【文献】
フレグランスジャーナル、Vol.35、No.7、2007年7月15日、日清オイリオグループ株式会社の広告の頁(32頁の次の頁)
【文献】
周知・慣用技術集(香料) 第III部 香粧品用香料、日本国特許庁、2001年6月15日、556頁の「c.乳化型ファンデーション」
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
メチルトリメチコン、トレハロースイソステアリン酸エステル及び不溶性粉体を含有する油中水型乳化化粧料であって、メチルトリメチコンの含有量が5〜30質量%、トレハロースイソステアリン酸エステルの含有量が0.1〜5質量%で、不溶性粉体の含有量が、25〜45質量%、25℃で測定したときの粘度が7,000mPa・s以下であり、SPFが28.3〜33.5であり、紫外線吸収剤を含まないことを特徴とする油中水型乳化化粧料。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の油中水型乳化化粧料は、メチルトリメチコン、トレハロースイソステアリン酸エステル、不溶性粉体を含有するものである。
本発明の油中水型乳化化粧料は、紫外線遮蔽効果を有する乳液状のファンデーションや化粧下地等に適する。高含有の不溶性粉体を用いて、高い紫外線遮蔽効果を実現するとともに、高いカバー力を発揮する。
【0008】
本発明に用いるメチルトリメチコンは、トリストリメチルシロキシメチルシランの化粧品表示名称であり、化学式((CH
3)
3SiO)
3SiCH
3で表される化合物である。メチルトリメチコンは市販品を用いることができ、例えば、信越化学工業株式会社製TMF−1.5が挙げられる。
メチルトリメチコンの配合量は5〜30質量%が好ましい。メチルトリメチコンの配合量が5質量%未満であると、粘度の低減効果が得られ難く、30質量%を超えて配合しても、粘度の低減効果はあまり変わらない。
【0009】
本発明に用いるトレハロースイソステアリン酸エステルはトレハロースの水酸基にイソステアリン酸をエステル結合した化合物である。トレハロースの8個の水酸基のうち、約5個の水酸基にイソステアリン酸がエステル結合していることが好ましい。トレハロースイソステアリン酸エステルは市販品を用いることができ、例えば、日清オイリオグループ株式会社製ノムコートTQ−5が挙げられる。
トレハロースイソステアリン酸エステルの配合量は0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜2質量%が特に好ましい。トレハロースイソステアリン酸エステルの配合量が0.1質量%未満の場合は、紫外線遮蔽効果を高める効果を発揮させ難く、5質量%を超えて配合すると粘度が高くなりすぎることがある。
【0010】
本発明に用いる不溶性粉体は、水、親水性溶媒、界面活性剤、油剤等の通常の化粧料基剤に実質的に不溶の粉体である。不溶性粉体としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、グンジョウ、酸化クロム、ヒドロキシアパタイト、シリカ、タルク、カオリン、窒化ホウ素、マイカ、結晶セルロース粉体、シルク粉体、ポリアクリル酸アルキル粉体、ナイロン粉体、ポリエチレン粉体、ポリスチレン粉体等が挙げられる。
不溶性粉体として、シリコーン処理やフッ素処理等を施した表面処理粉体を用いてもよい。また、複数種の不溶性粉体を付着させた複合粉体を用いてもよい。
不溶性粉体として微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等の紫外線遮蔽効果の高い不溶性粉体を用いることが、紫外線遮蔽効果を高めるために好ましい。
不溶性粉体の配合量は、17〜45質量%配合することが好ましく、特に25〜40質量%が好ましい。24質量%以下では、十分な紫外線遮蔽効果並びにメークアップのカバー力を得ることが難しく、40質量%以上では、低粘度の乳液状の剤型を得ることが困難である。
【0011】
本発明の油中水型乳化化粧料の25℃で測定した粘度は7,000mPa・s以下とすることができる。粘度を7,000mPa・s以下とすることによって、乳液状のさらさらした剤型となり、塗布し易く、さっぱりとした使用感を実現できる。
【0012】
本発明の油中水型乳化化粧料には、エステル油、植物油のような油脂類、炭化水素類、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコン油、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、多価アルコール類、糖類、糖アルコール類、水溶性高分子、増粘剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤、ヒアルロン酸のような保湿剤、香料、pH調整剤、等を含有させることができる。ビタミン類、皮膚賦活剤、血行促進剤、常在菌コントロール剤、活性酸素消去剤、抗炎症剤、美白剤、殺菌剤等の他の薬効成分、生理活性成分を含有させることもできる。
【0013】
エステル油として、例えば、2−エチルヘキサン酸セチル、ジイソノナン酸1,3−ブチレングリコール、ジ2−エチルヘキサン酸1,3−ブチレングリコール、ジイソノナン酸ジプロピレングリコール、ジ2−エチルヘキサン酸ジプロピレングリコール、イソノナン酸イソノニル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
油脂類として、例えば、ツバキ油、月見草油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ゴマ油、ホホバ油、胚芽油、小麦胚芽油、等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ、モクロウ核油、硬化油、硬化ヒマシ油等の固体油脂、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、ヌカロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ等のロウ類が挙げられる。
炭化水素類として、例えば、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
高級脂肪酸として、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等が挙げられる。
【0014】
高級アルコールとして、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等が挙げられる。
シリコン油として、例えば、鎖状ポリシロキサンのジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等、環状ポリシロキサンのデカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
【0015】
アニオン界面活性剤として、例えば、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、N−アシルサルコシン酸、スルホコハク酸塩、N−アシルアミノ酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤として、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
両性界面活性剤として、例えば、アルキルベタイン、アミドベタイン等のベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
非イオン界面活性剤として、例えば、ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体が挙げられる。
【0016】
多価アルコール類として、例えば、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
糖類、糖アルコール類として、例えば、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、トレハロース、スクロース、キシリトール、マルトース、ラクトース等が挙げられる。
【0017】
水溶性高分子として、例えば、アラビアゴム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、デキストラン、プルラン、カルボキシメチルデンプン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、メチルハイドロキシプロピルセルロース、ハイドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー等を挙げることができる。
増粘剤として、例えば、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル、ステアリン酸デキストリン、イソステアリン酸デキストリン等を挙げることができる。
【0018】
防腐剤として、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン等を挙げることができる。
金属イオン封鎖剤として、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エデト酸、エデト酸ナトリウム塩等のエデト酸塩を挙げることができる。
【0019】
紫外線吸収剤として、例えば、パラアミノ安息香酸、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、2,4−ジハイドロキシベンゾフェノン、等を配合することができる。しかしながら、安全性を高めるためには紫外線吸収剤を配合しないことが好ましい。本発明の油中水乳化型化粧料は、紫外線吸収剤を配合しなくても高い紫外線遮蔽効果を実現できる。
【0020】
保湿剤として、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、ソルビトール、ブドウ糖、果糖、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸、シクロデキストリン等が挙げられる。
【0021】
薬効成分として、例えば、ビタミンA油、レチノール等のビタミンA類、リボフラビン等のビタミンB
2類、ピリドキシン塩酸塩等のB
6類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸モノパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシド等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム等のパントテン酸類、ビタミンD
2、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類等のビタミン類を挙げることができる。
【0022】
グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ローヤルゼリー、ぶなの木エキス等の皮膚賦活剤、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、γ−オリザノール等の血行促進剤、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、アズレン等の消炎剤、アルギニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸類、常在菌コントロール剤のマルトースショ糖縮合物、塩化リゾチーム等を挙げることができる。
さらに、カミツレエキス、パセリエキス、ワイン酵母エキス、グレープフルーツエキス、スイカズラエキス、コメエキス、ブドウエキス、ホップエキス、コメヌカエキス、ビワエキス、オウバクエキス、ヨクイニンエキス、センブリエキス、メリロートエキス、バーチエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、トウガラシエキス、レモンエキス、ゲンチアナエキス、シソエキス、アロエエキス、ローズマリーエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、ハマメリスエキス、クワエキス等の各種抽出物を挙げることができる。
【実施例】
【0023】
表1の組成にて、実施例1〜4、比較例1〜5のリキッドファンデーションを調製した。A成分(メチルトリメチコン)、B成分(トレハロースイソステアリン酸エステル)、C成分(不溶性粉体)、D成分(その他の油性剤)を室温で混合し、ホモミキサー(3,000rpm)で10分間混合した。混合物にE成分(水性成分)を投入しながら、ホモミキサー(3,000rpm)で混合し、乳化した(1分間)。ホモミキサー(4,000rpm)で10分間混合を継続し、調製を終了した。メチルトリメチコンは信越化学工業株式会社製TMF−1.5を用いた。トレハロースイソステアリン酸エステルは日清オイリオグループ株式会社製ノムコートTQ−5を用いた。
【0024】
実施例1〜4、比較例1〜5のリキッドファンデーションについて、以下の手順で調製翌日粘度、塗布時の延び、耐皮脂性、SPF、カバー力を評価した。結果は表1中に示した。
【0025】
調製翌日粘度
リキッドファンデーション調製翌日にB型粘度計を用いて、ローターNo.3、回転数12rpm、回転時間30秒の条件にて粘度を測定した。
【0026】
塗布時の延び
専門パネラーがリキッドファンデーションを顔面に塗布し、延びを以下の基準で評価した。
軽い :リキッドファンデーションとして延びがよく、適切である。
やや軽い:リキッドファンデーションとして延びがややよく、許容できる。
重い :リキッドファンデーションとして延びが重く、許容できない。
【0027】
耐皮脂性
リキッドファンデーションを石英板に厚さ25μmで均一に塗布し5分乾燥させた後、人工皮脂(組成:スクワラン、マカデミアナッツ油、コレステロール、オレイン酸)を滴下して状態を観察した。以下の基準により評価した。
○:人工皮脂が濁らない。
×:人工皮脂にリキッドファンデーションが一部溶解し濁る。
【0028】
SPF
International SPF test method published by COLIPA / CTFA SA / JCIA /CTFA (May 2006)の試験法(紫外線源としてキセノン アーク ソーラー シミュレーターを用いたin vivo SPF紫外線防止効果テスト)に従って、実施例2のリキッドファンデーションのSPF値を求めた。実施例1、3、4、比較例1〜5のSPF値は、in vivoテストで求めた実施例2のSPF値を基準として、Labsphere社製UV-1000Sを用いて測定したin vitroテストのSPF値を換算して求めた。
【0029】
カバー力
リキッドファンデーションを石英板に厚さ25μmで均一に塗布し乾燥させた後、以下の基準にてカバー力を目視評価した。
○:光を透過せず、十分なカバー力がある。
×:光が透過し、カバー力が不十分である。
【0030】
【表1】
【0031】
約30%以上の不溶性粉体C成分含有しつつ、7,000mPa・s以下の粘度とする油中水型乳化化粧料を実現できた。 A成分のメチルトリメチコンとB成分のトレハロースイソステアリン酸エステルを含有する実施例1〜3は粘度が7,000mPa・s以下であり、塗布時の延びが軽く、耐皮脂性に優れ、SPFが約30であり、サンスクリーン効果が高く、カバー力にも優れていた。
【0032】
比較例1は実施例2のA成分のメチルトリメチコンをシクロペンタシロキサンに代替したものである。粘度が7,000mPa・sを超え、塗布時の延びが重く、乳液状のリキッドファンデーションとして適さないものであった。耐皮脂性にも劣り、SPF値も実施例2(31.7)と比べて低い値(25.0)を示した。
【0033】
比較例2は実施例2のB成分のトレハロースイソステアリン酸エステルをシクロペンタシロキサンに代替したものである。粘度は7,000mPa・s以下であり、塗布時の延びが軽いが、SPFが14.7と極端に低くなる問題を有する。
【0034】
比較例3は実施例2のA成分のメチルトリメチコンとB成分のトレハロースイソステアリン酸エステルをシクロペンタシロキサンに代替したものである。B成分を含まないのにもかかわらず、SPF値は比較例2よりも高い23.5を示したが、比較例2と同様に粘度が7,000mPa・sを超え、塗布時の延びが重く、耐皮脂性が悪く、乳液状のリキッドファンデーションとしては適さないものであった。
実施例4は、比較例4あるいは比較例5と対比すると、A成分のメチルトリメチコンとB成分のトレハロースイソステアリン酸エステルに2つの成分を含有することにより、SPFを大きくすることができ、耐皮脂性を向上させることができることを示している。