(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5873638
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】2サイクルエンジン
(51)【国際特許分類】
F02F 3/24 20060101AFI20160216BHJP
F02B 25/22 20060101ALI20160216BHJP
F02F 3/00 20060101ALI20160216BHJP
F02B 25/14 20060101ALI20160216BHJP
【FI】
F02F3/24
F02B25/22
F02F3/00 M
F02B25/14
【請求項の数】11
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-30767(P2011-30767)
(22)【出願日】2011年2月16日
(65)【公開番号】特開2011-169322(P2011-169322A)
(43)【公開日】2011年9月1日
【審査請求日】2013年12月13日
(31)【優先権主張番号】10 2010 008 260.0
(32)【優先日】2010年2月17日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598052609
【氏名又は名称】アンドレアス シュティール アクチエンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100091867
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 アキラ
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(74)【代理人】
【識別番号】100167151
【弁理士】
【氏名又は名称】金沢 充博
(72)【発明者】
【氏名】ベルント エンゲル
【審査官】
山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭62−000156(JP,U)
【文献】
特開2003−343352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02F 3/00,3/24
F02B 25/14,25/22
F16J 1/00−1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ(2)のシリンダボア(60)内に往復動可能に支持されているピストン(5,44)によって画成されている燃焼室(3)と、該燃焼室(3)から出ている排気口(9)とを備え、前記ピストン(5,44)が、連接棒(6)を介して、クランクケース(4)内に回転可能に支持されているクランク軸(7)を駆動し、前記連接棒(6)がピストンピン(61)を介して前記ピストン(5,44)と結合され、前記クランクケース(4)が前記ピストン(5,44)の少なくとも1つの位置において少なくとも1つの掃気通路(10,12)を介して前記燃焼室(3)と連通し、前記掃気通路(10,12)が少なくとも2つの掃気窓(11,13)でもって前記シリンダボア(60)に開口し、前記掃気窓(11,13)が前記シリンダボア(60)の互いに対向し合っている側に配置され、前記ピストン(5,44)が、前記排気口(9)のための1つの第1の制御面(62)と、前記掃気窓(11,13)のための2つの第2の制御面(63)とを有し、ピストンスカート(36)に少なくとも1つの第1の凹部が設けられ、該第1の凹部が、前記排気口(9)側の周領域において前記2つの第2の制御面(63)の間に延在し、且つ前記ピストン(5,44)の各位置で前記ピストンスカート(36)の一部分を介してすべての掃気窓(11,13)から切り離されている2サイクルエンジンにおいて、
前記第1の凹部が、前記クランクケース(4)に対し閉鎖している第1の軽量化ポケット(45,67)として形成されていることを特徴とする2サイクルエンジン。
【請求項2】
前記第1の凹部が、前記ピストン(5,44)のどの位置でも、前記ピストンスカート(36)を介して、前記シリンダボア(60)に設けたすべての開口部から切り離されていることを特徴とする、請求項1に記載の2サイクルエンジン。
【請求項3】
前記第1の軽量化ポケット(45)が前記第1の制御面(62)の領域に延在していることを特徴とする、請求項1または2に記載の2サイクルエンジン。
【請求項4】
前記第1の軽量化ポケット(45)が前記第1の制御面(62)の周方向に測った幅(a)全体にわたって延在し、その際該第1の軽量化ポケット(45)は前記2つの第2の制御面(63)のうちの一方の第2の制御面から他方の第2の制御面まで延在していることを特徴とする、請求項3に記載の2サイクルエンジン。
【請求項5】
前記ピストン(44)がピストンリング溝(54)とピストン下稜(30)とを有し、前記第1の軽量化ポケット(45)の、ピストン長手軸線(35)の方向に測った高さ(b)が、どの位置においても、該位置における前記ピストン下稜(30)と前記ピストンリング溝(54)との間隔(c)の少なくとも50%であることを特徴とする、請求項2から4までのいずれか一つに記載の2サイクルエンジン。
【請求項6】
前記第1の軽量化ポケット(45)が底部(55)を有し、該底部(55)が前記連接棒(6)のための隆起部(51)を有し、前記第1の軽量化ポケット(45)のルーフ部(53)が少なくとも1つのピストンリング溝(54)を後方から取り囲んでいることを特徴とする、請求項2から5までのいずれか一つに記載の2サイクルエンジン。
【請求項7】
前記軽量化ポケット(45)の前記ルーフ部(53)に少なくとも1つの補強リブ(52)が配置され、前記第1の軽量化ポケット(45)の前記ルーフ部(53)と前記底部(55)とが互いにほぼ平行に延在していることを特徴とする、請求項6に記載の2サイクルエンジン。
【請求項8】
前記ピストン(5,44)が前記ピストンスカート(36)内に、第2の軽量化ポケット(27,47)を形成する少なくとも1つの第2の凹部を有し、前記シリンダボア(6)に混合気取り込み口(8)が開口し、前記ピストン(5,44)が前記混合気取り込み口(8)のための第3の制御面(64)を有し、前記第2の軽量化ポケット(27,47)が前記第3の制御面(64)内に配置されて、1回のピストン行程の間にもっぱら前記混合気取り込み口(8)とのみ連通していることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一つに記載の2サイクルエンジン。
【請求項9】
前記2サイクルエンジン(1)が、少なくとも1つの空気取り込み口(15)でもって前記シリンダボア(60)に開口している空気通路(14)を有し、前記ピストン(5,44)が前記空気取り込み口(15)と前記掃気窓(11,13)とを連通させるためのピストンポケット(23)を有していることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一つに記載の2サイクルエンジン。
【請求項10】
前記ピストンポケット(23)と前記ピストン底部(43)との間に少なくとも1つの第3の軽量化ポケット(25,48)が配置されていることを特徴とする、請求項9に記載の2サイクルエンジン。
【請求項11】
前記第3の軽量化ポケット(48)が前記ピストン(44)の幅(d)全体にわたって延在して、前記ピストンピン(61)の上方において前記ピストン(44)の片側を反対側と連通させていること、前記第3の軽量化ポケット(48)が底部(49)を有し、該底部(49)が前記連接棒(6)のための隆起部(50)を有していること、前記第3の軽量化ポケット(25)が少なくとも1つの補強リブ(42)を有していること、前記第3の軽量化ポケット(25,48)が1回のピストン行程の間に部分的に前記掃気窓(11,13)と連通していること、前記ピストンポケット(23)と前記ピストン底部(43)との間に第4の軽量化ポケット(26,46)が配置され、該第4の軽量化ポケット(26,46)が1回のピストン行程の間に部分的に前記空気取り込み口(15)と連通し、前記第3の軽量化ポケット(25,48)と前記第4の軽量化ポケット(26,46)とが前記ピストンスカート(36)に設けた細条部(56)を介して互いに切り離されていることを特徴とする、請求項10に記載の2サイクルエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載した種類の2サイクルエンジンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から、空気予備蓄積掃気式に作動する2サイクルエンジンが知られている。2サイクルエンジンのピストンは、空気通路を掃気通路と連通させるためのピストンポケットを有している。ピストンポケットの上方には軽量化用の小さなキャビティが設けられている。
【0003】
たとえば手で操縦される作業機に使用される2サイクルエンジンにおいて、クランクケース内への混合気取り込み口と掃気窓と排気口とをピストンによって制御することは知られている。空気予備蓄積掃気式に作動するエンジンの場合、さらに、掃気窓と空気取り込み口との連通部がピストンポケットを介して制御される。これによりシリンダボアには多数の開口部が開口し、これらの開口部は所定固定時間の間に互いに連通し、しかも燃焼室および/またはクランクケースとも連通する。この種の2サイクルエンジンは、手で操縦される作業機に使用するためには可能な限り高い動力対重量比を有していなければならない。良好なパワーを達成するには、クランクケース内での混合気の予圧縮率が高いことが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第10312092A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、高い動力対重量比を有するこの種の2サイクルエンジンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1の構成を備えた2サイクルエンジンによって解決される。
【0007】
2つの第2の制御面の間に位置するようにピストンスカートに凹部が設けられていることにより、ピストンが軽量になる。凹部はピストンのどの位置でも掃気窓と連通しないので、掃気窓の制御時間は変化しない。2つの第2の制御面の間に位置するようにピストンスカートに1つの凹部が設けられていることにより、機能を損なうことなく、2サイクルエンジンを軽量化できる。2サイクルエンジンは、どの掃気通路も1つの掃気窓でもって燃焼室に開口するように構成されていてよい。しかしながら、少なくとも1つの掃気通路が2つまたはそれ以上の分岐路に分割され、これらの分岐路が別個の掃気窓でもって燃焼室に開口するようにしてもよい。すなわち、1つの掃気通路が複数個の掃気窓でもって燃焼室に開口するようにしてもよい。
【0009】
他方、本発明によれば、予圧縮率を高めるため、第1の凹部が、クランクケースに対し閉鎖している第1の軽量化ポケットとして形成されている。第1の軽量化ポケットは特に第1の制御面の領域に延在している。第1の軽量化ポケットがピストンのどの位置においても掃気窓およびクランクケースに対し閉鎖していることにより、第1の軽量化ポケット排気口との連通を生じさせる第1の制御面の領域内への延在態様は、2サイクルエンジンの機能を変化させない。第1の軽量化ポケットがクランクケースに対し閉鎖していることにより、クランクケースの容積が小さくなり、これによって予圧縮率が高くなる。ピストンを可能な限り軽量化し、予圧縮率を可能な限り高くするため、本発明によれば、第1の軽量化ポケットは第1の制御面の周方向に測った幅全体にわたって延在している。特に、本発明によれば、シリンダボアには少なくとも2つの掃気窓がシリンダボアの互いに対向する側に配置され、すなわち排気口の両側に配置されている。ピストンは有利には2つの第2の制御面を有し、それぞれの第2の制御面は少なくとも1つの掃気窓の領域に配置され、その際第1の軽量化ポケットは2つの
第2の制御面のうちの一方の
第2の制御面から他方の
第2の制御面まで延在している。この場合、第1の軽量化ポケットは、第2の制御面に対し、掃気窓に対する十分な密封に必要な間隔を維持している。このような構成により、第1の軽量化ポケットを非常に大きく形成することができる。
【0010】
有利には、ピストンはピストンリング溝とピストン下稜とを有している。第1の軽量化ポケットの、ピストン長手軸線の方向に測った高さは、どの位置においても、該位置におけるピストン下稜とピストンリング溝との間隔の少なくとも50%である。ピストン下稜とピストンリング溝との間隔が比較的大きいため、ピストンの高い傾動安定性が得られる。第1の軽量化ポケットの高さが比較的大きいため、クランクケースの容積は第1の軽量化ポケットによって著しく小さくなる。
【0011】
本発明によれば、第1の軽量化ポケットは連接棒の領域内へ突出している。特に、第1の軽量化ポケットは底部を有し、該底部は連接棒のための隆起部を有している。有利には、第1の軽量化ポケットはピストン底部に隣接する領域内まで延在している。さらに、本発明によれば、第1の軽量化ポケットのルーフ部は少なくとも1つのピストンリング溝を後方から取り囲んでいる。ピストン底部の十分な安定性を確保するため、本発明によれば、軽量化ポケットのルーフ部に少なくとも1つの補強リブが配置されている。第1の軽量化ポケットのルーフ部と底部とが互いにほぼ平行に延在していれば、引き抜き可能な中子を用いたダイカストでの製造を達成できる。この場合、中子の引き抜きを可能にするルーフ部と底部との間の数度の小さな開口角を設けてもよい。
【0012】
合目的には、ピストンはピストンスカート内に、第2の軽量化ポケットを形成する少なくとも1つの第2の凹部を有している。シリンダボアには混合気取り込み口が開口し、この場合ピストンは混合気取り込み口のための第3の制御面を有している。第2の軽量化ポケットは特に第3の制御面内に配置されて、1回のピストン行程の間にもっぱら混合気
取り込み口とのみ連通している。第2の軽量化ポケットには、シリンダボアに集積する燃料を中間蓄積させることができる。たとえば2サイクルエンジンが手で操縦される作業機内に配置されていれば、2サイクルエンジンが揺動するときに、吸気サイクルで燃料が集積することがある。この集積燃料が衝撃的にクランクケース内へ侵入すると、作動障害になることがある。この燃料を第2の軽量化ポケットで中間蓄積することができる。これによって、揺動の際に生じる作動障害を減少または回避することができる。従って、第2の軽量化ポケットは軽量化ばかりでなく、作動障害の回避にも用いられる。
【0013】
2サイクルエンジンは、特に空気予備蓄積掃気式2サイクルエンジンである。このため、本発明によれば、2サイクルエンジンは、少なくとも1つの空気取り込み口でもってシリンダボアに開口している空気通路を有している。ピストンは特に空気取り込み口と掃気窓とを連通させるためのピストンポケットを有している。有利には、ピストンポケットとピストン底部との間に少なくとも1つの第3の軽量化ポケットが配置されている。特に大きな軽量化と、2サイクルエンジンの特に優れた予圧縮率とを達成するため、本発明によれば、第3の軽量化ポケットはピストンの幅全体にわたって延在して、ピストンピンの上方においてピストンの片側を反対側と連通させている。これによって予圧縮率を著しく向上させることができる。第3の軽量化ポケットは、クランクケースからの切り離しのために、有利には底部を有し、該底部は連接棒のための隆起部を有している。底部が連接棒の領域内まで延在していることにより、予圧縮率が著しく高くなる。前記隆起部により連接棒の運動を確保することができる。
【0014】
有利には、第3の軽量化ポケットは少なくとも1つの補強リブを有している。特に、第3の軽量化ポケットは1回のピストン行程の間に部分的に掃気窓と連通している。ピストンポケットとピストン底部との間には第4の軽量化ポケットが配置され、該第4の軽量化ポケット1回のピストン行程の間に部分的に空気取り込み口と連通する。第3の軽量化ポケットと第4の軽量化ポケットとの間には、特に細条部がピストンスカートに形成されている。これにより、掃気窓が第3および第4の軽量化ポケットを介して空気取り込み口と連通するのではなく、もっぱらピストンポケットのみを介して連通することが保証されている。これにより、これら軽量ポケットが2サイクルエンジンの制御時間を変化させないことが保証される。本発明によれば、軽量ポケットはそれぞれに付設の制御面を可能な限り完全に覆っており、その結果ピストンスカートは、ピストン行程の間に個々の機能開口部を互いに切り離す細条部によって実質的に形成される。これらのブラインドポケットにより、ピストンが軽量化されるとともに、クランクケースの容量が小さくなるので、2サイクルエンジンの予圧縮率を向上させることができる。加えて、前記ポケットはピストンから周囲への熱伝達を改善させ、これにより低いコンプレッションハイトを実現でき、よって構造空間の点および重量の点での更なる利点並びに高い予圧縮率を実現できる。
【0015】
次に、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図7】
図6の矢印VII−VIIによる断面図である。
【
図8】ピストンの下死点におけるシリンダおよびピストンの展開図である。
【
図9】ピストンの上死点におけるシリンダおよびピストンの展開図である。
【
図10】空気取り込み口が開口する前のシリンダとピストの1実施形態との展開図である。
【
図12】ピストンの1実施形態の部分断面図である。
【
図18】
図16の線XVIII−XVIIIによる断面図である。
【
図20】ピストンの下死点におけるシリンダおよびピストンの展開図である。
【
図21】ピストンの上死点におけるシリンダおよびピストンの展開図である。
【
図27】
図23の線XXVII−XXVIIによる断面図である。
【
図28】
図23の線XXVIII−XXVIIIによる断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、2サイクルエンジン1の実施形態として、空気予備蓄積掃気式単気筒2サイクルエンジンを示している。2サイクルエンジン1はシリンダ2を有し、シリンダ2内には燃焼室3が形成されている。燃焼室3は、シリンダ2のシリンダボア60内に往復動可能に支持されているピストン5によって画成される。ピストン5は、連接棒6を介して、クランクケース4内に回転可能に支持されているクランク軸7を駆動する。ピストン5はピストンピン61を介して連接棒6と結合されている。シリンダボア60には、混合気取り込み口60でもって混合気通路16が開口している。シリンダボア60には、さらに、少なくとも1つの空気取り込み口15でもって空気通路14が開口している。本実施形態では、空気通路14は2つの枝路に分岐されている。これらの枝路はそれぞれ空気取り込み口15でもってシリンダボア60の反対側に開口している。
図1には図示していない第2の空気取り込み口15は
図1の断面に関し左右対称に配置されている。
【0018】
図1に図示したピストン5の下死点範囲では、クランクケース4は排気口に近い2つの掃気通路10と取り込み口に近い2つの掃気通路12とを介して燃焼室3と連通している。排気口に近い掃気通路10は燃焼室3の排気口9に隣接して配置されている。排気口に近い掃気通路10は掃気窓11でもってシリンダボア60に開口し、取り込み口に近い掃気通路12は掃気窓13でもってシリンダボア60に開口している。
図1では空気取り込み口15は概略的に示されており、掃気窓13の下方に配置されている。空気取り込み口15を周方向にずらして掃気窓13の横に配置すれば、特に有利な構成が得られる。
【0019】
空気通路14と混合気通路16とはエアフィルタ18と連通している。エアフィルタ18を介して空気通路14と混合気通路16とは燃焼空気を吸い込む。混合気通路16の一部分はエアフィルタ18に配置されている気化器17内で案内されている。気化器17内にはチョークバルブ20とスロットルバルブ19とが回動可能に支持されている。空気通路14は空気供給量を制御するためのエアバルブ21を有している。ピストン5はシリンダ2内をシリンダ長手軸線22の方向へ移動する。空気取り込み口15を掃気窓11および13と連通させるため、ピストン5は互いに対向して配置される2つのピストンポケット23を有している。
【0020】
作動の際、ピストン5の上昇行程時に、燃料空気混合気が混合気取り込み口8を介してクランクケース4内へ吸い込まれる。同時に、掃気通路10と12に、空気取り込み口15とピストンポケット23とを介して、燃料をほとんど含んでいない空気通路14からの空気が予め蓄積される。ピストン5の下降行程時には、混合気がクランクケース4内で圧縮される。掃気通路10と12がピストン5によって開口されると、まず、予め蓄積されていた掃気用予備蓄積空気が燃焼室3内へ流入し、前回のエンジンサイクルから出た排ガスが排気口9を通じて掃気される。その後、新鮮な混合気がクランクケース4から掃気通路10と12を介して流れてくる。ピストン5の上昇行程の際に、まず掃気窓11と13が、次に排気口9がピストン5によって閉鎖される。ピストン5の上死点範囲で燃焼室3内の混合気が図示していない点火プラグによって点火される。その間、次のエンジンサイクル用の混合気がすでにクランクケース4内へ吸い込まれ、掃気用予備蓄積空気が掃気通路10と12内に予め蓄積される。燃焼室3内での混合気の燃焼によって、ピストン5がクランクケース4のほうへ加速される。排気口9が開くと、排ガスが燃焼室3から排出され、掃気窓11と13を介して流入する掃気用予備蓄積空気によって掃気される。
【0021】
図2は、
図1に概略的に示したピストン5の斜視図である。
図5が示すように、ピストン5はピストンスカート36を有し、ピストンスカート36はシリンダボア60に設けた混合気取り込み口等の前記開口部を制御する。ピストン5は、ピストンピン61を受容するために眼状のピストンピン受容穴24を有し、ピストンピン受容穴24はピストンポケット23内に配置されている。ピストンスカート36は、混合気取り込み口8側でクランクケース4の方向へ下方に延設されている。この領域には、ピストン5の内縁にクランク軸7用の繰り抜き部28が設けられている。この繰り抜き部28は、ピストン5の下死点範囲でピストン5がクランク軸7と衝突するのを避けるためのものである。
【0022】
図2が示すように、ピストン5はピストンポケット23の上方に軽量化ポケット25を有し、軽量化ポケット25内には補強リブ42が配置されている。ピストンポケット23とピストンスカート36の排気口9側領域との間には、ピストン5の外面をピストン内部およびクランクケース4と連通させている軽量化穴29が設けられている。
【0023】
図3が示すように、ピストン5はピストンポケット23の上方にして該ピストンポケット23とピストンリング溝54との間に他の軽量化ポケット26を有している。軽量化ポケット25と26は細条部56を介して互いに仕切られており、該細条部56にピストンスカート36が形成されているとともに、該細条部56の領域ではピストン5がシリンダボア60まで突出している。
図3が示すように、クランクケース4側のピストン下稜30は不規則に形成されている。ピストン下稜30は軽量化穴29に隣接して膨出部32を有し、該膨出部32においてピストン下稜30がピストン底部43の方向へずれており、且つ膨出部32においてピストン下稜30とピストン底部43との間隔が狭くなっている。軽量化穴29と膨出部32との間には細条部33が設けられ、該細条部33にはピストンスカート36の一部分が形成されている。
【0024】
ピストン5のピストンスカート36は、シリンダボア60に開口する開口部、すなわち混合気取り込み口8、排気口9、掃気窓11と13、空気取り入れ口15を所定の制御時間互いに連通させ、且つクランクケース4または燃焼室3と連通させるために用いる。このため、ピストン5はピストンスカート36に複数個の制御面(
図3ないし
図5および
図8に図示)を有している。第1の制御面62は排気口9の領域に配置されている。この第1の制御面62は、排気口9の周領域に配置される、ピストン底部43とピストン下稜30との間の領域であり、排気口9から側方へ突出して該排気口9をピストン周方向において密封している幅狭の領域を含んでいる。密封のために必要なこの側部領域は、たとえば数ミリメートルの幅であってよい。
【0025】
第2の制御面63は、掃気窓11と13が配置されている周領域にしてピストン底部43とピストン下稜30との間の領域に延在している。
図3において、第2の制御面63の境界部を、ピストン長手軸線に対し平行な破線によって示した。第2の制御面63内には複数個の凹部が設けられているが、これらの凹部について以下に詳細に説明する。制御面62と63の間には、周方向に測って間隔h(
図8)が設定されている。ピストン5が
図4と
図5に図示した中心面31(ピストン長手軸線35を含んでいる)に関し鏡対称に形成されているので、それぞれ2つの第2の制御面63と第4の制御面64とが設けられている。ピストン5の中心面31はシリンダの左右対称面に相当している。第4の制御面65は、空気取り込み口15を制御する領域に配置されている。
図8が示すように、ピストンポケット23は制御面63と65にわたって延在しており、従って掃気窓11,13を空気取り込み口15と連通させている。2つの第4の制御面65の間には、混合気取り込み口8を制御する第3の制御面64が設けられている。個々の図が示すように、軽量化ポケット25は第2の制御面63の領域でのみ延在し、軽量化ポケット26は制御面65の領域でのみ延在し、軽量化穴29は互いに間隔hを有する第1の制御面62と第2の制御面63との間の領域に配置されている。
【0026】
図4ないし
図8が示すように、混合気取り込み口8の領域には、第3の制御面64内に他の軽量化ポケット27が配置されている(図では破線で示した)。軽量化ポケット27はピストン5の軽量化のために用いるばかりでなく、作動時に混合気取り込み口8から来る混合気を中間蓄積するためにも用いる。パワーソー、刈払い機、研磨切断機等の手で操縦される作業機に2サイクルエンジン1を使用する場合、作動時に混合気通路16内に燃料が蓄積することがある。燃料の蓄積は、たとえば混合気通路内の圧力変動および/または最適でない流動速度、よって最適でない混合気調製から生じるものである。この燃料を軽量化ポケット27に中間蓄積させることができる。これにより、クランクケース4内に混合気が波のように供給されることによって生じるアイドリング時の作動障害を回避することができる。空気通路14と混合気通路16とが作動時に互いに完全に分離されていない2サイクルエンジン1の場合、軽量化ポケット26にも混合気を中間蓄積させることができる。特に
図8が示すように、すべての軽量化ポケット25,26,27と軽量化穴29とはそれぞれピストンスカート36の一部分によって取り囲まれており、従って互いに密封されている。ピストンポケット23もピストンスカート36の対応する部分によって取り囲まれている。
【0027】
図6と
図7は、軽量化ポケット25,26,27と軽量化穴26との構成を詳細に示したものである。軽量化穴29はそれぞれほぼ漏斗状の凹部37を有し、凹部37はピストン長手軸線35の方向に延在し、スリット38を介してピストン内部空間57と結合されている。ピストン長手軸線35は作動時にシリンダ長手軸線22と一致する。軽量化ポケット25と26は、それぞれ壁の一部分のみをピストン内部空間57から切り離すような深さに形成されている。ピストン5の内側輪郭34は、ピストン5の高さ方向にピストン長手軸線35に対しほぼ平行に直線状に延在している。これを達成するため、軽量化ポケット26の深さはその下にある領域でのピストンポケット23の深さにほぼ相当している。
【0028】
軽量化ポケット25は第1の深さeを有し、この第1の深さeはその下にある領域でのピストンポケット23の深さにほぼ相当している。軽量化ポケット25は眼状のピストンピン穴24の上方に凹部41を有し、凹部41は深さfを有している。深さfは、深さeのたとえばほぼ2倍の大きさである。凹部41の中央には補強リブ42が配置され、補強リブ42は
図3にも図示したが、ピストン長手軸線35に対しほぼ平行に延在している。凹部41は、ピストンピン穴24をピストン底部43に対し支持させる支持部分40まで突出している。支持部分40はピストンスカート36に対し間隔gを有し、間隔gはピストン壁の厚さ分だけ凹部41の軽量化ポケット25の深さfよりも大きい。これによって直線状の内側輪郭34が生じるので、ピストン5を、ピストン長手軸線35の方向に引き抜き可能な中子を用いてダイカスト方式で製造することができる。軽量化ポケット25,26および軽量化穴29も、中心面31に対し垂直に引き抜かれる中子を用いて、または、この方向に脱型可能な型半部分を用いて、成形できるように配置されている。軽量化ポケット27だけは他の中子を用いて、または、その後の切削加工方式で製造しなればならない。ピストンおよびエンジンの他の構成では、他の脱型方向が有利である。
【0029】
図8はピストン5を下死点で示したものである。この位置では、排気口9と掃気窓11,13は燃焼室3に対し開口している。空気取り込み口15は軽量化ポケット26と連通している。混合気取り込み口8は閉じており、または、軽量化ポケット27と連通している。ピストン5の上昇行程時に、まず掃気窓11,13も軽量化ポケット25と連通する。ピストの下降行程時には、まず掃気窓11,13が、続いて空気取り込み口15がピストンポケット23に対し開口し、その結果空気通路14からの掃気用予備蓄積空気を掃気通路10,12内に予め蓄積させることができる。上死点の範囲では、混合気取り込み口8もクランクケース4に対し開口する。この位置は
図9に図示されている。図示の構成では、下死点に到達する前に軽量化ポケット27は混合気取り込み口8を介してクランクケース4と連通している。
【0030】
図10と
図11にはピストン5’の実施形態が図示されている。
図10では、ピストンは空気取り込み口15を開口させる位置で示してある。前記の図に対応する構成要素には同一の符号が付してある。ピストン5’はピストンスカート36’を有している。シリンダ2には、掃気窓11’を備えた2つの掃気通路10’しか開口していない。掃気窓11’は、ピストン5’の更なる上昇行程時にピストンポケット23を介して空気通路14と連通する。ピストン5’は、軽量化穴29の代わりに軽量化穴39を有している。軽量化穴39は
図11に詳細に図示されている。軽量化穴39も同様に凹部37’によって形成され、凹部37’にはスリット38’が接続している。しかし、軽量化穴39は細条部33によってピストン下稜30から切り離されておらず、ピストン5’の外周に対し間隔を有する細条部33’を介してピストン下稜30から切り離されている。本実施形態では、細条部33’は中心面31に対しほぼ平行に延在している。第1の制御面62の領域にあるピストン下稜30によって、シリンダボア60でのピストン5’の十分な案内が得られる。細条部33’は機械的な補強のためにのみ用いる。
【0031】
図12はピストンの1実施形態の部分図であり、この実施形態では、凹部37に、クランクケース4に対し開口している軽量化ポケット39の代わりに、クランクケース4に対し閉じられている軽量化ポケット67が設けられている。他の構成は、
図6から
図11までに図示したピストンの構成に対応している。
【0032】
図13ないし
図19はピストン44の1実施形態を示している。前記の図に対応する構成要素には同一の符号が付してある。ピストン44は第1の軽量化ポケット45を有し、第1の軽量化ポケット45は2サイクルエンジン1の排気口9の領域に延在している。この場合、軽量化ポケット45は第2の制御面63と制御面62の間の領域とを介して制御面63まで延在している。
図17が示すように、第2の制御面62は、周方向に測った幅aを有し、幅aは同様に周方向に測った軽量化ポケット45の幅iよりも小さい。
【0033】
軽量化ポケット45の構成を特に
図18に詳細に示した。軽量化ポケット45は底部55を有し、底部55は連接棒6のための隆起部51を有している。隆起部51はピストンピン61の縦中心面58のまわりに円弧状に延在している。軽量化ポケット45は、ピストン底部43の方向に、ピストン長手軸線35に対し傾斜して延在するルーフ(屋根)部53を有している。この場合、ピストン底部43の中心方向でのルーフ部53とピストン底部43との間隔は狭くなっている。ルーフ部53はピストンリング溝54を後方から取り囲んで、アンダーカットを形成している。対応的に底部55はルーフ部53に対し傾斜し、これに対し平行に延在し、その結果軽量化ポケット45を、ルー部53および底部55に対し平行に引き抜き可能な中子を用いて成形可能である。ルーフ部53に隣接して2つの補強リブ52が設けられ(
図17をも参照)、これらの補強リブ52はピストン長手軸線35に対し平行に延在している。
【0034】
図14が示すように、ピストン44はピストンポケット23とピストン底部43との間に軽量化ポケット48を有し、軽量化ポケット48はピストンピン穴24側に底部49を有している。底部49は連接棒6のための隆起部50を有し、隆起部50は、
図18が示すように、隆起部51に接続し、同様にピストン底部61の縦中心面58のまわりに円弧状に延在している。
【0035】
軽量化ポケット48は、
図17に示したピストン44の全幅dにわたって延在し、互いに対向し合っているピトン面を互いに結合させている。これにより、ピストン44を著しく軽量化することができる。軽量化ポケット48がクランクケース4に対し閉鎖されていることにより、クランクケース4の容積が小さくなる。これにより、拡大された予圧縮部が生じる。軽量化ポケット48がピストン44の全幅dにわたって延在していることは、
図19にも示されている。
図19が示すように、軽量化ポケット45と48は、ピストン長手軸線35に対し平行に且つ中心面31に対し垂直に延在している、ほぼ平坦に形成された壁59によって結合されている。ピストン44の良好な案内を保証するため、壁59はピストンスカート36の領域でのみ幾分拡幅されて実施されている。
【0036】
図13ないし
図15および
図18が示すように、軽量化ポケット48は、平坦に且つピストン底部43に対し平行に延在するルーフ部66を有している。
【0037】
図14ないし
図16が示すように、軽量化ポケット48に隣接して、それぞれピストンポケット23の情報にして第4の制御面65(
図20)の領域に軽量化ポケット46が配置されている。軽量化ポケット46は細条部56を介して軽量化ポケット48から仕切られている。軽量化ポケット46の伊田には、第3の制御面46の領域に軽量化ポケット47が配置されている。軽量化ポケット47は、
図20に示したように、ピストン44の下死点の範囲で混合気取り込み口8と連通する。本実施形態では、軽量化ポケット47の下稜はほぼピストンポケット23の上稜の高さに配置されている。これにより、混合気取り込み口8は軽量化ポケット47またはクランクケース4のいずれかと連通するが、両者と同時に連通しない。すべての軽量化ポケットの間にしてピストンポケット23の外周には、それぞれ細条部が配置され、該細条部においてピストンスカート36はシリンダボア60付近まで突出し、従ってピストンに設けた個々のポケットと凹部とを互いに分離させている。
【0038】
図20が示すように、軽量化ポケット45は排気口9とだけ連通している。軽量化ポケット48は、1回のピストン工程の間に掃気窓11と13とだけ連通する。軽量化ポケット46は混合気取り込み口15とだけ連通し、軽量化ポケット47は取り込み口8とだけ連通する。個々の図が示すように、ピストンスカート36は凹部を備えたほぼその全面にわたって個々の開口部に対し覆われている。また、ピストンスカート36は、個々の機能開口部を互いに切り離している細条部を格子状に配置することによってのみ形成される。
【0039】
図21が示すように、軽量化ポケット45は、制御面63とピストンリング溝54とピストン下稜30との間のほぼ全領域にわたって延在している。軽量化ポケット45は、隣接している制御面、ピストンリング溝54およびピストン下稜30に対し、もっぱら幅狭の密封細条部だけで仕切られている。軽量化ポケット45はどの位置においてもピストン長手軸線35に対し平行に測った高さbを有し、この高さbはこの位置でのピストン下稜30とピストンリング溝54との間の間隔cの少なくとも50%である。
【0040】
図22ないし
図30はピストン70を示している。前記の図に対応する構成要素には同一の符号が付してある。ピストン70は2つのピストンポケット71を有している。眼状のピストンピン穴24は各ピストン側でピストンポケット71に配置されている。ピストンポケット71の上方には、すなわちピストンポケット71とピストン底部43との間には、それぞれ軽量化ポケット72が配置されている。軽量化ポケット72は制御面63を越えて制御面62と63との間に形成されている領域内へ延在して、排気口9を制御する制御面62まで達している。
図23には、ピストン70の上死点での掃気窓11と12の位置が図示されている。ピストンポケット71は、周方向において、制御面63内に配置されている掃気窓11と12の領域から突出して、制御面65へ達している(
図24)。
【0041】
図24が示すように、各制御面64には、それぞれのピストンポケット71の上方に軽量化ポケット73が配置されている。混合気取り込み口8を制御する制御面64には、軽量化ポケット75が配置されている。
図25が示すように、排気口9を制御する制御面62には、軽量化ポケット74が配置されている。軽量化ポケット72,73,74,75とピストンポケット71とはピストンスカートのほぼ全体にわたって延在し、その結果ピストンスカートは、軽量化ポケット72,73,74,75とピストンポケット7とを互いに仕切っている幅狭の細条部だけで形成されている。
【0042】
図26ないし
図29が示すように、ピストン70はその下面に連接棒6用の凹部76を有している。凹部76の輪郭と幅は、連接棒の輪郭にほぼ対応している。凹部76は製造公差の範囲内で連接棒6を可能な限り密に取り囲んでいる。これによりクランクケース4の小さな容積が達成され、よってクランクケース4内での混合気の高い予圧縮率が達成される。
【0043】
軽量化ポケット72,73,74,75とピストンポケット71とは、中心面31に対し平行に引き抜き可能な中子を用いてピストン70をダイカスト方式で製造可能であるように形成されている。このため、軽量化ポケット72,73,74,75とピストンポケット71とは、
図27、
図29、
図30に図示した矢印78の方向にアンダーカットが生じないように形成されている。
図29と
図30が示すように、軽量化ポケット73と74はそれぞれ眼状のピストンピン穴24の上方領域まで延在し、幅狭の細条部77だけで互いに切り離されている。従って、軽量化ポケット73と74の最大深さkは、ピストン70の半径にほぼ相当している。この深さkは細条部77の幅lのほぼ半分だけピストンの半径よりも小さい。細条部77が中央に配置されていなければ、軽量化ポケット73と74の深さkは異なっていてよい。
【符号の説明】
【0044】
1 2サイクルエンジン
2 シリンダ
3 燃焼室
4 クランクケース
5,44 ピストン
6 連接棒
7 クランク軸
9 排気口
10,12 掃気通路
11,13 掃気窓
25,48 第3の軽量化ポケット
26,46 第4の軽量化ポケット
27,47 第2の軽量化ポケット(第2の凹部)
29 軽量化穴(第1の凹部)
36 ピストンスカート
45,67 第1の軽量化ポケット(第1の凹部)
60 シリンダボア
61 ピストンピン
62 第1の制御面
63 第2の制御面