(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5873560
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】プリントヘッド用のキャッピング装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/165 20060101AFI20160216BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
B41J2/165 101
B41J2/01 307
【請求項の数】15
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-537499(P2014-537499)
(86)(22)【出願日】2011年10月31日
(65)【公表番号】特表2014-530781(P2014-530781A)
(43)【公表日】2014年11月20日
(86)【国際出願番号】EP2011069149
(87)【国際公開番号】WO2013064168
(87)【国際公開日】20130510
【審査請求日】2014年4月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】511076424
【氏名又は名称】ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100121061
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 清春
(72)【発明者】
【氏名】ポルトレス,ラファエル,ウラシア
(72)【発明者】
【氏名】フォサス,ダヴィド,ソリアノ
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア,ルイス,ガルシア
【審査官】
大熊 靖夫
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−165205(JP,A)
【文献】
特開2005−335303(JP,A)
【文献】
特開2009−125964(JP,A)
【文献】
特開2011−110895(JP,A)
【文献】
特開2002−120386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01−2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタのプリントヘッド用のキャッピング装置であって、
1つ又は複数のキャップを担持するキャップステーションを含み、前記キャップステーションは、それぞれがヒンジにより互いに接続された複数のキャップモジュールから形成され、前記キャップステーションは、前記キャップステーションが印刷媒体経路の側部に折り畳まれて格納される収縮位置と、前記キャップステーションが前記プリントヘッドの下で前記印刷媒体経路を横方向に横切って延び、前記プリントヘッドをキャッピングするためのキャッピング位置との間で移動可能である、キャッピング装置。
【請求項2】
前記収縮位置において、前記キャップステーションが、キャップモジュールからなるスタックを形成する、請求項1に記載のキャッピング装置。
【請求項3】
前記スタックの積み重ね方向が、前記媒体経路の平面に垂直である、請求項2に記載のキャッピング装置。
【請求項4】
前記スタックの積み重ね方向が、前記媒体経路に対して横切る方向である、請求項2に記載のキャッピング装置。
【請求項5】
プリンタのプリントヘッド用のキャッピング装置であって、
1つ又は複数のキャップを担持するキャップステーションを含み、前記キャップステーションが、複数のキャップモジュールから形成され、前記キャップステーションは、前記キャップステーションが前記印刷媒体経路の側部において巻かれて格納される収縮位置と、前記キャップステーションが前記プリントヘッドの下で前記印刷媒体経路を横方向に横切って延び、前記プリントヘッドをキャッピングするためのキャッピング位置との間で移動可能である、キャッピング装置。
【請求項6】
前記収縮位置において、前記キャップステーションが、前記印刷媒体経路の側部に位置するドラムに巻き付けられる、請求項5に記載のキャッピング装置。
【請求項7】
前記キャップステーションが、前記1つ又は複数のキャップを担持するフレキシブルな基板である、請求項5又は6に記載のキャッピング装置。
【請求項8】
前記キャップステーションが、ガイド又は梁に支持されている、請求項1〜7の何れかに記載のキャッピング装置。
【請求項9】
印刷装置であって、
プリントヘッドと、
請求項1〜8の何れかに記載されたキャッピング装置と、
前記プリントヘッドを支持するように構成されたプリント支持部材と、
前記キャッピング装置を支持するように構成されたキャップ支持部材とを含み、
前記プリント支持部材が、前記印刷媒体経路に対して実質的に垂直に移動可能であり、前記キャップ支持部材が、前記印刷媒体経路に対して垂直な方向に移動不可能である、印刷装置。
【請求項10】
プリンタのプリントヘッドをキャッピングする方法であって、
第1の位置と第2の位置との間でキャッピング装置を移動することを含み、
前記キャッピング装置は、それぞれがヒンジにより互いに接続された複数のキャップモジュールから形成され、
前記第1の位置において、前記キャッピング装置が前記プリンタのプリントヘッドをキャッピングするために印刷媒体経路を横切って広がり、
前記第2の位置において、前記キャッピング装置が前記印刷媒体経路の側部に折り畳まれて格納されている、方法。
【請求項11】
前記第2の位置において、前記キャッピング装置が、キャップモジュールからなるスタックを形成する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
プリンタのプリントヘッドをキャッピングする方法であって、
第1の位置と第2の位置との間でキャッピング装置を移動することを含み、
前記キャッピング装置が、複数のキャップモジュールから形成され、
前記第1の位置において、前記キャッピング装置が前記プリンタのプリントヘッドをキャッピングするために印刷媒体経路を横切って広がり、
前記第2の位置において、前記キャッピング装置が前記印刷媒体経路の側部において巻かれて格納されている、方法。
【請求項13】
前記第2の位置において、前記キャッピング装置が、前記印刷媒体経路の側部に位置するドラムに巻き付けられる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記キャッピング装置が、1つ又は複数のキャップを担持するフレキシブルな基板である、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記印刷媒体経路に沿って印刷媒体を通過させ、
前記プリントヘッドでもって前記印刷媒体上に印刷することを含み、
前記移動することが、前記通過させること及び前記印刷することの前または後の少なくとも一方で実行される、請求項10〜14の何れかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
プリンタは1つ又は複数のペンを有することがあり、そのようなペンは、ペンの寿命および信頼性を改善するために、及び/又は印刷品質の低下を防止するために、使用中でない場合にキャッピングされ(蓋を被せられ)得る。
【0002】
幾つかの環境において、プリンタの設置面積(例えば、床面積)は重要な要素となることができる。また、より単純なコンポーネント(構成要素)を提供することは、信頼性の改善および/またはコストの削減につながることもできる。
【0003】
本発明の例の目的は、従来技術に関連した1つ又は複数の問題を少なくとも軽減することである。
【0004】
さて、本発明の例が、添付図面に関連して単なる例示のために説明される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】収縮位置にキャップステーションを有する、本発明の一例によるプリンタの略図である。
【
図2】キャップステーションがキャッピング位置にある状態の、
図1に示されたプリンタの略図である。
【
図3】本発明の一例による、ペンキャッピング装置を含むプリンタの斜視図である。
【0006】
詳細な説明
幾つかのタイプのプリンタは、印刷媒体が進む方向に対して横切る方向に印刷媒体にわたって前後に移動するプリントヘッドを利用する。しかしながら、プリントヘッドが印刷媒体を横切って移動するのにかなりの時間期間を費やす可能性があるので、印刷媒体にまたがり且つ静止している(即ち、印刷媒体を横切って移動しない)、又は媒体全体に広がり且つ僅かだけ移動することができるプリントヘッドを含むプリンタが開発された。この技術は、ページワイドアレイ(page wide array:PWA)と呼ばれることが多い。PWAプリンタにおいて、プリントヘッドは、印刷媒体の全幅にわたって同時に印刷することができる。一度に1つのスワス(幅帯状区画)だけ印刷媒体の全幅にわたって印刷した後に印刷媒体が進められ、従って、プリントヘッドが印刷媒体に対して横切って移動する必要がないので、印刷速度が改善される。本発明の例はPWAプリンタに関連して説明されるが、理解されるように、印刷媒体を横切って横方向に移動する可動プリントヘッドを含む本発明の例も企図され得る。
【0007】
プリントヘッドのキャッピングは、プリントヘッドの印刷ペンの信頼性を改善するために、印刷ペンを封止するために使用される。本発明の例において、印刷ペンをキャッピングするための複数の印刷キャップを含む印刷キャップステーションが設けられる。キャップステーションは、収縮位置(引っ込んだ位置)とキャッピング位置との間で移動可能である。収縮位置において、キャップステーションは、印刷媒体経路の側部に格納される。本発明の幾つかの例において、キャップステーションは、それぞれがヒンジにより互いに接続された複数の実質的に剛性のキャップモジュールから形成される。収縮位置において、キャップステーションは、印刷媒体経路の側部において折り畳まれる。キャップステーションは、印刷媒体を横方向に横切ってキャップステーションを延ばすことによりキャッピング位置に移動する。キャッピング位置において、プリントヘッドは、キャップステーションと係合することができ、その結果、キャップステーション上に設けられたキャップがプリントヘッドの印刷ペンを封止する。
【0008】
さて、本発明の例が、
図1に関連して説明される。本発明の例は、各印刷ペンが例えば熱刺激または圧電刺激により、インク滴を吐出するための1つ又は複数のノズルを含むインクジェットプリンタに関連して説明される。しかしながら、理解されるように、印刷ペンがレーザプリンタ又はLEDプリンタを含むトナーを用いたプリンタのような他の技術に基づいている本発明の例も企図され得る。
【0009】
図1は、プリンタ100の全般的な略図である。プリンタ100は、プリントヘッド110の下で、進行方向210に進められる印刷媒体200に印刷するように構成される。
図1において、印刷媒体は、個別の用紙、即ち一枚の用紙として示される。また、本発明の例は、ロールから供給されるような、連続した印刷媒体と共に使用され得る。
図1の例において、プリントヘッドはページワイドアレイ(PWA)プリントヘッド110であり、そのプリントヘッド110は、印刷媒体200の全幅に広がり、ひいては印刷媒体を横方向に横切って移動する必要がないけれども、横方向に移動することができる本発明の実施形態も企図され得る。このように、プリントヘッドは、印刷媒体200にわたって並んで配列された複数の印刷ペンを含む。
【0010】
図1に示されるように、プリントヘッド110に隣接する、印刷媒体200の側部において、キャップステーション120が収縮位置に配置される。収縮位置において、キャップステーションは、プリントヘッド110が印刷媒体に印刷できるように、即ちプリントヘッド110の印刷ペンがキャッピングされないように、プリントヘッドから離れている。キャップステーション120は、使用中でない場合、収縮位置に格納(収容、収納)される。
図1に示されたキャップステーション120は、隣接する部分にヒンジを介して接続された複数のほぼ剛性の部分から形成される。ヒンジは、キャップステーションの部分が別個に関節接合されることを可能にする且つキャップステーション120が収縮位置で折り畳まれることを可能にするために、キャップステーションの部分の両端に配置される。キャップステーションは、コンサーティーナ又はアコーディオンのようにヒンジを中心として折り畳まれ、従って、キャップステーション120の必要な収納スペースが低減される。即ち、折り畳まれた場合、第1及び第2の部分を接続するヒンジは下端に配置され、一方、第2及び第3の部分を接続するヒンジは上端などに配置される。キャップステーションの各部分の表面が、プリントヘッド110の1つ又は複数の印刷ペンを封止するための1つ又は複数のキャップを担持するように構成される。キャップは、例えば個々の印刷ペンの周りで封止するための、突出するリム(外周部)を有するゴムキャップとして形成され得るが、本発明の実施形態はこの態様に制限されない。
【0011】
キャップステーションは、
図1に示された収縮位置と
図2に示されたキャッピング位置との間で駆動され得るように、動かせるように構成される。
図2は、プリントヘッドの下にとどまっている印刷媒体200を示すが、一般にキャップステーションは、印刷媒体が存在しない場合にキャッピング位置に移動することは理解されるであろう。
【0012】
キャッピング位置において、キャップステーションは、プリントヘッドの下で横方向に印刷媒体経路を横切って延びる。キャッピング位置において、キャップステーション120の部分の少なくとも大半は、プリントヘッド110の下側の印刷ペンがキャップステーション120の上面(キャッピング位置にいる場合)に位置するキャップと接触することができるように、一般に水平方向に配列される。幾つかの例において、キャップステーション120又はそれに取り付けられたキャップは、印刷ペンに係合するために垂直方向に移動可能とすることができる。しかしながら、本発明の他の例において、キャップステーション120は、プリントヘッド110が印刷媒体200から離れるように垂直に上方へ移動することにより、印刷媒体200の表面に近接した印刷位置から引き戻される際に、収縮位置とキャッピング位置との間で移動するように構成される。キャップステーション120がキャッピング位置に配置される場合、プリントヘッド110は、キャップステーション上のキャップがプリントヘッド110の下側の印刷ペンに係合してキャッピングするような所定の力でもって、例えば下向き方向にキャップステーション120の方に移動することができる。プリントヘッド又はペンの下向きの動き、又はキャップステーション120上のキャップの上向きの動きの結果として、キャップは、少なくとも部分的に印刷ペンを覆い、それにより印刷ペンに当接して封止する。
【0013】
キャップステーション120は、
図1に示された収縮位置と
図2に示されたキャッピング位置との間で、多数の方法で駆動され(動かされ)得る。幾つかの例において、キャップステーション120は、
図3及び
図4に関連して更に説明されるように、印刷媒体200を横切って延び且つプーリー上で動作する推進ケーブルに取り付けられることができ、キャップステーションは、プーリー上の推進ケーブルの動きにより、収縮位置とキャッピング位置との間で移動するようになっている。キャップステーションに支持体を提供するために、キャップステーションの部分が案内されて支持されるキャップステーションレールが設けられる。
【0014】
図3は、本発明の例を斜視図で示す。
図3及び
図4に示されたプリンタ300は、収縮位置に配置されたキャップステーション350を含む。
【0015】
プリンタ300は、プリントヘッド310を含み、収縮位置にあるキャップステーション350に最も近いプリントヘッドの端部のみが示される。
図1及び
図2に関連して前述されたように、プリントヘッドは印刷媒体を横切って延在するPWAプリントヘッドである。プリントヘッド310は、プリントバー330上に支持される。プリントバー330は、ラックアンドピニオン機構を動かすように構成されたステッピングモータを含むことができるプリントバーエレベータ機構315により、垂直方向に移動可能であるが、プリントバーを動かすための他の機構も企図され得る。プリントバー330の
垂直運動の結果として、それに支持されたプリントヘッド310も垂直に移動する。より低い位置において、プリントヘッド310は、印刷媒体に印刷するために印刷媒体に近接して位置する。
【0016】
キャップステーションは、複数の部分351、352、353により形成され、明瞭化のために、それらの全てが付番されているわけではない。キャップステーションの部分351、352、353はそれぞれ、実質的に剛性であり、一般に細長い。第1のキャップステーションの部分は、ほぼ水平方向に収縮位置に懸架され、キャップステーションガイド370上に支持される。第1のキャップステーションの部分は、推進ケーブル340に取り付けられ、推進ケーブル340はプリンタの両側に配置された第1及び第2のプーリー上で動く。第1のキャップステーションの部分351は、推進ケーブル340により、収縮位置におけるプリンタ300の第1の側からキャッピング位置におけるプリンタ300の第2の側まで移動可能である。収縮位置において、第1のキャップステーションの部分351は、キャップステーションガイド370上に懸架される。第1のキャップステーションの部分351がプリンタの対向する第2の側に進む際、それは、キャップステーションガイドにより支持されている所からプリントバー330上に支持されている所に移動する。第1のキャップステーションの部分351が推進ケーブル340により移動する際、それは、プリントヘッド310に近接してキャップステーションガイド370に形成されたレールの開放端から出る。第1のキャップステーションの部分351は、プリントヘッド310の下にあるプリントバー上に支持されるために、プリントバーキャップガイド320の開放端に入る。第1のキャップの部分は、推進ケーブル340により、プリントバーキャップガイド320に沿ってプリンタ300の第2の側の方へ移動し続ける。
【0017】
第2のキャップステーションの部分352、第3のキャップステーションの部分353及び更なるキャップステーションの部分は、水平方向に積み重ねられ(スタックされ)た構成でほぼ垂直方向に配列されている収縮位置から、プリントバーキャップガイドにより支持され且つ最も端のキャップステーションの部分(単数または複数)の場合にキャップステーションガイド370上に支持されるキャッピング位置まで移動する。第1のキャップステーションの部分351が収縮位置から離れて移動する際、第2のキャップステーションの部分352が、キャップステーションの部分351と352との間に位置する第1のヒンジ361によって引っ張られる。コンサーティーナを伸ばすように、第2のキャップステーションの部分は、第1のキャップステーションの部分351から加えられたけん引力によって、垂直構成から水平構成に徐々に移動する。同様に、第3のキャップステーションの部分353、及び更なるキャップステーションの部分も徐々に、水平位置に移動してプリントバーキャップガイド320に沿って進み、プリントヘッド310の下に広がる。
【0018】
前述したように、キャップステーションの部分351、352、353は、キャッピング位置にある際に上側となる第1の側にキャップを担持する。キャップステーションがプリンタ300にわたって広がることを可能にするために、プリントヘッド310は、プリントバーエレベータ機構315により上向き方向に移動する。次いで、キャップステーション350は、推進ケーブル340により収縮位置からキャッピング位置まで移動する。ひとたびキャッピング位置になると、キャップステーション350は、プリントヘッド310の下に広がる。キャップステーション350上に担持されたキャップは一般に、プリントヘッド310の印刷ペンと垂直方向に位置合わせされ、プリントヘッド310がプリントバーエレベータ機構315により下方に下げられた際に、印刷ペンがキャップステーション350上の対応するキャップに係合して、それにより印刷ペンをキャッピングするようになっている。印刷ペンのキャッピングを解除するために、プリントバーが上方に移動し、それによりキャップと印刷ペンを切り離し、その後、キャップステーションは推進ケーブル340の反対の動きにより収縮位置に移動する。キャップステーション350がキャッピング位置から収縮位置まで移動する際、キャップステーションの部分351、352、353は一般に、ヒンジ361を中心として回転することによってキャッピング位置の水平構成から収縮位置の垂直構成に移行することにより、ぺしゃんこになる。理解されるように、第1のキャップステーションの部分351のようなキャップステーションの部分の一部は、収縮位置において依然として水平構成、又は水平と垂直との間の構成のままであることができる。しかしながら、幾つかの例において、大半のキャップステーションの部分352、353は、収縮位置において水平方向に積み重ねられた構成に配列される。
【0019】
キャップステーションの他の構成を構想することができることを理解するであろう。一例において、収縮位置において、キャップステーションは、キャッピング位置にいる際にキャップステーションが配列される水平面の上方へ又は下方へ垂直の向きに配列され得る。例えば、キャップステーションは、推進ケーブルによって、プリンタの第1の側の方へ移動することができ、この場合、キャップステーションの部分は、プリンタの当該側において垂直方向に下向きに円弧を通じて移動する。一例において、キャップステーションは、プリンタのレグにおける収縮位置に配列され得る。また、キャップステーションの部分は、プリンタの第1の側において垂直方向に積み重ねられた構成へとぺしゃんこにされ得る。別の例において、キャップステーションの部分は、プリンタの第1の側に位置するドラムに巻き付けられるように配列され得る。幾つかの例において、キャップステーションは、その上に印刷ペンのキャップを担持するフレキシブルな基板とすることができる。
【0020】
図3の例において、キャップステーションは、キャッピング位置でプリントバー330上に支持されるが、他の構成も可能である。例えば、キャップステーションをキャッピング位置に懸架および/または案内するためのキャップステーション梁が設けられ得る。
【0021】
有利な点は、本発明の実施形態は、プリントバーの設置面積(実装面積)を低減することができる。キャップステーションがキャッピング位置において、プリントバー上に支持される場合、幾つかの実施形態において、更なる支持バーを必要としないことができる。これは、大きな印刷媒体の上に広がるプリントバーが最大の曲がり仕様を満たすように設計することが困難である可能性があるので、大型のプリンタにおいて特に有用であるかもしれない。
【0022】
本発明の実施形態が、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせの形態で実現され得ることは理解されるであろう。任意のそのようなソフトウェアは、例えば、消去可能か又は書換可能か又はそうでないROMのような記憶デバイスのような揮発性または不揮発性の記憶装置の形態で格納され得る、又は例えばRAM、メモリチップ、デバイス又は集積回路のようなメモリの形態で格納され得る、又は例えばCD、DVD、磁気ディスク又は磁気テープのような光学的または磁気的に読み出し可能な媒体に格納され得る。理解されるように、記憶デバイス及び記憶媒体は、実行された際に本発明の実施形態を実施するプログラム(単数または複数)を格納するのに適した機械可読記憶装置の実施形態である。従って、実施形態は、特許請求の範囲に記載されたようなシステム又は方法を実施するためのコードを含むプログラム、及びそのようなプログラムを格納する機械可読記憶装置を提供する。更に、本発明の実施形態は、有線接続または無線接続を介して伝送される通信信号のような任意の媒体を介して電子的に伝えられることができ、実施形態は適切にそのようなものを包含する。
【0023】
任意の形態の印刷ペンが、本発明の実施形態に関連して使用され得る。本明細書で使用されるような用語ペンは、使用中でない場合にキャップ又は蓋が取り付けられ得る任意の形態の印刷ノズル、液滴生成器、イメージ生成器、又はプリンタの塗布器を含む。
【0024】
上、下、及び水平のような向きに対する言及は、説明の便宜のためであり、他の向きも使用され得る。
【0025】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約および図面の全てを含む)に開示された特徴要素の全て、及び/又はそのように開示された任意の方法またはプロセスのステップの全ては、少なくともそのような特徴要素および/またはステップの一部が相互に排他的である場合の組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせられ得る。
【0026】
特許請求の範囲は、前述の実施形態だけでなく、特許請求の範囲内にある任意の実施形態も網羅するように構成されている。