特許第5873485号(P5873485)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5873485薬物送達デバイス用の駆動機構及び薬物送達デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5873485
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】薬物送達デバイス用の駆動機構及び薬物送達デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/24 20060101AFI20160216BHJP
   A61M 5/315 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
   A61M5/24
   A61M5/315 550P
【請求項の数】16
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2013-513691(P2013-513691)
(86)(22)【出願日】2011年6月9日
(65)【公表番号】特表2013-528089(P2013-528089A)
(43)【公表日】2013年7月8日
(86)【国際出願番号】EP2011059571
(87)【国際公開番号】WO2011154486
(87)【国際公開日】20111215
【審査請求日】2014年5月19日
(31)【優先権主張番号】10165643.7
(32)【優先日】2010年6月11日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ジェームズ・スミス
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・デーヴィッド・バトラー
(72)【発明者】
【氏名】マーク・フィリップ・ホーロック
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−508205(JP,A)
【文献】 特表平11−512332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/24
A61M 5/315
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイス(1)用の駆動機構であって:
−ハウジング(13、17、40);
−ハウジング(13、17、40)に取り付け可能であり、そしてハウジング(13、17、40)から取り外し可能であるユニット(2);
−ハウジング(13、17、40)の内側に配置され、ハウジング(13、17、40)に対して回転可能である駆動部材(20);
−ハウジング(13、17、40)の内側に配置され、ハウジング(13、17、40)に対して回転可能である回転部材(21);
−ユニット(2)がハウジング(13、17、40)に取り付けられるとき、回転部材(21)を駆動部材(20)に、一方向に回転して係合するクラッチ;
−ハウジング(13、17、40)に対して回転方向にロックされるか、又はハウジング(13、17、40)の部分を形成する停止部材(26);
−ユニット(2)がハウジング(13、17、40)に取り付けられるとき、停止部材(26)を駆動部材(20)に、一方向に回転して係合する更なるクラッチ;
−回転部材(21)と停止部材(26)の間に配置され、ユニット(2)が取り外されるとき、回転部材(21)、駆動部材(20)及び停止部材(26)の分離を引き起こさせ、それにより、クラッチ及び更なるクラッチの係合を解除する分離部材(50、54、60);及び
−ユニット(2)がハウジング(13、17、40)に取り付けられ、又は取り外されるとき、ユニット(2)に係合するように、そして分離部材(50、54、60)を動かすように設けられる、分離部材(50、54、60)のカップリング機(51)
を含んでなる、上記駆動機構。
【請求項2】
ユニット(2)が、カートリッジ保持部材(11)を含む請求項1に記載の駆動機構。
【請求項3】
駆動部材(20)が、回転部材(21)と停止部材(26)の間に配置され
分離部材(50)が、スリーブであり
カップリング機(51)が、分離部材(50)の回転を発生させるために設けられそして
分離部材(50)が、傾斜端面(52、53)を備える
請求項1又は2に記載の駆動機構。
【請求項4】
分離部材(50)の一つの傾斜端面(53)に接する、回転部材(21)の傾斜面(61);及び
分離部材(50)の他方の傾斜端面(52)に接する、停止部材(26)の傾斜面(66)
を更に含んでなる、請求項3に記載の駆動機構。
【請求項5】
分離部材(50)の一つの傾斜端面(52)に接する停止部材(26)の傾斜面(66);及び
分離部材(50)と回転部材(21)の間に配置され、分離部材(50)の他方の傾斜端面(53)と接し、傾斜面(67)を備えるスペーサエレメント(57)
を更に含んでなる、請求項3に記載の駆動機構
【請求項6】
スペーサエレメント(57)が、ハウジング(13、17、40)に対して回転方向に
ロックされる、請求項5に記載の駆動機構。
【請求項7】
分離部材(50)の案内機(65);及び
分離部材(50)に対して駆動部材(20)の回転が可能であり、そして分離部材(50)に対して駆動部材(20)の軸方向の動きが阻止されるような形で、分離部材(50)の案内機(65)と係合する、駆動部材(20)の対応する案内機(62)
を更に含んでなる、請求項3〜6のいずれか1項に記載の駆動機構
【請求項8】
駆動部材(20)は、回転部材(21)と停止部材(26)の間で配置されそして
分離部材(50、54、60)は、ハウジング(13、17、40)に対して固定されるピボット(55)の周囲を回転可能であるレバー(54)である
請求項1又は2の駆動機構。
【請求項9】
レバー(54)に作用し、及びレバー(54)を、回転部材(21)、駆動部材(20)及び停止部材(26)の分離を引き起こす位置に回転させる傾向にある弾力エレメント(56)、
を更に含んでなる、請求項8に記載の駆動機構
【請求項10】
駆動部材(20)が、回転部材(21)と停止部材(26)の間に配置されそして
分離部材(60)が、回転可能であり、広げた脚部(58、59)を含む
請求項1又は2に記載の駆動機構。
【請求項11】
広げた脚部(58、59)上に設けられるカップリング機(63);及び
カップリング機(63)を案内するハウジング(13、17、40)の案内機(68、69)
を更に含み、
案内機(68、69)の軸方向間隔は、短間隔(d1)から長間隔(d2)まで変化し、その結果、分離部材(60)がハウジング(13、17、40)に対して回転するとき、広げた脚部(58、59)を別々に広げさせ、又は互いに接近させる
請求項10に記載の駆動機構。
【請求項12】
用量の設定及び送達中、停止部材(26)、駆動部材(20)及び回転部材(21)を互いに機械的接触下に維持するように配置された弾力部材(31)、を更に含んでなる請求項1〜11のいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項13】
ユニット(2)が取り外されるとき、回転部材(21)、駆動部材(20)、停止部材(26)が分離し、その結果、駆動部材(20)に回転して連結されるピストンロッド(12)の再設定を可能にする、
請求項1〜12のいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の駆動機構を含む薬物送達デバイス。
【請求項15】
ペン形注射器の形状の請求項14記載の薬物送達デバイス。
【請求項16】
駆動機構が固定用量を設定及び送達するために設けられる、請求項14又は15に記載の薬物送達デバイス
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物送達デバイス用の再設定可能な駆動機構及びそのような駆動機構を含む薬物送達デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
薬物送達デバイスにおいて、薬物を含むカートリッジ内のピストンは、カートリッジに対して遠位方向に動くピストンロッドにより、カートリッジに対して遠位方向に変位し得る。再使用可能デバイスを提供するために、薬物を含むカートリッジが空になった後、ピストンロッドは、しばしば、遠位端位置から近位の出発位置に後退する必要がある。それにより、薬物の用量は、カートリッジから放出できる。特許文献1は、カートリッジを取り外することにより再設定でき、その結果、ピストンロッドが自由に回転できるように、ステアリングエレメントの歯部及び円筒状スリーブの係合を解除する注射デバイスを記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO第2009/049885号A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、駆動機構及び容易な再設定操作を提供する薬物送達デバイスを開示することである。
【0005】
本目的は、特許請求範囲の請求項1に記載の駆動機構及び請求項14に記載の薬物送達デバイスで達成される。実施態様は、従属項に由来する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
薬物送達デバイス用の駆動機構は、ハウジング、ハウジングに取り付け可能で、及びハ
ウジングから取り外し可能であるユニット、ハウジングの内側で配置された駆動部材、回転部材及び停止部材を含む。駆動部材及び回転部材は、ハウジングに対して回転可能である。クラッチは、ユニットがハウジングに取り付けられるとき、回転部材を駆動部材に一方向に回転して係合する。停止部材は、ハウジングに対して回転方向にロックされるか、又はハウジングの部分を形成する。停止部材は、特に、ハウジングに対して停止部材の回転を阻止する案内機を備え得る。更なるクラッチは、ユニットがハウジングに取り付けられるとき、停止部材を駆動部材に係合させる。分離部材は、回転部材と停止部材の間に配置される。分離部材は、ユニットが取り外され、それによりクラッチ及び更なるクラッチの係合が解除されるとき、回転部材、駆動部材及び停止部材の分離を引き起こす。分離部材のカップリング機は、ユニットがハウジングに取り付けられるとき、又は取り外されるとき、ユニットを係合させ、及び分離部材を動かすために設けられる。
【0007】
駆動機構の実施態様において、ユニットはカートリッジ保持部材を含む。
【0008】
駆動機構の更なる実施態様において、駆動部材は、回転部材と停止部材の間に配置され、そして、分離部材は、特に、駆動部材を取り囲み得るスリーブである。カップリング機は、傾斜端面を備えた分離部材の回転を発生させるために設けられる。
【0009】
駆動機構の更なる実施態様において、回転部材は、分離部材の一つの傾斜端面に接する傾斜面を有する。停止部材は、また、分離部材の他方の傾斜端面に接する傾斜面を有する。
【0010】
駆動機構の更なる実施態様において、停止部材は、分離部材の一つの傾斜端面に接する傾斜面を有する。スペーサエレメントは、分離部材と回転部材の間に配置される。スペーサエレメントは、分離部材の他方の傾斜端面に接する傾斜面を備えている。
【0011】
駆動機構の更なる実施態様において、スペーサエレメントは、ハウジングに対して回転方向にロックされる。
【0012】
駆動機構の更なる実施態様において、分離部材は、案内機構を備え、及び駆動部材は、対応する案内機構を備えている。対応する案内機は、分離部材に対する駆動部材の回転が可能となり、及び分離部材に対する駆動部材の軸方向の動きが阻止されるような形で、分離部材の案内機と係合する。
【0013】
駆動機構の更なる実施態様において、駆動部材は、回転部材と停止部材の間に配置され、及び分離部材は、ハウジングに対して固定されるピボットの周囲に回転可能であるレバーである。
【0014】
駆動機構の更なる実施態様において、弾力エレメントは、レバー上に作用し、並びに回転部材、駆動部材及び停止部材を分離を引き起こす位置に、レバーを回転させようとする。
【0015】
駆動機構の更なる実施態様において、駆動機構は、回転部材と停止部材の間に配置され、並びに分離部材は回転可能であり、及び広げた脚部(splaying leg)を含む。
【0016】
駆動機構の更なる実施態様において、カップリング機は、広げた脚部上に提供される。ハウジングの案内機は、これらのカップリング機を案内する。案内機の軸方向間隔は、小さい距離から、大きい距離まで変化し、その結果、分離部材がハウジングに対して回転するとき、広げた脚部を別々に広がるか、又は互いに接近させる。
【0017】
駆動機構の更なる実施態様において、弾力部材は、用量の設定及び送達の間、停止部材、駆動部材及び回転部材を互いに機械的接触下に維持する。
【0018】
駆動機構の更なる実施態様において、回転部材、駆動部材及び停止部材は、ユニットが取り外されるとき分離する。これは駆動部材に回転して連結するピストンロッドの再設定を可能にする。
【0019】
駆動機構の更なる実施態様において、ハウジングは、ペン形薬物送達デバイスの部分を形成する。
【0020】
薬物送達デバイスは、本発明に記載の駆動機構を含み得る。薬物送達デバイスは、注射デバイス、特に、ペン形注射器であってもよい。駆動機構は、固定用量を設定するために提供され得る。デバイスは、手動で、特に、非電気的に操作するデバイスであってもよい。薬物送達デバイスは、更に、薬物を保持するためにカートリッジを含み得る。カートリッジは、ハウジングに解放可能に取り付けられ得るカートリッジホルダ又はカートリッジ保持部材として提供されるユニットに挿入され得る。
【0021】
ハウジング又はハウジングを含む薬物送達デバイスは、遠位端及び近位端を有する。用語「遠位端」は、デバイスの投与端の最も近くは配置され、又は配置されるべき、ハウジング、デバイス又はその構成部材の端部を指定する。用語「近位端」は、デバイスの投与端から最も遠く離れて配置され、又は配置されるべき、ハウジング、デバイス又はその構成部材の端部を指定する。従って、「遠位方向」は、近位端から遠位端に向かう方向であり、そして、「近位方向」は、遠位端から近位端に向かう方向である。
【0022】
本明細書で使用する用語「薬物」は、好ましくは、少なくとも一つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体、ホルモン又はオリゴヌクレオチド、若しくは上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症及び/又は関節リウマチの処置及び/又は予防に有用であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置及び/又は予防のための、少なくとも一つのペプチドを含み、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも一つのヒトインスリン又はヒトインスリン類似体若しくは案内体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは案内体又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは案内体を含む。
【0023】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B29位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0024】
インスリン案内体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0025】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドを意味する。
【0026】
エキセンジン−4案内体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4案内体のC−末端と結合してもよく;
【0027】
又は以下の配列のエキセンジン−4案内体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
又は前述のいずれか1つのエキセンジン−4案内体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0028】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロパイン(ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0029】
多糖類としては、例えば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはその案内体、又は硫酸化された、例えば、上記多糖類のポリ硫酸化形体及び/又は薬学的に許容可能なその塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0030】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩、及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1〜C6アルキル基;場合により置換されるC2〜C6アルケニル基;場合により置換されるC6〜C10アリール基、又は場合により置換されるC6〜C10ヘテロアリール基を意味する。薬学的に許容される塩の別の例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences” 17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark Publishing社,Easton, Pa., U.S.A., 1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0031】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0032】
薬物送達デバイス用の再設定可能な駆動機構は、好ましくは、駆動部材が第二の方向に回転するとき、近位端及び遠位端を有するハウジング;薬物の用量を送達するために第二の方向にハウジングに対して回転可能な駆動部材;駆動部材によりハウジングに対して遠位方向に駆動するように適合されたピストンロッドを含み、停止部材が送達位置と再設定位置の間で、ハウジングに対して可動な駆動部材及びクラッチ部材を係合するとき、停止部材は、ハウジングに対して第二の方向とは反対の第一の方向で駆動部材の回転を阻止するように適合される。
【0033】
クラッチ部材が送達位置にあるとき、停止部材及び駆動部材は係合し、そして駆動部材
は、ハウジングに対して第一の方向で回転を阻止される。クラッチ部材が再設定位置にあるとき、駆動部材及び停止部材は係合を解除し、駆動部材は、ハウジングに対して第一の方向に回転可能であり、そしてピストンロッドは、ハウジングに対して近位方向に可動である。
【0034】
クラッチ部材が送達位置から再設定位置へ、又は再設定位置から送達位置へ動くとき、クラッチ部材は、ハウジングに対して(直線的に)変位し得る。クラッチ部材が送達位置から再設定位置へ、又は再設定位置から送達位置へ動くとき、クラッチ部材は、一つの駆動部材及び停止部材に対して変位し得る。他方の駆動部材及び停止部材は、クラッチ部材が送達位置から再設定位置へ、又は再設定位置から送達位置へ動くとき、クラッチ部材の動きに従動し得る。この相対的な動きを経由して、駆動部材及び停止部材は、係合を解除し得る。クラッチ部材は、それが送達から再設定位置へ動くとき、好ましくは、それが送達位置から再設定位置へ動くとき、ハウジングに対して軸方向に変位し得る。クラッチ部材は、ハウジングに対して回転運動に対して固定され得る。
【0035】
送達位置と再設定位置の間でハウジングに対して可動なクラッチ部材が提供される場合、ハウジングに対する近位方向におけるピストンロッドの動きは容易になる。特に、駆動部材は、ハウジングに対して第一の方向に回転し得るので、駆動部材は、停止部材により阻止される第一の方向における回転運動なしで、薬物の用量の送達中、それに反対の方向に回転し得る。それ故、駆動部材を第一の方向に回転させるピストンロッドの近位運動は、最早、阻止されず、そして駆動機構の再設定は容易になる。
【0036】
停止部材及び駆動部材は、クラッチ部材が送達位置にある間、恒久的に係合し得る。駆動部材は、ピストンロッドに係合し得る。駆動部材は、クラッチ部材が送達位置にあるか、又は再設定位置にあるかに関わらず、ピストンロッドに恒久的に係合し得る。
【0037】
駆動部材の回転運動は、ピストンロッドの同一方向の回転運動に転換され得る。ピストンロッドの回転運動は、遠位方向において、例えば、ピストンロッドのハウジングとのねじ係合により、ハウジングに対するピストンロッドの変位に転換され得る。ピストンロッドは、ハウジングに対して遠位方向に変位し得て、そして遠位変位の間、第二の位置で回転し得る。ピストンロッドは、その回転軸に沿って変位し得る。
【0038】
あるいは、駆動部材の回転運動は、ハウジングに対するピストンロッドの純粋な(直線的)変位に転換し得る。それ故、ピストンロッドは、回転なしで、ハウジングに対して並進運動的に動き得る。ピストンロッドの変位軸は、駆動部材が回転する回転軸に対して横方向に延接(run)し得る。
【0039】
駆動機構の実施態様において、クラッチは、スプリングであり得る弾力部材を含む。クラッチ弾力部材は、クラッチ部材が送達位置にあるとき付勢され得る。クラッチ弾力部材は、クラッチ部材が再設定位置にあるとき、完全に、又は部分的に緩和され得る。
【0040】
別の実施態様において、駆動機構は、クラッチ停止部材を含む。クラッチ停止部材は、クラッチ部材に対して可動であり得る。クラッチ停止部材は、特に、駆動機構から取り外し可能であり得る。クラッチ停止部材は、送達位置にクラッチ部材を維持し、好ましくは、保持するように配置され得る。クラッチ停止部材は、再設定位置に向かうクラッチ部材の動きを阻止するために提供され得る。クラッチ停止部材は、クラッチ部材を再設定位置に動かす傾向にあるクラッチ弾力部材によりかけられる力に対抗するように配置され得る。クラッチ停止部材は、好ましくは、ハウジングに対して解放可能に固定される。クラッチ停止部材がクラッチ部材から取り外される場合、例えば、ハウジングから取り外される場合、クラッチ部材は、クラッチ停止部材が取り外された後、再設定位置へ動くことが可
能となる。それ故、クラッチ停止部材は、クラッチ部材の再設定位置に向かう動きを阻止することにより、送達位置に駆動機構を維持し得る。クラッチ停止部材がクラッチ部材から取り外される場合、クラッチ部材は再設定位置に動き得るが、その動きが駆動機構を再設定状態に置く。
【0041】
クラッチ停止部材及びクラッチ弾力部材は、組み合わせて、また、駆動機構の自動的に作動する再設定機構を提供し得る。付勢されたクラッチ弾力部材に起因して、クラッチ部材は、クラッチ停止部材が取り除かれるとき、自動的に再設定位置へ動く。
【0042】
回転部材は、薬物の用量を設定中、ハウジングに対して第一の方向に回転するように、及び用量の送達中ハウジングに対して第二の方向に回転するように適合され得る。ハウジングに対する第二の方向における回転部材の回転は、例えば、回転部材及び駆動部材との機械的協動により、ハウジングに対して、第二の方向における駆動部材の回転に転換し得る。駆動部材の回転は、例えば、駆動部材及びピストンロッドとの機械的協動により、そして好ましくは、更に、ピストンロッド及びハウジングの機械的協動により、例えば、ねじ係合により、ハウジングに対するピストンロッドの動きに転換し得る。
【0043】
別の実施態様によると、駆動部材は、好ましくは、恒久的に、用量の設定及び送達のために、回転部材の(回転)運動中、停止部材及び回転部材の一つ又は両方と隣接し、及び/又は、係合する。その結果、クラッチ部材が送達位置にあるとき、駆動部材は、好ましくは、恒久的に、回転部材及び停止部材の一つ又は両方に隣接し得る。駆動部材は、用量の設定及び送達中、停止部材及び/又は回転部材と連結し得る。
【0044】
別の実施態様において、駆動機構は弾力部材を含み、それはスプリングであってもよい。弾力部材は、停止部材及び駆動部材を隣接及び/又は係合状態に維持するように配置され得る。弾力部材は、駆動部材及び停止部材を係合状態に維持する傾向にある、駆動部材及び停止部材の一つ又は両方に力をかけ得る。好ましくは、この力は、駆動部材及び停止部材の係合を解除するために凌駕しなければならない。
【0045】
別の実施態様において、クラッチ弾力部材はクラッチスプリング部材であり、そして弾力部材はスプリング部材である。クラッチスプリング部材は、好ましくは、スプリング部材のスプリング強度より大きいスプリング強度を有する。その結果、クラッチ弾力部材は、停止部材及び駆動部材が隣接、及び/又は、係合状態を維持する弾力部材によりかけられる力を凌駕する力をクラッチ部材上にかけ得る。従って、停止部材及び駆動部材の係合の解除が容易になる。
【0046】
別の実施態様において、停止部材及び駆動部材は、クラッチ部材が再設定位置から送達位置に向かって動くとき、係合部内に動くように配置される。弾力部材によりかけられる力は、この動きを支援する。追加の外部力は、(再)係合停止部材及び駆動部材に適用され得る。(再)係合停止部材及び駆動部材のためにクラッチ弾力部材によりかけられる力に打勝つことが必要であり得る。
【0047】
別の実施態様において、駆動部材及び停止部材は、クラッチ部材が送達位置にあるとき、一方向の摩擦クラッチ機構を形成するために係合する。従って、停止部材に対して、特に、ハウジングに対して、第一方向における駆動部材の相対的回転運動は、クラッチ部材が送達位置にあるとき阻止される。クラッチ部材が再設定位置にあるとき、一方向のクラッチが開放される。それ故、クラッチ部材が再設定位置にあるとき、第一の方向での駆動部材と停止部材間の相対的回転運動は、都合よく可能となる。
【0048】
別の実施態様において、駆動部材及び回転部材は、クラッチ部材が送達位置にあり、好
ましくは、また、クラッチ部材が再設定位置にあるとき、(更なる)一方向の摩擦クラッチ機構を形成するために係合する。この機構は、第二の位置における駆動部材と回転部材間の相対的回転運動を阻止するように、都合よく構成される。
【0049】
別の実施態様において、停止部材は、ハウジングに対する回転運動対して固定され、そして、停止部材は、ハウジングに対して変位可能である。
【0050】
別の実施態様において、停止部材は、再設定位置に向かうクラッチ部材の動きに従動するように配置され、それにより、駆動部材から係合を解除される。
【0051】
別の実施態様において、クラッチ部材が再設定位置に向かって動くとき、クラッチ部材は、停止部材に接するように配置される。好ましくは、クラッチ部材は、停止部材との隣接部へ動いた後、それと一緒に再設定位置に向かって停止部材を運ぶ。
【0052】
上記の通り、駆動機構を含む薬物送達デバイスの実施態様において、カートリッジ、又はカートリッジをハウジングに対して保持し、及び/又は、取り付けるように適合したカートリッジ保持部材は、クラッチ停止部材である。それ故、カートリッジ又はカートリッジ保持部材は、クラッチ弾力部材によりかけられる力のために、クラッチ部材を再設定位置へ動かすことを阻止し得る。カートリッジ保持部材又はカートリッジがハウジングから取り外される場合、クラッチ部材は、自動的に再設定位置に動くであろう。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明の更なる目的、特徴及び利点は、添付の図面と関連して、次の詳細な記載から明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】薬物送達デバイスの実施態様の部分断面図を概略的に示す。
図2】駆動機構の断面の透視図を示す。
図3】駆動部材を含む駆動機構の実施態様の詳細を示す。
図4】停止部材を含む駆動機構の実施態様の更なる詳細を示す。
図5】回転部材を含む駆動機構の実施態様の更なる詳細を示す。
図6】用量部材を含む駆動機構の実施態様の更なる詳細を示す。
図7】回転部材と用量部材の間の係合を含む駆動機構の実施態様の更なる詳細を示す。
図8】駆動機構の実施態様を備える薬物送達デバイスの実施態様の部分断面図を示す。
図9】駆動機構の部分の分解図を示す。
図10】再設定操作を必要とする状態における図8のデバイスの部分断面図を示す。
図11】カートリッジユニットを部分的に取り外した後の図10に基づく断面図を示す。
図12】カートリッジユニットの完全な取り外し及びピストンロッドの再設定後の図11に基づく断面図を示す。
図13】取り付けられたカートリッジユニットを有する図12に基づく断面図を示す。
図14】駆動機構の更なる実施態様において使用されたエレメントを示す。
図15】駆動機構の更なる実施態様において、付随する案内機構の配置と一緒に使用されたエレメントを示す。
【0055】
類似のエレメント、同種のエレメント及び同様に作用するエレメントは、同一参照番号
を有する。
【0056】
図1は、遠位端7及び近位端8を有し、そして、カートリッジユニット2及び駆動ユニット3を含む薬物送達デバイス1を示す。カートリッジユニット2は、カートリッジ4を含む。薬物5は、カートリッジ4内に保持される。薬物5は、好ましくは、液体薬物である。カートリッジ4は、好ましくは、複数用量の薬物5を含む。薬物5は、例えば、インスリン、ヘパリン又は成長ホルモンを含んでもよい。カートリッジ4は、その遠位端で出口6を有する。薬物5は出口6を通してカートリッジから投与できる。デバイス1は、ペン形デバイス、特にペン形注射器であってもよい。デバイス1は、使い捨て又は再使用可能デバイスであってもよい。デバイス1は、薬物5の固定用量を投与するように構成されたデバイスであってもよい。デバイス1は、針を基礎とした、又は針無しのデバイスであってもよい。デバイス1は、注射デバイスであってもよい。
【0057】
出口6は、カートリッジでの保存中、外部の影響に対して薬物5を保護する膜9で覆ってもよい。薬物送達のために、膜9は、開放され、例えば、穿孔され得る。例えば、膜9は、針ユニット(明確に図示されていないが)で穿孔され得る。針ユニットは、カートリッジユニット2の遠位端に(解放可能に)取り付けられ得る。針ユニットは、カートリッジ4の内側から、出口6を通じてカートリッジの外側への流体連通のために提供される。
【0058】
ピストン10は、カートリッジ4内に保持される。ピストン10は、カートリッジに対して可動である。ピストン10は、カートリッジ内で薬物5をシールし得る。ピストン10は、都合よく、カートリッジ4の内側を近位方向をシールする。遠位方向におけるカートリッジ4に対するピストン10の動きは、薬物5をデバイスの操作中、カートリッジから出口6を通して投与させる。
【0059】
カートリッジユニット2は、更にその上、カートリッジ保持部材11を含む。カートリッジ4は、カートリッジ保持部材11内に保持される。カートリッジ保持部材11は、カートリッジ4を機械的に安定化し得る。更に又はあるいは、カートリッジ保持部材11は、カートリッジユニット2を駆動ユニット3に取り付けるために、固定部材(明確に図示されていないが)を備え得る。
【0060】
カートリッジユニット2及び駆動ユニット3は、互いに固定され、好ましくは、解放可能に固定される。駆動ユニットに解放可能に固定されるカートリッジユニット2は、例えば、かって、駆動ユニット3に取り付けられたカートリッジ内にあった薬剤の全ての用量が、既に投与された場合、新しいカートリッジ4を提供することを可能とするために、駆動ユニット3から取り外されてもよい。カートリッジ保持部材11は、例えば、ネジ山を経由して駆動ユニット3に解放可能に固定され得る。
【0061】
あるいは、カートリッジ保持部材11は無くてもよい。この場合、強固なカートリッジ4を適用し、そして、カートリッジを、直接、駆動ユニット3に取り付けることは、特に都合の良いことである。
【0062】
駆動ユニット3は、力を、好ましくは、使用者がかけた力を、特に好ましくは、手動でかけた力を、遠位方向にカートリッジ4に対してピストン10を変位させるために、ピストン10に伝達するように構成されている。薬物の用量は、この方法でカートリッジから投与してもよい。送達用量のサイズは、ピストン10が遠位方向にカートリッジ4に対して変位する距離により決定し得る。
【0063】
駆動ユニット3は、駆動機構を含む。駆動機構は、ピストンロッド12を含む。ピストンロッド12は、力をピストン10に伝達するよう構成され、それにより、カートリッジ
4に対して遠位方向にピストンを変位させる。ピストンロッド12の遠位端面は、ピストン10の近位端面に接するよう配置され得る。ベアリング部材(明確に図示されていないが)は、ピストン10を前進させるように、好ましくは、ピストン10の近位端面に接するよう配置し得る。ベアリング部材は、ピストン10とピストンロッド12の間で配置し得る。ベアリング部材は、ピストンロッド12に対して、又は分離部材に対して固定し得る。ピストンロッド12がデバイスの操作中、例えば、用量の送達中、回転するよう構成される場合、ベアリング部材を提供することは、特に都合のよいことである。ベアリング部材は、ハウジングに対して(回転する)ピストンロッド12と一緒に、変位し得る。ピストンロッドは、ベアリング部材に対して、回転可能であり得る。この方法において、回転するピストンロッドがピストンにドリルで穴をあけ、それにより、ピストンを損傷するリスクは低減する。従って、ピストンロッドが回転し、そしてハウジングに対して変位する間、ベアリング部材は、好ましくは、変位のみおこない、即ち、回転はしない。ピストンロッドは、ベアリング部材により隣接し得る。
【0064】
駆動ユニット3は、駆動機構の部分であり得るハウジング13を含む。ピストンロッド12は、ハウジングに保持され得る。カートリッジユニット2の近位端側14は、ハウジング13の遠位端側15で、例えば、ねじ連結を経由して駆動ユニット3に固定し得る。ハウジング13、カートリッジ4及び/又はカートリッジ保持部材11は、管状形状を有してもよい。
【0065】
用語「ハウジング」は、好ましくは、特定構成部材の近位運動を阻止するために、一方向の軸方向の連結を有し得るいかなる外部ハウジング(「主ハウジング」、「本体」、「殻」)、又は内部ハウジング(「インサート」、「内部本体」)をも意味するものとする。ハウジングは、薬物送達デバイス又はいかなるその機構も、安全で、正確で、そして快適な取扱いを可能にするように設計できる。通常は、薬物送達デバイスのいかなる内部構成部材(例えば、駆動機構、カートリッジ、ピストン、ピストンロッド)も、好ましくは、液体、ちり、ごみなどの汚染物質に対する曝露を制限するために、収容し、固定し、保護し、案内し、及び/又は、係合するように設計される。一般的には、ハウジングは、管状又は非管状形状の一体又は多部分の構成部材であってもよい。
【0066】
用語「ピストンロッド」は、ハウジングを通して/ハウジング内で、操作するように適合された構成部材を意味するものとし、それは、薬物送達デバイスを通して/デバイス内で、好ましくは、駆動部材からピストンへ、例えば、注射可能製品を排出する/投与する目的のために、軸方向の動きを伝達するよう設計し得る。前記ピストンロッドは可撓性であっても、又はなくてもよい。それは、単一ロッド、リードスクリュ、ラックアンドピニオンシステム、ウオームギアシステムなどであってもよい。「ピストンロッド」は、更に、円形又は非円形の断面積を有する構成部材を意味するものとする。それは当業者に公知のいかなる好適な素材からでも作ることができ、そして、一体又は多部分の構造であってもよい。
【0067】
駆動ユニット3は、用量部材16を含む。用量部材16は、ハウジング13に対して可動である。用量部材16は、送達すべき薬物5の用量を設定するために、ハウジングに対して近位方向に、そして、設定用量の送達のため、ハウジングに対して遠位方向に可動であり得る。用量部材16は、好ましくは、ハウジング13に連結される。用量部材16は、ハウジングに対して、回転運動を固定し得る。用量部材16は、ハウジング13に対して、近位端位置と遠位端位置の間で動き(変位し)得る(明確に図示されていないが)。用量部材が用量の設定中、ハウジングに対して変位する距離は、用量のサイズを決定し得る。近位端位置及び遠位端位置は、ハウジングに対して、用量部材の近位又は遠位走行を制限し得る個々の停止機で決定し得る。
【0068】
デバイス1は、手動の、特に、非電気的駆動のデバイスであってもよい。用量部分16をハウジング13に対して遠位方向に動かす(使用者が適用した)力は、駆動機構によりピストンロッド12に伝達し得る。この目的のために、図1では明確に図示されていない駆動機構の他のエレメントを提供し得る。用量部分が用量設定のためハウジングに対して近位方向に動くとき、ハウジング13に対するピストンロッド12の動きは、好ましくは、阻止される。
【0069】
上記の通り、薬物送達デバイス1で提供するのに好適な駆動機構の実施態様は、以下に詳細に記載される。
【0070】
上記の通り、薬物送達デバイス1に実装するのに好適な駆動機構の実施態様は、図2〜7に関連して記載される。
【0071】
駆動機構は、ハウジング部分17を含む。ハウジング部分17は、近位端18及び遠位端19を有する。ハウジング部分17は、図1の(外部)ハウジング13、その部分、又はインサートが、好ましくは、ハウジング13に対する回転方向及び軸方向の動きに対して固定するハウジング13内のインサートであってもよい。ハウジング部分17は、例えば、インサートスリーブであってもよい。インサートスリーブは、例えば、ハウジング13に対して、スナップ嵌合され、又は糊付けされてもよい。ハウジング部分17は、管状形体を有してもよい。ハウジング部分17は、外部固定エレメント64、例えば、スナップ嵌合エレメントを、ハウジング部分17をハウジング13に固定するために含んでもよい(参照:図6)。
【0072】
ピストンロッド12は、ハウジング13に、好ましくは、ハウジング部分17内に保持される。ピストンロッド12は、用量の送達中、ハウジング部分17に対して遠位方向に駆動する。
【0073】
駆動機構は、更にその上、駆動部材20を含む。駆動部材20は、ハウジング部分17内に保持される。駆動部材20は、力を伝達し、好ましくは、トルクをピストンロッド12へ伝達するように構成される。伝達された力は、ピストンロッド12を、用量の送達のために、ハウジング部分17に対して遠位方向に変位させ得る。
【0074】
駆動部材20は、ハウジング部分17に対して回転可能である。駆動部材20は、ピストンロッド12に係合し得る。駆動部材の回転運動、例えば、第二方向における回転運動は、ハウジング部分17に対してピストンロッド12の遠位運動へ転換され得る。これは、以下により詳細に説明する。
【0075】
駆動機構は、更にその上、回転部材21を含む。回転部材21は、第一の方向に、特に、薬剤の用量を設定するために、そして、第二の方向に、特に、設定用量を送達するために、ハウジング部分17に対して回転可能である。第二の方向は、第一の方向に対して反対方向である。第一の方向は、例えば、デバイスの近位端から見て、反時計方向であり、そして第二の方向は、時計方向であり得る。
【0076】
駆動部材、回転部材及び/又はピストンロッドは、好ましくは、(共通の)回転軸の周りを回転可能になるように構成される。回転軸は、駆動部材、回転部材及び/又はピストンロッドを通して伸び得る。回転軸は、ピストンロッドの主縦軸であり得る。回転軸は、ハウジング部分17の近位端と遠位端の間を延設し得る。
【0077】
回転部材21は、一方向のクラッチ機構、特に、摩擦クラッチ機構により、駆動部材20と連結する。このクラッチ機構は、回転部材がハウジング部分17に対して第一の方向
に回転するとき、駆動部材20に対する回転部材21の回転運動を可能にする。クラッチ機構は、回転部材がハウジング部分17に対して第二の方向において回転するとき、駆動部材20に対する回転部材21の回転運動を阻止する。駆動部材20は、その結果、ハウジング部分17に対する第二の方向における回転部材21の回転運動に従動し得る。
【0078】
駆動部材20は、回転部材と隣接し、及び/又は、係合するように配置され、そして特に、回転部材21と係合する。駆動部材20は、歯部22を含む。歯部22は、駆動部材の一端、例えば、その近位端で提供され得る。回転部材は、歯部23を含む。歯部22、23は互いに面する。歯部23は、端部が駆動部材20に、例えば、回転部材の遠位端において面する回転部材の一端で提供され得る。歯部22は、複数の歯24を含む。歯部23は、複数の歯25を含む。歯24及び/又は25は伸びてもよく、そして好ましくは、回転軸に沿って配向してもよい。歯部22及び23は、互いに嵌合するように構成され得る。回転部材及び駆動部材は、係合状態にある歯部22、23により、互いに係合し得る。
【0079】
歯24及び/又は歯25は、特に、回転軸から分かる通り、方位(角度)方向に沿ったランプ形(ramp-shaped)であってもよい。個々の歯のランプは、その歯の急端面、即ち
、回転軸に平行に延設し、又はこの軸上に突出するときのランプより、この軸上に突出するときの回転軸との小さい角度を含む歯の面により制限される(角度方向に)。急端面は、次の歯のランプにより続いていく。
【0080】
歯24は、駆動部材20上で、特に、回転部材21に面する駆動部材20の端部で円周状に配置され得る。歯25は、回転部材21上で、特に、駆動部材20に面する回転部材21の端部で円周状に配置され得る。
【0081】
二つの歯の急端面に接し、そして回転部材が、更に、第二の方向に回転するとき、急側面は隣接状態になり、そして駆動部材20は、回転部材21の回転に従動する。回転部材が第一の方向に回転するとき、歯のランプ−特に回転軸に対して斜めに延設するランプ−が、互いに沿って摺動し、結果として、回転部材21は、駆動部材20に対して回転し得る。
【0082】
駆動機構は、更にその上、停止部材26を含む。駆動部材は、停止部材26と回転部材21の間に配置され得る。停止部材26は、用量の設定中、即ち、回転部材が第一方向に回転するとき、ハウジング部分17に対して第一の方向において、駆動部材20の回転運動を阻止するように構成される。それ故、回転部材21は、ハウジング部分17に対して第一の方向に回転し得て、一方、駆動部材20及び停止部材26は回転しない。
【0083】
停止部材26は、別の一方向のクラッチ機構、特に、摩擦クラッチ機構により、駆動部材20に連結する。このクラッチ機構は、回転部材21がハウジング部分17に対して第一の方向に回転するとき、停止部材26に対して駆動部材20の回転運動を阻止する。クラッチ機構は、回転部材21がハウジング部分17に対して第二の方向に回転するとき、停止部材26に対して駆動部材20の回転運動を可能にする。
【0084】
それ故、回転部材21は、用量の設定中、第一の方向に駆動部材20及び停止部材26に対して回転してもよく、駆動部材20の回転が停止部材26とのその相互作用により阻止されるので、回転部材21並びに駆動部材20は、用量の送達中、第二の方向に停止部材26に対して回転し得る。
【0085】
停止部材26は、用量の設定中、及び、好ましくは、用量の送達中、駆動部材20に接し、及び/又は、係合するように配置され得る。停止部材26は、駆動部材20に面する
停止部材26のその側面上で歯27を備えている。歯27は、急側面及び穏やかなランプを有するランプ形状であってもよい。歯27は、停止部材に沿って、特に、停止部材26の周囲に方位的に配置され得る。歯27は、回転軸に沿って伸び、そして好ましくは、回転軸に沿って配向し得る。
【0086】
駆動部材20は、停止部材26に面する駆動部材20のその側面上で歯28を備えている。歯28は、伸びてもよく、そして好ましくは、回転軸に沿って配向してもよい。駆動部材20の歯24及び歯28は、反対側に配置されている。歯24は、回転部材21の歯25に対応するように構成され得る。歯28は、停止部材26の歯27に対応するように構成され得る。歯部27及び28は、互いに面してもよく、特に、互いに嵌合してもよい。歯27及び28、特に、歯の急側面は、第一の方向におけるハウジング部分17に対して、及び、特に、停止部材26に対して、駆動部材20の回転を阻止するために協動し、例えば、接する。
【0087】
停止部材26は、好ましくは、ハウジング部分17に対して、回転運動を固定し、特に好ましくは、回転運動を恒久的に固定する。停止部材26は、ハウジングに対して固定されてもよく、又はハウジング内に一体化されてもよい。停止部材26は、ハウジング部分17に対する変位を固定し得て、又はハウジング17に対する変位は可能となり得る。
【0088】
本実施態様において図示する通り、停止部材26は、ハウジングに対して変位可能であるが、ハウジング部分17に対しては回転不能である。その目的のために、一つ又は複数の、好ましくは、反対側に配置された案内機、例えば、案内ラグ29が、停止部材26に提供される。個々の案内機29は、ハウジングに、例えば、ハウジング部分17に提供され得る対応する案内スロット30に係合する。これは、図2〜5において理解できる。案内機29は、ハウジング部分17に対する停止部材の回転運動を阻止するために案内スロット30と協動し、ハウジングに対する停止部材26の軸方向の動きが可能となる。停止部材26の軸方向の動きは、操作中、駆動機構の構成部材間の遊びを相殺し得る。
【0089】
駆動部材20、停止部材26及び回転部材21を含むグループから、一つ又はそれ以上の部材、好ましくは二つの部材又は三つの部材が、ハウジング部分17に対して、好ましくは、ピストンロッド12に対して軸方向に変位可能であり得る。その中に、駆動部材及び引用した部材の別の一つがハウジングに対して軸方向に変位可能であり得る。残りの部材は、薬物送達のため駆動機構の操作中、軸方向の変位を確実にし、又は軸方向に変位可能であり得る。その結果、駆動部材及び停止部材が軸方向に変位可能である場合、回転部材は、軸方向に変位を確実にし、又は軸方向に変位可能であり得るなどである。ハウジングに対してクラッチ機構の構成部材の相対的(軸方向)運動により発生する構成部材間の遊びは、この方法により相殺できる。個々の構成部材がハウジングに対して軸方向に変位し得る距離は、駆動部材の個々の歯部22又は28の歯の(最大)深さに対応し得る。あるいは、距離は、個々の歯部の歯の(最大)深さより大きくてもよい。
【0090】
更にその上、駆動機構は、弾力部材31、好ましくは、スプリング部材を含む。弾力部材31は、駆動機構の薬物送達操作中に付勢され得る。弾力部材は、停止部材26及び/又は回転部材21との係合において、駆動部材20を維持する傾向にある力を提供し得る。力は、回転軸に沿ってかけられ得る。図2及び3で示す状況において、この力は、近位方向にかけられ得る。弾力部材31は、らせん状(コイル状)スプリングであってもよい。弾力部材31は、圧縮スプリングであってもよい。
【0091】
弾力部材31は、駆動部材20及び停止部材26を、薬剤の用量の設定及び送達中、互いに(恒久的に)機械的接触下で、例えば、隣接下で維持し得る。あるいは又は更に、弾力部材31は、駆動部材20及び回転部材26を、薬剤の用量の設定及び送達中、互いに
(恒久的に)機械的接触下で、好ましくは、隣接下で維持し得る。
【0092】
弾力部材31は、停止部材26内に一体化されてもよく、又は分離した構成部材であってもよい。弾力部材31は、停止部材26の遠位端側に配置され得る。
【0093】
駆動機構は、更に、支持部材32を含む。支持部材32は、ハウジング部分17に対する軸方向及び回転方向の動きを都合よく固定し、又はハウジング部分17内に組み込まれる。支持部材32は、停止部材26から離れた駆動部材20の側面に配置される。支持部材32は、突出、例えば、リング状の突出であってもよい。回転部材21は、支持部材32において開口部を通して伸びてもよい。支持部材32は、弾力部材31によりかけられる力に対抗する反力を提供し得る。薬剤の設定及び送達中、回転部材の駆動部材との、及び駆動部材の停止部材との恒久的隣接はこの方法で容易になる。
【0094】
回転部材21は、(半径方向の)外側に突出する部材33、例えば、フランジ部分を有する。突出部材33は、都合よく、隣接支持部材32、特に、支持部材32の遠位端側に提供される。
【0095】
別の支持部48(参照:図4)は、弾力部材31によりかけられる力に対抗する反力を提供するために提供され得る。支持部48は、回転部材21から離れた駆動部材20のその側壁上に配置される。支持部48は、支持部材32から離れた停止部材26のその側壁上に配置される。支持部48は弾力部材31に接するように配置され得る。支持部48は、ハウジング部分17に対して、ハウジング13に対して、軸方向及び回転方向の動きに対して固定されてもよく、又は、ハウジング13、例えば、(追加の)ハウジング部分40に一体化されてもよい(参照:図4)。
【0096】
駆動機構は、更にその上、用量部材34を含む。用量部材34は、用量部分16であってもよく、又は図1の用量部分16の部分であってもよい。用量部材34は、用量の設定及び用量の送達のために近位方向に、ハウジングに対して可動である。例えば、用量部材34は、用量の設定中、ハウジング部分17に対して近位方向に、そして用量送達中、ハウジング部分17に対して遠位方向に動き得る。用量部材34は、ハウジング部分17、又は、あるいは、ハウジング13の別部分(明確に図示されていない)に係合し得る。用量部材34は、好ましくは、ハウジング部分17に対する回転運動を確実にする。用量部材34は、案内機35、例えば、ハウジング部分17又はハウジング13において提供される別の案内機、例えば、案内スロット又は案内ラグとそれぞれ係合する案内ラグ又は案内スロットを含み得る。用量部材34は、ハウジング部分17に対して、好ましくは、軸方向のみに沿って、及び/又は、回転軸の周囲を回転して変位し得る。
【0097】
用量部材34は、回転部材21に対して、近位方向に及び遠位方向に動き得る。用量部材34は、連結可能に配置され、そして好ましくは、用量部材の動き、例えば、薬物の用量設定のために、ハウジング部分17に対する近位方向での動きが、第一方向の回転部材の回転運動に転換され、そして、用量部材の動き、例えば、用量の送達のために、ハウジング部分17に対して遠位方向での用量部材の動きが、第一の方向に反対側の第二の方向における回転部材21の回転運動に転換されるように、回転部材21に(恒久的に)連結される。
【0098】
回転部材21は、用量部材34の内側に配置されてもよく、又は用量部材34は、回転部材21の内側に配置されてもよい。回転部材21が用量部材34の内側に配置される場合、回転部材21は、(外部)ねじ山を備えてもよく、それは係合部材42、又は用量部材34の複数の係合部材42と係合してもよく、好ましくは、用量部材34の内壁上で係合してもよい。係合部材42は、例えば、ラグ又はねじ山又はねじ山の部分であってもよ
い。用量部材34が回転部材の内側に配置される場合、用量部材34は、係合部材と、又は回転部材21の複数の係合部材と、好ましくは、回転部材21の内壁上に係合し得る(外部)ねじ山を備えてもよい。それ故、用量部材34及び回転部材21は、ねじ連結、特に、ねじ係合してもよい。
【0099】
回転部材21、駆動部材20、停止部材26及び/又は用量部材34は、それぞれスリーブであってもよく、又はスリーブを含んでもよい。ピストンロッド12は、駆動するように配置され、特に、一つ、それ以上、又は全てのこれらスリーブを通して駆動するように配置され得る。ピストンロッド12は、一つ、それ以上、又は全てのこれらスリーブを通して延設され得る。
【0100】
駆動部材20及びピストンロッド12は、ハウジングに対する駆動部材20の回転運動がハウジングに対するピストンロッドの回転運動に転換されるように構成される。駆動部材20は、ピストンロッド12に係合し得る。ピストンロッド12は、回転軸に平行な変位軸に沿って、駆動部材20に対して変位可能である。駆動部材20は、例えば、ピストンロッド12にスプライン結合されてもよい。
【0101】
ピストンロッド12は、ハウジング13にねじ連結される。ピストンロッド12は、例えば、外部ねじ山49を備えてもよい。ピストンロッド12は、ハウジング部分40において、例えば、支持部48において提供される開口部39において(部分)ねじ山を通して伸びてもよく、及び係合してもよい(参照:図4)。ハウジング部分40は、ハウジング17と一体的に形成されてもよく、それに固定されたハウジング部分であってもよく、又はハウジング部分17からハウジング13へ分離して固定されたハウジング部分であってもよい。
【0102】
ピストンロッド12は、係合トラック37を、好ましくは、外側で二つの反対方向に配置された係合トラックを含む。(個々の)係合トラック37は、ねじ山49を遮断してもよい。ピストンロッドがハウジングに対して、特に、駆動部材に対して変位可能である(個々の)係合トラック37は、好ましくは、軸に沿って伸びる。
【0103】
駆動部材20のハウジングに対する回転運動は、その結果、ハウジングに対するピストンロッド12の回転運動に転換されてもよく、そして、ピストンロッド12の回転運動は、ピストンロッドとハウジング(部分)のねじ係合のために、遠位方向のハウジングに対するピストンロッドの動きに転換される。
【0104】
用量部分16(参照:図1)は、用量ボタン41(参照:図1)を含んでもよい。用量ボタン41は、使用者に握られるように構成され得る。用量ボタン41は、近位端において用量部材34に配置され、及び連結され得る。用量ボタン及び用量部材は、一体であってもよい。
【0105】
次の通り、駆動機構の操作が記載される。用量を設定するために、用量部材34は、ハウジング部分17に対して近位方向(図2の矢印43)に動かし得る(第一タイプの動き)。それをおこなうために、使用者は、用量ボタンを握り、そしてそれを近位方向に引いてもよい。用量部材34は、また、回転部材21に対して近位方向に動く。回転部材の近位運動は、回転部材21の突出部材33に接する支持部材32により阻止される。結果として、ハウジング部分17に対する用量部材34の近位運動は、ハウジング部分17に対する第一の方向(図2の矢印44)において、特に、用量部材34及び回転部材21のねじ係合のために、回転部材21の回転運動に転換される。それ故、回転部材21は、ハウジングに対して第一の方向に回転し、それは、本実施態様において、回転部材21の近位端から分かる通り、反時計方向である。回転部材21は、また、駆動部材20及び停止部
材26に対して回転する。駆動部材20は、第一の方向に、停止部材26との相互作用により、例えば、歯27及び28のインターロッキングにより回転が阻止される。ピストンロッド12が駆動部材20に連結し、そして駆動部材の第一方向における回転が、ピストンロッドを近位方向に走行させることになるので、ピストンロッド12は、停止部材26及び駆動部材20の相互作用により、近位方向における駆動を阻止される。用量の設定中、ピストンロッド12の動きを阻止することにより、用量の精度は向上できる。
【0106】
回転部材21が第一の方向に回転するとき、回転部材21の歯25のランプは、駆動機構20の歯24のランプに沿って摺動する。従って、回転部材21の歯25は、それらが駆動部材20の次の歯に係合するまで、回転軸の周囲を回転する。この運動中、駆動部材20、及び、特に、停止部材26は、ピストンロッド12及びハウジングに対して、好ましくは、歯の深さと同等に決定される距離により回転軸に沿って変位する。回転部材21の歯が駆動部材20の次の歯に係合するとき、弾力部材31によりかけられる力は、駆動部材20、及び、特に、停止部材26を、軸の出発位置内へ回転軸に沿って後退させる。停止部材26及び駆動部材20の遠位方向で近位方向とは逆の一致した動きは、図2及び3における二重矢印45で表示される。駆動部材の次の歯と係合する回転部材の歯は、使用者に聴覚的及び/又は触覚的フィードバックをもたらし得る。
【0107】
駆動機構は、特に、固定用量デバイスに好適である。送達すべき薬物の固定用量のサイズは、好ましくは、駆動部材、回転部材及び停止部材における個々の歯部の歯の分布により決定される。回転部材21は、特に、固定用量を設定するために、駆動部材20の一つの歯のみで回転しなければならない。用量の設定中、回転部材21が回転する駆動部材20の歯の数は、実際に送達される用量のサイズを決定する。用量部材及び回転部材は、回転部材が固定用量デバイスのために一つの歯のみにより、及び変更可能な用量デバイスのために一つの歯より多くの歯により回転し得るように互いに適合され得る。
【0108】
用量が設定された後、用量部分16及びそれと一緒に、用量部材34は、使用者によりハウジング部分17に対して遠位方向(矢印43の反対方向:第二タイプの運動)に動かす(押す)。それ故、用量部材34は、ハウジング部分17に対して遠位方向に動く。回転部材21は、その結果、ハウジングに対して第一の方向とは逆方向である第二の方向に回転する(矢印44の反対方向)。駆動部材20は、第二の方向で回転部材21の回転運動に従動する。第二の方向における駆動部材20の回転運動は、第二の方向におけるピストンロッド12の回転運動に転換され、その動きが、順に、遠位方向におけるピストンロッド12の動きに転換される。その結果、ピストン10は、カートリッジ4に対して遠位方向に変位し得て、そして薬物5の用量は、以前に設定した用量に対応するその量をカートリッジから投与する。
【0109】
用量の送達中、歯部22及び23は、インターロックし、そして駆動部材20の歯28のランプは、停止部材26の歯27のランプに沿って摺動する。この動きは、上記の通り、回転部材及び回転方向の相対的回転運動に類似しているが、回転方向は逆である。停止部材26は、それにより、停止部材26の歯27の深さに対応する距離で、駆動部材20に対して遠位方向に変位する。弾力部材31は、駆動部材20の次の歯28が停止部材26の歯27により係合するとき、停止部材26を軸方向の出発位置へ逆方向に力をかける。停止部材の次の歯に係合する駆動部材の歯は、聴覚的及び/又は触覚的フィードバックを使用者にもたらし得る。
【0110】
図8は、駆動機構の実施態様で提供される薬物送達デバイスの実施態様の部分断面図を示す。遠位端7におけるカートリッジユニット2は、カートリッジ保持部材11を含む。近位端8でのハウジング部分17における駆動ユニット3は、弾力部材31により係合を維持する駆動部材20、回転部材21及び停止部材26を含む。駆動ユニット3は、ピス
トン10を前進させるために遠位方向にピストンロッド12を動かすために提供される。駆動部材20は、例えば、駆動部材20の円周上の円形溝であり得る案内機62を備え得る。この実施態様において、スペーサエレメント57は、駆動部材20と回転部材21間で配置される。図8では示されていない分離部材は、回転部材21と停止部材26の間に配置され、そして、例えば、駆動部材20を取り巻くスリーブの形状であってもよい。分離部材は、カートリッジユニット2が取り外されるとき、回転部材21及び停止部材26の駆動部材20との係合を解除する。
【0111】
図9は、駆動機構の実施態様の中心部分の重要な構成部材の分解組立図を示す。それらは、左から右への駆動機構、弾力部材31、停止部材26、分離部材50、駆動部材20、スぺーサエレメント57、及び回転部材21内における配置の配列を示す。この実施態様において、分離部材50は、特に、その内壁上で案内機65を備え得るスリーブである。駆動部材20の案内機62、65及び分離部材50は、提供されれば、互いに対して駆動部材20及び分離部材50の軸方向の移動を阻止するように係合される。分離部材50のカップリング機51は、回転保持部材11の回転が分離部材50を回転する方法で、カートリッジ保持部材11と、又はカートリッジ保持部材11に締結する部分と係合するように提供される。
【0112】
分離部材50は、開口部を取り囲む傾斜端面52、53を備え、それは停止部材26の歯、回転部材21の歯25を、駆動部材20の対応する歯24、28と係合することを可能にする。図9で示す例において、歯24、25、27、28は、回転部材21がデバイスの近位端から見て分かる通り、薬物の用量を設定するために、回転部材21がハウジング部分17に対して時計方向に回転し、そして用量を送達するために反時計方向に回転するような方法で配置される。歯24、25、27、28は、代わりに、図3で示す通りに配置され得る。停止部材26は、分離部材50の傾斜端面52の一つに面する傾斜面66を有する。スぺーサエレメント57は、分離部材50の傾斜端面53の他方に面する傾斜面67を有する。カートリッジ保持部材11が取り付けられ、そして駆動機構が使用のために準備中の場合、停止部材26の傾斜面66及びスペーサエレメント57の傾斜面67は、分離部材50の両方の対応する傾斜端面52、53と完全に接触状態にある。
【0113】
図9に記載の実施態様において、転換部材21は、回転部材21及びスペーサエレメント57が互いに回転することが可能になるように、スペーサエレメント57に接する平坦面61を備える。スペーサエレメント57は、ハウジング13又はハウジング部分17に対して回転方向にロックされる。これは、分離部材50の両方の傾斜端面52、53が、停止部材26の対応する傾斜面66、67及びスペーサエレメント57とそれぞれ完全接触の状態にあるために、スペーサエレメント57を回転することなく薬物の送達中、回転部材21を回転することを可能にする。これは、弾力部材31のために、停止部材26及び回転部材21が常に駆動部材20と係合していることを意味する。分離部材50の機能は、図10〜13と関連して次に記載するであろう。
【0114】
図10は、再設定操作を必要とする状態における図8のデバイスの部分断面図を示す。ピストンロッド12は、その最遠位位置へ前進した。停止部材26、駆動部材20、スペーサエレメント57及び回転部材21は、尚、弾力部材31により隣接状態に保持される。分離部材50は、尚、傾斜端面52、53が停止部材26の対応する傾斜面66、67及びスペーサエレメント57と完全な接触下にあり、そして停止部材26及び回転部材21の両方が駆動部材20と係合する位置にある。この状態において、ピストンロッド12は、駆動部材20の回転なしで、その最近位位置に再設定することはできない。何故ならば、ピストンロッド12は、ハウジング13又はハウジング部分17とねじ係合し、及び駆動部材10と回転してロックされるからである。他方で、駆動部材20は、駆動部材20の回転が、ピストンロッド12を近位方向に後退させる方向では可能とはならない方法
で、一方向に回転して停止部材26と係合する。従って、ピストンロッド12の再設定は、ピストンロッド12の一方向の回転ロッキングからの係合を解除する必要にある。この係合の解除は、カートリッジユニット2が駆動ユニット3を含むハウジング部分17に対してカートリッジホルダ又はカートリッジ保持部材11の回転又はらせん運動により取り外されるとき、分離部材50を用いて達成される。
【0115】
図11は、カートリッジ保持部材11の部分的取り外し後の図10に記載の断面を示す。分離部材50のカップリング機構51のために、カートリッジ保持部材11の回転は、分離部材50の対応する回転を伴う。回転中、分離部材50の傾斜端面52、53は、停止部材26の対応する傾斜面66、67及びハウジング13又はハウジング部分17に回転方向にロックされるスペーサエレメント57上を摺動する。カートリッジ保持部材11が回転する間、停止部材26とスペーサエレメント57間の距離は、傾斜端面52、53の最突出部分及び傾斜面66、67が、尚、接触下にあるまで、継続して拡大される。停止部材26及びスペーサエレメント57間の距離、及びその結果、停止部材26と回転部材21間の距離は、その最大値に到達する。結果として、停止部材26及び回転部材21は、駆動部材20から係合を解除する。案内機62、65が分離部材50に対して駆動部材20の軸方向の移動を阻止することを提供し、案内機62、65は、停止部材26及び回転部材21が、両方駆動部材20から係合を解除することを確実にする。
【0116】
図12は、カートリッジ保持部材11の完全取り外し及びピストンロッド12の再設定後の図11に基づく断面を示す。ピストンロッド12は、駆動部材20と一緒に回転できる。何故ならば、分離部材50が弾力部材31によりかけられる力に対抗して、停止部材26及び回転部材50の両方の駆動部材20との係合を完全に解除するからである。これは、ピストンロッド12を、ピストンロッド12のハウジング13又はハウジング部分17とのねじ連結により案内されるその初期位置へ、近位方向においてらせん状に後退させることを可能にする。ピストンロッド12の再設定の後、新しいカートリッジを備えるカートリッジ保持部材11は、駆動ユニット3のハウジング部分17に取り付けられる。それ故、分離部材50の回転は反転し、そして、停止部材26、駆動部材20及び回転部材21は、弾力部材31を用いて再度係合する。
【0117】
図13は、取り付けられたカートリッジ保持部材11と一緒に、図12に記載の断面を示す。分離部材50は、今、カートリッジ保持部材11の取り外し前と同じ位置にある。傾斜端面52、53は、停止部材26の対応する傾斜面66、67及びスペーサエレメント57と完全な接触下にあり、そして停止部材26及び回転部材21は、両方、駆動部材20と係合する。
【0118】
更なる実施態様において、回転部材21の表面61は、分離部材50の反対側の傾斜端面53に接する傾斜面であり得る。この場合、スぺーサエレメント57は必要ではない。カートリッジ保持部材11が取り付けられる限り、分離部材50は、ハウジング13又はハウジング部分17に対して回転できない。従って、回転部材21が回転するとき、傾斜面61は、分離部材50の接する傾斜端面53上を摺動する。これは、回転部材21の軸方向の往復運動をもたらす。回転部材21の各々の回転の間、軸方向の往復運動は、回転部材21及び駆動部材20を間欠的に係合し、そして係合を解除する。回転部材21が、駆動部材20の停止部材26との一方向の回転連結のため、駆動部材20を回転させることができないとき、用量の設定中、それからいかなる不利益も発生しない。用量の送達中、他方で、駆動部材20の回転数は、回転部材21の回転数より少ない。何故ならば、駆動部材20は、回転部材21と継続的に係合しないからである。この条件は、駆動部材20が希望する用量を送達するのに必要な回転数に到達するために、回転部材21の全回転数を増加させるために、例えば、設定操作の適切な調整により説明できる。
【0119】
更なる実施態様において、分離部材は、図14で示す通り、レバー54である。レバー54は、ハウジング13又はハウジング部分17に対して固定されたピボット55の周囲の回転可能である。例を通して図14で概略的に示す弾力部材56は、レバー54に作用し、そして、レバー54を回転させようとする。カートリッジ保持部材11が取り付けられ、そしてレバー54のカップリング機51を押す限り、レバー54は、それが停止部材26、駆動部材20及び回転部材21の係合を妨げない位置に留まる。カートリッジ保持部材11が取り外されるとき、レバー54は、回転が自由となり、そして弾力エレメント56は、それらの間の距離を拡大するために、レバー54が回転部材21及び停止部材26に作用する位置に、レバー54を回転させ、その結果、回転部材21と停止部材26の駆動部材20からの係合の解除を引き起こす。
【0120】
図15で示される更なる実施態様において、分離部材60は、ハウジング13に対して回転可能であり、そしてカップリング機63を備えている広げた脚部58、59を含む。図15の右側で分離して示される案内機68、69は、ハウジング13又はハウジング部分17で提供され、及びカップリング機63を案内する。カップリング機51を用いたカートリッジ保持部材11の回転及び分離部材60の対応する回転の間、広げた脚部58、59の間の角度は、案内機68、69に沿ったカップリング機63の動きに基づき変化する。カップリング機構63の軸方向間隔は、広げた脚部58、59が接近し、又は別々に広がるように、短間隔d1及び長間隔d2間で変化する。広げた脚部58、59は、カートリッジ保持部材11が取り外されるとき、広がり、そして広げた脚部58、59は、停止部材26及び回転部材21に反対方向に作用し、そして、それらの駆動部材20からの係合を解除するような方法で、案内機68、69を配置する。
【0121】
本発明及びその利点が詳細に記載されたが、様々な変化、置換及び修正は、添付の特許請求範囲で定義される通り、本発明の精神及び範囲から離れることなく、本明細書でできることは当然である。
【0122】
参照番号:
1:薬物送達デバイス;
2:カートリッジユニット;
3:駆動ユニット;
4:カートリッジ;
5:薬物;
6:出口;
7:デバイスの遠位端;
8:デバイスの近位端;
9:膜;
10:ピストン;
11:カートリッジ保持部材;
12:ピストンロッド;
13:ハウジング;
14:カートリッジユニットの近位端;
15:ハウジングの遠位端;
16:用量部分;
17:ハウジング部分;
18:ハウジング部分の近位端;
19:ハウジング部分の遠位端;
20:駆動部材;
21:回転部材;
22:歯部;
23:歯部;
24:歯;
25:歯;
26:停止部材;
27:歯;
28:歯;
29:案内機
30:案内スロット;
31:弾力部材;
32:表示部材;
33:突出部材;
34:用量部材;
35:案内機
36:ねじ山;
37:係合トラック;
38:係合機
39:開口部;
40:ハウジング部分;
41:用量ボタン;
42:係合部材;
43:矢印;
44:矢印;
45:矢印;
47:矢印;
48:支持部;
49:ねじ山;
50:分離部材;
51:カップリング機
52:傾斜端面;
53:傾斜端面;
54:レバー;
55:ピボット;
56:弾力エレメント;
57:スペーサエレメント;
58:広げた脚部
59:広げた脚部
60:分離部材;
61:表面;
62:案内機
63:カップリング機
64:固定エレメント;
65:案内機
66:傾斜面;
67:傾斜面;
68:案内機
69:案内機
d1:短間隔;
d2:長間隔;
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15