特許第5873570号(P5873570)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中国科学院大▲連▼化学物理研究所の特許一覧

特許5873570メタノール及び/又はジメチルエーテルとC4液化ガスの混合転換によりパラキシレンを製造するための触媒及びその製造方法と使用
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5873570
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】メタノール及び/又はジメチルエーテルとC4液化ガスの混合転換によりパラキシレンを製造するための触媒及びその製造方法と使用
(51)【国際特許分類】
   B01J 29/40 20060101AFI20160216BHJP
   B01J 37/02 20060101ALI20160216BHJP
   C10G 3/00 20060101ALI20160216BHJP
   C07C 15/08 20060101ALI20160216BHJP
   C07C 2/86 20060101ALI20160216BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20160216BHJP
【FI】
   B01J29/40 M
   B01J37/02 101D
   C10G3/00 B
   C07C15/08
   C07C2/86
   !C07B61/00 300
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-547674(P2014-547674)
(86)(22)【出願日】2012年4月26日
(65)【公表番号】特表2015-504002(P2015-504002A)
(43)【公表日】2015年2月5日
(86)【国際出願番号】CN2012074709
(87)【国際公開番号】WO2013091337
(87)【国際公開日】20130627
【審査請求日】2014年6月18日
(31)【優先権主張番号】201110428610.8
(32)【優先日】2011年12月19日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503190796
【氏名又は名称】中国科学院大▲連▼化学物理研究所
【氏名又は名称原語表記】DALIAN INSTITUTE OF CHEMICAL PHYSICS,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】許 磊
(72)【発明者】
【氏名】劉中民
(72)【発明者】
【氏名】于政錫
【審査官】 岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第101607858(CN,A)
【文献】 特開平03−220294(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00−38/74
C10G 1/00−99/00
C07C 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタノール及び/又はジメチルエーテルとC液化ガスを含有する混合気を触媒が充填された反応器に通過させ、反応温度が350−550℃、反応圧力が常圧−5MPa、且つ原料供給の重量空間速度が0.1−20h−1である条件下で芳香族化反応を行い、パラキシレンを生成するステップを含む、メタノール及び/又はジメチルエーテルとC液化ガスの混合転換によりパラキシレンを製造する方法において、
前記触媒が二金属及びシロキサン化合物の共改良により製造されるHZSM−5分子篩触媒及び/又はHZSM−11分子篩触媒であり、
前記二金属が亜鉛及びガリウムであり、前記シロキサン化合物が式Iで示され、
(但し、R、R、R及びRが独立にC−C10アルキル基から選ばれる基である。)
前記触媒が二金属及びシロキサン化合物の共改良により製造される方法は、
(1)亜鉛及びガリウムの一方の可溶性塩の溶液によりHZSM−5分子篩触媒及び/又はHZSM−11分子篩触媒を浸漬し、ろ過、乾燥及び焼成し、金属改良の分子篩を得るステップ、
(2)亜鉛及びガリウムのもう一方の可溶性塩の溶液によりステップ(1)で得られた金属改良の分子篩を浸漬し、ろ過、乾燥及び焼成し、二金属で改良された分子篩を得るステップ、及び
(3)シロキサン化合物により前記二金属による改良の分子篩を浸漬し、ろ過、乾燥及び焼成し、二金属及びシロキサン化合物による共改良のHZSM−5分子篩触媒及び/又はHZSM−11分子篩触媒を得るステップ、を含むことを特徴とするパラキシレンの製造方法
【請求項2】
前記シロキサン化合物がテトラエトキシシランであることを特徴とする、請求項1に記載のパラキシレンの製造方法。
【請求項3】
前記亜鉛及びガリウムの担持量がそれぞれ触媒総重量の0.5−8重量%であり、酸化ケイ素に換算するとシロキサン化合物の担持量が触媒総重量の0.5−10重量%であることを特徴とする、請求項1に記載のパラキシレンの製造方法。
【請求項4】
固定床又は流動化床の中で行うことを特徴とする、請求項に記載のパラキシレンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメタノール及び/又はジメチルエーテルとC液化ガスから芳香族化により芳香族炭化水素を製造する技術に関し、具体的にはメタノール及び/又はジメチルエーテルとC液化ガスの混合転換により高選択率でパラキシレンを製造する触媒及びその製造方法と使用に関する。
【背景技術】
【0002】
パラキシレンはポリエステル生産の基本原料である。現在、パラキシレンの生産は主にナフサの接触改質により得られたトルエン、C芳香族炭化水素及び混合キシレンを原料として、不均化、異性化、吸着分離又は深冷分離により製造されている。その生成物におけるパラキシレンの含有量が熱力学により制御されているため、パラキシレンがC混合芳香族炭化水素において約20%のみを占めており、プロセス過程における物質のリサイクルの処理量が大きく、設備巨大であり、操作費用が高い。特にキシレンの三種の異性体の沸点の差が僅かであり、通常の蒸留技術により高純度のパラキシレンが得られなく、高価な吸着分離プロセスを利用しなければならない。
【0003】
石油資源の益々不足に伴い、国内外の多くの研究機構が積極的に芳香族炭化水素を増産する新技術を開発している。例えば、メタノールから芳香族炭化水素を製造すること、液化ガスから芳香族炭化水素を製造することなどがある。メタノールによる芳香族炭化水素の製造技術は石炭又は天然ガスから芳香族炭化水素を製造する新たなルートであり、メタノール又はジメチルエーテルを金属と分子篩が複合された触媒で直接的に芳香族化することにより芳香族炭化水素を製造する。
【0004】
1977年に、Mobil社のChang氏らは(Journal of Catalysis,1977,47,249)ZSM−5分子篩触媒でメタノール及びその酸素含有化合物から芳香族炭化水素等の炭化水素を製造する方法を報道した。研究により、金属成分の影響下で、アルカン、エチレン系炭化水素が一定の条件下で芳香族炭化水素に転換することができる。よって、ZSM−5に対して金属成分により改良することにより、メタノール転換過程においてより多くの芳香族炭化水素を生成させることは該過程の研究の主要方向になっている。
【0005】
現在、ZSM−5に対する改良の研究は主にZn、Gaによる改良に集中され、他の金属、例えばAg、Cu等の金属改良に関する報道もある。日本国のOno氏らは(J.Chem.Soc.,Faraday Trans.1,1988,84(4),1091;Microporous Materials,1995,4, 379)イオン交換法によりZn及びAgをZSM−5分子篩に導入し、メタノールから芳香族炭化水素を製造する(MTA)の触媒性能を考査した。Znの導入後に生成物における芳香族炭化水素の含有量が向上し、約67.4%(C%)に達し、Agの導入後に芳香族炭化水素の収率が約80%に達することができた。
【0006】
中国特許CN 101244969にC−C炭化水素類又はメタノールの芳香族化及び触媒再生の流動化床装置が記載されており、当該装置及触媒により随時に芳香族化の反応器内の触媒のコーキング状態を調節でき、連続的に効率よくC−C炭化水素類又はメタノールから高選択率で芳香族炭化水素に転化する目的を達成できる。
【0007】
中国特許CN 1880288にメタノールから芳香族炭化水素を製造するプロセスが記載されている。改良されたZSM−5分子篩触媒において、メタノールが芳香族炭化水素を主とする生成物に転換され、芳香族炭化水素の合計の選択率が高く、プロセスの操作を制御し易い利点を有する。
【0008】
米国特許US 4615995に、触媒におけるZn及びMnの含有量を調節することにより生成物における低炭素数のエチレン系炭化水素/芳香族炭化水素化合物の比率を変更できる、メタノールからエチレン系炭化水素及び芳香族炭化水素を製造するためのZn及びMnが担持されたZSM−5分子篩触媒が記載されている。
【0009】
石油精製所の副産物である液化石油ガスの芳香族化により芳香族炭化水素を製造することも芳香族炭化水素の供給源を増加する有効なルートである。一方、液化ガスの芳香族化により高品質のガソリンを製造できるが、もう一方、液化ガスの芳香族化により直接的にベンゼン、トルエン及びキシレン(BTX)製品を得ることができる。USP 4642402に、Ga改良のZSM−5分子篩触媒により、C3及び C4の軽質炭化水素が芳香族化でBTX芳香族炭化水素に転換し、芳香族炭化水素の収率が約60%である、UOP社が開発した軽質炭化水素から芳香族炭化水素を製造するプロセスが記載されている。
【0010】
中国特許CN 1023633Cに、C−Cアルカン、特にエチレン系炭化水素が芳香族化反応でベンゼン、トルエン及びキシレン混合芳香族炭化水素を製造することに適用でき、合計の芳香族炭化水素の収率が約50重量%である、低炭素炭化水素の芳香族化のためのガリウム、亜鉛、白金により改良されたHZSM−5触媒が記載されている。
【0011】
中国特許CN 1660724Aに、DLC−2触媒を採用し、ベンゼン、トルエン及びキシレンの混合芳香族炭化水素の収率が約65重量%に達する、液化ガスの芳香族化によりベンゼン、トルエン及びキシレンを生産する流動化床のプロセスが記載されている。
【0012】
上記メタノール転換による芳香族炭化水素の製造及び液化石油ガスの芳香族化による芳香族炭化水素の製造はいずれも単一の原料でベンゼン、トルエン及びキシレン(BTX)の混合芳香族炭化水素を目的とする生成物を製造し、市場価値が低く、経済効果が乏しい。
【発明の概要】
【0013】
本発明の一つの目的は、メタノール及び/又はジメチルエーテルとC液化ガスの混合転換により高収率で芳香族炭化水素を製造する触媒及びその製造方法と使用、即ち、高収率で芳香族炭化水素を製造する方法における触媒の使用、を提供する。当該方法は石炭資源に由来のメタノール及び石油精製所の副産物に由来の液化ガス資源を組合せ、原料とし、最大限で芳香族炭化水素の製品を得ることができる。同時に、メタノールの芳香族化反応過程及び液化ガスの芳香族化反応過程を組合せることにより、芳香族炭化水素の収率を効果的に向上させる。
【0014】
本発明のもう一つの目的は、メタノール及び/又はジメチルエーテルとC液化ガスの混合転換により高選択率でパラキシレンを製造する方法を提供する。当該方法は二金属及びシリコンによる共改良により製造された形状選択機能を有する分子篩触媒を使用し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとC液化ガスを芳香族化及び形状選択的アルキル化でパラキシレン製品に転換できる。
【0015】
上記目的を実現するために、一つの方面から見れば、本発明は、二金属及びシロキサン化合物の共改良により製造され、形状選択機能を有する芳香族化の分子篩触媒であり、前記二金属が亜鉛及びガリウムであるメタノール及び/又はジメチルエーテルとC液化ガスの混合転換によりパラキシレンを製造するための触媒を提供する。
【0016】
本発明の一つの好ましい実施形態において、前記シロキサン化合物が下記の式Iで表される。
【0017】
【化1】
【0018】
(但し、R、R、R及びRが独立にC−C10アルキル基から選ばれるものである。)
【0019】
本発明の一つのより好ましい実施形態において、前記シロキサン化合物がテトラエトキシシランである。
【0020】
本発明のもう一つの好ましい実施形態において、前記二金属による改良及びシロキサン化合物による共改良は、例えば(1)亜鉛及びガリウムの一方の可溶性塩の溶液により分子篩を浸漬し、ろ過、乾燥及び焼成し、金属改良の分子篩を得るステップ、(2)亜鉛及びガリウムのもう一方の可溶性塩の溶液によりステップ(1)で得られた金属改良の分子篩を浸漬し、ろ過、乾燥及び焼成し、二金属による改良の分子篩を得るステップ、及び(3)シロキサン化合物により前記二金属による改良の分子篩を浸漬し、ろ過、乾燥及び焼成し、二金属及びシロキサン化合物による共改良の分子篩触媒を得るステップ、を含む。
【0021】
本発明のもう一つの好ましい実施形態において、前記形状選択機能を有する芳香族化の分子篩触媒における分子篩がHZSM−5分子篩及び/又はHZSM−11分子篩である。
【0022】
本発明のもう一つの好ましい実施形態において、前記亜鉛及びガリウムの担持量はそれぞれ触媒総重量の0.5−8重量%であり、酸化ケイ素に換算するとシロキサン化合物の担持量が触媒総重量の0.5−10重量%である。
【0023】
他の方面から見れば、本発明は上記触媒を製造する方法を提供する。前記方法は、
(1)亜鉛及びガリウムの一方の可溶性塩の溶液により分子篩を浸漬し、ろ過、乾燥及び焼成し、金属改良の分子篩を得るステップ、
(2)亜鉛及びガリウムのもう一方の可溶性塩の溶液によりステップ(1)で得られた金属改良の分子篩を浸漬し、ろ過、乾燥及び焼成し、二金属による改良の分子篩を得るステップ、及び
(3)シロキサン化合物により前記二金属による改良の分子篩を浸漬し、ろ過、乾燥及び焼成し、二金属及びシロキサン化合物による共改良の分子篩触媒を得るステップ、を含む。
【0024】
もう一つの方面から見れば、本発明は、メタノール及び/又はジメチルエーテルとC液化ガスを含有する混合気が上記の触媒が充填された反応器に通過させ、反応温度が350−550℃、反応圧力が常圧−5MPa、且つ原料供給の重量空間速度が0.1−20h−1である条件下で芳香族化反応を行い、パラキシレンを生成するステップを含む、メタノール及び/又はジメチルエーテルとC液化ガスの混合転換によりパラキシレンを製造する方法、を提供する。
【0025】
本発明によるメタノール及び/又はジメチルエーテルとC液化ガスの芳香族化反応による転換の非水生成物において、芳香族炭化水素の収率が70重量%を超え、その中、在芳香族炭化水素成分におけるパラキシレンの選択率が80重量%を超え、キシレン異性体におけるパラキシレンの選択率が99重量%を超える。
【0026】
本発明の一つの好ましい実施形態において、前記方法は固定床又は流動化床の中で行う。
【発明を実施するための形態】
【0027】
具体的に、本発明は、二金属及びシロキサン化合物の共改良により製造され、形状選択機能を有する芳香族化の分子篩触媒であり、前記二金属が亜鉛及びガリウムである、メタノール及び/又はジメチルエーテルとC液化ガスの混合転換によりパラキシレンを製造するための触媒、を提供する。
【0028】
本発明で使用される二金属及びシラン化による共改良の分子篩触媒は
1、ゼオライト分子篩の原粉末に対してNHイオン交換を行い、焼成し、酸性ゼオライト分子篩に製造するステップ、
2、1種の金属の可溶性塩の溶液により酸性ゼオライト分子篩を浸漬・改良し、金属改良のゼオライト分子篩を得るステップ、
3.もう1種の金属の可溶性塩の溶液によりステップ2で得られた金属改良の分子篩を再び浸漬・改良し、二金属による改良のゼオライト分子篩を得るステップ、
4.シロキサン試薬によりステップ3で得られた二金属による改良のゼオライト分子篩を浸漬・改良し、触媒の表面の酸性及び細孔構造を調節し、二金属及びシラン化による共改良の触媒を得るステップ、及び
5、ステップ4で製造された触媒はタブレット又は噴霧干燥により成形してから使用するステップ、
を含む方法により製造される。
【0029】
前記二金属が亜鉛及びガリウムである。
【0030】
本明細書において、シロキサン化合物による改良もシラン化による改良と称する。
【0031】
分子篩がH型分子篩である場合では、ステップ1を省略することができる。さらに、シラン化による改良は二金属による改良の前で行ってもよい。
【0032】
前記シロキサン化合物の構造の一般式は式Iで表される。
【0033】
【化2】
【0034】
(但し、R、R、R及びRが独立にC−C10アルキル基から選ばれるものである。)
【0035】
前記C−C10アルキル基はメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、ノニル基及びデシル基が挙げられる。前記官能団が異性体を有する場合では、各種類の異性体が含まれる。例えば、プロピル基にはn-プロピル基、イソプロピル基が含まれ、ブチル基にはn-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基が含まれる。
【0036】
好ましくは前記シロキサン化合物が室温で液体である。前記シロキサン化合物が室温で固体である場合では、液体になるまで加熱してから、浸漬に用いられる。
【0037】
前記改良の分子篩触媒において、金属の担持量がそれぞれ触媒総重量の0.5−8重量%であり、酸化ケイ素に換算するとシロキサン化合物の担持量が触媒の総重量の0.5−10重量%である。
【0038】
前記分子篩が具体的にZSM−5分子篩又はZSM−11分子篩であってもよく、好ましくはZSM−5分子篩である。前記シロキサン化合物が具体的にテトラエトキシシラン(R、R、R及びRの全てがエチル基である)である。
【0039】
本発明はメタノール及び/又はジメチルエーテルとC液化ガスの混合物を原料とする。その中、メタノールが水含有メタノールであってもよく、メタノールの重量濃度が50−100%である。メタノール及び/又はジメチルエーテルとC液化ガスの混合物の供給は任意の比率でもよい。より高い芳香族炭化水素の収率が得られるように、メタノール及び/又はジメチルエーテルとC液化ガスの供給の比率が(10−90):(90−10)(重量比)であり、好ましくは(30−70):(70−30)(重量比)である。
【0040】
本発明に係わるメタノール及び/又はジメチルエーテルとC液化ガスの転換反応の反応方式が固定床又は流動化床の何れかである。反応温度が350−550℃であり、好ましくは400−500℃であり、反応圧力が常圧−5MPa、好ましくは常圧−2MPaである。原料供給の重量空間速度が0.1−20h−1であり、好ましくは1−10h−1である。
【0041】
以下は実施例により本発明を詳述するが、本発明は以下実施例に制限されるものではない。
【0042】
特別な説明がない限り、下記実施例における試薬及び材料はすべて市販で得られる。実施例における“重量%”は重量百分比を示す。特別な説明がない限り、本願における部、百分比及び比率は何れも重量を基準にするものである。
【0043】
実施例1 固定床の触媒の製造
1)500gのZSM−5ゼオライト分子篩の原粉末(南開大学触媒工場)(SiO/Al=50)を550℃で焼成し,テンプレート剤を除去した。80℃の水浴で0.5mol/L硝酸アンモニウム溶液で4回イオン交換した。交換後120℃、空気中で乾燥し、550℃で3時間焼成し、HZSM−5ゼオライト分子篩を得た。
【0044】
2)ステップ1)で製造されたHZSM−5ゼオライト分子篩を別々に20g取り、5%重量濃度の硝酸亜鉛[Zn(NO]溶液で常温4時間を浸漬し、上層液体をデカントした後に120℃で乾燥した。その後、550℃、空気中で6時間を焼成し、亜鉛改良のHZSM−5ゼオライト分子篩を得た。
【0045】
3)ステップ2)で製造された亜鉛改良のHZSM−5ゼオライト分子篩を取り、8%重量濃度の硝酸ガリウム[Ga(NO]溶液により常温で4時間を浸漬し、上層液体をデカントした後に120℃で乾燥した。その後、550℃、空気中で6時間焼成し、亜鉛とガリウムの二金属による改良のHZSM−5ゼオライト分子篩を得た。
【0046】
4)テトラエトキシシラン(TEOS)を使用し、ステップ3)で得られた亜鉛とガリウムの二金属による改良のHZSM−5ゼオライト分子篩を常温で24時間浸漬し、上層液体をデカントした後120℃で乾燥し、550℃、空気中で6時間焼成し、亜鉛とガリウムの二金属及びシラン化による共改良のHZSM−5触媒を得た。元素分析により、触媒における亜鉛の含有量が2.8重量%であり、ガリウムの含有量が3.6重量%であり、酸化ケイ素に換算するとシラン化による担持量が触媒総重量の7.9重量%であった。触媒の名称はCPX−01とした。
【0047】
実施例2 固定床の触媒の製造
1)実施例1で製造されたHZSM−5ゼオライト分子篩を別々に20g取り、10%重量濃度の硝酸ガリウム[Ga(NO]溶液により常温で4時間浸漬し、上層液体をデカントした後に120℃で乾燥した。その後、550℃、空気中で6時間焼成し、ガリウム改良のHZSM−5ゼオライト分子篩を得た。
【0048】
2)ステップ1)で製造されたガリウム改良のHZSM−5ゼオライト分子篩を取り、8%重量濃度の硝酸亜鉛[Zn(NO]溶液により常温で4時間浸漬し、上層液体をデカントした後に120℃乾燥した。その後、550℃、空気中で6時間焼成し、ガリウムと亜鉛の二金属による改良のHZSM−5ゼオライト分子篩を得た。
【0049】
4)テトラエトキシシラン(TEOS)を使用し、ステップ2)で得られたガリウムと亜鉛の二金属による改良のHZSM−5ゼオライト分子篩を常温で24時間浸漬し、上層液体をデカントした後に120℃乾燥し、550℃、空気中で6時間焼成し、亜鉛とガリウムの二金属及びシラン化による共改良のHZSM−5触媒を得た。元素分析により、触媒における亜鉛の含有量が3.7重量%であり、ガリウムの含有量が5.2重量%であり、酸化ケイ素に換算するとシラン化による担持量が触媒総重量の6.7重量%であった。触媒の名称はCPX−02とした。
【0050】
実施例3 流動化床の触媒の製造
1)実施例1で製造されたHZSM−5ゼオライト分子篩を200g取り、10%重量濃度の硝酸亜鉛[Zn(NO]溶液により常温で4時間浸漬し、上層液体をデカントした後に120℃で乾燥した。その後、550℃、空気中で6時間焼成し、亜鉛改良のHZSM−5ゼオライト分子篩を得た。
【0051】
2)ステップ1)で製造された亜鉛改良のHZSM−5ゼオライト分子篩を取り、15%重量濃度の硝酸ガリウム[Ga(NO]溶液により常温で4時間浸漬し、上層液体をデカントした後に120℃乾燥した。その後、550℃、空気中で6時間焼成し、亜鉛とガリウムの二金属による改良のHZSM−5ゼオライト分子篩を得た。
【0052】
3)テトラエトキシシラン(TEOS)を使用し、ステップ3)で得られた亜鉛とガリウムの二金属による改良のHZSM−5ゼオライト分子篩を常温で24時間浸漬し、上層液体をデカントした後に120℃乾燥し、550℃、空気中で6時間焼成し、亜鉛とガリウムの二金属及びシラン化による共改良のHZSM−5ゼオライト分子篩を得た。
【0053】
4)ステップ3)で得られた亜鉛とガリウムの二金属及びシラン化による共改良のHZSM−5ゼオライト分子篩と、カオリン、シリカゾル、アルミナゾル並びに脱イオン水とをスラリーに混合した。分子篩と、カオリン、シリカゾル、アルミナゾルの乾量基準の比率が30:32:26:12であり、スラリーの固体含有量が約35重量%であった。スラリーは室温で5時間エージングし、コロイドミルによる粉砕した後に噴霧成形し、粒径が20−100μmである微球状の触媒を得た。元素分析により、触媒における亜鉛の含有量が2.3重量%であり、ガリウムの含有量が3.1重量%であり、酸化ケイ素に換算するとシラン化による担持量が触媒総重量の5.3重量%であった。触媒の名称はCPX−03とした。
【0054】
実施例4 固定床反応の評価
実施例1及び2で製造されたCPX−01及びCPX−02触媒を反応触媒とし、5gの触媒を固定床反応器に装入し、550℃、空気雰囲気で1時間処理し、窒素ガスの雰囲気下で反応温度を450℃、0.15MPaに降温した。供給ポンプによりメタノール及びC液化ガスを温度が200℃である気化器に投入し、混合後に反応器に入り、触媒と接触反応を起こした。原料であるメタノールとC液化ガスの供給の重量比が50:50であり、供給の総重量空間速度が2h−1であった。反応原料の組成と非水生成物の分布が表1で示されている通り、非水生成物における芳香族炭化水素の収率がそれぞれ71.31重量%及び73.03重量%であり、芳香族炭化水素の生成物におけるパラキシレンの含有量がそれぞれ87.17重量%及び86.67重量%であり、キシレンの異性体におけるパラキシレンの選択率がそれぞれ99.41重量%及び99.32重量%であった。
【0055】
【表1】
【0056】
実施例5 固定床反応の評価
実施例1及び2で製造されたCPX−01及びCPX−02触媒を反応触媒とし、5gの触媒を固定床反応器に装入し、550℃、空気雰囲気で1時間処理し、窒素ガスの雰囲気下で反応温度を450℃、0.1MPaに降温した。供給ポンプによりメタノール及びC液化ガスを温度が200℃である気化器に投入し、混合後に反応器に入り、触媒と接触反応を起こした。原料であるメタノールとC液化ガスの供給の重量比が30:70であり、供給の総重量空間速度が2h−1であった。反応原料の組成と非水生成物の分布が表2で示されている通り、非水生成物における芳香族炭化水素収率がそれぞれ75.21重量%及び79.01重量%であり、芳香族炭化水素生成物におけるパラキシレン含有量がそれぞれ85.88重量%及び85.74重量%であり、キシレン異性体におけるパラキシレンの選択率がそれぞれ99.21重量%及び99.19重量%であった。
【0057】
【表2】
【0058】
実施例6 流動化床反応の評価
実施例3で製造されたCPX−03触媒を反応触媒とし、10gの触媒を流動化床反応器に装入し、550℃、空気雰囲気で1時間処理し、窒素ガスの雰囲気で反応温度を450℃、0.1MPaに降温した。供給ポンプによりジメチルエーテル及びC液化ガスを温度が280℃であるプレヒーターに投入し、混合後に流動化床反応器に入り、触媒と接触反応を起こした。原料であるメタノールとC液化ガスの供給の重量比がそれぞれ50:50及び30:70であり、供給の総重量空間速度が2h−1であった。反応原料の組成と非水生成物の分布が表3で示されている通り、非水生成物における芳香族炭化水素の収率がそれぞれ70.12重量%及び72.87重量%であり、芳香族炭化水素の生成物におけるパラキシレンの含有量がそれぞれ84.47重量%及び85.21重量%であり、キシレン異性体におけるパラキシレンの選択率がそれぞれ99.04重量%及び99.08重量%であった。
【0059】
【表3】