【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特定の実施形態は、意外にも良好な材料密着特性を依然として維持しつつ、改善された牽引特性を有するタイヤトレッドを含む。そのようなタイヤは、乗用車および/または軽トラック用の全天候型タイヤおよび/または夏季用タイヤとして有用である。
【0009】
改善された牽引性は、高装填量の補強充填剤ならびに高装填量の可塑化系を含むゴム組成物からトレッドを形成することによって達成することができる。そのような高装填量の充填剤および可塑化剤で、妥協は、多くの場合、タイヤの牽引性が物質密着性を犠牲にして改善されることに関係する。
【0010】
トレッドの物質密着性が低下する場合、タイヤの操作中にトレッドのチャンキングが起こる可能性があり、大量または大塊のトレッド材料が失われる。場合によっては、チャンキングが非常に大きくなるので、タイヤはそのごく短期間の操作後に使用できなくなる。
【0011】
この妥協を克服するため、本発明の特定の実施形態は超効率的硫黄硬化系を含む。本発明者等は、そのような硫黄硬化系を調節して、高装填量の無機補強充填剤および可塑化剤を有するゴム組成物に改善された材料密着特性を提供することができることを意外にも発見した。調節は、MA300:G*60として定義される伸長対剪断弾性率比が1.7より大きい硬化ゴム組成物を提供するように行われ、ここで、MA300は23℃にて測定される300%での伸び弾性率であり、G*60は60℃で測定される剪断弾性率である。
【0012】
本明細書中で用いられる場合、「phr」は、「ゴム100重量部あたりの重量部」であり、ゴム組成物の成分を組成物中のゴムの総重量に対して測定した当該技術分野で一般的な量、すなわち、組成物中の全ゴム(複数可)100重量部あたりの成分の重量部である。
【0013】
本明細書中で用いられる場合、エラストマーおよびゴムは同義語である。
【0014】
本明細書中で用いられる場合、「〜に基づく」とは、本発明の実施形態が、加硫または硬化ゴム組成物であって、それらの組立時には未硬化であったものから作成されることを認める用語である。硬化ゴム組成物はしたがって未硬化ゴム組成物に「基づく」。換言すれば、架橋したゴム組成物は架橋性ゴム組成物の構成要素に基づくか、または架橋性ゴム組成物の構成要素を含む。
【0015】
一般に知られているように、タイヤトレッドはタイヤの周囲の円周方向に伸びる車両用タイヤの道路に接触する部分である。それは、車両に必要とされるハンドリング特性;例えば、牽引力、ドライブレーキング、ウェットブレーキング、コーナリングなどを提供するように設計され、これらは全て好ましくは生じる騒音が最小量であり、低い転がり抵抗で提供される。
【0016】
本明細書中で開示される種類のトレッドは、地面と接触するトレッドの構造特性であるトレッドエレメントを含む。そのような構造特性は任意の種類または形状であり得、その例としては、トレッドブロックおよびトレッドリブが挙げられる。トレッドブロックは、トレッド中に分離構造を形成する1以上の溝によって規定される外周部を有し、一方、リブは実質的に縦(円周)方向に伸び、実質的に横方向に伸びる任意の溝またはそれに対して斜の任意の他の溝によって中断されない。
【0017】
これらのトレッドエレメントの半径方向に最も外側の面はタイヤトレッドの接触面、すなわちタイヤが回転する際に道路と接触するように適合されたタイヤトレッドの実際の表面積を構成する。タイヤトレッドの総接触面は、したがって、道路と接触するように適合されたトレッドエレメントのすべての半径方向に最も外側の面の総表面積である。
【0018】
本発明の特定の実施形態は、トレッドが製造されるゴム組成物中にブレンドされたジエンエラストマーを含む。本明細書中で開示されるゴム組成物に有用なジエンエラストマーまたはゴムはそのようなゴム組成物に有用なジエンエラストマーまたはゴムは、ジエンモノマー、すなわち共役しているか否かにかかわらず2つの炭素炭素二重結合を有するモノマーから少なくとも部分的に得られるエラストマー、すなわちホモポリマーまたはコポリマーであると理解される。
【0019】
これらのジエンエラストマーは、「本質的不飽和」ジエンエラストマーまたは「本質的飽和」ジエンエラストマーに分類することができる。本明細書中で用いられる場合、本質的不飽和ジエンエラストマーは、共役ジエンモノマーから少なくとも部分的に得られるジエンエラストマーであり、本質的不飽和ジエンエラストマーは、少なくとも15モル%であるようなジエン起源のそのようなメンバーまたは単位(共役ジエン)の含有量を有する。本質的不飽和ジエンエラストマーの範疇内には高不飽和ジエンエラストマーが含まれ、これらは、50モル%を超えるジエン起源の単位(共役ジエン)の含有量を有するジエンエラストマーである。
【0020】
本質的不飽和であるという定義に該当しないジエンエラストマーは、したがって、本質的飽和ジエンエラストマーである。そのようなエラストマーとしては、たとえばブチルゴムならびにジエンのコポリマーおよびEPDMタイプのアルファ−オレフィンのコポリマーが挙げられる。これらのジエンエラストマーは、低含有量または非常に低含有量のジエン起源の単位(共役ジエン)を有し、そのような含有量は15モル%未満である。
【0021】
本発明で有用なエラストマーは、特に修飾剤および/またはランダム化剤の存在下または非存在下で用いられる重合条件ならびに用いられる修飾剤および/またはランダム化剤の量の関数である任意の微細構造を有し得る。エラストマーは、たとえばブロック、ランダム、逐次またはミクロ逐次エラストマーであり得、分散液または溶液中で調製することができ;それらはカップリング剤および/または星型化剤もしくは官能化剤でカップリングおよび/または星型化または官能化することができる。
【0022】
官能化ゴム、すなわち活性部分が追加されたものは当該産業界で周知である。エラストマーの主鎖または分岐末端は、これらの活性部分をポリマーの鎖の末端または主鎖に結合させることによって官能化させることができる。官能化エラストマーの例としては、シラノールまたはポリシロキサン末端官能化エラストマーが挙げられ、その例は、参照によって本明細書中に全体的に組み込まれる2000年1月11日に発行された米国特許第6,013,718号で見出すことができる。官能化エラストマーの他の例としては、米国特許第5,977,238号で記載されるようなアルコキシシラン基を有するもの、米国特許第6,815,473号で記載されるようなカルボキシル基を有するもの、または米国特許第6,503,973号で記載されるようなポリエーテル基を有するものが挙げられ、これらの言及された特許はすべて参照によって本明細書中に組み込まれる。
【0023】
好適なジエンエラストマーの例としては、ポリブタジエン、特に4モル%〜80モル%の1,2−単位の含有量を有するもの、または80モル%を超えるシス−1,4含有量を有するものが挙げられる。ポリイソプレンおよびブタジエン/イソプレンコポリマー、特に、5重量%〜90重量%のイソプレン含有量および−40℃〜−80℃のガラス転移温度(Tg、ASTM D3418にしたがって測定)を有するものも含まれる。
【0024】
本発明の特定の実施形態は、少なくとも50phrのSBRを含み、ゴム成分の残りが第2のジエンゴムであるゴム組成物から製造されたトレッドおよびそのようなトレッドを有するタイヤを包含する。SBRはスチレンおよびブタジエンのコポリマーであり、最も一般的に用いられるゴムの1つである。それは典型的には2つのプロセス、すなわちE−SBRを製造する乳化プロセスとS−SBRを製造する溶解プロセスのうちの1つによって製造される。本発明の特定の実施形態は、S−SBR、E−SBRまたはそれらの組み合わせを利用することを想定し、またいくつかの実施形態では、低Tg、すなわち−50℃未満であるTgを有する材料を利用してもよい。
【0025】
SBRの微細構造は典型的には結合スチレンの量およびポリマーのブタジエン部分の形態に関して記載される。タイヤでの使用に多くの場合好適である典型的なSBRは、約25重量%の結合スチレンである。たとえば約80重量%などの非常に高含有量の結合スチレンを有する材料は、高スチレン樹脂として特定され、トレッドを製造するためのエラストマーとしては適さない。本発明の特定の実施形態は、3重量%〜40重量%または3重量%〜30重量%、3重量%〜25重量%または15重量%〜30重量%の結合スチレンの結合スチレン含有量を有するSBRを利用してもよい。
【0026】
SBRのブタジエン部分に存在する二重結合のために、ブタジエン部分は3つの形態:シス−1,4、トランス−1,4およびビニル−1,2から構成される。低TgSBRとしての使用に好適なSBR材料は、4モル%〜30モル%または、4モル%〜25モル%または4モル%〜20モル%のビニル−1,2−結合含有量を有するとして記載することができる。低TgSBR材料は、−100℃〜−50℃または−100℃〜−55℃、−100℃〜−60℃もしくは−90℃〜−50℃のガラス転移温度を有するものを包含する。そのような材料のガラス転移温度は、−80℃超〜−55℃、−75℃〜−60℃または−75℃〜−65℃の範囲でもあり得る。低TgSBRおよび他のエラストマーのガラス転移温度はASTM E1356にしたがって示差走査熱量測定(DSC)により測定される。
【0027】
低TgSBRは本発明の特定の実施形態に望ましい可能性があるが、本発明はそのように限定されず、本発明の他の特定の実施形態は様々な好適なSBR材料を含むことに留意する。本発明の特定の実施形態は、SBR材料を少なくとも50phrまたは、少なくとも60phr、少なくとも70phr、少なくとも80phr、少なくとも90phrまたは100phrのSBRの量で含み得る。もちろん、他の実施形態は、0を含む50phr未満の量でゴム組成物中にブレンドされたSBRを含み得る。
【0028】
前述の低TgSBR材料と同じ範囲のガラス転移温度を有するポリブタジエンも、低TgSBRと同様に使用することができる。ポリブタジエンのガラス転移温度は、当該技術分野で周知である方法を用いてポリマーのビニル含有量を変えることによって調節することができる。本明細書中で開示されるゴム組成物の特定の実施形態は、90phr超または、95phr超もしくは100phr超の低TgSBR、低Tgポリブタジエン、すなわち低TgSBRについて前記定義と同じガラス転移温度範囲を有するポリブタジエン、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0029】
要約すれば、本発明の特定の実施形態に好適なジエンエラストマーとしては、1以上の高不飽和ジエンエラストマー、例えばポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物が挙げられる。そのようなコポリマーとしては、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)およびイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)が挙げられる。好適なエラストマーには、前述の官能化エラストマーであるこれらのエラストマーのいずれかも含まれ得る。
【0030】
このように、本発明の特定の実施形態に含まれるジエンエラストマーは、1つのジエンエラストマーまたは複数のジエンエラストマーの混合物であり得る。ジエンエラストマーはさらに、高不飽和ジエンエラストマー、本質的不飽和ジエンエラストマー、本質的飽和ジエンエラストマーまたはそれらの組み合わせから選択することができる。高不飽和ジエンエラストマーだけをエラストマー成分として含む実施形態があり、一方、他の実施形態は、少なくとも大部分、または少なくとも80phrもしくは少なくとも90phrのエラストマー成分が高不飽和ジエンエラストマーであるものを含む。
【0031】
ゴムに加えて、本明細書中で開示されるゴム組成物は補強充填剤をさらに含んでもよい。補強充填剤はゴム組成物に対して、特にそれらの引張強度および摩耗耐性を改善するために添加される。本発明の特定の実施形態は、カップリング剤が典型的に関連する高装填量のシリカなどの無機補強充填剤を含むゴム組成物から作成されるトレッドを含む。
【0032】
カーボンブラックは、多くのタイヤ用途で有用な補強充填剤であるが、いくつかの実施形態に関して、タイヤ組成物に対して着色(黒色)および/またはUV保護を提供するために含まれるごく少量を除いて、本明細書中で開示される有用なゴム組成物から明らかに除外される。少なくとも0.5phrであるが20phr以下のカーボンブラックまたは10phr未満、5phr未満または0.5phr〜10phrのカーボンブラックを添加することによって、そのような利点を得ることができる。
【0033】
無機補強充填剤には、その色または起源(天然または合成)を問わず、中間カップリング剤以外の任意の他の手段なしで、タイヤの製造を目的とするゴム組成物を補強することができる任意の無機またはミネラル充填剤が含まれる。そのような無機補強充填剤は、タイヤの製造を意図されるゴム組成物において、従来型のタイヤグレードのカーボンブラックと、全体的または部分的に置換することができる。典型的には、そのような充填剤は、その表面上にヒドロキシル(−OH)基が存在すると特徴づけることができる。
【0034】
無機補強充填剤は、たとえば、粉末、マイクロビーズ、顆粒、ボールおよび/または任意の他の好適な形態ならびにそれらの混合物としてなど多くの有用な形態をとることができる。好適な無機補強充填剤の例には、シリカ質タイプのミネラル充填剤、たとえばシリカ(SiO
2)、含アルミニウムタイプの無機充填剤、たとえばアルミナ(AlO
3)またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0035】
当該技術分野で公知の有用なシリカ補強充填剤としては、ヒュームドシリカ、沈降シリカおよび/または高分散性シリカ(「HD」シリカとして知られる)が挙げられる。高分散性シリカの例としては、Degussaから得られるUltrasil7000およびUltrasil7005、Rhodiaから得られるシリカZeosil1165MP、1135MPおよび1115MP、PPGから得られるシリカHi−Sil EZ150GならびにHuberから得られるシリカZeopol8715、8745および8755が挙げられる。特定の実施形態において、シリカはたとえば、60m
2/g〜250m
2/gまたは80m
2/g〜230m
2/gのBET表面積を有し得る。
【0036】
有用な強化性アルミナの例は、Baikowskiから得られるアルミナBaikalox A125もしくはCR125、Condeaから得られるAPA−100RDX、Degussaから得られるAluminoxid Cまたは住友化学株式会社から得られるAKP−G015である。
【0037】
無機補強充填剤をジエンエラストマーとカップリングさせるために、少なくとも二官能性であるカップリング剤は、無機補強充填剤とジエンエラストマーとの間に十分な化学的および/または物理的接続を提供する。そのようなカップリング剤の例としては、二官能性オルガノシランまたはポリオルガノシロキサンが挙げられる。そのようなカップリング剤およびそれらの使用は当該技術分野で周知である。カップリング剤は、場合によって、公知のように前もってジエンエラストマー上または無機補強充填剤上にグラフトすることができる。さもなければ、ゴム組成物中にその遊離状態すなわち非グラフト状態で混合することができる。1つの有用なカップリング剤は、Evonik Degussaから入手可能なSi69(活性成分)とN330カーボンブラックとの50:50ブレンド(重量基準)であるX50−Sである。
【0038】
本発明によるゴム組成物において、カップリング剤は所定の用途に好適な任意の量で含まれる可能性があり、その例は、2phr〜15phrまたは、2phr〜12phrまたは3phr〜10phrである。その使用を最小限に抑えることが一般的に望ましい。特定の実施形態において、カップリング剤の量は、シリカ充填剤の総重量に対して0.5〜15重量%である可能性がある。例えば乗用車用のタイヤトレッドの場合、カップリング剤はシリカ充填剤の総重量に対して12重量%未満、またはさらには10重量%未満または8重量%であり得る。
【0039】
特定の実施形態において、無機補強充填剤の量は、本明細書中で開示されるゴム組成物中、そのようなトレッド用途に関してはかなり高装填量で含まれる。なぜなら、高装填量を、ゴム組成物の剛性を調節するための可塑化系と併用すると、本発明のトレッドおよびタイヤの所望の特性が得られるからである。実際、ゴム組成物に添加される無機充填剤の量は、90phr〜160phrの無機充填剤または95phr〜160phr、100phr〜160phr、110phr〜150phrまたは115phr〜150phrの無機充填剤を含み得る。
【0040】
前述のように、本発明の特定の実施形態は、高Tg樹脂および可塑化液体の両方を含む可塑化系をさらに含む。可塑化系は、ゴムミックスの加工性に対する改善ならびに/またはゴム組成物のガラス転移温度および/もしくはその剛性を調節するための手段の両方を提供する可能性がある。特定の実施形態において、有効量の可塑化系をゴム組成物に添加して、60℃で測定される剪断弾性率G*を0.4MPa〜1.4MPaまたは0.4MPa〜1.0MPaに調節する。そのような測定は、ASTM D5992−96にしたがって行う。他の実施形態は、0.5MPa〜1.0MPa、0.6MPa〜0.9MPa、0.5MPa〜0.8MPaまたは0.4MPa〜0.8MPaの60℃で測定された剪断弾性率G*を含み得る。特定の実施形態において、可塑化系の有効量は、たとえば、60phr〜130phrまたは70phr〜120phr、70phr〜110phr、80phr〜120phrまたは90phr〜110phrであり得る。
【0041】
好適な可塑化液体には、ジエンエラストマーに関するその可塑化特性について知られている任意の液体が含まれる。室温(23℃)で、固体である樹脂に対して、これらの液体可塑化剤またはさまざまな粘度のこれらの油は液体である。例としては、原料油由来のもの、植物ベースを有するものおよびそれらの組み合わせが挙げられる。石油系である油の例としては、当該産業界で公知の芳香族油、パラフィン油、ナフテン油、MES油、TDAE油などが挙げられる。液体ジエンポリマー、ポリオレフィン油、エーテル可塑化剤、エステル可塑化剤、リン酸塩可塑化剤、スルホン酸塩可塑化剤および液体可塑化剤の組み合わせも公知である。
【0042】
好適な植物油の例としては、ヒマワリ油、ダイズ油、ベニバナ油、コーン油、アマニ油および綿実油が挙げられる。これらの油および他のそのような植物油は、単独でまたは組み合わせて用いることができる。いくつかの実施形態では、高オレイン酸含有量(少なくとも70重量パーセントまたは少なくとも80重量パーセント)を有するヒマワリ油が有用であり、一例は、ミネソタ州、ミネアポリスに事業所があるCargillから入手可能なAGRI−PURE80である。本発明の特定の実施形態において、好適な可塑化液体の選択は、高オレイン酸含有量を有する植物油に限定される。
【0043】
本発明の任意の特定の実施形態において有用な可塑化液体の量は、特定の状況や所望の結果に依存する。一般的に、たとえば、可塑化液体はゴム組成物中、5phr〜70phrまたは10phr〜60phr、10phr〜50phr、5phr〜40phrもしくは10phr〜40phrの可塑化液体の量で存在する可能性がある。
【0044】
可塑化炭化水素樹脂は、可塑化油などの液体可塑化化合物とは対照的に、周囲温度(たとえば23℃)で固体である炭化水素化合物である。さらに、可塑化炭化水素樹脂は、樹脂が真の可塑化剤として機能するのを可能にする濃度、たとえば、典型的には少なくとも5phr(ゴム100重量部あたりの重量部)である濃度で樹脂と混合されるゴム組成物と適合性、すなわち混和性である。
【0045】
可塑化炭化水素樹脂は、脂肪族、芳香族またはこれらの種類の組み合わせである可能性があるポリマーであり、樹脂のポリマーベースが脂肪族および/または芳香族モノマーから形成され得ることを意味する。これらの樹脂は天然または合成材料である可能性があり、石油系(この場合、樹脂は石油可塑化樹脂と呼ばれる可能性がある)、または植物材料に基づく可能性がある。特定の実施形態において、本発明を限定するものではないが、これらの樹脂は本質的に水素および炭素原子だけを含有する可能性がある。
【0046】
本発明の特定の実施形態で有用な可塑化炭化水素樹脂としては、シクロペンタジエン(CPD)またはジシクロペンタジエン(DCPD)のホモポリマーまたはコポリマー、テルペンのホモポリマーまたはコポリマー、C
5カットのホモポリマーまたはコポリマーおよびそれらの混合物であるものが挙げられる。
【0047】
一般的に前述されるそのようなコポリマー可塑化炭化水素樹脂には、たとえば、(D)CPD/ビニル−芳香族のコポリマー、(D)CPD/テルペンのコポリマー、(D)CPD/C
5カットのコポリマー、テルペン/ビニル−芳香族のコポリマー、C
5カット/ビニル−芳香族のコポリマーおよびそれらの組み合わせのコポリマーで構成される樹脂が含まれる。
【0048】
テルペンホモポリマーおよびコポリマー樹脂に有用なテルペンモノマーとしては、アルファ−ピネン、ベータ−ピネンおよびリモネンが挙げられる。特定の実施形態は、リモネンモノマーのポリマーを含み、これは3つの異性体:L−リモネン(左旋性エナンチオマー)、D−リモネン(右旋性エナンチオマー)、またはさらには右旋性エナンチオマーと左旋性エナンチオマーとのラセミ混合物であるジペンテンも含む。
【0049】
ビニル芳香族モノマーの例としては、スチレン、アルファ−メチルスチレン、オルト−、メタ−、パラ−メチルスチレン、ビニル−トルエン、パラ−tertioブチルスチレン、メトキシスチレン、クロロ−スチレン、ビニル−メシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、C
9カット由来(または、さらに一般的には、C
8〜C
10カット由来)の任意のビニル−芳香族モノマーが挙げられる。ビニル−芳香族コポリマーを含む特定の実施形態は、コポリマー中、モル分率で表して少数モノマーのビニル芳香族を含む。
【0050】
本発明の特定の実施形態は、可塑化炭化水素樹脂として、(D)CPDホモポリマー樹脂、(D)CPD/スチレンコポリマー樹脂、ポリリモネン樹脂、リモネン/スチレンコポリマー樹脂、リモネン/D(CPD)コポリマー樹脂、C
5カット/スチレンコポリマー樹脂、C
5カット/C
9カットコポリマー樹脂、およびそれらの混合物を含む。
【0051】
本発明における使用に好適なテルペン樹脂を含む商業的に入手可能な可塑化樹脂には、デラウェア州ウィルミントンのHercules Inc.によってResin R2495の名称で販売されているポリアルファピネン樹脂が含まれる。Resin R2495は約932の分子量、約135℃の軟化点および約91℃のガラス転移温度を有する。本発明で使用することができる別の商業的に入手可能な製品には、フランスのDRT社によって販売されているDERCOLYTE L120が含まれる。DERCOLYTE L120ポリテルペン−リモネン樹脂は、約625の数平均分子量、約1010の重量平均分子量、約1.6のIp、約119℃の軟化点を有し、約72℃のガラス転移温度を有する。本発明で使用することができるさらに別の商業的に入手可能なテルペン樹脂としては、フロリダ州ジャクソンビルのArizona Chemical Companyによって販売されているSYLVARES TR7125および/またはSYLVARES TR5147ポリリモネン樹脂が挙げられる。SYLVARES 7125ポリリモネン樹脂は、約1090の分子量を有し、約125℃の軟化点を有し、約73℃のガラス転移温度を有し、一方、SYLVARES TR5147は約945の分子量、約120℃の軟化点を有し、約71℃のガラス転移温度を有する。
【0052】
商業的に入手可能な他の好適な可塑化炭化水素樹脂としては、C
5カット/ビニル−芳香族スチレンコポリマー、特にNeville Chemical CompanyからSUPER NEVTAC78、SUPER NEVTAC85およびSUPER NEVTAC99の名称で;Goodyear ChemicalsからWINGTACK EXTRAの名称で;KolonからHIKOREZ T1095およびHIKOREZ T1100の名称で;ならびにExxonからESCOREZ2101およびECR373の名称で得られるC
5カット/スチレンまたはC
5カット/C
9カットが挙げられる。
【0053】
商業的に入手可能なリモネン/スチレンコポリマー樹脂であるさらに他の好適な可塑化炭化水素樹脂としては、フランスのDRTから得られるDERCOLYTE TS105;ならびにZT115LTおよびZT5100の名称でArizona Chemical Companyから得られるものが挙げられる。
【0054】
可塑化樹脂のガラス転移温度は、ASTM D3418(1999)にしたがって示差走査熱量測定(DCS)によって測定することができることに留意する。特定の実施形態において、有用な樹脂は、少なくとも25℃または少なくとも40℃または少なくとも60℃または25℃〜95℃、40℃〜85℃もしくは60℃〜80℃であるガラス転移温度を有し得る。
【0055】
本発明の任意の特定の実施形態で有用な可塑化炭化水素樹脂の量は、特定の状況および所望の結果に依存する。一般的に、たとえば、ゴム組成物中の可塑化液体を補足するために添加される可塑化樹脂の合計量は、5phr〜125phrまたは30phr〜120phrまたは35phr〜100phrであり得る。特定の実施形態において、可塑化樹脂は40phr〜80phr、40phr〜90phrまたは35phr〜90phrの可塑化樹脂の量で存在し得る。
【0056】
可塑化樹脂の可塑化油に対する比は、所望の剪断弾性率または他の所望の特性を達成するために好適な任意の量であり得るが、特定の実施形態では、たとえば、1:5〜5:1または1:4〜4:1または1:2〜2:1であり得る。
【0057】
本明細書中で開示されるゴム組成物を、0.02〜0.2または0.08〜0.16、0.05〜0.15、0.05〜0.13または0.02〜0.15の硫黄対促進剤重量比を有する硬化系である超効率的硫黄硬化系下で硬化させる。硫黄および他の促進剤に加えて、硬化系はたとえば、ステアリン酸および/または酸化亜鉛をさらに含み得る。
【0058】
硫黄は、遊離硫黄として、硫黄ドナーにより、またはそれらの組み合わせのいずれかで提供することができる。好適な遊離硫黄には、たとえば、微粉状硫黄、ゴム製造者の硫黄、市販の硫黄、および不溶性硫黄が含まれる。硫黄ドナーの一例は、当該技術分野で公知のように、VANAX AおよびVANDEXであり、どちらもニューヨークのRT Vanderbilt Companyによって提供される。
【0059】
促進剤は、加硫に必要な時間および/または温度を制御するため、そして硬化ゴム組成物の特性を改善するために用いられる。本発明の特定の実施形態は1以上の促進剤を含み、その例としては、限定されないが:チアゾール、スルフェンアミド、グアニジン、チオ尿素誘導体、アミン誘導体、およびそれらの組み合わせが挙げられる。これらとしては、限定されないが:ベンゾチアジル−2−シクロヘキシルスルフェンアミド(CBS)、ベンゾチアゾリル−2−tert−ブチルスルフェンアミド(TBBS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛またはナトリウム塩(ZMBT)、ベンゾチアジル−2−スルフェンモルホリド(MBS)、ベンゾチアジルジシクロヘキシル−1スルフェンアミド(DCBS)、ジフェニルグアニジン(DPG)、トリフェニルグアニジン(TPG)、ジオルトトリルグアニジン(DOTG)、o−トリルビグアニド(OTBG)、エチレンチオ尿素(ETU)、ジエチルチオ尿素(DETU)、ジフェニルチオ尿素(DPTU)、ベンゾチアゾールジスルフィド(MBTS)、ヘキサメチレンテトラミン(HMT)、エチリデンアニリン(EA)、およびそれらの混合物が挙げられる。本発明で有用な好適な一次促進剤の一例はスルフェンアミドである。好適なスルフェンアミド促進剤の例としては、n−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(TBBS)、N−オキシジエチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(MBS)およびN’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DCBS)が挙げられる。促進剤の組み合わせは、多くの場合、硬化ゴム組成物の特性を改善するために有用であり、特定の実施形態は二次促進剤の添加を含む。そのような促進剤をゴム組成物に対して、たとえば、3phr〜12phrまたは4phr〜12phr、5phr〜10phrの量で添加することができる。もちろん、促進剤の既定量は、前記定義の硫黄対促進剤比により設定され、ここや以下での量は単なる例であって、本発明を限定することを意味しない。
【0060】
促進剤の組み合わせは、多くの場合、硬化ゴム組成物の特性を改善するために有用であり、特定の実施形態は二次促進剤の添加を含む。特定の実施形態は、二次促進剤として、たとえば、ジフェニルグアニジン(DPG)、トリフェニルグアニジン(TPG)、ジオルトトリルグアニジン(DOTG)、o−トリルビグアニド(OTBG)またはヘキサメチレンテトラミン(HMTA)などの準高速促進剤の使用を含んでもよい。そのような促進剤は、4phrまで、0.5〜3phr、0.5〜2.5phrまたは1〜2phrの量で添加することができる。特定の実施形態は、高速促進剤および/または超高速促進剤、たとえば、高速促進剤:ジスルフィドおよびベンゾチアゾール;ならびに超促進剤:チウラム、キサントゲン酸塩、ジチオカルバミン酸塩およびジチオリン酸塩の使用を除外する可能性がある。
【0061】
超効率的加硫系を使用して、本明細書中で開示される硬化ゴム組成物のMA300:G*60の伸び対剪断弾性率比を1.7以上または少なくとも1.7〜3もしくは1.9〜2.5に維持する。前述のように、伸び対剪断弾性率比は、23℃にて測定された300%での伸び弾性率MA300および60℃で測定された剪断弾性率G*60の比である。加硫系を調節して、伸び対剪断弾性率比を所定のパラメータ内に維持することによって、意外にも良好な材料密着特性を達成することができる。S対促進剤比を減少させると、弾性率比が増加する。
【0062】
当該技術分野で公知のように他の添加剤を本明細書中で開示されるゴム組成物に添加することができる。そのような添加剤は、たとえば、以下のうちのいくつかまたは全部を含み得る:劣化防止剤、抗酸化剤、脂肪酸、ワックス、ステアリン酸および酸化亜鉛。劣化防止剤および抗酸化剤の例としては、6PPD、77PD、IPPDおよびTMQが挙げられ、ゴム組成物にたとえば0.5phr〜5phrの量で添加することができる。酸化亜鉛は、たとえば、1phr〜6phr、または1.5phr〜4phrの量で添加することができる。ワックスはたとえば1phr〜5phrの量で添加することができる。
【0063】
本発明の実施形態であるゴム組成物は、好適なミキサー中で、当業者に公知の方法で、典型的には、2つの連続した調製相、すなわち高温での熱機械的作業の第1相、続いて低温での機械的作業の第2相を用いて製造することができる。
【0064】
熱機械的作業の第1相(場合によって「非生産的」相と称される)は、加硫系を除く組成物の様々な成分を混錬によって十分に混合することを目的とする。それは、内部ミキサーまたは押出機などの好適な混錬装置中、機械的作業の作用と混合物に課される高せん断のもと、一般的に120℃〜190℃の最高温度、さらに綿密には130℃〜170℃が達成されるまで実施される。
【0065】
混合物を冷却後、機械的作業の第2相を低温で実施する。「生産的」相と称される場合もあるが、この仕上げ相は、加硫(または架橋)系(硫黄または他の加硫剤および促進剤(複数可))を好適な装置中、たとえばオープンミル中で混合することによって組み入れることからなる。それは適切な時間(典型的には1〜30分間、たとえば2〜10分間)および混合物の加硫温度よりも低い十分低い温度で実施して、時期尚早の加硫を防止する。
【0066】
ゴム組成物は、車両用タイヤで使用するためのトレッドをはじめとする有用な物品に形成することができる。トレッドは、トレッドバンドとして形成することができ、次いでその後タイヤの一部を作成するか、またはそれらをたとえば、押出によってタイヤカルカス上で直接形成し、次いで型中で硬化させることができる。このように、トレッドバンドを硬化させた後、タイヤカルカス上に配置することができるか、またはそれらをタイヤカルカス上に配置した後に硬化させることができる。典型的には、たとえばトレッドブロックに成形されるサイプを含むトレッドにトレッドエレメントを成形する型中でタイヤトレッドを公知方法で硬化させる。
【0067】
トレッドは、1つだけのゴム組成物から、または異なるゴム組成物の2以上の層で、たとえばキャップおよびベース構築物で形成することができると認識される。キャップおよびベース構築物において、トレッドのキャップ部分は、道路との接触のために設計された1つのゴム組成物から作成される。キャップはトレッドのベース部分上に支持され、ベース部分は異なるゴム組成物から作成される。本発明の特定の実施形態において、トレッド全体を本明細書中で開示されるゴム組成物から作成することができ、一方、他の実施形態では、トレッドのキャップ部分だけをそのようなゴム組成物から作成することができる。
【0068】
トレッドブロックの接触面、すなわち道路と接触するトレッドブロックの部分は、開示される低Tgを有するゴム組成物から全体として形成することができる、別のゴム組成物から全体的に形成することができる、またはそれらの組み合わせとして形成することが得きると認識される。たとえば、トレッドブロックは、ブロックの横半分が低Tgゴム組成物の層であり、ブロックのもう一方の横半分が別のゴム組成物の層となるように層状ゴム組成物の複合体として形成することができる。そのような構築物は、その接触面の80パーセントが低Tgゴム組成物から形成されるトレッドブロックを提供する。
【0069】
このように、本発明の特定の実施形態において、トレッド上の全トレッドブロックの全接触面の少なくとも80パーセントが、本明細書中で開示される低Tgを有するゴム組成物から形成される可能性がある。あるいは、トレッド上の全トレッドブロックの全接触面の少なくとも90パーセント、少なくとも95パーセントまたは100パーセントがそのようなゴム組成物から形成される可能性がある。
【0070】
本明細書中で開示されるタイヤトレッドは多くの種類の車両に好適であるが、特定の実施形態は、乗用車および/または軽トラックなどの車両で使用されるタイヤトレッドを含む。そのようなタイヤトレッドは、全天候型タイヤおよび/または夏季用タイヤにも有用である。特定の実施形態はスノータイヤまたは冬季用タイヤも含み得る。このように、本明細書中で開示されるトレッドを製造することができる硬化ゴム組成物の特性は、−20℃〜0℃および/または、−20℃〜−10℃、−20℃〜0℃、−15℃〜−5℃、−30℃〜−15℃、−35℃〜−10℃または−35℃〜0℃のガラス転移温度を有し得る。
【0071】
例示のみとして見なされるべきであり、本発明を決して限定するものではない以下の実施例で本発明をさらに説明する。実施例で開示される組成物の特性を後述のように評価し、これらの利用される方法は、本発明の請求される特性の測定に好適である。
【0072】
例示のみとして見なされるべきであり、本発明を決して限定するものではない以下の実施例で本発明をさらに説明する。
【0073】
伸び弾性率(MPa)は、ダンベル試験片に関してASTM Standard D412に基づいて23℃の温度にて10%(MA10)、100%(MA100)および300%(MA300)で測定した。測定は、2回目の伸長で、すなわち調節サイクル後に行った。これらの測定値は、試験片のもとの断面に基づく割線係数(MPa)である。
【0074】
伸長特性を破断時伸び(%)および対応する伸び応力(MPa)として測定し、これは、ASTM C試験片に対してASTM Standard D412にしたがって23℃にて測定した。
【0075】
ゴム組成物の動力学的特性(TgおよびG*)をMetravib Model VA400 ViscoAnalyzer Test SystemでASTM D5992−96にしたがって測定した。一定の0.7MPaの交番単一正弦剪断応力および10Hzの周波数で1.5℃/分で温度を上昇させて−60℃から100℃までの温度掃引に付された際の加硫材料の試料の応答(直径10mmの2つの円筒形試料のそれぞれが厚さ2mmである二重せん断形状)を記録した。60℃での剪断弾性率G*を取得し、最大tanデルタが起こる温度をガラス転移温度Tgとして記録した。
【0076】
最高速度で多くのカーブを含む乾燥サーキットを周回走行する間、自動車に取り付けられたタイヤのドライハンドリング性能を評価した。サーキットの各ラップを走るために要する時間を記録し、平均して、試験のために平均ラップタイムを得る。平均ラップタイムが少ないほど、ドライハンドリング性能は良好である。結果を次いで対照に対して正規化し、対照を100とする。100未満の正規化された結果は改善されたドライハンドリングを意味する。
【0077】
ドライハンドリングコースに対する摩耗は、試験前および試験後のタイヤを秤量することによって測定され、その差が摩耗である。結果を次いで対照に対して正規化し、対照を100とする。100未満の正規化された結果は改善された摩耗を意味し、すなわち、タイヤからの摩耗が少ないことを意味する。いくつかの試験に関して、タイヤの出発重量は得られず、結果は当業者による観察によって得られた主観的なものであった。そのような熟練した観察者はタイヤ上のチャンキングの程度において大きな偏向を容易に識別することができ、さらに詳細な分析または定量化分析は必要ない。
【0078】
実施例1
表1で示された成分を使用してゴム組成物を調製した。表1で示されるゴム組成物を構成する各成分の量は、ゴム100重量部あたりの重量部(phr)で提供される。
【表1】
【0079】
テルペン樹脂は、ジョージア州サバナのArizona Chemicalから入手可能なポリリモネン樹脂であるSYLVARES TR−5147であった。可塑化油はAGRI−PURE80であった。シリカは、160m
2/gのBETを有するRhodiaから入手可能な高分散性シリカであるZEOSIL160であった。シランカップリング剤は、Evonik Degussaから入手可能なX50−Sであった。硬化パッケージは、硫黄、促進剤、酸化亜鉛およびステアリン酸を含んでいた。促進剤はDPGとCBSとの組み合わせであり、添加剤は劣化防止剤およびワックスを含む。
【表2】
*タイヤがチャンキングによって破壊されたので、試験は早期に終了した。
a.ドライハンドリング試験はチャンキングのために完了しなかったが、完了した時間の平均を正常と設定した。
bおよびc.摩耗は対照W2よりもはるかに改善され、cはbよりもはるかに良好であった。
d.ドライハンドリング試験は完了したが、タイヤは重度のチャンキングを有していた。
e.試験の最後でのタイヤの状態はdよりもはるかに良好であった。
【0080】
硫黄および促進剤を除く表1に記載した成分を、25〜65RPMで作動するバンバリーミキサー中で130℃〜170℃の温度が達成されるまで混合することによってゴム配合物を調製した。促進剤および硫黄を第2相でミルに添加した。加硫を150℃で40分間実施した。配合物を次いで試験して、それらの物理的特性を測定し、その結果を表2に示す。
【0081】
表2のタイヤ結果でわかるように、タイヤのドライハンドリング特性は配合物のそれぞれについて高いままであった。しかしながら、配合物F1〜F3は全て対照よりも有意に改善された材料密着特性を示すことに注意すべきである。実際、W2配合物から製造されたタイヤトレッドは、粗悪な物質密着性のためにひどくチャンキングするので、ドライハンドリング試験を完了することができなかった。
【0082】
「含む(comprising)」、「包含する(including)」、および「有する」という用語は、請求項および本明細書中で用いられる場合、特定されていない他の要素を含み得る開放グループを意味すると見なされるべきである。「本質的に〜からなる」という用語は、請求項および本明細書中で用いられる場合、特定されていない他の要素が請求される発明の基本的かつ新規特性を実質的に改変しない限り、それらの他の要素を含み得る部分的開放グループを意味すると見なされるべきである。「a」、「an」という用語、および語の単数形は、その語の複数形を包含し、その用語は1以上のものが提供されることを意味すると解釈されるべきである。「少なくとも1つ」および「1以上」という用語は交換可能に用いられる。「1つ」または「単一」という用語は、あるものの1つおよび1つだけを意味するために使用される。同様に、「2」などの他の特定の整数値は、特定の数のものが意図される場合に使用される。「好ましくは」、「好ましい」、「好まれる」、「場合によって」、「可能性がある」という用語、および類似の用語は、言及され項目、状態またはステップが本発明の任意の(必須ではない)特性であることを意味するために用いられる。「a〜b」であると記載される範囲は、「a」および「b」の値を包含する。
【0083】
前記事項から、本発明の実施形態に対して、その真の趣旨から逸脱することなくさまざまな修飾や変更をなすことができることが理解されるべきである。前記事項は、例示のためだけに提供され、限定的な意味で解釈されるべきではない。以下の請求項の文言のみが本発明の範囲を限定する。