(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記磁気センサ手段からの検出出力に基づいて流量を算出する演算手段と、演算手段の算出した流量データを表示する表示手段と、前記流量データを受信機へ送る送信手段を一体にして上記水道メーターに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド水道メーター。
上記送信手段を無線によるものとしてメーター収納箱の外に配置し、その外に配置した送信手段と、メーター収納箱の中の演算手段とをケーブルを介して接続したことを特徴とする請求項4に記載のハイブリッド水道メーター。
【背景技術】
【0002】
直読式や円読式の水道メーターは、検針業務の際に、表示盤のメーター値を読み取らねばならない。そのため、例えば、以下のような問題があった。
1.メーター収納ボックスの蓋が重くて開閉に力を要するため手間が掛かる。
2.メーター収納ボックスに砂や泥が入り込んで検針業務の妨げとなる。
3.メーター値を読み取る際にミスが発生する。
そこで、電子式水道メーターを採用することが試みられている。電子式水道メーターは、例えば、「特許文献1」に記載されているように、メーター内の流路を流れる水量に応じて回転する羽根車の回転数を検出器で検出する。そして、検出器で検出したパルス信号(正・逆転が区別されたもの)は、メーター内の制御部で瞬間流量や積算流量として計数してメーターの表示部に表示する。また、この電子式水道メーターは、先の計測値を通信により外部に出力可能に構成されており、例えば、ケーブルや無線で接続された地上の受信機へ先の計測パルスを出力して表示させるというものである。
【0003】
ところが、電子式水道メーターは、直読式や円読式の水道メーターと構造上共用できる機構部分が少なく、新たにデジタル化に伴う専用の部品を準備しなければならない。そのため、直読式や円読式のものに比べて数倍程度高くなる。
【0004】
このような問題を解決する一つの方法として、「特許文献2」には、
図16のように、直読式水道メーターのオーバーガラス1上に発光素子2と受光素子3を設けたものが記載されている。このメーターでは、オーバーガラス1上に、発光素子2と受光素子3を配置した透明円板5を取り付け、前記ガラス1を介して発光素子2から表示盤のパイロット4へ光を照射する。そして、その照射したパイロット4からの反射光は、前記オーバーガラス1を介して受光素子3で検出されるというものである。
すなわち、パイロット4は1回転すると、メーターの積算流量表示には1リットル加算されるため、その回転を検出することにより、水道の流量に比例したデジタル(パルス)信号を得るというものである。
このようにデジタル信号を得ることができるので、高価な電子式水道メーターに替えて安価な直読式や円読式のメーターを使用することができるというものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のパイロットからの反射光を検出するものでは、例えば、配管からの気泡の進入などで、指針の進行が不規則に進んだり、戻ったりする乱行を起こした場合、パイロットの回転方向に関係なく、デジタル計数量は加算される。
したがって、メーター指針の表示が減少しているのに、デジタルによる計数量は増加している場合が生じることがあり、両者の値が乖離する。これは、メーターの正当性が疑われるという問題である。
また、上記の発光素子と受光素子を用いたものでは、オーバーガラスを介して光信号の受け渡しを行う。その際、反射光を受光素子へ入射するためには、発光素子から小さなパイロットへピンポイントで光を照射する必要がある。
しかしながら、オーバーガラスは、メーターの視認はできるが、光信号を入出させる際の透過に適したものとは言えない。
そのため、オーバーガラスを介しての光信号の入出力は、例えば、光信号の拡散、屈折、減衰などの影響をうけるため調整が難しく、正確に回転信号を得ることは難しいと考えられる。
しかも、発光素子、受光素子、透明円板や集光レンズなどは、長期の使用に際して、埃や泥などで汚れることは避けられないため、正確な回転信号を長期に亘って維持して出力することは難しい。
【0007】
そこで、この発明の課題は、前記メーター指示とデジタル計量値が一致するようにすることである。また、その際、直読式や円読式の水道メーターの指示を長期間に亘って安定してデジタルデータに変換できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、この発明では、直読式あるいは円読式の水道メーターの表示盤の指針に磁石を装着したリットル針と、前記リットル針の上方に、表示盤を被うカバーガラスを介して配置した磁気センサ手段を備え、前記リットル針は、
2個を一対とする磁石が、各々の磁極の向きが指針の回転軸方向となる向きにして前記指針の回転軸の周囲に平面視で180°位置をずらして取り付けられたものとし、一方、磁気センサ手段は、2個の磁気センサで構成され、前記2個のセンサは、回動するリットル針に装着した各磁石に対して検出出力が90°の位相差となるように配置されており、前記検出出力に基づいて流量を計量するという構成を採用したのである。
【0009】
このような構成を採用することにより、磁石は、パイロットよりも軸のしっかりしたリットル針の指針に装着する。こうすることで、磁石の重量で計量が影響を受けないようにする。また、リットル針の上方に磁気センサ手段を配置して、磁気を介して回転を検出することにより、汚れや経年変化による検出精度の低下を防止する。さらに、磁気センサ手段を2個の磁気センサで構成し、その検出出力が90°の位相差となるようにしたことにより、前記位相差からリットル針の回転方向が検出できるので、回転方向に基づいて計量値の加減算を行えば、メーター表示と一致させることができる。
【0010】
また、このとき、上記磁気センサ手段を保持する第1のリング部材と、前記第1のリング部材を上記メーターの表示盤を臨むレジスタボックスの開口に装着する第2のリング部材からなり、前記第1のリング部材は、リングの内側方向へ突出して表示盤のリットル針の上方に前記センサ手段を保持するホルダー部が形成され、かつ、リングを回動させて第2のリング部材の係合部と係止させる係合手段が設けられ、一方、第2のリング部材には、第1のリング部材との係合手段が設けられるとともに、レジスタボックスの開口に設けた凹部に嵌まる突起が設けられており、前記第2のリング部材の突起をメーターのレジスタボックスの開口の凹部に嵌めて取り付けた後、第1のリング部材の係合部を第2のリング部材の係合部に係合させて回動し、第2のリング部材のホルダーの位置をレジスタボックスの表示盤のリットル針の上方に位置するように調整するセンサ装着手段を備えた構成を採用することができる。
【0011】
このような構成を採用することにより、第1のリング部材を第2のリング部材に取り付ける際に、第1のリング部材を回動させることにより、ホルダー部の位置を調整して、センサ手段を最適な位置に配置することができる。
【0012】
また、このとき、上記磁気センサ手段からの検出出力に基づいて流量を算出する演算手段と、演算手段の算出した流量データを表示する表示手段と、前記流量データを受信機へ送る送信手段を、上記水道メーターと一体に備えた構成を採用することができる。
【0013】
このような構成を採用することにより、磁気センサ手段が検出したデータから演算手段が流量を算出し、その演算手段が算出した流量データを表示手段が表示して検針に対応するとともに、前記流量データを送信手段が送信することにより、遠隔検針を行えるようにできる。
【0014】
このとき、上記送信手段がアンテナコイルを分離してメーター収納箱に設置できるようにした構成を採用することができる。
【0015】
このような構成を採用することにより、分離した共振コイルを、例えば、メーター収納箱内の蓋の直下などの外部との通信が良好に行える位置へ設置できる。
【0016】
また、上記アンテナコイルをメーター収納箱の蓋に磁性材からなるコイル取り付けカバーを介して取り付けた構成を採用することができる。
【0017】
このような構成を採用することにより、アンテナコイルはカバーを介してメーター収納箱の蓋に取り付ければ、共振コイルの磁束を集束させることができるため、蓋のカバーを介してデータの送受信ができる。
【0018】
また、上記送信手段を無線によるものとしてメーター収納箱の外に配置し、その外に配置した送信手段と、メーター収納箱の中の演算手段とをケーブルを介して接続した構成を採用することができる。
【0019】
このような構成を採用することにより、無線を使用することができるので、遠隔地からのデータの取得ができる。
【0020】
また、上記送信手段に表示手段を備えた構成を採用することができる。
【0021】
このような構成を採用することにより、検針によるデータの取得も行える。
【発明の効果】
【0022】
この発明は、上記のような構成を採用したことにより、高価な電子式水道メーターに替えて安価な直読式や円読式の水道メーターを使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
この形態のハイブリッド水道メーターは、直読式(カウンタ表示)単箱型接線流羽根車式メーターを用いたもので、
図2のように、磁石10を装着した表示盤9のリットル針11と、磁気センサ手段12及び
図7のブロック図に示す演算手段30、通信手段31と表示手段32とで構成され、前記演算手段30と通信手段31を収容する防水ケース13を、
図1のように、蓋14の上に取り付けた構成となっている。
【0025】
リットル針11は、
図3(a)に示すように、指針を左右に膨出させて磁石10を取り付けたもので、リットル針11が一回転すると、
図3(b)に示すように、後述する磁気センサ手段12の下を2つの磁石が通過する。したがって、5リットルごとのカウントができる。
なお、ここでは、磁石10を2個としたが、磁石10の個数は2個に限定されるものではない。
磁石10の個数を2N(N=1、2、3・・・)と増やすことで2.5リットル、1.25リットルのように分解能を向上できる。
また、磁石10は、ここでは、
図3(c)のように、S極が上(
図3(a)、(b)紙面側)になるようにしてある。これは、磁気センサ手段12をホールICとした場合の磁束の向きを考慮したものである。
【0026】
磁気センサ手段12は、ここでは波形整形回路を備えたホールICを用いており、ホールICは、後述するように同じものを2個12aと12bと並列に配置するようにしてある。この磁気センサ12aと12bは、センサ装着部材15によって支持される。
【0027】
センサ装着部材15は、例えば、
図4に示すように、第1のリング部材15aと第2のリング部材15bの2つの樹脂製のリング状部材で構成されている。
第1リング部材15aは、リングの内周方向へ突出したホルダー部16を形成して、このホルダー部16で2個のホールIC12a、12bからなる磁気センサ手段12を支持するようになっている。ここでは、例えば、磁気センサ手段12を樹脂でモールドしてホルダー部16を形成してある。
また、第1リング部材15aは、第2リング部材15bとの係合手段として3個のフック状の第1の突起17が設けられている。前記第1の突起17は、フックの開口をリングの内側に向けて、リングの内周から下向きに突出させてある。
一方、第2リング部材15bには、第1リング部材15aとの係合手段として3個のフック状の第2の突起18が設けられている。前記第2の突起は、フックの開口をリングの外側に向けて、リングの内周から上向きに突出させてある。この第2リング部材15bのリングの外周には、L形の突起19が設けられている。
このような、第1と第2のリング部材15a、15bは、例えば、
図4のように、計量機構(羽根車)を収容するレジスタボックス20に取り付ける。
すなわち、表示盤9に臨むレジスタボックス20の開口に嵌める。そのため、レジスタボックス20の開口には、
図4のように、周縁に凹部21が在って、前記凹部21に第2のリング部材15bのL形の突起19を嵌めて取り付ける。さらに、レジスタボックス20の開口に嵌めた第2のリング部材15bに第1のリング部材15aを重ねる。そして、第1のリング部材15aを回動させて、第1と第2のリング部材15a、15bの第1と第2の突起17、18を係合させる。このとき、第1と第2のリング部材15a、15bは、第1と第2のフック状の突起17、18による係止なので、フックが外れない範囲で左右に回動して位置調整ができる。
このようにすることで、
図5のように、センサ装着部材15を取り付けるようになっており、取り付けられた磁気センサ手段12は、所定の検出位置に配置することができるため、
図6のような検出信号が出力される。
【0028】
検出信号は、
図6(a)に示すように、リットル針11の回転に伴って、磁気センサ12aと磁気センサ12bは、90°位相がずれた信号を出力するようになっており、
図6(b)の逆転時の波形と比較すると、正転と逆転で両センサ12a、12bの出力の位相が逆転する。そのため、その位相から、後述のようにメーターの逆転量も検出できるようになっている。そして、このような出力となるように、前記センサ12aと12bは配置されるのである。
【0029】
このセンサ12aと12bの出力は、演算手段30に入力される。演算手段30は、マイクロコンピュータを主とする処理回路で構成されたもので、例えば、
図6(a)のように、磁気センサ12aの出力パルスの立ち上がりエッジと立下りエッジの間に、磁気センサ12bの出力パルスの立ち上がりエッジ「ア」を検出すると、メーターが正転しているとしてその正転を検出した磁気センサ12bの立ち下がりエッジ「イ」で流量の加算をする。
一方、
図6(b)のように、磁気センサ12aの出力パルスの立ち上がりエッジと立下りエッジの間に、磁気センサ12bの出力パルスの立ち下がりエッジ「ウ」を検出すると、メーターが逆転しているとしてその逆転を検出した磁気センサ12bの立ち上がりエッジ「エ」で流量の減算を行うのである。
このように流量の加減算を行って積算量を算出することにより、指針で示される積算量(相対的な量)と、デジタルに変換した積算量が同じ値を示すことができる。
また、この算出した積算量は、この形態の場合、メーターの蓋14に設けられた防水ケース13に本演算手段30と一緒に収容されている通信手段31に送出されると共に、蓋14上に設けられた表示手段(液晶など)32に表示される。
【0030】
前記通信手段(無線子局)31は、ここでは、無線を使った周知のもので、処理回路が通信を制御しており、例えば、
図7に示すように、外部のハンディターミナル25からのリクエスト信号を受信すると、前記処理回路で算出された積算量を送信する。
ここで、ハンディターミナル25は、通信手段(無線親局)39、演算部40、表示部41を備えて、
図7のように、水道メーターの積算量を検針するためのものである。
なお、防水ケース13には、電池(例えば、Li電池などの10年程度使用可能なもの)を備えている。
【0031】
この形態は、上記のように構成されており、例えば、ハイブリッド水道メーターは、単箱型接線流羽根車式メーターのリットル針11を磁石10が装着されたものに換装し、第1と第2のリング部材15a、15bを、例えば、
図4のように、計量機構を収容したレジスタボックス20の開口に第2のリング部材15b、第1のリング部材15aの順に重ねて取り付ける。そして、第1のリング部材15aを回動して、第1と第2のリング部材15a、15bの第1と第2の突起17、18を係合する。
その際、第1リング部材を左右に回動させることで、磁気センサ手段12を最適な検出位置に取り付けることができる。このように、センサ装着部材15を第1と第2のリング部材15a、15bに分けたことで、検出位置の調整ができるため、メーターごとの誤差を修正できる。
こうして組み立てられるハイブリッド水道メーターは、従来の単箱型接線流羽根車式メーターと同様に、例えば、
図8に示すように、メーター箱33に設置して配管に接続する。
【0032】
設置された水道メーターは、例えば、
図9〜
図10のフローチャートに基づいて処理を行う。
図9(a)にメインルーチン(「処理」100:以下「処理」省略)を示す。メインルーチン(100)は、
図9(b)のタイマ処理ルーチン(500)と
図9(c)の通信処理ルーチン(700)で構成されている。また、
図9(c)の通信処理ルーチン(700)は、
図10(d)の受信処理ルーチン(710)と
図10(e)の送信処理サブルーチン(750)で構成される構造となっている。
【0033】
この水道メーターは演算手段30を起動すると、まず、メインルーチン(100)が、初期設定として積算データをクリアし、識別用データをメモリから作業エリアへ読み込む。そして、マイクロコンピュータのタイマから年月日及び日時を読み込んで処理を開始する(200)。
【0034】
いま、水道を使用すると、水の使用に伴って流量の最下位表示をするためのリットル針11が回転を開始し、このリットル針11の回転と連動してメーターの表示盤9の上位の指針(カウンタ)も回転する。このとき、リットル針11が回転すると、その回転に伴って、磁気センサ12a、12bが、
図6(a)のように検出パルスを出力する。
この際、前記メーターのメインルーチンでは、ループ処理(300)により所定時間ごとにタイマ割り込みを発生して(400)タイマ処理ルーチンが繰り返し実行される(500)。また、タイマ割り込み(400)が発生しない場合は、タイマ処理ルーチン(500)をスキップして、処理600の通信割り込みを実行する。
【0035】
タイマ処理ルーチン(500)では、例えば、
図9(b)のフローチャートに示すように、磁気センサ12a、12bからの入力を読み込んで(510)、羽根車が回転中かどうかを判別する(520)。このとき、羽根車が回転中であれば、正転か逆転かを判別する(540)。そして、正転の場合は、1パルス当たりの流量を加算し(560)、逆転の場合は1パルス当たりの流量を減算する(550)。この正逆転の判定は、先に述べたように磁気センサ(12a、12b)からの検出出力の位相で判定する。次に、その加減算した値を表示手段(570)に表示して、メインルーチンへリターンし(580)、次の通信処理(700)を実行する。
一方、羽根車が回転中でなければ(520)、メインルーチンへ戻り(530)、次の通信割り込み処理(600)を実行する。
このように、リットル針の回転に応じて積算量を加減算するので、メーター針のカウンタ表示(設置時からの積算量)と表示手段の表示(リットル針11からの取得値)とを一致させることができる。
したがって、安価な直読式や円読式の水道メーターの機構を使用して、電子式水道メーターと同様に検査業務の問題を解決できる。
【0036】
次に、メインルーチンは、所定時間ごとに、端末からの送信リクエストを受信するため割り込み処理を実行する(600)。そして、送信リクエストを受信しない場合は、処理300へ戻る。また、リクエストを受信した場合は、通信処理ルーチン(700)を実行する。
通信処理ルーチン(700)では、
図9(c)に示すように、まず、受信処理ルーチンを実行する(710)。受信処理ルーチン(710)は、
図10(d)に示すように、受信データの識別符号が予めセットされたものと一致するかを判別する(711)。このとき、識別符合が一致すれば、呼び出し信号の有無や呼び出し信号の正当性を認証したことになるので、受信データを取得して通信処理ルーチンへリターンする(712)。このとき、識別符号が一致しなければ、受信したデータを破棄してスリープ状態に移行して、次のタイマ割り込みの発生に備える(713)。
一方、識別符号が一致した場合は、
図9(c)のように、データ本体のパリティチェック(720)と電文エラー(決められた「送信開始」電文)が無い場合は、送信処理を行う(740)。また、受信できない場合は、処理300へリターンする(730)。
送信処理(750)では、
図10(e)に示すように、キャリアセンスにより、複数のキャリアが送出されていないか、電波の状況を確認する(751)。このとき、同一周波数のキャリアが無ければ(752)、通信処理ルーチンへ戻って(750)、積算データを前記キャリアに乗せて送信する。送信終了後は、処理300へ戻って処理300〜700を繰り返す。
一方、同一周波数で通信中のキャリアがあれば、一定時間経過してから繰り返しキャリアセンスを行って積算量を送信する(753)。また、繰り返しの時間がタイムアウトした場合は、スリープ(省電力待機モード)状態になって必要最小限の電力状態で次回の通信割り込みが発生するまで待機する(754)。
このように、端末へ積算量のデジタルデータを送信することができるので、高価な電子式水道メーターに替えて使用できる。
【実施例1】
【0037】
この実施例1は、ハイブリッド水道メーターの設置タイプを示したもので、
図11は、誘導方式によるデータ送信に対応したものを示す。この場合、無線通信手段に替えて、ピックアップコイル60と共振コンデンサとからなる共振回路を使用した周知(例えば、特開平4−88500号公報第2図)のもので、例えば、
図12に示すように、ハンディターミナル36の共振回路との間でデータの受け渡しができるようにしたものである。この場合、メーター側の誘導(ピックアップ)コイル60は、メーター箱33の蓋34に取り付けるようにしても良いが、
図14に示すように、蓋34を貫通したフェライトなどのコイル取り付けカバー35を使用するようにしても良い。
また、
図13は、無線通信手段を収容した防水ケース13をケーブルでメーター本体から分離してメーター箱33の外へ配置できるようにしたものである。このように前記ケース13をメーター箱33の外に配置することで、送信可能な範囲を広くできるというものである。また、防水ケース13に、表示手段32を設け、流量の監視(モニタ)がメーター箱33の蓋34を開けることなく、直接読み取れるようにしたことにより、利便性を向上させたものである。
図14は、
図11の共振回路と、
図13の防水ケース13の二つのインターフェースを備えたもので、メーター箱33の蓋34には、蓋34を貫通するフェライトなどのコイル取り付けカバー35を設けてある。こうすることで、積算データ取得側が誘導タイプでも無線機タイプでも対応できる。
ちなみに、符号36は、誘導方式によるハンディターミナルである。
【0038】
なお、実施形態では、水道メーターへの磁気センサ手段12の取り付けには、リング状のセンサ装着部材15を用いてレジスタボックス20に取り付けたが、磁気センサ手段12の取り付けは、このようなセンサ装着部材15の使用に限定されるものではない。例えば、
図15に示すように、水道メーターのオーバーガラス板1に磁気センサ12a、12bを直接接着するようにしたり、レジスタボックス20の開口に直接設けたりするようにしても良い。ここで、
図15の符号13は無線通信機を備えた防水ケース、符号37は通信端末である。他の作用効果については実施形態と同じである。