(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
多数の不整合箇所が物体(302)の表面(321、710)に在ると判断されると、多数の不整合箇所に対する物体(302)の表面上(321、710)の多数の位置を特定する工程
を更に含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
基準データ(340)は、物体(302)を製造した後に多数の画像を生成する工程、物体(302)のモデルを用いて多数の画像を生成する工程、及び物体(302)の現在の使用の前に多数の画像を生成する工程のうちの少なくとも1つの工程を実施することにより生成される物体(302)の表面(321、710)の多数の画像である、請求項5に記載の方法。
コンピュータシステムは、更に、多数の不整合箇所が物体(302)の表面(321、710)に在ると判断されると、多数のメンテナンス作業を特定して物体(302)に対して実施するように構成されている、請求項8に記載の装置。
移動試験システム(354、602)を更に備えており、コンピュータシステムは、更に、多数の不整合箇所が物体(302)の表面(321、710)に在ると判断されると、多数の不整合箇所に向かって移動試験システム(354、602)を送るように構成されており、移動試験システム(354、602)は、多数の不整合箇所の各不整合箇所に対する位置で非破壊試験を実施するように構成されている、請求項8または9に記載の装置。
コンピュータシステムは、更に、物体(302)の表面(321、710)についてのデータ(324、504)を用いて多数の不整合箇所の各不整合箇所に対する位置を特定するように構成されている、請求項10に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
これらの図面を更に詳細に参照すると、本開示の種々の実施形態は、
図1に示す航空機製造及び整備方法100、及び
図2に示す航空機200に関連して記載することができる。まず、
図1を参照すると、航空機製造及び整備方法の図が、例示的な実施形態に従って描かれている。製造前段階では、航空機製造及び整備方法100において、
図2の航空機200の仕様決定及び設計102、及び材料調達104を行なうことができる。
【0014】
製造段階では、
図2の航空機200の部品及びサブアセンブリ製造106、及びシステム統合108が行なわれる。その後、
図2の航空機200は、証明書発行及び機体引き渡し110を経て、供用112されることになる。顧客が供用112している間、
図2の航空機200は、日常的なメンテナンス及び整備114を行うようにスケジューリングされ、このメンテナンス及び整備114は、改修、再構成、改装、及び他のメンテナンス又は整備を含むことができる。
【0015】
航空機製造及び整備方法100のプロセスの各々は、システムインテグレータ、サードパーティ、及び/又はオペレータによって行なうことができるか、又は実行することができる。これらの例では、オペレータは顧客とすることができる。この説明を進めるために、システムインテグレータとして、これらには限定されないが、任意の数の航空機製造業者、及び航空機大手システムサブコントラクタを挙げることができ;サードパーティとして、これらには限定されないが、任意の数のベンダー、サブコントラクタ、及びサプライヤーを挙げることができ;オペレータは、航空会社、リース会社、軍隊、航空機整備機関などとすることができる。
【0016】
次に、
図2を参照すると、例示的な実施形態を実現することができる航空機の図が描かれている。この例では、航空機200は、
図1の航空機製造及び整備方法100により製造され、複数のシステム204を搭載した機体202と、機内206とを含むことができる。システム204の例として、推進システム208、電気システム210、油圧システム212、及び環境システム214のうちの1つ以上を挙げることができる。任意の数の他のシステムを含めてもよい。航空宇宙産業の例を示しているが、異なる例示的な実施形態は、自動車産業及び/又は船舶産業のような他の産業に適用することができる。
【0017】
本明細書において具体化される装置及び方法は、
図1の航空機製造及び整備方法100の種々の段階のうちの少なくとも1つの段階において用いることができる。本明細書において使用されるように、「at least one of」というフレーズは、複数のアイテムを列挙して使用される場合に、列挙されるこれらのアイテムのうちの1つ以上のアイテムの異なる組み合わせを用いることができ、列挙されるアイテムの中の各アイテムの1つだけで済ませることができることを意味する。例えば、「at least one of item A, item B, and item C」は、例えばこれらには限定されないが、「item A(アイテムA)」又は「item A and item B(アイテムA及びアイテムB)」を含むことができる。この例は更に、「item A, item B, and item C(アイテムA、アイテムB、及びアイテムC)」又は「item B and item C(アイテムB及びアイテムC)」を含むことができる。
【0018】
1つの実施例では、
図1の部品及びサブアセンブリ製造106において製造される部品又はサブアセンブリは、航空機200を
図1において供用112している間に製造される部品又はサブアセンブリと同様の方法で組み立てる、又は製造することができる。更に別の例として、多数の装置実施形態、方法実施形態、又はこれらの実施形態の組み合わせは、
図1の部品及びサブアセンブリ製造106、及びシステム統合108のような製造段階において利用することができる。「A number(多数)」とは、アイテムを指す場合に、1つ以上のアイテムを意味する。例えば、多数の装置実施形態とは、1つ以上の装置実施形態とすることができる。多数の装置実施形態、方法実施形態、又はこれらの実施形態の組み合わせは、航空機200を供用112している間に、及び/又は航空機200に、
図1のメンテナンス及び整備114が施されている間に利用することができる。多数の異なる例示的な実施形態を利用することにより、航空機200の組み立てを大幅に促進することができる、及び/又は航空機200のコストを大幅に低減することができる。
【0019】
異なる例示的な実施形態では、多数の異なる注意事項を認識し、考慮に入れる。例えば、異なる例示的な実施形態では、航空機の検査は、所望の通りに一貫性をもって行なわれない虞があることを認識し、考慮に入れる。1つの実施例として、メンテナンス作業者の経験の度合い、及び熟練度が異なることによって、異なるメンテナンス作業者が、同じ航空機の異なる不整合箇所を特定することになる。別の表現をすると、熟練度及び経験の差によって異なるが、一人のメンテナンス作業者が不整合箇所と見なさない不整合箇所を、別のメンテナンス作業者が不整合箇所と見なす可能性がある。
【0020】
同じ熟練度及び経験を持つ場合でも、異なる例示的な実施形態では、更に、メンテナンス作業者が不整合箇所を完全に見逃す虞がある、又は不整合箇所がないという判断を下す虞があることを認識する。同じ航空機の場合、別のメンテナンス作業者が、不整合箇所があると判断する可能性がある。
【0021】
異なる例示的な実施形態では更に、複数のメンテナンス作業者が検査を実施する場合、航空機の上面のような、航空機の上部を観察することが困難な可能性があることを認識し、考慮に入れる。その結果、幾つかの不整合箇所を複数のメンテナンス作業者が検出又は特定することができない虞がある。メンテナンス作業者は、梯子を登って、又は昇降機を用いて、航空機の上部を観察する必要がある。異なる例示的な実施形態では、この種類のプロセスによって、航空機を検査するために必要となる時間が長くなるだけでなく、この種類のプロセスは、複数のメンテナンス作業者が、地上から容易には観察することができない航空機の高所を観察することができるようにする器材を必要とすることを認識し、考慮に入れる。
【0022】
したがって、異なる例示的な実施形態は、航空機のような物体を検査する方法及び装置を提供する。物体が検査エリア内に在ると、当該物体を包含するボリュームを特定する。このボリュームは複数の構成部分を有する。多数のセンサシステムを、当該ボリュームの複数の構成部分に割り当てる。多数のセンサシステムの各々を、当該ボリュームの複数の構成部分の中の多数の構成部分に割り当てることができる。
【0023】
多数のセンサのこの割り当ては、各センサが、複数の構成部分の中の特定の構成部分に包含される物体の表面についてのデータを所望の品質レベルで生成することができるかどうかに基づいて行なわれる。次に、当該物体の表面についての当該データを、当該ボリュームの複数の構成部分に割り当てられる多数のセンサシステムを用いて生成する。多数の不整合箇所が当該物体の表面に在るかどうかについて判断を行なう。次に、この情報を用いて、メンテナンス作業及び/又は他の作業を物体に対して実施することができる。
【0024】
次に、
図3を参照すると、検査環境の図が例示的な実施形態に従って描かれている。これらの実施例では、検査環境300は、
図1の航空機製造及び整備方法100の異なる段階において用いることができる。
【0025】
図3の検査環境300を用いて、物体302を多数の不整合箇所304について検査する。これらの実施例では、物体302は航空機306である。航空機306は、例えば
図2の航空機200を用いて実現することができる。これらの実施例では、多数の不整合箇所304として、例えばこれらには限定されないが、へこみ、割れ、燃料漏れのうちの少なくとも1つ、及び/又は他の或る種類の不整合箇所を挙げることができる。
【0026】
これらの実施例では、航空機306の検査は位置308で行なわれる。具体的には、位置308は、これらの例では、格納庫310の内部とすることができる。格納庫310内の位置308は、航空機306を検査するための検査エリア312を形成する。
【0027】
多数のセンサシステム314は、これらの実施例では、検査エリア312に設置される。これらの図示の例では、多数のセンサシステム314は、移動センサシステム315を含むことができる。移動センサシステム315は、格納庫310の検査エリア312内の地面311に沿って移動する、又は空中313を移動するように構成される。
【0028】
多数のセンサシステム314は、格納庫310内の複数位置317に配置されて、物体302の表面321の略全てを多数のセンサシステム314によって検出することができるようにしている。このように、異なる例示的な実施形態は、物体302の全ての部分を、現在用いられている方法に比べると、更に完全に検査する能力を実現する。この種類の向上は、物体302が航空機306の形態を採る場合に極めて明らかになる。
【0029】
コンピュータシステム316はこれらの実施例では、多数のセンサシステム314と通信する。コンピュータシステム316は多数のセンサシステム314とネットワーク318を介して通信する。ネットワーク318は、有線通信リンク、無線通信リンク、又はこれらの2つの通信リンクの組み合わせを含むことができる。
【0030】
これらの実施例では、コンピュータシステム316は多数のコンピュータ320を備える。多数のコンピュータ320は、特定の実施形態によって異なるが、互いにネットワーク318を介して、又は異なるネットワークを介して通信することができる。
【0031】
検査プロセス322は、多数のコンピュータ320のうちの1つ以上のコンピュータで実行する。別の表現をすると、検査プロセス322は、多数のコンピュータ320の中の異なるコンピュータで分散して実行することができる。更に、検査プロセス322は、プログラムコード、ハードウェア、又はこれらの2つの組み合わせとして、多数のコンピュータ320で実行することができる。これらの実施例では、多数のセンサシステム314は、検査プロセス322に送信されるデータ324を生成する。
【0032】
これらの実施例において、検査プロセス322では、物体302が検査エリア312内に在ると、ボリューム326を特定する。検査プロセス322は、物体302が在ると自動的にこのように開始することができる。他の実施例において、検査プロセス322では、物体302が検査エリア312内に在り、かつ検査を開始する入力を受信すると、物体302の検査を開始することができる。この入力は、ユーザ入力とするか、又は他の或る適切な種類の入力とすることができる。
【0033】
ボリューム326は物体302を包含する。別の表現をすると、物体302は、ボリューム326の内部に位置する。検査プロセス322では、多数のセンサシステム314をボリューム326の複数の構成部分328に割り当てる。複数の構成部分328への多数のセンサシステム314の割り当ては、各センサシステムが、複数の構成部分328の中の特定の構成部分336に在る物体302の表面321についてのデータ324を、所望の品質レベル332で生成することができることに基づいて行なわれる。
【0034】
これらの実施例では、多数のセンサシステム314によって生成されるデータ324は、多数の画像338の形態を採る。多数の画像338は、静止画像、動画の画像、これらの2種類の画像の組み合わせ、又は他の或る適切な種類の画像を含むことができる。
【0035】
これらの実施例では、多数の画像338は、多数のセンサシステム314によって、可視光、赤外光、及び/又は他の適切な種類の光を用いて作成することができる。更に、多数の画像338はまた、物体302の表面321に向かって誘導されるレーザビームによって、表面321までの距離についての測定値を形成するデータ324を用いて生成することにより、多数の画像338の中の複数画像を生成することができる。勿論、特定の実施形態によって異なるが、他の種類の画像を用いてもよい。
【0036】
これらの図示の例において、検査プロセス322では、データ324をデータベース342の基準データ340と比較する。基準データ340は物体324について、データ324の生成の前の時点で取得される。別の表現をすると、基準データ340は物体324について、物体302を多数の不整合箇所304について検査する前の時点で取得される。
【0037】
基準データ340は、物体302を製造した後に生成される多数の画像344の形態を採ることができる。他の例では、多数の画像344は、物体302が現在の使用に供される前に撮影された物体302の画像とすることができる。更に他の実施例では、基準データ340は、物体302のモデルから生成することができる。
【0038】
検査プロセス322では、多数の不整合箇所304が物体302の表面321に在るかどうかを、データ324を基準データ340と比較することにより判断する。例えば、検査プロセス322では、データ324を基準データ340と比較することにより、データ324が基準データ340と選択閾値内で一致しないような、多数の画像338の中の多数の画素位置341を特定することができる。このようにして、多数の不整合箇所304は、多数の画像338の中の多数の画素位置341に特定される。
【0039】
これらの図示の例では、多数の画素位置341の中の各画素位置は、x−y座標系を用いて、当該画素位置を持つ画像内の画素に対応して定義される。検査プロセス322では、多数の画像338の中の複数位置に対応する航空機306の表面321上の複数位置を特定する。このようにして、検査プロセス322では、多数の画素位置341に対応する多数の位置348を特定する。多数の位置348は、多数の不整合箇所304に対応する航空機306の表面321上の実際の位置を含む。
【0040】
データ324と基準データ340との比較は、多数の異なる技法を用いて行なうことができる。例えば、画像分割、エッジ検出、画像強調、幾何学パターンマッチング、ウェーブレット変換、グラフ理論に基づくアルゴリズム、及び他の適切な技法のうちの少なくとも1つを用いてデータ324と基準データ340と比較する。
【0041】
多数の不整合箇所が物体302の表面321に在ると判断されると、検査プロセス322では、多数のメンテナンス作業346を特定して、物体302に対して実施することができる。これらのメンテナンス作業346として、例えばこれらには限定されないが、部品の取り替え、部品の再加工、更に別の検査、及び/又は他の適切な種類のメンテナンス作業を挙げることができる。
【0042】
例えば、検査プロセス322では、試験システム350を制御して、更に別の検査を、多数の不整合箇所304が特定されている多数の位置348で実施することができる。これらの実施例では、試験システム350は、多数の移動試験システム354を含むことができる。多数の移動試験システム354は、多数の位置348の間を移動して、更に別の検査を、多数の不整合箇所304について実施することができる。これらの実施例では、多数の移動試験システム354は、非破壊試験356を、多数の不整合箇所304が特定されている多数の位置348で実施することができる。
【0043】
これらの図示の例では、非破壊試験356は、多数の異なる種類の試験技法を含み、これらの試験技法は、より多くの不整合箇所を物体302に発生させることがない、又は不所望な変化を物体302に発生させることがない。例えば、非破壊試験356では、超音波信号、磁粉、液浸透性、x線、渦電流、及び/又は他の適切な技法を用いた試験のうちの少なくとも1つの試験を行なって、詳細な検査を物体302に対して実施することができる。
【0044】
このようにして、異なる例示的な実施形態は、航空機306のような物体に生じる不整合箇所を特定する現在の検査システムよりも改善された方法及びシステムを実現する。これらの実施例では、航空機306のような物体に要する時間及び労力を節約することができる。具体的には、航空機306の形態の物体302の検査は、多数のセンサシステム314及び検査プロセス322を用いて、人間のメンテナンス作業者を用いる場合よりも迅速に、かつ高い精度で実施することができる。
【0045】
図3の検査環境300は、異なる例示的な実施形態を実現することができる態様に物理的な、又は構造上の制約があることを示すために図示しているのではない。図示される構成要素の他に、及び/又は代わりに、他の構成要素を使用してもよい。幾つかの構成要素は、幾つかの例示的な実施形態では不要とすることができる。また、ブロックを提示して、幾つかの機能的構成要素を示している。これらのブロックのうちの1つ以上のブロックは、異なる例示的な実施形態において実装される場合に、組み合わせることができる、及び/又は異なるブロックに分割することができる。
【0046】
例えば、異なる例示的な実施形態は、航空機306以外の物体に適用することができる。例えば、異なる例示的な実施形態は、例えばこれらには限定されないが、陸上構造物、水域構造物、空中構造物、及び/又は他の或る適切な種類の物体のような他の種類の物体に適用することができる。更に詳細には、異なる例示的な実施形態は、例えばこれらには限定されないが、潜水艦、バス、人員運搬車、戦車、列車、自動車、宇宙船、宇宙ステーション、衛星、水上艦、発電所、ダム、エンジン、フラップ、胴体構成部分、製造工場、建物、及び/又は他の或る適切な物体に適用することができる。
【0047】
更に、これらの検査は、メンテナンスを航空機に対して実施する他に、異なる時点で実施することができる。例えば、異なる例示的な実施形態は、航空機306に関して、かつ航空機306のテスト及び証明を行なっている間に製造される部品に適用することができる。更に、異なる例示的な実施形態は、航空機306の機内の検査に適用することができる。例えば、多数のセンサシステム314は、航空機306の内部に設けることができる、又は航空機306内を移動して、航空機306の機内の表面を検査する移動プラットフォームに配置することができる。
【0048】
次に、
図4を参照すると、データ処理システムの図が、例示的な実施形態に従って描かれている。この実施例では、データ処理システム400は、
図3のコンピュータシステム316の多数のコンピュータ320の中の1つ以上のコンピュータの1つの実施形態の一例である。
【0049】
図示のように、データ処理システム400は通信ファブリック402を含み、通信ファブリック402は、プロセッサユニット404、メモリ406、永続記憶装置408、通信ユニット410、入力/出力(I/O)ユニット412、及びディスプレイ414の間の通信を可能にする。データ処理システム400は、多数のコンピュータ320を
図3のコンピュータシステム316に実装するために用いることができるデータ処理システムの一例である。
【0050】
プロセッサユニット404は、メモリ406に読み込むことができるソフトウェア命令を実行するように機能する。プロセッサユニット404は、特定の実施形態によって異なるが、多数のプロセッサ、マルチプロセッサコア、又は他の或る種類のプロセッサとすることができる。「A number(多数)」とは、本明細書において使用されるように、アイテムを指す場合に、1つ以上のアイテムを意味する。更に、プロセッサユニット404は、多数の異種プロセッサシステムを用いて実現することができ、これらの異種プロセッサシステムでは、主プロセッサは、副プロセッサと一緒に1つのチップ上に設けられる。別の実施例として、プロセッサユニット404は、同じ種類の複数のプロセッサを含む対称マルチプロセッサシステムとすることができる。
【0051】
メモリ406及び永続記憶装置408は、記憶装置416の例である。記憶装置は任意の個数のハードウェアであり、当該ハードウェアは、例えばこれらには限定されないが、データ、関数形式のプログラムコード、及び/又は一時的に、及び/又は永久に保存される他の適切な情報のような情報を保存することができる。記憶装置416は、これらの例では、「computer readable storage devices(コンピュータ可読記憶装置)」と表記することもできる。メモリ406はこれらの例では、例えばランダムアクセスメモリ、又は他の何れかの適切な揮発性又は不揮発性記憶装置とすることができる。永続記憶装置408は、特定の実施形態によって異なるが、種々の形態を採ることができる。
【0052】
例えば、永続記憶装置408は、1つ以上のコンポーネント又はデバイスを含むことができる。例えば、永続記憶装置408は、ハードドライブ、フラッシュメモリ、再書き込み可能な光ディスク、再書き込み可能な磁気テープ、又は上に列挙した要素の或る組み合わせとすることができる。永続記憶装置408が使用する媒体は取り外し可能とすることもできる。例えば、取り外し可能なハードドライブを永続記憶装置408に使用することができる。
【0053】
通信ユニット410はこれらの例では、他のデータ処理システム又はデバイスとの通信を可能にする。これらの例では、通信ユニット410は、ネットワークインターフェースカードである。通信ユニット410は、物理通信リンク及び無線通信リンクの何れか、又は両方を使用することにより、通信を可能にする。
【0054】
入力/出力ユニット412によって、データを他のデバイスとの間で入出力することができ、これらの他のデバイスは、データ処理システム400に接続することができる。例えば、入力/出力ユニット412は、接続を可能にすることにより、ユーザ入力を、キーボード、マウス、及び/又は他の或る適切な入力デバイスを介して行うことができる。更に、入力/出力ユニット412は、出力をプリンタに送出することができる。ディスプレイ414は、情報をユーザに対して表示する機構となる。
【0055】
オペレーティングシステム用命令、アプリケーション、及び/又はプログラムは、記憶装置416に格納することができ、これらの記憶装置416は、プロセッサユニット404と通信ファブリック402を介して通信する。これらの実施例では、命令は関数として永続記憶装置408に格納される。これらの命令は、メモリ406に読み込むことにより、プロセッサユニット404によって実行することができる。異なる実施形態のプロセスは、プロセッサユニット404によって、コンピュータ実行命令を使用して実行することができ、これらのコンピュータ実行命令は、メモリ406のようなメモリに格納することができる。
【0056】
これらの命令は、プログラムコード、コンピュータ可用プログラムコード、又はコンピュータ可読プログラムコードと表記され、当該プログラムコードは、プロセッサユニット404内のプロセッサが読み取り、実行することができる。当該プログラムコードは、異なる実施形態では、メモリ406又は永続記憶装置408のような異なる物理媒体又はコンピュータ可読記憶媒体で具体化することができる。
【0057】
プログラムコード418は、選択的に取り外し可能なコンピュータ可読媒体420に関数として格納され、データ処理システム400に読み込む、又は転送することによりプロセッサユニット404によって実行することができる。プログラムコード418及びコンピュータ可読媒体420は、これらの例では、コンピュータプログラム製品422を構成する。1つの例では、コンピュータ可読媒体420は、コンピュータ可読記憶媒体424又はコンピュータ可読信号媒体426とすることができる。コンピュータ可読記憶媒体424は、例えば光ディスク又は磁気ディスクを含むことができ、当該ディスクを永続記憶装置408の一部であるドライブ又は他のデバイスに挿入して、又は格納して、永続記憶装置408の一部であるハードドライブのような記憶装置に移送する。
【0058】
コンピュータ可読記憶媒体424は更に、データ処理システム400に接続されるハードドライブ、サムドライブ、又はフラッシュメモリのような永続記憶装置の形態を採ることができる。幾つかの例では、コンピュータ可読記憶媒体424は、データ処理システム400から取り外し可能とする必要はない。これらの実施例では、コンピュータ可読記憶媒体424は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体である。
【0059】
別の構成として、プログラムコード418はデータ処理システム400に、コンピュータ可読信号媒体426を使用して転送することができる。コンピュータ可読信号媒体426は、例えばプログラムコード418を含む伝送データ信号とすることができる。例えば、コンピュータ可読信号媒体426は、電磁信号、光信号、及び/又は他の何れかの適切な種類の信号とすることができる。これらの信号は、無線通信リンク、光ファイバケーブル、同軸ケーブル、有線、及び/又は他の何れかの適切な種類の通信リンクのような通信リンクを介して送信することができる。別の表現をすると、通信リンク及び/又は接続は、実施例では、物理通信リンク又は無線通信リンク、及び/又は物理接続又は無線接続とすることができる。
【0060】
幾つかの例示的な実施形態では、プログラムコード418は、ネットワークを経由して、別のデバイス又はデータ処理システムから永続記憶装置408にコンピュータ可読信号媒体426を介してダウンロードすることにより、データ処理システム400内で使用することができる。例えば、サーバデータ処理システム内のコンピュータ可読記憶媒体に格納されるプログラムコードは、ネットワークを経由して、サーバからデータ処理システム400にダウンロードすることができる。プログラムコード418を供給するデータ処理システムは、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、又はプログラムコード418を格納し、送信することができる他の或るデバイスとすることができる。
【0061】
データ処理システム400に関して図示される異なる構成要素は、異なる実施形態を実現することができる態様に構造上の制約を付与するために図示しているのではない。異なる例示的な実施形態は、データ処理システム400に関して図示される構成要素の他の、又は代わりの構成要素を含むデータ処理システムにおいて実現することができる。
図4に示す他の構成要素は、図示される実施例から変えることができる。
【0062】
異なる実施形態は、プログラムコードを実行することができる何れかのハードウェアデバイス又はシステムを用いて実現することができる。一例としてデータ処理システムは、無機構成要素と一体化される有機構成要素を含むことができ、及び/又はヒトを除く有機構成要素により全体を構成することができる。例えば、記憶装置は、有機半導体により構成することができる。
【0063】
別の実施例では、プロセッサユニット404は、特定の用途に製造される、又は構成される回路を有するハードウェアユニットの形態を採ることができる。この種類のハードウェアは工程を、プログラムコードをメモリに記憶装置から読み込むことにより、これらの工程を実行するように構成する必要を伴うことなく実行することができる。
【0064】
例えば、プロセッサユニット404がハードウェアユニットの形態を採る場合、プロセッサユニット404は、回路システム、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス、又は多数の工程を実行するように構成される他の或る適切な種類のハードウェアとすることができる。プログラマブルロジックデバイスの場合、当該デバイスは、多数の工程を実行するように構成される。当該デバイスは、後の時点で再構成することができる、又は多数の工程を実行するよう永久的に構成することができる。
【0065】
プログラマブルロジックデバイスの例として、例えばプログラマブルロジックアレイ、プログラマブルアレイロジック、フィールドプログラマブルロジックアレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び他の適切なハードウェアデバイスを挙げることができる。この種類の実施形態の場合、プログラムコード418は、異なる実施形態のプロセスがハードウェアユニット内で実行されるので、省略することができる。
【0066】
更に別の実施例では、プロセッサユニット404は、コンピュータ及びハードウェアユニットに搭載されるプロセッサの組み合わせを用いて実現することができる。プロセッサユニット404は、多数のハードウェアユニットと、プログラムコード418を実行するように構成される多数のプロセッサとを有することができる。この図示の例の場合、これらのプロセスのうちの幾つかのプロセスは、多数のハードウェアユニット内で実行することができるのに対し、他のプロセスは、多数のプロセッサ内で実行することができる。
【0067】
別の例として、データ処理システム400の記憶装置は、データを格納することができる任意のハードウェア装置である。メモリ406、永続記憶装置408、及びコンピュータ可読媒体420は、有形の記憶装置の例である。
【0068】
別の例では、バスシステムを用いて、通信ファブリック402を実現することができ、当該バスシステムは、システムバス又は入力/出力バスのような1つ以上のバスにより構成することができる。勿論、バスシステムは、当該バスシステムに接続される異なるコンポーネント又はデバイスの間のデータの転送を可能にする任意の適切な種類のアーキテクチャを用いて実現することができる。更に、通信ユニットは、モデム又はネットワークアダプタのような、データを送受信するために使用される1つ以上のデバイスを含むことができる。更に、メモリは、例えばメモリ406とするか、又は通信ファブリック402に設けることができるインターフェース/メモリコントローラハブに搭載されるようなキャッシュとすることができる。
【0069】
次に、
図5を参照すると、センサシステムの図が、例示的な実施形態に従って描かれている。この実施例では、センサシステム500は、
図3の多数のセンサシステム314の中の1つのセンサシステムを実現するために使用することができるセンサシステムの一例である。
【0070】
この実施例に示すように、センサシステム500は多数のカメラ502を備える。多数のカメラ502は、多数の画像506の形態のデータ504を生成するように構成される。多数の画像506は、例えばこれらには限定されないが、静止画像508、動画510、及び/又は他の種類の適切な画像のうちの少なくとも1つとすることができる。
【0071】
これらの実施例では、多数のカメラ502は、エリア512に関する多数の画像506を生成することができる。多数のカメラ502は、固定することができるか、又は多数の軸514の回りを移動することができる。
【0072】
多数の軸514の回りのこの移動は、モータシステム516及びコントローラ518を介して制御される。更に、多数の軸514の回りの移動は、これらの実施例では、パン及びチルトと表記することができる。
【0073】
多数のカメラ502は、領域512についての多数の画像506を生成することができるが、データ504は、領域512の構成部分520についてのみ生成されるようにしてもよい。領域512の構成部分520から、多数の画像506が所望の品質レベル522で得られる。
【0074】
これらの実施例では、所望の品質レベル522は、解像度524の形態を採る。多数のカメラ502の中の1つのカメラの解像度は、画素数で測定することができ、1つの画像の品質の指標である。1つの画像の品質は、例えばこれらには限定されないが、シャープネス、色強度、色コントラスト、歪み、圧縮、ノイズ、ダイナミックレンジ、及び/又は他の適切な性能のような性能に基づいて決定することができる。1つの実施例として、画像の解像度が高くなると、画像のシャープネスのような性能、及び物体を描き出す能力も向上する。
【0075】
次に、
図6を参照すると、試験システムの図が、例示的な実施形態に従って描かれている。この実施例では、試験システム600は、
図3の試験システム350の1つの実施形態の一例である。
【0076】
この図示の例では、試験システム600は移動試験システム602である。図示のように、移動試験システム602は、プラットフォーム604と、推進システム606と、コントローラ608と、非破壊テスティングユニット610とを備える。プラットフォーム604は、移動試験システム602内の他の構成要素の構造物となる。推進システム606、コントローラ608、及び非破壊テスティングユニット610は、プラットフォーム604に搭載される。
【0077】
推進システム606は、移動試験システム602を移動させるように構成される。推進システム606は、移動試験システム602を地上で、空中で、又はこれらの2つの形態の組み合わせで移動させることができる。
【0078】
例えば、推進システム606は、モータ612と、軌道システム614とを備えることができる。モータ612によって軌道システム614は、プラットフォーム604を地上で移動させる。他の実施例では、推進システム606は、モータ616と、ブレード618とを備えることができる。モータ616は、ブレード618を回転させて、移動試験システム602の上昇移動を可能にするように構成される。
【0079】
非破壊テスティングユニット610は、x線システム620、渦電流試験システム622、超音波システム624、カメラシステム626、及び/又は他の適切な種類の非破壊テスティングユニットのうちの少なくとも1つを備えることができる。この実施例では、x線システム620は、画像を、x線を用いて生成するように構成することができる。渦電流試験システム622を用いて導電材料中の不整合箇所を、電磁誘導により検出することができる。超音波システム624は、材料中を通過するように信号を送出して、不整合箇所を特定するように構成することができる。
【0080】
カメラシステム626は、
図3の多数のセンサシステム314のカメラよりも高い解像度を有することができる。カメラシステム626を検出不整合箇所の位置にまで移動させることにより、これらの不整合箇所の更に詳細な部分を特定することができる。このように、カメラシステム626を用いて、検出不整合箇所に対する更に別の検査を実施することができる。
【0081】
コントローラ608は、
図4のデータ処理システムのようなデータ処理システム、又はプロセッサユニットとすることができる。コントローラ608は、移動試験システム602を制御するように構成される。例えば、コントローラ608は、移動試験システム602の移動を制御することができる。更に、コントローラ608は、非破壊テスティングユニット610によるデータ生成を制御することができる。移動試験システム602により生成される移動量及びデータは、
図3の検査プロセス322から受信する指示又は命令により制御することができる。
【0082】
次に、
図7を参照すると、検査環境を斜めに見た図が、例示的な実施形態に従って描かれている。この実施例では、検査環境700は、
図3の検査環境300の1つの実施形態の一例である。
【0083】
図示のように、検査環境700は、検査エリア702と、検査エリア702内の航空機704とを含む。検査エリア702は、この実施例では、格納庫706内にある。図示のように、センサシステム708は、検査エリア702内に位置する。センサシステム708は、航空機704の表面710についてのデータを生成するように構成される。幾つかの実施例では、センサシステム708は、航空機704の内側部分のような航空機704の他の構成部分についてのデータを生成するように構成することができる。例えば、センサシステム708は、x線システムを含むことができる。
【0084】
この実施例では、センサシステム708は、カメラシステム714,716,718,720,722,724,726,728,730,732,734,735,736,762,764,及び766を含む。これらのカメラシステムは、例えば
図5の多数のカメラ502の中の1つのカメラを用いて実現することができる。この実施例では、これらのカメラシステムは、航空機704の表面710についての画像を生成する。具体的には、これらのカメラシステムは動画を生成する。
【0085】
カメラシステム714,716,718,720,722,724,726,728,730,732,734,735,及び736は、この図示の実施例では、格納庫706内の複数位置にある。例えば、カメラシステム714,716,718,720,722,724,726,728,730,732,734,735,及び736は、この実施例では、格納庫706内の位置738,740,742,744,746,748,750,752,754,756,758,759,及び760のそれぞれの位置にある。これらの位置は、この図示の例では、カメラシステムに対応する固定位置である。
【0086】
図示のように、センサシステム708は更に、カメラシステム762,764,及び766を含む。カメラシステム762,764,及び766は、ロボット768,770,及び772にそれぞれ接続される。これらのロボットによってカメラシステム762,764,及び766は、検査エリア702内を移動することができる。
【0087】
例えば、ロボット768及びロボット770は、カメラシステム762及びカメラシステム764をそれぞれ、表面に沿って移動させるように構成される。この表面は、例えば格納庫706の地面774、又は航空機704の表面710とすることができる。例えば、ロボット768は、航空機704の翼の表面上の位置778にある。
【0088】
この実施例では、ロボット772は、カメラシステム766を格納庫706内の空中776を移動させるように構成される。別の表現をすると、ロボット772は、カメラシステム766が空中776を移動するように飛行する。幾つかの実施例では、ロボット772は、カメラシステム762を載せたロボット768のようなロボットを持ち上げ、運び、航空機704の表面710に配備するように構成することができる。このように、カメラシステム762,764,及び766は、検査エリア702内の異なる位置に移動して、航空機704の表面710の異なる部分についての画像を生成することができる。
【0089】
センサシステム708によって生成される画像は、
図3のコンピュータシステム316のようなコンピュータシステムに送信して処理することができる。これらの画像を用いて、不整合箇所が航空機704の表面710に在るかどうかを判断することができる。検査環境700の構成部分780を以下に、
図8の拡大図に示す。
【0090】
次に、
図8を参照すると、検査環境の構成部分の拡大斜視図が、例示的な実施形態に従って描かれている。この実施例では、
図7の検査環境700の構成部分780が描かれている。
【0091】
図示のように、カメラシステム720は視野800を有する。カメラシステム728は視野82を有する。カメラシステム734は視野804を有する。更に、カメラシステム764は視野806を有する。カメラシステム720,728,734,及び764の位置から画像を、航空機704の表面710の異なる部分について生成することができる。
【0092】
次に、
図9を参照すると、検査環境を前面から見た図が、例示的な実施形態に従って描かれている。この実施例では、
図7の検査環境700は、検査エリア702、及び検査エリア702内の航空機704を前面から見た図として描かれている。
【0093】
次に、
図10を参照すると、検査エリア内のボリュームを上面から見た図が、例示的な実施形態に従って描かれている。この実施例では、ボリューム1000は、
図7の検査環境700の検査エリア702内にあることが確認される。
【0094】
この実施例では、ボリューム1000は複数の構成部分1002を含む。複数の構成部分1002は、航空機704の表面710の略全体を覆うように選択される。別の表現をすると、航空機704は、複数の構成部分1002の内部に収まるように位置している。
【0095】
図示のように、センサシステム708に含まれる各カメラシステムは、複数の構成部分1002の中の多数の構成部分に割り当てられる。このように、各カメラシステムは、各カメラシステムに割り当てられる多数の構成部分にある各カメラシステムの視野に収まる航空機704の表面710についての複数画像を生成する。1つの実施例として、カメラシステム716は、構成部分1004,1006,1008,1010,1012,1014,1016,及び1018に割り当てられる。
【0096】
更に、この図示の例では、各カメラシステムは、複数の構成部分1002の中の多数の構成部分に、各カメラシステムが、複数の構成部分1002の中の特定の構成部分にある航空機704の表面710についての複数画像を所望の品質レベルで生成することができるかどうかに基づいて割り当てられる。各カメラシステムによって生成されるこれらの画像の品質は、航空機704の表面710からの各カメラシステムの距離によって異なる可能性がある。
【0097】
この実施例では、
図7のカメラシステム735及びカメラシステム736は、ボリューム1000の複数の構成部分1002をよりはっきりと見渡せるようには図示されていない。
図7のカメラシステム735は、この図示の例では、複数の構成部分1002の中の構成部分1016及び構成部分1022に割り当てられる。更に、
図7のカメラシステム736は、構成部分1018及び構成部分1020に割り当てられる。
【0098】
次に、
図11を参照すると、検査エリア内のボリュームを側面から見た図が、例示的な実施形態に従って描かれている。この実施例では、
図10のボリューム1000の側面図が描かれている。図示のように、
図10の複数の構成部分1002のほんの一部しか描かれていない。
【0099】
次に、
図12を参照すると、検査環境の斜視図が、例示的な実施形態に従って描かれている。この実施例では、
図7の検査環境700は、レールシステム1200を有するものとして描かれている。
【0100】
図示のように、レールシステム1200は、レール1202,1204,1206,1208,1210,1212,1214,1216,1218,1220,1222,及び1224を含む。カメラシステム714,716,718,720,722,724,726,728,730,732,及び734は、矢印1227の方向に、レール1202,1204,1206,1208,1210,1212,1214,1216,1218,1220,1222,及び1224のそれぞれに沿って移動するように構成される。カメラシステム735及びカメラシステム736は、矢印1226の方向に、レール1224に沿って移動するように構成される。
【0101】
このように、これらのカメラシステムの位置は変化させることができる。これらのカメラシステムの位置を変化させて、これらのカメラシステムを、検査エリア内にあることが確認される
図10のボリューム1000のようなボリュームに含まれる異なる構成部分に割り当て直すことができる。これらのカメラシステムの位置を変化させて、格納庫706の検査エリア702内に位置する異なる航空機、及び/又は他の構造物のサイズ及び/又は形状を考慮することもできる。
【0102】
次に、
図13を参照すると、物体を検査するプロセスのフローチャートの図が、例示的な実施形態に従って描かれている。
図13に示すプロセスは、
図3の検査環境300において実施することができる。
【0103】
当該プロセスは、物体を包含するボリュームを、当該物体が検査エリアに含まれる場合に特定する(工程1300)ことにより始まる。当該ボリュームは、複数の構成部分を有する。当該ボリュームは、例えば
図10の複数の構成部分1002を有するボリューム1000とすることができる。
【0104】
次に、当該プロセスでは、多数のセンサシステムを当該ボリュームの複数の構成部分に割り当てる(工程1302)。多数のセンサシステムの各々は、当該ボリュームの複数の構成部分の中の多数の構成部分に、各センサシステムが、複数の構成部分の中の特定の構成部分にある物体の表面についてのデータを所望の品質レベルで生成することができるかどうかに基づいて割り当てられる。この実施例では、多数のセンサシステムは、静止画像及び/又は動画の形式のデータを生成するように構成されるカメラシステムとすることができる。
【0105】
その後、当該プロセスでは、物体の表面についてのデータを、当該ボリュームの複数の構成部分に割り当てられる多数のセンサシステムを用いて生成する(工程1304)。次に、当該プロセスでは、多数の不整合箇所が物体の表面に在るかどうかを、当該データを利用して判断する(工程1306)。工程1306は、これらの例では、当該データを、
図3の基準データ340のような基準データと比較することにより行なわれる。
【0106】
多数の不整合箇所が物体の表面に無い場合、当該プロセスは終了する。そうではなく、多数の不整合箇所が物体の表面に在る場合、当該プロセスでは、多数のメンテナンス作業を特定して、当該物体に対して実施し(工程1308)、当該プロセスはその後、終了する。
【0107】
多数のメンテナンス作業として、例えば物体の表面の再加工、物体の表面の修理、物体の表面に関連する部品の取り替え、多数の不整合箇所に対する追加検査の実施、及び/又は他の適切な作業を挙げることができる。この実施例では、工程1308において更に、特定された多数のメンテナンス作業を開始することができる。例えば、工程1308では、多数の不整合箇所に対する追加検査が特定される場合、当該プロセスにおいて、命令を移動試験システムに送信して、当該多数の不整合箇所に向かって移動試験システムを送ることができる。
【0108】
異なる図示の実施形態におけるフローチャート及びブロック図は、異なる例示的な実施形態における装置及び方法の数通りの実施形態の構造、機能、及び動作を示している。この点に関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、及び/又は工程又はステップの一部を表わすことができる。幾つかの別の実施形態では、ブロックに記述される機能又は機能は、これらの図に記述される順番とは異なる順番で行なうことができる。例えば、幾つかの場合では、連続して示される2つのブロックは、略同時に実行することができる、又はこれらのブロックを、搭載される機能によって異なるが、逆の順番で実行することができる場合がある。また、フローチャート又はブロック図における図示のブロックの他に、他のブロックを追加することができる。
【0109】
したがって、異なる例示的な実施形態は、航空機のような物体を検査する方法及び装置を提供する。物体が検査エリアに含まれる場合に、当該物体を包含するボリュームを特定する。このボリュームは、複数の構成部分を有する。多数のセンサシステムを当該ボリュームの複数の構成部分に割り当てる。多数のセンサシステムの各々は、ボリュームの複数の構成部分の中の多数の構成部分に割り当てることができる。多数のセンサのこの割り当ては、各センサが、複数の構成部分の中の特定の構成部分に在る物体の表面についてのデータを所望の品質レベルで生成することができるかどうかに基づいて行なわれる。次に、物体の表面についての当該データを、当該ボリュームの複数の構成部分に割り当てられる多数のセンサシステムを用いて生成する。多数の不整合箇所が物体の表面に在るかどうかについて判断を行なう。次に、この情報を利用して、メンテナンス作業及び/又は他の作業を物体に対して実施することができる。
【0110】
このように、異なる例示的な実施形態によって、航空機のような物体を検査するために必要な時間、労力、及び/又は設備を低減することができる。当該物体を包含する検査エリア内のボリュームの特定の構成部分についてのデータを所望の品質レベルで生成するために割り当てられる多数のセンサシステムを用いることにより、現在利用可能な検査方法と比べて、物体の検査をより簡単に、より時間をかけずに、より正確に、及び/又はより堅実に行なうことができる。
【0111】
異なる例示的な実施形態は、全体がハードウェアの実施形態、全体がソフトウェアの実施形態、又はハードウェア要素及びソフトウェア要素の両方を含む実施形態の形式を採ることができる。幾つかの実施形態は、これらには限定されないが、例えばファームウェア、常駐ソフトウェア、及びマイクロコードのような形式を含むソフトウェアとして実現される。
【0112】
更に、異なる実施形態は、命令を実行するコンピュータ、又は任意のデバイス又はシステムが使用する、又は命令を実行するコンピュータ、又は任意のデバイス又はシステムに接続して使用するプログラムコードを供給するコンピュータ可用媒体又はコンピュータ可読媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形態を採ることができる。本開示を進めるために、コンピュータ可用媒体又はコンピュータ可読媒体は普通、命令実行システム、装置、又はデバイスが使用する、又は命令実行システム、装置、又はデバイスに接続して使用するプログラムを収容する、格納する、送受信する、伝送する、又は転送することができる任意の有形装置とすることができる。
【0113】
コンピュータ可用媒体又はコンピュータ可読媒体は、例えばこれらには限定されないが、電子システム、磁気システム、光システム、電磁システム、赤外線システム、又は半導体システム、又は伝送媒体とすることができる。コンピュータ可読媒体の非限定的な例として、半導体メモリ又は固体メモリ、磁気テープ、取り外し可能なコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、剛性磁気ディスク、及び光ディスクを挙げることができる。光ディスクとして、コンパクトディスク−リードオンリメモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク−リード/ライト(CD−R/W)、及びDVDを挙げることができる。
【0114】
更に、コンピュータ可用媒体又はコンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読プログラムコード又はコンピュータ可用プログラムコードを収容する、又は格納することにより、コンピュータ可読プログラムコード又はコンピュータ可用プログラムコードをコンピュータで実行すると、このコンピュータ可読プログラムコード又はコンピュータ可用プログラムコードの実行によって、コンピュータが別のコンピュータ可読プログラムコード又はコンピュータ可用プログラムコードを、通信リンクを経由して送信するようになる。この通信リンクは、例えばこれらには限定されないが、物理媒体又は無線媒体である媒体を用いることができる。
【0115】
コンピュータ可読プログラムコード又はコンピュータ可用プログラムコードを格納する、及び/又は実行するために適するデータ処理システムは、システムバスのような通信ファブリックを介してメモリ要素に直接的又は間接的に接続される1つ以上のプロセッサを含む。これらのメモリ要素は、プログラムコードを実際に実行している間に用いるローカルメモリ、大容量記憶装置を含み、少なくとも幾つかのコンピュータ可読プログラムコード又はコンピュータ可用プログラムコードを一時的に格納して、コードを大容量記憶装置からコード実行中に取り出す回数を減らすことができるキャッシュメモリを含むことができる。
【0116】
入力/出力デバイス又はI/Oデバイスはシステムに、直接的に、又は介在するI/Oコントローラを介して接続することができる。これらのデバイスとして、例えばこれらには限定されないが、キーボード、タッチスクリーンディスプレイ、及びポインティングデバイスを挙げることができる。異なる通信アダプタをシステムに接続して、データ処理システムが、介在するプライベートネットワーク又は公衆網を介して他のデータ処理システム、リモートプリンタ、又は記憶装置に接続されるようにすることもできる。非限定的な例として、モデム及びネットワークアダプタがあり、ほんの一例として、現在利用可能な種類の通信アダプタがある。
【0117】
異なる例示的な実施形態の説明を提示して、例示及び記述を行なってきたが、当該説明を網羅的に記載しようとするものではない、又は開示される構成の実施形態に限定しようとするものではない。多くの変形及び変更が存在することはこの技術分野の当業者には明らかである。更に、異なる例示的な実施形態は、他の例示的な実施形態とは異なる利点を提供することができる。選択される実施形態又は実施形態は、これらの実施形態の原理、実際の用途を最も分かり易く説明するために、この技術分野の他の当業者が、想定される特定の使用に適合するように種々の変更が為される種々の実施形態に関する開示を理解することができるように選択され、記載されている。
また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
物体を検査する方法であって、
検査エリア内における物体の存在に応答して、複数の構成部分を有する物体を包含するボリュームを特定する工程と、
多数のセンサシステムをボリュームの複数の構成部分に割り当てる工程であって、多数のセンサシステムの各々を、各センサシステムが複数の構成部分の中の特定の構成部分に在る物体の表面についてのデータを所望の品質レベルで生成することができるかどうかに基づいてボリュームの複数の構成部分の中の多数の構成部分に割り当てる工程と、
ボリュームの複数の構成部分に割り当てられる多数のセンサシステムを用いて物体の表面についてのデータを生成する工程と、
データを用いて多数の不整合箇所が物体の表面に在るかどうかを判断する工程と
を含む方法。
(態様2)
多数の不整合箇所が物体の表面に在ると判断されると、多数のメンテナンス作業を特定して物体に対して実施する工程
を更に含む、態様1に記載の方法。
(態様3)
多数のセンサシステムは物体の表面の画像を生成し、本方法は、
多数の不整合箇所が物体の表面に在ると判断されると、多数の不整合箇所に向かって移動試験システムを送る工程と、
多数の不整合箇所の各不整合箇所に対する位置で、移動試験システムを用いて非破壊試験を実施する工程と
を含む、態様1に記載の方法。
(態様4)
多数の不整合箇所のそれぞれに対する位置が物体の表面についてのデータを用いて特定される、態様1に記載の方法。
(態様5)
物体の表面についてのデータをコンピュータシステムに送信する工程を更に含み、
データを用いて多数の不整合箇所が物体の表面に在るかどうかを判断する工程が、
コンピュータシステムによって、データを用いて多数の不整合箇所が物体の表面に在るかどうかを判断する工程
を含む、態様1に記載の方法。
(態様6)
データを用いて多数の不整合箇所が物体の表面に在るかどうかを判断する工程が、
データを基準データと比較して比較結果を作成する工程と、
比較結果を用いて多数の不整合箇所が物体の表面に在るかどうかを判断する工程と
を含む、態様1に記載の方法。
(態様7)
多数の不整合箇所が物体の表面に在ると判断されると、多数の不整合箇所に対する物体の表面上の多数の位置を特定する工程
を更に含む、態様1に記載の方法。
(態様8)
基準データは、物体を製造した後に多数の画像を生成する工程、物体のモデルを用いて多数の画像を生成する工程、及び物体の現在の使用の前に多数の画像を生成する工程のうちの少なくとも1つの工程を実施することにより生成される物体の表面の多数の画像である、態様6に記載の方法。
(態様9)
多数のセンサシステムは移動センサシステムを含み、本方法は、
物体の表面についてのデータを生成しながら検査エリア内で移動センサシステムを移動させる工程
を更に含む、態様1に記載の方法。
(態様10)
ボリュームの複数の構成部分を選択して、物体の表面の略全体についてデータが生成されるようにする工程
を更に含む、態様1に記載の方法。
(態様11)
物体の表面についてのデータが、物体の表面の静止画像と動画の少なくとも一方を含む、態様1に記載の方法。
(態様12)
検査エリア内に位置する多数のセンサシステムと;多数のセンサシステムと通信するコンピュータシステムであって、物体を包含しかつ複数の構成部分を有するボリュームを特定し、多数のセンサシステムをボリュームの複数の構成部分に割り当てる構成されたコンピュータシステムと;を備えた装置であって、多数のセンサシステムの各々が、各センサシステムが複数の構成部分の中の特定の構成部分に在る物体の表面についてのデータを所望の品質レベルで生成することができるかどうかに基づいて、ボリュームの複数の構成部分の中の多数の構成部分に割り当てられており;ボリュームの複数の構成部分に割り当てられる多数のセンサシステムを用いて物体の表面についてのデータ生成し;かつ多数の不整合箇所が物体の表面に在るかどうかを判断する、装置。
(態様13)
コンピュータシステムは、更に、多数の不整合箇所が物体の表面に在ると判断されると、多数のメンテナンス作業を特定して物体に対して実施するように構成されている、態様12に記載の装置。
(態様14)
多数のセンサシステムが物体の表面の画像を生成するように構成されている、態様12に記載の装置。
(態様15)
移動試験システムを更に備えており、コンピュータシステムは、更に、多数の不整合箇所が物体の表面に在ると判断されると、多数の不整合箇所に向かって移動試験システムを送るように構成されており、移動試験システムは、多数の不整合箇所の各不整合箇所に対する位置で非破壊試験を実施するように構成されている、態様12に記載の装置。
(態様16)
コンピュータシステムは、更に、物体の表面についてのデータを用いて多数の不整合箇所の各不整合箇所に対する位置を特定するように構成されている、態様15に記載の装置。
(態様17)
多数のセンサシステムが 物体の表面についてのデータを生成し、該データをネットワークを介してコンピュータシステムに送信するように構成された、態様12に記載の装置。
(態様18)
データを用いて多数の不整合箇所が物体の表面に在るかどうかを判断するように構成されているとき、コンピュータシステムは、データを基準データと比較して比較結果を作成し;比較結果を用いて多数の不整合箇所が物体の表面に在るかどうかを判断するように構成されている、態様12に記載の装置。
(態様19)
基準データは、物体を製造した後に多数の画像を生成する工程、物体のモデルを用いて多数の画像を生成する工程、及び物体の現在の使用の前に多数の画像を生成する工程のうちの少なくとも1つの工程を実施することにより生成される物体の表面の多数の画像である、態様12に記載の装置。
(態様20)
多数のセンサシステムは移動センサシステムを含み、移動センサシステムは物体の表面についてのデータを生成しながら検査エリア内を移動するように構成されている、態様12に記載の装置。