【実施例】
【0054】
(1)酸化マグネシウムと酸化ジルコニウムとからなる焼結体
但し、実施例1−1〜1−7及び比較例1−1は、本発明の実施例及び比較例ではない。
[実施例1−1]
気相酸化反応法により製造された酸化マグネシウム(MgO)粉末(純度:99.985質量%、一次粒子の平均粒子径:0.2μm、一次粒子の形状:立方体)と酸化ジルコニウム(ZrO
2)粉末(純度:99.9質量%、一次粒子の平均粒子径:0.2μm)
との混合粉末[MgO/ZrO
2=99.967/0.033(モル比)]50質量部と
を、ポリエチレングリコール濃度6質量%及びポリカルボン酸アンモニウム塩濃度1質量%の水溶液50質量部に混合分散して、スラリー(温度:25℃)を調製した。調製後、スラリー温度を25℃に維持しながら、速やかに(スラリー調製後、約15分以内)、スプレードライヤーを用いて、スラリーを噴霧乾燥(加熱温度:230℃)して造粒物を得た。得られた造粒物を成形圧2トン/cm
2にて、ペレット状(直径:6.0mm、高さ
:2.5mm、成形体密度:2.50g/cm
3)に成形した。次いで、該成形物を、電
気炉を用いて1650℃の温度で4時間焼成して焼結させた。得られた焼結体ペレットの相対密度は98.3%であった。
【0055】
上記の焼結体ペレットを蒸着材に用いて、電子ビーム蒸着法によりシリコンウェハー基板とステンレス基板との上に酸化マグネシウム膜をそれぞれ形成して、酸化マグネシウム膜の酸化ジルコニウム含有量、二次電子放出係数及び屈折率を測定した。蒸着の条件は、電圧:8KV、電流:40mA、蒸着チャンバーの酸素分圧:2×10
-2Pa、基板温度:200℃とした。酸化ジルコニウム含有量は、シリコンウェハー基板上に成膜した厚さ
1000nmの酸化マグネシウム膜を用いて、二次電子放出係数は、ステンレス基板上に成膜した厚さ100nmの酸化マグネシウム膜を用いて、屈折率は、シリコンウェハー基板上に成膜した厚さ100nmの酸化マグネシウム膜を用いて、それぞれ下記の方法により測定した。その結果を表1に示す。
【0056】
[酸化ジルコニウム含有量の測定方法]
蛍光X線法によりジルコニウム含有量を測定して、その値を酸化ジルコニウム含有量に換算した。
[二次電子放出係数の測定方法]
Neイオンの照射により発生した二次電子量を測定した。Neイオンの照射条件は、真空度:3×10
-5Pa、Neイオンの加速電圧:300eV、基板温度:300℃とした。
[屈折率の測定方法]
エリプソメータを用いて、波長633nmの光の屈折率を測定した。
【0057】
[実施例1−2]
混合粉末の組成比を、MgO/ZrO
2=99.84/0.16(モル比)とした以外
は、実施例1−1と同じ条件で焼結体ペレットを製造した。得られた焼結体ペレットの相対密度は99.0%であった。
この焼結体ペレットを蒸着材に用いて、実施例1−1と同様に、電子ビーム蒸着法により酸化マグネシウム膜を形成した。得られた酸化マグネシウム膜のジルコニウム含有量、二次電子放出係数及び屈折率を、表1に示す。
【0058】
[実施例1−3]
混合粉末の組成比を、MgO/ZrO
2=99.67/0.33(モル比)とした以外
は、実施例1−1と同じ条件で焼結体ペレットを製造した。得られた焼結体ペレットの相対密度は99.0%であった。
この焼結体ペレットを蒸着材に用いて、実施例1−1と同様に、電子ビーム蒸着法により酸化マグネシウム膜を形成した。得られた酸化マグネシウム膜のジルコニウム含有量、二次電子放出係数及び屈折率を、表1に示す。
【0059】
[実施例1−4]
混合粉末の組成比を、MgO/ZrO
2=99.00/1.00(モル比)とした以外
は、実施例1−1と同じ条件で焼結体ペレットを製造した。得られた焼結体ペレットの相対密度は98.9%であった。
この焼結体ペレットを蒸着材に用いて、実施例1−1と同様に、電子ビーム蒸着法により酸化マグネシウム膜を形成した。得られた酸化マグネシウム膜のジルコニウム含有量、二次電子放出係数及び屈折率を、表1に示す。
【0060】
[実施例1−5]
混合粉末の組成比を、MgO/ZrO
2=98.31/1.69(モル比)とした以外
は、実施例1−1と同じ条件で焼結体ペレットを製造した。得られた焼結体ペレットの相対密度は98.8%であった。
この焼結体ペレットを蒸着材に用いて、実施例1−1と同様に、電子ビーム蒸着法により酸化マグネシウム膜を形成した。得られた酸化マグネシウム膜のジルコニウム含有量、二次電子放出係数及び屈折率を、表1に示す。
【0061】
[実施例1−6]
混合粉末の組成比を、MgO/ZrO
2=96.49/3.51(モル比)とした以外
は、実施例1−1と同じ条件で焼結体ペレットを製造した。得られた焼結体ペレットの相
対密度は98.8%であった。
この焼結体ペレットを蒸着材に用いて、実施例1−1と同様に、電子ビーム蒸着法により酸化マグネシウム膜を形成した。得られた酸化マグネシウム膜のジルコニウム含有量、二次電子放出係数及び屈折率を、表1に示す。
【0062】
[実施例1−7]
混合粉末の組成比を、MgO/ZrO
2=94.54/5.46(モル比)とした以外
は、実施例1−1と同じ条件で焼結体ペレットを製造した。得られた焼結体ペレットの相対密度は98.7%であった。
この焼結体ペレットを蒸着材に用いて、実施例1−1と同様に、電子ビーム蒸着法により酸化マグネシウム膜を形成した。得られた酸化マグネシウム膜のジルコニウム含有量、二次電子放出係数及び屈折率を、表1に示す。
【0063】
[比較例1−1]
酸化ジルコニウム粉末を添加しない以外は、実施例1−1と同じ条件で焼結体ペレットを製造した。得られた焼結体ペレットの相対密度は97.0%であった。
この焼結体ペレットを蒸着材に用いて、実施例1−1と同様に電子ビーム蒸着法により酸化マグネシウム膜を形成した。得られた酸化マグネシウム膜のジルコニウム含有量、二次電子放出係数及び屈折率を、表1に示す。
【0064】
表1
────────────────────────────────────────
焼結体ペレット 酸化マグネシウム膜
───────── ────────────────────────
ZrO
2含有量 ZrO
2含有量 二次電子放出係数(*) 屈折率
(モル%) (モル%) (−) (−)
────────────────────────────────────────実施例1−1 0.033 0.00016 1.10 1.702
実施例1−2 0.16 0.00033 1.30 1.705
実施例1−3 0.33 0.0049 1.35 1.708
実施例1−4 1.00 0.013 1.32 1.723
実施例1−5 1.69 0.016 1.29 1.735
実施例1−6 3.51 0.033 1.20 1.729
実施例1−7 5.46 0.049 1.15 1.722
────────────────────────────────────────比較例1−1 ZrO
2添加せず 検出されず 1.00 1.693
────────────────────────────────────────
(*)実施例1−1〜1−7の二次電子放出係数は、比較例1−1の二次電子放出係数を1.00とした場合の相対比である。
【0065】
表1の結果から、酸化ジルコニウムの含有量が0.01〜6モル%の範囲にある焼結体ペレットから形成された酸化マグネシウム膜(実施例1−1〜1−7)はいずれも、酸化ジルコニウムを含まない焼結体ペレットから形成された酸化マグネシウム膜(比較例1−1)と比べて、二次電子放出効率及び屈折率が向上することがわかる。
【0066】
(2)酸化マグネシウムと、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム又は酸化バリウムと、酸化ジルコニウムとからなる焼結体
[実施例2−1]
気相酸化反応法により製造された酸化マグネシウム(MgO)粉末(純度:99.985質量%、一次粒子平均粒子径:0.2μm、一次粒子形状:立方体)と、炭酸カルシウ
ム(CaCO
3)粉末(純度:99.9質量%、一次粒子平均粒子径:0.2μm)と、
酸化ジルコニウム(ZrO
2)粉末(純度:99.9質量%、一次粒子平均粒子径:0.
2μm)とを、それぞれMgO:CaCO
3:ZrO
2=99.892:0.054:0.054(モル比)の割合で混合した。この混合粉末50質量部を、ポリエチレングリコール濃度6質量%、及びポリカルボン酸アンモニウム塩濃度1質量%の水50質量部に分散して、スラリー(液温:25℃)を調製した。
調製したスラリーを、その液温を25℃に維持しながら速やかに(約15分以内)に、スプレードライヤーを用いて、噴霧乾燥して造粒物を得た。
得られた造粒物を金型に充填して、成形圧2トン/cm
2にてペレット状(直径:6.
0mm、厚さ:2.5mm、成形体密度:2.50g/cm
3)に成形した。
そして最後に、ペレット状成形体を、電気炉を用いて1650℃の温度で4時間焼成して焼結させた。
【0067】
上記焼結体ペレットの金属元素含有量(カルシウム含有量、ジルコニウム含有量)、相対密度及び吸湿率をそれぞれ下記の方法により測定した。その結果を、下記表2に示す。
【0068】
[金属元素含有量の測定方法]
ICP発光分光計により金属元素含有量を測定した。
[相対密度の測定方法]
アルキメデス法により測定した。
【0069】
[吸湿率の測定方法]
焼結体ペレット30gを正確に秤量し、これを温度60℃、相対湿度85%RHの環境下に300時間静置した。静置後の焼結体ペレットの重量を測定して、下記の式により求めた重量増加率を吸湿率とした。吸湿率は、0.1%以下であることが好ましい。
吸湿率%={静置後の焼結体ペレットの重量−静置前の焼結体ペレットの重量(30g)}/静置前の焼結体ペレットの重量(30g)×100
【0070】
[実施例2−2]
酸化マグネシウム粉末と炭酸カルシウム粉末と酸化ジルコニウム粉末との混合割合を、それぞれMgO:CaCO
3:ZrO
2=99.642:0.179:0.179(モル比)とする以外は、実施例2−1と同様にして、焼結体ペレットを製造した。この焼結体ペレットの金属元素含有量(カルシウム含有量、ジルコニウム含有量)、相対密度及び吸湿率をそれぞれ前記の方法で測定した。その結果を、表2に示す。
【0071】
[実施例2−3]
酸化マグネシウム粉末と炭酸カルシウム粉末と酸化ジルコニウム粉末との混合割合を、それぞれMgO:CaCO
3:ZrO
2=98.214:0.893:0.893(モル比)とする以外は、実施例2−1と同様にして、焼結体ペレットを製造した。この焼結体ペレットの金属元素含有量(カルシウム含有量、ジルコニウム含有量)、相対密度及び吸湿率をそれぞれ前記の方法で測定した。その結果を、表2に示す。
【0072】
[実施例2−4]
酸化マグネシウム粉末と炭酸カルシウム粉末と酸化ジルコニウム粉末との混合割合を、それぞれMgO:CaCO
3:ZrO
2=94.642:2.679:2.679(モル比)とする以外は、実施例2−1と同様にして、焼結体ペレットを製造した。この焼結体ペレットの金属元素含有量(カルシウム含有量、ジルコニウム含有量)、相対密度及び吸湿率をそれぞれ前記の方法で同様に測定した。その結果を、表2に示す。
【0073】
[実施例2−5]
炭酸カルシウム粉末と酸化ジルコニウム粉末の代わりに、ジルコニウム酸カルシウム(CaZrO
3)粉末(純度:99.5質量%、一次粒子平均粒子径:0.4μm)を用い
、酸化マグネシウム粉末とジルコニウム酸カルシウム粉末との混合割合を、MgO:CaZrO
3=99.821:0.179(モル比)とする以外は、実施例2−1と同様にし
て、焼結体ペレットを製造した。この焼結体ペレットの金属元素含有量(カルシウム含有量、ジルコニウム含有量)、相対密度及び吸湿率をそれぞれ前記の方法で測定した。その結果を、表2に示す。
【0074】
[実施例2−6]
酸化マグネシウム粉末とジルコニウム酸カルシウム粉末との混合割合を、MgO:CaZrO
3=99.107:0.893(モル比)とする以外は、実施例2−5と同様にし
て、焼結体ペレットを製造した。この焼結体ペレットの金属元素含有量(カルシウム含有量、ジルコニウム含有量)、相対密度及び吸湿率をそれぞれ前記の方法で測定した。その結果を、表2に示す。
【0075】
[実施例2−7]
酸化マグネシウム粉末とジルコニウム酸カルシウム粉末との混合割合を、MgO:CaZrO
3=97.321:2.679(モル比)とする以外は、実施例2−5と同様にし
て、焼結体ペレットを製造した。この焼結体ペレットの金属元素含有量(カルシウム含有量、ジルコニウム含有量)、相対密度及び吸湿率をそれぞれ前記の方法で測定した。その結果を、表2に示す。
【0076】
[実施例2−8]
炭酸カルシウム粉末の代わりに、炭酸ストロンチウム(SrCO
3)粉末(純度:99
.9質量%、一次粒子平均粒子径:0.3μm)を用い、酸化マグネシウム粉末と炭酸ストロンチウム粉末と酸化ジルコニウム粉末との混合割合を、それぞれMgO:SrCO
3
:ZrO
2=99.034:0.483:0.483(モル比)とする以外は、実施例2
−1と同様にして、焼結体ペレットを製造した。この焼結体ペレットの金属元素含有量(ストロンチウム含有量、ジルコニウム含有量)、相対密度及び吸湿率をそれぞれ前記の方法で測定した。その結果を、表2に示す。
【0077】
[実施例2−9]
炭酸ストロンチウム粉末と酸化ジルコニウム粉末の代わりに、ジルコニウム酸ストロンチウム(SrZrO
3)粉末(純度:99.2質量%、一次粒子平均粒子径:0.8μm
)を用い、酸化マグネシウム粉末とジルコニウム酸ストロンチウム粉末との混合割合を、MgO:SrZrO
3=99.517:0.483(モル比)とする以外は、実施例2−
8と同様にして、焼結体ペレットを製造した。この焼結体ペレットの金属元素含有量(ストロンチウム含有量、ジルコニウム含有量)、相対密度及び吸湿率をそれぞれ前記の方法で測定した。その結果を、表2に示す。
【0078】
[実施例2−10]
炭酸カルシウム粉末の代わりに、炭酸バリウム(BaCO
3)粉末(純度:99.9質
量%、一次粒子平均粒子径:0.5μm)を用い、酸化マグネシウム粉末と炭酸バリウム粉末と酸化ジルコニウム粉末との混合割合を、それぞれMgO:BaCO
3:ZrO
2=99.348:0.326:0.326(モル比)とする以外は、実施例2−1と同様にして、焼結体ペレットを製造した。この焼結体ペレットの金属元素含有量(バリウム含有量、ジルコニウム含有量)、相対密度及び吸湿率をそれぞれ前記の方法で測定した。その結果を、表2に示す。
【0079】
[実施例2−11]
炭酸バリウム粉末と酸化ジルコニウム粉末の代わりに、ジルコニウム酸バリウム(BaZrO
3)粉末(純度:99.2質量%、一次粒子平均粒子径:1.0μm)を用い、酸
化マグネシウム粉末とジルコニウム酸バリウム粉末との混合割合を、MgO:BaZrO
3=99.674:0.326(モル比)とする以外は、実施例2−10と同様にして、
焼結体ペレットを製造した。この焼結体ペレットの金属元素含有量(バリウム含有量、ジルコニウム含有量)、相対密度及び吸湿率をそれぞれ前記の方法で測定した。その結果を、表2に示す。
【0080】
[比較例2−1]
酸化ジルコニウム粉末を用いずに、酸化マグネシウム粉末と炭酸カルシウム粉末との混合割合を、MgO:CaCO
3=99.821:0.179(モル比)とする以外は、実
施例2−1と同様にして、焼結体ペレットを製造した。この焼結体ペレットの金属元素含有量(カルシウム含有量)、相対密度及び吸湿率をそれぞれ前記の方法で測定した。その結果を、表2に示す。
【0081】
[比較例2−2]
酸化ジルコニウム粉末を用いずに、酸化マグネシウム粉末と炭酸カルシウム粉末との混合割合を、MgO:CaCO
3=99.107:0.893(モル比)とする以外は、実
施例2−1と同様にして、焼結体ペレットを製造した。この焼結体ペレットの金属元素含有量(カルシウム含有量)、相対密度及び吸湿率をそれぞれ前記の方法で測定した。その結果を、表2に示す。
【0082】
[比較例2−3]
酸化ジルコニウム粉末を用いずに、酸化マグネシウム粉末と炭酸ストロンチウム粉末との混合割合を、MgO:SrCO
3=99.517:0.483(モル比)とする以外は
、実施例2−8と同様にして、焼結体ペレットを製造した。この焼結体ペレットの金属元素含有量(ストロンチウム含有量)、相対密度及び吸湿率をそれぞれ前記の方法で測定した。その結果を、表2に示す。
【0083】
[比較例2−4]
酸化ジルコニウム粉末を用いずに、酸化マグネシウム粉末と炭酸バリウム粉末との混合割合を、MgO:BaCO
3=99.674:0.326(モル比)とする以外は、実施
例2−10と同様にして、焼結体ペレットを製造した。この焼結体ペレットの金属元素含有量(バリウム含有量)、相対密度及び吸湿率をそれぞれ前記の方法で測定した。その結果を、表2に示す。
【0084】
表2
────────────────────────────────────────
Ca Sr Ba Zr 相対密度 吸湿率
(モル%)(モル%)(モル%)(モル%) (%) (%)
────────────────────────────────────────実施例2−1 0.054 − − 0.054 97.9 0.05
実施例2−2 0.179 − − 0.179 98.9 0.01以下実施例2−3 0.893 − − 0.893 98.7 0.01以下実施例2−4 2.679 − − 2.679 98.2 0.01以下実施例2−5 0.179 − − 0.179 99.0 0.03
実施例2−6 0.893 − − 0.893 98.7 0.01以下実施例2−7 2.679 − − 2.679 98.4 0.01以下実施例2−8 − 0.483 − 0.483 97.5 0.03
実施例2−9 − 0.483 − 0.483 97.8 0.02
実施例2−10 − − 0.326 0.326 97.0 0.03
実施例2−11 − − 0.326 0.326 97.4 0.02
────────────────────────────────────────比較例2−1 0.179 − − − 91.7 4.7
比較例2−2 0.893 − − − 90.2 6.9
比較例2−3 − 0.483 − − 94.5 2.6
比較例2−4 − − 0.326 − 93.2 3.4
────────────────────────────────────────
【0085】
表2に示すように、アルカリ土類金属酸化物(酸化マグネシウムを除く)と酸化ジルコニウムとを含有する焼結体ペレット(実施例2−1〜2−11)は、アルカリ土類金属酸化物(酸化マグネシウムを除く)のみを含む焼結体ペレット(比較例2−1〜2−4)と比べて、相対密度が高く、また吸湿率が低下していることが分かる。
【0086】
[酸化マグネシウム膜形成用の蒸着材としての評価]
実施例2−1〜2−11及び比較例2−1〜2−4にて製造した焼結体ペレットを用いて、電子ビーム蒸着法にて酸化マグネシウム膜を形成した。そのときの蒸着速度、形成した酸化マグネシウム膜の二次電子放出係数及び金属酸化物含有量をそれぞれ下記の方法により測定した。その結果を、下記表3に示す。なお、表3中の蒸着速度及び二次電子放出係数は、比較例2−1の焼結体ペレットの値を1とした場合の相対値である。
【0087】
[蒸着速度の測定方法]
ステンレス基板の上に下記の成膜条件で形成した酸化マグネシウム膜の膜厚を成膜開始から経時毎に記録して、単位時間(分)当たりの成膜速度を算出した。この成膜速度を蒸着速度とした。
(成膜条件)
電圧:8kV
電流:40mA
蒸着チャンバーの酸素分圧:2×10
-5Pa
基板温度:200℃
【0088】
[二次電子放出係数の測定方法]
ステンレス基板の上に上記蒸着速度の測定方法と同じ成膜条件で、100nmの酸化マグネシウム膜を形成した。この酸化マグネシウム膜に、下記の条件でNeイオンを照射したときの二次電子発生量を測定した。
(Neイオンの照射条件)
真空度:3×10
-5Pa
Neイオンの加速電圧:300eV
基板温度:300℃
【0089】
[金属元素含有量の測定方法]
シリコンウェハー基板の上に上記蒸着速度の測定方法と同じ成膜条件で、厚さ1000nmの酸化マグネシウム膜を形成した。この酸化マグネシウム膜の金属元素含有量を蛍光X線法により測定した。
【0090】
表3
────────────────────────────────────────
蒸着速度 二次電子放出 CaO SrO BaO ZrO
2
(−) 係数(−) (モル%)(モル%)(モル%)(モル%)────────────────────────────────────────
実施例2−1 1.2 1.30 0.0464 − − 0.0016
実施例2−2 1.3 1.32 0.1464 − − 0.0041
実施例2−3 1.2 1.25 0.6071 − − 0.0097
実施例2−4 1.1 1.12 1.5179 − − 0.0235
実施例2−5 1.3 1.35 0.1071 − − 0.0032
実施例2−6 1.2 1.20 0.5000 − − 0.0089
実施例2−7 1.1 1.10 1.4643 − − 0.0244
実施例2−8 1.2 1.21 − 0.3475 − 0.0057
実施例2−9 1.2 1.25 − 0.32819 − 0.0049
実施例2−10 1.2 1.18 − − 0.2609 0.0041
実施例2−11 1.2 1.22 − − 0.2479 0.0032
────────────────────────────────────────比較例2−1 1.0 1.00 0.1643 − − −
比較例2−2 0.8 0.90 0.7161 − − −
比較例2−3 0.9 0.95 − 0.3089 − −
比較例2−4 0.9 0.92 − − 0.2461 −
────────────────────────────────────────
【0091】
表2に示すように、アルカリ土類金属酸化物(酸化マグネシウムを除く)と酸化ジルコニウムとを含有する酸化マグネシウム焼結体ペレット(実施例2−1〜2−11)は、アルカリ土類金属酸化物(酸化マグネシウムを除く)のみを含む酸化マグネシウム焼結体ペレット(比較例2−1〜2−4)と比べて、蒸着速度及び二次電子放出係数が高いことが分かる。
【0092】
[実施例2−12]
前記実施例2−1において、得られた造粒物を成形圧2トン/cm
2にて、ペレット状
(直径:6mm、高さ1.5mm、成形体密度2.50g/cm
3)に形成した以外は、
実施例2−1と同様にして、焼結体ペレットを作成した。
得られた焼結体ペレットの相対密度及び吸湿率を、前記の方法にて測定したところ、相対密度は98.8%であり、吸湿率は0.01%以下であった。さらに、この焼結体ペレットを用いて、電子ビーム蒸着法にて酸化マグネシウム膜を形成して、蒸着速度、形成した酸化マグネシウム膜の二次電子放出係数及び金属元素含有量をそれぞれ前記の方法にて測定した。その結果、蒸着速度は1.9、二次電子放出係数は1.32(それぞれ、前記比較例2−1の焼結体ペレットの値を1.0としたときの相対値)、酸化カルシウムの含有量は0.1490モル%、酸化ジルコニウムの含有量は0.0048モル%であり、蒸着速度は、前記実施例2−1にて製造した焼結体ペレットと比べて速くなった。