一方で残念ながらこの抵抗性の改善は柔軟性を犠牲にするものである。
【0011】
霜に敏感な土壌の欠点を改善し、芝の表面に柔軟性を持たせるために、最近提案された方法は、コルク顆粒、より具体的には焼成コルク顆粒:粗顆粒(>3mm)、中間顆粒(500μmから3mm)及び微細顆粒(<500μm)を添加して、培地基材への霜抵抗性を改善することであり、その結果、前記コルクの断熱性と弾性の二重効果により、凍結の際の水の増加した容積を「取り込む」ことができ、かつコルクの粗い粒子により透過性が付与される、というものである。同時に、コルクはその密度と弾性により、基材を軽くし、柔軟にし、かつ圧縮に対して抵抗性にするという利益を与える。さらに、大きい顆粒が基材の透過性を改善する際に、小さいコルク顆粒は膨潤せず、コルクの大きな表面張力及び表面対容積比により大きなキャピラリー水保持容量を与える。
【0012】
しかし、コルクの導入は、特に粗い顆粒を添加した場合に柔軟性及び霜に対して優れた挙動を可能にするが、一方で特に粗い顆粒が添加される場合には基材の接着性及びせん断抵抗性を阻害し得るものとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の他の課題は、特に天然芝を成長させるために使用する基材を提供することであり、特に天然芝のスポーツ用表面を形成することでき、あらゆるタイプのスポーツに適するスポーツ用表面である。
【0015】
本発明の他の課題は、高い抵抗性、高い柔軟性、優れた排水性、対霜性の、かつ非常に大量の降雨に悪影響されない基材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
これらの課題、以下さらに明らかとなる他の課題は、培養培地としての使用が意図される基材により達成され、本発明によればこの基材は:
−第1の部分を含み、これは前記基材の
骨格を構成し、前記基材の全容積の70%
超を表し、100μmを超える顆粒サイズを持つ粒子P
>100からなり、
前記粒子の全てが硬粒子P
D>100及び/又は弾性粒子P
R>100からなり、前記弾性粒子P
R>100が、前記第1の部分の容積について0%から100%の間の
容積比PVを持ち、
−100μm未満の粒子要素P
<100の第2の部分を含み、この部分は前記基材1Lにつき0から450g
を構成し、
−第3の部分を含み、これは前記基材の1Lにつき0から200g
を構成し、3mmと100mmの間の長さ、及び5μmと35μmとの間の直径を持つ微細繊維からなり、
−第4の部分を含み、これは前記基材1Lにつき0から200g
を構成し、他の細長い及び/又は表面介在物からなり、これらの細長い又は表面介在物は、それらの寸法の少なくとも1つが前記第1の部分の粒子の顆粒サイズよりも大きく、前記第3の部分の量と前記第4の部分の量との合計が、前記基材1Lにつき0.5gよりも大きい。
【0017】
好ましくは、寸法が180μmを超えるか又は100μm未満である全ての粒子が、
合わせて基材1Lにつき1000g未満である。
【0018】
本発明の第1の実施態様によれば、弾性粒子P
R>100の
容積比PVが5%未満であり、前記微細繊維の量DFと前記第4の部分の
前記他の介在物の全ての量DAIの合計が、基材1Lにつき0.5gを超え、及び基材1Lにつき20g
未満である。
【0019】
本発明の第2の実施態様によれば、弾性粒子P
R>100の
容積比PVが5%を超え、前記微細繊維の量DFと前記第4の部分の
前記他の介在物の全ての量DAIの合計が、基材1Lにつき1gを超える。
【0020】
本発明の第3の実施態様によれば、弾性粒子P
R>100の
容積比PVが5%と60%の間であり、前記微細繊維の量DFが基材1Lにつき1gを超え、前記微細繊維の量DFと前記第4の部分の
前記他の介在物の全ての量DAIの合計が、基材1Lにつき80g
未満である。
【0021】
本発明の第4の実施態様によれば、弾性粒子P
R>100の
容積比PVが60%を超え、前記微細繊維の量DFと前記第4の部分の
前記他の介在物の全ての量DAIの合計が、基材1Lにつき7gと40gの間である。
【0022】
本発明の第5の実施態様によれば、弾性粒子P
R>100の
容積比PVが60%未満であり、前記微細繊維の量DFと前記第4の部分の
前記他の介在物の全ての量DAIの合計が、基材1Lにつき2gと80gの間である。
【0023】
本発明の第6の実施態様によれば、弾性粒子P
R>100の
容積比PVが60%を超え、前記微細繊維の量DFと前記第4の部分の
前記他の介在物の全ての量DAIの合計が、基材1Lにつき5gと200gの間である。
【0024】
有利には、前記第1の部分の硬粒子がケイ砂顆粒である。
【0025】
好ましくは、前記第1の部分の弾性粒子PRがコルクの顆粒である。
【0026】
有利には、前記第2の部分の粒子要素が、クレー、ローム、顆粒サイズが100μm未満の砂、有機物、ゼオライト粉末、コーラル又は珪藻土などの多孔性要素、からなる。
【0027】
好ましくは、寸法が20μm未満である前記第2の部分の粒子要素が、基材の1Lにつき60g未満、寸法が100μm未満である前記粒子要素が、基材の1Lにつき300g未満である。
【0028】
1つの変形実施態様では、寸法が80μm未満である前記第2の部分の粒子要素が、基材1Lにつき45g
未満である。
【0029】
有利には、前記第3の粒子の微細繊維が、10μmと20μmの間の直径を持つ中空ポリエステルである。
【0030】
好ましくは、前記第3の部分の繊維の少なくとも20%が、シリコーンなどの撥水潤滑剤でコーティングされている。
【0031】
有利には、前記第3の部分の微細繊維の50%を超える重量が、
前記基材の硬粒子の平均顆粒サイズの10%未満である直径を持つ微細繊維からなる。
【0032】
好ましくは、前記基材中の弾性粒子P
R>100の
容積比PVが5%を超えかつ60%未満であり、前記第3の部分の微細繊維の50%を超える重量が、前記硬粒子の平均顆粒サイズの10%未満の直径を持つ微細繊維からなる。
【0033】
前記硬粒子が砂顆粒である場合、第1に、
この顆粒の80重量%超が200μmと400μmとの間の顆粒サイズをもち、第2に、前記第3の部分の微細繊維が中空ポリエステル繊維であり、その直径が12と30μmの間でありかつその表面がシリコーン処理されている。
【0034】
この実施態様による基材は、スポーツ用表面、テラス表面、野菜運搬又はストリップで芝を育てるための媒体として、場合によりその場で、実施することを可能にする。
【0035】
好ましい実施態様によれば、前記スポーツ用表面は、併置され壁で囲まれた併置されたセルから構成され、基材で少なくとも1つこれらの壁の高さに等しい高さまで充填される。
【0036】
以下の説明は、なんらを限定する意図ではなく、当業者が本発明の利点のみならずその実施及び応用についてより理解することを可能にする。
【発明を実施するための形態】
【0037】
特に芝のための培養媒体としての使用が意図される本発明による基材は:
−第1の部分を含み、これは、前記基材の骨格を構成し、前記基材の全容積の
70%超を表し、100μmを超える顆粒サイズを持つ粒子P
>100からなり、これらの粒子の全てが硬粒子P
D>100及び/又は弾性粒子P
R>100からなり、前記弾性粒子P
R>100が
前記粒子の容積について0%から100%の間の容積比PVを構成し;
−第2の部分を含み、これは100μm未満の粒子要素P
>100からなり、この部分は前記基材1Lのつき0から450gを
構成し;
−第3の部分を含み、これは前記基材1Lにつき0から200g
を構成し、3mmと100mmとの間の長さと、5μmと35mmの間の直径を持つ微細繊維からなり;
−第4の部分を含み、これは前記基材1Lにつき0から200g
を構成し、他の細長い及び/又は表面介在物からなり、これらの細長い又は表面介在物はそれらの寸法の少なくとも1つが前記第1の部分の粒子の顆粒サイズよりも大きく、前記第3の部分と第4の部分の量の合計が、前記基材1Lにつき3gより多い。
【0038】
ここで留意すべきことは、本発明は以下の種々の条件に適合させ得るものである必要がある、ということである:
−前記基材は、自由水に対応する大きさの寸法のできるだけ大きな孔の孔容積を持つべきであるが、これは大きいサイズの粒子の手段で達成され、同時にできるだけ多くの使用可能な水を保存することができるべきであり、これは小さいサイズ及び高い表面張力の要素の手段により達成され;
−前記応用に適合する十分な量及び価格入手可能な繊維であり;
−ミクロ繊維を吸入する場合の健康リスクについて注意喚起の要求を満たす繊維であり;
−必要な場合には、発芽させ、その後前記基材中で培養する芝又は植物の成長のために利用できるキャリピラリー水の保存を増加させ得る繊維、である。
【0039】
驚くべきことに、20μm未満の顆粒サイズを持つ粒子のレベルが基材1Lにつき60g未満であり、100μm未満の顆粒サイズのレベルが基材1Lにつき300g未満である土は、清潔性という点で比較的満足できるものであり、芝の培養に適合する土壌として非常に満足できる土が得られ、この土の表面は比較的透過性である、ということが見出された。
【0040】
本発明の他の実施態様によれば、前記第2の部分の粒子要素は、80μm未満の寸法を持ち、基材に1Lにつき45g未満であるように選択され、得られた土の表面は非常に透過性である。
【0041】
予防の原則を尊重し、前記基材を製造するために扱わなければならない人、及び前記基材の製品寿命にわたり扱わなければならない人の健康に関していかなるリスクのないようにするには、3μmを超える直径のミクロ繊維は吸入できる最大直径であること、及び6μmの直径の繊維は現在の規制では健康への潜在的リスクとしての繊維としては分類されていない直径より大きいことが知られていることから、10μm直径の繊維の使用が大きい安全マージンを保持するために好ましい。導入される繊維の寸法についての考慮だけではなく、長時間経過により起こり得ること、及びどのようにそれらがより微細な繊維に分解され得るかどうかについても考慮された。この点で、ポリエステルの知られた繊維は、製造方法により、より小さい繊維に分解されず、環境及び健康には外を及ぼさないこと認められており、尊重されるべき予防を可能にする。10μmを超える直径のポリエステル繊維は、これらの安全対策と整合し、市場で入手可能である。慎重な値として最小10μm直径は、1.15デシテックス(dtex)の力価を持つ中空ポリエステル繊維に相当し、最小6μm直径は0.4dtexの力価に相当する。
【0042】
繊維がせん断的移動の間に混合物ネットワーク中で引き伸ばされた状態になる前に想定される2つの動きの可能性があり:
−顆粒が剛性砂の場合、この場合繊維の断面直径が、3つの隣接する顆粒により形成される平面中で前記3つの隣接する顆粒の間の孔の直径よりも小さいことが必要であり(針の孔を通る糸のような):繊維が3つの隣接する顆粒の直径の1/5を超える直径を持つ場合には、これらの顆粒は前記繊維を破壊せずに通過させるためには横に移動する必要があり、この場合この条件下では繊維に自由度はない;
−又は前記繊維に巻き付く顆粒が弾性顆粒、特にこれらはコルクの顆粒である場合:コルク顆粒の寸法に対して繊維の寸法上の条件は、前記繊維が、前記弾性顆粒状に存在することにより、前記せん断的移動に対抗することなくコルクに衝突し、全体が前記応力の後その位置をもとに戻すこととなる限り、必要ではない。
【0043】
しかし、本発明による基材の顆粒サイズは一様ではなく、かつ砂の顆粒の寸法に対して非常に長い繊維はそのパス通路上で非常に大きい孔を通過し、かつ前記繊維の直径がその通路上であまりにしばしば「捕捉」されることを防止することを可能にしなければならないので、3つの顆粒により限定される前記通路と繊維の直径との間には大きな違いがなければならない(明瞭にするために、3cm長さの繊維は砂300μmの顆粒の寸法の100倍に相当する)。これはまた、前記繊維の直径に依存するだけでなく、また、その柔軟性(直径が小さくなると増加する)及びその潤滑性及びもちろん前記砂の顆粒サイズ分布の関数として前記多孔性容積内の通路の寸法の統計的分布に依存するが;繊維がからまることが知られる直径を超える直径を均一媒体中に与えることは容易である一方、前記繊維が、引っ張られていかなる動きもブロックされる前に前記多孔性容積中に滑り込むであろう直径よりも小さい直径を理論的に決定することは難しい。
【0044】
試験を行った結果、驚くべきことに、少なくとも50%の繊維がD50/10未満の直径を持つ場合に満足できる巨視的効果が得られること、及びD50/20未満の直径を持つ場合には非常に満足できる巨視的効果を得ることができることが示されたことであり:ここでD50とは前記基材中の砂の顆粒の50%の最大顆粒直径を意味し、即ちD50以下の直径を持つ全ての硬粒子が全ての硬粒子の重量の半分を持つことを意味する:言い換えると、前記第3の部分の微細繊維の重量の50%が、その直径が、前記硬粒子の平均顆粒サイズの10%未満の微細繊維により構成されている、ということである。この条件は、前記基材中の前記弾性粒子P
R>100の容積PVの比率が、5%を超えかつ60%未満である場合に特に有利である。
【0045】
柔軟性の点、及び前記繊維のブロッキングの効果の点で、直径はできるだけ小さいことが好ましい;しかし、繊維が長くなると、柔軟性を維持することが難しくなり、より基材と絡み合って前記基材中に繊維を組み込むことが難しくなる。
【0046】
顕著な効果は、繊維長さが5mmで発揮されるが、好ましくは20mmよりも長い長さを持ち、繊維の長さが増加すると結果が改善される。60mmの繊維は非常に効果的であり、100又は200mmまで、又はそれ以上までの繊維長さを持つことが望ましいが、最近行った試験によると、それらを取り込むことは成功せず、その理由は長さが長くなるとそれを取り込むことがより難しくなるからである。
【0047】
他の試験では、驚くべきことに、D30/10の直径の繊維では満足できる巨視的効果が得られ、かつD30/20未満の直径については非常に満足できる巨視的効果が得られることが示され、ここでD30とは前記基材の硬顆粒の重量の30%の顆粒の最大直径である。
【0048】
好ましくは小さい直径の繊維が、より優れたブロッキング性及びより大きい柔軟性を得るためには好ましいが;しかし、より直径が小さくなると、お互いの繊維を分離することがより難しくなり、これらを基材に混合することがより困難となり、これにより繊維の効果が低減される、ということが見出された。
【0049】
これらの効果を考慮して実験した結果、満足する結果は、200μmと1000μmの間の顆粒サイズの砂で、1.6dtexと34dtexに相当する12と30μmの間の直径のポリエステル繊維で得られることが示された。
【0050】
シリコーン処理繊維は、シリコーンコーティングによる撥水性による水滴の「鞘」の助けにより前記砂の多孔性容積中により容易に「滑り込む」利点を持ち:これは所与の直径の繊維につき前記基材の柔軟性へ好ましい効果である。逆に、しかしながら、より容易に滑り込むことで、前記砂を保持することに対しては効果が小さくなる。
【0051】
そこで、好ましくは、シリコーン処理繊維は、前記繊維が長い場合、好ましくは3cmより長い場合にのみ使用される。
【0052】
さらに、シリコーン処理繊維は、キャピラリー作用で水を保持せず、かかるシリコーン処理繊維を使用することは、原則的に水保持容量を低減させる。
【0053】
なお全く対照的に、驚くべきことに、シリコーン処理繊維などの撥水性繊維を使用することは、前記繊維の撥水表面の水滴の直径が、前記繊維の直径よりも小さい砂の3つの顆粒の間の通路の寸法よりも大きい場合には、前記多孔性容積中で水保持の非常に効果的な手段であるということが見出されたが、この理由は、水がこの孔に入り、前記繊維の撥水性による大きな水滴に再結合すると、前記繊維により占められた通路からは再び出ることができなくなる、ということである。
【0054】
事実、驚くべきことに、例えばシリコーン処理繊維などの撥水性繊維は、そのD50が500μm未満である砂中で、芝の生育に特に好ましい水力挙動を与える。
【0055】
従って、D50<500μm、及びより好ましくはD50<350μmの砂中のシリコーン処理繊維は、前記繊維が前記砂の多孔性容積内に導入され得る潤滑作用の二重の効果を示し、この導入は前記砂がより微細になるとより困難となり、親水性多孔性容積と撥水性表面を持つ繊維との間に完全に新しい相乗作用を生じて水を多孔性容積中に捕捉することとなり、これによりこの水は前記基材中で成長する植物の根に容易に利用され得る。
【0056】
これを考慮にいれて実験した結果、12と30μmの間の直径のシリコーン処理中空ポリエステル繊維と200μmと400μmの間の顆粒サイズを持つ砂中での水の保持容量と優れたキャピラリー作用に基づき、機械的な意味及び芝の成長という意味で特に満足する結果が得られることを示す。
【0057】
実験によると、シリコーン処理繊維を用いるとよりよい効果が得られるが、シリコーン処理繊維を十分導入することはより難しくなり、むしろ適切に導入されない場合には効果が低下する、ということを示す。80mm未満の繊維の長さについては、しかし、導入の際に効果的な手段があれば非シリコーン処理繊維の選択が特に好ましい可能性である。
【0058】
綿繊維と共に工業的リサイクリングから製造された繊維を使用ことも可能である。
【0059】
綿をそのままにしておくことは可能であり、これは機械的役割には重要ではなく、また耐久性の上でも好ましい機械的役割はないが、生分解性である。しかし、驚くべきことに、綿は非常に親水性であり、前記基材の開始時、種播きによる芝の植え付け又はテラスへの植物の植え付け、又は大きな木の植え替えの時などの重要な時点で非常に優れた水保存を提供する。
【0060】
同様に、驚くべきことに、個別に分離されていない繊維は、最初に計画された役割である基材を機械的に強化する効果が少ない。しかしこれらの個別の分離されていない繊維は、小さな塊の形状で不注意に製造プロセスで予期せず現れたものであるが、これはかえって、基材に対してある種の構造を与えるという点で有用となり、例えば自然土の中の土の塊構造に類似する。
【0061】
前記繊維が親水性、しかしまたより予想に反して、これらが親水性ではなくシリコーン処理されている場合、前記塊は驚くべきことに、有用な水保存を非常に効果的に形成し、播種の際に若い根がこの塊の中に集まることとなり;かつさらに予想に反して、これらの塊は、例えば丁度髪の束が戦士の刀、たとえそれが研ぎ澄まされていても、首を切断すること防止するように効果的にスパイクが侵入することを防止する。予想に反して、これらの塊は大きな容積を占め、それ自体縮小しまた回復することが可能であり;最後にそれらは、軽くて、断熱性の、空気を含んだ粒子であり、水の高保存性及び弾性である。
【0062】
しかしこの塊又は表面要素が多すぎると、前記表面が特に好ましくないことに加えて、それにより特に、前記基材を配置して表面を平坦にすることを非常に難しくし、さらに、連続的に滑る表面が1つの塊から他の塊へ形成することができる場合には、全体の接着性を損なう。個別の繊維に比較してほとんどゼロである機械的効果を持つことに加えて、塊中のこれらの繊維は、必要以上に多い場合には、機械的利点なく基材の価格を増加させる。
【0063】
このことがなぜ、本発明によれば、これらの要素の量が、前記第3及び第4の全ての内容物の量(DF+D
AI)の75%を超えないことが必要であることの理由である。
【0064】
驚くべきことに、基材に混合し得る繊維の最大量は、基材が主にコルク又は砂に比較して弾性がある材料を含む場合、非常に大量であることが認められ;かつさらに驚くべきことに、コルクが本質的部分を構成し、砂が不存在か又は容積での量が非常に少ない(例えば砂が30%未満)基材を構成することが可能であり:このコルク系の基材は、大方の予想に反して、同じ量の繊維では、本質的に砂である基材よりもせん断への抵抗性がより大きい。
【0065】
そこで、完全に予想に反して、本質的にコルクからなる基材は、前記繊維は、前記繊維とコルクを混合する機械に絡まないという事実から、製造プロセスでは砂がブロックされるところを通過するために自分自身を変形させるコルクの弾性の助けによりせん断力を形成することでずっと多くの量の繊維を許容する。
【0066】
本発明によれば、そのような混合物では、前記繊維を分離維持するコルクの顆粒の助けにより(でなければ集塊して小さい塊となる)、コルクとの混合物中で、及び同じ理由で、これらは、軽くて、弾性で、キャピラリー水保持の可能な基材と完全に一体化されて構成される。
【0067】
より驚くべきことに、コルクと繊維、部分的に塊及び個別の糸の状態で、場合により僅かな砂と共に、非常に優れたな媒体を構成し、植物にとっては土のように挙動し、しかし巨視的には、例えば柔道の畳、即ち弾性固体のように挙動する、ことが見出された。
【0068】
この基材は、モールドされ、その平衡厚さに圧縮されることができ、破壊することなくその端部上を歩いたり飛んだりすることができ:その端部は体重により局所的に数センチメートルに圧縮され、直ぐに元に戻ることができる。
【0069】
砂の部分が少ないほど、弾性顆粒、特にコルクの率が多いほど、基材の密度は低下し断熱性は高くなる。
【0070】
コルクが容積で50%を超える基材については、基材の機械的特徴は霜では全く影響されない。さらに、コルクが75%の比率を持つ本発明による基材へ植え付けた芝は弾性を維持したが、他の土は凍結し、岩のように硬くなった。
【0071】
大きい顆粒形状でコルクが20%を超えている、及び好ましくは50%を超え、かつ砂の比率が200μmを超えるD10を持つ本発明のこのタイプの基材については、透過性は、前記基材が「ガブ飲み」するようであり、最悪の雨の最後にはキャピラリー作用で保持される水のみ保持する。
【0072】
キャピラリー作用で保持される水と断熱性との組み合わせにより、播種のために非常に長時間及び表面にまで利用可能な水貯蔵を維持利用可能にする。
【0073】
本発明による基材は、次の組成により特徴付けられる:
−第1に、導入の前に全ての成分(繊維は除く)の積み上げ容積の合計で割り算された、その導入前の前記成分の積み上げ容積として定められる、前記混合物(前記繊維は除く)のそれぞれの成分の容積による最初の比率、;及び
−第2に、前記混合物中に導入される前に前記全ての成分(繊維を除く)の積み上げ容積の合計で割り算された、前記繊維の重量として定められる前記混合物中の前記繊維の重量密度である。
【0074】
通常は、土を分析する場合、マトリックス中の前記異なる区分の重量(乾燥重量)による比率を考慮するが、これは前記混合物の乾燥重量が前記成分の乾燥重量の合計に等しいからであり、一方混合物の容積は前記成分の最初の容積の合計と必ずしも等しくはないからであるが、これは小さい粒子が大きい粒子の多孔性容積中に「隠されて見えなくなる」と前記混合物が膨潤したり圧縮されたりすることによる。
【0075】
実用上では、しかし、繊維以外の成分については、基材を特徴付けるために、上で定めた最初の容積により比率が全ての成分の容積による最初の比率の合計が100%となるように使用する。
【0076】
容積の最初の比率として前記基材の成分を表現する本発明の利点は次の3つである:
−第1に、使用される成分は、非膨潤性として選択され、これは濡れていても乾燥していてもそれぞれの成分の積み上げ容積が同じであるが、一方で前記積み上げ重量は水の含有量に従って大きく変化する。積み重ね容積は、積み重ね重量ではなく、従って関連する要素の乾燥重量に比例する。
−第2に、本発明を実施する場合には、砂及びコルクを加えるプロセスは、重量ではなく、積み重ね容積で行われる。
−最後に、前記成分の密度はお互いに大きく異なり、例えば砂はコルクの20倍の密度であり、コルクの75%の容積による理論上の最初の比率はコルクの15%の重量による比率となり、一方で前記容積の3/4はコルクに占められることになり(これは空間が占有されている)、これは前記コルクが奏する機械的挙動(前記混合物の密度、吸収容量、弾性、断滅性など)が、重量の比率よりも容積による最初の比率により緊密に関連することになる。
【0077】
他の実施態様では、砂の開始のためのサーボモジュールは、ホッパー中の砂の重量を変化させて制御され、砂の重量とコルクの容積との比率で表すことも可能ではあるが、当業者により意味のある方法は、コルクと砂の容積の比率を考慮することであり、砂の重量が知られている場合には、砂の密度(たとえこの密度が任意又は適当に選択されたとしても)で重量を割り算するだけで砂の重量を容積に変換でき、砂及びコルクの成分に関して容積による組成比率を得ることができる。
【0078】
また、繊維については、繊維の最初の容積は使用されないが、これは繊維の同じ量の容積が繊維のプロセスに依存して10倍以上変動し得るからであり、例えば強く圧縮されて小さい容積となる得る一方で、緩く押されて大きな容積となり得る。所与の繊維について、従って、導入される繊維の量を見出すには最も実用的なパラメータは繊維の重量である。
【0079】
本発明の基材は、実用上の応用としては、場合よりその場で、スポーツ用表面の実現であるが、また野菜の運搬又はストリップ上に芝を育てるためのテラス表面又は媒体である。
【0080】
圧縮に対する低減された感受性である柔軟性及び断熱性の改善は、前記基材中の弾性粒子が
容積比で5%を超え、及び微細繊維の直径が、前記第1の部分の硬粒子の顆粒サイズの10%未満である場合に、顕著に現れる。この改善は、弾性粒子の比率が大きくなるとさらに改善される。しかし、60%を超えると、価格が上がることとその優れた凝集を維持することが困難となることから、弾性要素の容積で60%を超える処方物はテラス用の培地基材のために使用され、スポーツ用地面のための処方物は好ましくは弾性要素が容積で60%未満含まれるものである。
【0081】
これらの要素を考慮に入れて、本発明の基材はいくつかの処方で利用可能であり、その処方はその応用に依存して大きく異なる。
【0082】
いくつかの要素が、前記処方に必要に応じて使用され得る。
【0083】
コルクの容積PVの比率が増加すると価格は大きく増加し、このことが経済性の点からコルクの使用を限定する第1の原因である。さらに、コルクは柔軟性を提供するが、その使用意図によってはその性能と十分な反発性を維持することが必要なフィールドがあり、より硬いフィールドではレース及びボールがより速くなり、例えば
サッカーやテニスを行う場合には十分な反発性を持つことが必要であり、このことが人工地面上にコルクを使用することを制限する1つの理由である。
【0084】
一年以上の期間、前記製品を改善し、かつ処方を試験するために実験が行われた。
【0085】
製品を改良するために繊維の異なる原料を探査した結果、ほんの僅かな違いを持つ繊維を正確に等しい処方により用いることで、機械的挙動という点で全体として異なる結果が得られた。
【0086】
前記繊維の厚さは、表面状態及び長さが重要であることと同様に重要な要素であることが証明された。前記繊維が、その他は等しいが、前記顆粒の寸法に関して短すぎると、安定化効果は非常に弱く、場合により全く効果がなく;一方で長くなると、同じ量の繊維については絡み合わないという条件(長くなるとこの条件は一層難しくなる)下ではより効果的となる。
【0087】
前記処方を改良し、できるだけ効果的に繊維を導入するために、解繊維システムを改良することが必要であったが、これは繊維を分離して、混合プロセスに設けられた合流点で分離を維持しつつそれを顆粒媒体内に導入して十分分離させることが意図される。
【0088】
これらの改良を考慮して、十分解繊維させた繊維を用いて種々の処方を試験することが可能であり、この試験は繊維を格子型に配置し、異なるタイプの繊維につき、前記格子型の1つの軸に沿って繊維の濃度を変化させ、他の軸に沿ってコルクの濃度を変化させることで得られる異なる処方の機械的挙動を試験することである。
【0089】
具体的には、試験は、40mmの長さの繊維を用いて実施されたが効果的ではあるが優れた効果を示すには短すぎることが示され、70mmの長さの繊維を用いて実施されたが非常に効果的に弾性及び安定な基材が得られることが示され、及び140mmの長さの繊維を用いて実施されたがさらに効果的であり、特にほとんどコルクからなる基材で効果的であることが示された。
【0090】
より好ましくは、基材を安定化するために繊維に添加される他の細長い又は表面介在物は、それらの最大寸法が、その最小寸法の少なくとも10倍であり、かつ前記基材の骨格を構成する前記粒子の平均顆粒サイズよりも10倍大きい場合に、より効果的であることが見出された。
【0091】
試験された例では、測定され得るものとしてコルクと砂の密度との比率を考慮して前記混合物を説明する必要があった。前記混合物の製造の処方及び自動化のプロセスが完成され、それは、流れが制御される3つの分配装置、砂分配装置、コルク分配装置及び繊維分配装置が存在し、かつ前記異なる流れが制御されて、前記要素成分の分配流れの比率に等しい処方が得られる、ことを特徴とする。
【0092】
このプロセスで、砂の流れは、単位時間につき移動する砂の重量測定により特徴付けられ、一方コルクの流れは、単位時間につき通過するコルクの容積測定により特徴付けされ、及び繊維の流れは、単位時間につき移動する繊維の重量測定により特徴付けられる。
【0093】
砂及びコルクのそれぞれの容積の比率で前記顆粒媒体を特徴付けるように決められたが、砂については問題があり、その容積が圧縮の程度に依存し、その重量が知られていない。
【0094】
砂に付着する水による重量の不正確性を考慮して、単位時間につき通過する湿潤砂の重量が測定され、かつ前記製造及び評価プロセスでは、その重量に基づき計算された砂の任意容積が考慮され、砂の「任意容積」を、例えば1.4kg/リットル砂として選択される任意密度として測定された重量に対応する容積であると任意に決定し;
その後前記砂とコルクとの容積の比率が、砂の比率が、砂の任意容積と前記砂の任意容積とコルクの測定された容積との合計との比率であり、砂とコルクの容積により比率が100%となるとして、特徴付けられる。
【0095】
前記繊維の添加は混合物の1リットル当たりのグラムと考えられ:単位時間につき、添加された繊維の重量と、砂の前記任意容積と同じ単位時間当たりのコルクの測定された容積との合計に等しい前記混合物の任意容積との比率と考えられる。
【0096】
前記混合物の容積に関連して繊維の重量として参照されることは、実際には、添加された繊維の重量と、前記砂の任意容積とコルクの測定された容積の合計で定められる凝集体の任意容積との比率である。
【0097】
完成されたプロセスは、従って次の事実で特徴付けられる:第1に、砂循環システムを、例えば正確秤量計上に設けることで連続的に砂の重量の変化を測定することで砂の流れが制御され得るということ、及び第2に、これらの流れを自動化するコンピュータープログラムが存在し、コルク及び繊維の流れを自動的に砂の流れの前記測定と必要な処方の関数として関連させることを可能とし、前記回路内の内部摩擦の不規則性による流れの不規則性があるにも拘わらず砂の流れを計画された流速を維持するように連続的に加速又は減速することができる、ということである。
【0098】
これまでなされた進展、第1に解繊維、第2に繊維の選択及び最後に正確な混合を考慮して、種々の処方を体系的に試験することが可能になる。驚くべきことに、得られた結果は、最初の、あまり適切に選択されていない繊維、十分解繊維されていない繊維及びあまり正確に混合されていない混合物を用いて得られた結果とは大きく相違するものである。
【0099】
驚くべきことに、繊維の選択及び解繊維の方法においてなされた進展は、以前に得られた結果を完全に覆すものであり、以下いくつかの試験の実施例で示される。
【0100】
多くの試験が、機械的側面、農業的側面及び水力学的側面、及び製品の異なる使用への適合性の側面に関して、異なる混合物で実施された。
【0101】
具体的には、加速度測定が、弾性及び運動エネルギーの散逸モードを試験することを可能とし、一方他の試験は基材の凝集と内部摩擦角の測定を可能とする。
【0102】
これらの試験の欠点は、基材を特徴付ける測定値を与えるが、効果の閾値、この値が最小又は最大閾値かどうかについては与えない、ということである。
【0103】
特徴付けるための科学的測定に加えて、関連性があると考えられる、効果の最小閾値についての非常に簡単な定性的試験を定めることができ、これは簡単に実施でき、識別性と再現性があり、必要な安定性の課題に関連する。この試験は、所与の基材につき、それを低い高さでかつ小さい表面積に広げ、それを圧縮し、及びその後鍬で掘ることを試みることであり:この試験で明らかとなる効果、鍬で掘ることができるという効果の閾値を定めるある量未満の繊維量について、この量を超えるとより困難となり、この効果の閾値を僅かに超えると後不可能となる、ということである;これはしかし圧縮の方法及び湿気又は鍬で掘る方法に完全に依存するが、この試験は、全体として、足で圧縮するという手段を実現するものであり、精度は高くないが完全に再現性があり、それにより、試験される異なる顆粒混合物に導入される繊維の最小閾値を決めるために使用された。
【0104】
これらの試験は、少量ではあるが繊維の量と共に増加する最小量に敏感であることを明らかとした。
【0105】
前記繊維の効果を得るのは前記繊維を少なくとも0.5g/リットル含むことが好ましいことが観察された。
【0106】
好ましくは、コルクの量が5%を超えて60%未満である場合に効果が見られるのは、前記繊維が少なくとも0.5g/リットル及び繊維及び介在物の合計が1g/リットルである。
【0107】
好ましくは、コルクの量が60%を超える場合に効果が見られるのは、前記繊維が少なくとも1g/リットル及び繊維及び介在物の合計が2g/リットルである。
【0108】
好ましくは、最大の効果が得られるのは、60%未満の量のコルクと、繊維と細長い又は表面介在物の量が2g/リットルと80g/リットルとの間を持つ基材で得られる。
【0109】
好ましくは、最大の効果が得られるのは、60%を超えるコルクと繊維と細長い又は表面介在物の量が5g/リットルと200g/リットルとの間を持つ基材で得られる。
【0110】
混合物中で使用できる繊維の最大閾値に関して、そのための試験方法を見いだせなかったが、これは、本質的に、それぞれの顆粒混合物により多くの繊維を加える可能性と利益である非本質的な基準の好ましい最大量の決定のために必要である。
【0111】
明らかとなったことは、より多くのコルクが存在すると、より大量の繊維を、混合装置に「絡み合うことなく」組み合わせることが可能となり、前記混合物を安定化するためにより多く添加することがより有用となる、ということである。
【0112】
添加しすぎる場合の欠点は:
−第1に、前記繊維を混合装置に絡み合わせずに導入することが困難となること、
−及び混合物を均一にかつ十分コンパクトに維持することが困難となること、
−それにより価格が上がること、
−かつ製造の速度が低下すること、
−さらに前記混合物を広げて平坦に維持することが困難となること、及び
−最後に、余剰の十分混合されない繊維が分離することを防止することがますます困難となる、ことである。
【0113】
一般的に、試験は多すぎる繊維量についての明瞭な本質的材料的欠点を示さず、製造装置の改良によりそれらを導入することに成功し、これまで想像していたよりもはるかに大量の繊維を混合することが可能となり、たとえ繊維の量が多すぎる場合にも次のような挙動上の欠陥を示す量に到達することもなかった;
−基材は配置することがますます難しくなる、
−基材は圧縮することがますます難しくなる、
−基材は、コンパクトにするためにますます水と機械力を必要とする、
−基材はますます乾燥しやすくなる、
−基材は、乾燥するとますます分離され、繊維が基材の表面で時間と共に脱落する、
−基材は農業的特徴を消失する。
【0114】
次のことが見出された、即ち、ある量を超えると前記基材はもはやそれ自体顆粒の間に存在する繊維との顆粒混合マトリクスとしては存在せず、これらの顆粒はお互いに分離されるが、しかし連続的に繊維状マトリクスに変化し、そこに凝集物が導入され、これは繊維に静電力又は水圧力凝集で付着され、それ自体培養基材として存在するが、連続的に変化した密度特性を持ち、経済的理由からもそれほど好ましいものではない。
【0115】
これらの新しい試験の観点から、最小閾値試験のような最大閾値のための試験は存在しないが、簡単な知見として、繊維の量を増加させると、経済的にかつ技術的に利益は減少するということが明らかである。これらの新たな知見を考慮して、試験により超えてはならない本質的最大閾値を設定することは可能ではなく、経済的考慮又は物として製造することが困難であるけれども、ある限界を超えて繊維の量を増加させると観察される欠点がないということは、実施される異なる試験について好ましい最大量を設定することを可能にする。
【0116】
そこで、望ましい場合でさえ最大量を設定することは必要ではなく、スポーツ用表面としての使用についての最大量を超えず、及び特に高い砂含有量を持つ場合の量を超えないことが好ましい:この理由は、
−第1に、ある閾値を超えると、繊維の量が増加すると、土を平坦にすることがますます難しくなり、
−及び、第2に、その代わりに観察される安定化という点での大きな利点がなく、価格が増加(繊維と混合時間の価格)する、からである。
【0117】
60%未満のコルク量については好ましくは繊維は80g/リットル未満である。
【0118】
60%を超える、最も具体的には75%を超える、さらに100%までのコルクについては、新たな試験、第1には、駐車場、又は自動車用の道路のための芝基材として使用するための試験、及び第2には、テラス培地のための軽量基材として使用するための試験を実施して実現した:これらの使用では繊維を多く使用することが好ましいが、本質的に最大限界が明らかとなった。
【0119】
テラスの場合、コルクの好ましい量は、60%と95%の間であった(100%コルクの基材が使用されたが、基材は保持されにくくなり、90%を超えると繊維の大きな分離が見られた)。
【0120】
95%のコルク量について200g/cm
3を超える繊維の量に増加させる試みの場合に、5%の砂を添加して90%コルクと10%砂の基材とする方が70g/cm
3の繊維を添加するよりも有用であることが見出された、というのは、これは多かれ少なかれ前記最大値へコンパクト化される基材の密度に等価であるが、砂を含む基材はよりコンパクト化され位置を保持するからであり、一方で繊維の重量の増加は基材の密度を増加させるが同時に、基材がよりコンパクト化しにくくなり、十分保持されなくなりかつ価格がずっと高くなるからである
60%を超えるコルクの比率への好ましい最大量は300g/リットルである。
【0121】
駐車場又は道路の場合には、第1に挙げられることは、コルクの比率を増加すると摩擦及び抗せん断効果に利益を与えるが、砂の最小密度が作用−反作用原理にとって有用である、ということであり、コルクの好ましい量は40と70%の間である。
【0122】
次に挙げられることは、同様に、繊維の密度はできるだけ高くし、最大のリンク及び最大の可能な抗せん断効果を得ることを可能にするが、これはまた、水が容積をコンパクトにするために必要であることから前記表面はもはや十分なコンパクトさを維持しないということ、乾燥させることでまた新たに不安性が生じるという欠点を生じることとなる。
【0123】
このことからまた、好ましくは、凝集物の300g/リットルの任意の量を超えないこととなる。
【0124】
サッカーピッチのためには、経済的理由からは最も低いコルクの量に維持する処方が好ましいが:しかし5%と20%の
間のコルクが柔軟性を改良するためには好ましい;ピッチのトップ部分は20と40%の
間のコルクであることが好ましく、通常の集中使用のためには7と15%の間の繊維の量が、激しく使用される練習用ピッチでは20g/リットルまでの繊維の使用が好ましい。ボールが適切に反発するには、60%を超えるコルクは使用できず、選手の柔軟性を改良する速いピッチを維持するためには40%のコルクが好ましい結果を与える。
【0125】
ゴルフ用グリーンのためには、本発明の基材の魅力は、空気を含み、支持性があり、かつ硬く、芝の成長のために適切に脱コンパクト化され続けることであり、容易に使用でき水を十分保持する、ということである。グリーンを速くするため、即ち通常望まれるグリーン上のボール速度を速くするために、コルクの比率は低減される必要があるが、他の側面では他のゴルフグリーンと類似の速度を持たせることから、コルクの比率は好ましくは10%と40%の間であり、目的が問題のグリーンの性能か又は他の既存のグリーンとの関係で同一とするためかどうかに依存する。
【0126】
同様に、テニスのためには、コルクの量はプレーのタイプに影響を与え;コルクの比率を増加すると、より優れた快適性が得られるが、反発はそれほど大きくなく、跳ね返るボールの速度も低く、大量に水が撒かれたクレーのような挙動をし、一方コルクの比率が低い本発明の基材は、乾燥地面上の草からなる芝と類似の表面を与えることが可能となる。目的に応じて、コルクの好ましい量は、非常に速い表面で0から20%、クレータイプのソフトでより遅い表面で20%と40%の間、及び競技というよりは楽しみでプレーされるテニスには非常にソフトな表面で60%までとなる。
【0127】
ラグビーピッチのためには、柔軟性と抵抗性がボールの反発よりも重要であり、最善の場合、15から20g/リットルの基材で40と60%の間のコルク、又は10から15g/リットルの基材で20と40%の間のコルクである。
【0128】
サッカーとラグビーピッチは、10から15cm厚さの本発明の基材の一層を持ち得るが、又は3から7cmの本発明の基材の層を表面とし、これを少なくとも同等の透過性を持つ砂のサブ層上に設けられ得る。
【0129】
持続的成長と冬期間にスポーツするために使用され得る加熱ピッチの両方に関心がある場合、コルクはその等温度性により大きな利点を示し:この理由で、地面に、凍結することなく強い寒気により耐えることができ芝の播種と成長を可能にする十分長く暖かさを維持することを可能とし、この等温度性に加えて、コルクの弾性質は、地面に、水が氷になる際の4℃と0℃の間で水の膨張を吸収することを可能にし:従って基材芝に水が入り氷になっても地面は硬い固体にならず、さらに、本発明の基材は非常に高い透過性を持ちキャピラリー作用によりほんの少量の水を保持するだけであることから;基材が、適切な排水装置の上に置かれる場合には前記多孔性容積中に存在する水の大部分は非常に迅速に重力で除去される。
【0130】
そこで、本発明の基材は、他のフィールドが岩のように硬くなる一方で、加熱することなく冬期間に使用できるスポーツ用フィールドを作り、およびまた、基材の加熱が装備される場合には、より少ないエネルギー消費でより高い温度を得ることができる。実施された試験は、同じ時間で同じように分配された同じ加熱エネルギーについて、試験された本発明の基材は、対照基材に比べて10℃高い温度を示した。
【0131】
競馬用トラックのためには、同時にずっとより弾性である必要があり、これは、馬は、数センチメートル蹄を沈めて湿潤草の上を走る傾向があり、土塊を交換する必要をさけるために非常に抵抗性であり、現在はそうであるがこの作業は非常に高いコストを表す。この理由で、望ましい処方は、最小限のコルク比率が40と60%の比率及び好ましくはさらに高い60と80%の間の比率を含み、最も好ましくは、障害物に接近する最も敏感な領域では基材の厚さは少なくとも15と20cmの間である。
【0132】
障害馬術競技場のために、弾性であるが過度に弾性ではなく、なによりもエネルギーを放出する必要があり:このためにコルクが10%と40%の間であることが適切である。
【0133】
ポロフィールド又は小走りトラックはさらに硬いことが必要であり、コルクの比率は有利には5%と20%の間である。
【0134】
スポーツ用フィールド又は表面が壁で囲まれ併置されたセルで構成される場合には、これらには本発明の基材をこの壁と少なくとも等しい高さまで充填される。
【0135】
基材のレベルがこれらの壁のレベルを数センチメーロル超える場合には、好ましい基材は、50%を超えるコルクを含む基材であり、というのは、前記基材の低密度及び弾性的土としての挙動が、垂直端部が前記壁のレベルを超えることを可能にし、プレー表面を優れたホールド性とし、一方で基材に柔軟性を保証する。