特許第5873554号(P5873554)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5873554キラルジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤の調製プロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5873554
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】キラルジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤の調製プロセス
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20160216BHJP
   A61K 31/4162 20060101ALN20160216BHJP
   A61P 3/10 20060101ALN20160216BHJP
   A61P 43/00 20060101ALN20160216BHJP
【FI】
   C07D487/04 138
   !A61K31/4162
   !A61P3/10
   !A61P43/00 111
【請求項の数】2
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-518880(P2014-518880)
(86)(22)【出願日】2012年6月25日
(65)【公表番号】特表2014-520802(P2014-520802A)
(43)【公表日】2014年8月25日
(86)【国際出願番号】US2012043924
(87)【国際公開番号】WO2013003250
(87)【国際公開日】20130103
【審査請求日】2015年1月8日
(31)【優先権主張番号】61/502,497
(32)【優先日】2011年6月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596129215
【氏名又は名称】メルク・シャープ・アンド・ドーム・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Merck Sharp & Dohme Corp.
(73)【特許権者】
【識別番号】390035482
【氏名又は名称】メルク シャープ エンド ドーム リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】230105223
【弁護士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ザクト,マイケル,ジエイ
(72)【発明者】
【氏名】ダン,ロバート,エフ
(72)【発明者】
【氏名】モーメント,アーロン,ジエイ
(72)【発明者】
【氏名】ジエイニー,ジエイコブ,エム
(72)【発明者】
【氏名】リーバーマン,デイビツド
(72)【発明者】
【氏名】シーン,フエイ
(72)【発明者】
【氏名】ブレマイヤー,ナデイン
(72)【発明者】
【氏名】スコツト,ジエレミー
(72)【発明者】
【氏名】クーテ,ジエフリー,テイー
(72)【発明者】
【氏名】タン,ルシ
(72)【発明者】
【氏名】チエン,チンハオ
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/037793(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/056708(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D487/00−491/22
A61K 31/33− 33/44
A61P 1/00− 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式Iの化合物:
【化37】

[式中、Rは、C1−6アルキルおよびC3−6シクロアルキルからなる群より選択され;および
Wは、水素;P(Pの場合はアミン保護基である);または
【化38】

(式中、Rは、水素もしくはPであり、Pの場合はアミン保護基である)である]を調製するための方法であって;
式IIIの化合物:
【化39】

のスルホニル化、及び
式I’および式Iの化合物の混合物:
【化40】

の異性化、を含み、
ここで、前記式IIIの化合物のスルホニル化、およびスルホニル化された式IIIの異性化は、少なくとも1つの適切な有機溶媒中で、式IIIの化合物をスルホニル化剤および少なくとも1つの塩基と混合することを含む、2段階工程で行われる方法であり、
ここで、前記第一段階が、前記式IIIの化合物、スルホニル化剤、及び第一の塩基を、適切な第一の溶媒中で混合することを含む、前記式IIIの化合物のスルホニル化であり、前記スルホニル化剤がMsClであり、前記第一の塩基がTEAであり、および前記第一の溶媒がMeTHFであり
そして、
前記第二段階が、メシル化された式IIIの化合物と第二の塩基とを適切な第二の溶媒中で混合することを含む、式Iおよび式I’の化合物の混合物の異性化であり、ここで、前記第二の塩基が、KOtBuまたはNaHMDSであり、そして前記第二の溶媒が、MeTHFまたはDMAcである、方法。
【請求項2】
式Iの70%より高い転化を生じさせる結果となる、請求項1に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2型糖尿病の治療用のジペプチジルペプチダーゼ−IV(DPP−4)阻害剤の製造に有用な中間体であるピラゾロピロリジンの新規調製プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、医薬活性ピラゾロピロリジンの製造における新規合成方法、および医薬活性化合物の製造におけるピラゾロピロリジン中間体に関する。本発明は、さらに、本開示プロセスにおいて有用な中間体に関する。
【0003】
ピラゾロピロリジンの合成は以前にPCT国際特許出願国際公開第2010/056708号に記載されている。国際公開第2010/056708号の中間体6に関して教示した合成は、式IaおよびIbの生成物の1:1混合物を生じさせた。
【化1】
【0004】
国際公開第2010/056708号では、カラムクロマトグラフィーにより所望の生成物Ibを分割する追加の段階を教示していた。
【0005】
国際公開第2010/056708号に記載した構造式Ibのピラゾロピロリジンは、式IIbのような有効なDPP−IV阻害剤:
【化2】
【0006】
を合成するためのプロセスで使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】PCT国際特許出願国際公開第2010/056708号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
より大きなパーセンテージの所望のピラゾロピロリジン位置異性体生成物を生じさせる位置異性体選択的プロセスが望まれた。本発明者らは、今般、ピラゾロピロリジンのスルホニル化、およびスルホニル化されたピラゾロピロリジンの異性化を含む、効率的な位置異性体選択的プロセスを発見した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、構造式Iの位置異性体選択的ピラゾロピロリジン:
【化3】
【0010】
[式中、Rは、C1−6アルキルおよびC3−6シクロアルキルからなる群より選択され;そして
Wは、水素;P(Pの場合はアミン保護基である);および
【化4】
【0011】
(式中、Rは、水素もしくはPであり、Pの場合はアミン保護基である)
からなる群から選択される]を調製するためのプロセスに関する。
【0012】
前記プロセスは、ピラゾロピロリジンのスルホニル化、およびスルホニル化されたピラゾロピロリジンの異性化を含む。反応条件に依存して、前記プロセスを一段階プロセスまたは二段階プロセスで行うことができる。
【0013】
ある実施形態において、前記スルホニル化は、具体的にはメシル化である。前記プロセスが、一段階すなわち「ワンポット」プロセスである一定の実施形態において、前記プロセスは、ピラゾロピロリジンのメシル化、およびメシル化されたピラゾロピロリジンの異性化を含む。前記プロセスが二段階プロセスである他の実施形態において、第一段階は、ピラゾロピロリジンのメシル化であり、第二段階は、メシル化されたピラゾロピロリジンの異性化である。
【0014】
更に、ここで記載されているのは、WがHである構造式Iのピラゾロピロリジンから誘導される新規塩である。かかる塩を、国際公開第2010/056708号パンフレットに記載の構造式IIのジペプチジルペプチダーゼ−IV(DPP−4)阻害剤の調製の際に使用することができる。
【化5】
【0015】
(式中、Arは、1から5個のR置換基で置換されていてもよいフェニルであり;
各Rは、
フッ素、
塩素、
1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル、および
1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、からなる群より独立して選択される)。
【0016】
式IIのかかるDPP−IV阻害剤は、2型糖尿病の治療に有用である。DPP−4阻害剤は、テトラヒドロピラン−5−オンの還元的アミノ化および第一級アミン保護基の除去によって合成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のプロセスは、構造式Iの化合物:
【化6】
【0018】
[式中、Rは、C1−6アルキルおよびC3−6シクロアルキルからなる群より選択され;そして
Wは、水素;P(Pの場合はアミン保護基である);および
【化7】
【0019】
(式中、Rは、水素もしくはPであり、Pの場合はアミン保護基である)からなる群より選択される]
の調製を含み、この調製は、
(a)式IIIの化合物のスルホニル化:
【化8】
【0020】
(b)スルホニル化された式IIIの異性化:
【化9】
【0021】
(c)構造式Iの化合物の生成:
【化10】
【0022】
を含む。
【0023】
本明細書に記載する化合物の構造式において用いる場合、Pはアミン保護基である。適切な第一級アミン保護基の例としては、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、9−フルオレニルメチル−オキシカルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(Allyloc)、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルアセチル、ホルミル、フタロイル、ベンゾイル、フェニル、低級アルキル、例えばメチル、エチルまたはt−ブチル、およびピバロイルが挙げられるが、これらに限定されない。アミン保護基の一実施形態はBocであり、これは、HCl水溶液、硫酸、HBr、HBF、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、および有機溶媒中のトリフルオロ酢酸のような酸性条件下で除去できる。
【0024】
更に記載されているのは、構造式Icの化合物:
【化11】
【0025】
[式中、Wは、水素;P(Pの場合はアミン保護基である);および
【化12】
【0026】
(式中、Rは、水素またはPであり、Pの場合はアミン保護基である)からなる群より選択される]
の調製プロセスであり、このプロセスは、
(a)式IIIの化合物のメシル化:
【化13】
【0027】
(b)メシル化された式IIIの異性化:
【化14】
【0028】
(c)構造式Icの化合物の生成:
【化15】
【0029】
を含む。
【0030】
反応条件に依存して、前記スルホニル化またはメシル化と、及びスルホニル化またはメシル化されたピラゾロピロリジンの異性化と、を一段階プロセスまたは二段階プロセスで行うことができる。
【0031】
一段階プロセス
ある実施形態において、本明細書に記載するプロセスは、一段階、すなわち「ワンポット」プロセスで式IIIの化合物のようなピラゾロピロリジンをスルホニル化して、そのスルホニル化されたピラゾロピロリジンをさらに異性化する、一段階プロセスである。前記一段階は、式IIIの化合物のようなピラゾロピロリジンとスルホニル化剤および少なくとも1つの塩基とを適切な溶媒中で組み合わせることを含む。
【0032】
ある実施形態において、前記プロセスは、一段階、すなわち「ワンポット」プロセスで式IIIの化合物のようなピラゾロピロリジンをメシル化してそのメシル化されたピラゾロピロリジンをさらに異性化する、一段階プロセスである。前記一段階は、式IIIの化合物のようなピラゾロピロリジンと、メシル化剤および塩基とを適切な溶媒系中で組み合わせることを含む。
【0033】
適切なスルホニル化剤としては、RSOCl、RSOBrおよびRSO−O−SO
【化16】
【0034】
[式中、Rは、C1−6アルキルおよびC3−6シクロアルキルからなる群より選択される]
が挙げられるが、これらに限定されない。Rがアルキルである場合、適切なアルキルとしては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。Rがシクロアルキルである場合、適切なシクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
適切なメシル化剤としては、MsCl、MsBr、Ms−O−Ms、
【化17】
【0036】
が挙げられるが、これらに限定されない。前記一段階プロセスのための特定の適切なメシル化剤は、MsClである。
【0037】
適切な塩基としては、TMG、LDA、CsCO、KPO、NaCO、KCO、iPrMgCl、TEA、DABCO、DMAP、DBU、KOtBu、ヒューニッヒ塩基(iPrNEt)、NaHMDS、CsCOが挙げられるが、これらに限定されない。前記一段階プロセスに特に適する塩基は、TEAまたはNaHMDSである。
【0038】
適切な溶媒としては、EtOAc、IPAc、NMP、DMF、DMAc、IPA、MeCN、MeOH、MTBE、PhMe、THF、MeTHFおよびこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。特定の適切な溶媒としては、MeTHF、THFおよびDMAcが挙げられる。前記一段階プロセスに特に適切な溶媒は、THFおよびDMAcまたはこれらの組み合わせである。
【0039】
前記プロセスが、式IIIの化合物のようなピラゾロピロリジンのスルホニル化またはメシル化と、スルホニル化またはメシル化されたピラゾロピロリジンの異性化と、を含む一段階プロセスである一定の実施形態において、前記一段階は、式IIIの化合物のようなピラゾロピロリジンの70%より多くを、式Iのような所望のスルホン化またはメシル化異性体に転化させるように、式IIIの化合物のようなピラゾロピロリジンとスルホニル化剤またはメシル化剤および塩基とを適切な有機溶媒中で組み合わせることを含む。もう1つの実施形態では、式IIIの化合物のような前記ピラゾロピロリジンの75%より多くを、式Iのような所望のスルホン化またはメシル化異性体に転化させる。もう1つの実施形態では、式IIIの化合物のような前記ピラゾロピロリジンの80%より多くを、式Iのような所望のスルホン化またはメシル化異性体に転化させる。もう1つの実施形態では、式IIIの化合物のような前記ピラゾロピロリジンの85%より多くを、式Iのような所望のスルホン化またはメシル化異性体に転化させる。もう1つの実施形態では、式IIIの化合物のような前記ピラゾロピロリジンの90%より多くを、式Iのような所望のスルホン化またはメシル化異性体に転化させる。もう1つの実施形態では、式IIIの化合物のような前記ピラゾロピロリジンの91%より多くを、式Iのような所望のスルホン化またはメシル化異性体に転化させる。もう1つの実施形態では、式IIIの化合物のような前記ピラゾロピロリジンの92%より多くを、式Iのような所望のスルホン化またはメシル化異性体に転化させる。もう1つの実施形態では、式IIIの化合物のような前記ピラゾロピロリジンの93%より多くを、式Iのような所望のスルホン化またはメシル化異性体に転化させる。もう1つの実施形態では、式IIIの化合物のような前記ピラゾロピロリジンの94%より多くを、式Iのような所望のスルホン化またはメシル化異性体に転化させる。もう1つの実施形態では、式IIIの化合物のような前記ピラゾロピロリジンの95%より多くを、式Iのような所望のスルホン化またはメシル化異性体に転化させる。
【0040】
一実施形態では、式IIIの化合物を、THFおよびDMAc中で、式IIIの70%より多くが式Icに転化されるまでMsClおよびNaHMDSと組み合わせる。一実施形態では、式IIIの化合物を、THFおよびDMAc中で、式IIIの75%より多くが式Icに転化されるまでMsClおよびNaHMDSと組み合わせる。一実施形態では、式IIIの化合物を、THFおよびDMAc中で、式IIIの80%より多くが式Icに転化されるまでMsClおよびNaHMDSと組み合わせる。一実施形態では、式IIIの化合物を、THFおよびDMAc中で、式IIIの85%より多くが式Icに転化されるまでMsClおよびNaHMDSと組み合わせる。一実施形態では、式IIIの化合物を、THFおよびDMAc中で、式IIIの90%より多くが式Icに転化されるまでMsClおよびNaHMDSと組み合わせる。一実施形態では、式IIIの化合物を、THFおよびDMAc中で、式IIIの91%より多くが式Icに転化されるまでMsClおよびNaHMDSと組み合わせる。一実施形態では、式IIIの化合物を、THFおよびDMAc中で、式IIIの92%より多くが式Icに転化されるまでMsClおよびNaHMDSと組み合わせる。一実施形態では、式IIIの化合物を、THFおよびDMAc中で、式IIIの93%より多くが式Icに転化されるまでMsClおよびNaHMDSと組み合わせる。一実施形態では、式IIIの化合物を、THFおよびDMAc中で、式IIIの94%より多くが式Icに転化されるまでMsClおよびNaHMDSと組み合わせる。一実施形態では、式IIIの化合物を、THFおよびDMAc中で、式IIIの95%より多くが式Icに転化されるまでMsClおよびNaHMDSと組み合わせる。
【0041】
二段階プロセス
他の実施形態において、前記プロセスは、第一段階が式IIIの化合物のようなピラゾロピロリジンのスルホニル化を含む、二段階プロセスである。前記スルホニル化段階は、適切な第一の有機溶媒中で、前記ピラゾロピロリジンをスルホニル化剤および第一の塩基と組み合わせることを含む。第二段階は、スルホニル化されたピラゾロピロリジンと第二の塩基とを適切な第二の有機溶媒中で組み合わせることを含む、スルホニル化されたピラゾロピロリジンの異性化である。
【0042】
他の実施形態において、前記プロセスは、本発明の前記プロセスの第一段階が式IIIの化合物のようなピラゾロピロリジンのメシル化である、二段階プロセスである。一実施形態において、本発明の前記プロセスにおける第一段階は、メシル化剤および第一の塩基を適切な第一の有機溶媒中で組み合わせる、式IIIの化合物のようなピラゾロピロリジンのメシル化である。
【0043】
適切なスルホニル化剤としては、RSOCl、RSOBrおよびRSOCl−O−RSOCl、
【化18】
【0044】
[式中、Rは、C1−6アルキルおよびC3−6シクロアルキルからなる群より選択される]が挙げられるが、これらに限定されない。Rがアルキルである場合、適切なアルキルとしては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。Rがシクロアルキルである場合、適切なシクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
適切なメシル化剤としては、MsCl、MsBr、Ms−O−Ms、
【化19】
【0046】
が挙げられるが、これらに限定されない。前記二段階プロセスのための特定の適切なメシル化剤は、MsClである。
【0047】
適切な第一の塩基としては、TMG、LDA,CsCO、KPO、NaCO、KCO、iPrMgCl、TEA、DABCO、DMAP、DBU、KOtBu、ヒューニッヒ塩基、NaHMDS、CsCOが挙げられるが、これらに限定されない。前記スルホニル化段階に特に適切な第一の塩基は、TEA、KOtBuまたはNaHMDSである。前記メシル化段階に特に適切な第一の塩基は、TEA、KOtBuまたはNaHMDSである。前記二段階プロセスに特に適切な第一の塩基は、KOtBuである。
【0048】
適切な第一の溶媒としては、EtOAc、IPAc、NMP、DMF、DMAc、IPA、MeCN、MeOH、MTBE、PhMe、THF、MeTHFおよびこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。特定の適切な第一の溶媒としては、MeTHF、THFおよびDMAcが挙げられる。前記二段階プロセスに特に適切な第一の溶媒は、MeTHFである。
【0049】
前記プロセスが二段階プロセスである実施形態において、本発明の前記プロセスの第一段階は、式IIIの化合物のようなピラゾロピロリジンの90%より多くをスルホニル化またはメシル化された化合物、例えば、化合物I’およびIまたはI’cおよびIcに転化させるように、式IIIとスルホニル化またはメシル化剤および第一の塩基とを適切な第一の有機溶媒中で組み合わせることによる、式IIIの化合物のようなピラゾロピロリジンのスルホニル化またはメシル化である。もう1つの実施形態では、前記ピラゾロピロリジンの91%より多くを前記スルホニル化またはメシル化された化合物に転化させる。もう1つの実施形態では、前記ピラゾロピロリジンの92%より多くを前記スルホニル化またはメシル化された化合物に転化させる。もう1つの実施形態では、前記ピラゾロピロリジンの93%より多くを前記スルホニル化またはメシル化された化合物に転化させる。もう1つの実施形態では、前記ピラゾロピロリジンの94%より多くを前記スルホニル化またはメシル化された化合物に転化させる。もう1つの実施形態では、前記ピラゾロピロリジンの95%より多くを前記スルホニル化またはメシル化された化合物に転化させる。もう1つの実施形態では、前記ピラゾロピロリジンの96%より多くを前記スルホニル化またはメシル化された化合物に転化させる。もう1つの実施形態では、前記ピラゾロピロリジンの97%より多くを前記スルホニル化またはメシル化された化合物に転化させる。もう1つの実施形態では、前記ピラゾロピロリジンの98%より多くを前記スルホニル化またはメシル化された化合物に転化させる。もう1つの実施形態では、前記ピラゾロピロリジンの99%より多くを前記スルホニル化またはメシル化された化合物に転化させる。
【0050】
前記プロセスが二段階プロセスである、一実施形態において、前記第一段階は、化合物Ic’およびIcへの90%より高い転化が達成されるまで、MeTHF中でMsClを式IIIとトリエチルアミンの混合物に添加することによる、式IIIのメシル化である。もう1つの実施形態では、化合物Ic’およびIcへの91%より高い転化が達成されるまで、式IIIを、MeTHF中で、MsClとトリエチルアミンとの混合物に添加する。もう1つの実施形態では、化合物Ic’およびIcへの92%より高い転化が達成されるまで、式IIIを、MeTHF中で、MsClとトリエチルアミンとの混合物に添加する。もう1つの実施形態では、化合物Ic’およびIcへの93%より高い転化が達成されるまで、式IIIを、MeTHF中で、MsClとトリエチルアミンとの混合物に添加する。もう1つの実施形態では、化合物Ic’およびIcへの94%より高い転化が達成されるまで、式IIIを、MeTHF中で、MsClとトリエチルアミンとの混合物に添加する。もう1つの実施形態では、化合物Ic’およびIcへの95%より高い転化が達成されるまで、式IIIを、MeTHF中で、MsClとトリエチルアミンとの混合物に添加する。
【0051】
もう1つの実施形態では、化合物Ic’およびIcへの96%より高い転化が達成されるまで、式IIIを、MeTHF中で、MsClとトリエチルアミンとの混合物に添加する。もう1つの実施形態では、化合物Ic’およびIcへの97%より高い転化が達成されるまで、式IIIを、MeTHF中で、MsClとトリエチルアミンとの混合物に添加する。もう1つの実施形態では、化合物Ic’およびIcへの98%より高い転化が達成されるまで、式IIIを、MeTHF中で、MsClとトリエチルアミンとの混合物に添加する。もう1つの実施形態では、化合物Ic’およびIcへの99%より高い転化が達成されるまで、式IIIを、MeTHF中で、MsClとトリエチルアミンとの混合物に添加する。
【0052】
前記プロセスが二段階プロセスである1つの実施形態において、前記第二段階は、スルホニル化されたピラゾロピロリジン、例えば式I’およびIの化合物の、適切な第二の有機溶媒中での適切な第二の塩基を用いた異性化である。一実施形態において、本発明のプロセスにおける第二段階は、メシル化されたピラゾロピロリジン、例えば式Ic’およびIcの化合物の適切な第二の有機溶媒中での適切な第二の塩基を用いた異性体化である。
【0053】
前記異性体化段階に適切な第二の塩基としては、TMG、LDA、CsCO、LDA、KPO、NaHMDS、NaCO、KCO、iPrMgCl、TEA、DABCO、DMAP、DBU、NaOtBu、KOtBu、BuOH、ヒューニッヒ塩基、NaOHが挙げられるが、これらに限定されない。前記異性体化段階に特に適切な第二の塩基は、NaHMDSまたはKOtBuである。
【0054】
適切な第二の溶媒としては、EtOAc、IPAc、NMP、DMF、DMAc、IPA、MeCN、MeOH、MTBE、PhMe、THF、MeTHFおよびこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。特に適切な第二の溶媒はDMAcである。
【0055】
一実施形態では、IへのI’およびIの70%より高い転化が達成されるまで、適切な第二の塩基をI’とIの混合物および第二の溶媒に添加する。一実施形態では、IへのI’およびIの75%より高い転化が達成されるまで、I’とIの混合物を適切な第二の塩基および第二の溶媒に添加する。一実施形態では、IへのI’およびIの80%より高い転化が達成されるまで、適切な第二の塩基をI’とIの混合物および第二の溶媒に添加する。一実施形態では、IへのI’およびIの85%より高い転化が達成されるまで、I’とIの混合物を適切な第二の塩基および第二の溶媒に添加する。一実施形態では、IへのI’およびIの90%より高い転化が達成されるまで、I’とIの混合物を適切な第二の塩基および第二の溶媒に添加する。一実施形態では、IへのI’およびIの95%より高い転化が達成されるまで、I’とIの混合物を適切な第二の塩基および第二の溶媒に添加する。一実施形態では、IへのI’およびIの96%より高い転化が達成されるまで、I’とIの混合物を適切な第二の塩基および第二の溶媒に添加する。一実施形態では、IへのI’およびIの96%より高い転化が達成されるまで、I’とIの混合物を適切な第二の塩基および第二の溶媒に添加する。一実施形態では、IへのI’およびIの97%より高い転化が達成されるまで、I’とIの混合物を適切な第二の塩基および第二の溶媒に添加する。一実施形態では、IへのI’およびIの98%より高い転化が達成されるまで、I’とIの混合物を適切な第二の塩基および第二の溶媒に添加する。一実施形態では、IへのI’およびIの99%より高い転化が達成されるまで、I’とIの混合物を適切な第二の塩基および第二の溶媒に添加する。
【0056】
DPP−IV阻害剤の製造方法
本発明は、さらに、式IIaのDPP IV阻害剤:
【化20】
【0057】
(式中、Arは、1から5個のR置換基で置換されていてもよいフェニルであり;
各Rは、
フッ素、
塩素、
1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルキル、および
1から5個のフッ素で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、からなる群より独立して選択され;
は、C1−6アルキル;およびC3−6シクロアルキルからなる群より選択される)
の製造を含み、この製造は、
WがHであり、そして
が、C1−6アルキルおよびC3−6シクロアルキルからなる群より選択されるときの式Iの塩を形成する段階と、
式Ihと式IVのケトンとの還元的アミノ化によって式IIの化合物を形成する段階と、そして
式IIの保護基を除去して式IIaの化合物を形成する段階と、
を含む。
【化21】
【0058】
本明細書に記載する化合物の構造式において用いる場合、Rは、C1−6アルキルおよびC3−6シクロアルキルからなる群より選択される。一実施形態において、RはC1−6アルキルである。適切なアルキルとしては、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。もう1つの実施形態において、RはC3−6シクロアルキルである。適切なシクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
前記第一段階は、脱保護して式Iの化合物の塩を形成する段階である。前記第二段階は、その塩形態の式Iの化合物および適切なケトンを使用して、還元的アミノ化プロセスにより式IIの化合物を形成する段階である。最終段階は、式IIの化合物の保護基を除去して式IIaの化合物を形成する段階である。
【0060】
ある実施形態において、本明細書に記載する化合物は、アミン保護基を有する。適切な第一級アミン保護基の例としては、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、9−フルオレニルメチル−オキシカルボニル(FMOC)、アセチル、ホルミル、フタロイル、ベンゾイル、フェニル、低級アルキル、例えばメチル、エチルまたはt−ブチル、およびピバロイルが挙げられるが、これらに限定されない。如何なる保護基を使用するのかにより、当分野において公知の方法を用いてその保護基を除去することができる。保護基を除去したら、当分野において公知の方法を用いて塩を形成することができる。一実施形態において、前記第一段階は、保護基の除去および塩の形成である。アミン保護基の1つの実施形態は、HCl水溶液、BSA、TSA、硫酸水溶液、および有機溶媒中のトリフルオロ酢酸のような酸性条件下で除去できるBocである。酸から出発することで操作をはるかに簡単にすることができる。
【化22】
【0061】
適切な酸としては、硫酸、トリフルオロ酢酸、HBr、HCl、RSOH(ここで、Rは、水素、C1−6アルキル、C1−6シクロアルキルまたはアリールである)が挙げられるが、これらに限定されない。適切なスルホン酸としては、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸(TSA)およびベンゼンスルホン酸(BSA)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい塩は、BSAである。
【0062】
適切な溶媒としては、EtOAc、IPAc、NMP、DMF、DMAc、i−PrAc、MeCN、MeOH、MTBE、PhMe、THF、MeTHFおよびこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。好ましい溶媒は、i−PrAcである(式1h中、X=PhSO)。
【0063】
一実施形態において、好ましい塩はBSAであり、溶媒はi−PrAcであり、ピラゾールBSA塩が得られる。
【0064】
その後、そのピラゾール塩を適切なケトンと組み合わせて、還元的アミノ化プロセスにより式IIの化合物を形成する。前記還元的アミノ化を媒介するための適切な還元剤としては、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、およびデカボランが挙げられるが、これらに限定されない。次いで、得られた化合物を脱保護して、式IIaの化合物を形成する。式IIaの化合物をさらに精製してもよい。好ましい精製方法は、式IIaの再結晶である。この精製段階は、有機不純物と無機不純物の両方を除去し、調合前に最終形態としおよび粒子性状を設定する。任意の適切な溶媒系中で再結晶を行うことができ、適切な溶媒としては、EtOAc、i−PrAc、NMP、DMF、DMAc、MeCN、MeOH、MTBE、PhMe、THF、ヘプタン、ヘキサン、MeTHFまたはこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態では、THF/ヘプタン溶媒系中で粒径制御しながら式IIの化合物の(形態II)から(形態I)への精製を行う。
【0065】
本新規プロセスを利用する代表的実験手順を下で説明する。例示の目的で、以下の実施例は、2−(メチルスルホニル)−2,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾールの調製に関する。しかし、本発明は、下で説明する実施例における特定の反応体および反応条件に限定されない。
【0066】
略号:
Ar=アリール
Boc=tert−ブチルオキシカルボニル
Bs=ベンゼンスルホニル
CDI=1,1’−カルボニルジイミダゾール
CHCl=ジクロロメタン
Cp=シクロペンタジエニル
CsCO=炭酸セシウム
d=日
DABCO=1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
DBU=1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DMAC=N,N−ジメチルアセトアミド
DMAP=4−ジメチルアミノピリジン
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
DMS=ジメチルスルフィド
Et=エチル
EtOAc=酢酸エチル
h=時間
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
i−PrAc=酢酸イソプロピル
iPr=イソプロピル
iPrMgCl=イソプロピルマグネシウムクロリド
L=リットル
PO=リン酸カリウム
CO=炭酸カリウム
KOtBu=カリウムt−ブトキシド
LDA=リチウムジイソプロピルアミド
MeCN=アセトニトリル
Me=メチル
MeOH=メタノール
MeTHF=メチル
min=分
mL=ミリリットル
Ms=メシル
MTBE=メチルtert−ブチルエーテル
NaCO=炭酸ナトリウム
NMP=N−メチル−2−ピロリドン
Ph=フェニル
PhMe=フェニルメチル
rt=室温
t−アミルOH=t−アミルアルコール
TEA=トリエチルアミン
THF=テトラヒドロフラン
TMG=1,1,3,3−テトラメチルグアニジン
一定の出発原料および試薬は、市販されているか、化学科学的または特許文献において公知である。精製手順としては、例えば、蒸留、結晶化および順相または逆相高速液体クロマトグラフィーが挙げられる。
【0067】
スキームI
【化23】
【0068】
式IIIの化合物を塩基および溶媒に添加する。冷却しながらスルホニル化剤を添加する。添加が完了した後、浴を取り外す。転化が完了した後、反応を停止させる。
【0069】
スキームII
【化24】
【0070】
式IIIの化合物を塩基および溶媒に添加する。冷却しながらスルホニル化剤を添加する。添加が完了した後、浴を取り外す。転化が完了した後、反応を停止させる。結果として生ずるI’とIの混合物を得、第二の塩基および溶媒を添加した。
【0071】
実施例1
【化25】
【0072】
100mLフラスコに2.09gの式IIIaのピラゾールおよび21mL DMFを投入した。得られた溶液を冷却し、16.5mLのNaHMDS溶液(THF中1.0M)を、T<−12℃となるように添加した。その後、その溶液をT=−20℃に冷却した。次いで、1.718gのMsClを4時間かけて添加した。得られた溶液を、T=−20℃で16時間熟成させて、転化率95%および選択率22:1となった。
【0073】
反応を水(40mL)でクエンチした。得られた溶液を分液漏斗に移し、i−PrAc(30mL)で抽出した。層を分離した後、水性/DMF層をi−PrAc(10mL)で抽出した。併せたi−PrAc層をアッセイし、2.5g全生成物であった(AY83%)。
【0074】
そのi−PrAc溶液を、10%LiCl(2x5mL)、次いで食塩水(5mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、全体積7mLに濃縮した。これを1mLのi−PrAcと共に、50mLフラスコに移した。結晶種を入れることにより結晶化を誘導した。n−ヘプタン(14mL)を2時間かけて添加した。得られたスラリーを14時間熟成させた。その生成物を濾過によって単離した。LC−MS:288.25(M+1)。
【0075】
実施例2
段階1
【化26】
【0076】
50mLフラスコに、IIIa(2.09g)、MeTHF(16mL)およびEtN(1.21g)を投入し、得られた溶液を氷浴で冷却した。MsCl(1.26g)をゆっくりと添加した。添加が完了したら、その溶液を10分間熟成させ、その結果、転化率>99%となった。
【0077】
反応を水(6mL)でクエンチし、水層を廃棄した。有機層を飽和食塩水(4mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、DMAcへの溶媒交換に付した。LC−MS:288.25(M+1)。
【0078】
段階2
【化27】
【0079】
50mLジャケット付き容器にDMAc(12mL)溶液を投入し、それをT=−10℃に冷却した。NaHMDS溶液(THF中0.5mL)を添加した。得られた溶液を、T=−10℃で16時間熟成させた。そのとき、Ie:Idの比は96:4であった。反応を1mLの15%クエン酸でクエンチし、その後、HO(16mL)をゆっくりと添加した。2時間後、結晶生成物Ieを濾過によって単離した。ケークを6:4 HO:DMAc(10mL)、次いでHO(10mL)で置換洗浄した。乾燥させることにより2.15gのIeを得た。LC−MS:288.25(M+1)。
【0080】
実施例3
段階1
【化28】
【0081】
段階1を、実施例2で説明したようにMeTHF中でMsClおよびEtNを用いて行った。処理後、その溶液をMeTHFと共に定体積/共沸条件下で蒸留により乾燥させ15mLの最終体積にし、段階2に進めた。LC−MS:288.25(M+1)。
【0082】
段階2
【化29】
【0083】
50mLジャケット付き溶液に乾燥MeTHF(12mL)溶液を投入し、それをT=−10℃に冷却した。KOtBu(0.056g)を固体として添加した。
【0084】
3時間後、その溶液を15重量%クエン酸水溶液(2.5mL)でクエンチし、その後、室温に温めた。層を分離し、水層をMeTHF(2mL)で抽出した。併せた有機層を半食塩水(half−brine)(4mL)で洗浄し、その後、MgSOで乾燥させ、濾過した。得られた溶液をアッセイし:2.43gの所望の生成物1e(収率85%)であった。LC−MS:288.25(M+1)。
【0085】
実施例4
【化30】
【0086】
1L反応溶液にピラゾールIIIb(33.9g、81.0mmol)およびDMF(362mL)を投入した。得られた溶液をT=−15℃に冷却し、NaHMDS溶液(133mL、THF中1.0M)を30分かけて添加した。NaHMDS投入完了後、その溶液をT=−15℃で20分間撹拌した。メタンスルホニルクロリド(10.04mL、129mmol)を5時間かけて添加した。反応をさらに12時間熟成させた。反応温度をT=0℃に調整し、その後、水(108mL)を1時間かけて添加した。固形物を濾過した。ケークを1:1 DMF:水(125mL)での置換洗浄、続いて水(108mL)での置換洗浄に付した。
【0087】
真空乾燥させた後、生成物をフィルターポットから回収した。収量は、31.9gのIf(収率79%)であった。LC−MS:499.10(M+1)。
【0088】
実施例5
段階1
【化31】
【0089】
1L反応容器にピラゾールIIIb(10.0g、22.6mmol)およびDCM(180mL)を投入した。得られた溶液を室温で機械撹拌した。その後、トリエチルアミン(3.43g、33.9mmol)を添加した。その溶液を室温で20分間撹拌し、その後、T=0℃に冷却した。メタンスルホニルクロリド(3.36g、29.4mmol)を15分かけて添加した。投入完了後、反応を室温で熟成させ、20分間撹拌した。
【0090】
反応を1N HCl(180mL)でクエンチし、分液漏斗に移した。層を分離した後、有機DCM層を水(180mL)で洗浄した。DCMを回転蒸発によって除去し、生成混合物をTHF(全体積300mL)に溶媒交換した。THF中のIgとIfの不均一混合物(If:Ig=1:9)を段階2に進めた。LC−MS:499.10(M+1)。
【0091】
段階2
【化32】
【0092】
500mL容器にIg/Ifスラリーを投入した。その後、KOtBuのTHF中の溶液(9.5mLの1M溶液、9.5mmol)を添加した。得られた溶液を16時間撹拌し、その結果、If:Ig=99:1の比となった。その後、ヘプタン(80mL)をその反応スラリーに30分かけて添加した。
【0093】
固形物を濾過した。ケークを9:1 THF:ヘプタン(10mL)での置換洗浄、続いてヘプタン(10mL)での置換洗浄に付した。真空乾燥させた後、生成物をフィルターポットから回収した。収量は、8.4gのIf(収率75%)であった。最終生成物は、If:Ig=1637:1の比を示した。LC−MS:499.10(M+1)。
【0094】
実施例6
塩の形成
【化33】
【0095】
300mLフラスコに16.18gのBoc保護メシル化ピラゾールおよびi−PrAc(110mL)を投入した。ベンゼンスルホン酸をi−PrAc中の溶液(40mL)として添加した。添加が完了した後、その溶液を、T=30℃で2時間加熱した。その後、反応系を室温に徐々に冷却し、14時間撹拌した。そのスラリーを濾過した。ケークをi−PrAc(40mL)で洗浄した。その後、そのケークを6時間乾燥させた。19.5gの白色固体を回収した。H NMR(400Mhz,d−dmso):δ9.80(s,2H)、8.13(s,1H)、7.63−7.57(m,2H)、7.35−7.28(m,2H)、4.43(s,2H)、4.36(s,2H)、3.58(s,3H);LC−MS:188.20(M+1)。
【0096】
実施例7
段階I:還元的アミノ化:
【化34】
【0097】
500mL三つ口フラスコ(オーバーヘッド撹拌、N入口および熱電対を装着)に、8.25gのケトン、9.8gの実施例4のピラゾール塩、および124mLのDMAcを投入し、得られた均一溶液をT=−10℃に冷却した。6.94gのNaBH(OAc)を固体として少しずつ添加した。ケトン消費が≧98%の仕様に合うまでT=−10℃で反応を熟成させた。NHOH(8.3mL)とHO(16.5mL)との混合物をゆっくりと添加することによって、その反応スラリーをクエンチした。得られたスラリーをT=50℃に加熱し、その後、T=22℃に冷却した。
【0098】
そのスラリーを濾過した。ケークを5:1 DMAc:HO(65mL)での置換洗浄、続いてHO(65mL)での置換洗浄に付した。そのケークを残留HOの量が≦10%になるまで乾燥させた。10.6gのオフホワイトの固形物を回収した(純度93.5%)。LC−MS:499.10(M+1)。
【0099】
段階II:Boc脱保護
【化35】
【0100】
200mL三つ口ジャケット付きフラスコ(オーバーヘッド撹拌、N入口および熱電対を装着)に前記還元的アミノ化生成物(10.35g)およびDMAc(31mL)および水(41.4mL)を投入し、得られたスラリーをT=20℃で撹拌した。HSO(12.2mL;12当量)とHO(20.7mL)の溶液を3.5時間かけてゆっくりと添加した。得られたスラリーを15時間熟成させた。その後、その溶液をT=0〜5℃に冷却した。上清のpHが10.2になるまでNHOHを添加した。そのスラリーを冷却し、濾過した。湿潤ケークを冷HO(17.5mL)での置換洗浄に付し、その後、HO(17.5mL)でのスラリー洗浄に付した。回収した固形物を乾燥させて、6.73g(純度98.8%、収率88.6%)の固体を得た。H NMR(500MHz,CDOD):1.71(q,1H,J=12Hz)、2.56−2.61(m,1H)、3.11−3.18(m,1H)、3.36−3.40(m,1H)、3.48(t,1H,J=12Hz)、3.88−3.94(m,4H)、4.30−4.35(m,1H)、4.53(d,1H,J=12Hz)、7.14−7.23(m,2H)、7.26−7.30(m,1H)、7.88(s,1H)。LC−MS:399.04(M+1)。
【0101】
実施例8
再結晶:反応容器にTHF(300mL)および38.8gの実施例7の化合物を投入した。その溶液をT=55℃に加熱し、濾過した。得られた溶液に結晶種を入れ、T=45℃で1時間熟成させ、その後、徐々に室温に冷却した。そのスラリーを約200mLに濃縮し、n−ヘプタン(380mL)をゆっくりと添加した。固形物を濾過によって回収し、2:1 n−ヘプタン:THF(120mL)での置換洗浄、続いてn−ヘプタン(80mL)での置換洗浄に付した。乾燥させることにより34.8gの生成物(形態I)を得た。
【0102】
実施例9
【化36】
【0103】
段階A:
4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(30.0kg、143mol)の2−メチルテトラヒドロフラン(384kg)中の溶液を調製した。トリエチルアミン(25.0g、0.247mol)を添加し、そのバッチを−10〜5℃に冷却した。その後、メタンスルホニルクロリド(21.4kg、187mol)を2時間かけてゆっくりと添加した。室温で1時間撹拌した後、水(150kg)を5〜15℃で滴下した。この後、1N HCl溶液をpHが7になるまで添加した。得られた層を分離し、水性部分を2−メチルテトラヒドロフラン(106kg)で抽出した。併せた有機部分を飽和食塩水(2x150kg)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、60〜90Lに濃縮した。
【0104】
得られた粗製物を2−メチルテトラヒドロフラン(381kg)に溶解し、それにカリウムtert−ブトキシドのTHF中の溶液(6.6kg、THF中、805g)を投入した。室温、窒素下で1時間撹拌した後、さらなるTHF中のカリウムtert−ブトキシド(3.0kg、THF中、329g)を添加し、1時間撹拌した。解析的分析は、2−(メチルスルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボン酸tert−ブチルが主要な立体異性体であることを示す。そのため、その後、飽和食塩水(154kg)を添加した。短時間の撹拌の後、層を分離し、有機部分を飽和食塩水(2x155kg)で洗浄した。その後、併せた水性廃棄物層を2−メチルテトラヒドロフラン(103kg)で抽出した。併せた有機部分を活性炭(8.75kg)で処理し、濾過し、NaSOで乾燥させた。その後、これを濾過し、60〜90Lに濃縮した。その後、このスラリーを40〜50℃で加熱して固形物を溶解し、n−ヘプタン(34kg)を添加した。室温まで2〜4時間冷却した後、n−ヘプタン(156kg)を添加し、その後、そのスラリーを、0〜5℃で2〜4時間熟成させた。スラリーを濾過し、ケークをn−ヘプタンで洗浄した。固形物を、真空下45〜55℃で乾燥させて、2−(メチルスルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボン酸tert−ブチルを得た。
【0105】
段階B:
2−(メチルスルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボン酸tert−ブチル(32.1kg、111mol)の酢酸イソプロピル(289kg)中の溶液に、ベンゼンスルホン酸(35.35kg、223mol)を添加した。その反応系を、室温で3日間撹拌し、その後、0〜10℃に冷却し、さらに1時間撹拌した。得られたスラリーを濾過し、ケークを酢酸イソプロピルで洗浄した。固形物を、真空下、室温で一晩乾燥させ、2−(メチルスルホニル)−2,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5−イウムベンゼンスルホン酸塩を得た。
【0106】
段階C:
容器にN,N−ジメチルアセトアミド(520.6kg)、2−(メチルスルホニル)−2,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5−イウムベンゼンスルホン酸塩(30.0kg、86.8mol)および[(2R,3S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−オキソテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバミン酸tert−ブチル(131.2kg、95.3mol)を投入した。室温で溶解した後、その溶液を0〜10℃に冷却し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(24kg、113mol)を四等分で40分ごとに添加した。その後、その反応系を室温に温め、さらに5時間撹拌した。その後、その溶液を5〜15℃に冷却し、水(672kg)を1〜2時間かけて添加した。得られたスラリーを濾過し、ケークを、N,N−ジメチルアセトアミド、水で2回、そしてその後n−ヘプタンで順次洗浄した。固形物を乾燥させ、{(2R,3S,5R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[2−(メチルスルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル}カルバミン酸tert−ブチルを得た。
【0107】
段階D:
ベンゼンスルホン酸(32.95kg、271mol)を窒素下でジクロロメタン(1020kg)に溶解した。その後、その溶液のKFが0.2%になるように880gの水を添加した。次に、{(2R,3S,5R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[2−(メチルスルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル}カルバミン酸tert−ブチル(38.4kg、100mol)を三等分で30分かけて添加した。その後、その反応系を、室温で一晩熟成させた。次に、水(733kg)を1時間かけて添加し、その反応系を、1時間急速撹拌した。その後、層を分離し、得られた有機層を廃棄した。水性層に、ジクロロメタン(510kg)、続いてトリエチルアミン(22.4kg、592mol)を投入した。撹拌後、層を分離し、水性部分をジクロロメタン(510g)で抽出した。併せた有機部分を7%NaHCO水溶液(2x410kg)および5%食塩水(386kg)で洗浄した。その後、有機部分をNaSOで乾燥させ、濾過し、活性炭(6.2kgのC−941)で処理した。その炭を濾過して除去し、濾液を真空下で154〜193Lに濃縮した。その後、この溶液を30〜35℃に温めた。次に、酢酸イソプロピル(338kg)を添加し、その溶液を室温で1.5時間撹拌した。その後、n−ヘプタン(159kg)をその容器に滴下し、3時間撹拌した。その後、そのスラリーを濾過し、ケークをn−ヘプタンで洗浄した。その後、この湿潤ケークを、再び前のようにジクロロメタンに溶解して酢酸イソプロピルおよびn−ヘプタンを添加することによって再結晶させ、それを濾過し、n−ヘプタンで洗浄した。固形分を真空下で乾燥させて、結晶性(2R,3S,5R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−[2−(メチルスルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミンを得、冷2:1 EtOAc/ヘキサンで洗浄して、表題化合物を固体として得た。H NMR(500MHz,CDOD):1.71(q,1H,J=12Hz)、2.56−2.61(m,1H)、3.11−3.18(m,1H)、3.36−3.40(m,1H)、3.48(t,1H,J=12Hz)、3.88−3.94(m,4H)、4.30−4.35(m,1H)、4.53(d,1H,J=12Hz)、7.14−7.23(m,2H)、7.26−7.30(m,1H)、7.88(s,1H)。LC−MS:399.04[M+1]。