特許第5873586号(P5873586)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5873586
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】ブラウス
(51)【国際特許分類】
   A41D 1/18 20060101AFI20160216BHJP
【FI】
   A41D1/18
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-85476(P2015-85476)
(22)【出願日】2015年4月17日
【審査請求日】2015年5月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515106583
【氏名又は名称】株式会社コゼットクリエーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】特許業務法人パテントボックス
(74)【代理人】
【識別番号】100149799
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 陽一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100166349
【弁理士】
【氏名又は名称】帯包 浩司
(72)【発明者】
【氏名】孔 令璽
【審査官】 西藤 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−006816(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/132033(WO,A1)
【文献】 特開2014−025190(JP,A)
【文献】 特開2012−036548(JP,A)
【文献】 実公昭11−002026(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 1/00−3/08
A41D 13/002−13/005
A41D 31/00−31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性を有する表地と伸縮性を有する裏地との間に設けられ、伸縮性を有する少なくとも1つの羽毛パックと、
前記羽毛パックに充填された羽毛と、を備えるブラウスであって、
前記羽毛パックは、前記裏地に縫合され、前記表地に縫合されておらず、
前記羽毛パックは、左右の前身頃において水平方向に2か所ずつ縫合されており、さらに、前記羽毛パックは前身頃と後身頃の境界に縫合されており、
前記羽毛パックは、後身頃には縫合されていない、ブラウス。
【請求項2】
前記羽毛パックの厚みが1cm以下である、請求項1に記載のブラウス。
【請求項3】
前記羽毛パックは、ポリウレタンでコーティングされたポリエステルメッシュから構成される、請求項1又は2に記載のブラウス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、 ブラウス、 特に防寒用の羽毛を備えるブラウスに関する。
【背景技術】
【0002】
衣類着用時の防寒のために、 羽毛を衣類表面に備える防寒衣類がある。 例えば羽毛ジャケットである。かかる防寒衣類は、表地と裏地の間に羽毛を把持する。そのため、表地又は裏地から羽毛(ダウン)が脱漏しないこと (羽毛プルーフ性)、 表地及び裏地が身体の運動に追随して伸縮すること (伸縮性)、 羽毛プルーフ性及び伸縮性を保ちながら軽量であること(軽量性)が要望されている。
【0003】
この問題に対応するものとして、特許文献1には、生地の伸長率や密度に数値限定をした防寒衣類が開示されている。しかし、厳格な数値限定がなされており、かかる防寒衣類を生産することは容易でない。
【0004】
一方、 羽毛を包み込む布材によって羽毛プルーフ性を高め、 表地と裏地の選択自由度を向上させることも考えられる。 特許文献2には、 羽毛パックが開示されている。 しかし、羽毛パック自身に伸縮性を持たせない限り、防寒衣類の伸縮性が低下してしまう。
【0005】
特許文献1も特許文献2も、上着である羽毛ジャケット(ダウンジャケット)を前提に考えられている。 しかしながら、近年はすっきりとしたデザインが求められ、厚みのある羽毛ジャケットは敬遠されがちであり、すっきりとしたデザインものが求められる。さらに、ウォームビズに見られるように、真冬でも屋内の暖房の設定温度を低めに設定し、省電力にする傾向にあるため、保温性の高い室内着が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-172276号公報
【特許文献2】実用新案登録3134608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、羽毛プルーフ性及び軽量性を保持しつつ、 すっきりとしたデザインで、非常に保温力のあるブラウスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のブラウスは、伸縮性を有する表地と伸縮性を有する裏地との間に設けられた、 伸縮性を有する少なくとも1つの羽毛パックと、前記羽毛パックに充填された羽毛とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明が提供するブラウスは、羽毛及び羽毛パックを備えるブラウスである。伸縮性を有する表地と伸縮性を有する裏地の間に羽毛が充填された羽毛パックを備えることで、身体にフィットとするようなサイズに設定することができ、羽毛を備えるブラウスであっても、すっきりとしたデザインにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明のブラウス1を示す正面図である。
図2図2は、本発明のブラウス1のボタンを開けて広げた時の正面図である。
図3図3は、図1のA−Aの部分(羽毛パックを備えている部分)のブラウス1の縦方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態の一例について、実施例を用いて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0012】
[実施例1]
図1及び図2は、本発明のブラウス1の正面図である。本発明のブラウス1は、前身頃の部分においては、表地2と裏地3とを有する。表地2及び裏地3はいずれも伸縮性の素材である。伸縮性を有する素材であるため、身体にぴったりとしたサイズに設定し、見た目はすっきりとしたデザインであっても、動きやすい。本発明のブラウス1は、羽毛61が充填された羽毛パック62が、表地2と裏地3の間に設けられている。そして、羽毛パック6は、裏地3に縫合されているため、図1でもわかるように、表地2には羽毛を備えるための縫合部はない。ブラウス1の前身頃以外の部分、すなわち、袖の部分及び後身頃には、羽毛パックは設けていない。なお、「伸縮性を有する」とは、40%以上の伸長率であることを言う。
【0013】
図2からわかるように、羽毛61を含む羽毛パック62は、表地2と裏地3の間に備えられており、裏地2に縫合されているため、裏地3には、裏地3と羽毛パック62とを縫合する縫合部4が設けてある。縫合部4は、裏地3における着用者の胸囲に対応する部分と、腰の上部に対応する部分とに、水平方向に施されている。
【0014】
図3は、羽毛パック62が備えられている前身頃の断面図である。羽毛パック62は、羽毛61を包む袋状のものであり、伸縮性不織布から構成される。羽毛パック62は羽毛61が中から出ないように、構成されている。そして、図3のように、前身頃の表地2と、裏地3との間に複数の羽毛パック62が設けられている。
【0015】
伸縮性不織布が伸縮し、伸縮性不織布が表地2及び裏地3の伸縮に追随することで、羽毛61を備えるブラウス1は、極めて動きやすい構造になっている。
【0016】
羽毛パック62の大きさ及び形状は特に限定されない。比較的小さい羽毛パック62を複数個、表地2と裏地3との間に設けてもよいし、比較的大きい1つの羽毛パック62を、表地2と裏地3との間に設けてもよい。
【0017】
実施例では、羽毛パック62は、裏地3、及び前身頃と後身頃との境界に縫合されており、表地2には縫合されていない。したがって、表地2に縫合部はない。しかし、これらは限定されるものではなく、羽毛パック62は表地2に縫合してもよいし、表地2及び裏地3の両方に縫合してもよい。
【0018】
羽毛パック62は、ポリエステルのメッシュに、ポリウレタンコーティングが施されているものである。この構成により、極めて羽毛プルーフ性が高くなる。すなわち、羽毛パック62が伸びた状態であっても、ミクロな穴が開きにくいため、中の羽毛61が外に出にくい構造になっている。また、ポリウレタンコーティングが施されているポリエステルメッシュは、適切な伸縮性及び透水性を兼ね備えている。
【0019】
羽毛パック62の厚みは、1cm未満である。厚さは特に限定されるものではないが、1cm未満であれば、ブラウスがモコモコせず、スッキリとした印象になる。なお、本実施例の厚さは7mmである。
【0020】
羽毛パック62は透水性を有するため、水洗いが可能である。ブラウス1の水洗いにおいては、羽毛パック62に流入してしまった水を羽毛パック62の外に流出させることが必須であるが、羽毛パック62に使用されるものは、透水性を有するため、外に出すことができる。
【0021】
なお、水洗いした場合に水がそのまま下にしたたり落ちるように、ブラウス1の裾5も適切に処置されている。
【0022】
本発明のブラウス1の後身頃には、羽毛パック62を設けない方が好ましい。後身頃に羽毛パック62を設けてしまうと、ブラウス1の背中がモコモコしたような状態になってしまい、着用した際にスッキリとした印象にならない。
【0023】
[実施例2]
別の実施例として、羽毛パック62は、伸縮生地部と、透水生地部とから構成される材質が使用される。生地の比率として、伸縮生地部の比率が80%以上であり、透水生地部の比率が20%以下である。このような材質であれば、羽毛パック62は、水洗いしても、水がダウンパック内に停留せずに流れることができるため、乾燥しやすい。
【0024】
伸縮生地部は、例えば、メッシュ素材のポリエステルであり、透水生地部は、例えば、非メッシュのポリエステルである。
【0025】
実施例2における羽毛パック62は、大部分を占める伸縮生地部の中に部分的に透水生地部を有している。透水生地部の大きさは例えば、一辺が20mmの正方形であり、その正方形の透水生地部を、ランダムに伸縮生地部を配置する。透水生地部の割合が多すぎると、伸縮性が減少してしまい、一方、透水生地部の割合が少なすぎると、水がダウンパックに停留してしまう。
【0026】
羽毛パック62は、いろいろな方向に伸縮させることができるが、その伸縮方向を含む平面で切断した断面に伸縮生地部が十分に含まれていれば、伸縮性が保たれる。伸縮生地部の伸縮率をx、切断した断面における伸縮生地部の比率をrとすると、伸縮方向に対して、rxの伸縮率となる。断面の方向によってrの値が変化し得るが、どの方向についても、r>0.8にすることにより、伸縮生地部の伸縮率を80%以上の伸縮率を保つことができる。
【0027】
本発明の効果について説明する。
[1]伸縮性を有する表地と伸縮性を有する裏地との間に設けられ、伸縮性を有する少なくとも1つの羽毛パックと、前記羽毛パックに充填された羽毛と、を備える、ブラウスは、伸縮性を有する表地と伸縮性を有する裏地の間に羽毛を備えることで、身体にフィットとするようなサイズに設定することができ、羽毛を備えるブラウスであっても、すっきりとしたデザインにすることができる。
【0028】
[2]前記羽毛パックが、前記ブラウスの前身頃にのみ設けられる場合であっても、十分な防寒性能が得られる。後身頃に羽毛がないことで、背中部分がモコモコすることがなく、ファッション的にすっきりとした印象になる。また、後見頃に羽毛を入れない方が、室内着としても着用可能となり、保温しすぎることがなくなる。
【0029】
[3]前記羽毛パックの厚みが1cm以下であれば、羽毛パックが薄くなり、着用しても、上半身が動きやすくなる。しかも、軽量であり、室内着として着用しやすいブラウスである。
【0030】
[4]前記羽毛パックは、前記裏地に縫合され、前記表地に縫合されなければ、表地に不自然な縫合部を露出することがない。羽毛が使用されるダウンベストは、表地にも縫合部があるのが通常であるため、表地に縫合部がないダウンベストは求められない。しかし、ブラウスは高いファッション性が求められ、表地に縫合しないことにより、表地に縫合部が現れず、羽毛を備えないブラウスに近い外観を有し、ファッション性が向上する。
【0031】
[5]前記羽毛パックは、ポリウレタンでコーティングされたポリエステルメッシュから構成される場合は、前記羽毛パックは、伸縮性と透水性を兼ね備えているため、表地及び裏地の伸縮にも追随しつつ、水洗いをすることも可能である。ダウンベストに比べ、ブラウスは直接肌に触れることが多く、家庭での水洗い選択をする要望が高い。透水性を有する羽毛パックを持用いれば、水洗い後に乾燥しやすく、清潔に保つことができる。
【符号の説明】
【0032】
1 ブラウス
2 表地
3 裏地
4 縫合部
5 裾
61 羽毛
62 羽毛パック

【要約】      (修正有)
【課題】羽毛プルーフ性及び軽量性を保持しつつ、すっきりとしたデザインで、非常に保温力のあるブラウスを提供する。
【解決手段】伸縮性を有する表地と伸縮性を有する裏地3との間に設けられ、伸縮性を有する少なくとも1つの羽毛パックと、前記羽毛パックに充填された羽毛と、を備えるブラウス1。羽毛パックを表地に縫合せず、裏地に縫合する場合は、表地に縫合部4がなくなるため、外観が優れたブラウスとなる。
【選択図】図2
図1
図2
図3