特許第5873584号(P5873584)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5873584プラスチックレンズの製造方法、フィルムの位置決め方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5873584
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】プラスチックレンズの製造方法、フィルムの位置決め方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 39/10 20060101AFI20160216BHJP
   B29C 39/12 20060101ALI20160216BHJP
   B29C 39/24 20060101ALI20160216BHJP
   G02C 7/02 20060101ALI20160216BHJP
   G02C 7/12 20060101ALI20160216BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20160216BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20160216BHJP
   B29K 75/00 20060101ALN20160216BHJP
   B29L 11/00 20060101ALN20160216BHJP
【FI】
   B29C39/10
   B29C39/12
   B29C39/24
   G02C7/02
   G02C7/12
   G02B3/00 Z
   G02B5/30
   B29K75:00
   B29L11:00
【請求項の数】12
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-49440(P2015-49440)
(22)【出願日】2015年3月12日
【審査請求日】2015年3月16日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】394019543
【氏名又は名称】株式会社ホプニック研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】相磯 良充
【審査官】 越本 秀幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−182393(JP,A)
【文献】 特表2000−506794(JP,A)
【文献】 特開昭54−128356(JP,A)
【文献】 特開昭62−013308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 39/00−39/44
B29C 43/00−43/58
G02B 3/00− 3/14
G02C 7/00− 7/16
G02B 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズの対物面を形成するための形成面を有する第1モールド基板の該形成面上に、第1硬化性組成物を載置する工程と、
前記第1硬化性組成物を、フィルムで前記形成面の全面に亘って押し広げ、形成された第1硬化性組成物層を介して該第1モールド基板と前記フィルムとを所定距離離隔させる工程と、
前記第1モールド基板の外縁と、前記フィルムの外縁と、前記レンズの他方の面を形成するための形成面を有する第2モールド基板の外縁とを固定部材で覆うことによりこれらを固定し、前記フィルムと所定距離離隔して対向するように前記第2モールド基板を配置する工程と、
前記形成面から0.1〜3.0mm離隔した位置において前記フィルムの位置が動かなくなる状態となるように、前記第1硬化性組成物層を半硬化させる工程と、
前記フィルムと前記第2モールド基板との間隙に、第2硬化性組成物を注入する工程と、
半硬化の前記第1硬化性組成物層と、注入された前記第2硬化性組成物とを硬化して、前記フィルムの両面上に基材層を形成する工程と、
前記固定部材、前記第1モールド基板および前記第2モールド基板を外してプラスチックレンズを取り出す工程と、
を含む、プラスチックレンズの製造方法。
【請求項2】
半硬化された前記第1硬化性組成物の20℃における貯蔵弾性率は、0.01Pa〜100,000Paである、請求項1に記載のプラスチックレンズの製造方法。
【請求項3】
半硬化された前記第1硬化性組成物の20℃における貯蔵弾性率は、0.1Pa〜1,000Paである、請求項1に記載のプラスチックレンズの製造方法。
【請求項4】
前記第1硬化性組成物が(チオ)ウレタン系材料であり、半硬化された前記第1硬化性組成物の重合度は30〜70%である、請求項1に記載のプラスチックレンズの製造方法。
【請求項5】
前記第1硬化性組成物を前記第1モールド基板の前記形成面上に載置する前記工程の前または後に、
該形成面上に、前記フィルムを位置決めするためのスペーサーを載置する工程を含む、請求項1〜4いずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
【請求項6】
前記スペーサーはリング形状を有し、前記第1モールド基板の前記形成面上の外周縁に沿って載置される、請求項5に記載のプラスチックレンズの製造方法。
【請求項7】
前記固定部材は、テープまたはガスケットである、請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
【請求項8】
前記第1硬化性組成物を載置する前記工程において、
B型粘度計で測定される、20℃における前記第1硬化性組成物の粘度は、1〜500mPa・sである、請求項1〜7のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
【請求項9】
前記フィルムは、附形された偏光フィルムである、請求項1〜8のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
【請求項10】
前記偏光フィルムは、ポリビニルアルコールフィルムまたは熱可塑性ポリエステルフィルムである、請求項9に記載のプラスチックレンズの製造方法。
【請求項11】
レンズの対物面を形成するための形成面を有するモールド基板の該形成面上に、硬化性組成物を載置する工程と、
前記硬化性組成物を、フィルムで前記形成面の全面に亘って押し広げ、形成された硬化性組成物層を介して該モールド基板と前記フィルムとを所定距離離隔させる工程と、
前記形成面から0.1〜3.0mm離隔した位置において前記フィルムの位置が動かなくなる状態となるように、前記第1硬化性組成物層を半硬化させる工程と、
を備える、フィルムの位置決め方法。
【請求項12】
前記フィルムは、附形された偏光フィルムである、請求項11に記載のフィルムの位置決め方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックレンズの製造方法、フィルムの位置決め方法および複合体に関する。なかでも特に、プラスチック偏光レンズの製造方法、偏光フィルムの位置決め方法および積層複合体に関する
【背景技術】
【0002】
偏光レンズは、反射光の透過を防ぐことができる。そのため、スキー場やフィッシングなど戸外における強い反射光を遮断することによる眼の保護等や、自動車運転時における対向車からの反射光を遮断することによる安全性の確保などに使用されている。
【0003】
プラスチック偏光レンズとして、偏光フィルムの両側にプラスチックレンズ基材を備えるサンドイッチ構造の偏光レンズが提案されている。視力補正用プラスチック偏光レンズの場合は、通常、レンズメーカーにて偏光フィルムをレンズの対物面(表側の凸面)のできるだけ近傍に設置したセミフィニッシュ偏光レンズが製造される。ついで、ラボと呼ばれる加工所あるいは小売店にて、セミフィニッシュ偏光レンズの接眼面(裏側の凹面)を研磨することにより、所望の度数を持った偏光レンズへと加工される。セミフィニッシュ偏光レンズの製造では、レンズの対物面のできるだけ近くの位置に偏りなく偏光フィルムをセットすることが極めて重要である。レンズの対物面より深い位置に偏光フィルムがセットされると、メガネレンズが厚くなり、美観を損ねてしまう。偏光フィルムが偏ってセットされてしまい、対物面からの距離にばらつきがあると、所望の度数を持ったレンズへと加工する裏面研磨工程にて、偏光フィルムが接眼面から露出する不良が多く発生してしまう。そのため、従来から、偏光フィルムをレンズの対物面のできるだけ近傍に精度よく配置する試みが提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1あるいは特許文献2には、偏光フィルムとモールドとを所定距離離間するための部材を備える特有なモールドを用いて偏光フィルムを位置決めする方法が記載されている。
【0005】
特許文献3あるいは特許文献4には、偏光フィルムとモールドとを所定距離離間するために特有の形状を有するガスケット部材を用いて偏光フィルムを位置決めする方法が記載されている。
【0006】
特許文献5には、偏光フィルムの外縁部を所定の形状とし、その形状により偏光フィルムをモールド内に固定し、偏光フィルムを位置決めする方法が記載されている。
【0007】
特許文献6には、表裏の対向位置に、略同じ高さの樹脂突起物を複数備える偏光フィルムを用い、2つのモールド基板を偏光フィルムの両面から樹脂突起物に当接させて偏光フィルムを位置決めする方法が記載されている。
【0008】
特許文献7には、偏光フィルムの丸まりを抑制するために吸着パッドで偏光フィルムを吸着保持しながら移動させた後、モールド内に配置し、間隔保持リングで偏光フィルムを位置決めする方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−99687号公報
【特許文献2】特開2007−168310号公報
【特許文献3】特開2008−93825号公報
【特許文献4】特開2009−45886号公報
【特許文献5】特開2008−281791号公報
【特許文献6】特開2009−3303号公報
【特許文献7】特開2009−103773号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、引用文献1〜7の方法は、特定形状のモールドあるいは特定形状のガスケットを準備する必要があったり、偏光フィルムを所定の形状に加工する必要があったりするため、製造工程が煩雑であり、さらに製造コストを低減する点に改善の余地があった。
【0011】
また、引用文献1〜7の方法では、偏光フィルムが対物面からの距離にばらつきがある状態でセットされてしまっても、得られたセミフィニッシュ偏光レンズにおいてその不良を確認することは極めて困難である。セミフィニッシュ偏光レンズに不良が確認できないと、ラボや小売店で研磨加工した際に偏光フィルムが接眼面から露出する不良が発見されることとなり、顧客からの信用を損ねることになってしまう。顧客に出荷する前に偏光フィルム位置の不良を確認できた場合でも、製品の歩留まりや生産性を改善するために、偏光フィルムの位置による不良を、セミフィニッシュ偏光レンズが得られる前の段階で事前にチェックすることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち本発明は、以下に記載されるものである。
[1] レンズの対物面を形成するための形成面を有する第1モールド基板の該形成面上に、第1硬化性組成物を載置する工程と、
前記第1硬化性組成物を、フィルムで前記形成面の全面に亘って押し広げ、形成された第1硬化性組成物層を介して該第1モールド基板と前記フィルムとを所定距離離隔させる工程と、
前記第1モールド基板の外縁と、前記フィルムの外縁と、前記レンズの他方の面を形成するための形成面を有する第2モールド基板の外縁とを固定部材で覆うことによりこれらを固定し、前記フィルムと所定距離離隔して対向するように前記第2モールド基板を配置する工程と、
前記形成面から0.1〜3.0mm離隔した位置において前記フィルムの位置が動かなくなる状態となるように、前記第1硬化性組成物層を半硬化させる工程と、
前記フィルムと前記第2モールド基板との間隙に、第2硬化性組成物を注入する工程と、
半硬化の前記第1硬化性組成物層と、注入された前記第2硬化性組成物とを硬化して、前記フィルムの両面上に基材層を形成する工程と、
前記固定部材、前記第1モールド基板および前記第2モールド基板を外してプラスチックレンズを取り出す工程と、
を含む、プラスチックレンズの製造方法。
[2] 半硬化された前記第1硬化性組成物の20℃における貯蔵弾性率は、0.01Pa〜100,000Paである、[1]に記載のプラスチックレンズの製造方法。
[3] 半硬化された前記第1硬化性組成物の20℃における貯蔵弾性率は、0.1Pa〜1,000Paである、[1]に記載のプラスチックレンズの製造方法。
[4] 前記第1硬化性組成物が(チオ)ウレタン系材料であり、半硬化された前記第1硬化性組成物の重合度は30〜70%である、[1]に記載のプラスチックレンズの製造方法。
[5] 前記第1硬化性組成物を前記第1モールド基板の前記形成面上に載置する前記工程の前または後に、
該形成面上に、前記フィルムを位置決めするためのスペーサーを載置する工程を含む、[1]〜[4]いずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
[6] 前記スペーサーはリング形状を有し、前記第1モールド基板の前記形成面上の外周縁に沿って載置される、[5]に記載のプラスチックレンズの製造方法。
[7] 前記固定部材は、テープまたはガスケットである、[1]〜[6]のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
[8] 前記第1硬化性組成物を載置する前記工程において、
B型粘度計で測定される、20℃における前記第1硬化性組成物の粘度は、1〜500mPa・sである、[1]〜[7]のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
[9] 前記フィルムは、附形された偏光フィルムである、[1]〜[8]のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法。
[10] 前記偏光フィルムは、ポリビニルアルコールフィルムまたは熱可塑性ポリエステルフィルムである、[9]に記載のプラスチックレンズの製造方法。
[11] レンズの対物面を形成するための形成面を有するモールド基板の該形成面上に、硬化性組成物を載置する工程と、
前記硬化性組成物を、フィルムで前記形成面の全面に亘って押し広げ、形成された硬化性組成物層を介して該モールド基板と前記フィルムとを所定距離離隔させる工程と、
前記形成面から0.1〜3.0mm離隔した位置において前記フィルムの位置が動かなくなる状態となるように、前記第1硬化性組成物層を半硬化させる工程と、
を備える、フィルムの位置決め方法。
[12] 前記フィルムは、附形された偏光フィルムである、[11]に記載のフィルムの位置決め方法。
【0013】
本発明において、半硬化とは、液状の硬化性組成物が重合されて樹脂になる過程において流動性を失った状態(1g程度の硬化性組成物をガラス板に載せて45°程度に傾けても硬化性組成物が動かないような状態)を言う。数値で言えば、20℃における貯蔵弾性率で概ね0.01Pa〜100,000Paの範囲の状態である。硬化性組成物が(チオ)ウレタン系材料の場合、概ね重合度30〜70%の範囲の状態である。重合度は、重合が完結して重合熱の発生が終了するまでの総発熱量に対して何%の発熱が起きたのかを示差熱分析にて分析・測定したものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明のプラスチックレンズの製造方法によれば、硬化性組成物をフィルムで均等に押圧し、モールド基板の形成面の全面に亘って押し広げ、該硬化性組成物を介して該モールド基板とフィルムとを所定距離離隔させることができるため、簡便な方法で確実にフィルムを位置決めすることができ、不良品の発生を抑制し、さらに製造コストを低減することができる。
【0015】
さらに、本発明のフィルムの位置決め方法によれば、セミフィニッシュレンズを得る前の中間物の段階で、偏光フィルムと対物面側との距離およびそのばらつきを容易にチェックすることができるため、製品の歩留まりや生産性を改善することができ、ラボや小売店での偏光フィルムが接眼面から露出する不良を激減することができる。
【0016】
本発明のプラスチックレンズの製造方法あるいはフィルムの位置決め方法は、セミフィニッシュレンズを経由する場合だけでなく、直接所望の度数のレンズ(フィニッシュレンズ)を製造する場合や、サングラス用の度無しレンズの製造にも有用である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態におけるプラスチックレンズの製造方法を示す概略工程断面図である。
図2】第2実施形態におけるプラスチックレンズの製造方法を示す概略工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本発明で示すフィルムの位置決めとは、フィルムを使ったレンズにおけるフィルムの配置位置を設定することを意味する。
【0019】
[第1実施形態]
本実施形態のプラスチックレンズの製造方法は以下の工程を有する。
工程a:レンズの対物面を形成するための形成面12aを有する第1モールド基板12の形成面12a上に、所定量の第1硬化性組成物14を載置する(図1(a))。
工程b:第1硬化性組成物14を、フィルム16で形成面12aの全面に亘って押し広げ、第1硬化性組成物層14aを介して第1モールド基板12とフィルム16とを所定距離離隔させる(図1(b))。
工程c:第1モールド基板12の外縁と、フィルム16の外縁と、レンズの他方の面を形成するための第2モールド基板18の外縁とを固定部材20で覆うことによりこれらを固定し、フィルム16と所定距離離隔して対向するように第2モールド基板18を配置する(図1(c))。
工程d:第1硬化性組成物14aを半硬化し、半硬化層14bを形成する(図1(d))。
工程e:フィルム16と第2モールド基板18との間隙22に、第2硬化性組成物を注入する(図1(e))。
工程f:第1硬化性組成物の半硬化層14bと、注入された第2硬化性組成物を硬化して、フィルム16の両面上に基材層24,26を形成する(図1(f))。
工程g:固定部材20、第1モールド基板12および第2モールド基板18を外してプラスチックレンズを取り出す(図1(g))。
【0020】
(工程a)
まず、レンズの対物面を形成するための形成面12aを有する第1モールド基板12の形成面12a上に、所定量の第1硬化性組成物14を載置する。
第1モールド基板12は、一般的にガラスから構成されている。
【0021】
第1モールド基板12の形成面12aは、所定の曲面形状を有する凹面である。本実施形態において、形成面12aが、レンズの対物面(凸面)を形成するための凹面である例によって説明する。なお、形成面12aが、レンズの対物面(凹面)を形成するための凸面であってもよい。
【0022】
第1硬化性組成物14は、モノマーと触媒等の添加剤を混合し必要に応じて脱気、濾過等して得られたものである。本実施形態において、硬化性組成物は、重合性組成物と称呼することもできる。
【0023】
モノマーとしては、注型重合可能なものであれば特に制限を受けないが、(チオ)ウレタン系モノマー、アリル系モノマー、エピスルフィド系モノマー、(メタ)アクリル系モノマー、ウレタンウレア系モノマー、エポキシ系モノマーなどが挙げられる。これらを混合して用いてもよい。
【0024】
(チオ)ウレタン系モノマーはイソ(チオ)シアネート化合物と活性水素化合物の混合物であり、イソ(チオ)シアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)ナフタリン、メシチリレントリイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトエチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)エタン、ビス(イソシアナトメチルチオ)エタン等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;
イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタンイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、3,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソシアネート化合物;
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'− ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4−ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物;
2,5−ジイソシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)チオフェン、2,5−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン等の複素環ポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。
活性水素化合物としては、ポリオール化合物、ポリチオール化合物が挙げられる。ポリオール化合物は、1種以上の脂肪族または脂環族アルコールであり、具体的には、直鎖または分枝鎖の脂肪族アルコール、脂環族アルコール、これらアルコールとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ε−カプロラクトンを付加させたアルコール等が挙げられる。
【0025】
直鎖または分枝鎖の脂肪族アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、グリセロール、ジグリセロール、ポリグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジ(トリメチロールプロパン)等が挙げられる。
【0026】
脂環族アルコールとしては、例えば、1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、3−メチル−1,2−シクロペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、4,4'−ビシクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0027】
これらアルコールとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ε−カプロラクトンを付加させた化合物でもよい。例えば、グリセロールのエチレンオキサイド付加体、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加体、ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加体、グリセロールのプロピレンオキサイド付加体、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド付加体、ペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド付加体、カプロラクトン変性グリセロール、カプロラクトン変性トリメチロールプロパン、カプロラクトン変性ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0028】
ポリチオール化合物としては、例えば、メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3−メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,2−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)エタン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン、及びこれらのチオグリコール酸およびメルカプトプロピオン酸のエステル、ヒドロキシメチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピネート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(2−メルカプトアセテート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(3−メルカプトプロピオネート)、チオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、トリス(メルカプトエチルチオ)メタン等の脂肪族ポリチオール化合物;
1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール等の芳香族ポリチオール化合物;
2−メチルアミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、3,4−チオフェンジチオール、ビスムチオール、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン等の複素環ポリチオール化合物等が挙げられる。
【0029】
アリル系モノマーとしては、例えば、アリルジグリコールカーボネート(ジエチレングリコールジアリルカーボネート)、ネオペンチルグリコールジアリルカーボネート、ペンタエリスリトールのアリルカーボネート体やジアリルフタレート等が挙げられる。
【0030】
エピスルフィド系モノマーとしては、例えば、ビス(1,2−エピチオエチル)スルフィド、ビス(1,2−エピチオエチル)ジスルフィド、ビス(エピチオエチルチオ)メタン、ビス(エピチオエチルチオ)ベンゼン、ビス[4−(エピチオエチルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(エピチオエチルチオ)フェニル]メタン等のエピチオエチルチオ化合物;
ビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)エタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルプロパン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルブタン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ヘキサン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−メチルヘキサン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−1−(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2−(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1−(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4−(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4−(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−2,4,5−トリス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス[[2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]−2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エタン、1,1,2,2−テトラキス[[2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]エタン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,8−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−4,7−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−5,7−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等の鎖状脂肪族の2,3−エピチオプロピルチオ化合物;
1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス[[2−(2,3−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン等の環状脂肪族の2,3−エピチオプロピルチオ化合物;
1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルホン、4,4'−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ビフェニル等の芳香族の2,3−エピチオプロピルチオ化合物;
ビス(2,3−エピチオプロピル)エーテル、ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)メタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)エタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)プロパン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルプロパン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ブタン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルブタン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ヘキサン、1,6−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−メチルヘキサン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(2,3−エピチオプロピルオキシ)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)プロパン、2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−1−(2,3−エピチオプロピルオキシ)ブタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2−(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアペンタン、1−(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4−(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4−(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−2,4,5−トリス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス[[2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エチル]チオメチル]−2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エタン、1,1,2,2−テトラキス[[2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エチル]チオメチル]エタン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,8−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−4,7−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)−5,7−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等の鎖状脂肪族の2,3−エピチオプロピルオキシ化合物;
1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)シクロヘキサン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス[[2−(2,3−エピチオプロピルオキシ)エチル]チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン等の環状脂肪族の2,3−エピチオプロピルオキシ化合物;および、
1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシメチル)ベンゼン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル]スルホン、4,4'−ビス(2,3−エピチオプロピルオキシ)ビフェニル等の芳香族の2,3−エピチオプロピルオキシ化合物等が挙げられる。
エピスルフィド系モノマーは、ポリチオールなどの活性水素化合物と一緒に使用されることもある。
【0031】
(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキシレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のアルカンポリオールのポリ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルカンポリオールポリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
(メタ)アクリル系モノマーは、ポリチオールなどの活性水素化合物やアリル系モノマーと一緒に使用されることもある。
【0032】
ウレタンウレア系モノマーは、イソ(チオ)シアネート化合物とアミン化合物と活性水素化合物との混合物であり、イソ(チオ)シアネート化合物と活性水素化合物としては、例えば前述の化合物が、アミン化合物としては、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ピペラジン、モルホリン、置換モルホリン、ピペリジン、置換ピペリジン、ジエチレンジアミン、2−アミノ−1−エチルピペラジン、2,4−ジアミノ−3,5−ジエチルトルエン、2,6−ジアミノ−3,5−ジエチルトルエン、ジイソプロピルトルエンジアミン、メチレンジアニリン、ジメチルチオトルエンジアミン、4,4'−メチレンビス(2−クロロアニリン)、4,4'−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4'−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4'−メチレンビス(2−エチル−6−メチルアニリン)、4,4'−メチレンビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、4,4'−メチレンビス(2−イソプロピル−6−メチルアニリン)、4,4'−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)などを挙げることができる。
【0033】
エポキシ系モノマーとしては、例えば、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビスフェノールFグリシジルエーテル等の多価フェノール化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合反応により得られるフェノール系エポキシ化合物;水添ビスフェノールAグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノール等の多価アルコール化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるアルコール系エポキシ化合物;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートや1,2−ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の多価有機酸化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるグリシジルエステル系エポキシ化合物;一級および二級アミン化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるアミン系エポキシ化合物等が挙げられる。また、その他、4−ビニル−1−シクロヘキサンジエポキシドなどのビニルシクロヘキセンジエポキシド等脂肪族多価エポキシ化合物等を挙げることができる。
エポキシ系モノマーは、ポリチオールやポリアミンなどの活性水素化合物と一緒に使用されることもある。
【0034】
その他のモノマーとしては、例えば、ポリチエタン化合物などが挙げられる。
また、これらのモノマーを複数含んでいてもよい。
【0035】
触媒としては、モノマー系によって使用する触媒が異なるが、公知公用の触媒を使用することができる。
例えば、(チオ)ウレタン系モノマーの場合、ジメチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート等の錫系化合物、ジシクロヘキシルメチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン等のアミン系化合物等が好んで用いられる。
アリル系モノマーや(メタ)アクリル系モノマーの場合は、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾフェノン、4,4−ジエチルアミノベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド等の光重合開始剤等が用いられる。
エピスルフィド系モノマーの場合は、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−イソプロピルモルホリン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、β−ピコリン、N,N'−ジメチルピペラジン、N−メチルピペリジン、2,2'−ビピリジル、ヘキサメチレンテトラミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン等の3級アミン類、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリn−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリn−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン等のホスフィン類、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩類、テトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド等の4級ホスホニウム塩類、ジメチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、テトラクロロ錫、ジブチル錫オキサイド、ジアセトキシテトラブチルジスタノキサン、塩化亜鉛、アセチルアセトン亜鉛、塩化アルミ、フッ化アルミ、トリフェニルアルミ、テトラクロロチタン、酢酸カルシウム等のルイス酸類、2,2'−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、n−ブチル−4,4'−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のラジカル重合触媒、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロ燐酸、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロ砒酸、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモン、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロ硼酸、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロ燐酸、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロ砒酸等のカチオン重合触媒やこれらの混合物が挙げられる。
触媒の添加量は、通常は、1ppm〜5%の範囲である。
【0036】
その他の添加剤としては、例えば、内部離型剤、紫外線吸収剤、染料、調光色素、特定波長カット色素などが挙げられる。
内部離型剤は、例えば酸性リン酸エステルが挙げられる。リン酸モノエステル、リン酸ジエステルを挙げることができ、それぞれ単独または2種類以上混合して使用することできる。三井化学社製のMR用内部離型剤、STEPAN社製のZelecUN、城北化学工業社製のJPシリーズ、東邦化学工業社製のフォスファノールシリーズ、大八化学工業社製のAP、DPシリーズ等が好ましく、三井化学社製のMR用内部離型剤、STEPAN社製のZelecUNがより好ましい。その添加量は、硬化性組成物100重量部に対して、通常は0.001重量部〜3重量部、好ましくは0.01重量部〜0.5重量部の範囲である。
【0037】
紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物が好ましく、ベンゾトリアゾール系化合物がより好ましい。その添加量は、硬化性組成物100重量部に対して通常は0.01重量部〜5重量部、好ましくは0.05重量部〜2重量部の範囲である。
【0038】
第1硬化性組成物14は、モノマーと触媒等の添加剤を混合し、通常は0.1〜100Torr程度の減圧下で0.1〜5時間程度脱気し、通常は0.1〜10μm程度のフィルターにより濾過したうえで使用される。
【0039】
B型粘度計で測定される、20℃における前記第1硬化性組成物の粘度は、通常は1〜500mPa・sの範囲、好ましくは10〜200mPa・sの範囲である。この範囲であれば、第1硬化性組成物14を形成面12a上で容易に押し広げるとともに、第1モールド基板12とフィルム16との間を均一に離隔させることが容易となる。
【0040】
第1硬化性組成物14を載置する量は、形成面12aの面積と、第1モールド基板12とフィルム16との間の所望する離隔距離と第1硬化性組成物の比重から算出される。なお、第1モールド基板12の直径は通常60〜90mm程度であり、離隔距離は通常0.1〜3.0mm、好ましくは0.2〜2.0mmの範囲に設定する。
【0041】
(工程b)
第1硬化性組成物14を、フィルム16で形成面12aの全面に亘って押し広げて第1硬化性組成物層14aを形成し、第1硬化性組成物層14aを介して第1モールド基板12とフィルム16とを所定距離離隔させる(図1(b))。
【0042】
フィルム16としては、偏光フィルム、調光(フォトクロミック)フィルム、着色フィルム、特定波長カットフィルムなどが挙げられるが、特に偏光フィルムが好ましい。
偏光フィルムとしては、ポリビニルアルコールフィルムまたはポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性ポリエステルフィルムを挙げることができる。これら偏光フィルムは一軸延伸されており、その厚みは、通常10〜300μm程度である。偏光フィルムは、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリアミド等の熱可塑材料を積層したシートにして用いることもある。
【0043】
フィルム16は、所定の温度で附形された所定の曲面形状を有するものが好んで使用される。通常は、第1モールド基板12の形成面12aと同じ曲面形状を有することが多いが、12aよりも曲率半径の小さい曲面形状を有することもある。フィルムは、基材層との接着強度を向上させること等を目的に、プライマーコーティング処理、薬品処理(ガス又は薬液処理)、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、粗面化処理、火炎処理などから選ばれる1種又は2種以上の前処理を行った上で使用してもよい。このような前処理のなかでも、プライマーコーティング処理、アルカリ等の薬品処理、コロナ放電処理、プラズマ処理から選ばれる1種又は2種以上が特に好ましい。
【0044】
第1硬化性組成物14を形成面12aの全面に亘って押し広げるには、フィルム16全面を上方から押圧することができれば特に限定されない。通常はフィルムの自重による押圧で十分であるが、フィルム16と同様の曲面を備える加圧部材に貼り付けた状態で上方から押圧してもよい。
第1モールド基板12とフィルム16とが所定距離離隔していることは、目視により容易に確認される。
【0045】
(工程c)
第1モールド基板12の外縁と、フィルム16の外縁と、レンズの他方の面を形成するための第2モールド基板18の外縁とを固定部材20で覆うことによりこれらを固定し、フィルム16と所定距離離隔して対向するように第2モールド基板18を配置する(図1(c))。
第2モールド基板18は、一般的にガラスから構成されている。第1モールド基板12と同一でも異なっていてもよい。
【0046】
固定部材20としては、テープ、ガスケット等を挙げることができる。テープの場合は、第1モールド基板12の外縁と、フィルム16の外縁と、第2モールド基板18の外縁とを覆うように巻き回し、これらを固定する。
【0047】
テープは、通常、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、テフロン(登録商標)、ポリシロキサン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース等、及びそれらの混合/共重合物等のベース基材にシロキサン系、(メタ)アクリル系、エポキシ系、ゴム系等の粘着剤を塗工したものが用いられる。テープの水蒸気透過度を下げることを目的として、例えば、珪素酸化物等を蒸着させて石英膜等を形成させたり、有機系コート剤、無機系コート剤、又はそれらの混合物をコートをしたり、水蒸気透過度の低い別の基材を貼り合わせたりすることも行われる。テープの厚みは、操作性、成型物の寸法安定性、重ね部分境界線付近の気密性、及び強度の面等から、通常は10〜200μmの範囲のものが良く用いられる。
【0048】
ガスケットは、通常、熱可塑性樹脂を用いて得られた成型品を好適に用いることができ、成形性、柔軟性、耐熱性、耐モノマー安定性及び価格等の観点から、オレフィン系エラストマーを用いるのが好ましい。オレフィン系エラストマーの具体例としては、低密度ポリエチレンからなるポリエチレン系エラストマー、ポリプロピレンホモポリマーにゴム成分を微分散させたポリプロピレン系エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アルキルアクリレート共重合体などが挙げられる。
本実施形態で使用されるガスケットは、特許文献3や特許文献4に記載されるような特別の形状である必要はなく、フィルムを挟み込まない白レンズの製造に用いられる通常の形状のガスケットをそのまま使用することができる。
これにより、フィルム16と第2モールド基板18と固定部材20とにより囲繞された間隙22が形成される。
【0049】
(工程d)
第1硬化性組成物14を半硬化し、半硬化層14bを形成する(図1(d))。
これにより、フィルム16を位置決めすることができる。半硬化は、熱あるいは紫外線で、フィルム16の位置が動くことのない状態まで硬化させることを言う。
【0050】
半硬化された第1硬化性組成物の20℃における貯蔵弾性率は、後工程にてフィルムが動かないという観点と得られるレンズの面精度などの性能から、通常は0.01Pa〜100,000Paの範囲が選択され、特に0.1Pa〜1,000Paの範囲が好ましい。
第1硬化性組成物が(チオ)ウレタン系材料の場合は、前述の観点から、半硬化は、通常重合度30〜70%の範囲が選択され、特に40〜60%の範囲が好ましい。重合度は、重合が完結して重合熱の発生が終了するまでの総発熱量に対して何%の発熱が起きたのかを示差熱分析を行うことで測定したものである。
【0051】
工程a〜工程dにより、レンズの対物面を形成するための形成面12aを有する第1モールド基板12と、第1モールド基板12の形成面12aの全面に亘って形成された、半硬化の第1硬化性組成物層(半硬化層14b)と、フィルム16と、が順に積層された複合体が得られる。
【0052】
この複合体は、第1硬化性組成物層14aが半硬化しており、第1モールド基板12の形成面12aに対するフィルム16の位置決めがなされている。この複合体は移送することができるので、以降の工程を他の場所で行うこともできる。
【0053】
また、レンズ製品が得られた後ではなく、中間物である複合体の段階で、形成面12aとフィルム16との間の離間距離を目視確認することにより、フィルムの位置を予めチェックし、接眼面を研磨した最終製品においてフィルムが接眼面から露出する不良が発生しないかどうかを事前に把握することができる。そのため、レンズ製品の歩留まりや生産性が劇的に改善する。
【0054】
(工程e)
フィルム16と第2モールド基板18との間隙22に、図示しない所定の手段により、第2硬化性組成物を注入する(図1(e))。
第2硬化性組成物としては、モノマーと触媒等の添加剤を混合し必要に応じて脱気あるいは濾過したものであり、第1硬化性組成物14で例示したものを用いることができる。なお、第1硬化性組成物14と第2硬化性組成物は、同一でも異なっていてもよい。
【0055】
(工程f)
第1硬化性組成物の半硬化層14bと、注入された第2硬化性組成物を硬化して、フィルム16の両面に基材層24,26を形成する(図1(f))。
硬化は、熱あるいは紫外線によって行われる。熱硬化の場合は、低温から80〜150℃へ6〜50時間かけて徐々に昇温するのが一般的である。
【0056】
(工程g)
硬化終了後、固定部材20、第1モールド基板12および第2モールド基板18を取り外して、フィルム16の両側に基材層24と基材層26が積層したプラスチックレンズを得る(図1(g))。
得られたレンズは、必要に応じ、歪みの緩和等を目的として、離型したレンズを加熱してアニール処理が施される。アニール温度は通常80〜150℃の範囲、好ましくは90〜130℃の範囲である。アニール時間は、通常0.5〜10時間の範囲、好ましくは1〜6時間の範囲である。
【0057】
第1実施形態においては、第1モールド基板12の外縁と、フィルム16の外縁と、レンズの他方の面を形成するための第2モールド基板18の外縁とを固定部材20で覆うことによりこれらを固定し、フィルム16と所定距離離隔して対向するように第2モールド基板18を配置する工程cを実施し、その後、第1硬化性組成物14を半硬化する工程dを実施した例によって説明したが、工程dを実施した後に工程cを実施してもよい。
以上の工程により、プラスチックレンズを製造することができる。
【0058】
[第2実施形態]
本実施形態のプラスチックレンズの製造方法は以下の工程を有する。
工程a:レンズの対物面を形成するための形成面12aを有する第1モールド基板12の形成面12a上に、所定量の第1硬化性組成物14を載置する(図2(a))。
工程b:レンズの対物面を形成するための形成面12aを有する第1モールド基板12の形成面12a上に、スペーサー13を載置する(図2(b))。
工程c:第1硬化性組成物14を、フィルム16で形成面12aの全面に亘って押し広げ、第1硬化性組成物層14aを介して第1モールド基板12とフィルム16とを所定距離離隔させる(図2(c))。
工程d:第1モールド基板12の外縁と、スペーサー13の外縁と、フィルム16の外縁と、レンズの他方の面を形成するための第2モールド基板18の外縁とを固定部材20で覆うことによりこれらを固定し、フィルム16と所定距離離隔して対向するように第2モールド基板18を配置する(図2(d))。
工程e:第1硬化性組成物層14aを半硬化する(図2(e))。
工程f:フィルム16と第2モールド基板18との間隙22に、第2硬化性組成物を注入する(図2(f))。
工程g:第1硬化性組成物の半硬化層14bと、注入された第2硬化性組成物を硬化して、フィルム16の両面に基材層24,26を形成する(図2(g))。
工程h:固定部材20、第1モールド基板12および第2モールド基板18を外してプラスチックレンズを取り出す(図2(h))。
工程a、工程c、工程d、工程e、工程f、工程gおよび工程hは、第1実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0059】
(工程b)
レンズの対物面を形成するための形成面12a上に、フィルム16の位置決めをより正確にするためのスペーサー13を載置する(図2(b))。
スペーサー13は、レンズの対物面を形成するための形成面12aの外周縁に沿って載置することで、より確実にフィルム16を位置決めすることができる。
【0060】
スペーサー13は、レンズの対物面を形成するための形成面12aの外周縁に沿って載置することができるものであれば様々な形態を採用することができる。リング形状が好ましく使用されるが、複数のブロックであってもよい。
スペーサー13は、所定の高さを有し、重合硬化の熱に耐えられレンズに悪影響を及ぼさないものであれば使用できるが、成形の容易さ、コスト等の要因から、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVA)、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のプラスチックが好ましく用いられる。
工程hにて取り出されるレンズにスペーサー13が密着している場合は、スーサーは、研磨工程あるいは玉型加工(フレームに合わせた形状への研磨加工)工程にて除去される。
【0061】
第2実施形態においては、第1モールド基板12の形成面12a上に、第1硬化性組成物14を載置する工程aを実施し、その後レンズの対物面を形成するための形成面12aを有する第1モールド基板12の形成面12a上にスペーサー13を載置する工程bを実施した例によって説明したが、工程bを実施した後に工程aを実施してもよい。
【0062】
また第一形態と同様に、第2実施形態においても、第1モールド基板12の外縁と、フィルム16の外縁と、レンズの他方の面を形成するための第2モールド基板18の外縁とを固定部材20で覆うことによりこれらを固定し、フィルム16と所定距離離隔して対向するように第2モールド基板18を配置する工程dを実施し、その後、第1硬化性組成物層14aを半硬化する工程eを実施した例によって説明したが、工程eを実施した後に工程dを実施してもよい。
【0063】
本実施形態で得られるプラスチックレンズは、必要に応じ、片面又は両面にコーティング層を施して用いられる。コーティング層としては、プライマー層、ハードコート層、反射防止膜層、防曇コート層、防汚染層、撥水層等が挙げられる。これらのコーティング層は、それぞれ単独で使用しても複数のコーティング層を多層化して使用してもよい。両面にコーティング層を施す場合、それぞれの面に同様なコーティング層を施しても異なるコーティング層を施してもよい。
【0064】
これらのコーティング層には、それぞれ、紫外線からレンズや目を守る目的で紫外線吸収剤、赤外線から目を守る目的で赤外線吸収剤、レンズの耐候性を向上させる目的で光安定剤や酸化防止剤、レンズのファッション性を高める目的で染料や顔料、さらにフォトクロミック染料やフォトクロミック顔料、帯電防止剤、その他、レンズの性能を高める目的で公知の添加剤を併用してもよい。塗布性の改善を目的として各種レベリング剤を使用してもよい。
【0065】
プライマー層は、一般的には、ハードコート層の密着性やレンズの耐衝撃性の向上を目的に、レンズ基材とハードコート層との間に形成され、その膜厚は、通常、0.1〜10μm程度である。
プライマー層は、例えば、塗布法や乾式法にて形成される。塗布法では、プライマー組成物をスピンコート、ディップコートなど公知の塗布方法で塗布した後、固化させることによりプライマー層が形成される。乾式法では、CVD法や真空蒸着法などの公知の乾式法で形成される。プライマー層を形成するに際し、密着性の向上を目的として、必要に応じて、レンズの表面をアルカリ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの前処理を行ってもよい。
【0066】
プライマー組成物としては、固化したプライマー層がレンズ基材と密着性の高い素材が好ましく、通常、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラニン系樹脂、ポリビニルアセタールを主成分とするプライマー組成物などが使用される。プライマー組成物は、無溶剤での使用も可能であるが、組成物の粘度を調整する等の目的でレンズに影響を及ぼさない適当な溶剤を用いてもよい。
【0067】
ハードコート層は、レンズ表面に耐擦傷性、耐摩耗性、耐湿性、耐温水性、耐熱性、耐候性等の機能を与えることを目的としたコーティング層であり、その膜厚は、通常、0.3〜30μm程度である。
ハードコート層は、通常、ハードコート組成物をスピンコート、ディップコートなど公知の塗布方法で塗布した後、硬化して形成される。硬化方法としては、熱硬化、紫外線や可視光線などのエネルギー線照射による硬化方法等が挙げられる。ハードコート層を形成するに際し、密着性の向上を目的として、必要に応じて、被覆表面(レンズ基材あるいはプライマー層)に、アルカリ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの前処理を行ってもよい。
【0068】
ハードコート組成物としては、一般的には、硬化性を有する有機ケイ素化合物とSi,Al,Sn,Sb,Ta,Ce,La,Fe,Zn,W,Zr,InおよびTi等の酸化物微粒子(複合酸化物微粒子を含む)の混合物が使用されることが多い。更にこれらの他に、アミン類、アミノ酸類、金属アセチルアセトネート錯体、有機酸金属塩、過塩素酸類、過塩素酸類の塩、酸類、金属塩化物および多官能性エポキシ化合物等を使用してもよい。ハードコート組成物は、無溶剤での使用も可能であるが、レンズに影響を及ぼさない適当な溶剤を用いてもよい。
【0069】
反射防止層は、必要に応じて、通常、ハードコート層の上に形成される。反射防止層には無機系と有機系があり、無機系の場合は、一般的には、SiO、TiO等の無機酸化物を用いて真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、CVD法等の乾式法により形成されることが多い。有機系の場合は、一般的には、有機ケイ素化合物と、内部空洞を有するシリカ系微粒子とを含む組成物を用いて湿式により形成されることが多い。
【0070】
反射防止層は単層であっても多層であってもよいが、単層で用いる場合はハードコート層の屈折率よりも屈折率が少なくとも0.1以上低くなることが好ましい。効果的に反射防止機能を発現するには多層膜反射防止膜とすることが好ましく、その場合、通常は、低屈折率膜と高屈折率膜とを交互に積層する。この場合も低屈折率膜と高屈折率膜との屈折率差は0.1以上であることが好ましい。高屈折率膜としては、例えば、ZnO、TiO、CeO、Sb、SnO、ZrO、Ta等の膜が、低屈折率膜としては、SiO膜等が挙げられる。膜厚は、通常、50〜150nm程度である。
【0071】
さらに、本実施形態で得られるプラスチックレンズは、必要に応じ、外周研磨、裏面研磨、帯電防止処理、染色処理、調光処理等を施してもよい。
このようなプラスチックレンズは、メガネ用の偏光レンズ、特に視力補正用偏光レンズとして有用である。
【0072】
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の様々な構成を採用することができる。
【実施例】
【0073】
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0074】
<硬化性組成物−1の調製>
m−キシリレンジイソシアネート50.6重量部、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンと4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンと5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンとの混合物49.4重量部、硬化促進剤としてジブチル錫ジクロライド0.01重量部、離型剤としてZelec UN(登録商標、Stepan社製)0.15重量部、および紫外線吸収剤としてSeesorb 709(シプロ化成社製)1.50重量部を攪拌して溶解させた後、減圧下で脱泡処理して、硬化性組成物−1を準備した。20℃における粘度は30mPa・sであった(攪拌溶解1時間後に測定)。
【0075】
<硬化性組成物−2の調製>
ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン(2,5−体と2,6−体の混合物)50.6重量部、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)23.9重量部、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン25.5重量部、硬化促進剤としてジブチル錫ジクロライド0.03重量部、離型剤としてZelec UN(登録商標、Stepan社製)0.15重量部、および紫外線吸収剤としてSeesorb 709(シプロ化成社製)1.50重量部を混合溶解した後、減圧下で脱泡処理して、硬化性組成物−2を準備した。20℃における粘度は40mPa・sであった(攪拌溶解1時間後に測定)。
【0076】
<硬化性組成物−3の調製>
RAV 7AT(Acomon社)100.0重量部、硬化促進剤としてパーロイルIPP−27(CR)(日油社)0.40重量部、および紫外線吸収剤としてサイアソーブUV24(Cytec製)0.10重量部を混合溶解した後、減圧下で脱泡処理して、硬化性組成物−3を準備した。
【0077】
<附形偏光フィルム−1の調製>
ポリエチレンテレフタレート製偏光フィルム(厚み140ミクロン)を予め140℃で熱処理を行い、次いで、熱プレス法にて附形温度160℃で6C(カーブ)の湾曲形状に附形した。偏光フィルムをモールドの大きさに合わせて切断した後、プラズマ照射表面改質装置(PS−601SW型:ウエッジ株式会社製)を用いて偏光膜の表面と裏面を各20秒間プラズマ照射し、メタノールで洗浄後風乾した。このポリエチレンテレフタレート製偏光フィルムの両面にサンプレンIB−422(三洋化成工業社製ポリエステル系ポリウレタンコート剤)をコートし、およそ50〜60℃で乾燥させて附形偏光フィルム−1を得た。
【0078】
<附形偏光フィルム−2の調製>
ポリビニルアルコール製偏光フィルム(厚み37ミクロン)を熱風循環式オーブンを用いて100℃の温度で0.5時間加熱した。加熱されたフィルム体に吸湿させて、ガラス型を用いて6C(カーブ)の湾曲形状に附形した。偏光フィルムをモールドの大きさに合わせて切断した後、温度80℃、圧力30torrの条件で乾燥させて附形偏光フィルム−2を得た。
【0079】
<実施例−1>
レンズの対物面を形成するためのガラス製第1モールド基板(外径:81.0mm、形成面曲率:133.5mm、中心厚:4.0mm)の形成面上に、3μmのテフロン製フィルターを通した4.5gの硬化性組成物−1を載置し、ついで第1モールド基板の形成面の外周縁に沿って、低密度ポリエチレン系のリング状スペーサー(外径:81.0mm、内径:77.5mm、高さ:0.8mm)を載置した。
載置した硬化性組成物−1を附形偏光フィルム−1で第1モールド基板の形成面の全面に亘って押し広げ、次いで、第1モールド基板の外縁と、スペーサーの外縁と、偏光フィルムの外縁と、レンズの他方の面を形成するためのガラス製第2モールド基板(外径:81.0mm、形成面曲率:85.0mm、中心厚:5.0mm)の外縁と、を覆うように日立マクセル社製テープ"スリオンテック6263"で巻くことにより、これらを固定した。
この状態で25〜35℃に14時間放置して硬化性組成物−1を半硬化させた。半硬化時の偏光フィルムと第1モールド基板との間の距離は目視で確認できた。
半硬化時の硬化性組成物−1の貯蔵弾性率を把握するため、別途模擬重合を実施しレオメータにて弾性率測定を行って、半硬化時の硬化性組成物−1の20℃における貯蔵弾性率は10Paであることを確認した。また、半硬化させた硬化性組成物約1gをガラス板に載せて45°に傾け1分間放置したが硬化性組成物は動かなかった。さらに、別途実施した示差熱分析により、半硬化時の硬化性組成物−1の重合度は46%であることが確認された。
ついで、偏光フィルムと第2モールド基板との間隙が一杯になるように、3μmのテフロン製フィルターを通して新たに調製した硬化性組成物−1を注入した。
このレンズ注型用鋳型を熱風循環式オーブンの中に置き、30時間かけて15℃から110℃に昇温し、その後110℃で3時間維持、徐冷の後、オーブンからレンズ注型用鋳型を取り出した。レンズ注型用鋳型からテープ、第1モールド基板および第2モールド基板を外して偏光レンズを離型し、110℃で2時間アニール処理して偏光レンズを得た。
偏光レンズを切断して偏光フィルムの位置を確認したところ、外周部3点、中心点ともに対物面から0.8mmの深さの位置にセットされていた。
【0080】
<実施例−2>
レンズの対物面を形成するためのガラス製第1モールド基板(外径:81.0mm、形成面曲率:133.5mm、中心厚:4.0mm)の形成面上に、3μmのテフロン製フィルターを通した3.0gの硬化性組成物−2を載置し、ついで第1モールド基板の形成面の外周縁に沿って、シリコーン系のリング状スペーサー(外径:81.0mm、内径:77.5mm、高さ:0.5mm)を載置した。
載置した硬化性組成物−2を附形偏光フィルム−2で第1モールド基板の形成面の全面に亘って押し広げ、次いで、第1モールド基板の外縁と、スペーサーの外縁と、偏光フィルムの外縁と、レンズの他方の面を形成するためのガラス製第2モールド基板(外径:81.0mm、形成面曲率:85.0mm、中心厚:5.0mm)の外縁と、を覆うように、日立マクセル社製テープ"スリオンテック6263"で巻くことによりこれらを固定した。
この状態で30〜40℃に17時間放置して硬化性組成物−2を半硬化させた。半硬化時の偏光フィルムと第1モールド基板との間の距離は目視で確認できた。また、別途同一条件で半硬化させた硬化性組成物約1gをガラス板に載せて45°に傾け1分間放置したが硬化性組成物は動かなかった。
ついで、偏光フィルムと第2モールド基板との間隙が一杯になるように、3μmのテフロン製フィルターを通して新たに調製した硬化性組成物−2を注入した。
このレンズ注型用鋳型を熱風循環式オーブンの中に置き、17時間かけて15℃から120℃に昇温し、その後120℃で3時間維持、徐冷の後、オーブンからレンズ注型用鋳型を取り出した。レンズ注型用鋳型からテープ、第1モールド基板および第2モールド基板を外して偏光レンズを離型し、120℃で2時間アニール処理して偏光レンズを得た。
偏光レンズを切断して偏光フィルムの位置を確認したところ、外周部3点、中心点ともに対物面から0.5mmの深さの位置にセットされていた。
【0081】
<実施例−3>
レンズの対物面を形成するためのガラス製第1モールド基板(外径:81.0mm、形成面曲率:75.7mm、中心厚:4.0mm)の形成面上に、3μmのテフロン製フィルターを通した3.0gの硬化性組成物−3を載置し、ついで第1モールド基板の形成面の外周縁に沿って、シリコーン系のリング状スペーサー(外径:81.0mm、内径:77.5mm、高さ:0.5mm)を載置した。
シランカップリング剤(信越化学社製、信越シリコーンKBM−503)で処理した附形偏光フィルム−2で、載置した硬化性組成物−3を第1モールド基板の形成面の全面に亘って押し広げ、次いで、第1モールド基板の外縁とスペーサーの外縁と偏光フィルムの外縁とレンズの他方の面を形成するための第2モールド基板(外径:81.0mm、形成面曲率:88.5mm、中心厚:4.0mm)の外縁とを日立マクセル社製テープ"スリオンテック6263"で巻くことにより固定した。
この状態で25〜35℃に10時間放置して硬化性組成物−3を半硬化させた。半硬化時の偏光フィルムと第1モールド基板との間の距離は目視で確認できた。また、別途同一条件で半硬化させた硬化性組成物約1gをガラス板に載せて45°に傾け1分間放置したが硬化性組成物は動かなかった。
ついで、偏光フィルムと第2モールド基板との間隙が一杯になるように、3μmのテフロン製フィルターを通して新たに調製した硬化性組成物−3を注入した。
このレンズ注型用鋳型を熱風循環式オーブンの中に置き、18時間かけて25℃から80℃に昇温し、その後80℃で2時間維持、徐冷の後、オーブンからレンズ注型用鋳型を取り出した。レンズ注型用鋳型からテープ、第1モールド基板および第2モールド基板を外して偏光レンズを離型し、90℃で5時間アニール処理して偏光レンズを得た。
偏光レンズを切断して偏光フィルムの位置を確認したところ、外周部3点、中心点ともに対物面から0.5mmの深さの位置にセットされていた。
【符号の説明】
【0082】
12 第1モールド基板
12a 形成面
13 スペーサー
14 第1硬化性組成物
14a 第1硬化性組成物層
14b 半硬化層
16 フィルム
18 第2モールド基板
20 固定部材
22 間隙
24,26 基材層
【要約】      (修正有)
【課題】確実にフィルムを位置決めすることができ、不良品の発生を抑制し、さらに製造コストを低減することができるプラスチックレンズの製造方法を提供する。
【解決手段】レンズ表面を形成する形成面12aを有する第1モールド基板12の形成面12a上に、第1硬化性組成物14を載置し、フィルム16にて押し広げ、第1硬化性組成物層14aを介して第1モールド基板12とフィルム16とを所定距離離隔させる工程と、第1モールド基板12の外縁と、フィルム16の外縁と、第2モールド基板18の外縁とを固定部材20で覆うことにより固定し、第2モールド基板18を配置する工程と、フィルム16と第2モールド基板18との間隙22に、第2硬化性組成物を注入する工程と、第1硬化性組成物層14bと、注入された第2硬化性組成物を硬化して、フィルム16の両面上に基材層24,26を形成する工程を含む、プラスチックレンズの製造方法。
【選択図】図1
図1
図2