【実施例】
【0040】
以下に、実施例を掲げて更に具体的に本発明の方法を説明するが、本発明の技術的範囲は以下の例に制限されるものではない。
【0041】
<単糖の分析>
単糖等の濃度はHPLCにより分析した。分析条件を以下に示す。
(1)ガラクトース、マンノース、フルクトース、イノシトールの分析条件
HPLC分析条件カラム:Aminex HPX87P(7.8×300mm、BIO RAD製)、移動相:水、流速:0.6mL/min、カラム温度:60℃、検出:示 差屈折計(RI)。
(2)グルコース、アラビノース、オリゴ糖、グリセロールの分析条件
HPLC分析条件カラム:Aminex HPX87H(7.8×300mm、BIO RAD製)、移動相:0.005N 硫酸、流速:0.6mL/min、カラム温度: 60℃、検出:示差屈折計(RI)。
(3)標準物質
ガラクトース: 商品名「D−(+)−ガラクトース」(ナカライテクス製)
アラビノース: 商品名「L−(+)−アラビノース」(ナカライテクス製)
マンノース: 商品名「D−(+)−マンノース」(ナカライテクス製)
フルクトース: 商品名「D−(−)−フルクトース」(ナカライテクス製)
グルコース: 商品名「D−(+)−グルコース」(ナカライテクス製)
イノシトール: 商品名「myo−イノシトール」(ナカライテクス製)
グリセロール: 商品名「グリセリン」(ナカライテスク製)
なお、オリゴ糖の定量は、上記マンノースの標準物質との面積比にて算出した。
【0042】
実施例1
パーム核ミール(カーギル社製)10gに、水22mL、1M硫酸8mLを加え、pH0.9に調整した後、90℃、4時間の前加水分解処理を行った。放冷後、1M水酸化ナトリウム3mLを添加してpH3.6に調整後、吸引ろ過を行い、水50mLで水押しを行い、パーム核ミールを洗浄した。洗浄したパーム核ミールを回収し、水24mL、1M硫酸を加え、pH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.03gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0043】
実施例2
パーム核ミール(カーギル社製)10gに、水22mL、1M硫酸8mLを加え、pH0.9に調整した後、90℃、4時間の前加水分解処理を行った。放冷後、1M水酸化ナトリウム3mLを添加してpH3.6に調整後、吸引ろ過を行い、水100mLで水押しを行い、パーム核ミールを洗浄した。洗浄したパーム核ミールを回収し、水24mL、1M硫酸を加え、pH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.03gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0044】
実施例3
パーム核ミール(カーギル社製)10gに、水22mL、1M硫酸8mLを加え、pH1.5に調整した後、90℃、4時間の前加水分解処理を行った。放冷後、1M水酸化ナトリウム3mLを添加してpH3.6に調整後、吸引ろ過を行い、水50mLで水押しを行い、パーム核ミールを洗浄した。洗浄したパーム核ミールを回収し、水24mL、1M硫酸を加えpH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.03gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0045】
実施例4
パーム核ミール(カーギル社製)10gに、水22mL、1M硫酸8mLを加え、pH0.9に調整した後、90℃、0.2時間の前加水分解処理を行った。放冷後、1M水酸化ナトリウム3mLを添加してpH3.6に調整後、吸引ろ過を行い、水50mLで水押しを行い、パーム核ミールを洗浄した。洗浄したパーム核ミールを回収し、水24mL、1M硫酸を加え、pH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.03gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0046】
実施例5
パーム核ミール(カーギル社製)10gに、水22mL、1M硫酸8mLを加え、pH0.9に調整した後、90℃、9時間の前加水分解処理を行った。放冷後、1M水酸化ナトリウム3mLを添加してpH3.6に調整後、吸引ろ過を行い、水50mLで水押しを行い、パーム核ミールを洗浄した。洗浄したパーム核ミールを回収し、水24mL、1M硫酸を加え、pH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.03gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0047】
実施例6
パーム核ミール(カーギル社製)10gに、水22mL、1M硫酸8mLを加え、pH1.5に調整した後、90℃、4時間の前加水分解処理を行った。放冷後、1M水酸化ナトリウム3mLを添加してpH3.6に調整後、吸引ろ過を行った。得られたパーム核ミールに、水24mL、1M硫酸を加えpH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.03gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。なお、前加水分解処理後、本加水分解処理(酵素分解処理)前に洗浄は行わなかった。
【0048】
比較例1
パーム核ミール(カーギル社製)10gに水28mL、1M硫酸2.0mLを加え、pH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.03gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素処理を行なった後、100℃10分の酵素失活を行った。なお、酵素分解処理前の前加水分解処理・ろ過・洗浄は行わなかった。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0049】
比較例2
パーム核ミール(カーギル製)10gに水50mLを加え、吸引ろ過を行い、パーム核ミールを洗浄した。洗浄したパーム核ミールを回収し、水28mL、1M硫酸2.0mLを加え、pH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.03gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素処理を行なった後、100℃10分の酵素失活を行った。なお、酵素分解処理前の前加水分解処理は行わなかった。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0050】
比較例3
パーム核ミール(カーギル社製)10gに、水22mL、1M硫酸8mLを加え、pH0.9に調整した後、90℃、4時間の前加水分解処理を行った。放冷後、パーム核ミールをろ過せずにそのまま1M水酸化ナトリウム3mLを添加してpH3.6に調整後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.03gを加え、60℃で48時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0051】
実施例1〜6、比較例1〜3について得られた糖成分の分析結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
表1に示したように、本発明の条件下、前加水分解処理を行った後に、得られた残渣に対して酵素分解処理を行なった実施例1〜6においては、前加水分解処理を行わなかった比較例1、2に比べて、マンノースの濃度が増加し、且つ糖・糖アルコール中のマンノース含量が高くなった。また、実施例1〜6は、濾過を行なわずそのまま酵素反応をおこなった比較例3に比べて、糖・糖アルコール中のマンノース含量が高くなった。さらに、前加水分解処理をpH0.9の条件下1時間以上行った後得られた残渣に対して酵素分解処理を行った実施例1、2、5においては、マンノース濃度も顕著に増加した。以上のことから本発明の単糖の製造方法が、安価かつ簡便な単糖の製造方法として極めて有効であることが明らかとなった。
【0054】
実施例7
こんにゃく芋荒粉1gに、0.1M塩酸9mL、2M塩酸1mLを加え、pH0.9に調整した後、90℃、2時間の前加水分解処理を行った。放冷後、4M水酸化ナトリウム1mLを添加してpH3.6に調整後、吸引ろ過を行った後、水10mLで水押しを行い、こんにゃく芋荒粉を洗浄した。洗浄したこんにゃく芋荒粉を回収し、水7.2mL、2M塩酸を加え、pH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.05gを加え、60℃で24時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0055】
実施例8
こんにゃく芋荒粉1gに、0.1M塩酸9mL、2M塩酸1mLを加え、pH0.9に調整した後、90℃、2時間の前加水分解処理を行った。放冷後、4M水酸化ナトリウム1mLを添加してpH3.6に調整後、吸引ろ過を行った後、水20mLで水押しを行い、こんにゃく芋荒粉を洗浄した。洗浄したこんにゃく芋荒粉を回収し、水11mL、2M塩酸を加え、pH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.05gを加え、60℃で24時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0056】
実施例9
こんにゃく芋荒粉1gに、0.1M塩酸10mLを加え、pH1.5に調整した後、90℃、2時間の前加水分解処理を行った。放冷後、4M水酸化ナトリウム1mLを添加してpH3.6に調整後、吸引ろ過を行った後、水10mLで水押しを行い、こんにゃく芋荒粉を洗浄した。洗浄したこんにゃく芋荒粉を回収し、水11mL、2M塩酸を加え、pH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.05gを加え、60℃で24時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0057】
実施例10
こんにゃく芋荒粉1gに、0.1M塩酸9mL、2M塩酸1mLを加え、pH0.9に調整した後、90℃、0.2時間の前加水分解処理を行った。放冷後、4M水酸化ナトリウム1mLを添加してpH3.6に調整後、吸引ろ過を行った後、水10mLで水押しを行い、こんにゃく芋荒粉を洗浄した。洗浄したこんにゃく芋荒粉を回収し、水11mL、2M塩酸を加え、pH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.05gを加え、60℃で24時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0058】
実施例11
こんにゃく芋荒粉1gに、0.1M塩酸9mL、2M塩酸1mLを加え、pH0.9に調整した後、90℃、9時間の前加水分解処理を行った。放冷後、4M水酸化ナトリウム1mLを添加してpH3.6に調整後、吸引ろ過を行った後、水10mLで水押しを行い、こんにゃく芋荒粉を洗浄した。洗浄したこんにゃく芋荒粉を回収し、水11mL、2M塩酸を加え、pH3.6に調整した後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.05gを加え、60℃で24時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0059】
比較例4
こんにゃく芋荒粉1gに、水10.8mL、2M塩酸0.2mLを加え、pH3.6に調整後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.05gを加え、60℃で24時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。なお、酵素分解処理前の前加水分解処理・ろ過・洗浄は行わなかった。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0060】
比較例5
こんにゃく芋荒粉1gに、水10mLを添加し、吸引ろ過を行い、こんにゃく芋荒粉を洗浄した。洗浄したこんにゃく芋荒粉を回収し、水10.8mL、2M塩酸0.2mLを加え、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.05gを加え、60℃で24時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。なお、酵素分解処理前の前加水分解処理は行わなかった。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0061】
比較例6
こんにゃく芋荒粉1gに、0.1M塩酸9mL、2M塩酸1mLを加え、pH0.9に調整した後、90℃、9時間の前加水分解処理を行った。放冷後、こんにゃく芋荒粉をろ過せずにそのまま、4M水酸化ナトリウム1mLを添加してpH3.6に調整後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.05gを加え、60℃で24時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0062】
【表2】
【0063】
表2に示したように、本発明の条件下、前加水分解処理を行った後に得られた残渣に対して酵素反応を行なった実施例7〜11においては、前加水分解処理を行わなかった比較例4、5に比べてマンノース及びグルコースの濃度が増加し、且つ糖・糖アルコール中のマンノース及びグルコース含量が高くなった。また、実施例7〜11は、濾過を行わずそのまま酵素反応をおこなった比較例6に比べて、糖・糖アルコール中のマンノース及びグルコース含量が高くなった。さらに、前加水分解処理をpH0.9の条件下1時間以上行った後得られた残渣に対して酵素反応を行った実施例7、8、11においては、マンノース及びグルコース濃度も顕著に増加した。以上のことから本発明の単糖の製造方法が、安価かつ簡便な単糖の製造方法として極めて有効であることが明らかとなった。
【0064】
実施例12
グアー豆粉砕物1gに、0.05M硫酸5mLを加え、pH0.9に調整した後、90℃、2時間の前加水分解処理を行った。放冷後、1M水酸化ナトリウム0.5mLを添加してpH3.6に調整後、吸引ろ過を行い、水10mLで水押しを行い、グアー豆粉砕物を洗浄した。洗浄したグアー豆粉砕物を回収し、水5.5mL、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.03gを加え、60℃で24時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0065】
実施例13
グアー豆粉砕物1gに、0.05M硫酸5mLを加え、pH0.9に調整した後、90℃、2時間の前加水分解処理を行った。放冷後、1M水酸化ナトリウム0.5mLを添加してpH3.6に調整後、吸引ろ過を行い、水20mLで水押しを行い、グアー豆粉砕物を洗浄した。洗浄したグアー豆粉砕物を回収し、水5.5mL、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.03gを加え、60℃で24時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0066】
実施例14
グアー豆粉砕物1gに、0.05M硫酸4.5mL、水0.5mLを加え、pH1.5に調整した後、90℃、2時間の前加水分解処理を行った。放冷後、1M水酸化ナトリウム0.3mLを添加してpH3.6に調整後、吸引ろ過を行い、水10mLで水押しを行い、グアー豆粉砕物を洗浄した。洗浄したグアー豆粉砕物を回収し、水5.5mL、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.03gを加え、60℃で24時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0067】
実施例15
グアー豆粉砕物1gに、0.05M硫酸5mLを加え、pH0.9に調整した後、90℃、0.2時間の前加水分解処理を行った。放冷後、1M水酸化ナトリウム0.5mLを添加してpH3.6に調整後、吸引ろ過を行い、水10mLで水押しを行い、グアー豆粉砕物を洗浄した。洗浄したグアー豆粉砕物を回収し、水5.5mL、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.03gを加え、60℃で24時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0068】
実施例16
グアー豆粉砕物1gに、0.05M硫酸5mLを加え、pH0.9に調整した後、90℃、9時間の前加水分解処理を行った。放冷後、1M水酸化ナトリウム0.5mLを添加してpH3.6に調整後、吸引ろ過を行い、水10mLで水押しを行い、グアー豆粉砕物を洗浄した。洗浄したグアー豆粉砕物を回収し、水5.5mL、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.03gを加え、60℃で24時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0069】
比較例7
グアー豆粉砕物1gに、0.05M硫酸0.05mL、水5.45mLを加え、pH3.6に調整後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.03gを加え、60℃で24時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。なお、酵素分解処理前の前加水分解処理・ろ過・洗浄は行わなかった。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0070】
比較例8
グアー豆粉砕物1gに、水5mLを添加し、吸引ろ過を行い、グアー豆粉砕物を洗浄した。洗浄したグアー豆粉砕物を回収し、0.05M硫酸0.05mL、水5.45mLを加え、pH3.6に調整後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.03gを加え、60℃で24時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。なお、酵素分解処理前の前加水分解処理は行わなかった。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0071】
比較例9
グアー豆粉砕物1gに、0.05M硫酸5mLを加え、pH0.9に調整した後、90℃、2時間の前加水分解処理を行った。放冷後、グアー豆粉砕物をろ過せずにそのまま、1M水酸化ナトリウム0.5mLを添加後、酵素セルロシンGM5(HBI製 マンナナーゼ、ユニット数:10,000unit/g)0.03gを加え、60℃で24時間振とうし、酵素反応を行なった後、100℃10分で酵素失活を行った。得られた粗糖液を珪藻土ろ過し、ろ液の糖成分の分析を行った。
【0072】
【表3】
【0073】
表3に示したように、本発明の条件下、前加水分解処理を行った後に得られた残渣に対して酵素反応を行なった実施例12〜16においては、前加水分解処理を行わなかった比較例7、8に比べてマンノース及びグルコースの濃度が増加し、且つ糖・糖アルコール中のマンノース及びグルコース含量が高くなった。また、実施例12〜16は、濾過を行わずそのまま酵素反応をおこなった比較例9に比べて、糖・糖アルコール中のマンノース及びグルコース含量が高くなった。さらに、前加水分解処理をpH0.9の条件下1時間以上行った後得られた残渣に対して酵素反応を行った実施例12、13、16においては、マンノース及びグルコース濃度も顕著に増加した。以上のことから本発明の単糖の製造方法が、安価かつ簡便な単糖の製造方法として極めて有効であることが明らかとなった。