(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記各支持脚は、前記スライダのスライド方向と直交する方向に沿ってスライド可能なように前記スライダまたは前記水準器本体に取り付けられ、取り付けられた前記スライダまたは前記水準器本体から最も離反する展開位置と最も接近する折り畳み位置との間で切り替え可能に構成されている、請求項1に記載のグリーン用水準器。
前記各支持脚の展開位置および折り畳み位置でその回転を阻止し、かつ展開位置と折り畳み位置との中間位置でその回転を許容するロック機構をさらに備える請求項2に記載のグリーン用水準器。
【背景技術】
【0002】
ゴルフプレイのパッティング時には、グリーン上のゴルフボールとゴルフカップとの間に位置する領域の傾斜の状態、すなわちラインを読み取ることが必要となるが、通常は目視するにとどまり、測定器具などを用いることはあまりおこなわれていなかった。
【0003】
もっとも、目視のみによってラインを読むには、経験やセンスが必要になってとくにゴルフの初心者にとっては困難をともなうことから、特許文献1〜6のように、ゴルフマーカーに水準器を取り付けたものが多数考案されている。
このゴルフマーカーを用いてグリーン上に位置するゴルフボールのマーキングをおこなうことで、付属する水準器によりゴルフボール近傍箇所の傾斜の状態をある程度は読み取ることが可能である。
しかし、水準器をゴルフマーカーに付属させた場合には、水準器の寸法がゴルフマーカーの寸法に制約されて自ずと小さくなるため、マーキングの対象となるゴルフボールの近傍のごく狭い領域の傾斜の状態しか測定結果に反映させることができない。
【0004】
一方、ゴルフマーカーなどのゴルフ用具とは別体に形成された、汎用されている比較的大型の水準器を、グリーン上のゴルフボールとゴルフカップとの間のより広範な領域に載置することで、ラインの状態をより正確に読み取ろうとする試みも想定されうる。
しかし、この種の水準器は寸法が大きく、また不使用時に折り畳めるものでもないため、ゴルフプレイ時に持ち運びするのが容易ではない。
また、この種の水準器は、その測定基準面となるフラットな底面のほぼ全域を対象物へと密着させて、水準器がぐらつかないような状態にしてから測定をおこなうものである。
このように、本来的には、底面のほぼ全域を密着させることが可能な、凹凸のわずかな対象物の測定しか想定されておらず、グリーン上のような凹凸の激しい個所に、この種の水準器を設置した場合には、測定基準面としての底面のごく一部しかグリーンには接触することはなく、底面の大部分はグリーン上から浮き上がることになる。
その結果、水準器がぐらついてしまい、ラインの状態を正確に読み取ることは不可能である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1〜
図9に示す、実施形態のグリーン用水準器1は、グリーンG上において、ゴルフボールBとゴルフカップCとの間の領域の傾斜の状態を測定するのに好適に使用される。
また、
図1および
図2のように、実施形態のグリーン用水準器1は、不使用時は嵩張らないようにコンパクトに折り畳むことができ、携帯が容易なものである。
実施形態のグリーン用水準器1は、水準器本体10と、水準器本体10に取り付けられる一対のスライダ20、20と、各スライダ20、20にそれぞれ一対に取り付けられる脚体30、30、30、30と、を備える。
【0016】
図1および
図2のように、水準器本体10は、全体が扁平な直方体形をなしており、液体容器11と、液体容器11に収納される液体12と、液体容器11の開口をふさぐ蓋板13とを備える。
【0017】
液体容器11は、矩形の底壁11aと、底壁11aの表面においてその長辺である両側辺からほぼ垂直に立ち上がる一対の側壁11b、11bと、底壁11aの表面においてその短辺である両端辺から側壁11b、11bとほぼ同じ高さでほぼ垂直に立ち上がる一対の端壁11c、11cとを有する。
液体容器11の底壁11aと側壁11b、11bおよび端壁11c、11cにより囲まれる扁平な収納空間は、上方に向けて開口しており、ここには水等の液体12が充填されている。
【0018】
蓋板13は、液体容器11の底壁11aと相似形の矩形であり、その長辺である両側辺が一対の側壁11b、11bの各上縁に、その短辺である両端辺が一対の端壁11c、11cの各上縁にそれぞれ重なり合い、接着剤等で固定されることで、液体容器11の開口を閉鎖している。
また蓋板13は、透明性の高い樹脂やガラスなどを材料に透明または半透明に構成されており、蓋板13を通じて液体容器11の収納空間内の状態が視認できるようになっている。
ここで、液体容器11の収納空間に対する液体12の充填の度合いは、液体容器11の開口を蓋板13で閉鎖した際に、蓋板13を通じて良好に視認容易な程度の寸法を有する気泡12aが、液体12中に形成されるように調整されているものとする。
【0019】
また
図1(a)および
図8のように、矩形の蓋板13には、その中心部から両側辺および両端辺に向けて延びる基準線13aが表示されている。四方に延びた基準線13aは全体として十字型をなしており、その各端部には外向きの矢印が付されている。
ここで、
図1(a)および
図2のように、液体容器11内の液体12中に形成される気泡12aと、蓋板13の基準線13aとは、水準器本体10が水平位置にあるときに、気泡12aが基準線13aのほぼ中心に位置するように調整されているものとする。
【0020】
水準器本体10の内部には、液体容器11の底壁11aおよび蓋板13と平行な測定基準面が仮想される。
気泡12aは、水準器本体10の傾斜の度合いに応じてその傾斜方向の上流側へと液体12中を移動するため、気泡12aと基準線13aとの位置関係を確認することで、水準器本体10の(測定基準面の)傾斜の状態が把握できるようになっている。
図1(a)および
図8のように、この矢印に近接して、蓋板13の長手方向の一端には「アップ」、他端には「ダウン」、一側には「フックライン」、他側には「スライスライン」などと、グリーンGの傾斜の方向を示す表示が付されていると、傾斜の状態の把握がいっそう容易となる。
【0021】
さらに
図2のように、液体容器11は、底壁11aの裏面においてその長辺である両側辺に沿って延びる一対の保持枠14、14を有する。
一対の保持枠14、14の対向面である内面には、液体容器11の底壁11aの側辺と平行に延びる一対のガイド溝14a、14aがそれぞれ形成されている。
また一対の保持枠14、14の対向面とは逆側の面である外面の下縁には、液体容器11の底壁11aの側辺と平行に延びる一対の収納溝14b、14bがそれぞれ形成されている。
また、
図2および
図4(a)のように、液体容器11の各側壁11b、11bは、それぞれ両端部の近傍にピンが内向きに貫通しており、そのピンの一部は、保持枠14、14間の収納空間内へと突出することでストッパ15、15を構成している。
【0022】
図1から
図8のように、一対のスライダ20、20はそれぞれ、矩形の底壁21と、底壁21の表面においてその長辺である両側辺から立ち上がる一対の側壁22、22と、底壁21の表面においてその短辺である両端辺から側壁22、22とほぼ同じ高さで立ち上がる一対の端壁23、23と、をそれぞれ有する。
各スライダ20の底壁21と側壁22、22および端壁23、23により囲まれる扁平な収納空間は上方に向けて開口し、ゴルフマーカー等の比較的寸法の小さなゴルフ用具が収納可能となっている。
【0023】
ここで各スライダ20の底壁21の端辺の長さは、液体容器11の一対の保持枠14、14間の距離とほぼ同じかやや小さく形成されている。
また、各スライダ20の底壁21の側辺の長さは、液体容器11の保持枠14の全長のほぼ半分か半分よりもやや小さく形成されている。さらに各スライダ20の側壁22、22および端壁23、23の高さは、液体容器11の保持枠14、14の高さとほぼ同じかやや小さく形成されている。
そのため
図1(b)および
図2(b)のように、二つのスライダ20、20は、水準器本体10の長手方向に並列した状態で、液体容器11の一対の保持枠14、14間の収納空間にほぼ過不足なく収納できるようになっている。すなわち、一方のスライダ20は水準器本体10の長手方向の一端に、他方のスライダ20は水準器本体10の長手方向の他端に、それぞれ取り付けられている。
【0024】
図2(a)および
図3のように、各スライダ20の側壁22、22の外面には、それぞれ底壁21の側辺と平行に延びる各一対のガイド条22a、22aが形成されている。各スライダ20が液体容器11の保持枠14、14間に収納された状態で、このガイド条22a、22aは保持枠14、14のガイド溝14a、14aへとはまり込んでいる。
ガイド条22a、22aとガイド溝14a、14aとの嵌合構造により、各スライダ20は、水準器本体10の長手方向に沿って案内される。したがって各スライダ20は、水準器本体10の測定基準面と平行にスライドできるようになっている。
【0025】
ここで一対のスライダ20、20のスライド可能な範囲は、
図1および
図2のように、水準器本体10に最も近接して両スライダ20、20の対向する側の端壁23、23同士が突き合う折り畳み位置と、
図4および
図8のように、水準器本体10から最も離反して両スライダ20の対向する側の端壁23、23がそれぞれ液体容器11の両端に位置するストッパ15、15に突き当たる展開位置との間に規制されている。
すなわち、スライダ20を水準器本体10に対してスライドさせることで、折り畳み位置と展開位置との間で切り替え可能となっている。
【0026】
図1および
図2のような、スライダ20の折り畳み位置において、実施形態のグリーン用水準器1の長手方向の寸法は最小となって携帯に好適なものとなる。
また
図4および
図8のような、スライダ20の展開位置において、実施形態のグリーン用水準器1の長手方向の寸法は最大となってグリーンG上での使用に好適なものとなる。
【0027】
さらに
図2(b)および
図3のように、各スライダ20は、底壁21の外側の端辺にそれぞれ連設される支持枠24を備える。支持枠24は、側面視がL字型をなしており、底壁21とほぼ同一平面を構成する底部24aと、端壁23から距離をあけてその端壁23とほぼ平行に立ち上がる起立部24bと、を有する。
図3のように、L字型の支持枠24と端壁23によって囲まれて上方に開口するチャンネル型の各保持空間には、それぞれ一対の脚体30、30がスライダ20の底壁21の端辺方向に並列した状態で保持されている。
【0028】
各スライダ20の底壁21の端辺方向の中央部においては、支持枠24の内面および端壁の外面の対向箇所が凹んでおり、この凹んだ対向箇所に相当する保持空間は、角柱形に窪んだロック解除部25となっている。
一方、底壁21の端辺方向の両端部においては、支持枠24および端壁23は対向面が凹んでおらず、ロック解除部25と比較して小さな角柱形に窪んだロック部26、26となっている。
各ロック部26、26の底壁21の端辺方向の中央部には、半円柱形に窪んだ軸受部26a、26aが設けられている。
図1および
図8のように、各支持枠24の起立部24bの外面(端壁23との対向面とは逆側の面)には、倒立した正三角形で表される目印24cが付されている。
【0029】
図3のように、4つの脚体30、30、30、30は、それぞれL字型に屈曲した細長い棒状体からなり、先端がゴルフのグリーンGに接触可能な丸軸状の支持脚31、31、31、31と、支持脚31、31、31、31に対してほぼ垂直に連結されて回転の中心軸となる回転軸32、32、32、32と、を有する。
各支持脚31は、先端に近づくにつれて丸軸の径が微少に窄まっており、かつ先端は丸みを帯びている。
各回転軸32は、その長手方向の中央部が円柱形の丸軸部32aに形成されており、両端部が角柱形の角軸部32b、32bに形成されている。
【0030】
丸軸部32aの軸径は、スライダ20の軸受部26aの半円柱の径とほぼ等しいかやや小さく、各スライダ20の軸受部26aに対してそれぞれ軸周りに回転可能にはめ込まれている。
また
図4から
図7のように、各回転軸32は、各スライダ20の軸受部26aに支持された状態で、その軸方向にもスライド可能となっている。このスライド方向は、スライダ20のスライド方向と直交する方向、すなわち水準器本体10の短手方向となる。
【0031】
このような回転軸32の軸方向へのスライドにともない、内側の角軸部32bは、スライダ20の保持空間のロック解除部25内とロック部26内との間、また外側の角軸部32bは、スライダ20の保持空間のロック部26内と保持空間外との間で移動可能となっている。
各スライダ20の一対のロック部26、26における角柱の幅は、各脚体30の一対の角軸部32b、32bにおける角柱の幅とほぼ同じかやや大きく形成されている。
また各スライダ20のロック解除部25の角柱の幅は、各脚体30の角軸部32b、32bの幅よりもはるかに、たとえば2倍程度に大きくなっている。
このため、
図4および
図7のように、いずれかの角軸部32b、32bがスライダの保持空間のロック部26内にあるときには、回転軸32は軸周りの回転が阻止されてロックされる。
一方、
図5および
図6のように、内側の角軸部32bが各スライダ20の保持空間のロック解除部25内にあるとき、または外側の角軸部32bがスライダ20の保持空間外にあるときには、回転軸32のロックは解除されて軸周りに回転自在となる。
【0032】
さらに各脚体30の軸方向へのスライド範囲は、
図4(a)のようにスライダに最も接近して、両回転軸32、32の対向する角軸部32b、32b同士が突き合う折り畳み位置と、
図7(a)のようにスライダ20から最も離反して、両回転軸32、32の対向する角軸部32b、32bがそれぞれスライダ20の保持空間の軸受部26a、26aへと突き当たる展開位置との間に規制されている。
このような各脚体30の折り畳み位置と展開位置のいずれにおいても、
図4(b)および
図7(b)のように、各回転軸32のいずれか一方の角軸部32b、32bがロック部26へとはまり込み、回転軸32の軸周りの回転が阻止される。
また
図3および
図5のような、各脚体30の折り畳み位置と展開位置との中間位置において、内側の角軸部32bはロック解除部25内に位置し、外側の角軸部32bはスライダ20の保持空間外に位置することでロックが解除されているため、回転軸32は軸周りに回転自在となる(
図5(b)参照)。
すなわち、回転軸32の両角軸部32b、32bと保持空間のロック部26およびロック解除部25と保持空間の外部とがロック機構を構成する。
【0033】
回転軸32のロックが解除された状態で、回転軸32を軸周りに回転させることで脚体30は、
図6(b)のように、各脚体30を支持脚31が鉛直方向に向く起立位置と、
図6(a)のように、支持脚31が水平方向に向く倒伏位置との間で切り替え可能となっている。
【0034】
図4(a)のような脚体30の折り畳み位置において、実施形態のグリーン用水準器1の短手方向の寸法は最小となり、かつ
図2(a)のような脚体30の倒伏位置において、その支持脚31は保持枠14の収納溝14bに収納されて、携帯に好適なものとなる。
また
図7(a)および
図8のような脚体30の展開位置および起立位置において、実施形態のグリーン用水準器1の短手方向の寸法は最大となり、かつ脚体30の支持脚31の丸みを帯びた先端部がグリーンG上に接触可能となって、グリーンG上での使用に好適なものとなる。
【0035】
実施形態のグリーン用水準器1の構成は以上のようであり、次にその使用方法について説明する。
【0036】
いま
図1および
図2のような、実施形態のグリーン用水準器1が持ち運びの容易な状態から、
図3および
図4のように、両スライダ20、20を引き出す方向にスライドさせてそれぞれ折り畳み位置から展開位置へと切り替える。
次いで
図5および
図6のように、四つの脚体30、30、30、30を回転軸32の軸に沿って引き出す方向にスライドさせる。
【0037】
さらに各脚体30は、
図5および
図6のような、折り畳み位置から展開位置に向けての中間位置において、回転軸32を軸周りに回転させて倒伏位置から起立位置へと切り替える。
このとき回転軸32の内側の角軸部32bは、ロック解除部25内に位置し、外側の角軸部32bは、保持空間外に位置するため、ロックは解除されており回転操作は妨げられない。
最後に
図7および
図8のように、各脚体30を回転軸32の軸に沿って引き出す方向にさらにスライドさせ、中間位置から展開位置へと完全に切り替える。
この状態で、回転軸32の内側の角軸部32bは、ロック部26内へと入り込むため、脚体30は起立位置においてロックされ回転不能となる。
【0038】
このようにして、スライダ20を展開位置へと切り替え、脚体30を展開位置および起立位置へと切り替えた実施形態のグリーン用水準器1を、
図9のように、グリーンG上のゴルフボールBとゴルフカップCとの間に設置する。脚体30の支持脚31により、水準器本体10はグリーン上から浮き上がった状態に支持される。
このとき、ゴルフボールBとゴルフカップCとをつなぐ仮想直線上にスライダ20の目印24cが位置するように、実施形態のグリーン用水準器1を位置調整するものとする。
このような設置状態において、水準器本体10の気泡12aと基準線13aとの位置関係を目視することで、ゴルフボールBからゴルフカップCにかけてのラインの傾斜の状態を測定することが可能となる。
この測定結果に基づいて、ゴルフパターPによるパッティングをおこなう。
【0039】
実施形態のグリーン用水準器1は、スライダ20の展開位置への切り替えにより長手方向に拡がり、脚体30の展開位置への切り替えにより短手方向に拡がっているため、グリーンG上の比較的広範な範囲の傾斜の状態を反映させることができる。
また、実施形態のゴルフグリーン用水準器1は、起立位置へと切り替えられた脚体30の支持脚31が、グリーンGにおいて四点接触の状態で水準器本体10を支持するため、グリーンG上の凹凸が大きな場合においてもぐらつきにくく、正確な測定が可能である。
【0040】
実施形態のグリーン用水準器1は、使用を終えると、上述したのと逆の手順を踏んで、スライダ20を折り畳み位置に切り替え、脚体30を倒伏位置および折り畳み位置に切り替えることで、
図1および
図2のようなコンパクトな状態に折り畳んで、持ち運びに供される。脚体30が折り畳み位置かつ倒伏位置にあるときに、回転軸32の外側の角軸部32bがロック部26へと入り込んであるため回転不能となっている。
【0041】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものであることが意図される。
【0042】
たとえば実施形態では、水準器本体10はいわゆる気泡管式の水準器であるが、傾斜を測定可能である限りにおいて、レーザー式など他の形式も水準器で代替してもよい。
また水準器本体10の形状も実施形態のような扁平な直方体形に限定されず、楕円柱形、円柱形などでもよい。
【0043】
スライダ20の形状および水準器本体10への取り付けの態様、脚体30の形状およびスライダ20への取り付けの態様も実施形態に限定されない。
スライダ20および脚体30のスライド範囲を規制する機構についても実施形態に限定されず、公知の機構で代替可能である。
実施形態では、スライダ20を水準器本体10の長手方向にスライド可能に構成したが、水準器本体10の短手方向等の他の方向にスライド可能に構成してもよい。スライダ20が水準器本体10の短手方向にスライド可能に構成した場合、脚体30はこれと直交する方向、すなわち水準器本体10の長手方向にスライド可能に構成する。
スライダ20の数は、実施形態の2個に限定されず、1個としてもよいし、3個以上としてもよい。スライダ20が1個の場合には、脚体30は、そのスライダ20と水準器本体10に取り付けるものとする。
【0044】
脚体30のロックおよびロック解除機構も実施形態に限定されず、公知の嵌合構造及び係合構造により代替可能である。
脚体30のロックおよびロック解除機構は、省略可能であり、かかる省略によりグリーン用水準器1の製造コストの低廉化が図られる。
また脚体30の支持脚31は、回転軸32の軸方向にスライドしないように構成してもよい。たとえば、各スライダ20に取り付けられる一対の支持脚31、31は、一つの回転軸32の両端部にそれぞれ連結されている構成などでもよい。
支持脚31の数は、実施形態の4個に限定されず、3個としてもよいし、5個以上としてもよい。
【課題】ゴルフコースのグリーン上でゴルフボールとカップとの間に位置する領域の傾斜の状態を測定に正確に反映させることが可能な、かつゴルフプレイ時に携帯することが容易な水準器を提供する。
【解決手段】本発明にかかるグリーン用水準器1を、水準器本体10と、二個のスライダ20、20と、四個の支持脚31、31、31、31と、を備えるものとする。水準器本体10は、傾斜の状態を測定して表示可能に構成されている。スライダ20は、水準器本体10の長手方向に沿ってスライド可能なように、水準器本体10の長手方向の両端部にそれぞれ取り付けられ、展開位置と折り畳み位置との間で切り替え可能に構成されている。支持脚31は、回転軸32の軸周りに回転可能なように、かつ回転軸32の軸方向にスライド可能に各スライダ20に一対ずつ取り付けられ、回転により起立位置と倒伏位置との間で切り替え可能に、かつスライドにより展開位置と折り畳み位置との間で切り替え可能に構成されている。