【文献】
中尾 正悟 他,Evolved UTRA上り制御チャネルにおけるスクランブルの一検討,電子情報通信学会技術研究報告,2008年10月15日,Vol.108, No.249,pp.55-60,RCS2008-112
【文献】
Panasonic,Proposal for the implicit resource mapping for Uplink ACK/NACK channels, 3GPP TSG-RAN WG1#52 R1-081109,2008年 2月15日
【文献】
NEC Group,Detail on mapping between ACK/NACK index and CCE index, 3GPP TSG-RAN WG1#52 R1-081020,2008年 2月15日
【文献】
InterDigital Communications, et al.,ACK/NACK Index Mapping for Uplink Transmission for E-UTRA, 3GPP TSG-RAN WG1#51 R1-074701,2007年11月 9日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
巡回シフト量が所定量ずつ増加する方向に、#0から#11の連続する番号で表された12個の巡回シフト量のうち、#0、#2、#4、#6、#8、#10の6個の巡回シフト量が、前記複数の直交系列のうちの一つの直交系列に関連付けられ、
前記6個の巡回シフト量のうち、巡回シフト量の番号が2つ異なる2つの巡回シフト量が、それぞれ、前記第1のリソース番号と前記第2のリソース番号から特定される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の受信装置。
前記応答信号は、前記複数の直交系列のうちの一つに関連付けられた所定間隔で隣り合う2つの巡回シフト量の一方が用いられる応答信号の位相が、他方が用いられる応答信号の位相に対して90度回転するように、スクランブルされている、
請求項7に記載の受信装置。
前記応答信号は、前記第1のリソース番号が用いられる応答信号の位相と前記第2のリソース番号が用いられる応答信号の位相とが同じになるように、スクランブルされている、
請求項1から8のいずれか一項に記載の受信装置。
巡回シフト量が所定量ずつ増加する方向に、#0から#11の連続する番号で表された12個の巡回シフト量のうち、#0、#2、#4、#6、#8、#10の6個の巡回シフト量が、前記複数の直交系列のうちの一つの直交系列に関連付けられ、
前記6個の巡回シフト量のうち、巡回シフト量の番号が2つ異なる2つの巡回シフト量が、それぞれ、前記第1のリソース番号と前記第2のリソース番号から特定される、
請求項10から12のいずれか一項に記載の応答信号受信方法。
前記応答信号は、前記複数の直交系列のうちの一つに関連付けられた所定間隔で隣り合う2つの巡回シフト量の一方が用いられる応答信号の位相が、他方が用いられる応答信号の位相に対して90度回転するように、スクランブルされている、
請求項16に記載の応答信号受信方法。
前記応答信号は、前記第1のリソース番号が用いられる応答信号の位相と前記第2のリソース番号が用いられる応答信号の位相とが同じになるように、スクランブルされている、
請求項10から17のいずれか一項に記載の応答信号受信方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施形態では、本発明に係る無線通信装置及び無線通信方法の一例として、移動体通信用の無線通信システムであるセルラーシステムに用いられる無線通信装置及び無線通信方法の構成例を示す。以下の構成例では、移動局から基地局へのアップリンクにおいて、上り制御チャネルを用いて制御情報を伝送する際、符号多重を行って複数の移動局にリソースを割り当てる場合の構成を例示する。制御情報としては、移動局での受信信号の復号結果の成否を示すAckまたはNackを通知するAck/Nack信号を送信する場合を想定する。なお、下記の実施形態は説明のための一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0016】
本実施形態では、アップリンクの上り制御チャネルにおいて移動局であるユーザ端末の無線通信装置から基地局の無線通信装置へAck/Nack信号を送信する際、CDDを適用して複数アンテナによって送信することにより、送信ダイバーシチを実現する。また、複数のユーザ端末において符号多重を行うために、CAZAC系列等による巡回シフト系列と直交系列の2段階で拡散した符号系列を用いる。この際、以下で述べるように、下り制御チャネルの制御信号の割当て、あるいは各ユーザ端末のスケジューリングなどによって、対応するAck/Nackリソースの使用状況が決まるため、これに応じて各ユーザ端末のリソースを割り当てることで、符号多重を行う場合の符号間干渉を軽減する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態による上り制御チャネルにおけるリソース割当て例を示す図である。
図2は下り制御チャネルにおける制御信号の割当てを示す図である。
図1では、Ack/Nackリソースに適用して符号多重を行う符号系列の配置例として、2つの符号系列におけるリソース割当てを2次元的に示している。
図1において、水平方向はCAZAC系列による巡回シフト系列の巡回シフト量を示し、0〜11の12個の各巡回シフト量を持つ符号系列を設定している。垂直方向は直交系列として複数の直交符号を示しており、各直交符号には4シンボルの符号(1,1,1,1)(1,−1,1,−1)(1,−1,−1,1)…を用いている。ACK#0、ACK#1、…は、Ack/Nackリソースの番号であり、各ユーザ端末に割り当てるリソースの位置を示している。
図13の例と同様、上り制御チャネルにおけるAck/NackリソースACK#0、ACK#1、…は、同一直交符号においては巡回シフト量で2つおきに用い、隣接直交符号間では巡回シフト量を1つおきに用いることで、巡回シフト系列及び直交系列において割当てリソースの間隔を1つずつあけて隣接するリソースが割り当てられないように、各ユーザ端末に割り当てられるものとする。
【0018】
セルラーシステムの基地局は、下り制御チャネルにおける制御信号のカバレッジを確保するため、例えばセルエッジにあるユーザ端末などに対して送信信号のエネルギーを集積して遠くまで信号を到達させるように、単一のユーザ端末に向けて連続したリソースの複数の制御信号をまとめて用いて下りデータ信号の制御情報を指示することがある。ここでは、基地局が下り制御チャネルにおいて用いる制御信号数をAggregation sizeと呼ぶことにする。すなわち、基地局が各ユーザ端末への下りリソース割当てに用いる制御情報の一つとして、下りの制御信号用のリソースの大きさを示すAggregation sizeが含まれる。ユーザ端末は、下り制御チャネルを受信する際に、既定の組み合わせに応じて各Aggregation sizeを順に探索する動作を行う。このAggregation sizeによって、ユーザ端末は自装置に対して用いられる制御信号の数を知ることができる。なお、下り制御チャネルにおける制御信号は、LTEではCCE(Control Channel Element)とも呼ばれるが、これと同様な下りリソース割当ての通知に用いる制御信号用のリソースであれば、他の制御情報であっても同様に適用可能である。
【0019】
図2に示すように、下り制御チャネルにおいて、Aggregation size=1の場合は、1つのユーザ端末に対して1つの制御信号#0、#1、…がそれぞれ割り当てられる。Aggregation size=2の場合は、1つのユーザ端末に対して2つの制御信号が割り当てられ、各ユーザ端末に対して使用される制御信号は#0、#2、…と2つおきになる。Aggregation size=4の場合は、1つのユーザ端末に対して4つの制御信号が割り当てられ、各ユーザ端末に対して使用される制御信号は#0、#4、…と4つおきになる。Aggregation size=8の場合は、1つのユーザ端末に対して8つの制御信号が割り当てられ、各ユーザ端末に対して使用される制御信号は#0、#8、…と8つおきになる。この際、割当て規則簡素化のため、上記のように制御信号の開始位置は限定されている。
【0020】
一方、上り制御チャネルにおけるAck/Nackリソースは、下り制御チャネルの制御信号の開始位置とAggregation sizeに対応して割り当てられる。Ack/Nackリソースは、Aggregation size=1の場合はACK#0、ACK#1、…と各リソースが使用されるが、Aggregation size=2の場合はACK#0、ACK#2、…と2つおきに使用され、Aggregation size=4の場合はACK#0、ACK#4、…と4つおきに使用され、Aggregation size=8の場合はACK#0、ACK#8、…と8つおきに使用される。このように、Aggregation size>1の場合、使用されないAck/Nackリソースが生じる。なお、Aggregation sizeが大きくなる場合は、ユーザ端末が基地局から離れた位置にあるなど通信環境が悪い状況であり、特にこのような場合のユーザ端末ではアップリンクにおける送信ダイバーシチ効果が必要となる。また、ダウンリンクにおいてMIMO(Multiple Input Multiple Output)を適用する場合は、伝送される複数データ列のAck/Nackを表現するのに多くの情報量が必要になるので、アップリンクにおける送信ダイバーシチが効果的である。
【0021】
本実施形態では、上記Aggregation sizeに応じて、Aggregation sizeが1より大きい、すなわち2以上の複数であるとき、ユーザ端末は、対応するAck/Nackリソースのうち、同一直交符号で異なるAck/Nackリソースに対応する巡回シフト量を用いてCDDによる送信を行う。つまり、ダウンリンクの制御信号に対応して使用されないAck/Nackリソースがある場合に、ユーザ端末はそのことをAggregation sizeによって判断し、使用されないAck/Nackリソースを用いて、CDD用の複数アンテナのリソースを割り当てる。具体的には、
図1に示すように、例えばAggregation size=2の場合、図中楕円で囲まれたACK#0とACK#1の2つのリソースが1つのユーザ端末で占有され、CDDを行わない場合は2番目のACK#1は使用されないリソースとなる。そこで、第1のアンテナに巡回シフト量0のACK#0のリソースを割り当て、第2のアンテナに巡回シフト量2のACK#1のリソースを割り当てる。このような符号系列に対するリソースの割当てにより、同一符号系列において巡回シフトするCDDを適用して送信ダイバーシチ効果を得るとともに、CDD適用時に他のユーザ端末に割り当てられた符号と干渉することを無くすことができる。
【0022】
このように、本実施形態では、アップリンクにおける送信装置(すなわちユーザ端末)は、Ack/Nack信号の送信において、自装置への下りリソース割当ての通知に用いる制御情報に対応したリソースを使用することとし、複数ユーザ端末間の符号多重のために送信信号の拡散に用いる符号系列のうち、同一直交符号において異なる巡回シフト量の巡回シフト系列を用いて複数アンテナより送信することで、CDDによる送信ダイバーシチ処理を施す。この場合、巡回シフト量の軸において右側に位置するリソースに使用されないリソースがあることが判定された場合に、そのリソースを用いてCDD送信を行う。一方、受信装置(すなわち基地局)は、ユーザ端末においてCDDを適用して生成される送信信号を想定して、各ユーザ端末にリソース割当てを行い、ユーザ端末から送信された信号を上記CDDに対応する受信動作によって復調する。
【0023】
以下、より詳細に本実施形態の構成及び動作を説明する。
図3は本発明の第1の実施形態で用いる送信装置の主要部の構成を示すブロック図、
図4は本発明の第1の実施形態で用いる受信装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【0024】
本実施形態では、
図3に示した送信装置と
図4に示した受信装置との間で電波を用いて無線通信を行う場合を想定している。ここでは、セルラーシステムの無線通信基地局装置(無線基地局、BS)に
図4に示す受信装置を適用し、携帯電話装置などの無線通信移動局装置であるユーザ端末(UE)に
図3に示す送信装置を適用することが想定される。
【0025】
図3に示す送信装置(ユーザ端末)は、複数の送信信号生成部301a、301bと、複数の送信RF部302a、302bと、複数のアンテナ303a、303bと、受信RF部304と、制御信号復調部305と、データ復調部306と、誤り訂正復号部307と、CRC検出部308と、Ack/Nack信号生成部309と、サブキャリア配置指示部310と、Aggregation size保存部311と、巡回シフト系列指示部312と、S/P変換部313とを備えている。送信信号生成部301a、301bは、それぞれ、巡回シフト系列乗算部321と、サブキャリア配置部322と、IFFT部323と、P/S変換・CP付与部324と、拡散部325とを備えている。
【0026】
図4に示す受信装置(以下、基地局)は、アンテナ431と、受信RF・FFT部432と、チャネル推定部433と、周波数領域等化部(FDE)434と、IDFT部435と、逆拡散部436と、Ack/Nack復調部437と、リソース割当部438と、符号化・変調部439と、制御信号生成部440と、多重部441と、送信RF部442とを備えている。
【0027】
上記構成において、ユーザ端末は、アンテナ303aにて基地局から無線伝送された制御信号を含むダウンリンクの高周波信号を受信し、受信RF部304でベースバンド信号などの比較的低い周波数帯の信号に変換する。そして、制御信号復調部305は、受信信号のうち基地局から指示された制御信号を復調し、自装置宛に送信されたデータに用いられた変調方式及び符号化率等の制御情報を取り出して復調するとともに、Ack/Nack信号に用いるAck/Nackリソースを判断する。
【0028】
また、ユーザ端末は、データ復調部306により、受信信号のうちの基地局から送られたデータを復調し、誤り訂正復号部307により、復調した受信データに誤り訂正復号処理を施して元データを復号する。そして、CRC検出部308により、CRC検査を行って受信データの復号結果の成否を判定する。ここで、CRC検出結果がOKであれば、受信データ系列を出力し、該当信号を無事に復調できたものとしてAckの応答信号を生成する。また、CRC検出結果がNGであれば、該当信号を復調できなかったものとしてNackの応答信号を生成する。
【0029】
制御信号復調部305におけるAck/Nackリソースの判断は、基地局から伝送される制御情報に基づいて自装置に割り当てられたリソースを判断する。具体的には、検出した制御信号の番号と、
図1に示したAck/Nackリソースとが事前に対応づけられており、復調できた制御信号の番号に対応したリソースを用いてAck/Nack信号を送信するものと判断する。
【0030】
この際、ユーザ端末は、下りリソース割当ての通知に用いる制御情報として、基地局から自装置への下り制御チャネルのAggregation sizeを検出し、自装置のAck/Nack信号を送信する際の送信ダイバーシチ制御に用いる構成とする。具体的には、制御信号復調部305においてAck/Nackリソースのサブキャリア配置情報とAggregation sizeの情報とを取得し、制御信号復調部305からサブキャリア配置情報をサブキャリア配置指示部310に出力するとともに、Aggregation sizeの情報をAggregation size保存部311に出力する。
【0031】
Aggregation size保存部311は、自装置がAck/Nack信号を送信する際、巡回シフト系列指示部312に向けて各アンテナに割り当てるAck/Nackリソースに対応する巡回シフト系列を指示する。具体的には、Aggregation sizeが1よりも大きい場合には、
図1に示すように、第1のアンテナ303aである送信アンテナ#0にシフト量0の巡回シフト系列を、第2のアンテナ303bである送信アンテナ#1にシフト量2の巡回シフト系列を、それぞれ割り当てる。一方、Aggregation sizeが1の場合は、巡回シフト系列指示部312を通じ送信アンテナ#1は信号を送信しないよう指示する。
【0032】
Ack/Nack信号生成部309にて生成されたAck/Nack信号は、S/P変換部313にてシリアル−パラレル変換され、それぞれが送信信号生成部301a、301bに入力されて送信信号が生成される。送信信号生成部301a、301bでは、巡回シフト系列乗算部321にて巡回シフト系列指示部312からの指示に応じた巡回シフト系列の乗算処理を行い、サブキャリア配置部322にてサブキャリア配置指示部310からの指示に基づき上り制御チャネルの各サブキャリアに対応するデータシンボルの配置を行う。そして、IFFT部323にて送信シンボル毎に高速逆フーリエ変換(IFFT)によって送信シンボルを時間領域信号に変換する。次いで、P/S変換・CP付与部324にてパラレル信号をシリアル信号に変換した後、CP(Cyclic Prefix)を付加する。そして、拡散部325にて自装置に割り当てられたリソースに対応する直交符号を乗算し、上述の巡回シフト系列と直交系列による拡散処理を行い、複数ユーザ端末間での符号多重を実施する。その後、送信RF部302a、302bにてベースバンド信号の送信信号を高周波信号に変換し、電力増幅した後、アンテナ303a、303bから無線伝送用の電波として出力して通信相手局の基地局へ送信する。これにより、ユーザ端末から基地局へのアップリンクにおいて、上り制御チャネルでのAck/Nack信号などの送信が行われる。
【0033】
上記構成において、Aggregation size保存部311及び巡回シフト系列指示部312が循環遅延ダイバーシチ指示部の機能を実現する。また、制御信号復調部305及びAggregation size保存部311が第2方向制御情報取得部の機能を実現する。また、送信信号生成部301a、301bの巡回シフト系列乗算部321、サブキャリア配置部322、IFFT部323、P/S変換・CP付与部324、拡散部325、及び送信RF部302a、302b、アンテナ303a、303bが送信部の機能を実現する。
【0034】
一方、
図4に示す受信装置(基地局)は、上述したアップリンクにおけるユーザ端末からのAck/Nack信号の受信に先立ち、ダウンリンクにおいて送信データや制御信号をユーザ端末へ送信する。この際、リソース割当部438にて各ユーザ端末のリソース割当てを行い、このリソース割当てに基づき、符号化・変調部439にて送信データの符号化及び変調処理を行い、制御信号生成部440にて制御信号を生成する。そして、多重部441にて送信データ及び制御信号を多重処理し、送信RF部442にて送信信号を所定の無線周波数帯の高周波信号に変換し、電力増幅した後、アンテナ431から無線伝送用の電波として出力して通信相手局のユーザ端末へ送信する。ここで、制御信号は、下り制御チャネルにおいて所定のAggregation sizeによって送信される。
【0035】
また、基地局は、アンテナ431にてユーザ端末から無線伝送されたAck/Nack信号を含むアップリンクの高周波信号を受信し、受信RF・FFT部432にてベースバンド信号などの比較的低い周波数帯の信号に変換した後、高速フーリエ変換(FFT)によって受信信号を周波数領域信号に変換する。そして、ユーザ端末に通知した制御信号に基づき、該当ユーザ端末からのAck/Nack信号に用いられる巡回シフト系列を想定して受信処理を行う。具体的には、リソース割当部438より制御信号に対応するAck/Nackリソース及び制御信号のAggregation sizeをチャネル推定部433に通知し、該当ユーザ端末がどの巡回シフト系列を用いてAck/Nack信号を送信するかを把握したうえで受信動作を取る。
【0036】
この際、チャネル推定部433では、該当ユーザ端末で使用が想定される巡回シフト系列を用いて、該当ユーザ端末からの上り制御チャンネルのチャネル推定値を取得する。そして、周波数領域等化部434は、受信信号のデータシンボルを入力し、チャネル推定値から得られた周波数応答に対する周波数領域等化の処理を行う。その後、IDFT部435にて離散逆フーリエ変換(IDFT)によって時間領域信号に変換し、得られた受信データに対して逆拡散部436にて該当ユーザ端末に割り当てられた巡回シフト系列と直交符号を用いて逆拡散処理を行い、Ack/Nack復調部437にてAck/Nack信号を復調する。
【0037】
上記構成において、アンテナ431、受信RF・FFT部432、チャネル推定部433、周波数領域等化部434、IDFT部435、逆拡散部436、Ack/Nack復調部437が受信部の機能を実現する。
【0038】
ここで、本実施形態のAck/Nackリソース割当てを行った場合の伝送特性の一例を
図5に示す。
図5は
図1に示したAck/Nackリソース割当ての配置における遅延プロファイルと周波数応答を示す図であり、(A)は遅延プロファイル、(B)は周波数応答をそれぞれ示したものである。
図5(A)において、横軸は時間t、縦軸はチャネル利得|h|である。
図5(B)において、横軸は周波数f、縦軸はチャネル利得|h|であり、1リソースブロック(RB:Resource Block)単位の周波数応答を示している。
【0039】
受信側の基地局では、ユーザ端末の送信アンテナ#0(Ant#0)からの信号と、送信アンテナ#1(Ant#1)からの信号とを抜き出し、これらを合成してAck/Nack信号を復調できる。この際、2つおきに巡回シフト系列を用いているため、符号間干渉を軽減でき、伝搬路においてフェージング等によって信号の遅延が生じても、他のユーザ端末からの信号成分に対して干渉を与えることは少ない。ユーザ端末では、自装置に割り当てられたAck/Nackリソースが巡回シフト量0の巡回シフト系列であることと、Aggregation size=2であることとを検出することにより、隣のAck/Nackリソースである巡回シフト量2は他のユーザ端末宛に使われないことが分かるため、自装置が利用しても他のユーザ端末に干渉を与えることなく信号を送信できる。また、同一直交符号の巡回シフトした信号として送信することによって、CDD送信と等価となり、
図5(B)に示すような合成チャネルの周波数応答により送信ダイバーシチ効果を得られる。すなわち、ユーザ端末から基地局へ送信される信号の周波数選択性を強めて、空間−周波数のダイバーシチ効果を得ることができ、単一ユーザ端末における伝送信号の信頼性を向上できる。
【0040】
上述した第1の実施形態では、ユーザ端末から基地局への上り制御チャネルにおいてAck/Nack信号を送信する際、基地局からユーザ端末への下り制御チャネルにおいて用いる制御信号数を示すAggregation sizeをユーザ端末で取得し、このAggregation sizeが1より大きい場合、同一直交符号において巡回シフト系列の巡回シフト量の軸で右隣に位置するリソースが使用されないことを判定し、同一直交符号で異なる巡回シフト量のリソースを用いて複数アンテナによりCDDを適用した送信を行う。これにより、送信ダイバーシチ効果を得ることができるとともに、この際に巡回シフト量で右側にある使用されないリソースを用いることによって、他のユーザ端末へ割り当てられたリソースとの符号間干渉を軽減できる。
【0041】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態の動作を一部変更したものであり、Ack/Nack信号にスクランブルを適用した場合の例である。
図6はAck/Nack信号に対して適用するスクランブリングを説明する図、
図7は本発明の第2の実施形態による上り制御チャネルにおけるリソース割当て例を示す図である。
【0042】
第2の実施形態では、さらに干渉を軽減するために、
図6のようにAck/Nack信号に対し巡回シフト系列に依存したスクランブルが適用される構成をとる。
図6の例では、偶数番目のAck/Nack信号ACK#0、ACK#2、…はそのままとし、奇数番目のAck/Nack信号ACK#1、ACK#3、…は90度の位相回転を施し、隣接するAck/Nackリソース間で位相を90度ずらすものとしている。なお、図中RSは参照信号を示す。
【0043】
上記のようなスクランブルを適用し、第1のアンテナに巡回シフト量0のACK#0のリソースを割り当て、第2のアンテナに巡回シフト量1のACK#1のリソースを割り当てるようにする。さらに、本実施形態では、上記スクランブルを適用するにあたり、
図7に示すように、Ack/Nack信号の生成に際して、連続して割り当てられるリソースのうち巡回シフト量の軸で最も右側にあるもの(ここでは巡回シフト量2のACK#1)に対応したスクランブルを用い、CDDにてダイバーシチ送信する全ての信号に適用する。この場合、巡回シフト量0のACK#0は、本来のスクランブルではなく、ACK#1と同じスクランブルが適用される。
図7ではCDD送信を行うAck/Nackリソースのペアを同じACK#1で表している。
【0044】
無線通信においては、フェージング等の伝搬路の状況によって信号の遅延が生じることはあるが、時間軸上で進むことはあまり生じない。上記巡回シフト系列の巡回シフト量は、時間軸で見た場合の遅延とみなすこともでき、他のAck/Nackリソースへ与える干渉を軽減するには、時間軸上の遅延に相当する巡回シフト量で右側のリソースに対する影響を考慮するのが効果的である。よって、本実施形態では、自装置に割り当てられたAck/Nackリソースにおいて巡回シフト量の軸で一番右側のAck/Nackリソースと、その右隣の他のユーザ端末に割り当てられたAck/Nackリソースとで、スクランブルを異ならせることで、さらなる干渉軽減効果を得るようにする。
【0045】
図8は本発明の第2の実施形態で用いる送信装置の主要部の構成を示すブロック図、
図9は本発明の第2の実施形態で用いる受信装置の主要部の構成を示すブロック図である。これらの
図8、
図9において、
図3、
図4に示した第1の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付している。ここでは第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0046】
図8に示す送信装置(ユーザ端末)は、スクランブリング指示部851を備え、巡回シフト系列指示部852の機能が第1の実施形態とは一部異なっている。スクランブリング指示部851は、制御信号復調部305により復調された制御信号からAggregation size及びスクランブリング情報を入力し、巡回シフト系列指示部852に向けて各アンテナに割り当てるAck/Nackリソースに対応するスクランブリングを指示する。このとき、該当ユーザ端末宛のAck/Nackリソースのうち、巡回シフト量の軸において最も右側にあるリソースに対応するスクランブルを指示する。巡回シフト系列指示部852は、Aggregation size保存部311から指示された巡回シフト系列とスクランブリング指示部851から指示されたスクランブルとに基づき、巡回シフト系列乗算部321に対して巡回シフト系列とスクランブリング情報を出力し、巡回シフト系列の乗算とスクランブリングの処理を指示する。そして、巡回シフト系列乗算部321及び拡散部325において、上記指示に基づいて巡回シフト系列の巡回シフト量に依存したスクランブル処理が行われる。上記構成において、送信信号生成部301a、301bの巡回シフト系列乗算部321、拡散部325がスクランブル処理部の機能を実現する。
【0047】
図9に示す受信装置(基地局)は、リソース割当部961と逆拡散部962の機能が第1の実施形態とは一部異なっている。リソース割当部961は、各ユーザ端末のリソース割当てを行う際、Ack/Nackリソースのスクランブルを設定し、スクランブリング情報を逆拡散部962に出力する。逆拡散部962は、スクランブリング情報に基づき、該当ユーザ端末からのAck/Nack信号に用いられるスクランブルを想定して逆拡散処理を行う。上記構成において、逆拡散部962が逆スクランブル処理部の機能を実現する。
【0048】
上述した第2の実施形態の構成によれば、符号系列において巡回シフト量の軸で最も右側にあるリソースに対応したスクランブルを適用することで、フェージング等による信号遅延の影響を受けやすい時間軸上で直後のリソースにあたる巡回シフト量で右隣の他ユーザ端末宛のリソースとはスクランブルが異なるようになるので、符号間干渉をさらに軽減できる。したがって、CDDによる送信ダイバーシチを適用する際に、用いる符号系列を巡回シフトしても、スクランブルの効果により他ユーザ端末に割り当てられた符号系列と干渉しないようにすることができる。また、スクランブルを含む既存のAck/Nackリソース割当方法に影響を与えることなく、CDDによる送信ダイバーシチを適用可能である。
【0049】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、第2の実施形態の変形例であり、Aggregation size=4,8の場合のAck/Nack信号に対するスクランブルの適用例である。
図10はAck/Nack信号において同一スクランブルが適用されるペアが存在するスクランブリングを示す図、
図11は本発明の第3の実施形態による上り制御チャネルにおけるリソース割当て例を示す図である。
【0050】
第3の実施形態では、第2の実施形態と同様、
図6のようにAck/Nack信号に対し巡回シフト系列に依存したスクランブルが適用される構成をとる。ここで、
図10に示すように、Aggregation size=4,8のときは、ユーザ端末に対してAck/Nackリソースが4つおき、または8つおきの間隔で割り当てられるため、該当ユーザ端末においてコンスタレーションが同じである同一スクランブルが適用されているペアが必ず存在することになる。そこで、本実施形態では、
図11に示すように、同一スクランブルが適用されているペアを用いてCDD送信する。この場合、時間軸上で直後のリソースにあたる右隣の他ユーザ端末宛のリソースとはスクランブルが異なるようになる。
【0051】
図11の例では、Aggregation size=4の場合に、第1のアンテナに巡回シフト量0のACK#0のリソースを割り当て、第2のアンテナにはスクランブルが同じである巡回シフト量4のACK#2のリソースを割り当てるようにする。そして、これらのリソースACK#0、ACK#2に対応するスクランブルを適用する。
図11ではCDD送信を行うAck/Nackリソースのペアを同じACK#0で表している。なおこの場合、同一スクランブルであるACK#1とACK#3のリソースを使用することも可能であるが、Ack/Nackリソース割当ての規則を考慮して、元々割り当てられているACK#0と、これと同一スクランブルのACK#2を用いることとする。また、Aggregation size=8の場合は、ACK#0とACK#2の組み合わせ以外も可能であるが、CDD送信における巡回シフト量をあまり大きく取ると選択性が強くなりすぎてエネルギーをロスするので、同一スクランブルで巡回シフト量の差が小さいACK#0とACK#2のリソースを用いるのが実用上は好ましい。
【0052】
上述した第3の実施形態の構成によれば、CDDによる送信ダイバーシチを適用する際に、用いる符号系列を巡回シフトしても、スクランブルの効果により他ユーザ端末に割り当てられた符号系列と干渉しないようにすることができ、符号間干渉を軽減できる。
【0053】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第1の実施形態の技術思想を拡張し、割り当てられる確率の小さい制御信号に対応するAck/Nackリソースを用いてCDD送信を行い、送信ダイバーシチを実現する例である。
図12は本発明の第4の実施形態による上り制御チャネルにおけるリソース割当て例を示す図である。
【0054】
第4の実施形態では、Aggregation size=1の場合を想定する。この場合、CDDを適用するには、巡回シフト量0のリソースと隣接する巡回シフト量1のリソースを使用せざるを得ない。一方、
図2に示したように、各Aggregation size(=1,2,4,8)で取り得る制御信号の番号に着目すると、割り当てられる確率の小さい制御信号が存在する。具体的には、#0,#8の制御信号はどのAggregation sizeの場合でも使われるのに対して、#1,#3などの奇数番号の制御信号はAggregation size=1でのみ使われる。
【0055】
そこで、第4の実施形態のユーザ端末は、Ack/Nackリソースにおいて巡回シフト量の軸で右側にあるリソースが「使われる確率の低いリソース」である制御信号を割り当てられたときのみ、CDD送信を行うようにする。すなわち、同一直交符号で巡回シフト量の軸において右側に位置するリソースが使用される確率が低いと判定された場合に、自装置に本来割り当てられたAck/Nackリソースとともに、このリソースと使用確率の低いリソースとの間のリソースを使用して、CDDによる送信ダイバーシチ処理を施す。
【0056】
この第4の実施形態の構成によれば、CDDによる送信ダイバーシチを適用する際に、用いる符号系列を巡回シフトしたときに生じ得る干渉を確率的に回避することができ、符号間干渉を軽減できる。
【0057】
なお、上述した実施形態では、上り制御チャネルにおいて使用するリソースとして、Ack/Nackリソースを示したが、これに限定されるものではなく、下りの制御情報に対応して上り制御チャネルを用いて送信する情報であれば、他の信号用のリソースに適用することも可能である。
【0058】
また、上述した実施形態では、セルラーシステムの移動局から基地局へのアップリンクに適用した例を示したが、適用可能な通信方式であれば、種々の無線通信システムに適宜応用することもできる。
【0059】
なお、本発明は上記の実施形態において示されたものに限定されるものではなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0060】
なお、上記実施形態ではアンテナとして説明したが、アンテナポートでも同様に適用できる。アンテナポート(antenna port)とは、1本または複数の物理アンテナから構成される、論理的なアンテナを指す。すなわち、アンテナポートは必ずしも1本の物理アンテナを指すとは限らず、複数のアンテナから構成されるアレイアンテナ等を指すことがある。例えばLTEにおいては、アンテナポートが何本の物理アンテナから構成されるかは規定されず、基地局が異なる参照信号(Reference signal)を送信できる最小単位として規定されている。また、アンテナポートはプリコーディングベクトル(Precoding vector)の重み付けを乗算する最小単位として規定されることもある。
【0061】
上記各実施形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
【0062】
また、上記各実施形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0063】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0064】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
【0065】
本開示に係る実施形態の種々の態様として、以下のものが含まれる。
【0066】
自装置から通信相手装置への第1方向の通信において、制御チャネルのリソースを用いて信号を送信する無線通信装置であって、前記第1方向の制御チャネルは、他装置を含む複数の無線通信装置から前記通信相手装置へ送信される信号を、直交系列と巡回シフト系列とを含む符号系列を用いて符号多重して伝送する構成とし、前記第1方向の制御チャネルのリソースは、前記符号系列の各符号ごとに設定され、前記通信相手装置から自装置への第2方向の通信によって前記通信相手装置より通知される制御情報に対応して割り当てられるものであり、前記制御チャネルのリソースのうち自装置に割り当てられるリソースに関して、前記直交系列の同一直交符号において前記巡回シフト系列の巡回シフト量の軸で右隣に位置するリソースが使用されないことを判定した場合に、送信信号に対する循環遅延ダイバーシチの適用を指示する循環遅延ダイバーシチ指示部と、前記循環遅延ダイバーシチ指示部からの指示に応じて、前記循環遅延ダイバーシチを適用する場合に、前記同一直交符号で異なる巡回シフト量のリソースとなる、前記自装置に割り当てられたリソースと前記使用されない少なくとも一つのリソースとを用いて、複数のアンテナより送信信号を前記通信相手装置へ送信する送信部と、を備える無線通信装置。
これにより、自装置から通信相手装置への第1方向の制御チャネルにおいて信号を送信する際、符号多重のために用いる符号系列の各符号ごとに設定されるリソースにおいて、直交系列の同一直交符号において巡回シフト系列の巡回シフト量の軸で右隣に位置するリソースが使用されないことを判定した場合に、同一直交符号で異なる巡回シフト量のリソースを用いて循環遅延ダイバーシチを施すことによって、送信ダイバーシチ効果を得ることが可能となる。またこの際、巡回シフト量で右側にある使用されないリソースを用いることによって、巡回シフト量が異なる符号でシフト量を与えてCDD処理を行っても、他装置へ割り当てられたリソースとの干渉を回避でき、符号間干渉を軽減可能となる。
【0067】
また、上記の無線通信装置であって、前記循環遅延ダイバーシチ指示部は、前記通信相手装置より通知される制御情報に応じて前記循環遅延ダイバーシチの適用の可否を判定するものを含む。
これにより、通信相手装置より通知される第2方向の通信における制御情報によって、この制御情報に対応して割り当てられる第1方向の制御チャネルのリソースに関して、直交系列の同一直交符号において巡回シフト系列の巡回シフト量の軸で右隣に位置するリソースが使用されないことを判定可能である。
【0068】
また、上記の無線通信装置であって、前記第1方向の制御チャネルのリソースは、前記通信相手装置より通知される制御情報として、前記第2方向の制御信号用のリソースの大きさを示すAggregation sizeに対応して割り当てられるものであり、前記通信相手装置より通知される制御情報として前記Aggregation sizeを取得する第2方向制御情報取得部を備え、前記循環遅延ダイバーシチ指示部は、前記Aggregation sizeが1より大きい場合、前記同一直交符号において巡回シフト量の軸で右隣に位置するリソースが使用されないことを判定し、前記循環遅延ダイバーシチの適用を指示するものを含む。
これにより、第2方向の制御信号用のリソースの大きさを示すAggregation sizeによって、Aggregation sizeが1より大きい場合は同一直交符号において巡回シフト量の軸で右隣に位置するリソースが使用されないことを判定でき、符号間干渉を回避しつつCDDを適用した送信が可能となる。
【0069】
また、上記の無線通信装置であって、前記送信部は、前記送信信号において前記巡回シフト系列の巡回シフト量に依存したスクランブルを実施するスクランブル処理部を有し、前記循環遅延ダイバーシチを適用する場合に、使用するリソースのうちの巡回シフト量の軸で右側に位置するリソースに対応するスクランブルを指示するスクランブリング指示部を備えるものを含む。
これにより、符号系列において巡回シフト量の軸で右側にあるリソースに対応したスクランブルを適用することで、フェージング等による信号遅延の影響を受けやすい時間軸上で直後のリソースにあたる巡回シフト量で右隣の他装置宛のリソースとはスクランブルが異なるようになるので、符号系列を巡回シフトしてもスクランブルの効果により他装置に割り当てられた符号系列と干渉しないようにすることができ、符号間干渉をさらに軽減できる。また、スクランブルを含む既存のリソース割当方法に影響を与えることなく、CDDによる送信ダイバーシチを適用可能である。
【0070】
また、上記の無線通信装置であって、前記送信部は、前記循環遅延ダイバーシチを適用する場合に、前記巡回シフト量が異なる使用可能なリソースにおいて同一スクランブルが適用されるリソースが存在するときは、同一スクランブルのリソースを用いて送信を行うものを含む。
これにより、CDDによる送信ダイバーシチを適用する際に、用いる符号系列を巡回シフトしても、スクランブルの効果により他装置に割り当てられた符号系列と干渉しないようにすることができ、符号間干渉を軽減できる。
【0071】
上記いずれかの無線通信装置を備える無線通信移動局装置であって、前記通信相手装置は無線通信基地局装置であり、前記第1方向の通信は自装置から前記無線通信基地局装置への上り方向の通信であり、前記第2方向の通信は前記無線通信基地局装置から自装置への下り方向の通信である無線通信移動局装置。
【0072】
通信相手装置から自装置への第1方向の通信において、制御チャネルのリソースを用いて送られる信号を受信する無線通信装置であって、前記第1方向の制御チャネルは、複数の無線通信装置から自装置へ送信される信号を、直交系列と巡回シフト系列とを含む符号系列を用いて符号多重して伝送する構成となっており、前記第1方向の制御チャネルのリソースは、前記符号系列の各符号ごとに設定され、自装置から前記通信相手装置への第2方向の通信によって前記通信相手装置に通知する制御情報に対応して割り当てられるものであり、通信信号のリソース割当てを行うものであって、前記第1方向の制御チャネルに関して、前記通信相手装置において、前記直交系列の同一直交符号において前記巡回シフト系列の巡回シフト量が異なるリソースを用いて送信信号に対する循環遅延ダイバーシチが適用される場合、この循環遅延ダイバーシチを想定したリソース割当てを行うリソース割当部と、前記通信相手装置から伝送された信号を受信し、前記第1方向の制御チャネルのリソース割当てに応じて、前記通信相手装置と自装置間の伝送路のチャネル推定、及び受信信号の復調を含む受信処理を行う受信部と、を備える無線通信装置。
これにより、通信相手装置から自装置への第1方向の制御チャネルの通信において、符号多重を行う場合の符号間干渉を軽減しつつ、CDDを適用した送信ダイバーシチ効果を得ることが可能となる。
【0073】
また、上記の無線通信装置であって、前記リソース割当部は、前記第2方向の制御信号用のリソースの大きさを示すAggregation sizeに対応して前記第1方向の制御チャネルのリソース割当てを行うものであって、前記Aggregation sizeが1より大きい場合、前記循環遅延ダイバーシチを想定したリソース割当てを行い、前記通信相手装置に通知する制御情報として、前記Aggregation sizeを含む制御信号を生成する制御信号生成部を備え、前記受信部は、前記Aggregation sizeに基づく前記第1方向の制御チャネルのリソース割当てに応じた受信処理を行うものを含む。
これにより、第2方向の制御信号用のリソースの大きさを示すAggregation sizeによって、Aggregation sizeが1より大きい場合は通信相手装置での循環遅延ダイバーシチを想定したリソース割当てを行い、このリソース割当てに応じて循環遅延ダイバーシチを想定した受信処理を行うことで、符号間干渉を回避しつつCDDを適用して伝送された信号を適宜受信可能となる。
【0074】
また、上記の無線通信装置であって、前記リソース割当部は、前記通信相手装置において、送信信号に対して前記巡回シフト系列の巡回シフト量に依存したスクランブルが実施される場合、使用するリソースのうちの巡回シフト量の軸で右側に位置するリソースに対応するスクランブルを用いるように、スクランブルを想定したリソース割当てを行い、前記受信部は、前記リソース割当て情報に基づき、前記スクランブルに対応した逆スクランブルを行う逆スクランブル処理部を有し、受信信号の復調を行うものを含む。
これにより、巡回シフト系列の巡回シフト量によるCDD処理とこの巡回シフト量に依存したスクランブル処理とがなされた信号を適宜受信可能であり、CDDによる送信ダイバーシチを適用する際に、用いる符号系列を巡回シフトしても、スクランブルの効果により他装置に割り当てられた符号系列と干渉しないようにすることができ、符号間干渉を軽減できる。
【0075】
また、上記の無線通信装置であって、前記リソース割当部は、前記通信相手装置において前記循環遅延ダイバーシチが適用され、前記スクランブルが実施される場合に、前記巡回シフト量が異なる使用可能なリソースにおいて同一スクランブルが適用されるリソースが存在するときは、同一スクランブルのリソースを用いるようにリソース割当てを行い、前記受信部は、前記スクランブルに対応した受信信号の復調を行うものを含む。
これにより、巡回シフト系列の巡回シフト量によるCDD処理とこの巡回シフト量に依存したスクランブル処理とがなされた信号を適宜受信可能であり、CDDによる送信ダイバーシチを適用する際に、用いる符号系列を巡回シフトしても、スクランブルの効果により他装置に割り当てられた符号系列と干渉しないようにすることができ、符号間干渉を軽減できる。
【0076】
上記いずれかの無線通信装置を備える無線通信基地局装置であって、前記通信相手装置は無線通信移動局装置であり、前記第1方向の通信は前記無線通信移動局装置から自装置への上り方向の通信であり、前記第2方向の通信は自装置から前記無線通信移動局装置への下り方向の通信である無線通信基地局装置。
【0077】
また、上記いずれかに記載の無線通信装置であって、前記第1方向の制御チャネルのリソースとして、受信信号の復号結果の成否を示すAckまたはNackを通知するAck/Nack信号を送信するためのAck/Nackリソースを用いるものを含む。
【0078】
自装置から通信相手装置への第1方向の通信において、制御チャネルのリソースを用いて信号を送信する無線通信装置における無線通信方法であって、前記第1方向の制御チャネルは、他装置を含む複数の無線通信装置から前記通信相手装置へ送信される信号を、直交系列と巡回シフト系列とを含む符号系列を用いて符号多重して伝送する構成とし、前記第1方向の制御チャネルのリソースは、前記符号系列の各符号ごとに設定され、前記通信相手装置から自装置への第2方向の通信によって前記通信相手装置より通知される制御情報に対応して割り当てられるものであり、前記制御チャネルのリソースのうち自装置に割り当てられるリソースに関して、前記直交系列の同一直交符号において前記巡回シフト系列の巡回シフト量の軸で右隣に位置するリソースが使用されないことを判定した場合に、送信信号に対する循環遅延ダイバーシチの適用を指示するステップと、前記循環遅延ダイバーシチの指示に応じて、前記循環遅延ダイバーシチを適用する場合に、前記同一直交符号で異なる巡回シフト量のリソースとなる、前記自装置に割り当てられたリソースと前記使用されない少なくとも一つのリソースとを用いて、複数のアンテナより送信信号を前記通信相手装置へ送信するステップと、を有する無線通信方法。
【0079】
通信相手装置から自装置への第1方向の通信において、制御チャネルのリソースを用いて送られる信号を受信する無線通信装置における無線通信方法であって、前記第1方向の制御チャネルは、複数の無線通信装置から自装置へ送信される信号を、直交系列と巡回シフト系列とを含む符号系列を用いて符号多重して伝送する構成となっており、前記第1方向の制御チャネルのリソースは、前記符号系列の各符号ごとに設定され、自装置から前記通信相手装置への第2方向の通信によって前記通信相手装置に通知する制御情報に対応して割り当てられるものであり、通信信号のリソース割当てを行う際に、前記第1方向の制御チャネルに関して、前記通信相手装置において、前記直交系列の同一直交符号において前記巡回シフト系列の巡回シフト量が異なるリソースを用いて送信信号に対する循環遅延ダイバーシチが適用される場合、この循環遅延ダイバーシチを想定したリソース割当てを行うステップと、前記通信相手装置から伝送された信号を受信し、前記第1方向の制御チャネルのリソース割当てに応じて、前記通信相手装置と自装置間の伝送路のチャネル推定、及び受信信号の復調を含む受信処理を行うステップと、を有する無線通信方法。
【0080】
自装置から通信相手装置への第1方向の通信において、制御チャネルのリソースを用いて信号を送信する無線通信装置であって、前記第1方向の制御チャネルは、他装置を含む複数の無線通信装置から前記通信相手装置へ送信される信号を、直交系列と巡回シフト系列とを含む符号系列を用いて符号多重して伝送する構成とし、前記第1方向の制御チャネルのリソースは、前記符号系列の各符号ごとに設定され、前記通信相手装置から自装置への第2方向の通信によって前記通信相手装置より通知される制御情報に対応して割り当てられるものであり、前記制御チャネルのリソースのうち自装置に割り当てられるリソースに関して、前記直交系列の同一直交符号において前記巡回シフト系列の巡回シフト量の軸で右隣に位置するリソースが使用される確率が低いことを判定した場合に、送信信号に対する循環遅延ダイバーシチの適用を指示する循環遅延ダイバーシチ指示部と、前記循環遅延ダイバーシチ指示部からの指示に応じて、前記循環遅延ダイバーシチを適用する場合に、前記同一直交符号で異なる巡回シフト量のリソースとなる、前記自装置に割り当てられたリソースと、このリソースと前記使用確率の低いリソースとの間の少なくとも一つのリソースとを用いて、複数のアンテナより送信信号を前記通信相手装置へ送信する送信部と、を備える無線通信装置。
【0081】
自装置から通信相手装置への第1方向の通信において、制御チャネルのリソースを用いて信号を送信する無線通信装置における無線通信方法であって、前記第1方向の制御チャネルは、他装置を含む複数の無線通信装置から前記通信相手装置へ送信される信号を、直交系列と巡回シフト系列とを含む符号系列を用いて符号多重して伝送する構成とし、前記第1方向の制御チャネルのリソースは、前記符号系列の各符号ごとに設定され、前記通信相手装置から自装置への第2方向の通信によって前記通信相手装置より通知される制御情報に対応して割り当てられるものであり、前記制御チャネルのリソースのうち自装置に割り当てられるリソースに関して、前記直交系列の同一直交符号において前記巡回シフト系列の巡回シフト量の軸で右隣に位置するリソースが使用される確率が低いことを判定した場合に、送信信号に対する循環遅延ダイバーシチの適用を指示するステップと、前記循環遅延ダイバーシチの指示に応じて、前記循環遅延ダイバーシチを適用する場合に、前記同一直交符号で異なる巡回シフト量のリソースとなる、前記自装置に割り当てられたリソースと、このリソースと前記使用確率の低いリソースとの間の少なくとも一つのリソースとを用いて、複数のアンテナより送信信号を前記通信相手装置へ送信するステップと、を有する無線通信方法。
【0082】
本出願は、2008年10月30日出願の日本特許出願(特願2008−280230)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。