(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記入射側光ファイバおよび前記射出側光ファイバのうち、一方の光ファイバは前記第1の光ファイバであり、他方の光ファイバは直線部を有する第2の光ファイバであり、
平面視したときに前記第2の光ファイバと重なる位置に第2の光検出器が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の光パワーモニタ装置。
【背景技術】
【0002】
近年、ファイバレーザは、励起用半導体レーザの高輝度化もしくは増幅用ダブルクラッドファイバの商用化により、1kWを超える出力光パワーを達成することが可能となっている。このような高出力ファイバレーザは、従来は炭酸ガスレーザが主に使用されてきた材料加工の分野への応用が可能となる。ファイバレーザは、炭酸ガスレーザと比較してビーム品質および集光性に優れている。そのため、高出力ファイバレーザは、加工時間を短縮でき、スループットが向上する、低パワーでも高パワーと同等の加工特性を実現でき、省エネルギー化が図れる、等の優れた特徴を持つ。さらに、空間光学部品が不要なため、耐久性、光学部品のアライメント等の問題がなく、メンテナンスが不要である、等の利点もある。
【0003】
その一方、ファイバレーザを用いた材料加工にも、次のような課題がある。
例えば、材料加工中に加工面からの反射光がファイバレーザに戻ると、発振状態が不安定になる。その結果、出力光パワーが変動し、加工特性が低下する。最悪の場合、不安定な発振はランダムパルス発振となり、励起光源の故障、ファイバの破断等を引き起こし、ファイバレーザが故障する。この種の問題に対処するには、反射光パワーおよび出力光パワーをモニタして、発振状態が不安定になることを未然に防止する必要がある。
【0004】
反射光パワーおよび出力光パワーをモニタする一つの方法として、低分岐比の光ファイバカプラを出力ファイバに接続し、分岐した出力光と反射光をフォトダイオードなどで受光して出力光パワーと反射光パワーとをモニタする方法がある。他の方法として、下記の特許文献1には、光ファイバの融着接続点から漏れた光を融着接続点近傍に配置したフォトダイオード等で受光し、漏れ光のパワーに基づいて出力光パワーと反射光パワーとをモニタする方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
低分岐比の光ファイバカプラを用いた場合、高出力光に対する光ファイバカプラの耐久性が低いという問題がある。また、光ファイバカプラを追加することでコストが増加する、部品同士の接続点が増えることで効率が低下する、等の問題点がある。一方、融着接続点からの漏れ光を用いてモニタを行う場合、融着接続点から漏れた出力光は、出力光モニタ用フォトダイオードと反射光モニタ用フォトダイオードとの双方で受光される。同様に、融着接続点から漏れた反射光は、出力光モニタ用フォトダイオードと反射光モニタ用フォトダイオードとの双方で受光される。
【0007】
そのため、例えば反射光が存在しない場合であっても、反射光が存在するかのように検出されるという問題がある。また、反射光が存在する場合には出力光パワーが大きく検出されるという問題がある。これらの問題の対策として、例えばフォトダイオードを融着接続点から遠ざけることが考えられる。しかしながら、フォトダイオードを融着接続点から遠ざけたとしても、散乱光がフォトダイオードに受光される問題、モニタ対象である光のパワー自体が減少することでノイズによる影響を受けやすくなる問題、などがある。
【0008】
本発明の一つの態様は、上記の課題を解決するためになされたものであって、出力光もしくは反射光のパワーを精度良くモニタできる光パワーモニタ装置および光パワーモニタ方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の一つの態様の光パワーモニタ装置は、接続点において互いに接続された入射側光ファイバおよび射出側光ファイバのうちの少なくとも一方の光ファイバであって、曲線部と、前記曲線部から前記接続点までの間の直線部と、を有する第1の光ファイバと、前記第1の光ファイバのクラッドの外側であって前記直線部の少なくとも一部に設けられ、前記クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層と、少なくとも前記曲線部の近傍に設けられた第1の光検出器と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の一つの態様の光パワーモニタ装置においては、第1の光ファイバのクラッドの外側であって直線部の少なくとも一部に、クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層が設けられている。これにより、接続点で漏れた光が低屈折率層の内側、すなわち第1の光ファイバのクラッドおよびコアに閉じ込められる。低屈折率層の内側に閉じ込められた光は接続点側から直線部の内部を進んだ後、曲線部に達し、光の一部が曲線部で漏れ出す。この漏れ光は、曲線部の近傍に設けられた第1の光検出器により検出される。
【0011】
例えば、第1の光ファイバが入射側光ファイバであったとすると、接続点で漏れた反射光は、低屈折率層の内側に閉じ込められて導光した後、曲線部で漏れ、第1の光検出器により検出される。一方、接続点で漏れた出力光は、第1の光ファイバとは反対側に進むため、曲線部にはほとんど存在しない。したがって、第1の光検出器は、接続点から離れた位置において、反射光を出力光とは分離して検出することができる。このように、本発明の一つの態様によれば、出力光もしくは反射光のパワーを精度良くモニタできる光パワーモニタ装置を実現できる。
【0012】
本発明の一つの態様の光パワーモニタ装置において、前記入射側光ファイバおよび前記射出側光ファイバのうち、一方の光ファイバは前記第1の光ファイバであり、他方の光ファイバは直線部を有する第2の光ファイバであり、平面視したときに前記第2の光ファイバと重なる位置に第2の光検出器が設けられていてもよい。
上記の例で言えば、接続点で漏れた反射光は曲線部において第1の光検出器により検出されるが、平面視したときに第2の光検出器が第2の光ファイバと重なる位置に設けられた場合、接続点で漏れた出力光は第2の光検出器により検出される。したがって、出力光のパワー、反射光のパワーの双方を精度良くモニタできる光パワーモニタ装置を実現できる。
【0013】
本発明の一つの態様の光パワーモニタ装置は、前記第1の光ファイバを収容する溝を有する支持部材と、前記溝の内部に収容された前記第1の光ファイバの周囲に充填され、前記クラッドの屈折率と等しい屈折率、もしくは前記クラッドの屈折率よりも高い屈折率を有する充填材と、をさらに備えていてもよい。
この構成によれば、第1の光ファイバは、第1の光ファイバの周囲がクラッドの屈折率と等しい屈折率、もしくはクラッドの屈折率よりも高い屈折率を有する充填材に囲まれた状態で支持部材により支持される。これにより、クラッドの内部に閉じ込められた光を曲線部で漏れ出させ、充填材を介して第1の光検出器に効率良く入射させることができる。
【0014】
本発明の一つの態様の光パワーモニタ装置において、前記溝の内面のうち、前記曲線部の位置に対応する内面は光散乱性を有していてもよい。
この構成によれば、曲線部から漏れ出した光は、光散乱性を有する溝の内面で散乱反射し、あらゆる方向に向かって進行する。これにより、第1の光検出器の配置の自由度を高められる。
【0015】
本発明の一つの態様の光パワーモニタ装置において、前記溝の内面のうち、前記接続点の位置に対応する内面は光吸収性を有していてもよい。
この構成によれば、接続部から漏れ出した光は、光吸収性を有する溝の内面で吸収されて減衰する。これにより、意図しない漏れ光が第1の光検出器で検出されることを抑制できる。
【0016】
本発明の一つの態様の光パワーモニタ装置において、前記光検出器は、前記第1の光ファイバの前記曲線部と重なる位置に設けられていてもよい。
この構成によれば、曲線部で漏れ出した光を第1の光検出器に効率良く入射させることができる。
【0017】
本発明の一つの態様の光パワーモニタ方法は、接続点において互いに接続された入射側光ファイバおよび射出側光ファイバのうちの少なくとも一方の光ファイバである第1の光ファイバのクラッドの外側の少なくとも一部に、前記クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層を設け、前記第1の光ファイバの一部を湾曲させて曲線部とし、前記接続点から前記曲線部に向けて導光する出力光もしくは反射光の前記曲線部における漏れ光を検出することを特徴とする。
【0018】
本発明の一つの態様の光パワーモニタ方法においては、第1の光ファイバのクラッドの外側の少なくとも一部に、クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層を設けている。これにより、接続点で漏れた光は低屈折率層の内側、すなわち第1の光ファイバのクラッドおよびコアに閉じ込められる。低屈折率層の内側に閉じ込められた光は曲線部に達し、光の一部が曲線部で漏れ出す。この漏れ光を検出する。例えば、第1の光ファイバが入射側光ファイバであったとすると、接続点で漏れた反射光が曲線部で漏れだし、検出される。一方、接続点で漏れた出力光は、第1の光ファイバとは反対側に進むため、曲線部にはほとんど存在しない。このように、本発明の一つの態様によれば、出力光もしくは反射光のパワーを精度良くモニタできる光パワーモニタ方法を実現できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一つの態様によれば、出力光もしくは反射光のパワーを精度良くモニタできる光パワーモニタ装置および光パワーモニタ方法を実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、
図1〜
図3を用いて説明する。
本実施形態では、出力光のパワーと反射光のパワーとの双方をモニタできる光パワーモニタ装置の一つの例を示す。
図1は、第1実施形態の光パワーモニタ装置の断面図である。
図2は、光パワーモニタ装置の側面図である。
図3は、光パワーモニタ装置の作用を説明するための図である。
以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
【0022】
図1および
図2に示すように、第1実施形態の光パワーモニタ装置1は、入射側光ファイバ2と、射出側光ファイバ3と、支持部材4と、充填材5と、反射光モニタ用光検出器6と、出力光モニタ用光検出器7と、を備える。入射側光ファイバ2と射出側光ファイバ3とは、互いに融着接続されている。矢印Lで示すように、光は、入射側光ファイバ2から射出側光ファイバ3に向けて進行する。以下、互いに融着接続されて一体となった入射側光ファイバ2および射出側光ファイバ3を、光ファイバ8と称する。また、入射側光ファイバ2の端面と射出側光ファイバ3の端面とが互いに接触し、融着接続された面を、接続点Jと称する。
本実施形態の反射光モニタ用光検出器6は、特許請求の範囲の第1の光検出器に対応する。本実施形態の出力光モニタ用光検出器7は、特許請求の範囲の第2の光検出器に対応する。
【0023】
入射側光ファイバ2は、接続点J側から光入射側を見ると、接続点Jから所定の距離F1だけ直線状に延び、接続点Jから所定の距離F1離れた位置から円弧状に曲げられている。すなわち、入射側光ファイバ2は、接続点Jから入射側光ファイバ2が湾曲し始める位置までの間の直線部2Aと、入射側光ファイバ2が湾曲した曲線部2Bと、を有する。以下、接続点J側から見て入射側光ファイバ2が湾曲し始める位置を湾曲開始点Sと称する。すなわち、湾曲開始点Sは、曲線部2Bの端部であり、直線部2Aと曲線部2Bとの境界である。
【0024】
一方、射出側光ファイバ3は、曲線部を持たず、直線状に延びている。すなわち、射出側光ファイバ3は、直線部3Aを有する。具体例として、例えば入射側光ファイバ2の直線部2Aの長さF1は35mmであり、曲線部2Bの曲率半径Rは30mmである。
本実施形態の入射側光ファイバ2は、特許請求の範囲の第1の光ファイバに対応する。本実施形態の射出側光ファイバ3は、特許請求の範囲の第2の光ファイバに対応する。
【0025】
光ファイバ8は、コア10と、コア10を取り囲むクラッド11と、の2層構造を有する。クラッド11の外側は、被覆12で覆われている。コア10、クラッド11および被覆12の構成材料は、一般的な光ファイバに用いられるものである。被覆12は、クラッド11の屈折率よりも高い屈折率を有する材料で構成されている。接続点Jから所定の距離の範囲内では、被覆12が剥離され、クラッド11が剥き出しになっている。具体例として、例えばコア10の直径は8μmであり、クラッド11の直径は125μmであり、コア10のNAは0.06である。
【0026】
入射側光ファイバ2のクラッド11の外側に、クラッド11の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層13が設けられている。低屈折率層13の厚さは、例えば3μm程度である。低屈折率層13の材料として、例えばフッ素、ボロン等のドーパントを添加したガラス等を用いることができる。
図1では、低屈折率層13は、入射側光ファイバ2のクラッド11の表面の全てに設けられているが、接続点Jと湾曲開始点Sとの間の直線部2Aに少なくとも設けられていればよい。また、低屈折率層13は、必ずしも直線部2Aの全てに設けられていなくてもよく、直線部2Aの一部に設けられていてもよい。低屈折率層13が直線部2Aの一部に設けられる場合、低屈折率層13が設けられる位置は特に限定されない。ただし、接続点Jからの漏れ光をより確実に閉じ込めるためには、低屈折率層13が直線部2Aの接続点Jに近い側の一部に設けられることが好ましい。
【0027】
支持部材4は、光ファイバ8を支持し、特に接続点J近傍の強度を補強する補強材として機能する。図面では、支持部材4は直方体状の部材として示されているが、支持部材4の形状は特に直方体に限定されない。支持部材4の上面には、光ファイバ8を内部に収容できるだけの大きさの溝4Mが設けられている。光ファイバ8は、溝4Mの内部に収容された状態で支持部材4に固定されている。支持部材4は、例えば黒アルマイト処理が施されたアルミニウムで構成されている。本実施形態では、溝4Mの形状は光ファイバ8の形状に対応して直線部と曲線部とを有している。溝4Mの幅は例えば1mmである。ただし、溝4Mの形状および幅は、特に上記のものに限定されない。
【0028】
充填材5は、光ファイバ8の周囲を埋めるように溝4Mの内部に充填されている。光ファイバ8のうち、接続点Jの近傍部分は被覆12が剥離されているため、接続点Jの近傍部分の充填材5は、射出側光ファイバ3ではクラッド11と直接接触し、入射側光ファイバ2では低屈折率層13と直接接触する。充填材5は、クラッド11の屈折率と等しい屈折率、もしくはクラッド11の屈折率よりも高い屈折率を有する材料で構成されている。充填材5には、例えば樹脂材料を用いてもよいし、ガラスを用いてもよい。充填材5に樹脂材料を用いた場合、樹脂材料を溝に流し込んだ後で硬化させる方法で充填材5を形成することができる。この場合、充填材5を溝4Mに隙間なく埋め込むことができるという利点が得られる。
【0029】
図2に示すように、溝4Mの内壁面には微細な凹凸が設けられている。これにより、溝4Mの内壁面に光散乱性が付与されている。ただし、溝4Mの内壁面の全てに光散乱性が付与されていなくてもよく、溝4Mの内壁面のうち、少なくとも入射側光ファイバ2の曲線部2Bと対向する部分に光散乱性が付与されていればよい。あるいは、溝4Mの内壁面に光散乱性を付与する手段として、例えば光散乱性を有する他の部材、いわゆる散乱体を溝4Mの内部に挿入してもよい。この種の部材として、例えば光散乱性を有する結晶化ガラスからなる散乱体を用いることができる。一方、溝4Mの内壁面のうち、接続点Jの近傍の内壁面は光吸収性を有していてもよい。
【0030】
図2に示すように、反射光モニタ用光検出器6は、光ファイバ8の上方、すなわち、支持部材4の溝4Mが設けられた面と対向して設けられている。
図1に示すように、反射光モニタ用光検出器6は、支持部材4の溝4Mが設けられた面と垂直な方向から見て、入射側光ファイバ2の曲線部2Bと重なる位置に設けられている。反射光モニタ用光検出器6は、例えば湾曲開始点Sからの距離T1が10mmとなる曲線部2Bの上方に設けられている。
【0031】
図2に示すように、出力光モニタ用光検出器7は、反射光モニタ用光検出器6と同様、光ファイバ8の上方、すなわち、支持部材4の溝4Mが設けられた面と対向して設けられている。出力光モニタ用光検出器7は、平面視したときに、具体的には支持部材4の溝4Mが設けられた面と垂直な方向から見たときに、射出側光ファイバ3と重なる位置に設けられている。
図1に示すように、出力光モニタ用光検出器7は、例えば接続点Jからの距離T2が10mmとなる射出側光ファイバ3の上方に設けられている。反射光モニタ用光検出器6および出力光モニタ用光検出器7として、例えば赤外用フォトダイオードを用いることができるが、その他の光検出器を用いてもよい。
【0032】
上述したように、ファイバレーザを例えばレーザ加工に用いた場合、材料の加工中に加工面からの反射光がファイバレーザに戻ると、出力光パワーが変動し、加工特性が劣化する場合がある。そのため、反射光パワーおよび出力光パワーをモニタするための光パワーモニタ装置が必要になる。ところが、従来の光パワーモニタ装置では、光ファイバの接続点近傍に出力光モニタ用と反射光モニタ用の2つの光検出器が互いに近接して配置されていた。そのため、接続点から漏れた出力光と反射光とが双方の光検出器にそれぞれ入射する結果、検出精度が低下するという問題があった。
【0033】
これに対し、本実施形態の光パワーモニタ装置1においては、入射側光ファイバ2のクラッド11の外側に、クラッド11の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層13が設けられている。そのため、
図3に示すように、低屈折率層13がない場合には接続点Jから外部に漏れ出していた反射光Lrは、低屈折率層13によってクラッド11の内部に閉じ込められ、曲線部2Bに向かって進む。このように、反射光Lrを入射側光ファイバ2のクラッド11の内部に閉じ込めることにより、接続点Jから外部に漏れ出して出力光モニタ用光検出器7に検出される反射光Lrを大幅に低減することができる。その結果、出力光モニタ用光検出器7による出力光パワーの検出精度を高めることができる。ノイズとなる反射光をより低減するためには、接続点Jから僅かに漏れ出した反射光Lrが散乱しないよう、特に接続点Jの近傍の溝4Mの内壁面が光吸収性を有することが望ましい。
【0034】
入射側光ファイバ2の内部を進む反射光Lrは、直線部2Aを進む際には低屈折率層13とクラッド11との界面への入射角θ0が保存されたまま、界面での全反射を繰り返す。ところが、反射光Lrが曲線部2Bに入射すると、低屈折率層13とクラッド11との界面が曲がっていることにより、界面への反射光Lrの入射角θ1,θ2は、直線部2Aにおける入射角θ0よりも小さくなる。これにより、入射角θ1,θ2が臨界角よりも小さい反射光Lrは、曲線部2Bにおいて低屈折率層13の外に漏れ出す。低屈折率層13の外に漏れ出した反射光Lrは、
図2に示すように、被覆12および充填材5を透過して溝4Mの内壁面で散乱し、反射光モニタ用光検出器6に入射する。このようにして、反射光パワーは反射光モニタ用光検出器6で測定される。また、反射光モニタ用光検出器6は、平面視して曲線部2Bと重なる位置に配置されており、接続点Jから遠い位置にある。そのため、接続点Jから漏れ出して反射光モニタ用光検出器6に入射する出力光を大幅に低減することができる。その結果、反射光モニタ用光検出器6による反射光パワーの検出精度を高めることができる。
【0035】
以上述べたように、本実施形態の光パワーモニタ装置1によれば、出力光および反射光の漏れ光のそれぞれを分離した状態で検出することができる。これにより、出力光パワー、反射光パワーの双方を精度良くモニタできる光パワーモニタ装置を実現することができる。
【0036】
ファイバレーザを使用中に光パワーをモニタした結果、例えば反射光パワーが許容値を超えた場合、ファイバレーザの制御部がポンピングレーザに供給する駆動電流を下げる等の制御を行うようにしてもよい。このとき、制御部がAPC制御を行うようにしてもよい。光パワーモニタ装置により得られたモニタ結果をどのように利用するかについては、本発明において特に限定されるものではない。
【0037】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、
図4を用いて説明する。
第2実施形態の光パワーモニタ装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、反射光モニタ用光検出器の位置が第1実施形態と異なる。
図4は、第2実施形態の光パワーモニタ装置の側面図である。
図4において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0038】
第1実施形態では、支持部材の溝の内壁面に光散乱性が付与されていた。これに対して、
図4に示すように、本実施形態の光パワーモニタ装置21では、支持部材22の溝22Mの内壁面に光散乱性が付与されていない。つまり、溝22Mの内部に散乱体が存在せず、溝22Mの内壁面は平滑な面である。さらに、支持部材22は、ガラス、透明樹脂等の光透過性を有する材料で構成されている。反射光モニタ用光検出器6は、支持部材22の側面と対向し、かつ、曲線部2Bの外側に対応する位置に配置されている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0039】
第1実施形態の
図3に示したように、曲線部2Bから漏れ出す反射光Lrは、基本的には、入射側光ファイバ2の直線部2Aと曲線部2Bとを含む仮想平面(
図3の紙面)内において曲線部2Bの外側に向けて進む。したがって、本実施形態の場合、
図4に示すように、曲線部2Bから漏れ出す反射光Lrは、溝22Mの内壁面で散乱することなく、支持部材22を透過して反射光モニタ用光検出器6に入射する。
【0040】
本実施形態においても、出力光パワー、反射光パワーの双方を精度良くモニタできる光パワーモニタ装置を実現できるという第1実施形態と同様の効果が得られる。反射光モニタ用光検出器6を配置できるスペースの状況に応じて、第1実施形態の構成を採用してもよいし、第2実施形態の構成を採用してもよい。
【0041】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、
図5を用いて説明する。
第3実施形態の光パワーモニタ装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、入射側光ファイバ側の構成と射出側光ファイバ側の構成とを逆にしたものである。
図5は、第3実施形態の光パワーモニタ装置の断面図である。
図5において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0042】
図5に示すように、第3実施形態の光パワーモニタ装置31においては、第1実施形態と逆に、射出側光ファイバ3は、接続点Jから射出側光ファイバ3が湾曲し始める位置までの間の直線部3Aと、射出側光ファイバ3が湾曲した曲線部3Bと、を有する。入射側光ファイバ2は、曲線部を持たず、直線部のみを有する。射出側光ファイバ3のクラッド11の外側に、クラッド11の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層13が設けられている。出力光モニタ用光検出器7は、射出側光ファイバ3の曲線部3Bと重なる位置に設けられている。反射光モニタ用光検出器6は、入射側光ファイバ2の直線部と重なる位置に設けられている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0043】
本実施形態の場合、出力光を射出側光ファイバ3のクラッド11の内部に閉じ込めることにより、接続点Jから外部に漏れ出して反射光モニタ用光検出器6に検出される出力光を大幅に低減することができる。その結果、反射光モニタ用光検出器6による反射光パワーの検出精度を高めることができる。また、出力光モニタ用光検出器7が接続点Jから遠い位置にあるため、接続点Jから漏れ出して出力光モニタ用光検出器7に入射する反射光を大幅に低減することができる。その結果、出力光モニタ用光検出器7による出力光パワーの検出精度を高めることができる。
【0044】
本実施形態においても、出力光パワー、反射光パワーの双方を精度良くモニタできる光パワーモニタ装置を実現できるという第1、第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0045】
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について、
図6を用いて説明する。
第4実施形態の光パワーモニタ装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、入射側光ファイバ側の構成と射出側光ファイバ側の構成とを同様にしたものである。
図6は、第4実施形態の光パワーモニタ装置の断面図である。
図6において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0046】
図6に示すように、第4実施形態の光パワーモニタ装置41は、接続点を中心として入射側光ファイバ2側と射出側光ファイバ3側とが左右対称の構成を有する。すなわち、入射側光ファイバ2は直線部2Aと曲線部2Bとを有し、射出側光ファイバ3は直線部3Aと曲線部3Bとを有する。低屈折率層13は、入射側光ファイバ2および射出側光ファイバ3のクラッド11の外側に設けられている。反射光モニタ用光検出器6は、入射側光ファイバ2の曲線部2Bと重なる位置に設けられている。出力光モニタ用光検出器7は、射出側光ファイバ3の曲線部3Bと重なる位置に設けられている。
【0047】
本実施形態の場合、反射光を入射側光ファイバ2のクラッド11の内部に閉じ込めることにより、接続点Jから外部に漏れ出して出力光モニタ用光検出器7に検出される反射光を大幅に低減することができる。その結果、出力光モニタ用光検出器7による出力光パワーの検出精度を高めることができる。同様に、出力光を射出側光ファイバ3のクラッド11の内部に閉じ込めることにより、接続点Jから外部に漏れ出して反射光モニタ用光検出器6に検出される出力光を大幅に低減することができる。その結果、反射光モニタ用光検出器6による反射光パワーの検出精度を高めることができる。
【0048】
本実施形態においても、出力光パワー、反射光パワーの双方を精度良くモニタできる光パワーモニタ装置を実現できるという第1、第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0049】
[第5実施形態]
以下、本発明の第5実施形態について、
図7を用いて説明する。
第5実施形態の光パワーモニタ装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、反射光モニタ用光検出器の位置が第1実施形態と異なる。
図7は、第5実施形態の光パワーモニタ装置の側面図である。
図7において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
第1実施形態では、反射光モニタ用光検出器は、入射側光ファイバの曲線部と重なる位置に設けられていた。これに対して、
図7に示すように、第5実施形態の光パワーモニタ装置51では、反射光モニタ用光検出器6は、入射側光ファイバ2の直線部2Aと重なる位置に設けられている。具体的な一例として、反射光モニタ用光検出器6は、例えば湾曲開始点Sからの距離T1が5mmとなる直線部2Aの上方に設けられている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0051】
第1実施形態の
図2に示したように、曲線部2Bから漏れ出す反射光は、溝4Mの内壁面で散乱した後、反射光モニタ用光検出器6に入射する。そのため、反射光モニタ用光検出器6は、曲線部2Bの近傍に配置されることが望ましい。ただし、溝4Mの内壁面の光散乱の程度、光検出器の感度などの状況に応じて、本実施形態のように、反射光モニタ用光検出器6は、必ずしも曲線部2Bと重なる位置に設けられていなくてもよい。ただし、反射光モニタ用光検出器6の位置が接続点Jにあまりにも近いと、接続点Jから漏れる出力光のノイズが検出されやすくなる。したがって、反射光モニタ用光検出器6は、検出対象である反射光とノイズである出力光との比率を考慮しつつ、適切な位置に配置される必要がある。
【0052】
本実施形態においても、出力光パワー、反射光パワーの双方を精度良くモニタできる光パワーモニタ装置を実現できるという第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0053】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば上記実施形態では、出力光パワー、反射光パワーの双方をモニタできる光パワーモニタ装置の例を挙げた。この構成に代えて、出力光モニタ用光検出器、反射光モニタ用光検出器のいずれか一方のみを備え、出力光パワー、反射光パワーのいずれか一方のみをモニタする光パワーモニタ装置に本発明を適用してもよい。
その他、光パワーモニタ装置の各構成要件の形状、寸法、配置、材料に関する具体的な記載は、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。
【解決手段】本発明の光パワーモニタ装置1は、接続点Jにおいて互いに接続された入射側光ファイバ2および射出側光ファイバ3のうちの少なくとも一方の光ファイバであって、曲線部2Bと、曲線部2Bの端部(湾曲開始点S)から接続点Jまでの間の直線部2Aと、を有する第1の光ファイバと、第1の光ファイバのクラッド11の外側であって直線部2Aの少なくとも一部に設けられ、クラッド11の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層13と、少なくとも曲線部2Bの近傍に設けられた第1の光検出器(反射光モニタ用光検出器6)と、を備える。