【発明が解決しようとする課題】
【0011】
検知車両が存在しないことによって、ハイビーム機能への切り替えが指示されるときの閾値は、約600mである。一旦、車両が、装着車両から600m未満の位置に検知されると、ロービーム機能が作動する。しかしながら、この機能によって、十分な照明が、道路の中心部分の80m先の位置に近い位置から、車両が走行している車線の路側帯(すなわち、右側通行の交通法規下の右側路側帯)の150m先の位置までの距離に亘ってしか可能にならない。従って、行なうことのできる照明は、右側通行の交通法規下における道路の右側であり、路面の左側は明らかに低い照度でしか照明されない。従って、眩惑される虞のある最初の車両が、装着車両から約100m〜600mの距離に位置するような交通状況は、非常に高い頻度で発生し、これらの状況において、道路の照明を最適化し、それによって、他のいずれの車両の運転者も眩惑しないようにすることができる。
【0012】
従って、ビームの範囲を、対向車両または先行車両が位置する推定距離に応じて適合させることができる種々の解決策が提案されている。これらの解決策は、漸進的光ビーム(progressive light beams)と言われる解決策である。この解決策が、光ビームの範囲の最適化の点で満足できる場合、この解決策は、路側帯照明を提案しようと考えている場合には、満足できるものにはならない。
【0013】
従って、最新技術では、車両から放出されるグローバル光ビームを、異なる隣接角度部分に分割するという解決策も提案されており、各部分は、グローバル光ビームの1つの角度セクタに対応する。従って、対向車両または先行車両が特定部分に位置する場合、グローバル光ビームの最適化では、グローバル光ビームによって、当該特定部分のみが眩惑される現象を防止する。これらの光ビームは、選択的光ビーム(selective light beams)と呼ばれるものである。「非眩惑照度部分(non−dazzling portion)」という用語は、グローバル光ビームのうち、当該ビームが、水平線に平行なカットオフラインの直下に、当該ビームが先行車両または対向車両に到達するときに、または到達する前に集中する角度セクタを指し、このカットオフラインは、水平線の下方に位置する。
【0014】
このため、第1の解決策では、ロービームタイプの光ビームを形成する第1光学モジュールを配置して、DBL機能を実行するだけでなく、L字形カットオフラインを有する選択的タイプのビームを形成するために使用される第2光学モジュールを配置した構成のヘッドランプを作製することができる。L字形カットオフラインとは、略水平の第1部分を有し、この第1部分は、問題のカットオフラインから延びるグローバル垂直方向上昇部分、すなわち45度〜135度の角度で延びる部分によって中断され、問題のカットオフラインの水平部分が、前記グローバル垂直方向上昇部分の右側または左側に延在する構成を指すカットオフラインである。
【0015】
このような光学モジュールの完成例を、
図1A及び1Bに示す。
【0016】
これらの図では、LED型光源を各モジュールに、基本的に前に引用した利点を考慮に入れて使用する。これらの光学モジュールでは、本発明の完成例におけるように、LEDsの使用は、制限を全く伴なうことがないので有利である。キセノン型バルブまたはハロゲン型バルブの他の光源を、説明する異なるモジュールに使用することができる。
【0017】
光学モジュール101が、これらの図に示されており、この光学モジュールは、以下の構成要素を備えている。
−第1リフレクタ102
−第2リフレクタ112
−第3リフレクタ114
−光源105。
【0018】
第1リフレクタ102は、以下の特徴を有する楕円形リフレクタである。
−2つの集光点F1及びF2
−光軸A1
−略楕円形の反射面106。
【0019】
略楕円形の反射面106は、ほぼ回転面となるように形成されている部品の角度セクタの形状に形成され、そしてこの角度セクタは、箔の面に直交する軸面の上方に位置し、かつ光軸A1を含む半空間に延在する。1次近似では、反射面106は半楕円形である。
【0020】
光源105は、実質的に、第1リフレクタ102の第1集光点F1の位置に観察することができる。
【0021】
既に述べたように、光源105は発光ダイオードであり、この発光ダイオードは、このダイオードの光エネルギーのほとんどを、内部反射側の略楕円形の反射面106に放出するのが好ましい。
【0022】
第2リフレクタ112は、以下の特徴を備えている。
−第1リフレクタ102の集光点は、第2集光点F2にほぼ一致している。
−光軸A2。
−反射面107。
【0023】
光軸A2は、照明モジュール101を装着した不図示の車両の前後軸にとほぼ平行である。
【0024】
光軸A1は、光軸A2と角度αをなしている。図示の例では、角度αは90°に等しい。しかし、この角度と別の値を有するものとすることもできる。
【0025】
反射面107は、例えば略放物線形状であり、この放物線の軸が光軸A2である。
【0026】
折り返し部材(folder)である第3リフレクタ114は、第1リフレクタ102と第2リフレクタ112との間に位置し、少なくとも1つの反射上面108と、カットオフエッジ(cut−off edge)である端部側前面エッジ109とを備えている。
【0027】
カットオフエッジ109は、第1リフレクタ102の第2集光点F2の近くに見ることができる。
【0028】
光学モジュール101が機能する原理は、次の通りである。
【0029】
光源105から放出される3つの光線R1,R2,及びR3について考察する。
【0030】
光源105は、第1リフレクタ102の第1集光点F1に観察されるので、光源105から放出される光線のほとんどは、内側面106で反射された後に、折り返されて第2集光点F2に、または第2集光点F2近傍に達する。これが、光線R1がカットオフエッジ109に沿って通過するときの挙動である。次に、光線R1は、第2リフレクタ112の反射面107で、第2リフレクタ112の光軸A2と略平行な方向に沿って反射される。
【0031】
しかしながら、光源は特定の分布を持っているため、他の光線は、厳密に第1集光点F1から放出される訳ではなく、内側面106により反射された後、折り返し部材114の反射面108で反射される。これが、光線R2の挙動である。次に、光線R2は、再度、放物線状表面107で反射され、この反射は、
図1の平面図の左側に向かって行なわれる。従って、光線R2は、照射ビームのカットオフの下方に放出される。光線R2が反射面108で反射されない場合、光線R2が照射領域をカットオフラインの上方に形成してしまうことから、光線R2は許容されないことになる。
【0032】
R3タイプの他の光線は、エッジ109の上方を通過することができる。このような場合、光線R3は同様に、照射ビームのカットオフの下方に放出される。
【0033】
折り返し部材114の反射面108によって、光源105の像を「折り返す」ことができ、これらの像は、第1リフレクタ102の楕円形反射面106により反射されて、第2集光点F2に達する。
【0034】
像のこの「折り返し」により形成される「折り返し部材」は、明確なカットオフを、第2リフレクタ112により反射される照射ビームに形成するように作用する。
【0035】
光学モジュール101の1つの利点は、折り返しタイプの第3リフレクタ114を設けてあるので、当該光学モジュールは、遮光部材を備える従来の照明モジュールにおける場合のように、光源105から放出される光線の大部分を遮蔽してしまうということがなく、かつ当該リフレクタで反射される光線を折り返して、光線がカットオフの下方に達するようにしていることである。
【0036】
このような光学モジュールでは、カットオフエッジ109が第1リフレクタ102の第2集光点F2の近傍に位置するので、問題の光学モジュールにより形成される基本ビームのカットオフラインの形状を決定するのは、カットオフエッジ109の形状である。従って、
図1Bに観察することができるタイプのカットオフエッジを選択すると、従来のロービーム機能の実行を可能にするカットオフラインが得られる。折り返し部材には、水平面を有する第1部分111、及び第1部分の表面を含む面と15°の角度をなして下方に傾斜する表面を有する第2部分113が設けられる。これにより、水平カットオフを左側に有し、かつ左側から戻って右上に向かって上昇する斜めカットオフを有する欧州法規の要件であるロービームタイプの光ビームを実現することができる。法規によれば、この角度の値を、折り返し部材の形状と一緒に変化させることにより、法規通りの下向きライトが得られる。L字形カットオフラインを得るために、カットオフエッジ自体をL字形にする必要があり、この場合、第1部分と第2部分とがなす角度は90°に近い角度であるか、または少なくとも45度〜135度の角度である。
【0037】
2つの軸A1とA2とがなす角度αは、この場合には、光を半空間に向かってしか放射しないダイオードの特性を利用することにより選択され、かつ最適化されて、第1リフレクタ102が、第2リフレクタ112により反射される光束の一部を遮光することがないようにする。ここで選択される角度αは90°に等しいが、この角度を90°を超える角度にして、第1リフレクタ102が第2リフレクタ112により反射される光束の一部を遮光するのを防止することを可能にしながら、更にコンパクトなモジュールを実現することもできる。
【0038】
リフレクタ112を収束レンズに置き換えた構成のモジュールを用いてもよく、収束レンズの集光点は、第2リフレクタの集光点位置にあり、当該収束レンズの光軸を、第1リフレクタの光軸に沿った位置に配置して、光学モジュールが光を、当該収束レンズの光軸に沿って放出するようにする。
【0039】
DBL(可変ベンドライト)機能を満たすヘッドランプを提案すると同時に、従来のロービームカットオフ、及び選択的ビームを形成するように作用するカットオフを実現するのに適する第1の解決策では、
図1及び2に示す構成に基づくタイプの第1光学モジュール及び第2光学モジュールを配置し、各モジュールが、第1カットオフラインが従来のロービーム機能に対応し、第2カットオフラインが、L字形カットオフラインに対応する構成の特定のカットオフラインを形成するようにする。異なる光学モジュールを交互に作動させると、ヘッドランプが同時に、ロービームDBL機能を満たし、かつ選択的光ビームを形成するように機能するようになる。
【0040】
しかしながら、このような解決策には、相当数の不具合がある。この解決策を実行するためには、非常に多くの光学モジュールを搭載することになるので、コストが嵩む。次に、可動構造は非常に扱い難く、かつ問題のヘッドランプにおいて非常に大きな自由空間を確保する必要がある。
【0041】
本発明の1つの目的は、上述した問題に対処することにある。本発明では、1つの光学モジュールが提案される。具体的には、DBL機能を満たすヘッドランプ内に組み込まれるように構成される光学モジュールであって、従来のロービーム機能を実行し、選択的タイプの光ビームを形成するのに適する光学モジュールが提案される。この光学モジュールの全体寸法は小さく、かつ光学モジュールの製造コストが過大になることがない。
【0042】
これらの目的を達成するために、本発明は、2つの光ビーム、すなわちロービームタイプの光ビーム、及び選択的タイプの光ビームを、本発明による光学モジュール単独で形成する必要がある構成を提案するものである。そのため、本発明は、特定の遮光部材の使用を提案し、遮光部材は、第1部品及び第2部品を備え、これらの部品は、互いに対して移動することができて、問題の光学モジュールにより形成される光ビームを、遮光部材の2つの部品の相対位置に応じて、従来のロービームタイプの光ビームと選択的光ビームとの間で、そして逆に、選択的光ビームと従来のロービームタイプの光ビームとの間で変化させることができる。
【0043】
従って本発明は、基本的に、以下の構成要素を備える光学モジュールに関するものであり、この光学モジュールは、
−第1反射ミラーの第1集光点から発する光線のほとんどを反射して、第1反射ミラーの第2集光点に到達させる、前記第1反射ミラーと、
−グローバル軸方向に沿って延在し、かつ前記第1反射ミラーの前記第2集光点の位置に配置されるカットオフエッジを形成する遮光部材であって、グローバル軸方向に沿って延在することが、前記遮光部材が、問題の前記モジュールの光軸にほぼ沿って配置されることを意味する前記遮光部材と、
−光像を前記集光点F2から無限遠点に投影することを可能にする光学素子、例えば放物線状リフレクタまたは放物線部分群を有するリフレクタとを備え、
前記遮光部材は、少なくとも、互いに対して移動することができる第1部品及び第2部品を含んでいる。
【0044】
同様に、本発明による光学モジュールは、次の補完的特徴のうちの1つ以上を、上記段落に記載されている主要な特徴の他に提供することができる。これらの補完的特徴のいずれの組み合わせも、これらの補完的特徴が、互いに相容れないものではない限り、本発明の有利な例を構成する。
−前記遮光部材は、折り返しタイプの第2反射ミラーであり、この第2反射ミラーによって、前記光学モジュールから放出される光束の量を増やすことができる。
−前記遮光部材は、遮光部材の第1部品と第2部品との相対移動により、第1構成体と第2構成体との間で変化することができ、前記第1構成体では、前記遮光部材は、従来のロービームタイプのカットオフラインを造り出すカットオフエッジを形成し、前記第2構成体では、前記遮光部材は、略L字形カットオフラインを造り出すカットオフエッジを形成し、前記略L字形カットオフラインは、略水平部分を含み、この略水平部分は、問題の前記カットオフラインのグローバル垂直方向上昇部分により中断され、かつ問題の前記カットオフラインの水平部分は、前記グローバル垂直方向上昇部分の右側、または左側に延在している。
−前記光源は、発光ダイオードタイプである。
−前記第1部品は、第2部品に対して、グローバル水平方向であり、かつ光軸と平行な方向に沿って、すなわち、軸方向に沿って移動し、前記第2部品に対する第1部品の移動は、概ね軸方向の移動を含んでいる。
−概ね軸方向の前記移動は、前記第1部品のカットオフエッジが、集光点からずれるような簡単な軸方向並進移動である。「集光点からずれる」という表現は、カットオフエッジが前記第2集光点の位置に位置しなくなることを意味する。そのためには、前記カットオフエッジを光源から遠ざけるか、または光源に近づければよい。好ましくは、前記カットオフエッジを光源に近づける。
−前記第1部品を、第2部品に対して、
−前記第1部品が1番目の回転移動を行なって、第1部品が第1構成体の傾斜位置と、前記第2構成体の水平位置との間で変化することにより、
−前記第2部品は、前記第1部品に対して2番目の略水平の並進移動を行なうことにより動かす。
−前記第1部品の回転移動によって、前記第1部品に対する第2部品の前記並進移動が生じるか、または、前記第1部品に対する第2部品の並進移動によって、第1部品の回転移動が生じる。
−前記遮光部材の2つの部品のうちの一方の部品には、ガイド摺動溝が側方側に設けられ、前記ガイド摺動溝に、遮光部材の他方の部品の側方側に設けられているガイドピンが嵌挿されている。前記ガイド摺動溝の深さは変えることができ、かつ前記ガイドピンは、前記第1部品が第2部品に対して相対移動するときに、前記ガイド摺動溝の底部に接触保持される。
−前記第1部品は、第1部品が第2部品に対して相対移動するときに、把持部分に取り付けられているガイドレールに嵌入される少なくとも1つの駆動ピンを備えている。
−前記駆動ピンは、前記光学モジュールの駆動機構により動かされる。
−前記第1部品を第2部品に対して、ほぼ水平に並進移動させることにより、第1部品を第2部品に対して移動させる。
−前記遮光部材の2つの部品のうちの一方の部品には、ガイド摺動溝が側方に設けられ、前記ガイド摺動溝に、前記遮光部材の他方の部品の側方に設けられているガイドピンが嵌挿されている。前記ガイド摺動溝は、一定の深さを有し、ガイドピンは、ガイド摺動溝の底部に接触保持されている。
−前記第1部品は、第2部品に対して概ね垂直方向に移動する。
−前記第1部品は第2部品に対して、
−前記第1部品が1回目の回転移動を行なって、第1部品が第1構成体の傾斜位置から第2構成体の水平位置に変化することにより、
−前記第2部品が第1部品に対して2番目の略垂直の並進移動を行なうとともに、前記第2部品が3番目の回転移動を行なって、第2部品が前記第1構成体の水平位置から、前記第2構成体の傾斜位置に変化することにより移動する。
−前記第2部品の並進移動によって、前記第1部品の回転移動が生じるか、または前記第1部品の回転移動によって、第2部品の前記並進移動が生じる。
−前記遮光部材の第1部品には、ガイド摺動溝が側方側に設けられ、このガイド摺動溝に、具体的には鳩尾状のほぞ形のガイド部材が嵌挿され、このガイド部材は、遮光部材の第2部品の側方側に配置されている。
−前記第1部品及び第2部品は、それぞれ、第1駆動ピン及び第2駆動ピンを有し、これらの駆動ピンは、前記第1部品が第2部品に対して移動するときに、垂直把持部材に配置されている第1ガイドレール及び第2ガイドレールにそれぞれ嵌挿されている。
−前記第1駆動ピンまたは第2駆動ピンは、前記光学モジュールの駆動機構により動かされる。
−前記垂直移動は、第1部品を集光点からずらすための単純な垂直方向並進移動である。
−前記遮光部材は、第3部品を含む多関節部材であり、前記第1部品、第2部品、及び第3部品は、互いに対して移動することができ、前記第2部品は、一方の側で前記第1部品に、他方の側で前記第3部品に関節接続されている中央部品であり、これらの第1部品及び第3部品は、端部側部品に対応し、これらの端部側部品のうちの一方の端部側部品は、前記モジュールの残りの部分に対して固定されていて、幾つかの異なるカットオフ形状を形成することができ、前記幾つかの異なるカットオフ形状は、これらの3つの部品の各部品のカットオフエッジにより完成されている。
−一方において、前記第1部品及び第2部品は、切れ目のない、またはほぼ切れ目のない軸方向エッジを有し、他方において、前記第3部品及び第2部品は、切れ目のない、またはほぼ切れ目のない軸方向エッジを有する。
−これらの3つの部品は、互いに対して、
−前記中央部品が、端部側固定部品及び中央部品の切れ目のない、またはほぼ切れ目のない軸方向エッジに対応する軸の回りを回転移動することにより、
−他方の端部側部品が、前記中央部品、及びこの他方の端部側部品の切れ目のない、またはほぼ切れ目のない軸方向エッジに対応する軸の回りを回転移動することにより移動して、このグローバル移動が、2つの前記端部側部品の間の並進移動に対応するようになり、前記中央部品が回転することにより、2つの前記端部側部品の間の接合部を完成させる。
−前記中央部品の回転によって、前記端部側固定部品に対する端部側非固定部品の並進移動を駆動するか、または前記端部側固定部品に対する端部側非固定部品の並進移動によって、前記中央部品を回転駆動する。
【0045】
本発明はまた、原動機付き車両用ヘッドランプに関するものであり、ヘッドランプは、前に述べたモジュールの主要な特徴、及び場合によっては、直ぐ上に述べた補完的特徴のうちの1つ以上の特徴を有する本発明による光学モジュールを備えている。本発明によるヘッドランプは、略垂直軸の回りを回動し、かつロービームベンディング機能を実現するのに適する可動構造を備え、前記光学モジュールは可動構造上に配置されていると有利である。
【0046】
更に、本発明は、車両の各側に取り付けられるように構成されている第1及び第2ヘッドランプを備えるヘッドランプセットにも関するものである。
【0047】
第1の実施変形例によれば、第1及び第2ヘッドランプは、以下の構成要素、すなわち、
−上に説明した光学モジュールであって、この光学モジュールにおいて、前記第2部品に対する第1部品の移動が、第1部品を集光点からずらすための単純な軸方向並進移動である光学モジュールと、
−上に説明した光学モジュールであって、前記第1部品が第2部品に対して、1番目の回転移動を行なうことにより移動し、2番目の水平方向並進移動が前に説明したように行なわれる光学モジュールとを、それぞれ備えている。
【0048】
第2の実施変形例によれば、前記第1及び第2ヘッドランプは、以下の構成要素、すなわち、
−上に説明した光学モジュールであって、前記第2部品に対する第1部品の移動は、前記第1部品を集光点からずらすための単純な垂直方向並進移動である光学モジュールと、
−上に説明した光学モジュールであって、前記第1部品が第2部品に対して、1番目の回転移動を行なうことにより移動し、前記第1部品に対する第2部品の略垂直な2番目の並進移動が、前に説明したように、前記第2部品の3番目の回転移動とともに行なわれる光学モジュールとを備えている。
【0049】
ヘッドランプセットのこれらの2つの実施変形例によれば、第1ヘッドランプによって、ロービーム、及びL字形カットオフを有するビームを形成することができ、このビームの水平部分は、ロービームの水平部分と同じ側にある。また、前記第2ヘッドランプによって、ロービーム、及びL字形カットオフを有するビームを形成することができ、このビームの水平部分は、前記ロービームの眩惑照度部分と同じ側にある。
【0050】
前記ヘッドランプセットの第3の実施変形例によれば、第1及び第2ヘッドランプは、多関節遮光部材を備える光学モジュールを含み、前記遮光部材は、前に説明したように、3つの部品を有し、前記第1ヘッドランプの光学モジュールの3つの遮光部材品によって、ロービーム、高速道路用ビーム、及びL字形カットオフを有するビームを形成することができ、このビームの水平ロー部分は、前記ロービームの水平ロー部分と同じ側にあり、前記第2ヘッドランプの光学モジュールの3つの遮光部材品によって、ロービーム、高速道路用ビーム、及びL字形カットオフを有するビームを形成することができ、このビームの水平ロー部分は、前記ロービームの眩惑照度部分と同じ側にある。
【0051】
最後に、本発明は、本発明によるヘッドランプを装着する原動機付き車両にも関するものである。
【0052】
本発明及び本発明の種々の適用形態は、以下の記述を一読し、かつ添付図面を分析理解することにより、一層深く理解しうるものと思う。
【0053】
添付図面は、例示としてのみ提示するのであり、決して本発明を制限するものではない。